JP5344779B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
ナギイカダ(Ruscus aculeatus L.)の乾燥根茎を細切し、その10gに30vol%エタノール水溶液100mLを加え、室温下時々攪拌しながら24時間抽出した後、濾過した。これに水100mLを加え、40℃で減圧下、約70mLまで濃縮した。この操作を3回行った後、水及びエタノールを加えて、エタノール濃度を30vol%濃度に調整し、全体を100mLとした抽出物を得た(固形分1.22%)。
キキョウ(Platycodon glandiflorum(Jacq.)A.DC.)の乾燥根を細切し、その10gに50vol%エタノール水溶液100mLを加え、室温下時々攪拌しながら24時間抽出した後、濾過した。これに水100mLを加え、40℃で減圧下、約70mLまで濃縮した。この操作を3回行った後、水及びエタノールを加えて、エタノール濃度を50vol%濃度に調整し、全体を100mLとした抽出物を得た(固形分5.79%)。
オランダガラシ(Nasturtium officinale R.Br.)の乾燥全草を細切し、その10gに50vol%エタノール水溶液100mLを加え、室温下時々攪拌しながら24時間抽出した後、濾過した。これに水100mLを加え、40℃で減圧下、約70mLまで濃縮した。この操作を3回行った後、水及びエタノールを加えて、エタノール濃度を50vol%濃度に調整し、全体を100mLとした抽出物を得た(固形分0.18%)。
その他の植物についても同様に、全草、葉、根、根茎、果実、種子又は花を細切し、その10gに適宜濃度調整した水とエタノールの混液、若しくは水と1,3−ブタンジオールの混液100mLを加え、室温下時々攪拌しながら24時間抽出した後、濾過した。これに水100mLを加え、40℃で減圧下、約70mLまで濃縮した。この操作を3回行った後、水及びエタノール、若しくは1,3−ブタンジオールを加えて、エタノール濃度、1,3−ブタンジオール濃度を適宜調整し、全体を100mLとした抽出物を得た。
<ケラチノサイトの培養>
正常ヒト新生児包皮由来表皮角化細胞(KK−4009、Strain No : 8C0509、クラボウ)を試験に用いた。6穴プレートに細胞を播き込み、60〜80%コンフルエントになるまで2mLのケラチノサイト−SFM培地で培養した。培養は5%CO2、37℃条件下でおこなった。
<de novoコレステロール合成アッセイ>
60〜80%コンフルエントに達した細胞はアッセイに用いるため、実験開始24時間前に2mLの添加剤不含のケラチノサイト−SFM培地(ケラチノサイト−SFM(−)培地)に交換し、馴化させた。アッセイは、培地を新しい1mLのケラチノサイト−SFM(−)培地に交換し、20μLの[1−14C]−酢酸ナトリウム溶液、及び10μL(1vol%濃度)の上記植物抽出物を直接培地に添加することで開始した。[1−14C]−酢酸ナトリウム溶液は[1−14C]−無水酢酸ナトリウム粉末(NBC−084、250μCi、2mCi/mmol、第一化学)を2mLのケラチノサイト−SFM(−)培地で溶解したものとした。
上記植物抽出物を添加して18時間培養した後、培地を吸引除去し、PBS(−)で細胞を2回洗浄した。その後、1ウェルあたり0.5mLの0.1N水酸化ナトリウム溶液を添加して反応を停止した。このまま室温で数分間放置することで細胞を溶解し、分析に用いるまで−20℃に保存した。
300μLの細胞溶解液を10mL容蓋付きガラスチューブにとり、ここに1mLの20w/v%KOH−エタノール溶液を添加し、水浴中で85℃、3時間処理した。放冷後、0.5mLの蒸留水を添加し、1mLの石油エーテルで2回抽出した。抽出液は別の10mL容蓋付きガラスチューブにとり、窒素気流下で乾固した。抽出物に2mLのアセトン/エタノール(1:1)、10μLの10Vol%酢酸水溶液、及びキャリアステロールとして100μLの2mgコレステロール/mL アセトン/エタノール(1:1)溶液を添加して溶解し、ここに1mLの1w/v%ジギトニン(D−5628、Sigma)/50vol%エタノール溶液を添加してそのまま密栓して室温下、一夜放置した。翌日ガラスチューブを遠心した後、上清を吸引除去し、2mLのアセトン/エーテル(1:2)、及び2mLのエーテルで沈殿を洗浄した。このジギトニン/ステロール沈殿物を窒素気流下で乾固させた後、再び1.5mLの酢酸/メタノール(1:1)溶液で溶解し、標準液シンバイアルに回収した。これに10mLの液シンカクテル(Aquasol−2、Packard)を加えて混合し、液体シンチレーションカウンタ(2550TR/LL、Packard)で放射活性を測定した。
de novoコレステロール合成量は[1−14C]−酢酸のステロール画分への取込み量で表し、細胞全タンパク量で標準化した(dpm/mg protein)。細胞タンパク量の測定には50μLの細胞溶解液を用い、BCA Protein Assay Reagent(Pierce)によって求めた。
コントロールを100としてコレステロール合成促進率を算出した結果を図1に示す。図1から明らかなように、いずれのエキスにおいてもヒトケラチノサイトに対するコレステロール合成促進効果が認められた。
<方法>
生後3日齢のSDラット新生仔を氷中屠殺し、ヒビテン液で体表面を洗浄した後、無菌的に髭器官を摘出し培養に用いた。髭器官の摘出部位は眼側近位の縦2列とし、左右それぞれ各8本の髭器官を摘出した。得られた髭器官はRPMI1640培地にて洗浄し、組織培養用プラスチックシャーレで培養した。シャーレ中央部の穴の上にステンレス製メッシュをのせ、その上に1シャーレあたり8本(1匹の片頬分)の髭器官をのせ、組織が浸る程度(約0.7mL)に培地を加えた。培地は、1.25mM酢酸ナトリウム(2.5μCi/mL [1−14C]−酢酸ナトリウム)を含むRPMI1640培地とした。1匹のラットから2シャーレ分(左右の髭器官)を調製し、一方をコントロール、もう片方をサンプル添加とした。サンプルはブッチャーブルーム抽出物とし、培地に1vol%濃度になるように添加した。培養は通常の5%CO2、37℃条件下でおこない、5日間培養した。
毛伸長量測定のため、培養開始直後、及び5日間の培養終了時にシャーレを実体顕微鏡下に移し、毛包をステンレス製メッシュの升目とともに写真撮影した。培養終了後、実体顕微鏡下で髭器官を毛包部と毛シャフト部に分離し、毛シャフト部のみをコレステロール合成アッセイに用い、実施例1と同様の方法でコレステロール生合成量を測定した。コレステロール生合成量は単位伸長量あたりに換算して表した。
毛シャフト単位伸長量あたりのコレステロール合成量を図2に示す。ブッチャーブルーム抽出物は毛シャフト単位伸長量あたりのコレステロール量を有意に増加させた。このことから、ブッチャーブルーム抽出物は毛母細胞にもケラチノサイトと同様に作用してコレステロールの合成を促進し、合成されたコレステロールが毛シャフト部に蓄積されることが判明した。
<動物試験>
10匹の7週齢(♂)白色モルモットの背部体毛をバリカンで毛刈りし、サンプル塗布部位として左右それぞれ3×7cmの部分をマーキングした。塗布サンプルは3vol%濃度のブッチャーブルーム抽出物、及び基剤のみのコントロールとした。
本発明品 (v/v) コントロール品 (v/v)
ブッチャーブルーム抽出物 3% エタノール 60%
エタノール 60% 水 40%
水 37%
右側背部は本発明品、左側背部はコントロール品を毛刈りの日から毎日1回、それぞれ0.3mLずつを塗布した。4日目に再度毛刈りをおこない、さらに10日間連続して塗布した。塗布終了後、モルモットを屠殺し、背部皮膚を回収し、サンプル塗布部位の範囲内で3×6cmの皮膚を正確に切り取り、再生毛を毛刈りし回収した。
<角層コレステロール量の測定>
切り取った皮膚は直ちに60℃の温浴中に60秒間浸漬し、表皮を分離した。表皮は更に0.5w/v%濃度のトリプシン(T7409、Sigma)溶液に移し、37℃で1時間処理し、角層を分離した。得られた角層は凍結乾燥し、その重量を測定した後、Bligh−Dyer法(クロロホルム:メタノール:水=4:4:3.6)による脂質抽出を行った。角層脂質抽出液は20cm×20cmのシリカゲル薄層クロマログラフィープレート(Merck, 1.11798)にアプライし、クロロホルム/メタノール/水(100:10:0.5)で3cm(2回繰り返す)、ヘキサン/酢酸(80:10)で12cm、ついで石油エーテルで15cm展開した。その後プレートを乾燥し、10w/v%硫酸銅・8w/v%リン酸水溶液に浸漬・乾燥したのち、180℃のホットプレート上で発色させ、デンシトメーター(ATTO, Lane & Spot Analyzer Ver 5.01h)でコレステロール量を求めた。
角層重量当たりのコレステロール量を図3に示す。図3から明らかなように本発明品を塗布した角層中のコレステロール量が増加していることが認められた。
<毛内在コレステロール量の測定>
実施例3で得られた再生毛は20mLの蒸留水で20分間洗浄したのち、さらに10mLのヘキサンで2分間洗浄して表面の汚れを除去した。これをさらに蒸留水で軽く濯ぎ、そのまま風乾させた。再生毛はハサミで3mm程度の長さに細切し、正確に30mgを秤量し、10mL容ガラス試験管に移した。これから以下に示す溶媒を用いて内在遊離脂質の抽出をおこなった。
5mL クロロホルム/メタノール(2:1)
室温、24時間
5mL クロロホルム/メタノール(1:1)
室温、24時間
5mL クロロホルム/メタノール(1:2)
室温、24時間
5mL クロロホルム/メタノール/蒸留水(18:9:1)
室温、24時間
それぞれの抽出液は別の10mL容ガラス試験管にまとめて回収し、窒素気流下で乾固させた。これをクロロホルム/メタノール混液(1:1)に溶解し、体毛内在遊離脂質抽出液とした。これを実施例3と同様の方法で分析し、コレステロール量を求めた。
体毛重量当たりのコレステロール量を図4に示す。図4から明らかなように本発明品を塗布して新たに発育した体毛中のコレステロール量が増加していることが認められた。
<体毛水分量の測定>
実施例3で得られた再生毛を実施例4に示した方法で洗浄、風乾させた。これを温度23℃、相対湿度0%の状態で10日間放置したのち、精秤した。さらに、体毛を温度23℃、相対湿度43%の状態で14日間放置したのち、精秤した。相対湿度43%時の体毛重量から相対湿度0%時の体毛重量を減じた値を温度23℃、相対湿度43%時における体毛水分量とした。
測定結果を図5に示す。本発明品を塗布して新たに発育した体毛の水分保持機能は明らかに向上していた。
実施例3で得られたモルモット体毛を温度23℃、相対湿度50%に一昼夜放置し、10名の専門パネラーにより、下記の評価基準に従い、ハリ・コシ、なめらかさ、しっとり感を判定した。
評価基準 評点
<体毛のハリ・コシの評価>
感触に弾力がありハリ・コシがある :+1点
どちらとも言えない : 0点
感触に弾力がなくハリ・コシがない :−1点
<体毛のなめらかさの評価>
感触になめらかさがある :+1点
どちらとも言えない : 0点
感触になめらかさがない :−1点
<体毛のしっとり感の評価>
感触にしっとり感がある :+1点
どちらとも言えない : 0点
感触にしっとり感がない :−1点
以下に示す組成のヘアローションを常法により製造した。
以下に示す組成のヘアトリートメントを常法により製造した。
Claims (2)
- ブッチャーブルーム、キキョウ、サイシン、ゲンチアナ、カッコン、スイカズラ、グレープフルーツ、クマザサ及びキョウニンから選ばれる植物又はその抽出物を有効成分とし、頭皮に適用される毛母細胞のコレステロール合成促進剤。
- ブッチャーブルーム又はその抽出物を有効成分とし、頭皮に適用される髪質改善剤であって、前記髪質改善が毛髪の柔軟性、しっとり感、なめらかさ、ツヤ、ハリ及びコシのうちいずれか1以上の向上である髪質改善剤。
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