JP6820645B2 - 美白用組成物及び化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、生体安全性にすぐれ、化粧料(医薬部外品も含む)や美容用経口組成物に配合される機能性材料に関する。
皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、ホルモン分泌の低下、細胞外マトリックス成分の量的低下などの内的要因と、太陽光(紫外線)に誘発される活性酸素、化学物質、又は環境ストレス等などの外的要因とが複雑に絡み合って生ずる現象である。それらのうち、外的要因である紫外線や化学物質は、皮膚の細胞や組織にダメージを与えて生体成分を変質させ、その結果、皮膚内に抗原を発生させる要因となる可能性がある。このことから、それらの外的要因は、抗原による皮膚の炎症やアレルギーの発症の要因となり、さらにはメラニン色素の異常沈着を誘発してシミ、ソバカス、肝斑などを生じさせるなど、肌に様々なダメージを与える。
以上の要因に生じる皮膚の老化を防ぎ、皮膚を健全、かつ、若々しい状態に保持するため、従来、種々の活性成分の使用が提案され、それら活性成分を配合した化粧品や経口用組成物が上市されている。例えば、ビタミンE類などの抗酸化剤;グリチルリチン酸などの抗炎症剤;各種紫外線吸収剤;α−ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸などの細胞賦活成分;コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分;尿素などの保湿剤が提案されている。しかし、従来の活性成分では、有効性及び生体安全性の双方を十分に満足させることが困難であり、かかる点が改善された機能性原料が求められている。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、生体安全性の観点から天然物由来の新たな活性成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、マタタビ科マタタビ属の植物であるキウイの果実の抽出物が、すぐれた美白作用及び美肌作用を示し、当該抽出物を配合することで生体安全性及び有効性にすぐれた化粧料や美容用経口組成物の提供が可能になることを見出した。
従来、マタタビ科マタタビ属のキウイの抽出物を化粧料に配合すること、及びキウイの抽出物がコラーゲンゲル増殖促進作用を有することについては公知であった(特許文献1,2)。しかし、キウイの果実の抽出物が美白作用、バリア機能向上作用及び保湿作用及びを有し、これを配合することで、有効性にすぐれた化粧料や美容用経口組成物を提供することができることについては何ら知られていなかった。
特開平11-335235号 特開平07-309770号
本発明は、マタタビ科(Actinidiaceae)マタタビ属(Actinidia)のキウイの果実の抽出物を有効成分とする美白用組成物、及び当該組成物を配合した化粧料である。
本発明は、マタタビ科(Actinidiaceae)マタタビ属(Actinidia)のキウイの果実の抽出物と美白剤とを含有する美白用組成物、及び当該組成物を配合した化粧料である。
なお、本明細書において化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品までも含む広義で用いる。
本発明によれば、有効成分であるキウイの果実の抽出物が有する美白作用、バリア機能向上及び保湿作用により、すぐれた化粧料や美容用経口組成物の配合剤を提供することができる。加えて、当該抽出物は天然物由来のものであるため、生体安全性にすぐれた化粧料や美容用経口組成物を提供することもできる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品までも含む広義で用いる。
本発明で用いるマタタビ科マタタビ属のキウイの種は特に限定されるものではないが、黄色種(学名:Actinidia chinensis)でも、緑色種(学名:Actinidia deliciosa)でもよい。品種としては、例えば、ゴールデンキング、紅妃、紅姫、アップルキウイ(センセーションアップル、魁蜜)、ホート16A(ゼスプリゴールド)、紅心、小林39(フジゴールド)、ピュアカントリー、ファーストエンペラー、ティアドロップ、紅鮮、グレープキウイ、さぬきゴールド、豊蜜、さぬきエンジェルスイート、東京ゴールド、ヘイワード、ブルーノ、アボット、エルムウッド、香緑、讃緑、グリーンシル、モンティ、グレーシー等が挙げられるが、本発明はこれに限るものではない。
また、本発明に係るキウイの果実は、幼果期から成熟期のいずれのものを用いても良いが、幼果期の未成熟果実が好ましい。また、未成熟の果実を使用する場合、その直径は0.5〜5cm、好ましくは2〜4cmのものを指す。
抽出物の調製に用いるキウイの果実は、生のものでも、乾燥したものでもよい。また、抽出工程の前に、必要に応じて、当該果実をペースト状、細切又は粉砕しでもよい。抽出は、浸漬法、超臨界法、水蒸気蒸留法等の常法に従って果実を抽出溶媒と接触させることで行うことが可能である。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独で又は二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、本発明においては水、低級アルコール類又は多価アルコール類などの親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水もしくは低級アルコール類(特にエタノール)の単独使用、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3−ブチレングリコールもしくはプロピレングリコール)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水の単独使用が最も好ましい。混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水とエタノールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1、水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
抽出物の調製に際して、抽出物のpHに特に限定はないが、一般には4〜8の範囲とすることが好ましい。かかる意味で、必要であれば前記抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば水を抽出溶媒とする場合であれば、抽出温度は2〜85℃の範囲が好ましく、さらには、4〜40℃の範囲がより好ましい。また、抽出時間は、0.5〜48時間の範囲が好ましく、さらには、4〜24時間がより好ましい。
上記条件により得られる抽出物は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま化粧料や美容用経口組成物の配合剤として使用しても、減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。
また、以上のようにして得られる本発明に係る抽出物は、美白剤と共に用いることで、格段にすぐれた美白の相乗効果を奏する。例えば、美白剤としては、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、コウジ酸及びその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、t−シクロアミノ酸誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5,5'−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール)、4−HPB(ロドデノール、4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ブタノール))、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α−ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−5−グルコシドなどのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L−アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L−アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体等が挙げられる。また、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が挙げられる。また、コウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が挙げられる。トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)などが挙げられる。また、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が挙げられる。また、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が挙げられる。ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が挙げられる。また、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等が挙げられる。
本発明のキウイの果実の抽出物を含む化粧料(医薬部外品も含む)としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パックなどの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉などのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアクリームなどの毛髪用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。また、美容用経口組成物としては、美容飲料、栄養ドリンク、スポーツドリンク、ニアウォーター、ビタミン飲料、ミネラル飲料、アルコール飲料などの飲料;各種スープ類(粉末スープも含む)、乳製品、ゼリー、キャンディ、錠菓、ガム等の食品;錠剤、液状、顆粒状又はゼリー状の健康食品・飲料等に配合することができるが、本発明はこれに限るものではなく、経口摂取できる飲食品等に配合することができる。
化粧料におけるキウイの果実の抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、一般に0.002〜10.0重量%、好ましくは0.02〜7.0重量%の範囲である。また、毛髪用化粧料の場合は、抽出物の固形分として、一般的には0.00001〜5.0重量%(固形分重量%、以下同じ)であり、好ましくは、0.0001〜3.0重量%である。また、美容用経口組成物におけるキウイの未成熟果実の抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、0.1〜15重量%の範囲が好ましい。
化粧料又は美容用経口組成物には、必須成分のキウイの果実の抽出物、又は当該抽出物と美白剤のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。また、キウイの未成熟果実の抽出物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分を組み合わせて配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤乃至乳化助剤としては、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;シラン根(白及)抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体(例えば、ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等)等がある。
生理活性成分としては、美白成分として、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シソ抽出物、米糠抽出物又はその加水分解物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ムラサキシキブ抽出物、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物、ハトムギ加水分解物、モモの未成熟果実の抽出物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物等が上げられ、抗老化成分として、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、竹の抽出物、タケノコの抽出物、ナス(水ナス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、アンズ果実の抽出物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米抽出物又はその加水分解物、米醗酵エキス、発芽米抽出物又はその加水分解物、発芽米発酵物、黒豆抽出物又はその加水分解物、ダマスクバラの花の抽出物、タケノコの皮の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、アロエ抽出物、ミツイシコンブ抽出物、ヘチマ抽出物、アナアオサ抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物等がある。
次に、製造例、実施例(処方例)及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.キウイの果実のエキスの調製
キウイ(Actinidia chinensis)の未成熟果実300gをミンチ状にし、これに精製水50gを添加する。この精製水により冷蔵で一晩抽出を行う。抽出液を濾過し、淡褐色透明のキウイの未成熟果実抽出物300g(固形分濃度 2.0%)を得た。
実施例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
フェノキシエタノール 0.1
[B成分] 部
製造例1の抽出物溶液 2.5
グリセリン 5.0
カルボキシメチルモノステアレート 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
実施例2.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
[B成分] 部
製造例1の抽出物溶液 2.0
タケノコの皮の抽出物溶液 2.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
コラーゲン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例3.ローション
[A成分] 部
製造例1の抽出物溶液 2.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
フェノキシエタノール 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
実施例4.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
[B成分] 部
製造例1の抽出物溶液 5.0
モモの未成熟果実の抽出物溶液 2.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分] 部
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
実施例5.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
製造例6.乳液
実施例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは実施例と同様にして乳液を得た。
実施例7.乳液
実施例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは実施例5と同様にして乳液を得た。
実施例8.乳液
実施例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは実施例5と同様にして乳液を得た。
実施例9.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
アルブチン 3.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例10.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 2.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
実施例11.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分] 部
製造例1の抽出物溶液 2.5
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分] 部
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適量
[D成分] 部
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
実施例12.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分] 部
製造例1の抽出物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
処方例13.ヘアシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
製造例1の抽出物 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアシャンプーを得た。
実施例14.ヘアコンディショナー
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の抽出物 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアリンスを得た。
処方例15.美容飲料
製造例1の抽出物 10.0
コラーゲン 8.0
クエン酸 0.1
甘味料(スクロース) 0.01
酸化防止剤(ビタミンC)0.01
精製水 全量が100部となる量
処方例16.錠剤
製造例1の抽出物 20.0
ビタミンC 20.0
脂肪酸エステル 10.0
乳酸カルシウム 20.0
乳糖 30.0
上記重量部の各成分を混合した後、加圧成形し、錠剤とした。
試験例1.細胞内チロシナーゼ活性抑制作用
[試験方法]
培養B16マウスメラノーマ細胞を、96穴マイクロプレートに8×10個/穴播種し、10%仔牛血清(FBS)含有RPMI培地中、37℃、5%COの条件下に1日間プレ培養した後、10%FBS含有RPMI培地に本発明の製造例1に係る抽出物を試料溶液として添加し、同条件で2日間培養した。ここで、本試験で用いた試料溶液としての濃度は、当該培地に対して溶液としての終濃度が1.0,2.0重量%となるように調製した。次に培養液を除去し、界面活性剤(Triton X-100)と5mMのL−ドーパ溶液を添加して37℃で反応を行った後、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用い、波長490nmでドーパ値を測定した。試料溶液に代えてPBS(‐)溶液(Control)を用いた場合についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたドーパ値に対する各試料添加時のドーパ値の相対値を求め、チロシナーゼ活性率(%)とした。さらに、本発明の製造例1に係る抽出物と美白剤[アスコルビン酸 2−グルコシド(0.05%)]を試料溶液として用いた場合についても同様の操作を行い、チロシナーゼ活性率(%)を算出した。また、比較対象として、試料溶液に代えてアスコルビン酸 2−グルコシド(0.05%)を用いた場合についても同様の操作を行い、チロシナーゼ活性率(%)を算出した。
試験例1の結果を表1に示す。
[表1]
表1に示すように、本発明に係る抽出物は、格段にすぐれたチロシナーゼ活性抑制作用を有することが確認された。また、本発明に係る抽出物と美白剤(アスコルビン酸 2−グルコシド)とを組み合わせることで、さらに、チロシナーゼ活性抑制効果が亢進されることも確認された。
試験例2.細胞内メラニン生成抑制試験
[試験方法]
培養B16メラノーマ細胞を、フラスコに5.0×10個播種し、10%FBS含有RPMI培地中、37℃、5%COの条件下でプレ培養を行った後、10%FBS含有RPMI培地で本発明の製造例1に係る抽出物を希釈した液に交換し、同条件で3日間培養した。ここで、本試験で用いた試料溶液としての濃度は、当該培地に対して溶液としての終濃度が1.0,2.0重量%となるように調製した。次に、培養液を除去し、細胞を回収した後、0.1N NaOH含有10%DMSO溶液を加えて細胞内容物を抽出した。この抽出液について、分光光度計(U-2000、株式会社日立製)を用い波長475nmでメラニン量を、又プロテインアッセイキット(バイオラッド社製)でタンパク質量を測定した。ここに得られた結果から、タンパク質量当たりのメラニン量を算出した。試料溶液に代えてコントロールとしてPBS(‐)を添加したときのメラニン量も測定し、当該メラニン量を100としたときの試料添加時の当該メラニン量の相対値をメラニン生成率(%)として表した。さらに、本発明の製造例1に係る抽出物と美白剤[アスコルビン酸 2−グルコシド(0.05%)]を試料溶液として用いた場合についても同様の操作を行い、メラニン生成率(%)を算出した。また、比較対象として、試料溶液に代えてアスコルビン酸 2−グルコシド(0.05%)を用いた場合についても同様の操作を行い、メラニン生成率(%)を算出した。
試験例2の結果を表2に示す。
[表2]
表2に示すように、本発明に係る抽出物は、格段にすぐれたメラニン生成抑制効果を有することが確認された。また、本発明に係る抽出物と美白剤(アスコルビン酸 2−グルコシド)と組み合わせることで、さらに、メラニン生成抑制効果が亢進されることも確認された。
試験例3.ナトリウム依存性ビタミンCトランスポーター(SVTC)合成促進効果
正常ヒト表皮メラニン細胞を増殖添加剤含有DermaLife(登録商標)「クラボウ社製」にて1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLずつ播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、本発明の製造例1に係る抽出物を試料溶液として含んだ培養液を追添加しさらに培養した。ここで、試料溶液は、培養液に対する溶液としての終濃度が1.0%,2.0%となるように調製した。また、コントロールとして、試料溶液に代えてPBS(−)を含んだ培養液を追添加した対照区を設定した。なお、PBS(‐)は、試料溶液と同様に溶液としての培養液に対して終濃度2.0%となるように調製した。48時間後、培養上清を除去して、PBS(−)を200μLずつ添加して除去し、次に10%トリクロロ酢酸(和光純薬社)を50μLずつ添加して冷温下で30分間インキュベートした後、上清を除去した。PBS(−)を100μL用いて洗浄し、0.2%Triton-X含有PBS(−)を50μLずつ添加して室温下で1時間インキュベートをした。上清を除去して8%牛血清アルブミン(SIGMA社)含有PBS(−)を50μLずつ添加して室温下で2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton-X含有PBS(−)を100μL用いて洗浄し、抗SVCTマウスモノクローナル抗体(Santa Cruz社)を50μLずつ添加して冷温下で24時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton-X含有PBS(−)100μLを用いて洗浄を3回繰り返した。Alexa Fluor 488抗マウス二次抗体(Life Technologies社)を50μL添加して室温下、暗所にて2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton-X含有PBS(−)100μLを用いて洗浄を3回繰り返し、PBS(−)を100μLずつ添加して蛍光プレートリーダー(大日本製薬社)を用いてEx485/Em520における蛍光強度を測定した。対照区の測定値に対する蛍光強度の相対値をSVCT合成率(%)とした。
試験例3の結果を表3に示す。
[表3]
表3に示すように、本発明に係る抽出物は、細胞内へのビタミンCの取り込みに関与するタンパク質であるナトリウム依存性ビタミンCトランスポーターの合成促進効果を有することから、細胞内へのビタミンCの取り込みを促進することができ、よって、細胞内でのビタミンCによる美白効果、抗酸化効果及びコラーゲン合成促進効果を促進することが示唆される。
試験例4.セラミド合成酵素(β-グルコセレブロシダーゼ)活性測定
正常ヒト表皮細胞を、96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種した。培地は、Humedia KG2(クラボウ社製)を加えたものを用いた。これを37℃,5.0%COの条件下に3日間プレ培養した後、本発明の製造例1に係る抽出物を試料溶液として培地に添加し、同条件でさらに4日間培養した。ここで、試料溶液は、培養液に対する溶液としての終濃度が1.0%,2.0%となるように調製した。次に、培地を除去し、PBS(-)で洗浄した後、PMSF含有1%TritonX−100溶液を添加し、細胞の溶解操作を行ったものを酵素溶液とした。次いで、基質溶液(1mMの4‐Methylumbelliferyl-β-Glucopyranoside)を加え、ボルテックスミキサーで穏やかに攪拌しながら37℃で1時間反応させた。反応停止液(0.2M carbonate bicarbonate buffer(pH10.5))を加えて反応停止させた後、蛍光強度(励起:355nm、放射:460nm:蛍光マイクロプレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Fisher Scientific社製))を測定した。また、コントロールとして試料溶液に代えてPBS(-)を添加した場合(対照区)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られた蛍光強度に対する各試料添加時の蛍光強度の相対値を求め、表皮細胞内のβ-グルコセレブロシダーゼ活性亢進率(%)とした。
試験例4の結果を表4に示す。
[表4]
表4に示すように、本発明に係る抽出物は、セラミド合成酵素(β-グルコセレブロシダーゼ)の活性亢進作用を有することが確認された。このことから、本発明に係る抽出物は、皮膚のバリア機能及び保湿作用を向上させ、さらに、肌の透明感を高めることに寄与することが示唆される。

Claims (3)

  1. マタタビ科(Actinidiaceae)マタタビ属(Actinidia)のキウイ(Actinidia chinensis又はActinidia deliciosa)の未成熟果実(径が0.5〜5cm)の抽出物を有効成分とする美白用組成物。
  2. マタタビ科(Actinidiaceae)マタタビ属(Actinidia)のキウイ(Actinidia chinensis又はActinidia deliciosa)の未成熟果実(径が0.5〜5cm)の抽出物とアスコルビン酸誘導体とを含有する美白用組成物。
  3. 請求項1又は2のいずれか一項に記載の組成物を含む美白化粧料。
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