JP4088021B2 - 皮膚外用剤および皮膚外用剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マタタビ科、マタタビ属のキウイフルーツ果実の抽出物およびアカネ科、コーヒーノキ属のコーヒーノキ種子の抽出物を含有する皮膚外用剤およびこれに他の薬効成分を組み合わせた皮膚外用剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、分散液、軟膏、外用液剤等の皮膚外用剤には、これらに所定の薬効を付与することを目的として種々の薬効成分が加えられている。例えば、日焼け等により生じる皮膚の黒化、色素沈着により生ずるシミ、ソバカス等の現象を防止するために、アスコルビン酸やグルタチオン、ハイドロキノン等の美白剤が加えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの美白剤では、美白・美肌効果が十分でなかったり、あるいは、製剤中で変質するなどして所期の薬効が得られない場合が多く、その改善が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、優れた薬効作用を有し、皮膚外用剤の薬効成分として使用することができる天然成分について、鋭意検索を行った結果、マタタビ科、マタタビ属のキウイフルーツ果実の抽出物およびアカネ科、コーヒーノキ属のコーヒーノキ種子の抽出物を組み合わせることにより、高いメラニン生成抑制作用が得られ、優れた効果を有する美白・美肌成分であることを見出した。そして、これらの抽出物は、更に、他の薬効成分と組み合わせることにより皮膚外用剤組成物としてより優れた効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、次の成分(A)および(B)
(A)マタタビ科、マタタビ属のキウイフルーツの果実抽出物
(B)アカネ科コーヒーノキ属のコーヒーノキ種子の抽出物
を含有することを特徴とする、優れた美白・美肌効果を有し、色素沈着を改善するとともに肌の透明感を向上する効果のある皮膚外用剤を提供するものである。
【0006】
また、本発明は、次の成分(A)、(B)および(C)
(A)マタタビ科、マタタビ属のキウイフルーツ果実の抽出物
(B)アカネ科、コーヒーノキ属のコーヒーノキ種子の抽出物
(C)美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線防止剤、殺菌剤、保湿剤及び細胞賦活剤から選ばれる薬効剤の一種又は二種以上
を含有することを特徴とする皮膚外用剤組成物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の(A)成分であるキウイフルーツ果実の抽出物は、常法に従いキウイフルーツの果実を抽出することにより得られる。この原料であるキウイフルーツは、マタタビ科マタタビ属に属し、学名はActinidia chinensis Planch(Actinidiaceae)で、ニュージーランド原産のものである。
【0008】
一方、コーヒーノキ種子の抽出物は、常法に従いコーヒーノキ種子を抽出することにより得られる。この原料であるコーヒーノキは、アカネ科コーヒーノキ属に属し、学名は、Coffea arabica Linneまたはその同属植物(Rubiaceae)で、南米原産のものである。しかし本発明で使用する成分(A)、成分(B)のいずれの抽出物を製造するに当たっても、その種類や産地は特に限定されない。
【0009】
上記キウイフルーツの果実またはコーヒーノキの種子からの成分(A)または成分(B)の抽出物の調整法は、特に限定されるものではないが、例えばこれらを乾燥又は乾燥せずに裁断した後、低温もしくは常温〜加温下で溶剤により抽出する方法を挙げることができる。
【0010】
抽出溶媒としては、一般的には水、低級1価アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、低級アルキルエステル(酢酸エチル等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン、ペンタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル等)、アセトニトリル等が挙げられる。
【0011】
また、好ましい抽出方法の例としては、含水濃度0〜100容量%のエチルアルコールまたは1,3−ブチレングリコールを用い、室温にて1〜5日間抽出を行ったのち濾過し、得られた濾液をさらに1週間ほど放置して熟成させ、再び濾過を行う方法が挙げられる。
【0012】
本発明の皮膚外用剤における、成分(A)および成分(B)の含有量は、それぞれの乾燥固形分として好ましくは0.00001〜5質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.0001〜2%である。この範囲内であれば、成分(A)および成分(B)を安定に配合することができ、かつ高い美白、美肌効果を発揮することができる。また、成分(A)および/または成分(B)を抽出液として使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
【0013】
本発明の成分(A)および成分(B)は、これを美白・美肌成分として常法に従い、通常の皮膚外用剤に使用される種々の形態の基剤に配合し、製剤化することにより皮膚外用剤を得ることができるが、更に他の薬効成分と組み合わせることにより、より美白・美肌効果の優れた皮膚外用剤が得られる。
【0014】
また、本発明において、成分(A)および成分(B)と組み合わされて使用される他の薬効成分(成分(C))は、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線防止剤、殺菌剤、保湿剤及び細胞賦活剤から選ばれる薬効剤である。具体的な成分(C)の例としては、それぞれ以下に示すものが挙げられる。
【0015】
( 美 白 剤 )
美白剤としては、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩、胎盤抽出物、甘草抽出物、ヨクイニン抽出物、アスパラガス抽出物、エイジツ抽出物、キイチゴ抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、大豆抽出物、緑茶、紅茶、ウーロン茶等の茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブナの芽抽出物、ブドウ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物及び羅漢果抽出物、オウゴン抽出物、海藻抽出物等が挙げられる。これらの美白剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩、胎盤抽出物が挙げられる。
【0016】
( 抗 酸 化 剤 )
また抗酸化剤としては、マンニトール、ルチン及びその誘導体、クエルセチン、リン脂質、ビタミンA類(ベータカロチン、アスタキサンチン、デヒドロレチナール、カロチン等のカロチノイド等)、ピリドキシン類(塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等)、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩、ニンジン抽出物、メリッサ抽出物、ヤシャジツ抽出物等が挙げられる。これらの抗酸化剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。
【0017】
( 抗 炎 症 剤 )
抗炎症剤としては、コンドロイチン硫酸及びその誘導体、アラントイン、アルニカ抽出物、オトギリソウ抽出物、オウバク抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シラカバ抽出物、トウキンセンカ抽出物、ニワトコ抽出物、ホオウ抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、レンゲソウ抽出物、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、アロエ抽出物、シソ抽出物、ヨモギ抽出物、カミツレ抽出物等が挙げられる。これらの抗炎症剤のうち、特に好ましいものとしては、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。
【0018】
( 紫 外 線 防 止 剤 )
紫外線防止剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、オキシベンゾン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、酸化チタン、微粒子酸化チタンおよび酸化亜鉛等があげられる。これらの紫外線防止剤のうち、特に好ましいものとしては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛が挙げられる。
【0019】
( 殺 菌 剤 )
殺菌剤としては、サリチル酸およびその塩、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、感光素等が挙げられる。これらの殺菌剤のうち、特に好ましいものとして、サリチル酸およびその塩、イソプロピルメチルフェノールが挙げられる。
【0020】
( 保 湿 剤 )
また保湿剤としては、アルカリ単純温泉水、深層水、ムコ多糖類またはそれらの誘導体、糖類、セラミド、尿素、D−パンテノール、ゲンチアナ抽出物、サボテン抽出物、ゼニアオイ抽出物、ハウチワマメ抽出物、ヨクイニン抽出物、プルーン抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、マロニエ抽出物等が挙げられる。これらの保湿剤のうち、特に好ましいものとしては、深層水、D−パンテノール、ゲンチアナ抽出物、プルーン抽出物が挙げられる。
【0021】
( 細 胞 賦 活 剤 )
細胞賦活剤としては、ビタミンAおよびその誘導体、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、セリン、グルタミン酸、ヒドロキシプロリン、テアニン、ピロリドンカルボン酸、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、醗酵代謝抽出物等が挙げられる。これらの細胞賦活剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンAおよびその誘導体、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、セリン、ピロリドンカルボン酸が挙げられる。
【0022】
本発明の皮膚外用剤組成物における上記成分(C)の含有量は、薬効剤の種類により相違するが、以下に示す範囲とすることが好ましい。この範囲であれば、成分(A)および成分(B)と組み合わせた場合、製剤中の成分(A)および成分(B)の抽出物の経時安定性に影響を及ぼすことがなく、より高い美白・美肌効果を発揮させることができる。
【0023】
すなわち、本発明の皮膚外用剤組成物において、成分(C)として美白剤を配合する場合の配合量は、好ましくは0.00001〜10%であり、より好ましくは0.0001〜5%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であれば問題ない。この範囲であればより優れた美白・美肌効果を示し、かつ、使用感の良好な皮膚外用剤組成物が得られる。
【0024】
また、本発明の皮膚外用剤組成物において、成分(C)として抗酸化剤を配合する場合の配合量は、好ましくは0.00001〜5%、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は、乾燥固形分としてこの範囲であれば問題ない。この範囲であればより優れた抗酸化効果の発現がみられ、かつ、優れた美白・美肌効果を示す皮膚外用剤組成物が得られる。
【0025】
更に、本発明の皮膚外用剤組成物において、成分(C)として抗炎症剤を配合する場合の配合量としては、0.00001〜5%の範囲が好ましく、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は、乾燥固形分としてこの範囲であれば問題ない。この範囲であれば優れた抗炎症効果がみられ、かつ、優れた美白・美肌効果を示す皮膚外用剤組成物が得られる。
【0026】
更にまた、本発明の皮膚外用剤組成物において、成分(C)として紫外線防止剤を配合する場合の配合量としては、好ましくは0.0001〜20%、より好ましくは0.001〜10%の範囲である。この範囲であればより優れた紫外線防止効果を発現し、かつ、優れた美白・美肌効果を示す皮膚外用剤組成物が得られる。
【0027】
一方、本発明の皮膚外用剤組成物において、成分(C)として殺菌剤を配合する場合の配合量としては、好ましくは0.00001〜5%の範囲であり、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。この範囲であればより優れた殺菌効果を発現し、かつ、優れた美白・美肌効果を示す皮膚外用剤組成物が得られる。
【0028】
加えて、本発明の皮膚外用剤組成物において、成分(C)として保湿剤を配合する場合の配合量としては、好ましくは0.00001〜50%の範囲であり、より好ましくは0.0001〜20%の範囲である。この範囲であればより優れた保湿効果を発現し、かつ、優れた美白・美肌効果を示す皮膚外用剤組成物が得られる。
【0029】
更に加えて、本発明の皮膚外用剤組成物において、成分(C)として細胞賦活剤を配合する場合の配合量としては、好ましくは0.00001〜5%の範囲であり、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。なお、抽出物を抽出液のまま用いる場合は、乾燥固形分としてこの範囲であれば問題ない。この範囲であればより優れた細胞賦活効果を発現し、かつ、優れた美白・美肌効果を示す皮膚外用剤組成物が得られる。
【0030】
これらの成分(C)、すなわち美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線防止剤、殺菌剤、保湿剤および細胞賦活剤は、その一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
上記の成分(A)、成分(B)および成分(C)を組み合わせた皮膚外用剤組成物も、常法に従い、必須成分である成分(A)、成分(B)および成分(C)とを通常の皮膚外用剤として知られる種々の形態の基剤に配合し、製剤化することにより調製することができる。
【0032】
皮膚外用剤および皮膚外用剤組成物の配合形態の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液および軟膏などの化粧料や外用医薬品等とすることができる。
【0033】
また、皮膚外用剤および皮膚外用剤組成物の形態に応じ、上記必須成分以外に通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤等に用いられる成分、例えば、精製水、低級アルコール、多価アルコール、油性成分、粉体、界面活性剤、増粘剤、色材、防腐剤および香料等を用いることができる。
【0034】
【実施例】
次に参考例、試験例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらになんら制約されるものではない。
【0035】
参 考 例 1
キウイフルーツ果実の抽出物の製造:
キウイフルーツ果実10gに、水30mlを加え、室温にて3日間抽出を行ったのち濾過してキウイフルーツ果実の抽出物を得た。この抽出物の乾燥固形分は1.5%であった。
【0036】
参 考 例 2
コーヒーノキ種子の抽出物の製造:
コーヒーノキ種子10gに、70容量%エチルアルコール100mlを加え、室温にて3日間抽出を行ったのち濾過してコーヒーノキ種子の抽出物を得た。このときコーヒーノキ種子の抽出物の乾燥固形分は1.9%であった。
【0037】
試 験 例 1
細胞培養によるメラニン生成抑制及び細胞生存率試験:
試験細胞としてマウス由来のB16メラノーマ培養細胞を使用し、メラニン生成抑制および細胞生存率を調べた。2枚の6穴シャーレに10%FBS添加MEM培地(日水製薬社製)を適量とり、B16メラノーマ細胞を播種し、37℃、二酸化炭素濃度5%中にて静置した。翌日、参考例1および参考例2で得たキウイフルーツ果実の抽出物およびコーヒーノキ種子の抽出物をそれらの最終濃度が0(対照)、キウイフルーツ果実の抽出物が50,100μg/ml、およびコーヒーノキ種子の抽出物が10,30μg/mlとなるように調整し、得られた検体調製液を培地に添加し混和した。培養5日目に培地を交換し、再度検体調製液を添加した。翌日、培地を除き、1枚のシャーレについて、細胞をリン酸緩衝液にて洗浄した後回収し、B16メラノーマ培養細胞の白色化度を以下の基準にて評価した。
【0038】
【0039】
残りの1枚のシャーレについて、細胞をホルマリン固定後、1%クリスタルバイオレット溶液を添加し染色した。各検体濃度に対する細胞生存率をモノセレーター(オリンパス社製)で測定した。生存率および上で測定した白色化度の結果を表1に示す。
【0040】
( 結 果 )
【表1】
【0041】
表1の結果から明らかなごとく、キウイフルーツ果実の抽出物およびコーヒーノキ種子の抽出物はいずれも高いメラニン生成抑制能を有し、かつB16メラノーマ培養細胞に対し毒性が低いことが認められた。さらにキウイフルーツ果実の抽出物とコーヒーノキ種子の抽出物を組み合わせて添加することにより、細胞に毒性を及ぼすことなく、メラニン生成抑制効果が相乗的に高められることが認められた。従って、該植物抽出物を配合した本発明の皮膚外用剤は、これを肌に適用することにより、極めて優れたメラニン生成抑制作用を発揮し、日焼けによる肌の黒色化、シミおよびソバカスなどを効果的に抑制し、美白・美肌効果が期待できる。
【0042】
実 施 例 1
クリーム:
表2に示す組成及び下記製法でクリームを調製し、キウイフルーツ果実の抽出物とコーヒーノキ種子の抽出物の美白、美肌効果を調べた。この結果を表2に示す。
【0043】
( 組成及び結果 )
【表2】
【0044】
( 製 法 )
A.成分(1)〜(6)、(11)、(13)、(14)、(16)、(1 7)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B.成分(19)の一部を加熱して70℃に保つ。
C.AにBを加え、(7)〜(9)、(18)および(19)の残部で溶解 した(10)、(12)、(15)を混合した後、冷却してクリームを 得た。
【0045】
( 試験方法 )
被験クリーム1品につき27〜54才の女性15名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布による美白・美肌効果を以下の基準によって評価した。
【0046】
( 評価基準 )
< 評 価 > < 内 容 >
有 効 : 肌のくすみが目立たなくなった。
やや有効 : 肌のくすみがあまり目立たなくなった。
無 効 : 使用前と変化なし。
【0047】
表2の結果に示される如く、キウイフルーツ果実の抽出物とコーヒーノキ種子の抽出物を含まない比較品1および4〜11や、キウイフルーツ果実の抽出物およびコーヒーノキ種子の抽出物イをそれぞれ単独で配合した比較例2,3と比べて、キウイフルーツ果実の抽出物およびコーヒーノキ種子の抽出物を配合した本発明品の外用剤は、これらを皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」等の発生の防止、改善することができ、美しい肌とすることが明らかとなった。さらに、キウイフルーツ果実の抽出物およびコーヒーノキ種子の抽出物と美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線防止剤、殺菌剤、保湿剤および細胞補活剤を併用して配合した本発明2〜9の外用剤組成物を皮膚に適用することにより、これらの薬効剤を配合しない本発明1の外用剤を適用した場合に比べて肌の「くすみ」等の発生の防止、改善効果を相乗的に高め、美しい肌とすることが明らかとなった。
【0048】
実 施 例 2
化粧水:
( 組 成 ) (%)
(1)グリセリン 5.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.5
(3)ポリオキシエチレン(20E.O.) 1.2
ソルビタンモノラウリン酸エステル
(4)エチルアルコール 8.0
(5)キウイフルーツ果実の抽出物*1 1.0
(6)コーヒーノキ種子の抽出物*2 1.0
(7)防腐剤 適量
(8)香料 適量
(9)精製水 残量
*1:参考例1で製造したもの
*2:参考例2で製造したもの
【0049】
( 製 法 )
A.成分(3)、(4)、(7)及び(8)を混合溶解する。
B.成分(1)、(2)、(5)、(6)及び(9)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0050】
実施例2で得た化粧水は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けによる肌の「くすみ」やシミやソバカスを防止し、透明感のある美しい肌にするものであった。
【0051】
実 施 例 3
乳液:
( 組 成 ) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.) 1.0
ソルビタンモノステアレート
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.) 0.5
ソルビットテトラオレエート
(3)グリセリルモノステアレート 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)スクワラン 8.0
(7)キウイフルーツ果実の抽出物*1 3.0
(8)コーヒーノキ種子の抽出物*2 2.0
(9)胎盤抽出物*3 0.1
(10)酢酸dl−α−トコフェロール*4 0.05
(11)防腐剤 0.1
(12)カルボキシビニルポリマー 0.1
(13)水酸化ナトリウム 0.05
(14)エチルアルコール 5.0
(15)精製水 残量
(16)香料 適量
*1:参考例1で製造したもの
*2:参考例2で製造したもの
*3:ニチレイ社製
*4:エーザイ社製
【0052】
( 製 法 )
A.成分(12)〜(15)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(6)および(10)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(7)〜(9)、(11)および(16)を加え、均一に 混合して乳液を得た。
【0053】
実施例3で得た乳液は、キウイフルーツ果実の抽出物、コーヒーノキ種子の抽出物、胎盤抽出物および酢酸dl−α−トコフェロールを併用することにより、日焼けによる肌の「くすみ」やシミやソバカスを防止し、透明感のある美しい肌にする効果がより優れたものであった。
【0054】
実 施 例 4
軟膏:
( 処 方 ) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)トリエタノールアミン 2.0
(4)グリセリン 5.0
(5)キウイフルーツ果実の抽出物*1 1.0
(6)コーヒーノキ種子の抽出物*2 0.1
(7)グリチルリチン酸ジカリウム*3 0.1
(8)乳酸*4 0.2
(9)精製水 残量
*1:参考例1で製造したもの
*2:参考例2で製造したもの
*3:丸善製薬社製
*4:第一製薬社製
【0055】
( 製 法 )
A.成分(3)、(4)、(8)及び(9)の一部を加熱混合し、75℃ に保つ。
B.成分(1)、(2)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AをBに徐々に加える。
D.Cを冷却しながら(5)、(6)および(9)の残部で溶解した (7)を加え、軟膏を得た。
【0056】
実施例4で得た軟膏は経時安定性に優れ、キウイフルーツ果実の抽出物とコーヒーノキ種子の抽出物とグリチルリチン酸ジカリウムおよび乳酸とを併用することにより「くすみ」やシミやソバカスを防止し、より透明感のある美しい肌にするものであった。
【0057】
実 施 例 5
パック:
( 処 方 ) (%)
(1)ポリビニルアルコール 20.0
(2)エチルアルコール 20.0
(3)グリセリン 5.0
(4)カオリン 6.0
(5)キウイフルーツ果実の抽出物*1 1.0
(6)コーヒーノキ種子の抽出物*2 1.0
(7)グリチルレチン酸ステアリル*3 0.1
(8)酢酸dl−α−トコフェロール*4 0.2
(9)小麦胚芽抽出物*5 1.0
(10)防腐剤 0.2
(11)香料 0.1
(12)精製水 残量
*1:参考例1で製造したもの
*2:参考例2で製造したもの
*3:丸善製薬社製
*4:エーザイ社製
*5:SILAB社製
【0058】
( 製 法 )
A.成分(1)、(3)、(4)及び(12)を混合し、70℃に加熱し、撹拌する。
B.成分(2)、(7)、(8)及び(10)を混合する。
C.上記Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(5)、(6)、 (9)及び(11)を均一に分散してパックを得た。
【0059】
実施例5で得たパックは経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」やシミを防止し、透明感のある美しい肌にするものであった。
【0060】
実 施 例 6
リキッドファンデーション:
( 処 方 ) (%)
(1)ラノリン 7.0
(2)流動パラフィン 5.0
(3)ステアリン酸 2.0
(4)セタノール 1.0
(5)パラメトキシケイ皮酸 3.0
−2−エチルヘキシル*1
(6)グリセリン 5.0
(7)トリエタノールアミン 1.0
(8)カルボキシメチルセルロース 0.7
(9)精製水 残量
(10)酸化チタン 8.0
(11)微粒子酸化チタン 2.0
(12)酸化亜鉛 5.0
(13)マイカ 15.0
(14)タルク 6.0
(15)着色顔料 6.0
(16)キウイフルーツ果実の抽出物*2 0.01
(17)コーヒーノキの抽出物*3 0.05
(18)プルーン抽出物*4 0.5
(19)香料 適量
*1:BASF社製
*2:参考例1で製造したもの
*3:参考例2で製造したもの
*4:丸善製薬社製
【0061】
( 製 法 )
A.成分(1)〜(5)を混合溶解する。
B.Aに成分(10)〜(15)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.成分(6)〜(9)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D.BにCを添加して、均一に乳化する。
E.Dを冷却後、成分(16)〜(19)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0062】
実施例6のキウイフルーツ果実の抽出物とコーヒーノキ種子の抽出物、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルへキシルおよびプルーン抽出物を併用したリキッドファンデーションは、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼け等による肌の黒化やシミやソバカスを防止する効果に非常に優れるものであった。
【0063】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明のキウイフルーツ果実の抽出物およびコーヒーノキ種子の抽出物を含有する皮膚外用剤は、メラニン生成抑制作用を有しており、色素沈着に対し高い抑制効果を発揮し、肌のくすみ、日やけなどによる皮膚の黒化、シミ、ソバカスの防止及び改善等に有効である。
【0064】
また、キウイフルーツ果実の抽出物とコーヒーノキ種子の抽出物のほか、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線防止剤、殺菌剤、保湿剤および細胞賦活剤等の他の薬効成分を配合した本発明の皮膚外用剤組成物は、前記抽出物を単独で配合した場合に比べより優れた美白・美肌効果を有するものである。
【0065】
従って、本発明皮膚外用剤および皮膚外用剤組成物は、美白、美肌を目的とする化粧品や医薬等として有利に利用することができるものである
以上
Claims (2)
- 次の成分(A)および(B)
(A)マタタビ科、マタタビ属のキウイフルーツ果実の抽出物
(B)アカネ科、コーヒーノキ属のコーヒーノキ種子を乾燥又は乾燥せずに裁断した後、
溶剤により抽出した抽出物
を含有することを特徴とする美白用皮膚外用剤。 - 次の成分(A)、(B)および(C)
(A)マタタビ科、マタタビ属のキウイフルーツ果実の抽出物
(B)アカネ科、コーヒーノキ属のコーヒーノキ種子を乾燥又は乾燥せずに裁断した後、
溶剤により抽出した抽出物
(C)美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線防止剤、殺菌剤、保湿剤及び細胞賦活剤から選ばれる薬効剤の一種又は二種以上
を含有することを特徴とする美白用皮膚外用剤組成物。
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