JP2009256326A - 美白剤、及び皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヤシ科Euterpe属アサイーの果汁又はその乾燥物を有効成分とする美白剤、及び該美白剤を含有する皮膚外用剤。
【選択図】なし
Description
しかし、ヤシ科Euterpe属アサイーの果汁については、皮膚外用剤への利用を具体的に示す記載はない。
本発明は、上記問題に鑑みなされてものであり、皮膚外用剤に容易に配合でき、美白効果が高い美白剤、及びそれを含有した安定性がよく、及び高い美白作用のある皮膚外用剤を提供することを課題とする。
ヤシ科Euterpe属アサイーの果汁には、メラニン産生抑制能による高い美白作用があるので、美白用皮膚外用剤の有効成分として有用である。
本発明の皮膚外用剤は、他の美白剤を含有していてもよく、その例としては、アスコルビン酸又はその誘導体、及びアルブチンから選ばれる一種以上が好ましい。
また、本発明によれば、優れた美白作用を示すとともに、安定性が良好で、肌感触も良好で、及び高い美白作用のある皮膚外用剤を提供することができる。
本発明は、ヤシ科Euterpe属アサイーの果汁又はその乾燥物を有効成分とする美白剤に関する。ヤシ科Euterpe属アサイーは、学名 Euterpe oleracea、及び和名 ワカバキャベツヤシの植物であり、その果汁は、健康飲料等として利用されている。アサイー果汁は、種々の方法で調製することができ、特にその方法について制限はない。一般的には、アサイーの果実を圧搾することによって得られる。必要であれば、圧搾の前に、果実から外皮を除去することができ、及び圧搾後に、果汁中に残留する外皮等をろ過などにより除去することもできる。アサイー果汁は、調製後直ちに、用途に供することができるが、所望により、静置して、熟成及び清澄することができ、その後、ろ過等により固体状の残留物を除き、用途に供することもできる。
また、アサイー果汁及びその凍結乾燥物は市販されているので、それらの市販品を、本発明に利用することもできる。
[例1:アサイー果汁凍結乾燥物の調製法]
アサイー果汁の調製例として、果汁凍結乾燥物の調製方法を以下に示す。なお果汁の効果は、その調製方法にはよらない。
アサイー(Euterpe oleracea)の果実100gを圧搾し、果汁を得た。この果汁を室温にて7日間放置した後、濾過した。この果汁の乾燥固形分は2.0%であった。さらに果汁を凍結乾燥しアサイー果汁凍結乾燥物を得た。
マウス由来のB16メラノーマ培養細胞を使用し、上記で調製したアサイー果汁凍結乾燥物について、メラニン生成抑制効果及び細胞生存率を調べた。
具体的には、2枚の6穴プレートに10%FBS含有MEM培地を適量とり、B16メラノーマ細胞を播種し、37℃、二酸化炭素濃度5%中にて静置した。翌日、例1で調製したアサイー果汁凍結乾燥物を、その最終濃度が0μg/mL(対照)、300μg/mL、又は1000μg/mLとなるように添加し、混和した。培養5日目に培地を交換し、再度検体調製液を添加した。翌日、培地を除き、1枚のプレートについて、細胞をリン酸緩衝液にて洗浄した後、回収し、B16メラノーマ培養細胞の白色化度を以下の基準にて評価した。
(判定基準)
++:コウジ酸200μg/mLを添加した試料と同程度の美白効果を示す。
+:コウジ酸100μg/mLを添加した試料と同程度の美白効果を示す。
±:コウジ酸50μg/mLを添加した試料と同程度の美白効果を示す。
−:美白効果なし。
残りの1枚のプレートについて、細胞をホルマリン固定後、1%クリスタルバイオレット溶液に添加し染色した。各検体濃度に対する細胞生存率(%)をモノセレーター(オリンパス社製)で測定した。
結果を下記表に示す。
以下の製法により、化粧水を調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.下記成分(8)〜(11)を混合溶解する。
C.AにBを加え混合し、化粧水を得た。
(成分) %
(1)クエン酸 0.05
(2)クエン酸ナトリウム 0.2
(3)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)液 0.5
(4)グリセリン 3.0
(5)1,3−ブチレングリコール 8.0
(6)アサイー果汁凍結乾燥物*1 0.001
(7)精製水 残量
(8)エチルアルコール 10.0
(9)香料 適量
(10)防腐剤 0.1
(11)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
*1:例1で調製した凍結乾燥物
調製した化粧水は、べたつきもなく、みずみずしい肌感触を有し、美白効果に優れ、変臭、変色、沈殿などもなく安定性も良好なものであった。
下記の製法により、乳液を調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(10)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.下記成分(11)〜(17)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に下記成分(18)を加え混合する。
D.Cを冷却し、下記成分(19)を加え混合し、乳液を得る。
(成分) %
(1)ステアリン酸 1.0
(2)セタノール 0.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 0.5
(4)流動パラフィン 2.0
(5)スクワラン 3.0
(6)ホホバ油 3.0
(7)パルミチン酸セチル 0.2
(8)防腐剤 0.1
(9)モノステアリン酸ソルビタン 0.3
(10)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(11)トリエタノールアミン 0.5
(12)1,3−ブチレングリコール 15.0
(13)グリセリン 3.0
(14)ポリエチレングリコール(平均分子量8500) 0.5
(15)アサイー果汁凍結乾燥物*1 0.0001
(16)アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.5
(17)精製水 残量
(18)カルボキシビニルポリマー1%溶液 8.0
(19)香料 適量
*1:例1で調製した凍結乾燥物
調製した乳液は、べたつきもなく、なめらかな肌感触を有し、美白効果に優れ、変臭、変色、分離などもなく安定性も良好なものであった。
以下の製法によりクリームを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.下記成分(14)〜(19)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に下記成分(20)を加え混合する。
D.Cを冷却し、下記成分(21)を加え混合し、乳液を得る。
(成分) %
(1)ステアリン酸 2.5
(2)セタノール 2.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)ワセリン 2.0
(5)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル*1 2.0
(6)ミリスチン酸イソトリデシル 5.0
(7)流動パラフィン 8.0
(8)スクワラン 5.0
(9)ミツロウ 1.0
(10)パルミチン酸セチル 2.0
(11)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(12)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 1.5
(13)防腐剤 0.1
(14)トリエタノールアミン 1.2
(15)1,3−ブチレングリコール 8.0
(16)グリセリン 2.0
(17)ポリエチレングリコール(平均分子量20000) 0.5
(18)アサイー果汁凍結乾燥物*2 0.01
(19)精製水 残量
(20)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 10.0
(21)香料 適量
*1:コスモール168AR(日清オイリオグループ社製)
*2:例1で調製した凍結乾燥物
調製したクリームは、べたつきもなく、なめらかでコクのある肌感触を有し、美白効果に優れ、変臭、変色などもなく安定性も良好なものであった。
下記の製法により、美容液を調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(8)を混合溶解する。
B.下記成分(9)〜(18)を混合溶解する。
C.BにAを加え混合し、美容液を得る。
(成分) %
(1)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
(2)メドウホーム油 0.05
(3)ホホバ油 0.05
(4)防腐剤 0.1
(5)香料 適量
(6)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(7)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(50E.O.) 1.5
(8)エチルアルコール 5.0
(9)グリセリン 4.0
(10)ジプロピレングリコール 8.0
(11)1,3−ブチレングリコール 8.0
(12)乳酸ナトリウム 0.5
(13)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)液 0.5
(14)アサイー果汁凍結乾燥物*1 0.001
(15)アルブチン 0.2
(16)ヒドロキシエチルセルロース 0.08
(17)アルギン酸ナトリウム 0.05
(18)精製水 残量
*1:例1で調製した凍結乾燥物
調製した美容液は、べたつきもなく、マイルドでなめらかな肌感触を有し、美白効果に優れ、変臭、変色、沈殿などもなく安定性も良好なものであった。
以下の製法により、パックを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(6)を加熱溶解する。
B.下記成分(7)〜(11)を混合溶解する。
C.Aを冷却後、Bを加え混合し、パックを得る。
(成分) %
(1)ポリビニルアルコール 12.0
(2)メチルセルロース 0.1
(3)グリセリン 3.0
(4)1,3−ブチレングリコール 5.0
(5)アサイー果汁凍結乾燥物*1 0.01
(6)精製水 残量
(7)香料 適量
(8)防腐剤 0.1
(9)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
(10)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 1.0
(11)エチルアルコール 13.0
*1:例1で調製した凍結乾燥物
調製したパックは、肌に塗布すると適度な緊張感があり、パックを剥がしたあとはべたつきもなく、みずみずしいものであり、美白効果に優れ、変臭、変色、分離などのなく安定性も良好なものであった。
以下の製法により、リキッドファンデーションを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(7)を加熱溶解する。
B.Aに下記成分(8)〜(11)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.下記成分(12)〜(16)を加熱溶解し、70℃に保つ。
D.CにBを加えて乳化する。
E.Dを冷却後、下記成分(17)を加え混合し、リキッドファンデーション(O/W型)を得た。
(成分) %
(1)ステアリン酸 2.0
(2)セタノール 0.5
(3)ベヘニルアルコール 1.0
(4)ワセリン 2.5
(5)流動パラフィン 5.0
(6)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1.0
(7)防腐剤 0.1
(8)酸化チタン 6.0
(9)着色顔料 4.0
(10)マイカ 2.0
(11)タルク 4.0
(12)カルボキシメチルセルロース 0.2
(13)ベントナイト 0.4
(14)アサイー果汁凍結乾燥物*1 0.0001
(15)1,3−ブチレングリコール 8.0
(16)精製水 残量
(17)香料 適量
*1:例1で調製した凍結乾燥物
調製したリキッドファンデーションは、伸びひろがりが良く、べたつきもなく、仕上がりも美しく、美白効果に優れ、変臭、分離などもなく安定性も良好なものであった。
Claims (3)
- ヤシ科Euterpe属アサイーの果汁又はその乾燥物を有効成分とする美白剤。
- メラニン産生抑制剤であることを特徴とする請求項1に記載の美白剤。
- 請求項1又は2に記載の美白剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
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