JP7426117B2 - 抗皮膚老化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、抗老化剤に関するものであり、特に天然物に由来する成分を有効成分とする抗老化剤に関するものである。
近年、特に生体成分を酸化させる要因として、活性酸素やフリーラジカル(以下単に「ラジカル」ということがある。)が注目されており、その生体への悪影響が問題となっている。活性酸素は、生体細胞内のエネルギー代謝過程で生じるものであり、活性酸素としては、スーパーオキサイド(すなわち酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキサイドアニオン:・O )、過酸化水素(H)等が挙げられる。通常、生体内で生産される活性酸素は、細胞内に含まれている各種の抗酸化酵素の触媒作用により逐次消去されているが、活性酸素の産生が過剰である場合、または抗酸化酵素の作用が低下している場合には、スーパーオキサイドの消去が不十分となり、スーパーオキサイド濃度が高くなる。過剰なスーパーオキサイドは、他の活性酸素種やフリーラジカルが生成する原因となる。
また、フリーラジカルは、活性酸素以外にも、大気汚染物質、放射線、紫外線、たばこ等の環境因子に晒されることで生成する。これらの活性酸素やフリーラジカルが過剰に生成すると、生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、その結果、関節リウマチやベーチェット病等の組織障害、各種動脈硬化症(虚血性心疾患,心筋梗塞,脳虚血,脳梗塞等)、神経変性疾患(アルツハイマー病,パーキンソン病,ハンチントン舞踏病等)、癌、喫煙等が原因の肺疾患、白内障、糖尿病、しわ、肩凝り、冷え性等の様々な疾患を誘発する。
特に、皮膚は、紫外線等の環境因子の刺激を直接受けることから、活性酸素やフリーラジカルが生成しやすい器官であるため、これらの化学種の濃度が上昇することにより、例えば、コラーゲン等の生体組織を分解し、変性し又は架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える過酸化脂質を生成したりすると考えられており、活性酸素やフリーラジカル等の酸化ストレスによって引き起こされる障害が、皮膚のしわ形成や皮膚の弾力低下等の老化の原因になるものと考えられている(非特許文献1参照)。したがって、生体内ラジカルの生成を阻害・抑制することにより、しわ形成や弾力低下等の皮膚の老化や、活性酸素やフリーラジカル等による酸化ストレスが原因となって誘発される上記の疾患群を予防、治療又は改善できるものと考えられる。ラジカル消去作用を有するものとして、スターフルーツの果実からの抽出物(特許文献1参照)等が知られている。
皮膚の表皮および真皮は、表皮細胞、線維芽細胞ならびにこれらの細胞の外にあって皮膚構造を支持するコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸等の細胞外マトリックスにより構成されている。また、皮膚を構成する表皮と真皮との境界部には、基底膜が存在する。基底膜は、表皮と真皮とを繋ぎ止めるだけでなく、皮膚機能の維持に重要な役割を果たしている(非特許文献2参照)。基底膜の主要骨格は、IV型コラーゲンからなる網目構造をしている。基底膜と表皮との境界に存在し、基底膜と表皮とを繋ぎとめているのがラミニン5を主成分とする各種糖蛋白質で、かかるラミニン5は、表皮に存在する表皮角化細胞より産生される。若い皮膚においては表皮細胞、線維芽細胞、基底膜、細胞外マトリックス成分等の皮膚組織の相互作用が恒常性を保つことにより水分保持、柔軟性、弾力性等が確保され、肌は外見的にも張りや艶があってみずみずしい状態に維持される。
ところが、紫外線の照射、空気の著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等、ある種の外的因子の影響があったり、加齢が進んだりすると、細胞外マトリックスの主要構成成分であるI型コラーゲンや、基底膜の主要構成成分であるIV型コラーゲン、ラミニン5等の産生量が減少するとともに、分解や変質を引き起こす。その結果、皮膚の保湿機能や弾力性が低下し、角質の異常剥離が生じるため、肌は張りや艶を失い、肌荒れ、シワ等の老化症状を呈するようになる。そのため、I型コラーゲン、IV型コラーゲン、ラミニン5等の産生を促進することは、皮膚の老化を予防、治療または改善する上で重要である。
また、コラーゲンは、骨、腱、靱帯等にも多く存在し、加齢等によるコラーゲン産生の低下が、骨粗鬆症等の原因になることが知られている。さらに、創傷の治癒過程において、コラーゲンの産生量が亢進し、線維芽細胞等の足場となることで、創傷の治癒を促進することが知られている。そのため、コラーゲンの産生を促進することは、骨粗鬆症等の予防又は治療、創傷治癒の促進といった観点からも重要である。コラーゲン産生促進作用を有するものとしては、例えば、クスノハガシワからの抽出物(特許文献2)等が知られている。
ラミニンは、α鎖、β鎖及びγ鎖の種々の組み合わせからなり、現在のところ15種類(ラミニン1~ラミニン15)が知られている。このうちラミニン5(α3β3γ2)は、皮膚、消化器、腎臓、肺等の上皮組織の基底膜に多量に存在する。ラミニン5の各鎖をコードする遺伝子の先天的な異常に起因する遺伝子疾患(致死型先天性表皮水疱症,Herlitz junctional epidermolysis bullosa)においては、全身の表皮が剥離する致死性の症状を示すことが知られている。そして、ラミニン5は、他の細胞外マトリックス分子と比べ、強度に細胞を接着させ(細胞接着活性が高く)、細胞運動を強く促進する(細胞運動活性が高い)こと、そのため損傷皮膚中の細胞移動を促進し、損傷治癒を促すことが知られている(特許文献3参照)。すなわち、ラミニン5の産生を促進することは、基底膜の構造が破壊されるような皮膚損傷の治癒を促す上で重要である。
表皮は、外部刺激を緩和し、水分等の体内成分の逸失を制御する働きをしており、最下層である基底層から始まって、有棘層、顆粒層、角質層へと連なる4層構造から構成されている。各層に存在する大部分の細胞は、基底層から分化した角化細胞である。基底層で分裂、増殖した角化細胞は、有棘層、顆粒層を通過しながら分化し角質細胞となって、強固な架橋結合をもったケラチン蛋白線維で構成された角質層を構成し、最終的には垢として角質層から脱落する。
角質層は皮膚の最外殻に存在しており、外界からの刺激に対する物理的なバリアとしての役割を果たしている。皮膚ではこのバリア機能を持たせるため、角化細胞が基底層で産生されてから垢となって剥がれ落ちるまでのサイクル(角化)を通常4週間の周期で繰り返し、表皮の新陳代謝を行っている。しかしながら、この角質層も加齢によって新陳代謝機能が衰え、こじわ、くすみ、色素沈着、肌荒れ等の皮膚トラブルを発生することになる。そのため、角化細胞の増殖を促進し、肌の新陳代謝機能を回復させることにより、こじわ、くすみ、色素沈着等の皮膚の老化を改善できるものと考えられる。従来、表皮角化細胞増殖促進作用を有するものとして、土貝母抽出物(特許文献4参照)等が知られている。
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン及びグリシンの3つのアミノ酸からなるトリペプチドであり、細胞内の主要なシステイン残基を有する化合物である。細胞内におけるグルタチオンは、ラジカルの捕捉、酸化還元による細胞機能の調節、異物代謝、各種酵素のSH供与体としての機能を果たすものであり、活性酸素等に対する抗酸化成分としても知られている。その作用発現は、システイン残基に由来すると考えられている。しかしながら、過剰な酸化ストレスや異物の付加、加齢などにより、細胞内のグルタチオン量が欠乏又は低下することが報告されており、このことが細胞の酸化ストレスに対する防御能を低下させ、細胞のDNA及びタンパク質等の構成成分にダメージを与える一因であると考えられている。
このような、細胞内のグルタチオン量の低下又は欠乏が病態と関連することが知られている疾患として、酸化ストレスが原因となって誘発される前述した疾患群のほか、肝障害(アルコールの多飲、又は重金属や化学物質等の異物の摂取が原因となる)等が知られている。すなわち、グルタチオンの産生を促進することは、細胞の酸化ストレスに対する防御能を高め、細胞内のグルタチオン量が低下又は欠乏することに起因する上記の疾患群を予防・治療することができると考えられる。グルタチオン産生促進作用を有するものとして、リクイリチゲニン(特許文献5参照)等が知られている。
表皮を構成する基底層、有棘層、顆粒層、および角質層のうち、特に、顆粒層においては、細胞膜が肥厚して肥厚細胞膜を形成するとともに、トランスグルタミナーゼ-1の作用により、蛋白分子間がグルタミル-リジン架橋され、強靭なケラチン蛋白線維が形成される。さらに、その一部にセラミド等が共有結合し、疎水的な構造をとることで、細胞間脂質のラメラ構造の土台を供給し、角質バリア機能の基礎が形成される。
しかし、加齢とともに表皮におけるトランスグルタミナーゼ-1の産生量が減少すると、角質バリア機能及び皮膚の保湿機能が低下するため、肌荒れ、乾燥肌等の皮膚の老化症状を呈したり、乾燥性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬等)を発症したりするようになる。そのため、表皮におけるトランスグルタミナーゼ-1の産生を促進することにより、皮膚の老化症状や乾燥性皮膚疾患等を予防、治療又は改善することができると考えられる。トランスグルタミナーゼ-1産生促進作用を有するものとして、湖南甜茶からの抽出物(特許文献6参照)等が知られている。
フィラグリンは、皮膚の構成成分であり、皮膚におけるバリア機能に関与し、アレルゲン、毒素、感染性生物の侵入を防ぐ機能を有していると考えられている。フィラグリンの遺伝子の変異等による機能の低下は、アトピー性皮膚炎(湿疹、皮膚の炎症、皮膚のかゆみ等)、アレルギー、喘息等を包含するアトピー性疾患の発症リスクと関連し、さらに重篤な場合は尋常性魚鱗癬等の皮膚疾患につながることが知られている(非特許文献3参照)。
一方、天然保湿因子(Natural Moisturizing Factors;NMF)の主成分であるアミノ酸は、ケラトヒアリン顆粒に由来するフィラグリンが角質層内で分解されて産生される。このフィラグリンは、角質層直下の顆粒層に存在する表皮ケラチノサイトでプロフィラグリンとして発現する。その後、直ちにリン酸化し、ケラトヒアリン顆粒に蓄積され、脱リン酸、加水分解を経てフィラグリンへと分解され、角質層に移行して、ケラチンフィラメントの凝集効率を高め、角質細胞の内部構築に関与することが知られている(非特許文献4参照)。近年、このフィラグリンが、皮膚の水分保持に非常に重要かつ必要不可欠であること、および乾燥等の条件によってフィラグリンの合成力が低下し、角質層におけるアミノ酸量が低下することが知られている(非特許文献5参照)。
したがって、表皮ケラチノサイトにおいて、プロフィラグリンの発現を促進することにより、アトピー性皮膚炎(湿疹、皮膚の炎症、皮膚のかゆみ等)、アレルギー、喘息等を包含するアトピー性疾患を予防・治療または改善できると考えられる。また、プロフィラグリンの発現を促進し、それにより角質層内のアミノ酸量を増大させることで、角質層の水分環境を本質的に改善できることが期待される。
従来、プロフィラグリンmRNA発現促進作用を有するものとして、ガイヨウ抽出物(特許文献7参照)等が知られている。
皮膚細胞では、水チャンネルとして知られるアクアポリンが、細胞膜上に発現して、細胞間隙の水をはじめとする低分子物質を細胞内へ取り込む役割を担っていることが知られている。ヒトでは、13種類のアクアポリン(AQP0~AQP12)の存在が知られている。表皮細胞においては、主としてAQP3が存在しており、水に加えて、水分保持作用に関与するグリセロールや尿素等の低分子化合物をも取り込む役割を担っていると考えられている。
しかしながら、AQP3は加齢とともに減少し、このことが水分保持機能の低下の一因であることが示唆されているため、AQP3の発現を促進することにより、加齢による水分保持機能やバリア機能等を制御することが可能であると考えられる(非特許文献6参照)。AQP3発現促進作用を有するものとして、例えば、スターフルーツの葉部からの抽出物(特許文献8参照)等が知られている。
従来は、皮膚のバリア機能は角質層のみが担っていると考えられていたが、近年、表皮顆粒層に存在するタイトジャンクション(以下「TJ」と表記することがある。)の構成タンパク質を遺伝子レベルで欠損させると皮膚のバリア機能が崩壊することが見いだされ、TJも皮膚のバリア機能に重要な役割を担うと考えられるようになっている(非特許文献7参照)。TJは、隣接する細胞同士を密着させるだけでなく、細胞と細胞との隙間をシールすることで物質の透過を制御する細胞間接着構造である。TJを構成しているのは、細胞膜タンパク質であるクローディン等であり、これらのタンパク質はTJストランドの骨格を構成し、TJのバリア機能を制御すると考えられている(非特許文献8参照)。ここで、クローディンの発現が何らかの原因で減少した場合、TJの構造的な破壊が起こり、物質の透過バリアとして機能しなくなることによって、乾燥肌、荒れ肌、アトピー性皮膚炎や各種感染症などの皮膚症状の一因になると考えられる。
そのため、表皮においてクローディンの産生を促進することにより表皮角化細胞のTJ形成を促すことで、皮膚のバリア機能および水分保持機能を高め、乾燥肌、荒れ肌、アトピー性皮膚炎や各種感染症などの皮膚症状を予防または改善することができると考えられる。クローディン産生促進作用を有するものとして、アスパラサスリネアリス抽出物(特許文献9)等が知られている。
SIRT1は、サーチュインと呼ばれるファミリーに包含されるタンパク質であり、細胞核内および細胞質に存在し、NAD依存性タンパク質脱アセチル化酵素として機能することが知られている。近年、このSIRT1が、細胞老化を抑制するという面で重要な役割を演じており、特に皮膚組織において発現し皮膚老化の抑制に関与していることが明らかになっている(非特許文献9参照)。また、SIRT1は、細胞老化のほか、糖尿病改善作用、心血管保護作用、腎疾患改善作用、炎症性サイトカイン産生の抑制作用、神経保護作用等、様々な機能を有することが明らかになっている。そのため、SIRT1を活性化することができれば、皮膚老化等の老化、糖尿病、心血管疾患、神経系疾患、炎症性疾患などの各種疾患の予防・治療または改善に有用であると考えられている。
皮膚が伸縮する性質(弾性)には、真皮に存在する弾性線維が必須である。この弾性線維は、細胞外線維であるミクロフィブリルに沿ってエラスチンタンパク質が沈着し架橋することによって形成されるが、この架橋反応において重要な役割をはたしているのがリシルオキシダーゼ(LOX)である。LOXは、ペプチド鎖中のリシン残基が有するアミノ基またはヒドロキシリシン残基が有する水酸基を、反応性の高いアルデヒド基に変換する酵素であり、かかるアルデヒド基が架橋反応に寄与する。
また、コラーゲンは、3本のポリペプチドが会合してらせん構造を有するコラーゲン分子(トロポコラーゲン)を形成し、これが細胞外で自己会合してコラーゲン原線維、さらにはコラーゲン線維(膠原線維)を形成する。コラーゲン線維の強度には、コラーゲンの分子内または分子外の架橋構造が寄与しているが、かかる架橋構造の形成にもLOXが関与している。
そのため、かかるLOXの発現量を高めることは、しっかりとした弾性線維の形成を導くとともに、膠原線維の強度を高め、皮膚における張りの消失やシワの形成といった皮膚の老化の予防、治療または改善につながるものと考えられる。
近年、皮膚の加齢に伴う老化や光老化との関係で、角層カルボニル化タンパク質の研究が盛んに行われている。カルボニル化タンパク質としては、一般に、タンパク質におけるLys、Arg、Proといったアミノ酸残基のNH基が直接酸化されてカルボニル基となった結果生成されるものと、脂質が酸化して過酸化脂質、さらには分解して反応性の高いアルデヒドとなり、それがタンパク質と結合することで生成されるものとがある(特許文献10参照)。皮膚においては、タンパク質が直接的に酸化される場合、また皮膚表面の皮脂がフリーラジカルによって酸化し、過酸化脂質が生成されることでタンパク質の酸化は開始される場合があると考えられる。いったん過酸化脂質が生成されると、酸化は連鎖的に進行し、肌表面に刺激を与えるだけにとどまらず、角質層の奥まで入り込んで細胞にダメージを与える。
また、皮膚の最表層である角層は角質細胞からなり、その85%がタンパク質であるケラチンから構成されている。近年、このケラチンが、日常的に皮膚が受ける酸化的ストレス(紫外線、タバコの煙)等によってカルボニル化されることが知られている(非特許文献10参照)。通常、ケラチンは水分子を多く取り込んでいるが、カルボニル化されることによって水分子を排除してしまい、カルボニル化された後のケラチンは水分子を取り込むことができなくなり、さらに、このことが皮膚を乾燥させ、皮膚の外観を損なうことが知られている(特許文献11参照)。
このように角層中のカルボニル化タンパク質が増加することによって、肌の保水性が失われるとともに(特許文献12参照)、肌の柔軟性・弾力性が失われてしまうことが知られている(特許文献13参照)。したがって、表皮の角層タンパク質のカルボニル化を予防したり、そのカルボニル化度を低減させたりすることにより、角質細胞の保水性の向上や、肌の柔軟性・弾力性の向上に有用であると考えられる。
皮膚に紫外線が照射されると、皮膚の細胞は障害を受けたり、細胞死が引き起こされたりし、肌は張りや弾力を失い、肌荒れ、シワ等の老化症状を呈する、いわゆる光老化と呼ばれる状態となる。したがって、紫外線の照射によるダメージ(例えば、細胞障害、細胞死等のほか、これらをもたらす遺伝子の発現変動等が挙げられる)を抑制・回復することによって、皮膚の老化の予防又は改善が期待できる。紫外線照射によるダメージ回復作用を有する植物抽出物としては、油溶性甘草抽出物(特許文献14参照)等が知られている。
特開2003-300893号公報 特開2003-146837号公報 特開2006-063033号公報 特開2006-056854号公報 特開2009-269889号公報 特開2007-099698号公報 特開2012-219047号公報 特開2009-191039号公報 特開2009-256244号公報 特開2004-340935号公報 特開2004-107269号公報 特開2005-249672号公報 特開2006-349372号公報 特開2004-250368号公報
「フレグランスジャーナル臨時増刊」,1995年,No.14,p.156 J. Cell. Biol.,1992年,Vol.119,No.3,p.695‐703 "Nat Genet.",2006年,Vol.38,No.4,p.441-446 「フレグランスジャーナル臨時増刊」,2000年,Vol.17,p.14-19 "Arch. Dermatol. Res.",1996年,Vol.288,p.442-446 「フレグランスジャーナル」,2006年,Vol.34,No.10,p.19-23 J. Cell Biol.,2002年,vol.156,pp.1099-1111 日本香粧品科学会誌,2007年,vol.31,pp.296-301 Cosmetics & Toiletries,2008年,Vol.123,No.1,p.69-72 Jens J. Thiele et al., THE JOURNAL OF INVESTIGATIVE DERMATOLOGY, Vol.113, No.3, 1999年, p.335, 339
本発明は、安全性の高い天然物の中から、優れた抗老化作用を有するものを見出し、それを有効成分とする抗老化剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の抗老化剤は、クプアスからの抽出物および/またはアサイーからの抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
前記クプアスからの抽出物は、ラジカル消去作用、I型コラーゲン産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、ラミニン5産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、グルタチオン産生促進作用、トランスグルタミナーゼ-1産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、アクアポリン3 mRNA発現促進作用、クローディン-1産生促進作用、サーチュイン1 mRNA発現促進作用、リシルオキシダーゼmRNA発現促進作用、および角層タンパク質カルボニル化抑制作用からなる群より選択される1種または2種以上の作用を有することが好ましく、前記アサイーからの抽出物は、紫外線ダメージ抑制作用を有することが好ましい。
本発明によれば、天然物に由来するクプアスからの抽出物および/またはアサイーからの抽出物を有効成分とさせることにより、作用効果に優れ、かつ安全性の高い抗老化剤を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の抗老化剤は、クプアスからの抽出物および/またはアサイーからの抽出物を有効成分とするものである。
ここで、本実施形態において「抽出物」には、上記植物を抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
本実施形態において使用する抽出原料は、クプアス(学名:Theobroma grandiflorum)およびアサイー(学名:Euterpe oleracea,Euterpe precatoria)である。
クプアス(Theobroma grandiflorum)は、アオイ科カカオ属に属する常緑低木であって、南米アマゾン地域に自生しているほか、これらの地域においてアグロフォレストリーにより栽培されており、容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るクプアスの構成部位としては、例えば、果実部、花部、葉部、幹部、樹皮部、根部またはこれらの混合物が挙げられるが、好ましくは果実部である。
アサイー(Euterpe oleracea,Euterpe precatoria,別名:ワカバキャベツヤシ)は、ヤシ科エウテルペ属に属する常緑高木であって、南米アマゾン地域に自生しているほか、これらの地域においてアグロフォレストリーにより栽培されており、容易に入手することができる。抽出原料として使用し得るアサイーの構成部位としては、例えば、果実部、葉部、幹部、樹皮部、根部またはこれらの混合物が挙げられるが、好ましくは果実部である。
上記クプアスおよびアサイーからの抽出物は、抽出原料を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、上記抽出原料の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用することが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を抽出溶媒として使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比が9:1~1:9(容量比)であることが好ましく、7:3~2:8(容量比)であることがさらに好ましい。また、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族ケトンとの混合比が9:1~2:8(容量比)であることが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水と多価アルコールとの混合比が8:2~1:9(容量比)であることが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5~15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
以上のようにして得られるクプアスからの抽出物および/またはアサイーからの抽出物は、優れた抗老化作用を有しているため、抗老化剤の有効成分として用いることができる。本実施形態の抗老化剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品等、飲食品の幅広い用途に使用することができる。
ここで、クプアスからの抽出物が有する抗老化作用は、例えば、ラジカル消去作用、I型コラーゲン産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、ラミニン5産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、グルタチオン産生促進作用、トランスグルタミナーゼ-1(TG-1)産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、アクアポリン3(AQP3)mRNA発現促進作用、クローディン-1産生促進作用、サーチュイン1(SIRT1)mRNA発現促進作用、リシルオキシダーゼ(LOX)mRNA発現促進作用、および角層タンパク質カルボニル化抑制作用からなる群より選択される1または2以上の作用に基づいて発揮される。ただし、クプアスからの抽出物が有する抗老化作用は、上記作用に基づいて発揮される抗老化作用に限定されるものではない。
また、クプアスからの抽出物は、そのラジカル消去作用、I型コラーゲン産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、ラミニン5産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、グルタチオン産生促進作用、TG-1産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用、クローディン-1産生促進作用、SIRT1 mRNA発現促進作用、LOX mRNA発現促進作用、または角層タンパク質カルボニル化抑制作用を利用して、それぞれラジカル消去剤、I型コラーゲン産生促進剤、IV型コラーゲン産生促進剤、ラミニン5産生促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤、グルタチオン産生促進剤、トランスグルタミナーゼ-1(TG-1)産生促進剤、プロフィラグリンmRNA発現促進剤、アクアポリン3(AQP3)mRNA発現促進剤、クローディン-1産生促進剤、サーチュイン1(SIRT1)mRNA発現促進剤、リシルオキシダーゼ(LOX)mRNA発現促進剤、または角層タンパク質カルボニル化抑制剤の有効成分として使用してもよい。
なお、本明細書において「ラジカル」とは、不対電子を1つ又はそれ以上有する分子又は原子を意味し、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカル、DPPH等が含まれる。
アサイーからの抽出物が有する抗老化作用は、例えば、紫外線ダメージ抑制作用に基づいて発揮され、中でも紫外線(UVA)照射による遺伝子発現変動の抑制作用、特にMMP-1(Matrix Metalloprotease-1)遺伝子および/またはIL-1α(Interleukin-1α)遺伝子のUVA照射によるmRNA発現上昇の抑制作用、またはCOL1A1(Collagen,TypeI,α1)遺伝子のUVA照射によるmRNA発現低下の抑制作用に基づいて発揮される。ただし、アサイーからの抽出物が有する抗老化作用は、上記作用に基づいて発揮される抗老化作用に限定されるものではない。また、アサイーからの抽出物は、その紫外線ダメージ抑制作用を利用して、紫外線ダメージ抑制剤の有効成分として使用してもよい。
本実施形態の抗老化剤は、クプアスからの抽出物および/またはアサイーからの抽出物のみからなるものでもよいし、クプアスからの抽出物および/またはアサイーからの抽出物を製剤化したものでもよい。
本実施形態の抗老化剤は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。抗老化剤は、他の組成物(例えば、皮膚化粧料、飲食品等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
本実施形態の抗老化剤を製剤化した場合、クプアスからの抽出物および/またはアサイーからの抽出物の含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定することができる。
なお、本実施形態の抗老化剤は、必要に応じて、抗老化作用を有する他の天然抽出物等を、クプアスからの抽出物および/またはアサイーからの抽出物とともに配合して有効成分として用いることができる。
本実施形態の抗老化剤の患者に対する投与方法としては、経皮投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本実施形態の抗老化剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
本実施形態の抗老化剤は、有効成分であるクプアスからの抽出物またはアサイーからの抽出物が有するラジカル消去作用、I型コラーゲン産生促進作用、IV型コラーゲン産生促進作用、ラミニン5産生促進作用、表皮角化細胞増殖促進作用、グルタチオン産生促進作用、TG-1産生促進作用、プロフィラグリンmRNA発現促進作用、AQP3 mRNA発現促進作用、クローディン-1産生促進作用、SIRT1 mRNA発現促進作用、LOX mRNA発現促進作用、角層タンパク質カルボニル化抑制作用、または紫外線ダメージ抑制作用を通じて、しわ形成や弾力低下等の皮膚の老化を予防、治療または改善できる。ただし、本実施形態の抗老化剤は、これらの用途以外にも上記作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
例えば、本実施形態の抗老化剤または前述したラジカル消去剤は、クプアスからの抽出物が有するラジカル消去作用を通じて、関節リウマチやベーチェット病等の組織障害、各種動脈硬化症(虚血性心疾患,心筋梗塞,脳虚血,脳梗塞等)、神経変性疾患(アルツハイマー病,パーキンソン病,ハンチントン舞踏病等)、癌、喫煙等が原因の肺疾患、白内障、糖尿病、肩凝り、冷え性等の活性酸素やフリーラジカルが関与する各種疾患;などを予防、治療または改善することができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したI型コラーゲン産生促進剤もしくはIV型コラーゲン産生促進剤は、クプアスからの抽出物が有するI型コラーゲン産生促進作用またはIV型コラーゲン産生促進作用を通じて、骨粗鬆症等のコラーゲン産生の低下に起因する疾患の予防、治療又は改善;損傷した腱や靱帯の再生促進;創傷又は熱傷の治癒の促進;等の用途に用いることができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したラミニン5産生促進剤はクプアスからの抽出物が有するラミニン5産生促進作用を通じて、基底膜構造の再構築を誘導し、皮膚における創傷を治療・改善することができる。また、本実施形態の抗老化剤または前述したラミニン5産生促進剤は、ラミニン5の欠乏(欠損)に起因する疾患(表皮水疱症等)の予防又は治療剤として用いることができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述した表皮角化細胞増殖促進剤は、クプアスからの抽出物が有する表皮角化細胞増殖促進作用を通じて、肌の新陳代謝を回復させ、こじわ、くすみ、色素沈着等の予防、治療または改善;再生医療;などの用途に使用することができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したグルタチオン産生促進剤は、クプアスからの抽出物が有するグルタチオン産生促進作用を通じて、肝障害(アルコールの多飲,または重金属や化学物質等の異物の摂取が原因となる)等の細胞内グルタチオン量の低下又は欠乏が病態と関連することが知られている疾患などを予防、治療または改善することができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したTG-1産生促進剤もしくはプロフィラグリンmRNA発現促進剤は、クプアスからの抽出物が有するTG-1産生促進作用またはプロフィラグリンmRNA発現促進作用を通じて、皮膚のバリア機能を強化し、肌荒れ、乾燥肌等のほか、乾燥性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬等)を予防、治療または改善することができる。また、本実施形態の抗老化剤または前述したプロフィラグリンmRNA発現促進剤もしくはAQP3 mRNA発現促進剤は、そのプロフィラグリンmRNA発現促進作用またはAQP3 mRNA発現促進作用を通じて、加齢による水分保持能やバリア機能等を改善することができる。
前述した用途のほか、本実施形態の抗老化剤または前述したクローディン-1産生促進剤は、クプアスからの抽出物が有するクローディン-1産生促進作用を通じて、表皮角化細胞におけるタイトジャンクションの形成を促すことができ、これにより、皮膚のバリア機能および水分保持機能を高め、乾燥肌、荒れ肌、アトピー性皮膚炎や各種感染症などの皮膚症状を予防または改善することができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したSIRT1 mRNA発現促進剤は、クプアスからの抽出物が有するSIRT1 mRNA発現促進作用を通じて、糖尿病、心血管疾患、神経系疾患、炎症性疾患などの各種疾患を予防・治療または改善することができるとともに、細胞の寿命を延長することができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述したLOX mRNA発現促進剤は、クプアスからの抽出物が有するLOX mRNA発現促進作用を通じて、皮膚において弾性線維および膠原線維の適切な架橋構造を形成し、しっかりとした弾性線維の形成を導くとともに膠原繊維の強度を高め、これにより、張り消失やシワ形成を予防、治療または改善することができる。
前述した用途の他、本実施形態の抗老化剤または前述した角質タンパク質カルボニル化抑制剤は、クプアスからの抽出物が有する角層タンパク質カルボニル化抑制作用を通じて、角層タンパク質のカルボニル化を抑制することができ、これにより、肌のくすみを抑制して美肌効果を得ることができる。
本実施形態の抗老化剤または前述した紫外線ダメージ抑制剤は、アサイーからの抽出物が有する紫外線ダメージ抑制作用、より具体的には、UVA照射による遺伝子発現変動の抑制作用、特にMMP-1遺伝子および/またはIL-1α遺伝子のUVA照射によるmRNA発現上昇の抑制作用、またはCOL1A1遺伝子のUVA照射によるmRNA発現低下の抑制作用を通じて、紫外線照射により細胞が受けるダメージを抑制し、これにより、皮膚の光老化を効果的に予防、治療または改善することができる。
また、本実施形態の抗老化剤は、優れた抗老化作用を有するため、例えば、皮膚外用剤や飲食品に配合するのに好適である。この場合に、クプアスからの抽出物および/またはアサイーからの抽出物をそのまま配合してもよいし、クプアスからの抽出物および/またはアサイーからの抽出物から製剤化した抗老化剤を配合してもよい。
ここで、皮膚外用剤としては、その区分に制限はなく、経皮的に使用される皮膚化粧料、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものであり、具体的には、例えば、軟膏、クリーム、乳液、化粧水、美容液、ローション、ジェル、美容オイル、パック、ファンデーション、リップクリーム、入浴剤、ヘアートニック、ヘアーローション、シャンプー、リンス、石鹸、ボディシャンプー等が挙げられる。
飲食品とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品等の区分に制限されるものではない。したがって、本実施形態における「飲食品」は、経口的に摂取される一般食品、健康食品(機能性飲食品)、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品)、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものである。
また、本実施形態の抗老化剤は、優れた抗老化作用を有するので、これらの作用機構に関する研究のための試薬としても好適に利用することができる。
なお、本実施形態の抗老化剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば,マウス,ラット,ハムスター,イヌ,ネコ,ウシ,ブタ,サル等)に対して適用することもできる。
以下、試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。なお、本試験例においては、被験試料としてクプアス果実抽出物(丸善製薬社製,試料1)およびアサイー果実抽出物(丸善製薬社製,試料2)を使用した。
〔試験例1〕ラジカル消去作用試験(DPPH法)
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにしてラジカル消去作用を試験した。
150μmol/L DPPH(diphenyl-p-picrylhydrazyl)エタノール溶液3mLに被験試料溶液(試料1,試料濃度は下記表1を参照)3mLを加え密栓した後、振り混ぜて30分間放置した。放置後、波長520nmにおける吸光度を測定した。ブランクとして、エタノールに被験試料溶液を3mL加えた後、直ちに波長520nmにおける吸光度を測定した。また、コントロールとして、被験試料溶液に代えて試料の溶解に使用した溶媒のみを加えて同様の操作を行い、波長520nmにおける吸光度を測定した。得られた結果から、下記式によりラジカル消去率(%)を算出した。
ラジカル消去率(%)={A-(B-C)}/A×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:試料無添加での波長520nmにおける吸光度
B:被験試料添加での波長520nmにおける吸光度
C:被験試料添加直後(ブランク)の波長520nmにおける吸光度
結果を表1に示す。
Figure 0007426117000001
表1に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れたラジカル消去作用を有していると認められた。
〔試験例2〕I型コラーゲン産生促進作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにしてI型コラーゲン産生促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.6×105 cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、培地を除去し、0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表2を参照)を各ウェルに100μLずつ添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養後、各ウェルの培地中のI型コラーゲン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式によりI型コラーゲン産生促進率(%)を算出した。
I型コラーゲン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのI型コラーゲン量
B:試料無添加でのI型コラーゲン量
結果を表2に示す。
Figure 0007426117000002
表2に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れたI型コラーゲン産生促進作用を有することが確認された。
〔試験例3〕IV型コラーゲン産生促進作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにしてIV型コラーゲン産生促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.6×105 cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、培地を除去し、0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表3を参照)を各ウェルに50μLずつ添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養後、各ウェルの培地中のIV型コラーゲン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式によりIV型コラーゲン産生促進率(%)を算出した。
IV型コラーゲン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのIV型コラーゲン量
B:試料無添加でのIV型コラーゲン量
結果を表3に示す。
Figure 0007426117000003
表3に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れたIV型コラーゲン産生促進作用を有することが確認された。
〔試験例4〕ラミニン5産生促進作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにしてラミニン5産生促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、80cmフラスコにて正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.0×105 cell/mLの細胞密度となるようにKGMからBPEを除いた培地(KGM-BPE)で希釈した後、24ウェルプレートに1ウェルあたり500μLずつ播種し、一日間培養した。
培養終了後、培地を除去し、KGM-BPE培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表4を参照)を各ウェルに500μLずつ添加し、48時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM-BPE培地を用いて同様に培養した。培養終了後、上清100μLをELISAプレートに移し換え、37℃で2時間プレートに吸着させた後、吸着させたラミニン5の量をELISA法により測定した。得られた測定結果から、下記式によりラミニン5産生促進率(%)を算出した。
ラミニン5産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのラミニン5量
B:試料無添加でのラミニン5量
結果を表4に示す。
Figure 0007426117000004
表4に示すように、クプアス抽出物(試料1)は優れたラミニン5産生促進作用を有することが確認された。
〔試験例5〕表皮角化細胞増殖促進作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにして表皮角化細胞増殖促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理にて細胞を回収した。回収した細胞を3.0×104 cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、KGM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表5を参照)を各ウェルに100μL添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。
表皮角化細胞増殖促進作用は、MTTアッセイ法を用いて測定した。すなわち、3日間培養後、培地を除去し、終濃度0.4mg/mLでPBS(-)緩衝液に溶解したMTTを各ウェル100μLずつ添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2-プロパノール100μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。得られた結果から、下記式により表皮角化細胞増殖促進率(%)を算出した。
表皮角化細胞増殖促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのブルーホルマザン生成量
B:試料無添加でのブルーホルマザン生成量
結果を表5に示す。
Figure 0007426117000005
表5に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有することが確認された。
〔試験例6〕グルタチオン産生促進作用試験(線維芽細胞)
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにして、線維芽細胞におけるグルタチオン産生促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有α-MEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×105 cells/mLの細胞密度になるように10%FBS含有α-MEM培地で希釈した後、48ウェルプレートに1ウェル当たり200μLずつ播種し、一晩培養した。
培養後、1%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表6を参照)を各ウェルに200μL添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、被験試料無添加の1%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、各ウェルから培地を除去し、400μLのPBS(-)緩衝液にて洗浄した後、150μLのM-PER(PIERCE社製)を使用して細胞を溶解した。
このうちの100μLを使用して総グルタチオンの定量を行った。すなわち、96ウェルプレートに、溶解した細胞抽出液100μL、0.1mol/Lリン酸緩衝液50μL、2mmol/L NADPH25μL、およびグルタチオンレダクターゼ25μL(終濃度17.5unit/mL)を加え、37℃で10分間加温した後、10mmol/L 5,5'-dithiobis(2-nitrobenzoic acid)25μLを加え、5分後までの波長412nmにおける吸光度を測定し、ΔOD/minを求めた。総グルタチオン濃度は、酸化型グルタチオン(和光純薬社製)を使用して作成した検量線をもとに算出した。得られた値を総タンパク量当たりのグルタチオン量に補正した後、下記式によりグルタチオン産生促進率(%)を算出した。
グルタチオン産生促進率(%)=B/A×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:試料無添加における総タンパク量当たりのグルタチオン量
B:被験試料添加における総タンパク量当たりのグルタチオン量
結果を表6に示す。
Figure 0007426117000006
表6に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、線維芽細胞において優れたグルタチオン産生促進作用を有していると認められた。
〔試験例7〕グルタチオン産生促進作用試験(表皮角化細胞)
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにして、表皮角化細胞におけるグルタチオン産生促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理にて細胞を回収した。回収した細胞を1.0×105 cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、コラーゲンコートした24ウェルプレートに1ウェルあたり500μLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、KGM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表7を参照)を各ウェルに400μL添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、各ウェルから培地を除去し、1mLのPBS(-)緩衝液にて洗浄した後、150μLのM-PER(PIERCE社製)を使用して細胞を溶解した。
このうちの100μLを使用して総グルタチオンの定量を行った。すなわち、96ウェルプレートに、溶解した細胞抽出液100μL、0.1mol/Lリン酸緩衝液50μL、2mmol/L NADPH25μL、およびグルタチオンレダクターゼ25μL(終濃度17.5unit/mL)を加え、37℃で10分間加温した後、10mmol/L 5,5'-dithiobis(2-nitrobenzoic acid)25μLを加え、5分後までの波長412nmにおける吸光度を測定し、ΔOD/minを求めた。総グルタチオン濃度は、酸化型グルタチオン(和光純薬社製)を使用して作成した検量線をもとに算出した。得られた値を総タンパク量当たりのグルタチオン量に補正した後、下記式によりグルタチオン産生促進率(%)を算出した。
グルタチオン産生促進率(%)=B/A×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:試料無添加における総タンパク量当たりのグルタチオン量
B:被験試料添加における総タンパク量当たりのグルタチオン量
結果を表7に示す。
Figure 0007426117000007
表7に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れたグルタチオン産生促進作用を有していると認められた。
〔試験例8〕トランスグルタミナーゼ-1産生促進作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにしてトランスグルタミナーゼ-1産生促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1×105 cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、2日間培養した。
培養終了後、KGM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表8を参照)を各ウェルに100μLずつ添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、培地を除去し、細胞をプレートに固定させ、細胞表面に発現したトランスグルタミナーゼ-1の量を、モノクローナル抗ヒトトランスグルタミナーゼ-1抗体を用いたELISA法により測定した。得られた測定結果から、下記式によりトランスグルタミナーゼ-1産生促進率(%)を算出した。
トランスグルタミナーゼ-1産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのトランスグルタミナーゼ-1量
B:試料無添加でのトランスグルタミナーゼ-1量
結果を表8に示す。
Figure 0007426117000008
表8に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れたトランスグルタミナーゼ-1産生促進作用を有していると認められた。
〔試験例9〕プロフィラグリンmRNA発現促進作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにしてプロフィラグリンmRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を20×104 cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(40×104 cells/シャーレ)、24時間培養した。
培養後に培地を除去し、KGM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表9を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、プロフィラグリンおよび内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR PrimeScript RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2 Step RT-PCR反応により行った。プロフィラグリンmRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりプロフィラグリンmRNA発現促進率(%)を算出した。
プロフィラグリンmRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表9に示す。
Figure 0007426117000009
表9に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れたプロフィラグリンmRNA発現促進作用を有していた。
〔試験例10〕アクアポリン3(AQP3)mRNA発現促進作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにしてAQP3 mRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を20×104 cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、35mmシャーレに2mLずつ播種し(40×104 cells/シャーレ)、24時間培養した。
培養後に培地を除去し、KGM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表10を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、AQP3および内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR PrimeScript RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2 Step RT-PCR反応により行った。AQP3 mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりAQP3 mRNA発現促進率(%)を算出した。
AQP3 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表10に示す。
Figure 0007426117000010
表10に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れたAQP3 mRNA発現促進作用を有することが確認された。
〔試験例11〕クローディン-1産生促進作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにしてクローディン-1産生促進作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2×105 cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、KGM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表11を参照)を各ウェルに100μLずつ添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、培地を除去し、細胞をプレートに固定させ、細胞表面に発現したクローディン-1の量を、ポリクローナル抗ヒトクローディン-1抗体を用いたELISA法により測定した。得られた測定結果から、下記式によりクローディン-1産生促進率(%)を算出した。
クローディン-1産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのクローディン-1量
B:試料無添加でのクローディン-1量
結果を表11に示す。
Figure 0007426117000011
表11に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れたクローディン-1産生促進作用を有していると認められた。
〔試験例12〕サーチュイン1(SIRT1)mRNA発現促進作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにしてSIRT1 mRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有α-MEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×105 cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、60mmシャーレに5mLずつ播種し(10×105 cells/シャーレ)、一晩培養した。培養終了後、培地を除去し、5mLのFBS不含有α-MEM培地に交換し、さらに24時間培養した。
培養終了後、培地を除去し、FBS不含有α-MEM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表12を参照)を各シャーレに5mLずつ添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のFBS不含有α-MEM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、SIRT1および内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR PrimeScript RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2 Step RT-PCR反応により行った。SIRT1 mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりSIRT1 mRNA発現促進率(%)を算出した。
SIRT1 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表12に示す。
Figure 0007426117000012
表12に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れたSIRT1 mRNA発現促進作用を有することが確認された。
〔試験例13〕リシルオキシダーゼ(LOX)mRNA発現促進作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにしてLOX mRNA発現促進作用を試験した。
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有α-MEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×105 cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、60mmシャーレに5mLずつ播種し(10×105 cells/シャーレ)、一晩培養した。培養終了後、培地を除去し、5mLのFBS不含有α-MEM培地に交換し、さらに24時間培養した。
培養終了後、培地を除去し、FBS不含有α-MEM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表13を参照)を各シャーレに5mLずつ添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のFBS不含有α-MEM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、LOXおよび内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR PrimeScript RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2 Step RT-PCR反応により行った。LOX mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりLOX mRNA発現促進率(%)を算出した。
LOX mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表13に示す。
Figure 0007426117000013
表13に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、優れたLOX mRNA発現促進作用を有することが確認された。
〔試験例14〕排気ガスによる角層タンパク質カルボニル化の抑制作用試験
クプアス抽出物(試料1)について、以下のようにして、排気ガスによる角層タンパク質カルボニル化の抑制作用を試験した。
非露光部である上腕内側部の角層を、角質チェッカー(アサヒバイオメッド社製)を用いてテープストリッピング法により剥離・回収した。角層が付着した角質チェッカー(サンプル)を、被験試料(試料1,試料濃度は下記表14を参照)の水溶液1mLに浸漬し、37℃で、16時間処理した。なお、コントロールとして、試料無添加の水を用いて同様に処理した。処理後、サンプルを取り出して風乾させた。次いで、チャック付きのビニール袋に採取したガソリンエンジンの排気ガスに曝露させ、室温にて24時間反応させた。なお、ブランクとして、室内空気に曝露させたサンプルも用意した。得られたサンプルについて、角層カルボニル化のレベルを以下の方法で評価した。
0.1mol/L MES(2-morpholinoethane sulfonic acid-Na)緩衝液(pH5.5)1mLにてサンプルを2回洗浄し、次いで、20μmol/L蛍光ヒドラジド(fluorescein-5-thiosemicarbazide,AnaSpec社製)を含有する0.1mol/L MES緩衝液(pH5.5)にサンプルを浸漬し、室温・遮光条件下で1時間反応させ、角層タンパク質のカルボニル基をラベル化した。反応終了後、PBS(-)緩衝液1mLで2回洗浄し、蛍光顕微鏡(オリンパスIX71,オリンパス社製)にて画像撮影した。得られた画像を画像解析ソフト(ImageJ,National Institute of Health製)を用いて解析し、角層面積あたりの蛍光輝度をカルボニル化レベルとした。得られた結果から、下記式により角層タンパク質カルボニル化抑制率(%)を算出した。
角層タンパク質カルボニル化抑制率(%)={1-(A-C)/(B-C)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:排気ガス処理・被験試料添加でのカルボニル化レベル
B:排気ガス処理・試料無添加(コントロール)でのカルボニル化レベル
C:排気ガス非処理・試料無添加(ブランク)でのカルボニル化レベル
結果を表14に示す。
Figure 0007426117000014
表14に示すように、クプアス抽出物(試料1)は、排気ガスによる角層のカルボニル化を効果的に抑制した。
〔試験例15〕紫外線照射による遺伝子発現変動の抑制作用試験
アサイー抽出物(試料2)について、以下のようにして、紫外線(UVA)による遺伝子発現変動の抑制作用を試験した。
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.0×105 cells/mLの細胞密度になるように2%FBS含有ダルベッコMEM培地で希釈した後、12ウェルプレートに1.0mLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、培地を除去し、FBS不含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料2,試料濃度は下記表15を参照)を各ウェルに1.0mLずつ添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のFBS不含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去して1.0mLのHBSS(+)溶液に交換し、10J/cm2の紫外線(UVA)を照射した。
UVAの照射後、直ちにHBSS(+)溶液を除去してFBS不含有ダルベッコMEM培地を各ウェルに1.0mLずつ添加し、24時間培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN II(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-07361)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、50ng/μLになるように総RNAを調製した。
この総RNAを鋳型とし、MMP-1(Matrix Metalloprotease-1)、IL-1α(Interleukin-1α)、COL1A1(Collagen,TypeI,α1)、および内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。なお、MMP-1およびIL-1αは、UVAの照射によりmRNA発現が上昇する遺伝子であり、一方COL1A1はUVA照射によりmRNA発現が低下する遺伝子である。mRNA発現量の検出は、リアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR PrimeScript RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2 Step RT-PCR反応により行った。各遺伝子mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式により各遺伝子のmRNA発現変動抑制率(%)を算出した。
mRNA発現変動抑制率(%)={(A-B)-(A-C)}/(A-B)×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:紫外線非照射・試料無添加での補正値
B:紫外線照射・試料無添加(コントロール)での補正値
C:紫外線照射・被験試料添加での補正値
結果を表15に示す。
Figure 0007426117000015
表15に示すように、MMP-1およびIL-1αの各遺伝子において、UVA照射によるmRNA発現の上昇をアサイー抽出物(試料2)が抑制した。また、COL1A1遺伝子において、UVA照射によるmRNA発現の低下をアサイー抽出物(試料2)は抑制した。そのため、アサイー抽出物は、UVA照射により引き起こされる光老化の予防または改善に有効であることが確認された。
本発明の抗老化剤は、皮膚の老化症状の予防、治療または改善;創傷又は熱傷の治癒の促進;乾燥性皮膚疾患の予防、治療または改善;などに大きく貢献できる。

Claims (2)

  1. アサイーの果実からの抽出物を有効成分とする抗皮膚老化剤であって、
    紫外線ダメージ抑制用途に用いられることを特徴とする抗皮膚老化剤。
  2. 前記紫外線ダメージ抑制用途が、
    MMP-1(Matrix Metalloprotease-1)遺伝子のUVA照射によるmRNA発現上昇の抑制用途、IL-1α(Interleukin-1α)遺伝子のUVA照射によるmRNA発現上昇の抑制用途、およびCOL1A1(Collagen,TypeI,α1)遺伝子のUVA照射によるmRNA発現低下の抑制用途からなる群より選択される1または2以上の用途である
    ことを特徴とする請求項1に記載の抗皮膚老化剤。
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