JPH11246424A - チロシナーゼ阻害剤およびその製造法 - Google Patents

チロシナーゼ阻害剤およびその製造法

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JPH11246424A
JPH11246424A JP10059100A JP5910098A JPH11246424A JP H11246424 A JPH11246424 A JP H11246424A JP 10059100 A JP10059100 A JP 10059100A JP 5910098 A JP5910098 A JP 5910098A JP H11246424 A JPH11246424 A JP H11246424A
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extract
water
tyrosinase
soluble
tyrosinase inhibitor
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JP10059100A
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Yoko Ito
洋子 伊藤
Susumu Ogawa
進 小川
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MARUZEN SEIYAKU KK
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MARUZEN SEIYAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性で使いやすく、活性と安定性の点でも
優れたチロシナーゼ阻害物質を植物体構成成分から見い
だし、これをチロシナーゼ阻害剤および皮膚外用剤とし
て提供する。 【解決手段】 脂肪族低級アルコールを加えた水を抽出
溶媒にして得られた桑葉抽出物の水溶性画分のチロシナ
ーゼ阻害作用を利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、美白剤として有用
なチロシナーゼ阻害剤およびその製造法、ならびに該チ
ロシナーゼ阻害剤を配合してなる皮膚外用剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】肌の黒化、シミ、ソバカス等は、ホルモ
ンの分泌異常や紫外線刺激などの影響を受けて増加また
は活性化したメラノサイト中でチロシナーゼの働きによ
りチロシンからメラニンが生成し、それが皮膚組織に放
出され沈着するために生じる。キノコ類、甲殻類、果
実、野菜等の食品が褐色に変色する原因も、同様にチロ
シナーゼの働きによりメラニンが生成するためである。
【0003】そこで、上記機構によるメラニンの生成を
防止するため、チロシナーゼの作用を阻害する種々の物
質が化粧品や食品の分野で従来から使われ、または提案
されている。その代表的なものは、アスコルビン酸、ハ
イドロキノン、コウジ酸、ある種の植物抽出物等であ
る。
【0004】近年、食品や化粧品の安全性に対する関心
が高まるにつれて、メラニン生成防止のためのチロシナ
ーゼ阻害剤についても安全性の高い天然物系のものが求
められるようになったが、従来チロシナーゼ阻害作用を
有することが知られていた植物抽出物は活性の強さ、安
定性、味、におい、色等の点で問題があるほか、水溶性
でないため、皮膚外用剤や食品には使いにくいものが多
かった。たとえば、特許第2544198号公報にはチ
ロシナーゼの活性を阻害する物質として桑から得られた
クワノンが記載されているが、その活性はあまり強くな
い。しかもクワノンは全く水に溶けない疎水性化合物で
あるから、これを皮膚外用剤等に配合しようとすると乳
化剤を用いて乳化させるなどの処理が必要があり、添加
対象物の処方によっては安定な配合が至難である。桑白
皮から得られるオキシレスベラトロールは水溶性である
が、不安定で実用困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水溶
性で使いやすく、使用上障害となるような味、におい、
色などもなく、活性と安定性の点でも優れたチロシナー
ゼ阻害物質を植物体構成成分から見いだし、これをチロ
シナーゼ阻害剤として提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、水溶性で使いやす
く、安定性と安全性にも優れた天然物系チロシナーゼ阻
害剤を含有させて美白作用を付与した皮膚外用剤を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明により提供された
チロシナーゼ阻害剤および皮膚外用剤は、桑葉より抽出
された水溶性チロシナーゼ阻害物質を有効成分とするも
のである。
【0008】また、本発明によるチロシナーゼ阻害剤の
製造法は、炭素数1〜3の一級アルコールを加えた水
(好ましくは重量比20:80ないし70:30の水と
アルコールとの混合物)を抽出溶媒にして桑葉を抽出処
理し、得られた抽出液よりチロシナーゼ阻害作用を有す
る水溶性成分を採取することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のチロシナーゼ阻害剤の原
料となる桑葉は、クワ科(Moraceae)に属する植物たと
えばクワ(M. nigra)、カラグワ(Morus alba L.)、
ヤマグワ(M.bombycis KOIDZ.)、マグワ(M. latifoli
a POIRET.)等の葉部である。抽出処理に付する桑葉
は、乾燥葉でも生葉でもよい。
【0010】桑葉から得られる水溶性のチロシナーゼ阻
害物質がいかなる化合物なのかは未だ確認されていない
が、恐らくはポリフェノール系の化合物かと思われる。
このチロシナーゼ阻害物質は、水溶性ではあるが、桑葉
を水抽出したのではほとんど抽出されない。効率のよい
抽出は、炭素数1〜3の脂肪族一級アルコール、たとえ
ばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロ
ピルアルコール等の適量を加えた水を抽出溶媒とする抽
出により初めて可能となる。特に好ましい抽出溶媒は、
重量比で20:80ないし70:30の、水とアルコー
ルとの混合物である。アルコールが30重量%未満では
チロシナーゼ阻害物質の抽出効率が悪く、反対にアルコ
ールが80重量%をこえると、目的物以外の疎水性成分
等の溶出量が増えて抽出物から水溶性画分を採取する操
作が困難になり、目的物の品質、収率、共に悪くなる。
【0011】桑葉に対して約5〜20倍量の上記抽出溶
媒を用い、常温ないし還流加熱下に抽出を行うと、目的
とするチロシナーゼ阻害物質と共にクロロフィル、フラ
ボノイド等の疎水性成分も溶出し、それにより強く着色
した抽出液が得られる。この抽出液から目的物を含む水
溶性成分を採取する方法は種々あり、特に限定されるも
のではないが、簡単には、抽出液からアルコールを留去
し、次いで冷却して疎水性成分を沈殿させ、濾別すれば
よい。
【0012】濾液は、前述のクワノンを含まないのはも
ちろん、水溶性のオキシレスベラトロールも含んでいな
いが、強いチロシナーゼ阻害作用を示す(オキシレスベ
ラトロールは桑白皮だけに含まれていて桑葉中には存在
しないものと推察される)。
【0013】したがってそのままでもチロシナーゼ阻害
剤として使用可能であるが、必要に応じて濃縮液とした
り、防腐のためエタノールや多価アルコールを加えたり
して利用に供してもよい。濃縮液を乾燥しさらには粉砕
して粉末状にしてから利用に供してもよいことは言うま
でもない。また、水溶性画分を製剤化する過程の任意の
段階において、チロシナーゼ阻害作用に悪影響のない範
囲で脱臭、脱色等のための精製処理を施したり、液液分
配抽出、各種クロマトグラフィー、イオン交換、膜分離
等の分離精製処理を施してチロシナーゼ阻害活性を向上
させてもよい。
【0014】有効成分は水、50重量%以下のエタノー
ル水溶液、50重量%以下の1,3-ブチレングリコール水
溶液等に澄明に溶解し、安定性にも優れているから、チ
ロシナーゼ阻害剤として製剤化するのは容易である。剤
形に制限はなく、液状、粉末状、顆粒状、錠剤状等、任
意の剤形を採用することができる。製剤化に当たって
は、必要に応じて任意の助剤を使用することができ、他
のチロシナーゼ阻害剤と混合して製剤化してもよい。
【0015】本発明のチロシナーゼ阻害剤は、化粧水、
乳液、クリーム、パック、軟膏その他任意の形態の化粧
品、皮膚に適用される医薬部外品もしくは医薬品等に美
白作用を付与する目的で配合するほか、メラニンの生成
による変色を起こしやすい食品の変色防止のために、添
加物または表面処理剤として使用することができる。
【0016】美白作用を化粧品に利用する場合、本発明
のチロシナーゼ阻害剤は単独で化粧品基材に配合して化
粧品とするよりも、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫
外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー
剤、抗酸化・活性酸素消去剤等、化粧品構成成分として
利用可能な生理活性物質その他の有用物質と適宜組み合
わせて化粧品とすれば、より一般性のある化粧品として
利用することが可能になる。また、その場合は、併用さ
れた他の有効成分との間の相乗作用が、通常期待される
以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
【0017】化粧品構成成分として本発明のチロシナー
ゼ阻害剤に併用可能なものの具体例は、次のとおりであ
る。
【0018】収斂剤:クエン酸またはその塩類、酒石酸
またはその塩類、乳酸またはその塩類、塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロル
ヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシア
ルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜
鉛、ジユエキス、エイジツエキス、ハマメリスエキス、
ゲンノショウコエキス、チャカテキン類、ガイヨウエキ
ス、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、ダイオ
ウエキス、ヤグルマソウエキス、スギナエキス、キズタ
エキス、キューカンバーエキス、マロニエエキス、サル
ビアエキス、メリッサエキス等。
【0019】殺菌・抗菌剤:安息香酸、安息香酸ナトリ
ウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ジステアリル
メチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキ
ルジアミノエチルグリシン液、塩酸クロルヘキシジン、
オルトフェニルフェノール、感光素101号、感光素201
号、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、
ハロカルバン、レゾルシン、パラクロロフェノール、フ
ェノキシエタノール、ビサボロール、ヒノキチオール、
メントール、キトサン、キトサン分解物、ジユエキス、
クジンエキス、エンメイソウエキス、ビワエキス、ウワ
ウルシエキス、ホップエキス、ユッカエキス、アロエエ
キス、ケイヒエキス、ガジュツエキス等。
【0020】美白剤:アスコルビン酸およびその誘導
体、イオウ、胎盤抽出物、コウジ酸およびその誘導体、
グルコサミンおよびその誘導体、アゼラインおよびその
誘導体、アルブチンおよびその誘導体、ヒドロキシケイ
ヒ酸およびその誘導体、グルタチオン、アルニカエキ
ス、オウゴンエキス、センキュウエキス、ソウハクヒエ
キス、サイコエキス、ボウフウエキス、ハマボウフウエ
キス、マンネンタケ菌糸体培養物またはその抽出物、ギ
ムネマエキス、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジ
ツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、
ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボ
タンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オ
トギリソウエキス、オドリコソウエキス、油溶性カンゾ
ウエキス(カンゾウ疎水性フラボン、グラブリジン、グ
ラブレン、リコカルコンA)等。
【0021】紫外線吸収剤:β−イソプロピルフラノン
誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、オキシベ
ンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノ
ン、ジヒドロキシベンゾフェノン、シノキサート、ジイ
ソプロピルケイヒ酸メチル、メトキシケイヒ酸オクチ
ル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミ
ノ安息香酸アミル、パラジメチル安息香酸オクチル、パ
ラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、ブチル
メトキシジベンゾイルメタン、酸化チタン、β−カロチ
ン、γ−オリザノール、コメヌカエキス、アロエエキ
ス、カバノキエキス、シラカンバエキス、カミツレエキ
ス、コゴメグサエキス、セイヨウサンザシエキス、ヘン
ナエキス、チョウチグルミエキス、マロニエエキス、イ
チョウ葉エキス、カミツレエキス、セイヨウサンザシエ
キス、油溶性カンゾウエキス等。
【0022】保湿剤:セリン、グリシン、スレオニン、
アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ビトロネ
クチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ロ
ーヤルゼリー、コンドロイチン、ヘパリン、グリセロリ
ン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィ
ンゴ糖脂質、リノール酸またはそのエステル類、エイコ
サペンタエン酸またはそのエステル類、ペクチン、アル
ゲコロイド、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽
出物、レイシ菌糸体培養物またはその抽出物、小麦胚芽
油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂
質、γ−オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイ
ニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウ
エキス、キダチアロエエキス、ゴボウエキス、マロニエ
エキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フ
スマ、コメヌカエキス等。
【0023】細胞賦活剤:リボフラビンまたはその誘導
体、ピリドキシンまたはその誘導体、ニコチン酸または
その誘導体、パントテン酸またはその誘導体、α−トコ
フェロールまたはその誘導体、アルニカエキス、ニンジ
ンエキス、ナタネニンジンエキス、エゾウコギエキス、
ヘチマエキス(サポニン)、シコンエキス、シラカンバ
エキス、オオバクエキス、ボタンピエキス、シャクヤク
エキス、ムクロジエキス、ベニバナエキス、アシタバエ
キス、ビワ葉エキス、ヒキオコシエキス、ユキノシタエ
キス、黄杞エキス、サルビアエキス、ニンニクエキス、
マンネンロウエキス等。
【0024】消炎・抗アレルギー剤:アズレン、アラン
トイン、アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾ
チーム、イプシロンアミノカプロン酸、オキシベンゾ
ン、グリチルリチン酸またはその誘導体、グリチルレチ
ン酸またはその誘導体、感光素301号、感光素401
号、塩酸ジフェンヒドラミン、トラネキサム酸またはそ
の誘導体、アデノシンリン酸、エストラジオール、エス
ロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロ
コルチゾン、プレドニゾン、プロゲステロン、コルチコ
ステロン、アルニカエキス、インチンコウエキス、サン
シシエキス、ジュウヤクエキス、セイヨウトチノキエキ
ス、カンゾウエキス、トウキエキス、ヨモギエキス、ワ
レモコウエキス、リンドウエキス、サイコエキス、セン
キュウエキス、ボウフウエキス、セイヨウノコギリソウ
エキス、オウレンエキス、シソエキス等。
【0025】抗酸化・活性酸素消去剤:ジブチルヒドロ
キシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸
プロピル、バイカリン、バイカレイン、スーパーオキサ
イドディスムターゼ、カタラーゼ、ローズマリーエキ
ス、メリッサエキス、オウゴンエキス、エイジツエキ
ス、ビワ葉エキス、ホップエキス、ハマメリスエキス、
シャクヤクエキス、セージエキス、キナエキス、カミツ
レエキス、シソエキス、イチョウ葉エキス、ユーカリエ
キス、タイムエキス、カルダモンエキス、キャラウェイ
エキス、ナツメグエキス、メースエキス、ローレルエキ
ス、クローブエキス、ターメリックエキス、ヤナギタデ
エキス等。
【0026】本発明のチロシナーゼ阻害剤を配合して美
白作用を付与した皮膚外用剤を製造するには、前記諸原
料その他化粧品等製造に使用される一般的な原料を用い
て行う製造工程の任意の段階で本発明のチロシナーゼ阻
害剤を添加すればよい。有効成分が水溶性なので、発明
のチロシナーゼ阻害剤を配合するに当たり特別の手段を
講じる必要はない。
【0027】本発明のチロシナーゼ阻害剤の好適配合率
は、一般的な化粧品の場合、標準的な桑葉抽出物(水溶
性画分)換算で約0.01〜5重量%、好ましくは約0.
05〜2重量%である。
【0028】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を説明する。 実施例1〜5 クワ(M. alba L.)の乾燥葉100gに抽出溶媒(水と
アルコールの混合物)2000mlを加え、80℃で2時
間、還流抽出を行なう。抽出残渣に対して同様の抽出処
理を施し、抽出液を合わせて減圧下に加熱しアルコール
を留去する。残液に水を加えて全量を100mlとし、5
℃で静置する。生じた沈殿物を除去したのち減圧下に加
熱して濃縮乾固し、固形の水溶性画分を得る。抽出溶媒
を種々変更して上記の操作を行なった結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】 抽出溶媒中のアルコール 水溶性画分収量(g) 色調 実施例1 エタノール40重量% 6.8 茶褐色 実施例2 エタノール70重量% 5.2 黄褐色 実施例3 n-プロパノール50重量% 4.6 茶褐色 実施例4 n-プロパノール70重量% 4.2 黄褐色 実施例5 メタノール80重量% 5.6 茶褐色 比較例 なし(水のみによる抽出) 8.9 茶褐色
【0030】得られた抽出物水溶性画分について、下記
の方法によりチロシナーゼ阻害活性を調べた。
【0031】〔チロシナーゼ阻害活性測定法〕 試料溶液:50v/v%エタノール溶液 チロシナーゼ溶液:チロシナーゼ(2400単位/mg)4mg
を精製水25mlに溶解 基質溶液:L-チロシン25mgを精製水50mlに溶解 操作:試料溶液2mlに基質溶液0.5ml、1/15Mリン酸緩
衝液(pH6.8)2mlおよびチロシナーゼ溶液0.5ml
を混合し、37℃で1時間インキュベートする。その
後、475nmにおける吸光度Atを測定する。さらに、
試料溶液を添加せずに同様の操作を行い、同波長におけ
る吸光度Abを測定する。また、チロシナーゼ溶液を添
加せずに同様の操作を行い、同波長における吸光度A0
を測定する。測定された吸光度から、次式によりチロシ
ナーゼ阻害率を算出する。 チロシナーゼ阻害率(%)=〔(Ab−(At−A0)〕×
100/Ab
【0032】試料溶液における試料濃度を段階的に変更
して上記阻害率を測定し、阻害率が50%になる試料添
加量を内挿法により求め、それをID50値とする(この
数値が小さいほどチロシナーゼ阻害活性が強い)。結果
は表2のとおりで、実施例のものは高いチロシナーゼ阻
害作用を示した。
【0033】
【表2】 ID50値 実施例1 0.780mg 実施例2 0.572mg 実施例3 0.531mg 実施例4 0.489mg 実施例5 0.622mg 比較例 10mg以上
【0034】なお、全実施例製品についてクワノンその
他のフラボノイドの存在を薄層クロマトグラフィーによ
り調べたが、フラボノイドは全く検出されなかった。
【0035】試験例1 実施例1および実施例2による桑葉抽出物水溶性画分に
ついて、B16メラノーマ細胞の色素産生を抑制する作用
を下記の試験法で調べた。
【0036】〔B16メラノーマ細胞に対するメラニン産
生抑制活性試験法〕培地(10%FBS添加D−MEM培
地;以下同じ)5mlを入れた25cm2フラスコにB-16メ
ラノーマ細胞2.0×107個を播種し、CO2濃度を5%
に調整した37℃のインキュベーターで5日間培養す
る。次いでトリプシン処理し、遠心分離して細胞を集め
る。得られた細胞4×105個を直径60mmのシャーレに
播種し、所定の濃度に試料を溶解した0.5mMテオフィ
リン添加培地で3日間培養する(別に、試料無添加の培
地による同様の培養も行い、以下、同様に操作する)。
培養後、トリプシン処理しさらに遠心分離して細胞を集
め、培地2mlを加えて細胞浮遊液を得る。得られた細胞
浮遊液中の細胞数を血球計算盤を用いて測定し、試料無
添加時の細胞数を基準として試料添加時の細胞生存率を
算出する。また、細胞数を測定した細胞浮遊液より5×
106個の細胞を採取し、10%ジメチルスルホキサイド
添加2N-NaOH溶液2mlを加えて超音波処理および遠
心分離を行なった後、470nmにおける吸光度を測定
し、下記の計算式によりメラニン産生抑制率を算出す
る。
【0037】 抑制率(%)=〔1−(A−B)/A〕×100 但しAは試料無添加培養区の吸光度、Bは試料添加培養
区の吸光度である。
【0038】試験結果は表3に示したとおりであって、
すべての試料がB-16メラノーマ細胞に対するメラニン
産生抑制作用を示し、また、細胞に対する毒性は見られ
なかった。
【0039】
【表3】
【0040】なお、試料を50℃で1カ月間保存したあ
と同様の試験を行なったが、活性の低下は認められず、
きわめて安定であることが確認された。
【0041】実施例6 下記の原料を化粧水製造の常法により混合し、美白作用
を有する化粧水を製造した。 モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.0重量部 1,3-ブチレングリコール 3.0 ソルビトール 2.0 ピロリドン酸カルボン酸ナトリウム 3.0 実施例2の桑葉抽出物水溶性画分 0.1 エタノール 10.0 防腐剤 適量 香料 適量 (精製水を加えて全量を100重量部とする)
【0042】実施例7 下記の原料をクリーム製造の常法により混合し、美白作
用を有するクリームを製造した。 ミツロウ 6.0 セタノール 5.0 1,3-ブチレングリコール 5.0 還元ラノリン 8.0 スクワラン 37.5 グリセリンモノステアレート 4.0 新油型モノステアリン酸グリセリン 2.0 モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 2.0 実施例1の桑葉抽出物水溶性画分 2.0 防腐剤 適量 香料 適量 (精製水を加えて全量を100重量部とする)
【0043】試験例2 実施例6の化粧水および実施例7のクリームについて、
美白効果、皮膚老化防止効果、および肌荒れ改善効果を
調べる使用試験を行なった。対照品としては、桑葉抽出
物水溶性画分を含まないほかは各例化粧品と同じ組成の
化粧品を用意した。試験は30〜40代の女性からなる
1群15名のパネラーにより行い、45日間にわたって
毎日朝と夜の2回、洗顔後に適量の試験品を顔面に塗布
させ、最後に下記の基準で効果を判定させた。
【0044】〈美白効果〉 A:シミ・ソバカスがほとんど目立たなくなった。 B:シミ・ソバカスがあまり目立たなくなった。 C:変わらない。 〈老化防止効果〉 A:肌のはり・つやが改善された。 B:肌のはり・つやがやや改善された。 C:変化なし。 〈肌荒れ改善効果〉 A:肌のかさつきや荒れが改善された。 B:肌のかさつきや荒れがやや改善された。 C:変化なし。 結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
【発明の効果】桑葉より抽出された水溶性チロシナーゼ
阻害物質を有効成分とする本発明のチロシナーゼ阻害剤
は優れたチロシナーゼ阻害作用を有し、安全性と安定性
にも優れている。しかも水溶性であるから、広範囲の皮
膚外用剤に容易に配合することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 桑葉より抽出された水溶性チロシナーゼ
    阻害物質を有効成分とするチロシナーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 炭素数1〜3の一級アルコールを加えた
    水を抽出溶媒にして得られた桑葉抽出物の水溶性画分を
    有効成分とするチロシナーゼ阻害剤。
  3. 【請求項3】 炭素数1〜3の一級アルコールを加えた
    水を抽出溶媒にして桑葉を抽出処理し、得られた抽出液
    よりチロシナーゼ阻害作用を有する水溶性成分を採取す
    ることを特徴とするチロシナーゼ阻害剤の製造法。
  4. 【請求項4】 重量比で20:80ないし70:30の
    水とアルコールとの混合物を抽出溶媒として使用する請
    求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載のチロシ
    ナーゼ阻害剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
JP10059100A 1998-02-25 1998-02-25 チロシナーゼ阻害剤およびその製造法 Pending JPH11246424A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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