JP2010116394A - アンチエイジング剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 桑の新規な薬理用途を提供すること。
【解決手段】 本発明のアンチエイジング剤は、桑の葉の抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明のアンチエイジング剤は、桑の葉の抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、桑の新規な薬理用途に関する。より詳細には、桑の葉由来の新規なアンチエイジング剤に関する。
クワ科クワ属に属する桑は、日本人の他、中国人や韓国人にも古くから親しみのある植物である。その葉には、血糖値の上昇を抑える効果がある1−デオキシノジリマイシンや、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛などのミネラルが含まれていることが知られており、桑の葉のお茶は健康茶として飲用されている。また、桑の根皮(桑白皮)は、利尿作用や降圧作用を有することが知られており、漢方薬として用いられている。さらに、近年、桑の樹皮の抽出物に、ビフィズス菌増殖促進作用があることが特許文献1において報告されている。
しかしながら、桑に含まれる成分やその機能性の全容が解明されるには至っておらず、桑は未だ明らかにされていない薬理作用を有する可能性を秘めている。
そこで本発明は、桑の新規な薬理用途を提供することを目的とする。
そこで本発明は、桑の新規な薬理用途を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記に点に鑑みて鋭意研究を進めた結果、桑の葉の抽出物が優れたアンチエイジング(抗加齢・抗老化)活性を有することを見出した。
上記の知見に基づいてなされた本発明のアンチエイジング剤は、請求項1記載の通り、桑の葉の抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
また、請求項2記載のアンチエイジング剤は、請求項1記載のアンチエイジング剤において、抽出溶媒として加温されていてもよい水または水を含んでいてもよい有機溶媒を用いることを特徴とする。
また、請求項3記載のアンチエイジング剤は、請求項2記載のアンチエイジング剤において、有機溶媒がアルコールであることを特徴とする。
また、請求項4記載のアンチエイジング剤は、請求項1乃至3のいずれかに記載のアンチエイジング剤において、桑の葉として桑の葉の荒茶を用いることを特徴とする。
また、請求項2記載のアンチエイジング剤は、請求項1記載のアンチエイジング剤において、抽出溶媒として加温されていてもよい水または水を含んでいてもよい有機溶媒を用いることを特徴とする。
また、請求項3記載のアンチエイジング剤は、請求項2記載のアンチエイジング剤において、有機溶媒がアルコールであることを特徴とする。
また、請求項4記載のアンチエイジング剤は、請求項1乃至3のいずれかに記載のアンチエイジング剤において、桑の葉として桑の葉の荒茶を用いることを特徴とする。
本発明によれば、桑の新規な薬理用途として、桑の葉の抽出物を有効成分とするアンチエイジング剤を提供することができる。
本発明のアンチエイジング剤は、桑の葉の抽出物を有効成分とすることを特徴とするものである。本発明において用いることができる桑としては、例えば、カラヤマグワ(Morus alba L.)、ヤマグワ(Morus bombycis koidz)、ログワ(Morus latifolia Poir.)、シマグワ(Morus acidosa Griff.)、これらの交配種や交雑種などが挙げられる。
本発明において、桑の葉の抽出物は、例えば、摘み取った桑の葉をそのまま、あるいはこれを細断した後、また、荒茶(生葉を蒸してから、揉捻工程(粗揉、中揉、精揉)を経て、乾燥させたもの)に加工した後、さらには、乾燥させた桑の葉を粉砕して粉末にした後、抽出溶媒としての水や各種の有機溶媒、例えばメタノールやエタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール(水を含んでいてもよい)、アセトン(水を含んでいてもよい)、エーテル、ヘキサン、酢酸エチルなどに投入し、3℃〜100℃で1時間〜1週間震盪や静置させて成分抽出してからろ過することで、ろ液として得ることができる。抽出溶媒は、単一の溶媒を用いてもよいし複数の溶媒を混合して用いてもよい。得られたろ液は、そのまま液状抽出物として用いてもよいし、凍結乾燥や減圧濃縮を行って固形物や粉末にして用いてもよい。なお、ろ液をさらに硫安分画、ゲルろ過、イオンクロマトグラフィーなどによって精製し、得られた画分を液状抽出物として用いてもよい。また、例えば最初にヘキサンを用いて抽出操作を行った後、順次、酢酸エチル、アセトン、水といったように、用いる溶媒の極性をだんだんと高くして抽出操作を行い、いずれかの溶媒を用いることで得られたろ液を液状抽出物として用いてもよい。好適な態様としては、抽出溶媒として加温(例えば50℃〜70℃)されていてもよい水または水を含んでいてもよい有機溶媒(例えばエタノールや水を10%〜50%含むアセトンなど)を用いる態様や、桑の葉として桑の葉の荒茶を用いる態様が挙げられる。
本発明におけるアンチエイジング剤の有効成分である桑の葉の抽出物は、例えば、医薬部外品、医薬品、飲食品(各種の食材に添加する態様を含む)などの形態で人体に対して経口的に投与することができる。これらの形態における製剤組成は特段限定されるものではなく、自体公知の一般的なものを採用することができる。桑の葉の抽出物の投与量は、適用対象者の年齢や性別、症状の程度などに基づいて適宜決定することができ、適切な投与量を投与することにより、アンチエイジング活性に基づいて例えば寿命延長などの効果をもたらすことができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
実施例1:桑の葉の抽出物の調製とそのアンチエイジング活性(その1)
(桑の葉の抽出物の調製その1:70%アセトン抽出物)
岩手県花泉産の桑の葉(カラヤマグワ系統の品種:改良鼠返し)を乾燥させてから粉砕して粉末にし、これに3倍量のn−ヘキサンを添加して120rpmでの24時間の震盪洗浄を3回行い、続いて3倍量の酢酸エチルを用いた同じ条件での震盪洗浄を2回行った後、3倍量の70%アセトン(水30%含有)を用いて同じ条件で3回成分抽出を行って抽出液を回収した。それぞれの抽出液を減圧ろ過することで得られたろ液をあわせ、凍結乾燥機(EYELA FDU−810:東京理化機械社製、以下同じ)で凍結乾燥することにより、褐色粉末の70%アセトン抽出物を得た(収率:3.21%)。
(桑の葉の抽出物の調製その1:70%アセトン抽出物)
岩手県花泉産の桑の葉(カラヤマグワ系統の品種:改良鼠返し)を乾燥させてから粉砕して粉末にし、これに3倍量のn−ヘキサンを添加して120rpmでの24時間の震盪洗浄を3回行い、続いて3倍量の酢酸エチルを用いた同じ条件での震盪洗浄を2回行った後、3倍量の70%アセトン(水30%含有)を用いて同じ条件で3回成分抽出を行って抽出液を回収した。それぞれの抽出液を減圧ろ過することで得られたろ液をあわせ、凍結乾燥機(EYELA FDU−810:東京理化機械社製、以下同じ)で凍結乾燥することにより、褐色粉末の70%アセトン抽出物を得た(収率:3.21%)。
(桑の葉の抽出物の調製その2:超純水抽出物)
桑の葉の抽出物の調製その1で得た70%アセトン抽出物に対し、酢酸エチルと超純水(MQ水)を用いた二層分配を行い、超純水画分を減圧ろ過することで得られたろ液を凍結乾燥することにより、褐色粉末の超純水抽出物を得た(収率:90.00%)。
桑の葉の抽出物の調製その1で得た70%アセトン抽出物に対し、酢酸エチルと超純水(MQ水)を用いた二層分配を行い、超純水画分を減圧ろ過することで得られたろ液を凍結乾燥することにより、褐色粉末の超純水抽出物を得た(収率:90.00%)。
(桑の葉の抽出物の調製その3:荒茶60℃熱水抽出物)
トヨタマ健康食品社製の桑の葉茶(荒茶、水分量:3%〜5%)に30倍量の超純水(MQ水)を加え、60℃に設定した乾熱滅菌機内で12時間静置することで成分抽出を行って抽出液を回収した後、さらに抽出残渣に20倍量の超純水(MQ水)を加え、同じ条件で成分抽出を行って抽出液を回収した。それぞれの抽出液を減圧ろ過することで得られたろ液をあわせ、凍結乾燥することにより、褐色粉末の荒茶60℃熱水抽出物を得た(収率:29.40%)。
トヨタマ健康食品社製の桑の葉茶(荒茶、水分量:3%〜5%)に30倍量の超純水(MQ水)を加え、60℃に設定した乾熱滅菌機内で12時間静置することで成分抽出を行って抽出液を回収した後、さらに抽出残渣に20倍量の超純水(MQ水)を加え、同じ条件で成分抽出を行って抽出液を回収した。それぞれの抽出液を減圧ろ過することで得られたろ液をあわせ、凍結乾燥することにより、褐色粉末の荒茶60℃熱水抽出物を得た(収率:29.40%)。
(アンチエイジング活性試験)
上記の3種類の桑の葉の抽出物のアンチエイジング活性を、以下の方法による線虫(C. elegans)に対する寿命延長作用に基づいて評価した(必要であればKimberley Evason, et al. Anticonvulsant Medications Extend Worm Life-Span, Science 307, 258(2005)やf.a.c. Wiegant, et al. Plant adaptogens increase Lifespan and stress resistance in C. elegans, Biogerontology, DOI 10.1007/s10522-008-9151-9, Accepted: 20 May, 2008を参照のこと)。
上記の3種類の桑の葉の抽出物のアンチエイジング活性を、以下の方法による線虫(C. elegans)に対する寿命延長作用に基づいて評価した(必要であればKimberley Evason, et al. Anticonvulsant Medications Extend Worm Life-Span, Science 307, 258(2005)やf.a.c. Wiegant, et al. Plant adaptogens increase Lifespan and stress resistance in C. elegans, Biogerontology, DOI 10.1007/s10522-008-9151-9, Accepted: 20 May, 2008を参照のこと)。
(ア)試験方法
(1)実験動物
線虫の野生型であるN2系統を用いた。線虫は下記の飼育プレート上で20℃で飼育した。
(2)培地組成とプレート作製
培地は、0.3% NaCl,0.25%ポリペプトン,1.7%寒天,5mg/mlコレステロール,1mM CaCl2,1mM MgSO4,25mM KH2PO4-KOH(pH6.0)を含むNematode Growth Medium(NGM)寒天培地を用いた。ポジティブコントロールには抗痙攣剤のエソスクシミドを用い、プレート作製前の培地に対して2mg/mlとなるように添加した。各供試試料についてはプレート作製前の培地に対して5mg/mlとなるように添加した。プレートは滅菌シャーレ(直径60mm)に各NGM寒天培地を約7ml分注して作製した。
(3)大腸菌の調製と飼育プレート
線虫の飼育には餌として大腸菌E. coli(OP50)を用いた。この大腸菌B株由来OP50はウラシル要求株であり、栄養を制限した寒天培地での過剰な増殖が抑えられ、線虫の形態や行動を実体顕微鏡で観察するのに適した食餌源となる。餌とする大腸菌は、5mlのLB brothに一白銀耳懸濁させ、バイオシェーカーで37℃,120rpm,15時間培養したものを用いた。この懸濁液を1プレートあたり約30μl滴下し、壁面に当らない程度にスプレッダーで広げた。こうして大腸菌を塗布したポジティブコントロールまたは各供試試料を含有するNGM寒天培地(以下「飼育プレート」)は室温で12時間培養した後、使用するまで4℃で保存した。なお、試薬や器材は全て滅菌したものを用いた。また、実験操作は安全キャビネット内で行い、微生物による汚染を防いだ。
(4)線虫の生存率と平均寿命の測定
生存率と平均寿命の測定に用いる線虫は4齢幼虫(L4)とした。線虫は孵化直後からポジティブコントロールまたは各供試試料を与えるために、あらかじめ飼育プレートで飼育しておいた。飼育プレート中の線虫の多くがL4に成長するまで飼育した後、1試料に対して4枚の新しい飼育プレートを準備して、15頭ずつ植え継いだ。この日を観察0日目とし、線虫が卵を産まなくなるまで1日おきに新しい飼育プレートに植え継いだ。観察は毎日定時±2時間の範囲で行い、試験中に体内で卵が孵化してしまった個体や植え継ぎの際に外傷を負った個体はその都度除外し、日数の経過に伴う線虫の生存率の変動を調べるとともに、平均寿命(日数)=(線虫が死亡し始めた観察日+線虫が生きていた最後の観察日)/2の数式により線虫の平均寿命を算出した。
(1)実験動物
線虫の野生型であるN2系統を用いた。線虫は下記の飼育プレート上で20℃で飼育した。
(2)培地組成とプレート作製
培地は、0.3% NaCl,0.25%ポリペプトン,1.7%寒天,5mg/mlコレステロール,1mM CaCl2,1mM MgSO4,25mM KH2PO4-KOH(pH6.0)を含むNematode Growth Medium(NGM)寒天培地を用いた。ポジティブコントロールには抗痙攣剤のエソスクシミドを用い、プレート作製前の培地に対して2mg/mlとなるように添加した。各供試試料についてはプレート作製前の培地に対して5mg/mlとなるように添加した。プレートは滅菌シャーレ(直径60mm)に各NGM寒天培地を約7ml分注して作製した。
(3)大腸菌の調製と飼育プレート
線虫の飼育には餌として大腸菌E. coli(OP50)を用いた。この大腸菌B株由来OP50はウラシル要求株であり、栄養を制限した寒天培地での過剰な増殖が抑えられ、線虫の形態や行動を実体顕微鏡で観察するのに適した食餌源となる。餌とする大腸菌は、5mlのLB brothに一白銀耳懸濁させ、バイオシェーカーで37℃,120rpm,15時間培養したものを用いた。この懸濁液を1プレートあたり約30μl滴下し、壁面に当らない程度にスプレッダーで広げた。こうして大腸菌を塗布したポジティブコントロールまたは各供試試料を含有するNGM寒天培地(以下「飼育プレート」)は室温で12時間培養した後、使用するまで4℃で保存した。なお、試薬や器材は全て滅菌したものを用いた。また、実験操作は安全キャビネット内で行い、微生物による汚染を防いだ。
(4)線虫の生存率と平均寿命の測定
生存率と平均寿命の測定に用いる線虫は4齢幼虫(L4)とした。線虫は孵化直後からポジティブコントロールまたは各供試試料を与えるために、あらかじめ飼育プレートで飼育しておいた。飼育プレート中の線虫の多くがL4に成長するまで飼育した後、1試料に対して4枚の新しい飼育プレートを準備して、15頭ずつ植え継いだ。この日を観察0日目とし、線虫が卵を産まなくなるまで1日おきに新しい飼育プレートに植え継いだ。観察は毎日定時±2時間の範囲で行い、試験中に体内で卵が孵化してしまった個体や植え継ぎの際に外傷を負った個体はその都度除外し、日数の経過に伴う線虫の生存率の変動を調べるとともに、平均寿命(日数)=(線虫が死亡し始めた観察日+線虫が生きていた最後の観察日)/2の数式により線虫の平均寿命を算出した。
(イ)試験結果
70%アセトン抽出物、超純水抽出物、荒茶60℃熱水抽出物のそれぞれの、日数の経過に伴う線虫の生存率の変動に対する作用を図1〜図3に示すとともに(コントロールはポジティブコントロールも各供試試料も添加していないプレートを用いた試験結果を意味する、以下同じ)、線虫の平均寿命に対する作用を表1〜表3に示す。各図と各表から明らかなように、3種類の桑の葉の抽出物には線虫に対する寿命延長作用があり、それぞれのアンチエイジング活性を確認することができた。
70%アセトン抽出物、超純水抽出物、荒茶60℃熱水抽出物のそれぞれの、日数の経過に伴う線虫の生存率の変動に対する作用を図1〜図3に示すとともに(コントロールはポジティブコントロールも各供試試料も添加していないプレートを用いた試験結果を意味する、以下同じ)、線虫の平均寿命に対する作用を表1〜表3に示す。各図と各表から明らかなように、3種類の桑の葉の抽出物には線虫に対する寿命延長作用があり、それぞれのアンチエイジング活性を確認することができた。
実施例2:桑の葉の抽出物の調製とそのアンチエイジング活性(その2)
4℃に保存しておいた岩手県花泉産の桑の葉(カラヤマグワ系統の品種:あおばねずみ)に5倍量のエタノールを添加して120rpmでの24時間の震盪抽出を行った後、さらにもう1回、同じ条件で成分抽出を行って抽出液を回収した。それぞれの抽出液を減圧ろ過することで得られたろ液をあわせ、ロータリーエバポレーター(EYELA N−1000:東京理化機械社製、以下同じ)で濃縮後、凍結乾燥することにより、緑色粉末のエタノール抽出物を得た(収率:1.62%)。
次に、上記のエタノール抽出物を精製するため、逆相フラッシュクロマトグラフィーによる分離を行った。カラムの作製は、乾式充填法に従い、担体であるシリカゲル(Wakosil 40C18:和光純薬工業社製)を、カラム体積が100cm3になるように内径が3.5cmのフラッシュカラムクロマト管に10cmの高さまで充填し、担体表面を乱さぬように溶媒として10%メタノール(水90%含有)をカラム体積の3倍容加え、ポンプで加圧することで溶媒と担体内の気泡を押し出し、担体を膨潤させて行った。エタノール抽出物に3倍量の担体を加えた後、エタノールを添加することでエタノール抽出物を溶解して担体に吸着させ、ダイヤフラムによる減圧乾燥を行った後、クロマト管にチャージした。カラム体積の3倍容の50%メタノール(水50%含有)、3倍容の75%メタノール(水25%含有)、10倍容の100%メタノールを順番に流し、50%メタノール溶出液と75%メタノール溶出液をそれぞれ三角フラスコに回収し、凍結乾燥した。また、100%メタノール溶出液を10mlずつ試験管に分取した。次に、それぞれの試験管に分取した100%メタノール溶出液の精製度を逆相シリカゲルプレート(TLC−plate RP−18F254s:メルク社製)で確認した。確認は、展開溶媒として100%メタノールを用い、硫酸発色法と紫外線発色法(254nm、365nm:UVランプはアズワン社のSLUV−6を使用)によりスポットを可視化させて行った。それぞれのスポットのRf値が近似の画分を同一物質含有画分として1つにまとめ、濃縮後、凍結乾燥した。以上の工程から、以下の6つの画分を得た。
・ F1画分(50%メタノール溶出画分、収率:26.6%、褐色粉末)
・ F2画分(75%メタノール溶出画分、収率:2.2%、黄色粉末)
100%メタノール溶出画分
・ F3画分(Rf:0.37以上、収率:3.3%、ダークブラウン色粉末)
・ F4画分(Rf:0.20〜0.26、収率:6.2%、濃緑色粉末)
・ F5画分(Rf:0.11〜0.14、収率:3.4%、淡緑色粉末)
・ F6画分(Rf:0.10以下、収率:1.8%、ライトブラウン色粉末)
4℃に保存しておいた岩手県花泉産の桑の葉(カラヤマグワ系統の品種:あおばねずみ)に5倍量のエタノールを添加して120rpmでの24時間の震盪抽出を行った後、さらにもう1回、同じ条件で成分抽出を行って抽出液を回収した。それぞれの抽出液を減圧ろ過することで得られたろ液をあわせ、ロータリーエバポレーター(EYELA N−1000:東京理化機械社製、以下同じ)で濃縮後、凍結乾燥することにより、緑色粉末のエタノール抽出物を得た(収率:1.62%)。
次に、上記のエタノール抽出物を精製するため、逆相フラッシュクロマトグラフィーによる分離を行った。カラムの作製は、乾式充填法に従い、担体であるシリカゲル(Wakosil 40C18:和光純薬工業社製)を、カラム体積が100cm3になるように内径が3.5cmのフラッシュカラムクロマト管に10cmの高さまで充填し、担体表面を乱さぬように溶媒として10%メタノール(水90%含有)をカラム体積の3倍容加え、ポンプで加圧することで溶媒と担体内の気泡を押し出し、担体を膨潤させて行った。エタノール抽出物に3倍量の担体を加えた後、エタノールを添加することでエタノール抽出物を溶解して担体に吸着させ、ダイヤフラムによる減圧乾燥を行った後、クロマト管にチャージした。カラム体積の3倍容の50%メタノール(水50%含有)、3倍容の75%メタノール(水25%含有)、10倍容の100%メタノールを順番に流し、50%メタノール溶出液と75%メタノール溶出液をそれぞれ三角フラスコに回収し、凍結乾燥した。また、100%メタノール溶出液を10mlずつ試験管に分取した。次に、それぞれの試験管に分取した100%メタノール溶出液の精製度を逆相シリカゲルプレート(TLC−plate RP−18F254s:メルク社製)で確認した。確認は、展開溶媒として100%メタノールを用い、硫酸発色法と紫外線発色法(254nm、365nm:UVランプはアズワン社のSLUV−6を使用)によりスポットを可視化させて行った。それぞれのスポットのRf値が近似の画分を同一物質含有画分として1つにまとめ、濃縮後、凍結乾燥した。以上の工程から、以下の6つの画分を得た。
・ F1画分(50%メタノール溶出画分、収率:26.6%、褐色粉末)
・ F2画分(75%メタノール溶出画分、収率:2.2%、黄色粉末)
100%メタノール溶出画分
・ F3画分(Rf:0.37以上、収率:3.3%、ダークブラウン色粉末)
・ F4画分(Rf:0.20〜0.26、収率:6.2%、濃緑色粉末)
・ F5画分(Rf:0.11〜0.14、収率:3.4%、淡緑色粉末)
・ F6画分(Rf:0.10以下、収率:1.8%、ライトブラウン色粉末)
実施例1と同様の方法で測定したエタノール抽出物の日数の経過に伴う線虫の生存率の変動に対する作用を図4に、線虫の平均寿命に対する作用を表4にそれぞれ示す。また、F2画分の線虫の平均寿命に対する作用を表5に示す。さらに、F4画分の日数の経過に伴う線虫の生存率の変動に対する作用を図5に、線虫の平均寿命に対する作用を表5にそれぞれ示す。図4と表4から明らかなように、エタノール抽出物は70%アセトン抽出物などよりも低濃度で高いアンチエイジング活性を発揮した。図5と表5から明らかなように、エタノール抽出物から得られた画分の中では、とりわけF4画分が極めて低濃度で非常に高いアンチエイジング活性を発揮した。
製剤例1:錠剤
以下の成分組成からなるアンチエイジングのための錠剤を自体公知の方法で製造した。
桑の葉の荒茶60℃熱水抽出物 1
乳糖 80
ステアリン酸マグネシウム 19 (単位:重量%)
以下の成分組成からなるアンチエイジングのための錠剤を自体公知の方法で製造した。
桑の葉の荒茶60℃熱水抽出物 1
乳糖 80
ステアリン酸マグネシウム 19 (単位:重量%)
製剤例2:ビスケット
以下の成分組成からなるアンチエイジングのためのビスケットを自体公知の方法で製造した。
桑の葉の荒茶60℃熱水抽出物 1
薄力粉 32
全卵 16
バター 16
砂糖 24
水 10
ベーキングパウダー 1 (単位:重量%)
以下の成分組成からなるアンチエイジングのためのビスケットを自体公知の方法で製造した。
桑の葉の荒茶60℃熱水抽出物 1
薄力粉 32
全卵 16
バター 16
砂糖 24
水 10
ベーキングパウダー 1 (単位:重量%)
本発明は、桑の新規な薬理用途として、桑の葉の抽出物を有効成分とするアンチエイジング剤を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
Claims (4)
- 桑の葉の抽出物を有効成分とすることを特徴とするアンチエイジング剤。
- 抽出溶媒として加温されていてもよい水または水を含んでいてもよい有機溶媒を用いることを特徴とする請求項1記載のアンチエイジング剤。
- 有機溶媒がアルコールであることを特徴とする請求項2記載のアンチエイジング剤。
- 桑の葉として桑の葉の荒茶を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアンチエイジング剤。
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2009
- 2009-10-14 JP JP2009237030A patent/JP2010116394A/ja active Pending
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