JP4610705B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物からの抽出物を有効成分とするホスホリパーゼA阻害剤、血小板凝集抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤および抗酸化剤、並びに植物からの抽出物を含有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
炎症性の疾患、例えば接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れに伴う各種皮膚疾患等の原因や発症機構は多種多様であるが、その原因として、ホスホリパーゼAの活性化、血小板凝集、ヒスタミン遊離によるものが知られている。
【0003】
ホスホリパーゼAは、アラキドン酸の代謝経路であるアラキドン酸カスケードの重要酵素であって、ホスホリパーゼAが過剰に活性化するとアラキドン酸の代謝に異常が起こり、炎症、アレルギー、喘息、虚血、心筋梗塞等を引き起こす。このため、ホスホリパーゼAの作用を阻害する物質により上記疾患に対処する試みがなされており、ホスホリパーゼA阻害物質として、メパクリン、パラブロモフェナシルブロミド、デキサメタゾン等が使用されている。
【0004】
血小板は、凝集して活性化することにより、生理的には止血、病理的には血栓形成を生じる他、血小板の凝集は、動脈硬化症の進展、ガン転移、炎症等に関与していると考えられている。このため、血小板の凝集を阻害・抑制する物質により上記疾患に対処する試みがなされており、血小板凝集阻害物質として、アスピリン、チクロピジン、スルフィピラゾン等が使用されている。
【0005】
ヒスタミンは、マスト細胞(肥満細胞)の顆粒中等に存在し、マスト細胞が刺激を受けると脱顆粒反応により顆粒中に貯蔵されていたヒスタミンが放出され、起炎物質として作用する。また、活性化されたマスト細胞から放出されたヒスタミンは、血管透過性亢進、平滑筋収縮、粘液分泌亢進等をもたらし、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、じんま疹等のアレルギー疾患を生じさせる。このため、ヒスタミンの遊離を抑制することにより上記疾患に対処する試みがなされており、ヒスタミン遊離抑制物質として、トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、バイカリン、塩酸プロメタジン等が使用されている。
【0006】
しかしながら、ホスホリパーゼA阻害剤、血小板凝集抑制剤およびヒスタミン遊離抑制剤として使用されている物質には副作用があり、皮膚外用剤に配合するには安全性の点で問題があった。
【0007】
また、近年、特に生体成分を酸化させる要因として、活性酸素が注目されており、その生体への悪影響が問題となっている。
活性酸素は、生体細胞内のエネルギー代謝過程で生じるものであり、スーパーオキサイド(すなわち酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキシドアニオン)(・O2 -)、過酸化水素(H22)、ヒドロキシラジカル(・OH)等がある。これら活性酸素は食細胞の殺菌機構にとって必須でありウィルスや癌細胞の除去に重要な役割を果たしているが、活性酸素の過剰な生成は生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、各種疾患を誘発する。例えば、活性酸素は、コラーゲン等の生体組織を分解、変性あるいは架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える過酸化脂質を生成したりすると考えられており、活性酸素によって引き起こされるこれらの障害が、皮膚のしわ形成や皮膚の弾力性低下等の老化の原因になるものと考えられている。
【0008】
生体内において、酸素を基に最初に生成されるラジカルは、スーパーオキサイドであり、ヒドロキシラジカル等の他のラジカルはスーパーオキサイドを経て生成される。これらのラジカルは、炎症および老化に関与する過酸化脂質を生成する根源である。特に、ヒドロキシラジカルは、活性酸素の中でも最も活性が強く、生体内に存在する脂質、蛋白質、核酸または糖質等と直ちに化学反応し、細胞膜の脂質の過酸化を引き起こす。このため、これらの生体内ラジカルによる過酸化脂質の生成を抑制するために、ラジカル消去剤として、アスコルビン酸、オウレン等が使用されている。
【0009】
スーパーオキシドジスムターゼ(以下「SOD」と略す。)は細胞中で産生され、酸素を基に最初に生成されるスーパーオキサイドを過酸化水素に変換する触媒酵素である。SOD量は老化とともに減少し、SODの減少によってスーパーオキサイドの細胞内濃度が高くなり、活性酸素の無毒化酵素であるカタラーゼ等の活性を低下し、スーパーオキサイドが生体に対して障害を及ぼすようになる。このため、SOD量の減少を補うのに有効なSOD様作用剤として、SODそのものやトコフェロール類、オウゴン抽出物等が使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、第一に、天然物の中からホスホリパーゼA阻害作用を有するものを見出し、それを有効成分としたホスホリパーゼA阻害剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、第二に、天然物の中から血小板凝集抑制作用を有するものを見出し、それを有効成分とした血小板凝集抑制剤を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、第三に、天然物の中からヒスタミン遊離抑制作用を有するものを見出し、それを有効成分としたヒスタミン遊離抑制剤を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、第四に、天然物の中から抗炎症作用を有するものを見出し、それを有効成分とした抗炎症剤を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、第五に、天然物の中から活性酸素消去作用を有するものを見出し、それを有効成分とした活性酸素消去剤を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、第六に、天然物の中から抗酸化作用を有するものを見出し、それを有効成分とした抗酸化剤を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、第七に、天然物の中から抗炎症作用および/または抗酸化作用を有するものを見出し、それを含有する皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)からの抽出物を有効成分として含有するホスホリパーゼA阻害剤、血小板凝集抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤および抗酸化剤を提供するとともに、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)からの抽出物を含有する皮膚外用剤を提供する。
【0012】
本発明のホスホリパーゼA阻害剤、血小板凝集抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、抗酸化剤および皮膚外用剤の好ましい実施形態において、前記抽出物は、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)の葉からの抽出物である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
本発明のホスホリパーゼA阻害剤、血小板凝集抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤および抗酸化剤は、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
【0015】
本発明において、「抽出物」には、抽出処理によって抽出原料から得られる抽出液、該抽出液の希釈液もしくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、または、これらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
【0016】
本発明においては、抽出原料として、コウサンフウ(幌傘楓)を使用し、好ましくは、コウサンフウの葉を使用する。ここで、「葉」は、一般に、葉身、葉柄等から構成されるが、本発明においては、抽出原料として、葉の全体を使用してもよいし、葉の一部(例えば葉身)を使用してもよい。
【0017】
コウサンフウは、ウコギ科の常緑高木である。コウサンフウの一般的な形態は次のとおりである。樹幹は1本で直立し、分枝は少ない。多回の奇数羽状複葉で、小葉は楕円形、紙質で、幹の先端に集生する。複数の小散形花序が円錐花序を構成し、花弁は5枚、雄しべは5本、花柱は2本である。液果状核果は扁円形である。
【0018】
コウサンフウは、山の斜面や谷間の密林に生え、例えば、中国の広東、雲南、広西等の各省区に分布しており、これらの地域から入手が可能である。
【0019】
本発明においては、抽出原料として、予め細切り、粉砕または粗砕しておいたものを使用することが好ましい。また、抽出原料として、天日、乾燥機等によって予め乾燥しておいたものを使用してもよい。
【0020】
本発明においては、抽出溶媒として、極性溶媒を使用することが好ましい。コウサンフウに含まれるホスホリパーゼA阻害作用、血小板凝集抑制作用、ヒスタミン遊離抑制作用、抗炎症作用、活性酸素消去作用または抗酸化作用を示す成分は未だ特定されていないが、その成分は極性溶媒を用いた抽出処理によって、コウサンフウから容易に抽出することができる。
【0021】
好適な極性溶媒の具体例としては、水、親水性有機溶媒等を例示でき、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、加熱、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0023】
本発明において抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、低級脂肪族アルコール、含水の低級脂肪族アルコール、アセトン、クロロホルム、酢酸エチル等を例示できる。低級脂肪族アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、イソプレングリコール等を例示できる。
【0024】
本発明において、2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比を7:3〜2:8(重量比)とすることができる。
【0025】
本発明における抽出処理は、コウサンフウに含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定されず、常法に従って行うことができる。抽出処理の際には、特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
【0026】
例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、時々攪拌しながら可溶性成分を溶出させることができる。この際、抽出溶媒量は、通常、抽出原料の5〜15倍量(重量比)であり、抽出時間は、通常、1〜3時間であり、抽出温度は、通常、常温〜95℃である。
【0027】
抽出処理により可溶性成分を溶出させた後、ろ過、遠心分離等の処理を施して抽出残渣を除くことにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0028】
精製等の処理は、具体的には、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等によって行うことができ、これらの処理は、コウサンフウからの抽出物の生理活性(ホスホリパーゼA阻害活性、血小板凝集抑制活性、ヒスタミン遊離抑制活性、抗炎症活性、活性酸素消去活性または抗酸化活性)の低下を招かない範囲で行う。
【0029】
以上のようにして得られるコウサンフウからの抽出物は、ホスホリパーゼA阻害作用、血小板凝集抑制作用、ヒスタミン抑制作用、抗炎症作用、活性酸素消去作用または抗酸化作用を有する。これらの作用の作用機序は、現在までのところ判明していないが、コウサンフウからの抽出物がこれらの作用を有することは後述する実施例から明らかである。
【0030】
コウサンフウからの抽出物は、そのままでもホスホリパーゼA阻害剤、血小板凝集抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤または抗酸化剤として使用することができるが、常法に従って製剤化して使用することもできる。製剤化する場合、保存や取扱いを容易にするために、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容され得るキャリアーその他任意の助剤を添加することができる。コウサンフウからの抽出物は、製剤化により粉剤、錠剤等、任意の剤形とすることができる。
【0031】
本発明のホスホリパーゼA阻害剤は、ホスホリパーゼAの活性を阻害することができる。生体内においてホスホリパーゼAが過剰に活性化するとアラキドン酸代謝に異常が起こり、炎症、アレルギー、喘息、虚血、心筋梗塞等が引き起こされる。従って、本発明のホスホリパーゼA阻害剤によれば、ホスホリパーゼAの過剰な活性化を抑制することにより、ホスホリパーゼAが関与する炎症等の疾患を改善することができる。
【0032】
本発明の血小板凝集抑制剤は、血小板の凝集を阻害することができる。生体内において血小板が凝集して活性化すると血栓形成、動脈硬化症の進展、ガン転移、炎症等が引き起こされる。従って、本発明の血小板凝集抑制剤によれば、血小板凝集を抑制することにより、血小板凝集が関与する炎症等の疾患を改善することができる。
【0033】
本発明のヒスタミン遊離抑制剤は、マスト細胞等の細胞からのヒスタミンの遊離を抑制することができる。ヒスタミンは、血管透過性を亢進させ、好中球や単球等の遊走を促進する働きをもつ炎症のメディエーターであり、マスト細胞等からヒスタミンが遊離されると、炎症や種々のアレルギー疾患が引き起こされる。従って、本発明のヒスタミン遊離抑制剤によれば、ヒスタミンの遊離を抑制することにより、ヒスタミンが関与する炎症等の疾患を改善することができる。
【0034】
本発明の抗炎症剤は、炎症を予防または治療することができる。本発明の抗炎症剤の有効成分であるコウサンフウからの抽出物は、ホスホリパーゼA阻害作用、血小板凝集抑制作用およびヒスタミン遊離抑制作用を有するので、本発明の抗炎症剤によれば、ホスホリパーゼA阻害作用、血小板凝集抑制作用またはヒスタミン遊離抑制作用を通じて、ホスホリパーゼA、血小板凝集またはヒスタミンが関与する炎症を予防または治療することができる。但し、本発明の抗炎症剤が予防または治療し得る炎症は、ホスホリパーゼA、血小板凝集またはヒスタミンが関与する炎症に限定されるものではない。ホスホリパーゼA、血小板凝集またはヒスタミンが関与する炎症を予防または治療することを目的とする場合には、本発明の抗炎症剤の有効成分を、それぞれ本発明のホスホリパーゼA阻害剤、血小板凝集抑制剤またはヒスタミン遊離抑制剤とすることができる。
【0035】
本発明の活性酸素消去剤は、活性酸素を消去することができる。ここで、「活性酸素」には、スーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素等が含まれる。本発明の活性酸素消去剤は、これらの活性酸素種のうち特にスーパーオキサイドを消去するために好適に使用できる。活性酸素の過剰な生成は生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、各種疾患を誘発するので、本発明の活性酸素消去剤によれば、活性酸素が関与する上記疾患を改善することができる。例えば、活性酸素は、コラーゲン等の生体組織を分解、変性あるいは架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える過酸化脂質を生成したりすると考えられており、活性酸素によって引き起こされるこれらの障害が皮膚のしわ形成や皮膚の弾力性低下等の老化の原因になるものと考えられている。従って、本発明の活性酸素消去剤によれば、過酸化脂質の生成の抑制等を通じて、皮膚のしわ形成や皮膚の弾力性低下等を防止することができる。
【0036】
本発明の抗酸化剤は、物質の酸化を防止することができる。本発明の抗酸化剤の有効成分であるコウサンフウからの抽出物は、活性酸素消去作用を有するので、本発明の抗酸化剤によれば、活性酸素が関与する酸化を効果的に防止することができる。但し、本発明の抗酸化剤が防止し得る酸化は、活性酸素が関与する酸化に限定されるものではない。本発明の抗酸化剤が酸化を防止し得る物質は特に限定されないが、本発明の抗酸化剤は、特に油脂類等の生体成分の酸化を防止するために好適に使用することができる。活性酸素が関与する酸化を防止することを目的とする場合には、本発明の抗酸化剤の有効成分を、本発明の活性酸素消去剤とすることができる。
【0037】
本発明の皮膚外用剤は、コウサンフウからの抽出物を含有することを特徴とする。
ここで、「皮膚外用剤」とは、皮膚に適用される各種薬剤を意味し、例えば、化粧料、医薬部外品、医薬品等が含まれる。皮膚外用剤の具体例としては、肌に対するものとして、軟膏、パップ、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー等を例示でき、頭皮に対するものとして、トニック、リンス、シャンプー、アストリンゼント等を例示できる。
【0038】
コウサンフウからの抽出物は、ホスホリパーゼA阻害作用、血小板凝集抑制作用、ヒスタミン遊離抑制作用、抗炎症作用、活性酸素消去作用および抗酸化作用を発揮し得るので、皮膚外用剤にコウサンフウからの抽出物を含有することによって、これらの作用を皮膚外用剤に付与することができる。本発明の皮膚外用剤は、コウサンフウからの抽出物を、その生理活性を妨げないような任意の主剤、助剤に配合したものであってもよいし、コウサンフウからの抽出物を主成分とするものであってもよい。
【0039】
コウサンフウからの抽出物を配合して皮膚外用剤を製造する際には、任意の助剤を添加して、コウサンフウからの抽出物を任意の剤形に製剤化することができる。
【0040】
本発明の皮膚外用剤におけるコウサンフウからの抽出物の配合量は、コウサンフウからの抽出物の活性の強さや、コウサンフウからの抽出物を配合する皮膚外用剤の種類によって適宜調整し得るが、通常、0.001〜1.0重量%である。
【0041】
本発明の皮膚外用剤において、コウサンフウからの抽出物とともに構成成分として併用可能なものとしては、以下のものを例示できる。なお、コウサンフウからの抽出物ととも以下の構成成分を併用した場合、コウサンフウからの抽出物と併用された構成成分との間の相乗作用が、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
【0042】
収斂剤:クエン酸またはその塩類、酒石酸またはその塩類、乳酸またはその塩類、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ジユエキス、エイジツエキス、ハマメリスエキス、ゲンノショウコエキス、チャカテキン類、ガイヨウエキス、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、ダイオウエキス、ヤグルマソウエキス、スギナエキス、キズタエキス、キューカンバーエキス、マロニエエキス、サルビアエキス、メリッサエキス等。
【0043】
殺菌・抗菌剤:安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ジステアリルメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン液、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、感光素101号、感光素201号、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、ハロカルバン、レゾルシン、パラクロロフェノール、フェノキシエタノール、ビサボロール、ヒノキチオール、メントール、キトサン、キトサン分解物、ジユエキス、クジンエキス、エンメイソウエキス、ビワエキス、ウワウルシエキス、ホップエキス、ユッカエキス、アロエエキス、ケイヒエキス、ガジュツエキス等。
【0044】
美白剤:アスコルビン酸およびその誘導体、イオウ、胎盤抽出物、コウジ酸およびその誘導体、グルコサミンおよびその誘導体、アゼラインおよびその誘導体、アルブチンおよびその誘導体、ヒドロキシケイヒ酸およびその誘導体、グルタチオン、アルニカエキス、オウゴンエキス、センキュウエキス、ソウハクヒエキス、サイコエキス、ボウフウエキス、ハマボウフウエキス、マンネンタケ菌糸体培養物またはその抽出物、ギムネマエキス、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボタンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、油溶性カンゾウエキス(カンゾウ疎水性フラボン、グラブリジン、グラブレン、リコカルコンA)等。
【0045】
紫外線吸収剤:β−イソプロピルフラノン誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、シノキサート、ジイソプロピルケイヒ酸メチル、メトキシケイヒ酸オクチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチル安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、酸化チタン、β−カロチン、γ−オリザノール、コメヌカエキス、アロエエキス、カバノキエキス、シラカンバエキス、カミツレエキス、コゴメグサエキス、セイヨウサンザシエキス、ヘンナエキス、チョウチグルミエキス、マロニエエキス、イチョウ葉エキス、カミツレエキス、セイヨウサンザシエキス、油溶性カンゾウエキス等。
【0046】
保湿剤:セリン、グリシン、スレオニン、アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒドロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、コンドロイチンヘパリン、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸またはそのエステル類、エイコサペンタエン酸またはそのエステル類、ペクチン、アルゲコロイド、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽出物、レイシ菌糸体培養物またはその抽出物、小麦胚芽油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ−オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、ゴボウエキス、マロニエエキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フスマ、コメヌカエキス等。
【0047】
細胞賦活剤:リボフラビンまたはその誘導体、ピリドキシンまたはその誘導体、ニコチン酸またはその誘導体、パントテン酸またはその誘導体、α−トコフェロールまたはその誘導体、アルニカエキス、ニンジンエキス、ナタネニンジンエキス、エゾウコギエキス、ヘチマエキス(サポニン)、シコンエキス、シラカンバエキス、オオバクエキス、ボタンピエキス、シャクヤクエキス、ムクロジエキス、ベニバナエキス、アシタバエキス、ビワ葉エキス、ヒキオコシエキス、ユキノシタエキス、黄杞エキス、サルビアエキス、ニンニクエキス、マンネンロウエキス等。
【0048】
消炎・抗アレルギー剤:アズレン、アラントイン、アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、オキシベンゾン、グリチルリチン酸またはその誘導体、グリチルレチン酸またはその誘導体、感光素301号、感光素401号、塩酸ジフェンヒドラミン、トラネキサム酸またはその誘導体、アデノシンリン酸、エストラジオール、エスロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プロゲステロン、コルチコステロン、アルニカエキス、インチンコウエキス、サンシシエキス、ジュウヤクエキス、セイヨウトチノキエキス、カンゾウエキス、トウキエキス、ヨモギエキス、ワレモコウエキス、リンドウエキス、サイコエキス、センキュウエキス、ボウフウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、オウレンエキス、シソエキス等。
【0049】
抗酸化・活性酸素消去剤:ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、バイカリン、バイカレイン、スーパーオキサイドディスムターゼ、カタラーゼ、ローズマリーエキス、メリッサエキス、オウゴンエキス、エイジツエキス、ビワ葉エキス、ホップエキス、ハマメリスエキス、シャクヤクエキス、セージエキス、キナエキス、カミツレエキス、ユーカリエキス、シソエキス、イチョウ葉エキス、タイムエキス、カルダモンエキス、キャラウェイエキス、ナツメグエキス、メースエキス、ローレルエキス、クローブエキス、ターメリックエキス、ヤナギタデエキス等。
【0050】
コウサンフウからの抽出物を配合した化粧料を製造する場合、他の化粧料製造原料の選択が制限されることはほとんどなく、以下に例示するような一般的な化粧料基材や助剤はいずれも使用可能である。
【0051】
油脂類:大豆油,アマニ油,キリ油,ゴマ油,ヌカ油,綿実油,菜種油,サフラワー油,トウモロコシ油,オリーブ油,椿油,アーモンド油,ヒマシ油,落花生油,カカオ油,モクロウ,ヤシ油,パーム核油,牛脂,ミンク油,卵黄油,ホホバ油,月見草油、馬油。
【0052】
ロウ類:カルナウバロウ,キャンデリラロウ,蜜ロウ,サラシ蜜ロウ,鯨ロウ,セラックス,ラノリン類。
【0053】
炭化水素類:流動パラフィン,ワセリン,マイクロクリスタリンワックス,セレシン,スクワラン,ポリエチレン末。
【0054】
脂肪酸類:ステアリン酸,リノール酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ヘベニン酸,ラノリン酸,オレイン酸,ウンデシレン酸,イソステアリン酸。
【0055】
アルコール類:ラウリルアルコール,セチルアルコール,ステアリルアルコール,ラノリンアルコール,水添ラノリンアルコール,オレイルアルコール,ヘキサデシルアルコール,2−オクチルドデカノール,グリセリン,ソルビトール,プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,エチレングリコールおよびその重合体,ブドウ糖,白糖,コレステロール,フィトステロール,セトステアリルアルコール。
【0056】
エステル類:オレイン酸デシル,ステアリン酸ブチル,ミリスチン酸ミリスチル,ラウリン酸ヘキシル,パルミチン酸イソプロピル,ミリスチン酸イソプロピル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,ジオレイン酸プロピレングリコール,フタル酸ジエチル,モノステアリン酸プロピレングリコール,モノステアリン酸エチレングリコール,モノステアリン酸グリセリン,トリミリスチン酸グリセリン,酢酸ラノリン,乳酸セチル。
【0057】
界面活性剤:陰イオン性界面活性剤,陽イオン性界面活性剤,両イオン性界面活性剤,非イオン性界面活性剤。
【0058】
香料:メントール,カルボン,オイゲノール,アネトール,ハッカ油,スペアミント油,ペパーミント油,ユーカリ油,アニス油。
【0059】
以上に説明した本発明のホスホリパーゼA阻害剤、血小板凝集抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、抗酸化剤および皮膚外用剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、本発明の作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用されてもよい。
【0060】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0061】
〔製造例1〕
コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)の葉を粗砕し、得られた粗砕物を抽出原料として使用した。抽出原料100gに、抽出溶媒である50%エタノール(水とエタノールとの重量比1:1)を1000ml加え、80℃に保温しながら2時間ゆるく攪拌した後、ろ紙を用いてろ過し、コウサンフウの葉からの抽出液を得た。この抽出液を40℃で減圧濃縮した後、減圧乾燥機で乾燥させ抽出乾燥物を得た。
得られた抽出物の収率(重量%)は、18.5重量%であった。
【0062】
〔配合例1〕
製造例1で得られたコウサンフウの葉からの抽出物を使用して、下記の組成のクリームを常法により製造した。
コウサンフウ抽出物 1.0重量%
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 3.0重量%
油溶性甘草抽出物(ロシア産甘草) 0.5重量%
黄杞抽出物 0.5重量%
エイジツ抽出物 0.5重量%
酢酸dlトコフェロール 0.05重量%
水素添加大豆リン脂質 1.0重量%
ヒアルロン酸 0.02重量%
ステアリン酸 2.0重量%
ステアリルアルコール 7.0重量%
ラノリン 2.0重量%
スクワラン 5.0重量%
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0重量%
ポリオキシエチレン(25EO)セチルアルコールエーテル 3.0重量%
2−オクチルドデシルアルコール 6.0重量%
プロピレングリコール 5.0重量%
エチルパラベン 0.3重量%
香料 適量
精製水 残部
【0063】
〔配合例2〕
製造例1で得られたコウサンフウの葉からの抽出物を使用して、下記の組成の乳液を常法により製造した。
コウサンフウ抽出物 1.0重量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5重量%
カミツレ抽出物 0.5重量%
サンザシ抽出物 0.5重量%
ワレモコウ抽出物 0.5重量%
マロニエ抽出物 0.2重量%
クジン抽出物 0.2重量%
コラーゲン 0.3重量%
ステアリン酸 2.0重量%
セチルアルコール 1.5重量%
ワセリン 5.0重量%
流動パラフィン 10.0重量%
ポリオキシエチレン(10EO)オレイン酸エステル 2.0重量%
ポリエチレングリコール1500 3.0重量%
トリエタノールアミン 1.0重量%
エチルパラベン 0.3重量%
香料 適量
精製水 残部
【0064】
〔配合例3〕
製造例1で得られたコウサンフウの葉からの抽出物を使用して、下記の組成のパックを常法により製造した。
コウサンフウ抽出物 1.0重量%
アラントイン 0.1重量%
グルタチオン 0.1重量%
シラカバ抽出物 0.5重量%
ソウハクヒ抽出物 0.5重量%
ステアリルグリチルレチネート 0.5重量%
エラスチン 0.2重量%
プラセンターエキス 2.0重量%
ポリビニルアルコール 13.0重量%
エチルアルコール 7.0重量%
ジプロピレングリコール 5.0重量%
ポリオキシエチレン(60EO)硬化ヒマシ油 5.0重量%
オリーブ油 5.0重量%
酢酸トコフェロール 0.2重量%
フェノキシエタノール 0.5重量%
香料 適量
精製水 残部
【0065】
〔配合例4〕
製造例1で得られたコウサンフウの葉からの抽出物を使用して、以下の組成のシャンプーを常法により製造した。
コウサンフウ抽出物 3.0重量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.8重量%
アルニカ抽出物 0.2重量%
インチンコウ抽出物 0.2重量%
シソ抽出物 0.5重量%
ヨモギ抽出物 0.1重量%
ラウリン酸トリエタノールアミン塩 16.0重量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 4.0重量%
エチレングリコールジステアレート 2.0重量%
エチレングリコールモノステアレート 1.0重量%
1,3−ブチレングリコール 3.0重量%
パラヒドロキシ安息香酸ブチル 0.2重量%
香料 0.05重量%
着色料 0.05重量%
精製水 残部
【0066】
〔配合例5〕
製造例1で得られたコウサンフウの葉からの抽出物を使用して、下記の組成のローションを常法により製造した。
コウサンフウ抽出物 5.0重量%
グリセリン 3.0重量%
1,3−ブチレングリコール 5.0重量%
エタノール 3.0重量%
ポリオキシエチレンオレインアルコール 0.5重量%
メチルパラベン 0.1重量%
クエン酸 0.1重量%
クエン酸ソーダ 0.1重量%
ヒアルロン酸 0.2重量%
香料 0.05重量%
精製水 残部
【0067】
〔試験例1〕
製造例1で得られたコウサンフウの葉からの抽出物について、以下の方法でホスホリパーゼA阻害作用を試験した。
【0068】
(1)ラット白血病細胞RBL−2H3を、15%FBS含有MEM培地を含む75cmフラスコ内で、37℃、5%CO下にて培養し、常法により細胞を回収した。回収した細胞の濃度を、15%FBS含有MEM培地を用いて5×10個/mlとなるように調整した後、[H]アラキドン酸(50μCi/500μl)を3μl/10mlの割合で加えた。この細胞液を24ウェルプレートの各ウェルに1mlずつ播種し、37℃、5%CO下にて一夜培養した。培養後、各ウェル内の培地を捨て、洗浄し、無血清MEM培地を加え、37℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、各ウェルに、無血清MEM培地にコウサンフウの葉からの抽出物を溶解した試料溶液を加え、37℃で10分間インキュベートした。インキュベート後、1mMのA23187を10μl加え、37℃で5分間インキュベートした。インキュベート後、氷冷下で上清400μlを採取し、シンチレーションカクテル6mlを加え、液体シンチレーションカウンターにて放射活性を測定した。以下、この放射活性を「試料添加時の放射活性」という。
【0069】
(2)試料溶液の溶媒(無血清MEM培地)についても上記(1)と同様にして放射活性を測定した。以下、この放射活性を「コントロールの放射活性」という。
【0070】
(3)A23187による刺激を加えない他は、上記(2)と同様にして、放射活性を測定した。以下、この放射活性を「空試験の放射活性」という。
【0071】
(4)次式に基づいて、コウサンフウの葉からの抽出物によるホスホリパーゼ活性阻害率を求めた。
【0072】
【式1】
阻害率(%)=〔(B−A)/(B−C)〕×100
【0073】
なお、式中、「A」は試料添加時の放射活性を、「B」はコントロールの放射活性を、「C」は空試験の放射活性を表す。
【0074】
(5)試料濃度を段階的に変化させて上記と同様に放射活性を測定し、ホスホリパーゼA活性阻害率が50%になる試料濃度を内挿法により求めたところ、50%阻害濃度は、37.5(μg/ml)であった。この結果から、コウサンフウの葉からの抽出物がホスホリパーゼA阻害作用を有することが示された。
【0075】
〔試験例2〕
製造例1で得られたコウサンフウの葉からの抽出物について、以下の方法で血小板凝集抑制作用を試験した。
【0076】
(1)日本種白色家兎の血液に77mM−EDTAを1/10量添加し、1000rpmで10分間遠心分離して沈殿物を除去した。遠心上清を2100rpmで10分間遠心分離して、血小板を採取した後、血小板洗浄液(0.15M 塩化ナトリウム溶液、0.15M トリス−塩酸緩衝液(pH7.4)、77mM EDTA(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム)溶液(pH7.4)を90:8:2で混合した溶液)を用いて2度洗浄した。採取した血小板を血小板数が30万個/μlとなるように、血小板浮遊液(145mM 塩化ナトリウム溶液、5mM 塩化カリウム、5.5mM グルコースを含む、10mM HEPES緩衝液(pH7.4))に浮遊させた。このようにして調製した血小板浮遊液233μlに塩化カルシウム溶液1μlを加え、37℃で1分間保温した。これにコウサンフウの葉からの抽出物を含有する試料溶液1μlを加えて、さらに37℃で2分間保温した後、1分間攪拌した。次いで、コラーゲン溶液を25μl添加し、37℃で10分間保持した後、可視光線透過率を測定し、これを血小板凝集状態の指標とした。こうして測定した可視光線透過率を以下「可視光線透過率A」という。
【0077】
(2)試料溶液を添加しない他は上記(1)と同様にして可視光線透過率を測定した。こうして測定した可視光線透過率を以下「可視光線透過率B」という。
【0078】
(3)次式に基づいて、コウサンフウの葉からの抽出物による血小板凝集抑制率(%)を求めた。
【0079】
【式2】
血小板凝集抑制率(%)=〔(B−A)/A〕×100
【0080】
なお、式中、「A」は可視光線透過率Aを、「B」は可視光線透過率Bを表す。
【0081】
(4)試料濃度を段階的に変化させて上記と同様に可視光線透過率を測定し、血小板凝集抑制率が50%になる試料濃度を内挿法により求めたところ、50%抑制濃度は、245(μg/ml)であった。この結果から、コウサンフウの葉からの抽出物が血小板凝集抑制活性を有することが示された。
【0082】
〔試験例3〕
製造例1で得られたコウサンフウの葉からの抽出物について、以下の方法でヒスタミン遊離抑制作用を試験した。なお、以下の方法は、細胞内のヒスタミンが遊離されると同時にヘキソサミニダーゼも遊離されることを利用して、ヘキソサミニダーゼの遊離を指標としてヒスタミン遊離抑制作用を評価する方法である。
【0083】
(1)ラット白血病細胞RBL−2H3を、15%FBS含有MEM培地を含む25cmフラスコにて、5%CO下、37℃で培養し、常法により細胞を回収した。回収した細胞の濃度を、15%FBS含有MEM培地を用いて4×10個/mlとなるように調整した後、ジニトロフェニル基に特異的に反応するマウスモノクローナル抗体(DNP−specific IgE)(シグマ社製)を濃度が0.5μg/mlとなるように添加した。このようにして得られた細胞浮遊液を96ウェルプレートの各ウェルに100μlずつ播種し、5%CO下、37℃で24時間培養した後、各ウェル中の培地を除去し、Releasing medium(116.9mM 塩化ナトリウム、5.4mM 塩化カリウム、0.8mM 硫酸マグネシウム、5.6mM グルコース、2.0mM 塩化カルシウム、1mg/ml 牛血清アルブミンを含む、25mM HEPES緩衝液(pH7.7))で洗浄した。次いで、各ウェルに、Releasing medium30μlと、コウサンフウの葉からの抽出物を含有する試料溶液10μlとを添加し、37℃で10分間インキュベートした後、ジニトロフェニル化ウシ血清アルブミン(DNP−BSA)10μlを添加し、さらに37℃で15分間インキュベートした。その後、氷冷下で上清10μlを新たな96ウェルプレートに移し替え、そこに1mM p−ニトロフェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミド溶液10μlを添加し、37℃で1時間インキュベートした。反応終了後、0.1M NaCO・NaHCO溶液250μlを添加し、マイクロプレートリーダーを用いて650nmにおける吸光度を対照として415nmにおける吸光度を測定した。こうして測定した吸光度を以下「吸光度A」という。
【0084】
(2)試料溶液を添加しない他は上記(1)と同様にして吸光度を測定した。こうして測定した吸光度を以下「吸光度B」という。
【0085】
(3)細胞浮遊液の代わりにReleasing mediumを用いる他は上記(1)と同様にして吸光度を測定した。こうして測定した吸光度を以下「吸光度C」という。
【0086】
(4)次式に基づいて、コウサンフウの葉からの抽出物によるヘキソサミニダーゼ遊離抑制率(%)を算出した。
【0087】
【式3】
抑制率(%)=〔1−(A−C)/(B−C)〕×100
【0088】
なお、式中、「A」は吸光度Aを、「B」は吸光度Bを、「C」は吸光度Cを表す。
【0089】
試料濃度を段階的に変更して上記と同様に吸光度を測定し、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制率が50%となる試料濃度を内挿法により求めたところ、50%遊離抑制濃度は、226(μg/ml)であった。この結果から、コウサンフウの葉からの抽出物が、ヒスタミン遊離抑制作用を有することが示された。
【0090】
〔試験例4〕
製造例1で得られたコウサンフウの葉からの抽出物について、以下の方法でスーパーオキサイド消去作用を試験した。
【0091】
(1)3mM キサンチン、0.05M NaCO緩衝液(pH 10.2)、3mM EDTA、BSA溶液および0.75mM ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)の混合液 0.1mlを試験管に取り、これに、コウサンフウの葉からの抽出物を50%DMSOに溶解した試料溶液0.1mlを加え、25℃で10分間放置した。次いで、キサンチンオキシダーゼ溶液を加えて素早く攪拌し、25℃で20分間静置した。その後、6mM 塩化銅溶液を加えて反応を停止させ、560nmにおける吸光度を測定した。以下、この吸光度を「試料溶液添加、酵素溶液添加時の吸光度」という。
【0092】
(2)キサンチンオキシダーゼ溶液を加えない他は、上記(1)と同様にして吸光度を測定した。以下、この吸光度を「試料溶液添加、酵素溶液無添加時の吸光度」という。
【0093】
(3)試料溶液の代わりに蒸留水を加える他は、上記(1)と同様にして吸光度を測定した。以下、この吸光度を「試料溶液無添加、酵素溶液添加時の吸光度」という。
【0094】
(4)試料溶液の代わりに蒸留水を加えるとともにキサンチンオキシダーゼ溶液を加えない他は、上記(1)と同様にして吸光度を測定した。この吸光度を「試料溶液無添加、酵素溶液無添加時の吸光度」という。
【0095】
(5)次式に基づいて、コウサンフウの葉からの抽出物によるスーパーオキサイド消去率を求めた。
【0096】
【式4】
消去率(%)=〔1−(St−So)/(Bt−Bo)〕×100
【0097】
なお、式中、「St」は試料溶液添加、酵素溶液添加時の吸光度を、「So」は試料溶液添加、酵素溶液無添加時の吸光度を、「Bt」は試料溶液無添加、酵素溶液添加時の吸光度を、「Bo」は試料溶液無添加、酵素溶液無添加時の吸光度を表す。
【0098】
試料濃度を段階的に変化させて上記と同様に吸光度を測定し、スーパーオキサイド消去率が50%になる試料濃度を内挿法により求めたところ、50%消去濃度は、71.0(μg/ml)であった。この結果から、コウサンフウの葉からの抽出物がスーパーオキサイド消去活性を有することが示された。
【0099】
〔試験例5〕
製造例1で得られたコウサンフウの葉からの抽出物を含有するローション状の塗布液aおよびコウサンフウの葉からの抽出物を含有しない他は塗布液aと同様の組成の塗布液b(対照)を調製し、それらについてカミソリ負け防止効果を試験した。なお、カミソリ負けは、ひげ等の毛を剃った後、皮膚が赤くなりヒリヒリ痛んだり、腫れて熱を持ったり痒くなったりする症状であり、カミソリでひげ等の毛を剃った跡の皮膚に細かい切り傷ができ、そこから細菌が感染して炎症が起こることによって生じる症状である。
【0100】
各塗布液の組成は、以下の表1に示すとおりとした。
【0101】
Figure 0004610705
【0102】
カミソリ負けする男性被験者20名を10名ずつ2群に分け、各群ごとに異なる塗布液をひげ剃り直後の皮膚に塗布し、以下の基準でカミソリ負け防止効果を評価した。
【0103】
カミソリ負けが消失した場合には「著効あり」、カミソリ負けが弱くなった場合には「有効」、カミソリ負けがやや弱くなった場合には「やや有効」、カミソリ負けに変化が認められない場合には「無効」と判定し、「無効」と判定した被験者が20%未満である場合には「A」、20%以上50%未満である場合には「B」、50%以上80%未満である場合には「C」、80%以上である場合には「D」と評価した。
【0104】
その結果、塗布液aのカミソリ負け防止効果は「A」と評価され、塗布液bのカミソリ負け防止効果は「D」と評価された。なお、カミソリ負け防止効果についての判定と同時に、肌に対する刺激(ヒリヒリ感)の程度について感想を求めたところ、全ての被験者が両塗布液とも刺激を感じないと答えた。
この結果によって、コウサンフウの葉からの抽出物がカミソリ負け防止作用、すなわち、抗炎症作用を有することが示された。
【0105】
〔試験例6〕
配合例5で調製したローションの老化防止効果および美肌効果について、以下の方法により試験した。
【0106】
健康な女性20人(25〜45歳)を被験者とし、被験者に配合例5で調製したローションを2ヶ月間使用してもらい、使用後の肌の弾力、滑らかさ等についてアンケート調査を行って老化防止効果および美肌効果について評価した。この際、コウサンフウ抽出物を含有しないローションを対照例1とした。
【0107】
評価の基準は、有効な場合を「A」、やや有効な場合を「B」、わずかに有効な場合を「C」、無効な場合を「D」とした。
【0108】
老化防止効果および美肌効果についての評価は、以下の表2に示すとおりであった。
【0109】
Figure 0004610705
【0110】
表2に示されるように、配合例5で調製したローションは、対照例1のローションと比較して老化防止効果および美肌効果に優れていた。この結果から、コウサンフウの葉からの抽出物が老化防止作用および美肌作用を有することが明らかとなった。
【0111】
【発明の効果】
本発明によれば、ホスホリパーゼA阻害剤、血小板凝集抑制剤、ヒスタミン遊離抑制剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤および抗酸化剤が提供される。また、本発明によれば、ホスホリパーゼA阻害作用、血小板凝集抑制作用、ヒスタミン遊離抑制作用、抗炎症作用、活性酸素消去作用または抗酸化作用を有する皮膚外用剤が提供される。
本発明のホスホリパーゼA阻害剤によれば、ホスホリパーゼAが関与する種々の皮膚疾患、肌荒れ等を予防または改善することができる。また、本発明の血小板凝集抑制剤によれば、血小板凝集が関与する種々の皮膚疾患、肌荒れ等を予防または改善することができる。また、本発明のヒスタミン遊離抑制剤によれば、ヒスタミンが関与する種々の皮膚疾患、肌荒れ等を予防または改善することができる。また、本発明の抗炎症剤によれば、炎症の中でも特にホスホリパーゼA、血小板凝集またはヒスタミンが関与する炎症を効果的に予防または改善することができる。また、本発明の活性酸素消去剤によれば、活性酸素が関与するしわ形成、皮膚弾力性低下等の老化現象を効果的に予防または改善することができる。また、本発明の抗酸化剤によれば、生体成分の酸化の防止を通じて、しわ形成、皮膚弾力性低下等の老化現象を効果的に予防または改善することができる。

Claims (14)

  1. コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするホスホリパーゼA阻害剤。
  2. 前記抽出物が、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)の葉からの抽出物であることを特徴とする請求項1記載のホスホリパーゼA阻害剤。
  3. コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする血小板凝集抑制剤。
  4. 前記抽出物が、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)の葉からの抽出物であることを特徴とする請求項3記載の血小板凝集抑制剤。
  5. コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするヒスタミン遊離抑制剤。
  6. 前記抽出物が、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)の葉からの抽出物であることを特徴とする請求項5記載のヒスタミン遊離抑制剤。
  7. コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤。
  8. 前記抽出物が、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)の葉からの抽出物であることを特徴とする請求項7記載の抗炎症剤。
  9. コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする活性酸素消去剤。
  10. 前記抽出物が、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)の葉からの抽出物であることを特徴とする請求項9記載の活性酸素消去剤。
  11. コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤。
  12. 前記抽出物が、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)の葉からの抽出物であることを特徴とする請求項11記載の抗酸化剤。
  13. コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)からの抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  14. 前記抽出物が、コウサンフウ(Heteropanax fragrans(Roxb.)Seem.)の葉からの抽出物であることを特徴とする請求項13記載の皮膚外用剤。
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