JP2000344653A - 活性酸素消去剤及び皮膚化粧料 - Google Patents

活性酸素消去剤及び皮膚化粧料

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JP2000344653A
JP2000344653A JP11157670A JP15767099A JP2000344653A JP 2000344653 A JP2000344653 A JP 2000344653A JP 11157670 A JP11157670 A JP 11157670A JP 15767099 A JP15767099 A JP 15767099A JP 2000344653 A JP2000344653 A JP 2000344653A
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extract
eraser
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Shintaro Inoue
紳太郎 井上
Sayuri Yamaguchi
さゆり 山口
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表皮の角質化を促進し、更に活性酸素を消去し
皮膚での過酸化脂質の生成を抑制することにより、優れ
た皮膚老化防止効果及び美白効果を持つ活性酸素消去剤
並びに皮膚化粧料を提供する。 【解決手段】石胡ずい(Centipeda mini
ma)より得られる抽出物を含有することを特徴とする
活性酸素消去剤及び皮膚化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は活性酸素消去剤及び
皮膚化粧料に関し、更に詳しくは、表皮の角質化を促進
し、更に活性酸素を消去し皮膚での過酸化脂質の生成を
抑制することにより、優れた皮膚老化防止効果及び美白
効果を持つ活性酸素消去剤並びに皮膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】老化し
た皮膚では過酸化脂質が増大し、柔軟性、弾力性を失
い、皮膚のしわが増大し、乾燥して滑らかさのない荒れ
肌症状が認められている。これらの皮膚症状が現れる原
因物質の一つとして、大気中の酸素が紫外線や酵素等の
影響を受けて生成するいわゆる活性酸素が考えられてい
る。このような活性酸素には、スーパーオキシド、ヒド
ロキシラジカル、一重項酸素、過酸化水素等がある。こ
の活性酸素は脂肪酸を酸化し、過酸化物を生成させる。
その上、生成した過酸化物と活性酸素は、生体に対して
コラーゲン線維の架橋、ヒアルロン酸の断片化、DNA
螺旋の部分開裂、連鎖的ラジカルの発生による組織の損
傷等の悪影響を及ぼし、その結果として、皮膚のしわや
弾力消失、脱毛といった生体の老化を促進するといわれ
ている。
【0003】一方、日焼けによる色黒、しみ、そばかす
等の皮膚への色素沈着は、黒褐色無定型の色素であるメ
ラニンの生成によって生じるものと考えられている。メ
ラニンは、表皮基底層に存在するメラノサイトと呼ばれ
る色素細胞内のメラノソームにおいて、チロシナーゼに
よってチロシンからドーパ、ドーパからドーパキノンに
変換された後、各種メラニン中間代謝産物を経て、酸化
重合して生成される。紫外線により生成された活性酸素
は、この系の酸化反応を活性化するため、メラニンが過
剰に生成され、皮膚への色素沈着を促進するといわれて
いる。
【0004】したがって、活性酸素を消去することは、
皮膚の老化及び色素沈着を改善あるいは予防する点で皮
膚にとって非常に重要なことであり、皮膚化粧料に求め
られる重要な要素である。
【0005】そのため、従来、生体内に発生した活性酸
素を消去する作用のある物質の探索が広く行われてき
た。この様な作用を有する物質として、従来用いられて
きたものとしては、天然物由来のものでは、脂溶性のト
コフェロール(ビタミンE)、水溶性のアスコルビン酸
(ビタミンC)等が挙げられ、合成化合物では、BHT
(ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロ
キシアニソール)等が挙げられる。しかし、これらの物
質は活性酸素消去作用が十分ではなく、合成化合物にお
いて、BHAは発癌性を有する疑いが持たれており、い
ずれも活性酸素消去剤としては実用的とは言い難かっ
た。したがって、生体内に発生する活性酸素を消去する
作用を十分に有し、安全性が高く、皮膚等への適用性の
良好な活性酸素消去剤及び皮膚化粧料が強く望まれてい
た。
【0006】一方、皮膚表面の加齢に伴う変化の一つと
して、臨床的に皮膚の乾燥が挙げられる。皮膚表皮にお
ける角質層は、皮膚の保湿能や生体の物理的保護をはじ
めとする一連の生理的役割を持ち、生命活動において重
要な役割を担っているが、加齢に伴って、表皮細胞の角
質化速度の低下が起こると、本来皮膚が有している保水
能力の低下と水分蒸散量の増加が生じ、結果的に荒れ肌
状態が誘発される。角質化不全を伴ういわゆる肌荒れ等
の皮膚では、健全な角質層の形成が妨げられていること
が多い。
【0007】このような荒れ肌、及びこれを伴う老化を
防止し、健常な皮膚を維持するために、ある種の成分を
投与することにより皮膚のトラブルを正常化することが
考えられる。従来、上記目的のための主たる方法として
は、保湿成分を投与することで皮膚の乾燥状態を防ぎ潤
いを持たせる方法が採られてきた。しかし、前記従来の
方法は、一般的に角質表面の水分補給あるいは保湿成分
の一部補給を行うものであり、その効果が一時的なもの
に留まり、皮膚内部に十分な潤いを持続的に与えること
ができない[武村俊之:ファルマシア、28、1(19
92)]等の問題を有しており、この問題の解決が望ま
れていた。
【0008】そして近年、血小板活性化因子(Plat
elet−ActivatingFactor;以下P
AFと略する)の表皮細胞に関する作用が検討され、P
AFがヒト表皮細胞で合成されていること[Miche
l L.他:J.Invest.Dermatol.、
95、576(1990)]、及び表皮細胞にPAF受
容体があること[Travers JB.他:J.In
vest.Dermatol.、105、816(19
95)]等が報告された。更に本発明者等は、PAFに
表皮細胞の増殖と角質化を抑制する効果がある[Shi
mada A.他:J.Invest.Dermato
l.、110、889(1998)]という新たな発見
に基づき、PAF拮抗物質が有効な角質化促進作用を示
し、表皮の角質化を正常化することを見出し、PAF拮
抗物質からなる表皮角質化促進剤および化粧料ならびに
入浴剤を提案した(特開平9−301881号公報)。
【0009】上記目的に対するPAF拮抗物質として
は、上記提案の中でも述べたように、CV−3988、
CV−6209、U−66985、R−74717、S
IR63−441、ONO−6240等の脂質性拮抗物
質、WEB2086、BN−52020、FR−491
75、SM−10661、L−652731、PCA−
4248、octylonium bromide、k
adsurenone等の非脂質性拮抗物質等の公知の
化合物[高谷 宗男:最新医薬、45、463(199
0)]の他、それを含有する植物エキスや微生物培養
液、例えば、BN−52020や関連物質(ginkg
olides)を含むイチョウ葉エキス[Braque
t PG.他 :Blood Vessels、16、
558(1985)]、kadsurenoneを含む
フウトウカズラ茎抽出エキス[Shen T.Y.他:
Proc.Natl.Acad.Sci.USA、8
2、672(1985)]、リグナンを含有するゴボウ
シ及びレンギョウ、セスキテルペンラクトンのarni
colide類を含有する石胡ずい[Iwakami
S.他:Chem.Pharm.Bull.、40、1
196(1992)]やアルニカ[三川 潮:植物細胞
工学、16、118(1994)]エキス等を用いるこ
とができる。
【0010】しかしながら、これらのPAF拮抗物質、
又はPAF拮抗物質を含むエキス類の中で、上記課題で
あるところの活性酸素消去活性を併せ持つことにより相
乗的に優れた皮膚老化防止効果を発揮する物質の存在は
これまで知られていなかった。
【0011】すなわち、本発明の目的は、表皮の角質化
を促進し、更に活性酸素を消去し皮膚での過酸化脂質の
生成を抑制することにより、優れた皮膚老化防止効果及
び美白効果を持つ活性酸素消去剤並びに皮膚化粧料を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、活性酸素
消去作用を指標に上記PAF拮抗物質を含むエキス類か
らスクリーニングした結果、生薬の一種である石胡ずい
(Centipedaminima)の抽出物が、角質
化促進効果のみならず、優れた活性酸素消去効果を有し
ており、それらの相乗効果により皮膚の老化及び色素沈
着を有効に改善あるいは予防できることを見出した。
【0013】すなわち本発明は、石胡ずい(Centi
peda minima)より得られる抽出物を含有す
ることを特徴とする活性酸素消去剤及び皮膚化粧料であ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる石胡ずい(C
entipeda minima)は、主として中国で
自生、又は栽培されているキク科の植物である。きわめ
て繁殖しやすく、容易に入手することができる。古来よ
り中国では眼病、頭痛、鼻炎等に効果がある生薬として
使用されてきた。また近年、抗腫瘍活性[Lee H.
他:Mutat.Res.204、229(198
8)]、抗アレルギー活性[WuJB.他:Chem.
Pharm.Bull.39、3272(1991):
同33、4091(1985)]、抗菌活性[Tayl
or RS.他:Phytochemistry、4
7、631(1998)]等の活性があることも発見さ
れている。しかしながら、石胡ずい(Centiped
a minima)について、活性酸素を消去する活性
があることについては全く知られていなかった。
【0015】本発明の石胡ずい抽出物を得るための抽出
溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル等の多価アルコール類、アセトン等のケトン類、酢酸
エチル等のエステル類、ジエチルエーテル等のエーテル
類、及びベンゼン等の芳香族化合物類の、一種又は二種
以上の混合物から選択することができる。
【0016】また、抽出方法としては、常温抽出、又は
加熱抽出が好ましく、抽出時間としては、特に制限は無
いが、一般的に1時間から1週間が好ましい。
【0017】本発明の石胡ずいは、全草を乾燥、あるい
は生植物をそのまま、あるいは裁断したものが好まし
く、これらの乾物換算重量5〜50部に対し上記抽出溶
媒100部用いるのが好ましい。
【0018】本発明で使用する抽出物は抽出液を濾過
し、その濾液をそのまま使用しても良いが、通常、濾液
を常圧、あるいは減圧下濃縮した濃縮液か、あるいは更
に溶媒を蒸発乾固させて固形物を使用するのが一般的で
ある。また、濾液を凍結乾燥し、固形物としたものを使
用しても良い。更に、上記の抽出液を、多孔性ポリスチ
レン系樹脂吸着剤(例えばダイヤイオンHP、三菱化成
工業社製)で処理し、吸着物をアルコール、あるいは含
水アルコール(エチルアルコール濃度約50%以上)で
溶離して得られた抽出物を使用しても良い。
【0019】本発明に用いる石胡ずい抽出物の活性酸素
消去剤又は皮膚化粧料への配合量は、使用する系によっ
て様々で、一概には言えないが、全量に対して、乾物換
算で、0.00001〜10.0重量%であると本発明
の活性酸素消去効果を得るために好ましく、しかも使用
時の感触が良好で、また個々の剤型を安定に保つことが
できる。0.00001重量%未満では、効果が十分に
発揮されない場合があり、一方、10.0重量%を超え
て配合しても配合量に見合った効果が得られない場合が
ある。
【0020】本発明の活性酸素消去剤及び皮膚化粧料に
は、必要に応じて、通常、医薬品、医薬部外品、化粧料
等の皮膚外用剤に配合される油脂類、保湿剤類、顔料
類、色素類、界面活性剤類、抗酸化剤類、紫外線吸収剤
類、防腐剤類、水溶性高分子類、樹脂類等を適宜配合す
ることができる。
【0021】本発明の活性酸素消去剤は、皮膚化粧料の
他に一般的な化粧料や入浴剤等にも配合することができ
る。剤型的には例えば軟膏類、ローション類、乳液類、
クリーム類、パック類、粉末類、顆粒類等の任意の剤型
とすることができる。そして適用する皮膚としては頭皮
を含む人体上の皮膚全てであり、頭皮に適用した場合は
フケ防止、養毛効果等が期待できる。
【0022】また、本発明において皮膚化粧料とは、一
般的な化粧料の他に入浴剤等をも含む。剤型的には例え
ば軟膏類、ローション類、乳液類、クリーム類、パック
類、粉末類、顆粒類等の任意の剤型とすることができ
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明による表皮角質化促進効果、活
性酸素消去効果及び過酸化脂質生成抑制効果を明らかに
するための試験例を示す。以下における%及びwt%表
示は、特に指定しない限り、重量%を示す。なお、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0024】本試験に用いられる試料の調製法は以下の
通りである。
【0025】試料1:石胡ずい(Centipeda
minima)抽出物の調製法 石胡ずい(Centipeda minima)の全草
乾燥物100gをミルにて粉砕し、50%メタノール2
lにて2時間還流抽出を行った。濾紙にて濾過した濾液
を濃縮乾固して得た粉末状の抽出物を20%メタノール
500mlに再溶解し、HP−20レジン500mlに
通液した。20%メタノール2l、40%メタノール
2.5l、60%メタノール2.5lで順次洗浄した
後、85%メタノール2.5lで抽出物を溶出させた。
これを濃縮乾固して粉末状の抽出物(以下石胡ずい抽出
物と称する)約1gを得た。(溶液として用いる場合
は、50%エタノール等の含水アルコールにて溶解す
る。)
【0026】試料2:イチョウ葉エキスの調製法 イチョウ葉乾燥エキス(丸善製薬社製)を用いた。(溶
液として用いる場合は、80%エタノール等の含水アル
コールにて溶解する。)
【0027】試料3:WEB2086の調製法 特開昭61−176591号公報に記載の方法に準じて
合成した。[溶液として用いる場合は、100%DMS
O(ジメチルスルホキシド)にて溶解する。]
【0028】試験例1:表皮角質化促進効果試験 表皮角質化促進効果の評価方法を述べる。ヒト表皮細胞
の培養を行い、角質膜形成能を測定することによって細
胞の角質化に対する本発明の効果を評価できる。各試験
に用いる試薬の調製法及び測定法は次の通りである。
【0029】(a)培養表皮細胞 ヒト正常表皮角質化細胞は市販品(Cascade B
iology社より購入)を用いた。
【0030】(b)細胞培養用培地 培地としてはMCDB153HAA培地(和光純薬社よ
り購入)をベースとし、ハイドロコーチゾン(0.5μ
M)、エタノールアミン(0.1mM)、ホスホエタノ
ールアミン(0.1mM)、インシュリン(5μg/m
l)およびEGF(上皮細胞成長因子:10ng/m
l)を加えたK−GM培地を用いた。また、細胞の増殖
培養時には、これにBPE(牛脳下垂体抽出液、Cas
cadeBiology社より購入)を培地1ml当た
り2μl添加した。
【0031】(c)Hepes緩衝液の調製 Hepes(株式会社同仁化学研究所製)7.15g、
グルコース(関東化学社製)1.8g、塩化カリウム
(関東化学社製)0.22g、塩化ナトリウム(関東化
学社製)7.7g、リン酸水素二ナトリウム・12水和
物(関東化学社製)0.27gを精製水に溶解し、1N
水酸化ナトリウム水溶液にてpH7.4に調製後、1l
にメスアップした。
【0032】(d)トリプシン溶液 0.025%トリプシン(シグマ社製)及び0.01%エ
チレンジアミン四酢酸二ナトリウム(関東化学社製)を
含有するHepes緩衝液を調製した。
【0033】(e)トリプシン反応停止溶液 (c)で調製したHepes緩衝液に大豆トリプシンイ
ンヒビター(以下SBTIと略す、シグマ社製)を溶解
し(0.2%)、SBTI溶液としてトリプシン反応の
停止に用いた。
【0034】(f)細胞培養 正常ヒト表皮細胞の細胞数をK−GM培地にて1000
0個/mlに調製し、24穴コラーゲンコートプレート
(ファルコン社製)に1mlずつ播種し、95%(V/
V)空気−5%(V/V)炭酸ガスの雰囲気下、37℃
で4日間静置培養した。培地は2日ごとに交換した。
【0035】培養上清を吸引除去し、K−GM培地(8
5%メタノールにて100mg/mlに溶解した上記石
胡ずい抽出物を、終濃度0、0.03、あるいは0.3
μg/mlのいずれかになる様添加したもの)を1ml
ずつ各ディッシュに加えた。このディッシュを95%
(V/V)空気−5%(V/V)炭酸ガスの雰囲気下、
37℃で6日間静置培養した。培地は2日ごとに交換し
た。
【0036】(g)角質膜形成能の測定 培養上清を吸引除去し、0.5mlのHepes緩衝液
で2回洗浄した後、細胞を0.15mlのトリプシン溶
液で処理し剥離させた後0.35mlのSBTI溶液で
反応停止し、各穴の細胞数を血球計算盤で計測した。細
胞数計測後、残りの細胞を1%SDS(ラウリル硫酸ナ
トリウム)/20mM DTT(ジチオスレイトール)
液に溶解し、90℃、3分間熱処理をした。熱処理後、
不溶化細胞数を計測し、熱処理前の細胞数との比から表
皮細胞角質化率を求めた。(表1)
【0037】 (表1) 石胡ずい抽出物終濃度(μg/ml) 表皮細胞角質化率(%) 0 30.8±1.8 0.03 36.8±4.7 0.3 45.1±3.8 (平均値±標準誤差;n=4)
【0038】表1から明らかのように、石胡ずい抽出物
は濃度依存的に、ヒト表皮細胞の角質化を促進した。
【0039】試験例2:活性酸素消去効果試験 活性酸素を消去する効果を測定する方法は各種あるが、
今回は活性酸素の一つであるスーパーオキシド(O2 -
の消去効果を測定した。方法は以下に示す通りである。
すなわち、キサンチン−キサンチンオキシダーゼ系によ
り活性酸素の一つであるスーパーオキシド(O2 -)を発
生させ、試料溶液1〜3によるその消去率を求めた。ス
ーパーオキシド(O2 -)はニトロブルーテトラゾリウム
と反応させて、ジホルマザンとし、560nmの吸光度
により測定した(NBT法)。
【0040】50mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH1
0.2)2.4ml、3.0mMキサンチン0.1m
l、3.0mMエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
0.1ml、0.15%牛血清アルブミン0.1ml、
及び0.75mMニトロブルーテトラゾリウム0.1m
lを含む発色試液2.9mlに対し、PAF拮抗効果を
有する試料溶液1〜3(石胡ずい抽出物、イチョウ葉エ
キス、又はWEB2086)0.1mlを加え、25℃
で恒温にし、キサンチンオキシダーゼ(0.5単位/m
l)を含む酵素液0.1mlを加えて攪拌した後、25
℃にて20分間放置した。6.0mM塩化第二銅を含む
反応停止液0.1mlを加えて分光光度計にて560n
mの吸光度を測定し、その値をSとした。試薬ブランク
は発色試液2.9ml及び試料溶液0.1mlを取り、
25℃で恒温にし、酵素液の代りにリン酸緩衝液0.1
mlを加えて、以下同様にして分光光度計にて560n
mの吸光度を測定し、その値をS’とした。コントロー
ルは、発色試液2.9ml及び試料溶液の代りにそれぞ
れの希釈溶液0.1mlを用い、以下同様にして分光光
度計にて560nmの吸光度を測定し、その値をCとし
た。コントロールの試薬ブランクは発色試液2.9ml
及び試料溶液の代りにそれぞれの希釈溶液0.1mlを
用い、酵素液の代りに炭酸ナトリウム緩衝液0.1ml
を加えて、以下同様にして分光光度計にて560nmの
吸光度を測定し、その値をC’とした。各試料溶液濃度
におけるスーパーオキシド消去率を下記式1により計算
し、片対数グラフの横軸に試料溶液濃度(対数)、縦軸
にスーパーオキシド消去率をとり、このグラフからスー
パーオキシド50%消去濃度(IC50)を求めた。な
お、S、S’、C、C’は3回測定し、それぞれの平均
値を用いた。
【0041】(式1) スーパーオキシド消去率(%)=100×[1−(S−
S’)/(C−C’)]
【0042】得られた結果を表2に示す。
【0043】 (表2) 試料(化合物名) スーパーオキシド50%消去濃度(IC50) 石胡ずい抽出物 0.0028% イチョウ葉エキス 0.013 % WEB2086 0.02 %以上
【0044】表2から明らかなように、本発明に係る石
胡ずい抽出物は極めて低濃度でスーパーオキシドを消去
することが認められた。
【0045】試験例3:過酸化脂質生成抑制効果試験 過酸化脂質生成を抑制する効果を測定する方法は各種あ
るが、今回は不飽和脂肪酸をキサンチンとキサンチンオ
キシダーゼとの反応で生ずるスーパーオキシド(O2 -
により過酸化させ、これをチオバルビツール酸により測
定した(TBA法)。
【0046】リノール酸メチル0.3ml、0.2%T
ritonX−100添加1mMヒポキサンチン3.0
ml、蒸留水0.15ml、5Uキサンチンオキシダー
ゼ0.15ml、及び試料溶液1〜3(石胡ずい抽出
物、イチョウ葉エキス、又はWEB2086)0.4m
lを混和し、25℃で24時間攪拌した。攪拌後の上記
混合液0.3ml、10%リンタングステン酸0.5m
l、及び0.67%チオバルビツール酸1.0mlを混
和し、攪拌した。この混合液を100℃で30分間加熱
した後、4℃で急冷し、n−ブタノール4mlを添加し
た。更に攪拌後、3000回転/分で10分間遠心分離
し、その上清を分光光度計にて535nmの吸光度を測
定し、その値をAとした。試薬ブランクは試料溶液の代
りにそれぞれの希釈溶液0.4mlを加えて、以下同様
にして分光光度計にて560nmの吸光度を測定し、そ
の値をBとした。各試料溶液濃度における単純過酸化抑
制率を下記式2により計算し、片対数グラフの横軸に試
料溶液濃度(対数)、縦軸に単純過酸化抑制率をとり、
このグラフから単純過酸化50%抑制濃度(IC50)
を求めた。なお、A、Bは3回測定し、それぞれの平均
値を用いた。
【0047】(式2) 単純過酸化抑制率(%)=(1−A/B)×100
【0048】得られた結果を表3に示す。
【0049】 (表3) 試料(化合物名) 単純過酸化50%抑制濃度(IC50) 石胡ずい抽出物 0.055% イチョウ葉エキス 0.1 %以上 WEB2086 0.1 %以上
【0050】表3から明らかなように、本発明に係る石
胡ずい抽出物はより低濃度で過酸化脂質の生成を抑制す
ることが認められた。
【0051】次に、実施例及び比較例に基づいて本発明
を詳説する。
【0052】下記記載の組成のスキンローション及び入
浴剤を、それぞれの調製法に従い調製した。
【0053】 実施例1〜3及び比較例1〜2:スキンローション 配合成分 配合量(wt%) (アルコール相) 95%エチルアルコール 15.0 ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 2.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.05 香料 適量 試料(下記記載) 表4記載の量 (水相) グリセリン 5.0 クエン酸ナトリウム 適量 イオン交換水 残余 (合計) 100.0
【0054】 (表4) 試料(化合物名) 配合量(wt%) 実施例1 石胡ずい抽出物 1.0 実施例2 石胡ずい抽出物 0.01 実施例3 石胡ずい抽出物 10.0 比較例1 − − 比較例2 イチョウ葉エキス 1.0
【0055】スキンローションの調製法 水相、アルコール相を調製後、各々均一に溶解し、そし
てその水相とアルコール相とを混合攪拌分散し可溶化を
行い、次いで容器に充填する。使用時には内容物を均一
に振盪分散して使用する。
【0056】上記で調製したスキンローションを用いて
使用試験を行い、皮膚老化防止効果及び美白効果を調べ
た。試験方法は下記に示す通りである。
【0057】(試験方法)80名の女性被験者の顔面を
左右に分け、一方に上記の実施例1〜3、比較例2、他
方に比較例1のスキンローションを毎日2回以上塗布し
てもらい、2ヵ月後下記の判定基準により各評価項目に
ついて評点を出してもらい、評点の合計値により評価し
た。パネルを1群20名にわけて4群とし、実施例1〜
3、比較例2の各スキンローションについて試験を行っ
た。その結果を表5に示す。
【0058】(判定基準) +3:比較例1よりも非常によい +2:比較例1よりもかなりよい +1:比較例1よりもややよい 0:差がない −1:比較例1の方がややよい −2:比較例1の方がかなりよい −3:比較例1の方が非常によい
【0059】 (表5) 評価項目 実施例1 実施例2 実施例3 比較例2 肌荒れ防止 26 18 40 15 肌のつや 29 20 41 16 肌のはり 36 21 44 11 肌の明るさ 30 21 39 10 しわ改善 26 15 35 8
【0060】表5より明らかなように、本発明に係る石
胡ずい抽出物を有効成分として含有するスキンローショ
ンは、肌荒れを防止し、肌のつや、はり、明るさを保
ち、しわを改善する効果に優れ、皮膚老化防止用及び美
白用の皮膚化粧料として用いることができることが明ら
かとなった。
【0061】実施例4:入浴剤 配合成分 配合量(wt%) 硫酸ナトリウム 85.0 香料及び界面活性剤 適量 有機色素 適量 石胡ずい抽出物 10.0 炭酸水素ナトリウム 残量 (合計) 100.0
【0062】入浴剤の調製法 各成分を混合し入浴剤を調製した。なお、この入浴剤は
使用時に約3000倍に希釈される。
【0063】本発明に係るスキンローション及び入浴剤
による発赤や乾燥等の異常は認められなかった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る石胡
ずい(Centipeda minima)から得られ
る抽出物を有効成分として含有する活性酸素消去剤及び
皮膚化粧料は、表皮角質化促進効果と共に活性酸素消去
効果、過酸化脂質生成抑制効果を有し、肌に適用した場
合には、肌荒れを防止し、肌のつや、はり、明るさを保
ち、しわを改善する等、皮膚老化防止効果及び美白用に
優れたものであることは明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AB312 AB352 AC102 AC122 AC302 AC432 AC482 BB47 CC02 CC05 CC25 DD17 DD31 EE12 FF01 FF05 4C088 AB26 BA08 CA03 MA63 ZA89

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石胡ずい(Centipeda min
    ima)より得られる抽出物を含有することを特徴とす
    る活性酸素消去剤。
  2. 【請求項2】 石胡ずい(Centipeda min
    ima)より得られる抽出物を含有することを特徴とす
    る皮膚化粧料。
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