JP5318339B2 - 抗グリケーション用組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
更に、大豆粉等のイソフラボンが含有される組成物を発酵させてヒドロキシイソフラボンを得ようとした場合、配糖体とアグリコンとヒドロキシイソフラボンとの混合物が得られ、この混合物からヒドロキシイソフラボンを分取する必要がある。しかし、特に中間生成物であるアグリコンと、目的物質であるヒドロキシイソフラボンとは構造が近似しており、工業的にこれらを分離することは困難である。このため、上記混合物からヒドロキシイソフラボンのみを分取すること、及びイソフラボン類に対するヒドロキシイソフラボンの濃度を高くすることができない。従って、ヒドロキシイソフラボンを高効率に製造しようとすれば、発酵段階でイソフラボン類全体に対する、特にアグリコンに対するヒドロキシイソフラボンの割合が高い混合物を得る必要がある。しかし、依然としてアグリコンからヒドロキシイソフラボンへの変換を触媒する酵素は知られておらず、ヒドロキシイソフラボンを高濃度に得る方法も知られていない。また、上記特許文献1〜3にはグリケーションについての検討はなされていない。
〈1〉下記化学式(1)〜(5)で表されるヒドロキシイソフラボンのうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする抗グリケーション用組成物。
〈3〉上記発酵は、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾープス属、及びモナスカス属のうちの少なくとも1種の微生物による発酵である上記〈2〉記載の抗グリケーション用組成物。
〈4〉上記イソフラボン含有組成物は、該イソフラボン含有組成物全体に対してイソフラボン配糖体及び/又はイソフラボンアグリコンを合計10質量%以上含有する上記〈2〉又は〈3〉に記載の抗グリケーション用組成物。
〈5〉上記発酵は、液体培養による発酵である上記〈2〉乃至〈4〉のうちのいずれかに記載の抗グリケーション用組成物。
〈6〉イソフラボン配糖体、イソフラボンアグリコン及び上記ヒドロキシイソフラボンのうちの少なくとも該ヒドロキシイソフラボンを含有し、
イソフラボン配糖体、イソフラボンアグリコン及び該ヒドロキシイソフラボンの合計を100質量%とした場合に、該ヒドロキシイソフラボンが25質量%以上含有される上記〈1〉乃至〈5〉のうちのいずれかに記載の抗グリケーション用組成物。
〈7〉上記〈2〉に記載の抗グリケーション用組成物の製造方法であって、
イソフラボン含有組成物を発酵させる発酵工程を備え、
上記イソフラボン含有組成物は、該イソフラボン含有組成物全体に対してイソフラボン配糖体及び/又はイソフラボンアグリコンを合計10質量%以上含有することを特徴とする抗グリケーション用組成物の製造方法。
〈8〉上記発酵は、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾープス属、及びモナスカス属のうちの少なくとも1種の微生物による発酵である上記〈7〉に記載の抗グリケーション用組成物の製造方法。
〈9〉上記発酵は、液体培養による発酵である上記〈7〉又は〈8〉に記載の抗グリケーション用組成物の製造方法。
イソフラボン含有組成物を発酵させて得られた場合は、確実且つ効率よく有効成分を含有させることができる。
発酵をアスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾープス属及びモナスカス属のうちの少なくとも1種の微生物により行った場合は、特に抗グリケーション作用に優れた抗グリケーション用組成物が得られる。
イソフラボン含有組成物がイソフラボン配糖体及び/又はイソフラボンアグリコンを合計10質量%以上含有する場合は、特異的に高濃度にヒドロキシイソフラボンが含有される組成物が得られ、より優れた抗グリケーション効果を得ることができる。
発酵を液体培養で行った場合には、高濃度にヒドロキシイソフラボンが含有される組成物が得られ、更に優れた抗グリケーション効果を得ることができる。
イソフラボン配糖体、イソフラボンアグリコン及びヒドロキシイソフラボンの合計に対してヒドロキシイソフラボンが25質量%以上含有される場合は、特に優れた抗グリケーション効果を得ることができる。
本発明の抗グリケーション用組成物を含有する飲食物用添加剤によれば、的確且つ安全に抗グリケーション作用が得られる。また、穏やかに且つ継続的に使用することができる。
本発明の抗グリケーション用組成物を含有する化粧品組成物によれば、的確且つ安全に抗グリケーション作用が得られる。また、穏やかに且つ継続的に使用することができる。
本発明の抗グリケーション用組成物を含有する化粧品組成物が皮膚外用化粧品組成物である場合は、皮膚外用として的確且つ安全に抗グリケーション作用が得られる。また、穏やかに且つ継続的に使用することができる。
本発明の抗グリケーション用組成物を含有する医薬用組成物によれば、的確且つ安全に抗グリケーション作用が得られる。また、穏やかに且つ継続的に使用することができる。
発酵がアスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾープス属、及びモナスカス属のうちの少なくとも1種の微生物による場合は、より高効率に抗グリケーション用組成物を製造できる。
発酵が液体培養による発酵である場合は、更に高効率に抗グリケーション用組成物を製造できる。
[1]抗グリケーション用組成物
本発明の抗グリケーション用組成物は、下記化学式(1)〜(5)で表されるヒドロキシイソフラボンのうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする。
上記「化合物(2)」は、ゲニステイン(イソフラボン誘導体の1種である)の誘導体であって、8位(A環の8位)炭素にヒドロキシル基を備える化合物である。
上記「化合物(3)」は、グリシテイン(イソフラボン誘導体の1種である)の誘導体であって、8位(A環の8位)炭素にヒドロキシル基を備える化合物である。
上記「化合物(4)」は、ダイゼイン(イソフラボン誘導体の1種である)の誘導体であって、6位(A環の6位)炭素にヒドロキシル基を備える化合物である。
上記「化合物(5)」は、ダイゼイン(イソフラボン誘導体の1種である)の誘導体であって、3’位(B環の3位)炭素にヒドロキシル基を備える化合物である。
また、本抗グリケーション用組成物に含有される上記化合物(1)〜(5)の量は特に限定されず、目的用途により適宜の含有量とすればよいが、化合物(1)〜(5)は合計で1mg以上(好ましくは10mg以上、更に好ましくは20mg以上、通常60mg以下)含有されることが好ましい。含有量が0.1mg未満では十分な抗グリケーション作用を得ることができない場合があるからである。
上記「イソフラボン含有組成物」は、上記イソフラボン類を含有する組成物であるが、通常、イソフラボン配糖体及びイソフラボンアグリコン、特にイソフラボン配糖体が多く含有される。イソフラボン含有組成物に含有されるイソフラボン類の量は特に限定されないが、通常、イソフラボン組成物全体100質量%に対してイソフラボン類が0.1%以上含有されればよいが、10質量%以上含有されることが好ましい。イソフラボン類の含有量が10質量%未満であると発酵により得られる前記化合物(1)〜(5)のイソフラボン類全体に対する割合が過度に少なく十分な抗グリケーション作用を得ることができない場合がある。このイソフラボン類の含有量は10〜100質量%であることが好ましく、25〜99質量%であることがより好ましく、35〜90質量%であることが更に好ましく、40〜80質量%であることが特に好ましい。イソフラボン含有量の上限は特に限定されず、実質的にイソフラボン類のみからなるイソフラボン含有組成物を用いることもできる。
発酵に用いる微生物の種類は安全性が保障されている限り特に限定されず、糸状菌(麹菌等)を用いてもよく、細菌(酵母菌、枯草菌及び乳酸菌等)を用いてもよく、これらを併用してもよい。上記化合物(1)〜(5)を効率的に得ることができるからである。
尚、上記微生物としては、自然的に又はニトロソグアニジン等の化学物質、X線及び紫外線等により人為的な変異手段により生成し、微生物学的性質が変異した変異株も用いることができる。更に、発酵は液体発酵でもよく、固体発酵でもよい。更に、連続発酵でもよく、2種以上の菌株を混合した混合発酵でもよい。
栄養源としては、各種炭素源及び窒素源などを用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。上記炭素源としては、糖類及びデンプン類が挙げられる。即ち、例えば、単糖類(グルコース等)、二糖類(スクロース等)、糖蜜、デンプン(トウモロコシ、馬鈴薯など)等が挙げられる。一方、窒素源としては、イーストエキス、ペプトン、肉エキス、酵母、フィッシュミール、大豆蛋白分解物、カゼイン、アミノ酸、尿素、アンモニウム塩及び硝酸塩等が挙げられる。更に上記炭素源と窒素元素との両方の性質を併せ有する大豆粕、脱脂大豆粉末、コーンスティープリカー等を用いることができる。その他、カリウム塩(酢酸カリウム等)、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩及びリン酸塩等の無機塩類ビタミン類、発育促進剤等を併せて用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
後述するように予め培養した微生物及び麹等を発酵に用いる場合には、上記のうちの栄養源は必ずしも用いる必要はなく、上記pH調整剤及び緩衝剤のうちの少なくとも一方のみを用いて発酵を行うこともできる。一方、それ以外の場合(即ち、微生物を培養している状態で用いる場合)は、通常、上記栄養源やpH調整剤や緩衝剤などを用いる。
また、これらの各種他成分は、培養当初から含有されてもよく、培養の途中で添加して用いてもよい。
これらの処理はいずれも化合物(1)〜(5)に影響しない範囲で行う処理である。
また、抗グリケーション用組成物全体に対する化合物(1)〜(5)の含有割合も特に限定されないが、例えば、化合物(1)〜(5)の合計量を100質量%とした場合に、化合物(1)を10〜50質量%、化合物(2)を10〜50質量%、化合物(3)を10〜30質量%、化合物(4)を0.1〜10質量%、化合物(5)を0.1〜10質量%の割合で含有できる。
このような組成割合においては特に優れた抗グリケーション作用を発揮させることができる。
飲食物及び飲食物用添加剤は、本発明の抗グリケーション用組成物を含有することができる。これらに含まれる上記抗グリケーション用組成物については、前記抗グリケーション用組成物がそのまま適用される。
飲食物に含有される抗グリケーション用組成物の量には特に限定されず、飲食物の種類等により適量を含有できるが、例えば、飲食物全体に、前記化合物(1)〜(5)のうちの少なくとも1種(2種以上の場合には合計量)を1〜100mg、特に10〜20mg含有することが好ましい。上記化合物の含有量が上記範囲内であれば、優れた抗グリケーション作用を発揮させることができる。
飲食物用添加剤に含有される抗グリケーション用組成物の量には特に限定されず、飲食物用添加剤の種類等により適量を含有できるが、例えば、飲食物用添加剤全体を100質量%とした場合に、前記化合物(1)〜(5)のうちの少なくとも1種(2種以上の場合には合計量)を1〜100質量%、特に10〜30質量%含有することが好ましい。上記化合物の含有量が上記範囲内であれば、優れた抗グリケーション作用を発揮させることができる。
化粧品組成物は、本発明の抗グリケーション用組成物を含有することができる。これらに含まれる上記抗グリケーション用組成物については、前記抗グリケーション用組成物がそのまま適用される。
化粧品組成物に含有される抗グリケーション用組成物の量には特に限定されず、化粧品組成物の種類等により適量を含有できるが、例えば、化粧品組成物全体を100質量%とした場合に、前記化合物(1)〜(5)のうちの少なくとも1種(2種以上の場合には合計量)を0.01〜1質量%、特に0.05〜0.2質量%含有することが好ましい。上記化合物の含有量が上記範囲内であれば、優れた抗グリケーション作用を発揮させることができる。
医薬用組成物は、本発明の抗グリケーション用組成物を含有することができる。これらに含まれる上記抗グリケーション用組成物については、前記抗グリケーション用組成物がそのまま適用される。
本発明の抗グリケーション用組成物の製造方法は、イソフラボン含有組成物を発酵させる発酵工程を備え、
上記イソフラボン含有組成物は、該イソフラボン含有組成物全体に対してイソフラボン配糖体及び/又はイソフラボンアグリコンを合計10質量%以上含有することを特徴とする。
更に、上記発酵は、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾープス属、及びモナスカス属のうちの少なくとも1種による発酵であることが好ましく、特に上記発酵は、液体培養による発酵であることが好ましい。
本発明の製造方法における「イソフラボン含有組成物」及び「発酵」等に関しては前記抗グリケーション用組成物において説明した各々をそのまま適用できる。
本製造方法によれば、得られる組成物中に含有されるイソフラボン類(配糖体、アグリコン及びヒドロキシイソフラボン)全体を100質量%とした場合に、上記化合物(1)〜(5)の含有割合を10質量%以上(更には25質量%以上、特に35質量%以上、通常80質量%以下)とすることができる。
(1)前培養
グルコース1質量%、イーストエキス0.5質量%、及び水98.5質量%を混合し、更にpHを5.4に調整し、前培養に用いる培地(前培養培地)を得た。
この前培養培地50mlを三角フラスコ(300mL)に入れ、オートクレーブ内121℃の環境下で20分間滅菌を行った。その後、アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi IAM2210)の胞子を保存用のPDA斜面培地から1白金耳取り出し、上記滅菌を行った前培養培地に植菌した。次いで、振とう培養装置を用いて、回転速度180rpm、温度30℃の環境下で24時間培養を行った。
スクロース1質量%、イーストエキス0.5質量%、イソフラボン素材(即ち、イソフラボン含有組成物)1.6質量%、消泡剤(信越化学工業株式会社製、KM72F)0.04質量%、及び水96.86質量%を混合し、更にpHを5.1に調整し、本培養に用いる培地(本培養培地)を得た。
この本培養培地2.5Lを5Lのジャーファメンターに入れ、オートクレーブ内121℃の環境下で20分間滅菌を行った。その後、上記(1)で培養した培養液50mlを上記滅菌した本培養培地に植菌した。次いで、通気量0.5L/分、撹拌速度300rpm、温度30℃の環境下で72時間培養を行った。
尚、上記イソフラボン素材(即ち、イソフラボン含有組成物)は、ソヤフラボンHG(不二製油株式会社製、イソフラボン類含有量50質量%)0.8質量%と、ソルゲン40{ソルバー・プラント・エクストラクツ社製(Solbar Plant Extracts)、イソフラボン類含有量40質量%以上)}0.8質量%との混合物である。即ち、イソフラボン含有組成物全体を100質量%とした場合のイソフラボン類の合計含有量は45質量%である。
上記(2)の培養を終えた後、ジャーファメンターから培養液約2.4Lを回収し、撹拌羽付きタンクへ投入した。その後、7.5Lのエタノールをこの撹拌羽付きタンクへ更に投入し、25℃の環境下で3時間撹拌し、抽出を行った。その後、得られた抽出液を、ブフナーロートを設置した吸引瓶を用い、5A濾紙介して固液分離した。
次いで、固液分離により得られた抽出液約10Lをエバポレーターで減圧濃縮し、約2Lにまで濃縮した。その後、凍結乾燥法により粉末化し、本発明の抗グリケーション用組成物(イソフラボン発酵物)を24.5g得た。
上記(3)までに得られた粉末をエタノール水溶液(水溶液全体に対してエタノール70質量%)に溶解して上記(3)で得られた粉末の濃度が1mg/mLとなるHPLC測定用液を調製した。このHPLC測定用液をフィルター濾過(フィルターサイズ0.45nm)し、下記条件の高速液体クロマトグラフ測定に供した。得られたチャートとその基データを図1に、更に、結果を表1に示した。尚、濃度算出にあたっては各イソフラボンについて別途作成した検量線より求めた換算係数を用いて算出している。ODIについてはアグリコンの換算係数を用い、アグリコン相当量として算出している。
HPLC条件
カラム;CAPCELL PAC C18 UG120 3.0×150mm
+ガードカラム(ODS)
移動相;A−0.1%ギ酸、B−アセトニトリル、A:B=85:15→30:70
の2段グラジエント
流速 ;0.6mL/分
カラム温度;35℃
注入量;10μL
検出器;SPD−M10A(株式会社島津製作所製)
検出波長;254nm(230〜360nm)
上記(3)までに得られた抗グリケーション用組成物5gをメタノールに溶解して抽出作業を行い、下記条件のODS分取用カラムを用いて分取HPLCを繰り返すことにより、126mgの白色粉末である化合物(1)の分離精製を行った。
分取HPLC条件
カラム;Develosil ODS−15/30 50mm×500mm
移動相;メタノール/水(35:65 v/v)
流速 ;26mL/分
カラム温度;30℃
検出器;SPD−M10A(株式会社島津製作所製)
検出波長;254nm(230〜360nm)
上記(5)で分取された白色粉末を、EI−MS、及び高分解能EI−MSに供した。また、上記(5)で分取された白色粉末をDMSO−d6に溶解し、1H−NMR、13C−NMR、1H−1HCOSY、HMQC及びHMBCに供した。その結果を下記に示す。下記結果からこの化合物は化合物(1)であることが分かる。
EI−MS ; m/z:270(M+),152([M−118]+),118。
1H−NMR ; δH(DMSO−d6):10.28(1H,br.s,OH−8)、9.50(1H,br.s,OH−4’)、9.40(1H,br.s,OH−7)、8.33(1H,s,H−2)、7.48(1H,d,J=8.7Hz,H−5)、7.4(2H,d,J=8.5Hz,H−2’,H−6’)、6.96(1H,d,J=8.7Hz,H−6)、6.82(2H,d,J=8.5z,H−3’,H−5’)。
13C−NMR ; δC(DMSO−d6):175.3(C−4)、157.3(C−4’)、152.7(C−2)、150.1(C−7)、146.9(C−9)、133.0(C−8)、130.3(C−2’,C−6’)、123.1(C−3)、122.8(C−1’)、117.6(C−10)、115.8(C−5)、115.1(C−3’、C−5’)、114.1(C−6)。
HREI−MS ; m/z(M+):Calcd for C15H10O5;270.0528、found:270.0526。
下記成分{蛋白質及び糖(還元糖)}を含有する200mMリン酸緩衝液(pH7.4)0.98mLと下記抗グリケーション用組成物20μLとをエッペンドルフチューブに入れ、37℃の温度下にて5.8日間反応させた。その後、AGEsによる蛍光強度測定を行った。更に、合計12.7日となるようにそのまま反応させて、同様に蛍光強度測定を行った。その結果を表2に示す。また、蛍光強度測定に関する測定条件を下記に示した。
反応液
蛋白質;牛胎仔血清アルブミン20mg/mL、
糖(還元糖);D−フルクトース500mM
抗グリケーション用組成物;上記(5)で分取された白色粉末をDMSOに溶解し、濃度5mM及び濃度1mMに各々調製した液体20μL
測定条件
5.8日間及び12.7日間、各々反応させた反応液を50倍に希釈し、励起波長350nm、蛍光波長425nmにて蛍光強度測定を行った。また、各反応液0.6mLに同量の10%TCA溶液を加えて撹拌し、その後、氷冷して3500rpmで遠心分離して沈殿物と上清とに分離させた。このうちの沈殿物に5%TCA溶液を1.2mL加えて撹拌し、同様の操作を3回繰り返して行い沈殿物に8Mグアニジン塩酸塩溶液を1.8mL加えて、沈殿物を完全に溶解させた後、100倍に希釈して得られた液体についても同様に蛍光強度測定を行った。
上記(3)で得られた抗グリケーション用組成物(イソフラボン発酵物)を用い、上記(7)と同様に抗グリケーション作用を確認した。また、実験例8及び13では上記(3)で得られた抗グリケーション用組成物を70%エタノール水溶液に溶解して1mg/mLの濃度となるように調整して使用した。同様に実験例9及び14では上記(3)で得られた抗グリケーション用組成物を70%エタノール水溶液に溶解して0.5mg/mLの濃度となるように調整して使用した。更に、既知の抗グリケーション作用を有する成分であるアミノグアニジンを陽性対照として用い、同様の濃度として使用した。その結果を表3に示す。
これに対して、実験例8では5.8日で1.3倍及び12.7日で1.9倍、実験例9では5.8日で1.1倍及び12.7日で1.6倍、実験例13では5.8日で1.2倍及び12.7日で1.8倍、実験例14では5.8日で1.5倍及び12.7日で2.9倍であり、いずれも同じ濃度で比べた場合には著しく優れた抗グリケーション作用が認められ、いずれも5〜7倍程度の効果が認められていることが分かる。
Claims (9)
- 下記化学式(1)〜(5)で表されるヒドロキシイソフラボンのうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする抗グリケーション用組成物。
- イソフラボン含有組成物を発酵させて得られた請求項1に記載の抗グリケーション用組成物。
- 上記発酵は、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾープス属、及びモナスカス属のうちの少なくとも1種の微生物による発酵である請求項2記載の抗グリケーション用組成物。
- 上記イソフラボン含有組成物は、該イソフラボン含有組成物全体に対してイソフラボン配糖体及び/又はイソフラボンアグリコンを合計10質量%以上含有する請求項2又は3に記載の抗グリケーション用組成物。
- 上記発酵は、液体培養による発酵である請求項2乃至4のうちのいずれかに記載の抗グリケーション用組成物。
- イソフラボン配糖体、イソフラボンアグリコン及び上記ヒドロキシイソフラボンのうちの少なくとも該ヒドロキシイソフラボンを含有し、
イソフラボン配糖体、イソフラボンアグリコン及び該ヒドロキシイソフラボンの合計を100質量%とした場合に、該ヒドロキシイソフラボンが25質量%以上含有される請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の抗グリケーション用組成物。 - 請求項2に記載の抗グリケーション用組成物の製造方法であって、
イソフラボン含有組成物を発酵させる発酵工程を備え、
上記イソフラボン含有組成物は、該イソフラボン含有組成物全体に対してイソフラボン配糖体及び/又はイソフラボンアグリコンを合計10質量%以上含有することを特徴とする抗グリケーション用組成物の製造方法。 - 上記発酵は、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾープス属、及びモナスカス属のうちの少なくとも1種の微生物による発酵である請求項7に記載の抗グリケーション用組成物の製造方法。
- 上記発酵は、液体培養による発酵である請求項7又は8に記載の抗グリケーション用組成物の製造方法。
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