JP2015209423A - イソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する抗糖化剤 - Google Patents

イソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する抗糖化剤 Download PDF

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雅之 八木
嘉一 米井
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嘉一 米井
和也 三橋
Kazuya Mihashi
和也 三橋
賢則 中島
Masanori Nakajima
賢則 中島
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Abstract

【課題】新たなAGEs生成抑制物質であるイソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する新たな抗糖化剤の提供。【解決手段】イソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する抗糖化剤。【選択図】なし

Description

本発明は、イソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する抗糖化剤に関する。
終末糖化産物AGEs(Advanced Glycation End-products)は、その生成過程に関し
ては未だ不明の点が多いが、生体内において、ブドウ糖などの還元糖とタンパク質との間で糖化反応(メイラード反応)により生成され、通常は、代謝によって体外へ排出されることが知られている。しかし、加齢に伴い代謝速度が遅くなって生体内の各組織に蓄積され、AGEsの受容体と結合することにより、種々の症状を引き起こすといわれている。例えば、皮膚においてAGEsが蓄積すると、肌全体の衰えの一因になり、また、糖尿病患者では、高血糖により生じたAGEsが白内障、動脈硬化、腎機能障害などの合併症を引き起こす。そのため、AGEs生成を抑制する成分や、AGEs分解成分の探索が行われている(特許文献1〜4)。
しかし、AGEs産生抑制剤のような医薬品はまだ開発段階であり、また、従来このような合成化合物には予期せぬ副作用が伴うことが多く、合成医薬品による治療よりは食生活を通じて疾患を予防、抑制、改善及び治療できる機能を持った成分又は食品成分に対する研究が注目されるようになってきた。
一方で、大豆、葛などのマメ科の植物に多く含まれているイソフラボン類は、イソフラボンを基本骨格とする化合物群で、近年の調査により、イソフラボン類が女性ホルモン作用(エストロゲン)や抗酸化作用を有し、イソフラボン類を摂取することにより、乳癌、前立腺癌、骨粗しょう症、高コレステロール血症、心疾患、更年期障害などに対して予防効果があることが明らかとなっている(非特許文献1〜6)。
イソフラボン類は、たとえば大豆内では、主に糖と結合した配糖体の形で、ダイジン(daidzin)、グリシチン(glycitin)、ゲニスチン(genistin)と呼ばれる化合物として存在
しており、さらにマロニル化、アセチル化されているものも存在する。これらの配糖体は、ヒトや動物の体内に入ると消化酵素又は腸内細菌の産生する酵素であるβ−グルコシダーゼ等の働きにより、それぞれダイゼイン(daidzein)、グリシテイン(glycitein)、
ゲニステイン(genistein)となる。これらはイソフラボンアグリコン、アグリコン型イ
ソフラボンなどと呼ばれている。
イソフラボンアグリコンの中でも大豆胚芽由来のイソフラボンアグリコンにはダイゼインが多く含まれており、大豆胚芽由来のイソフラボンアグリコンは抗酸化作用に優れることが知られている(特許文献5)。また、大豆タンパク質に麹菌を接種して生じた製麹生成物に加水して大豆タンパク質中のイソフラボン化合物の配糖体を分解し、イソフラボンアグリコンを多量に含むイソフラボン化合物を生成する方法も知られている(特許文献6)。
更に、大豆イソフラボン類における、上記女性ホルモン作用や抗酸化作用を発揮するための重要な活性本体は、ダイジンが体内で代謝されて、ダイゼインからイソフラバノンアグリコンであるジヒドロダイゼインを経て生成するエクオールに主に由来することが分かってきた。すなわち、大豆内の主なイソフラボン類であるダイジンは、大豆中では糖と結合した配糖体の形で存在するが、この配糖体は、ヒトや動物の体内に入ると消化酵素又は
腸内細菌の産生する酵素であるβ−グルコシダーゼ等の働きにより、ジヒドロダイゼインを経て、O−デスメチルアンゴレンシン又はエクオールへと酵素的に変換され、特に、エクオールはエストロゲン活性が高いことが知られている(非特許文献7及び8)。
特開2012−193174号公報 特開2011−246353号公報 特開2010−248150号公報 特開2003−212749号公報 特開2000−281673号公報 特許第3014145号公報
Adlercreutz, H., The Lancet Oncol., 3, 364-373 (2002) Duncan, A. M. et al., Best Pract. Res. Clin. Endocrinol. Metab., 17, 253-271 (2003) Wu, A. H. et al., Carcinogenesis, 23, 1491-1496 (2002) Yamamoto, S. et al., J. Natl. Cancer Inst., 95,906-913 (2003) Onozawa, M. et al., Jpn. J. Cancer Res., 90, 393-398 (1999) Ridges, L. et al., Asia Pac. J. Clin. Nutr., 10, 204-211 (2001) Schmitt, E. et al., Toxicol. In Vitro, 15, 433-439 (2001) Sathyamoorthy, N. and Wang, T. T., Eur. J. Cancer, 33, 2384-2389 (1997)
これまでイソフラボンアグリコン及びイソフラバノンアグリコンの存在は知られていたが、イソフラボンアグリコン及びイソフラバノンアグリコンがAGEs生成阻害活性を有することは知られていなかった。
本発明は、新たなAGEs生成抑制物質であるイソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する新たな抗糖化剤の提供を課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、新たなAGEs抑制物質であるイソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを用いて上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下に示すとおりである。
〔1〕イソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する抗糖化剤。
本発明によれば、新たなAGEs生成抑制物質であるイソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する新たな抗糖化剤を提供できる。
<1.イソフラボンアグリコン>
本発明に係る抗糖化剤は、イソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する。また、本明細書では、イソフラボンとはイソフラボン骨格を有するイソフラボン
誘導体のことをいい、イソフラボンアグリコンとはイソフラボン配糖体から糖が切り離されたものをいう。イソフラボンアグリコンのことをアグリコン型イソフラボンなどということがある。
本発明に係る抗糖化剤が含有するイソフラボンアグリコンは、例えば、ダイゼイン、6−ヒドロキシダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、ビオカニンA、フォルモネチン、及びクメストロールなどを挙げることができる。このうち、抗糖化作用が高いことから、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインが好ましく、ダイゼイン、グリシテインがより好ましく、グリシテインがさらに好ましい。
このうち、例として、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステインの構造式を以下に示す。
Figure 2015209423
上記イソフラボンアグリコンを得る方法は特段限定されず、大豆発酵物や酪農産物から直接抽出してもよく、後述するように微生物を用いた発酵により生産してもよく、市販されているものを用いてもよい。
大豆発酵物や酪農産物から抽出する場合、その原料は特段限定されないが、納豆、臭豆腐、味噌、醤油、卵や、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどが挙げられる。該原料は、いずれか1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。該天然物からの抽出方法及び抽出条件は特段限定されず、常法従えばよい。例えば、水抽出、熱水抽出、温水抽出、アルコール抽出、超臨界抽出等の公知の抽出方法を用いることができる。
溶媒抽出を行う場合、溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール等の低級アルコールや、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール等のアルコール類(無水、含水の別を問わない);アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン等が挙げられ、好ましくは水、エタノール等である。これらの溶媒は、いずれか1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
微生物を用いて発酵により生産する場合、例えば、特開2012−135219号公報に記載にされているように、大豆胚芽に麹菌を加え発酵させ、得られた発酵大豆胚芽から抽出するなどの公知の方法を用いることができる。
得られた抽出物をそのままの状態で使用することもできるが、乾燥させて粉末状のものを用いてもよい。また、必要に応じて得られた抽出物に精製、濃縮処理等を施してもよい。精製処理としては、濾過又はイオン交換樹脂や活性炭カラム等を用いた吸着、脱色といった処理を行うことができる。また、濃縮処理としては、エバポレーター等の常法を利用できる。
また、得られた抽出物(又は精製処理物若しくは濃縮物)を凍結乾燥処理に供して粉末化する方法、デキストリン、コーンスターチ、アラビアゴム等の賦形剤を添加してスプレードライ処理により粉末化する方法等、公知の方法に従って粉末化してもよい。さらにその後に、必要に応じて純水、エタノール等に溶解して用いてもよい。
市販のイソフラボンアグリコンとしては、例えば、AglyMax−30(ニチモウバイオテックス社製)などを挙げることができる。また、ダイゼインであればLKT Laboratories社製、ゲニステイン、グリシテインであれば和光純薬工業社製などを挙げることができる。
<2.イソフラバノンアグリコン>
本発明に係る抗糖化剤は、イソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する。また、本明細書では、イソフラバノンとはイソフラバノン骨格を有するイソフラバノン誘導体のことをいい、イソフラバノンアグリコンとはイソフラバノン配糖体から糖が切り離されたものをいう。イソフラバノンアグリコンのことをアグリコン型イソフラバノンなどということがある。
本発明に係る抗糖化剤が含有するイソフラバノンアグリコンは、例えば、ジヒドロダイゼイン、ジヒドログリシテイン、ジヒドロゲニステインなどを挙げることができる。このうち、抗糖化作用が高いことから、ジヒドロダイゼインがより好ましい。
ジヒドロダイゼイン、ジヒドログリシテイン、ジヒドロゲニステインの構造式を以下に示す。
Figure 2015209423
上記イソフラバノンアグリコンを得る方法は特段限定されず、微生物を用いた発酵により生産してもよく、市販されているものを用いてもよい。
微生物を用いて発酵により生産する方法として、例えば、イソフラバノンアグリコンがジヒドロダイゼインである場合には、例えば、特開2014−054234号公報に記載にされているように、イソフラボン類及びデキストリンを含む培地でアサッカロバクター(Asaccharobacter)属に分類される嫌気性微生物などを培養し、発酵により生成された
ジヒドロダイゼインを分離精製するなどの公知の方法を用いることができる。
得られた抽出物をそのままの状態で使用することもできるが、乾燥させて粉末状のものを用いてもよい。また、必要に応じて得られた抽出物に精製、濃縮処理等を施してもよい。精製処理としては、濾過又はイオン交換樹脂や活性炭カラム等を用いた吸着、脱色といった処理を行うことができる。また、濃縮処理としては、エバポレーター等の常法を利用できる。
また、得られた抽出物(又は精製処理物若しくは濃縮物)を凍結乾燥処理に供して粉末化する方法、デキストリン、コーンスターチ、アラビアゴム等の賦形剤を添加してスプレードライ処理により粉末化する方法等、公知の方法に従って粉末化してもよい。さらにその後に、必要に応じて純水、エタノール等に溶解して用いてもよい。
一方で、市販のイソフラバノンアグリコンを用いてもよく、ジヒドロダイゼインであればDaicel Chiral Technologies China社製などを挙げることができる。
<3.抗糖化剤>
本発明は上述したイソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する抗糖化剤である。本発明に係る抗糖化剤は、イソフラボンアグリコン及びイソフラバノンアグリコンのうち一種を含有してもよく、複数種を含有してもよい。
本発明に係る抗糖化剤は、AGEsの生成に至るまでに、3−デオキシグルコソン(3DG)、グリオキサール(GO)、グリコアルブミン(GA)、メチルグリオキサール(MG)、カルボキシメチルリジン(CML)、カルボキシメチルアルギニン(CMA)、ペントシジン、ピラリン等の中間体が生成するので、それらの中間体を抑制したり、AGEsへの結合またはAGEsの生成を阻害することにより、体内でのAGEsの蓄積を抑制することができる。
このことから、本発明に係る抗糖化剤は、化粧料や医薬品、食品に用いられ、特に化粧料や食品として好ましく用いられる。
本発明に係る抗糖化剤は、イソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを単独で、又は両者のみで使用することもできるが、上記成分以外に公知の賦形剤、香料、着色料、乳化剤、安定化剤、増粘剤、酵素、防腐剤、滑沢剤、界面活性剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、結合剤、吸収促進剤、吸着剤、保湿剤、可溶化剤、保存剤、風味剤、甘味剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合することができる。
抗糖化剤全量に対する上記イソフラボンアグリコン及びイソフラバノンアグリコンの含有量は、本発明の所望の効果が奏される限り特に限定されないが、イソフラボンアグリコン及びイソフラバノンアグリコンの総量が、通常0.0001〜30質量%であり、好ましくは0.001〜20質量%であり、より好ましくは0.001〜10質量%である。
<4.化粧料>
本発明に係る抗糖化剤を化粧料の素材として用いる場合、該抗糖化剤を水溶液、ローション、スプレー液、懸濁液および乳化液などの液状;粉末、顆粒およびブロック状などの固体状;クリームおよびペーストなどの半固体状;ゲル状等の各種所望の剤形の化粧料に調製することができる。このような化粧料は、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧料、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧料、毛髪化粧料、ボディ化粧料等の各種化粧料として有用である。本発明に係る抗糖化剤を含む化粧料は、特に、美白用、ニキビ改善用、しわ改善用などの皮膚改善化粧品として使用される。
本発明に係る抗糖化剤を含有する化粧料は、常法に従って製造することができる。また、化粧料への抗糖化剤の配合量、配合方法、配合時期は適宜選択することができる。さらに、必要に応じて、瓶、袋、缶、スプレー缶、噴霧容器、箱、パック等の適宜の容器に封入することができる。
本発明に係る抗糖化剤を化粧料の素材として用いる場合、化粧料全量に対する上記抗糖化剤の含有量は、本発明の所望の効果が奏される限り特に限定されないが、イソフラボンアグリコン及びイソフラバノンアグリコンの総量として、通常0.00005〜10質量%であり、好ましくは0.0001〜10質量%であり、より好ましくは0.0001〜5質量%である。
<5.医薬品>
本発明に係る抗糖化剤を医薬品の素材として用いる場合、その剤形は、予防または治療しようとする疾患や医薬品の使用形態、投与経路等に応じて選択することができる。例えば、錠剤、被覆錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤、坐剤、浸剤、煎剤、チンキ剤等が挙げられる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に対して必要に応じて充填剤、増量剤、賦形剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医
薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤化することができる。また、この医薬製剤中に着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させてもよい。
本発明の抗糖化剤は、乳癌、前立腺癌、骨粗しょう症、心疾患、更年期障害の予防や治療のために使用することができる。
本発明に係る抗糖化剤を医薬品の素材として用いる場合、医薬品全量に対する上記抗糖化剤の含有量は、本発明の所望の効果が奏される限り特に限定されないが、イソフラボンアグリコン及びイソフラバノンアグリコンの総量として、通常0.001〜30質量%であり、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。
<6.食品>
本発明に係る抗糖化剤を食品の素材として用いる場合、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品、食品添加物等として使用できる。食品の形態としては、本発明に係る抗糖化剤を含む清涼飲料、ミルク、プリン、ゼリー、飴、ガム、グミ、ヨーグルト、チョコレート、スープ、クッキー、スナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンデー、パン、ケーキ、シュークリーム、ハム、ミートソース、カレー、シチュー、チーズ、バター、ドレッシング等を例示することができる。
本発明に係る抗糖化剤は、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を主成分として使用することができる。タンパク質としては、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、及びこれらの加水分解物、バターなどが挙げられる。糖質としては、糖類、加工澱粉(デキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維などが挙げられる。脂質としては、例えば、ラード、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂などが挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタ
ミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、
パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられ、ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレン、乳清ミネラルなどが挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などが挙げられる。これらの成分は、2種以上を組み合わせて使用してもよく、合成品及び/又はこれらを多く含む食品を用いてもよい。
本発明に係る抗糖化剤を含有する食品は、常法に従って製造することができる。また、食品への抗糖化剤の配合量、配合方法、配合時期は適宜選択することができる。さらに、必要に応じて、瓶、袋、缶、箱、パック等の適宜の容器に封入することができる。
本発明に係る抗糖化剤を食品の素材として用いる場合、食品全量に対する上記抗糖化剤の含有量は、本発明の所望の効果が奏される限り特に限定されないが、イソフラボンアグリコン及びイソフラバノンアグリコンの総量として、通常0.0001〜30質量%であり、好ましくは0.001〜20質量%であり、より好ましくは0.001〜10質量%である。
以下、具体的な実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例では、ダイゼインはLKT Laboratories社製、ゲニステインは和光純薬工業社製、グリシテインは和光純薬工業社製、ジヒドロダイゼインはDaicel Chiral Te
chnologies China社製のものを使用した。
<1.AGEs生成抑制能の測定>
[試験例1]
後述する各終濃度のダイゼイン溶液をそれぞれ添加するために、40mg/mLのヒト血清アルブミン(HSA)水溶液0.2mL、2Mのグルコース水溶液0.1mL、100mM リン酸緩衝液(pH7.4)0.5mLおよび蒸留水0.1mLを混合したものを準備した。一方、ダイゼインが終濃度で0.001、0.01、0.1mg/mLとなるように50%エタノールに溶解した3種類のダイゼイン溶液0.1mLを準備し、それぞれを前記混合液に添加し、60℃で40時間インキュベーションした。その後、この反応液の糖化反応生成物量を、蛍光強度として、測定波長を励起波長370nm、蛍光波長440nmで測定した。
[比較試験例1−1]
上記グルコースを含まない混合液を用いたこと以外は試験例1と同様にしたものを比較試験例1−1とした。
[比較試験例1−2]
上記ダイゼイン溶液の代わりに蒸留水を添加したものを用いたこと以外は、試験例1と同様にしたものを比較試験例1−2とした。
[比較試験例1−3]
また、上記グルコースを含まない混合液を用いたこと以外は比較試験例1−2と同様にしたものを比較試験例1−3とした。
上記の通り、終濃度が0.001、0.01、0.1mg/mLである3種類のダイゼイン溶液を用いた場合の、それぞれの糖化反応阻害率を下記式(1)により算出した。
糖化反応阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100 ・・・(1)
A:試験例1の糖化反応生成物量
B:比較試験例1−1の糖化反応生成物量
C:比較試験例1−2の糖化反応生成物量
D:比較試験例1−3の糖化反応生成物量
横軸に上記ダイゼイン濃度(mg/mL)、縦軸に上記式(1)で算出した各ダイゼイン濃度における糖化反応阻害率(%)とするグラフにおいて近似直線を描き、糖化反応阻害率が50%となるときの濃度(mg/mL)を、糖化反応阻害活性IC50(mg/mL)とした。
[試験例2、比較試験例2−1〜2−3]
試験例1のダイゼイン溶液の代わりに、ゲニステインが終濃度で0.001、0.01、0.1mg/mLとなるように50%エタノールに溶解したゲニステイン溶液0.1mLを用いたこと以外は、試験例1と同様にしたものを試験例2とした。
また、グルコースを含まない混合液を用いたこと以外は試験例2と同様にしたものを比較試験例2−1とし、ゲニステイン溶液の代わりに蒸留水を添加したものを用いたこと以外は試験例2と同様にしたものを比較試験例2−2とし、グルコースを含まない混合液を用いたこと以外は比較試験例2−2と同様にしたものを比較試験例2−3とした。
糖化反応阻害率は、上記式(1)により、上記同様にして算出した。
[試験例3、比較試験例3−1〜3−3]
試験例1のダイゼイン溶液の代わりに、グリシテインが終濃度で0.001、0.01、0.1mg/mLとなるように50%エタノールに溶解したグリシテイン溶液0.1mLを用いたこと以外は、試験例1と同様にしたものを試験例3とした。
また、上記同様に、比較試験例3−1〜3−3を準備して糖化反応阻害率を算出した。
[試験例4、比較試験例4−1〜4−3]
試験例1のダイゼイン溶液の代わりに、ジヒドロダイゼインが終濃度で0.001、0.01、0.1mg/mLとなるように50%エタノールに溶解したジヒドロダイゼイン溶液0.1mLを用いたこと以外は、試験例1と同様にしたものを試験例4とした。
また、上記同様に、比較試験例4−1〜4−3を準備して糖化反応阻害率を算出した。
表1にそれぞれの糖化反応阻害率を示す。表1より、ダイゼイン、ゲニステイン、およびグリシテインのいずれのイソフラボンアグリコンも、またイソフラバノンアグリコンの一種であるジヒドロダイゼインも、糖化反応生成物の生成抑制作用を有することが確認された。
Figure 2015209423
<2.官能試験>
(1)化粧クリームの官能試験
[実施例1、比較例1]
表2に記載の処方に基づいて調製したクリームを用いて官能試験を実施した。
Figure 2015209423
[実施例2〜4]
実施例1のダイゼインに代えて、ゲニステイン、グリシテイン、ジヒドロダイゼインとしたこと以外は実施例1と同様に調製したものを、それぞれ実施例2〜4とした。
パネラーは、小じわや皮膚のハリが気になると自覚する40代の女性パネラー7名で、1日2回朝夕洗顔後、右目尻周辺には実施例のクリームを、また左目尻周辺には比較例1のクリームを3週間使用した。その後、触診で両目尻の皮膚表面の「滑らかさ」および「ハリのよさ」を比較した。その結果を表3に示す。
Figure 2015209423
表3の結果より、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインまたはジヒドロダイゼイン溶液を含む実施例1〜4のクリームを使用することで、目尻の皮膚表面の「滑らかさ」および「ハリのよさ」が改善されることが分かった。
(2)化粧ローションの官能試験
[実施例5、比較例2]
表4に記載の処方に基づいて調製した化粧ローションを用いて官能試験を実施した。
Figure 2015209423
[実施例6〜8]
実施例5のダイゼインに代えて、ゲニステイン、グリシテイン、ジヒドロダイゼインとしたこと以外は実施例5と同様に調製したものを、それぞれ実施例6〜8とした。
パネラーは、小じわや皮膚のハリが気になると自覚する40代の女性パネラー7名で、1日2回朝夕洗顔後、顔右半分には実施例のローションのみを適量使用、また、顔左半分には比較例2のローションのみを同量使用した。1か月経過後、触診で左右のほほの皮膚表面の「滑らかさ」および「ハリのよさ」を比較した。その結果を表5に示す。
Figure 2015209423
表5の結果より、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインまたはジヒドロダイゼイン溶液を含む実施例5〜8のローションを使用することで、ほほの皮膚表面の「滑らかさ」
や「ハリのよさ」が改善されることが分かった。
本発明は、化粧料や医薬、食品等の製剤技術に適用できる。

Claims (1)

  1. イソフラボンアグリコン又はイソフラバノンアグリコンを含有する抗糖化剤。
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