JP2015209416A - 新規終末糖化産物生成抑制物質 - Google Patents

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賢則 中島
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Abstract

【課題】新たな終末糖化産物生成抑制物質の提供。
【解決手段】大豆又は大豆由来発酵食品から得られるゲルろ過クロマトグラフィー分析による分子量が189〜1296の化合物。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規終末糖化産物生成抑制物質に関する。
終末糖化産物(Advanced Glycation End-products;本明細書では、AGEsと称する
ことがある。)は、その生成過程に関しては未だ不明の点が多いが、生体内において、ブドウ糖などの還元糖とタンパク質との間で糖化反応(メイラード反応)により生成され、通常は、代謝によって体外へ排出されることが知られている。しかし、加齢に伴い代謝速度が遅くなって生体内の各組織に蓄積され、AGEsの受容体と結合することにより、種々の症状を引き起こすといわれている。例えば、皮膚においてAGEsが蓄積すると、肌全体の衰えの一因になり、また、糖尿病患者では、高血糖により生じたAGEsが白内障、動脈硬化、腎機能障害などの合併症を引き起こす。そのため、AGEs生成を抑制する成分や、AGEs分解成分の探索が行われており、その例として、菱の実抽出物やリンゴ未熟果実抽出物、摘果ブドウ抽出物などが発見されている(特許文献1〜3)。
一方で、大豆、葛などのマメ科の植物に多く含まれているイソフラボン類は、イソフラボンを基本骨格とする化合物群で、近年の調査により、イソフラボン類が女性ホルモン作用(エストロゲン)や抗酸化作用を有し、イソフラボン類を摂取することにより、乳癌、前立腺癌、骨粗しょう症、高コレステロール血症、心疾患、更年期障害などに対して予防効果があることが明らかとなっている(非特許文献1〜6)。
イソフラボン類は、たとえば大豆内では、主に糖と結合した配糖体の形で、ダイジン(daidzin)、グリシチン(glycitin)、ゲニスチン(genistin)と呼ばれる化合物として存在
しており、さらにマロニル化、アセチル化されているものも存在する。これらの配糖体は、ヒトや動物の体内に入ると消化酵素又は腸内細菌の産生する酵素であるβ−グルコシダーゼ等の働きにより、それぞれダイゼイン(daidzein)、グリシテイン(glycitein)、
ゲニステイン(genistein)となる。これらダイゼイン、グリシテインおよびゲニステイ
ンの混合物は、抗糖化作用を有することが知られている(特許文献4)。
特開2014−037399号公報 特開2013−139392号公報 特開2012−116835号公報 特開2012−219014号公報
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本発明は、新たなAGEs生成抑制物質の提供を課題とする。
本発明者らは、新たなAGEs生成抑制物質を探索した結果、AGEs生成を抑制する新たな化合物を発見した。
本発明は以下に示すとおりである。
〔1〕大豆又は大豆由来発酵食品から得られるゲルろ過クロマトグラフィー分析による分子量が189〜1296の化合物。
〔2〕〔1〕に記載の化合物を含有する抗糖化剤。
本発明によれば、AGEs生成を抑制する新たな化合物を提供できる。
本発明の一実施形態におけるゲルろ過クロマトグラムを示す図である。 本発明の一実施形態におけるゲルろ過クロマトグラムを示す図である。
<1.AGEs生成抑制物質>
本発明に係るAGEs生成抑制物質は、大豆又は大豆由来発酵食品から得られるゲルろ過クロマトグラフィー分析による分子量が189〜1296の化合物である。
本発明に係る化合物を得るための原料としては、特段限定されず、例えば、大豆そのものや大豆発酵物、酪農産物が挙げられるが、本発明に係る化合物を多く含むことから、好ましくは大豆発酵物である。
大豆発酵物としては、例えば、麹菌や酵母、納豆菌などで発酵した食品が挙げられるが、このうち好ましくは麹菌や酵母で発酵した大豆発酵物である。麹菌で発酵した大豆発酵物としては、例えば、醤油、味噌、一休寺納豆などが挙げられるが、このうち好ましくは濃口醤油、薄口醤油、白醤油、溜り醤油、豆麹味噌、八丁味噌、一休寺納豆であり、より好ましくは濃口醤油、薄口醤油、八丁味噌、一休寺納豆であり、さらに好ましくは一休寺納豆である。酵母で発酵した大豆発酵物としては、例えば、豆鼓、大豆ヨーグルト、豆乳発酵物、大豆酒などが挙げられるが、このうち好ましくは豆鼓である。
納豆菌で発酵した大豆発酵物としては、特段限定されないが、例えば、丸大豆納豆やひきわり納豆などが挙げられる。酪農産物としては、特段限定されないが、例えば、卵、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどが挙げられる。
なお、上記原料は、いずれか1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記原料から本発明に係る化合物を含む抽出物を抽出する方法及びその条件は、特段限定されないが、例えば、水抽出、熱水抽出、温水抽出、アルコール抽出、超臨界抽出等の公知の抽出方法を用いることができる。また、醤油などを原料に用いる場合には、原料をそのまま用いて抽出してもよい。
溶媒抽出を行う場合、溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール等の低級アルコールや、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール等のアルコール類(無水、含水の別を問わない);アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン等が挙げられ、好ましくは水、エタノール等である。これらの溶媒は、いずれか1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
得られた抽出物から、本発明に係る化合物を精製する方法は、特段限定されないが、限外ろ過や、ゲルろ過、イオン交換樹脂、活性炭カラム等を用いた吸着、脱色といった常法が挙げられる。また、必要に応じて濃縮してもよい。濃縮処理としては、エバポレーター等の常法を利用できる。
得られた抽出物(又は精製物若しくは濃縮物)は、そのままの状態で使用することもできるが、乾燥させて粉末状のものを用いてもよく、凍結乾燥処理に供して粉末化する方法や、デキストリン、コーンスターチ、アラビアゴム等の賦形剤を添加してスプレードライ処理により粉末化する方法等、公知の方法に従って粉末化してもよい。さらにその後に、必要に応じて純水、エタノール等に溶解して用いてもよい。
<2.抗糖化剤>
本発明の一実施態様は、本発明に係る化合物を含む抗糖化剤である。本実施態様に係る抗糖化剤は、AGEsの生成に至るまでに、3−デオキシグルコソン(3DG)、グリオキサール(GO)、グリコアルブミン(GA)、メチルグリオキサール(MG)、カルボキシメチルリジン(CML)、カルボキシメチルアルギニン(CMA)、ペントシジン、ピラリン等の中間体が生成するので、それらの中間体を抑制したり、AGEsへの結合またはAGEsの生成を阻害することにより、体内でのAGEsの蓄積を抑制することができる。
このことから、抗糖化剤は、化粧料や医薬品、食品に用いられ、特に化粧料や食品として好ましく用いられる。
本実施態様に係る抗糖化剤は、本発明に係る化合物を単独で使用することもできるが、上記成分以外に公知の賦形剤、香料、着色料、乳化剤、安定化剤、増粘剤、酵素、防腐剤、滑沢剤、界面活性剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、結合剤、吸収促進剤、吸着剤、保湿剤、可溶化剤、保存剤、風味剤、甘味剤等を、本実施態様の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合することができる。
本実施態様に係る抗糖化剤全量に対する本発明に係る化合物の含有量は、本実施態様の所望の効果が奏される限り特に限定されないが、本発明に係る化合物として、通常0.0001〜30質量%であり、好ましくは0.001〜20質量%であり、より好ましくは0.001〜10質量%である。
<3.化粧料>
本実施態様に係る抗糖化剤を化粧料の素材として用いる場合、該抗糖化剤を水溶液、ローション、スプレー液、懸濁液および乳化液などの液状;粉末、顆粒およびブロック状などの固体状;クリームおよびペーストなどの半固体状;ゲル状等の各種所望の剤形の化粧料に調製することができる。このような化粧料は、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧料、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧料、毛髪化粧料、ボディ化粧料等の各種化粧料として有用である。本実施態様に係る抗糖化剤を含む化粧料は、特に、美白用、ニキビ改善用、しわ改善用などの皮膚改善化粧品として使用される。
本実施態様に係る抗糖化剤を含有する化粧料は、常法に従って製造することができる。また、化粧料への抗糖化剤の配合量、配合方法、配合時期は適宜選択することができる。さらに、必要に応じて、瓶、袋、缶、スプレー缶、噴霧容器、箱、パック等の適宜の容器に封入することができる。
本実施態様に係る抗糖化剤を化粧料の素材として用いる場合、化粧料全量に対する抗糖化剤の含有量は、本実施態様の所望の効果が奏される限り特に限定されないが、本発明に係る化合物として、通常0.00005〜10質量%であり、好ましくは0.0001〜
10質量%であり、より好ましくは0.0001〜5質量%である。
<4.医薬品>
本実施態様に係る抗糖化剤を医薬品の素材として用いる場合、その剤形は、予防または治療しようとする疾患や医薬品の使用形態、投与経路等に応じて選択することができる。例えば、錠剤、被覆錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤、坐剤、浸剤、煎剤、チンキ剤等が挙げられる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に対して必要に応じて充填剤、増量剤、賦形剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤化することができる。また、この医薬製剤中に着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させてもよい。
本実施態様の抗糖化剤は、乳癌、前立腺癌、骨粗しょう症、心疾患、更年期障害の予防や治療のために使用することができる。
本実施態様に係る抗糖化剤を医薬品の素材として用いる場合、医薬品全量に対する抗糖化剤の含有量は、本実施態様の所望の効果が奏される限り特に限定されないが、本発明に係る化合物として、通常0.001〜30質量%であり、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。
<5.食品>
本実施態様に係る抗糖化剤を食品の素材として用いる場合、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品、食品添加物等として使用できる。食品の形態としては、本実施態様に係る抗糖化剤を含む清涼飲料、ミルク、プリン、ゼリー、飴、ガム、グミ、ヨーグルト、チョコレート、スープ、クッキー、スナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンデー、パン、ケーキ、シュークリーム、ハム、ミートソース、カレー、シチュー、チーズ、バター、ドレッシング等を例示することができる。
本実施態様に係る抗糖化剤は、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を主成分として使用することができる。タンパク質としては、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、及びこれらの加水分解物、バターなどが挙げられる。糖質としては、糖類、加工澱粉(デキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維などが挙げられる。脂質としては、例えば、ラード、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂などが挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられ、ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレン、乳清ミネラルなどが挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などが挙げられる。これらの成分は、2種以上を組み合わせて使用してもよく、合成品及び/又はこれらを多く含む食品を用いてもよい。
本実施態様に係る抗糖化剤を含有する食品は、常法に従って製造することができる。また、食品への抗糖化剤の配合量、配合方法、配合時期は適宜選択することができる。さらに、必要に応じて、瓶、袋、缶、箱、パック等の適宜の容器に封入することができる。
本実施態様に係る抗糖化剤を食品の素材として用いる場合、食品全量に対する抗糖化剤の含有量は、本実施態様の所望の効果が奏される限り特に限定されないが、本発明に係る化合物として、通常0.0001〜30質量%であり、好ましくは0.001〜20質量
%であり、より好ましくは0.001〜10質量%である。
以下、具体的な実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<1.原料の調製>
表1に記載する調製方法により、原料である大豆又は大豆由来発酵食品を熱水抽出して、又は、原料によっては原液をそのまま用いて試料1〜11とした。熱水抽出は、各原料を65℃の温風で20時間乾燥させて粉砕した乾燥粉末2.0gに対して、蒸留水40mL加え、80℃の恒温槽で1時間インキュベートし抽出した。各原料の原液または熱水抽出液の濃度(固形分濃度)は、各サンプル溶液を5mLずつアルミトレイに入れ、120℃のインキュベータ内に2時間静置して水分を蒸発させた後の固形分重量を測定して算出した。なお、表1の大豆由来発酵食品を原料とした試料1〜10には発酵菌を併記しているが、これは原料の発酵に関与した発酵菌のことである。
原料の入手先は以下のとおりである。
濃口醤油:キッコーマン株式会社
薄口醤油:ヒガシマル醤油株式会社
白醤油:盛田株式会社
溜り醤油:海の精株式会社
豆麹味噌:株式会社 田辺宗
八丁味噌:株式会社 田辺宗
一休寺納豆:酬恩庵 一休寺
豆鼓:丸成商事株式会社
丸大豆納豆:あづま食品株式会社
ひきわり納豆:あづま食品株式会社
大豆:下出豆腐店
<2.試料1〜11のAGEs生成抑制能測定>
[試験例1]
後述する固形分重量を用いた各終濃度の試料1溶液をそれぞれ添加するために、40mg/mLのヒト血清アルブミン(HSA)水溶液200μL、2Mのグルコース水溶液200μL、および100mMのリン酸緩衝液(pH7.4)500μLを混合したものを準備した。一方、試料1が固形分重量を用いた終濃度で0.1mg/mL、1mg/mL、10mg/mLとなるように50%エタノール水溶液に溶解した3種類の試料1溶液100μLを準備し、それぞれを前記混合液に添加し、60℃で40時間インキュベーションした。その後、この反応液の糖化反応生成物量を、蛍光強度として、励起波長370nm、蛍光波長440nmで測定した。
[比較試験例1−1]
上記グルコースを含まない混合液を用いたこと以外は試験例1と同様にしたものを比較試験例1−1とした。
[比較試験例1−2]
上記試料1の溶液の代わりに蒸留水を添加したものを用いたこと以外は、試験例1と同様にしたものを比較試験例1−2とした。
[比較試験例1−3]
また、上記グルコースを含まない混合液を用いたこと以外は比較試験例1−2と同様にしたものを比較試験例1−3とした。
糖化反応阻害率は下記式(1)により算出した。
糖化反応阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100 ・・・(1)
A:試験例1の糖化反応生成物量
B:比較試験例1−1の糖化反応生成物量
C:比較試験例1−2の糖化反応生成物量
D:比較試験例1−3の糖化反応生成物量
横軸に上記試料1の濃度(mg/mL)、縦軸に上記式(1)で算出した試料1の各濃度における糖化反応阻害率とするグラフにおいて近似直線を描き、糖化反応阻害率が50%となるときの濃度(mg/mL)を、糖化反応阻害活性IC50(mg/mL)とした。
[試験例2〜11、比較試験例2−1〜11〜3]
試験例1の試料1の代わりに、試料2を用いたこと以外は、試験例1と同様にしたものを試験例2とした。
また、グルコースを含まない混合液を用いたこと以外は試験例2と同様にしたものを比較試験例2−1とし、試料2の代わりに蒸留水を添加したものを用いたこと以外は試験例2と同様にしたものを比較試験例2−2とし、グルコースを含まない混合液を用いたこと以外は比較試験例2−2と同様にしたものを比較試験例2−3とした。
糖化反応阻害率は、上記式(1)により、上記同様にして算出し、試料1の場合と同様に糖化反応阻害活性IC50(mg/mL)を求めた。
また、試料3〜11についても、上記同様にして糖化反応阻害率を算出した。
尚、試料3については試験例3、比較試験例3−1〜3−3とし、試料4については試験例4、比較試験例4−1〜4−3とし、試料5〜11についても同様にして試験例番号、比較試験例番号を付与するものとする。
また、試料が抽出物の場合、終濃度が試料換算で、0.1、1、10mg/mLとなるように50%エタノールに溶解した。
表1に各試料の糖化反応阻害活性IC50(mg/mL)を示す。IC50の値が小さい方が、糖化反応阻害活性が高いことを示している。
Figure 2015209416
<3.ゲルろ過クロマトグラフィー>
[試験例12]
試料7(原料:一休寺納豆)、試料8(原料:豆鼓)から、限外ろ過膜(Amicon Ultra−0.5mL 30K、Millipore)を用いて、たんぱく質を除去後、ゲルろ過カラム(Superdex Peptide HR 10/30, GE HealthCare)を用いて、分画を行った。活性画分の溶出は、0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)を用いた。分子量マーカーとしてはチトクロムC(分子量:12384)、インスリンB(分子量:3496)、アンギオテンシン(分子量:1296)、グリシルグリシルグリシン(分子量:189)、グリシン(分子量:75)を使用し、およその分子量を算出した。試料7(原料:一休寺納豆)、試料8(原料:豆鼓)のゲルろ過クロマトグラムを、それぞれ図1、図2に示す。
<4.AGEs生成抑制能測定>
[試験例13]
AGEs生成抑制能測定は、40mg/mLのヒト血清アルブミン(HSA)水溶液200μL、2Mのグルコース水溶液200μL、および100mM リン酸緩衝液(pH7.4)500μLを混合した。この混合液に試料7のゲルろ過画分を100μL添加し、60℃で40時間インキュベーションした。その後、この反応液の糖化反応生成物量を、蛍光強度として、励起波長370nm、蛍光波長440nmで測定した。
[比較試験例13−1〜13−3]
また、グルコースを含まない混合液を用いたこと以外は試験例13と同様にしたものを比較試験例13−1とし、試料7の代わりに蒸留水を添加したものを用いたこと以外は試験例13と同様にしたものを比較試験例13−2とし、グルコースを含まない混合液を用いたこと以外は比較試験例13−2と同様にしたものを比較試験例13−3とした。
糖化反応阻害率は、上記式(1)により、上記同様にして算出した。
[試験例14、比較試験例14−1〜14−3]
試料8についても、上記同様にして糖化反応阻害率を算出した。
各試料のAGEs生成抑制能は図1及び図2に示す通りであり、最も抗糖化活性の高い画分は、分子量が189〜1296と見積もられる画分であった。
本発明は、化粧料や医薬、食品等の製剤技術に適用できる。

Claims (2)

  1. 大豆又は大豆由来発酵食品から得られるゲルろ過クロマトグラフィー分析による分子量が189〜1296の化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物を含有する抗糖化剤。
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