JP6326611B2 - Cma生成阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の植物を利用してなるカルボキシメチルアルギニンの生成阻害剤及びその利用に関する。
生体内で起こる糖化(グリケーション)とは、生体を構成するタンパク質のアミノ基とグルコース等の還元糖のカルボニル基とが非酵素的に反応することである。グリケーションの初期段階は、タンパク質、ペプチドやアミノ酸等のアミノ基と還元糖のカルボニル基とが不可逆的な反応により、シッフ塩基を形成した後、アマドリ転移を受けて安定的なアマドリ化合物を生じる化学反応である。アマドリ化合物の一般的な物質として、ヘモグロビンA1C、糖化アルブミンがある。生成したアマドリ化合物は糖化の後期段階において、酸化、脱水、縮合等の様々な化学反応を経て糖化最終産物(AGEs)が形成される。
生体内で生成されるAGEsとして、ピロリジン、ペントシジン、カルボキシメチルリジン、カルボキシメチルアルギニン(以下、CMAと略記する。)等の10種類以上が同定されている。その中でも、CMAはコラーゲンに特異的に蓄積することが知られている。
コラーゲンは皮膚、血管、骨、腱、靱帯、歯等の構成タンパク質の一種で、体内の全タンパク質の約30%を占めている。生体内では線維状の構造をとり、結合組織に対して力学的な強度や弾力を与えることに役立っているが、AGEsが蓄積したコラーゲンでは、コラーゲン線維の架橋形成により、上記のようなコラーゲンの本来の機能が低下する。さらに、皮膚コラーゲンにおけるCMAの蓄積は、繊維芽細胞のアポトーシスを誘導することが明らかにされており、皮膚の老化との関連性が示唆されている(非特許文献1)。また、CMAは、コラーゲンが構成要素として存在する骨、軟骨、血管壁、腱、靱帯、脳にも蓄積すると考えられ、骨粗鬆症等の骨疾患、変形性関節症やリウマチ等の関節疾患及びロコモティブシンドローム、高血圧や動脈硬化等の血管疾患、認知症等の脳機能疾患等にも関与している可能性がある。
CMAの生成を阻害する観点から、これまでにルチン、クエルセチンやカテキン等(特許文献1)、ブドレジャアキシラリス葉抽出物(特許文献2)等の摂取及び皮膚への塗布が提案されている。
しかしながら、これら成分や抽出物が有する生理作用を生体内で発現させるためには、多量に摂取する必要があったり、長期に渡り摂取したとしても、個人によっては効果が明確ではなかった。また、化粧料や外用剤に配合して皮膚に塗布した場合、経皮吸収の点で難点があり、実用面において有効性を発現し得るものは数少なかった。更には、併用する原料や成分によっては実用製品の色調、風味、物性等に影響を及ぼし、安定性や使用面、コスト面等の点でも必ずしも満足できるものではなかったのが実情である。したがって、前記CMAの生成を阻害し得る実効性のある素材が求められていた。
ところで、ツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分は皮膚の繊維芽細胞増殖促進、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸産生増強、及び/又は、老化防止のために利用できること(特許文献3)、また、ツバキ種子脱脂物の抽出物を配合した化粧料(特許文献4)が提案されている。さらには、ツバキの種子の水性成分の摂取により、血流が促進・改善されることが提案されている(特許文献5)。しかし、これらにはCMAの生成阻害についての記載は見当たらない。
特開2009−96731号公報 特開2011−102270号公報 特開2008−137998号公報 特公平6−693号公報 特開2010−265251号公報
Shimasaki S.等、Anti−Aging Medicine、第8巻、第82−87頁、2011年
本発明は、コラーゲンに特異的に蓄積するCMAの生成を防止して、コラーゲンの変性を抑制するCMA生成阻害剤を開発し、更に該剤を有効活用することができる方法を提供することを課題とした。
前記課題を解決するために、本発明者らは、CMAの生成を抑制又は阻害するための多種多様な素材について鋭意検討を重ねた結果、特定の植物を用いると極めて高いCMA生成阻害効果が発現されること、また、これを飲食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、動物飼料等の産業分野において有効活用し得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明の特徴は次のとおりである。
(1)ツバキ(Camellia)属ツバキ節に属する植物を有効成分として含有してなるCMA生成阻害剤である。
(2)該剤において、ツバキ(Camellia)属ツバキ節に属する植物が、ヤブツバキ、ユキツバキ、リンゴツバキ、ホウザンツバキ、ホンコンツバキ、ピタールツバキ及び金花茶からなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、その実若しくは種子を水及び/又は親水性有機溶媒で抽出処理して得られる水性成分を含むものであることが望ましい。
(3)前記ツバキの実又は種子は、予め脱脂処理されたものであることが望ましい。
(4)前記ツバキの抽出物はサポニン類を含むものが好ましく、該サポニン類はとりわけカメリアサポニン(Camelliasaponin)A1、カメリアサポニンA2、カメリアサポニンB1、カメリアサポニンB2、カメリアサポニンC1及びカメリアサポニンC2からなる群から選ばれる1種又は2種以上であることが望ましく、少なくともカメリアサポニンB2及び/又はカメリアサポニンC2であることがより望ましい。
(5)前記CMA生成阻害剤は、これを経口で摂取又は皮膚に塗布することにより、皮膚の美容のために利用される。
本発明のCMA生成阻害剤は、ツバキ(Camellia)属ツバキ節に属する植物を有効成分として含有してなるものであり、品質安定性に優れ、コラーゲンに特異的に蓄積するCMAの生成を強く阻害し、コラーゲンの変性を抑制する効果を奏する。このため、本発明のCMA生成阻害剤は、これを飲食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、飼料等の分野において、皺、シミ、たるみ、弾力低下等の皮膚のトラブル、骨粗鬆症等の骨疾患、変形性関節症やリウマチ等の関節疾患及びロコモティブシンドローム、高血圧や動脈硬化等の血管疾患、認知症等の脳機能疾患等を予防、改善あるいは治療するために有効活用することが可能となる。
次に、本発明を実施するための態様について詳細に説明する。
本発明のCMA生成阻害剤はツバキ(Camellia)属ツバキ節に属する植物を有効成分として含有してなることを特徴するものである。ツバキ属に属する植物として、一般に、ツバキ節に属するツバキ(学名:Camellia japonica)等、チャ節に属するチャ(C.sinensis)等、サザンカ節に属するサザンカ(C.sasanqua)等、カワリバツバキ節に属するグランサムツバキ(C.granthamiana)等、ヤナギバサザンカ節に属するヤナギバサザンカ(C.salicifolia)等、ヒメサザンカ節に属するヒメサザンカ(C.lutchuensis)等が知られているが、本発明ではツバキ節に属するものを用いる。この具体例としてヤブツバキ(C.japonica var.japonica)、ユキツバキ(C.japonica subsp.rusticana)、リンゴツバキ(C.japonica var.macrocarpa)、ホウザンツバキ(C.japonica subsp.hozanensis)、ホンコンツバキ(C.hongkongensis)、トウツバキ(C.reticulata)、サルウィンツバキ(C.saluenensis)、ピタールツバキのピタルディー種(C.pitardii var.pitardii)及びユンナン種(C.pitardii var.yunnanica)、金花茶(C.nitidissima)、ヤマツバキ(ヤブツバキと同種)、山茶花(ヤブツバキと同種)、ヤクシマツバキ(リンゴツバキと同種)等を挙げることができる。これらのツバキは日本列島、朝鮮半島、中国山東半島等で自生し又は栽培されているものを適宜に利用すればよい。本発明においては、ヤブツバキ、ユキツバキ、リンゴツバキ、ホウザンツバキ、ホンコンツバキ、ピタールツバキ及び金花茶のうちから選択される1種又は2種以上(以下、これらを単にツバキということがある。)を好適に使用することができる。
本発明においては、前記ツバキの任意の部位(種、芽、花、葉、枝、根等)、より望ましくは実又は種子を原料とし、これを水及び/又は親水性有機溶媒により抽出した水性成分を前記剤の実質的な有効成分として利用する。前記のツバキの実及び/又は種子を圧搾処理、ヘキサンやヘプタン等の疎水性有機溶媒又は液化二酸化炭素、液化プロパン等の液化ガスを用いた超臨界抽出処理等に供して、常法により油分を抽出した残渣である脱脂物を、前記水性成分を採取するための原料とすることが望ましい。ここで、ツバキの実及び/又は種子は早熟実及び成熟実のいずれでもよく、これらの種子を用いてもよいが、脱脂物及び有効成分の収量の点から成熟実又はその種子を用いることが望ましい。より好ましくは種子を用いる。本発明では、成熟実から得られる種子を1〜2週間程度、天日等で乾燥させたものを用いるのがよい。
本発明に係わるツバキの水性成分からなる抽出物の製造方法は任意の方法で製造することができるが、水及び/又は低級アルコールを用いて抽出処理するのが好ましい。低級アルコールは、その炭素数が大きくなると脱脂粕中の油性物質が抽出される傾向が大きくなるため、炭素数が5程度までのものが望ましく、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール等を例示できる。炭素数が大きい低級アルコールを使用する場合は、脱脂粕中の油性成分の抽出を抑制するために含水率を高めるのがよい。例えば、プロパノールの場合の含水率は約20質量%〜約50質量%とし、ブタノールの場合の含水率は約40質量%〜約70質量%とする。望ましい抽出溶媒は水、メタノール及びエタノール、及び、これらの含水アルコール(含水率:0〜100質量%)、より望ましくは水(熱水)である。
抽出処理方法は、使用する溶媒に合わせて常圧〜加圧下で常温〜溶媒の沸点の温度条件下で60分〜2週間程度行えばよい。抽出溶媒としては、一般の植物エキスを製造する際に用いられる公知の溶媒を適宜選択して用いればよく、例えば、水(熱水)、メタノール、エタノール、無水エタノール、ブタノール等の低級アルコール、アセトン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、これらの混合溶媒等がある。なお、本発明のCMA生成阻害剤を食品や化粧品素材として用いる場合、有機溶媒の残留が好ましくない場合等は、特に水や熱水又はエタノール等を選択することが好ましい。これらの溶媒は単独で用いることができ、2種類以上を任意に組み合わせて使用することもできる。最も好適には水(熱水)である。
また、ツバキ抽出物は必要に応じて精製処理を施してもよい。一例として、抽出後に不溶物を濾過して除き、シリカゲル、ケイ酸マグネシウム、イオン交換樹脂、活性アルミナ、セルロース、活性炭等の吸着剤を用いたカラムクロマトグラフィーや溶剤分別等の精製処理を施した精製物のいずれでもよい。さらに、濃縮・乾燥・希釈等して溶液状、ペースト状、ゲル状あるいは粉末状に加工することができる。
本発明のCMA生成阻害剤を食品用途に使用する場合は、ツバキの実又は種子を原料とし、これを水及び/又は親水性有機溶媒により抽出した水性成分とするのが利便性の点から望ましい。また、医薬品や化粧品用途に利用する場合は、前記溶媒や他の親水性有機溶媒を用いて抽出した抽出液、抽出物あるいは高純度の精製物が望ましい。
ツバキ由来の前記抽出物には、カメリアサポニン(camelliasaponin)類(とりわけB2、C2等)やケンフェロール配糖体等のフラボノイド類が含まれている。本発明の所望の効果は、これらの成分あるいはこれらと未同定成分が複合的に関与することに基づいて発現するものと推測される。
前述のようにして得られるツバキ属ツバキ節植物からの抽出物、これに含まれる少なくともカメリアサポニンB2、C2、ケンフェロール配糖体等は、固体状、ペースト状又は液体状の形態となし、これらをそのままCMA生成阻害剤としても良いが、必要に応じて本発明のCMA生成阻害剤が利用される用途における公知の添加物を併用して、常法により含有せしめて組成物として調製することもできる。ここで、公知の添加物は経口摂取するために通常利用されるもの及び外用剤として通常利用されるものが望ましく、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、湿潤剤、流動化剤、保存剤、界面活性剤、安定剤、希釈剤、溶解剤、等張化剤、殺菌剤、防腐剤、矯味剤、矯臭剤、着色剤、香料等の添加物質を使用できる。また、CMA生成阻害作用を有する既知成分やその含有素材を併用してもよい。この具体例としては、ブドレジャアキシラリス葉エキス、ルチン、ケルセチン、カテキン、緑茶エキス、アミノグアニジン及びその塩等を挙げることができる。尚、本発明はこれらの例示によって何ら限定されるものではない。
本発明においては、前述したCMA生成阻害剤をそのままの形態で飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料、化粧品、その他産業分野の様々な製品として利用することができ、あるいは該各種製品の配合原料の一部として使用する態様でも利用できる。とりわけ、CMA生成阻害のための経口組成物となすことが好ましく、この経口組成物の最も好適な態様は飲食品である。この例を以下に述べるが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明のCMA生成阻害剤を経口組成物とする場合の形態は、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤等の経口用製剤となすことが可能である。かかる製剤組成物における前記ツバキ抽出物の含有量は、併用原料の種類や含有量等により一律に規定し難いが、概ね0.01質量%〜90質量%程度、より望ましくは約0.1質量%〜約70質量%である。前記含有量が約0.01質量%を下回ると本発明の所望効果が認められなくなり、約90質量%を超えると実用的な製剤組成物を調製することが難しくなる。本発明のCMA生成阻害剤は、これを望ましくは経口的に摂取又は投与する態様で利用する。経口摂取又は投与する場合の本発明のCMA生成阻害剤の好適な量の目安は、該剤に含まれる前記抽出物ベースで、ヒト成人1日あたり約10mg〜約1,000mg、望ましくは約30mg〜約500mg、更に望ましくは約50mg〜約300mgである。本発明においては、前記剤を経口的に摂取あるいは投与することにより、CMAの生成を阻害し、生体のコラーゲンへのCMAの蓄積による弊害を予防又は解消することが可能になる。したがって、例えば、皮膚組織のコラーゲンの変性や劣化を防止し、肌のシワ、シミやたるみの発生・増加、柔軟性や弾力性の低下を予防するための美容方法としても利用することができる。
飲食品の具体例として、野菜ジュース、果汁飲料、清涼飲料、茶等の飲料類、即席麺、スープ、ゼリー、プリン、ヨーグルト、ケーキプレミックス製品、菓子類、ふりかけ、味噌、醤油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、植物性クリーム、焼肉用たれや麺つゆ等の調味料、麺類、うどん、蕎麦、スパゲッティ、ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食品、ハンバーグ、コロッケ、佃煮、ジャム、牛乳、クリーム、バター、スプレッドやチーズ等の粉末状、固形状又は液状の乳製品、マーガリン、パン、ケーキ、クッキー、チョコレート、キャンディー、グミ、ガム等の各種一般加工食品のほか、粉末状、顆粒状、丸剤状、錠剤状、ソフトカプセル状、ハードカプセル状、ペースト状又は液体状の栄養補助食品、特定保健用食品、機能性食品、健康食品、濃厚流動食や嚥下障害用食品の治療食等を挙げることができる。
医薬品や医薬部外品として利用する場合は、前記剤とともに本発明の趣旨を逸脱しない範囲で薬学的に許容される公知の賦形剤や添加物質を加え、常法により加工して錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等の製剤にする。これを経口服用して、生体のコラーゲンへのCMAの生成を阻害するため、あるいは、CMA蓄積に由来する疾患の予防や治療等のために適用することができる。なお、これら医薬品や医薬部外品に配合される前記剤の含量や投与量は、前述の経口組成物の場合に準じる。
また、前記剤をペットフードや家畜用飼料として利用するには、前述の飲食品の場合と同様に、前記剤を公知の各種餌料や飲用水に配合したり、公知の原材料や添加物質とともに錠剤状、顆粒状、カプセル状等の形態に加工することができる。これらの飼料における前記剤の含量や摂取量は前述の経口組成物の場合とほぼ同様である。
皮膚外用剤や化粧品としても好適に利用することができる。この場合は、前記剤を適宜に通常の皮膚外用剤に利用される公知の添加物質とともに併用して、常法により製造することができる。前記添加物質としては、医薬品、化粧品、トイレタリー製品等に利用されるもののうち本発明の趣旨に反しないものであれば差し支えなく、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、湿潤剤、流動化剤、保存剤、界面活性剤、安定剤、希釈剤、溶解剤、殺菌剤、防腐剤、着色剤、香料等の各種添加物質を使用することができる。本発明の皮膚外用剤や化粧品の形態は、特に制限されず、皮膚や毛髪・頭皮に適用されるもの全般を対象にして、ローション剤,乳剤,ゲル剤,クリーム剤,軟膏等の剤形に加工することができ、具体的には、化粧水、乳液、クリーム、ファンデーション、パック、エッセンス、口紅、洗顔料、シャンプー、リンス、ヘアトニック、ヘアトリートメント等を挙げることができる。また、軟膏、パップ剤、浴用剤、洗浄剤、エアゾル剤等の医薬部外品としてもよい。これらの製品に配合する前記剤の量は、約0,01〜約90質量%、より望ましくは約0.1〜約70質量%である。この範囲を下回ると所望の効果を発現しないことがあり、逆に超過すると皮膚外用品としての剤形を加工し難くなる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。各例において、%、部及び比率はいずれも質量基準である。
製造例1
ヤブツバキ(C.japonica var.japonica:長崎県五島産)の乾 燥種子を粗粉砕して蒸煮後、圧搾して圧搾油を分離した圧搾粕を得、次いで圧搾粕にノルマルヘキサンを加えて常法により抽出処理し、抽出液を分離して抽出粕を得た。この抽出粕をノルマルヘキサンで洗浄して油分を取り除き脱脂粕を採取した。この脱脂粕100gに水800mLを加え、常圧下、80〜85℃に加熱して1時間適宜に撹拌した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度水600mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して抽出物(試料1)16.3gを調製した。この抽出物をHPLC分析した結果、カメリアサポニンB2及びC2、フラボノールの一種であるケンフェロールが含まれていることを確認した。
製造例2
リンゴツバキ(C.japonica var.macrocarpa:鹿児島県屋久島産)の乾燥種子を製造例1に記載の方法で脱脂して脱脂粕を採取した。この脱脂粕100gに水400mLを加え、2気圧の加圧下、120℃で20分間加熱した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度水300mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して抽出物(試料2)18.7gを調製した。この抽出物を製造例1と同様に処理して分析した結果、カメリアサポニンB2及びC2、フラボノールの一種であるケンフェロールが含まれていることを確認した。
製造例3
製造例1に記載の方法で得た脱脂粕100gに含水エタノール(含水率35%)400mLを加え、75〜80℃で1時間加熱還流した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度含水エタノール(含水率35%)300mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して抽出物(試料3)12.6gを調製した。この抽出物を製造例1と同様に処理及び分析した結果、カメリアサポニンB2及びC2、フラボノールの一種であるケンフェロールが含まれていることを確認した。
製造例4
製造例1に記載の方法で得た脱脂粕100gにエタノール(純度99.5%)400mLを加え、約80℃で1時間加熱還流した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度エタノール(純度99.5%)300mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して抽出物(試料4)4.5gを調製した。この抽出物を製造例1と同様に処理し分析した結果、カメリアサポニンB2及びC2、フラボノールの一種であるケンフェロールが含まれていることを確認した。
製造例5
製造例1において、乾燥種子を未熟実(種子を含む実全体)に代えて同様に処理して、脱脂粕を得た後、これから抽出物(試料5)17.5gを調製した。この抽出物を製造例1と同様に処理し分析した結果、カメリアサポニンB2及びC2、フラボノールの一種であるケンフェロールが含まれていることを確認した。
試験例1:CMA生成阻害作用
検体としてツバキ抽出物(試料1〜試料5)を用い、比較対象試料として、AGハーブMIX(アークレイ(株)製、比較試料1)、及び、CMA生成阻害作用が既知のカテキン(ナカライテスク(株)製、比較試料2)を用いてCMA生成阻害作用を試験した。
ツバキ抽出物はリン酸緩衝液(PBS)にて最終濃度0.25、0.5及び1mg/mLになるように調製し、これを試料とした。また、カテキンは最終濃度0.25mg/mLになるように調製し、これを比較試料とした。対照にはPBSを用いた。これらの各試料を遠心チューブに分注し、10mg/mLのゼラチン(和光純薬工業(株)製)、100mg/mLのD−リボース(和光純薬工業(株)製)を含有するようにPBSで調整した溶液を添加し、60℃で1日間反応させた。対照には試料を添加しない試験管を用意し、ブランクとしては、100mg/mLのD−リボースが入っていない試験管を用意した。
反応終了後、各反応溶液をPBSで希釈し、抗CMA抗体(コスモ・バイオ(株)製)を用いたELISA法にてCMA量を測定し、CMA生成阻害率を次の計算式から求めた。
CMA生成阻害率(%)={1−(対照−試料)/(対照−ブランク)}×100
この結果を表1に示した。同表において、数値は同時に実施した対照試験の値を100としたときの相対値で示した。表1から、本発明に係るツバキ抽出物には強いCMA阻害作用が認められ、その効果はカテキンよりも高かった。
Figure 0006326611
試験例2:動物におけるCMA生成阻害作用
糖尿病モデル動物におけるCMA生成阻害作用について以下の方法で試験した。すなわち、5週齢雄性KK−Ayマウス(日本クレア(株)から購入。)を1週間予備飼育した後、1群3匹として、コントロール群、本発明試料(試料1〜試料5)投与群、比較試料2投与群、及び、ツバキ抽出物の製造過程で得られたツバキ油を投与する群に群分けした。各群のマウスに標準飼料(CE−2、日本クレア(株)製)に、それぞれの試料を1%となるように配合した試験飼料を与えて12週間飼育した。
飼育終了後にマウスの背部の皮膚を採取して切片を作成した。その後、エタノール固定、Tris−HClバッファー洗浄、10%ヤギ血清でブロッキングし、ビオチン標識抗CMA抗体、アルカリフォスファターゼ標識ストレプトアジビン、及び、アルカリフォスファターゼ基質染色液を用いて定法に従って免疫染色を行った。
この結果を表2に示した。同表において、CMAの免疫染色の程度で識別を行い、皮膚組織が赤く染色された部分があった場合は+、染色された部分が多い場合は++、さらに染色された部分が非常に多かった場合は+++で表した。尚、染色された部分が非常に少なかった場合は−として表した。表2から、本発明に係るツバキ抽出物はCMAの生成を阻害することを確認した。しかし、ツバキ油にはCMAの生成を阻害する作用は確認されなかった。
Figure 0006326611
試験例3:ヒトモニターによる試験
以下の試験に同意を得たボランティアの成人女性30名(35歳〜55歳、平均年齢:43.5歳)に、1群10名でプラセボ(精製水)塗布群、精製水に1%に溶解した試料1又は比較試料2を塗布する群の3群に分かれてもらい、1日3回、8週間、適量を顔に塗布し、塗布試験の終了時に肌のシワに関するアンケート調査によって評価を行った。
この結果、プラセボ塗布群においては、(a)シワが改善した:1名、(b)どちらとも言えない:4名、(c)変化しなかった:5名であった。試料1塗布群においては、(a):7名、(b):2名、(c):1名であった。比較試料2塗布群においては、(a):3名、(b):4名、(c):3名であった。この結果より、本発明に係るツバキ抽出物は塗布によって肌状態を改善することを確認した。
試作例1(錠剤)
以下に示す原料を常法により打錠して錠剤を試作した。ここで、ツバキ抽出物としては、前記の製造例1〜4で得たツバキ抽出物のいずれか1種を使用した。これらの錠剤はいずれも安定で服用し易いものであり、栄養補助食品や医薬品として利用することができる。なお、本錠剤(製造例1のツバキ抽出物を配合したもの)をモニター試験で経口摂取してもらったところ、肌のシワ、弾力性等の改善が認められる知見を得た。したがって、本錠剤は美容のための食品あるいは内服薬として利用することができる。
(配合原料) (1錠当たりの質量(mg))
1.ツバキ抽出物 10
2.乳糖 190
3.バレイショデンプン 39
4.微結晶セルロース 30
5.合成ケイ酸アルミニウム 30
6.ステアリン酸カルシウム 1
試作例2(清涼飲料水、ドリンク剤)
前記の製造例2のツバキ抽出物及び緑茶エキス(ビーエイチエヌ(株)製)を1:1の比率で均一に混合して本発明の混合物を作成した。この1gを市販の清涼飲料水500mLに加えて溶かし、CMA生成阻害用の清涼飲料水を試作した。これは元の清涼飲料水と比較して何ら遜色のないものであった。これは清涼飲料又はドリンク剤として利用することが可能である。
試作例3(乳液)
ツバキの含水エタノール抽出物として製造例3の抽出物を用い、以下の処方で常法により乳液を試作した。この乳液は、使用感に優れており、皮膚に塗布してシワやシミの予防、肌の柔軟性や弾力性を維持するための外用剤として使用することができる。
(配合原料) (%)
1.スクワラン 5.0
2.オリーブ油 5.0
3.ホホバオイル 5.0
4.セチルアルコール 1.5
5.グリセリンモノステアレート 2.0
6.ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 3.0
7.ポリオキシエチレン(20)ソオルビタンモノオレート 2.0
8.1,3−ブチレングリコール 1.0
9.グリセリン 2.0
10.ツバキ含水エタノール抽出物 5.0
11.香料 適 量
12.防腐剤 適 量
13.精製水
試作例4(ローション)
ツバキ種子のエタノール抽出物として製造例4の抽出物を用い、以下の処方で常法によりローションを試作した。
(配合原料)
1.ツバキ抽出物 0.1
2.緑茶エキス 0.01
3.α−トコフェロール 0.1
4.アスコルビン酸 0.5
5.ジプロピレングリコール 15
6.イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.5
7.ヒドロキシエチルセルロース 0.01
8.香料 適 量
9.防腐剤 適 量
10.精製水
本発明のCMA生成阻害剤は、飲食品、医薬品、化粧品、飼料等の分野において、コラーゲンに特異的に蓄積するCMAの生成を阻害し、CMAの蓄積によって誘発されるコラーゲンの変性や、それに伴う皮膚等の各種弊害や疾患を防止するための製品に利用することができる。

Claims (1)

  1. ツバキ(Camellia)属ツバキ節に属する植物の種子から採取した脱脂粕を、水で抽出して得られる抽出物を有効成分として含有してなるカルボキシメチルアルギニン生成阻害剤を製造する方法。ここで、前記植物はヤブツバキ、ユキツバキ、リンゴツバキ、ホウザンツバキ、ホンコンツバキ、ピタールツバキ及び金花茶からなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、前記抽出物は少なくともカメリアサポニンB2及びC2を含有し、かつ、前記抽出物の加水分解物が少なくともケンフェロールを含有するものである。
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