JP5226297B2 - 8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンの少なくともいずれかの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、フラボノイドである8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び3’−ヒドロキシリクイリチゲニンは、アカシアやホウレンソウなどに存在し、強い抗酸化作用を有することが報告されている(例えば、非特許文献4,5参照)。
例えば、大豆発酵食品においては、大豆に含まれるフラボノイドであるイソフラボン化合物が、発酵過程中にオルトジヒドロキシ構造を有するイソフラボン化合物に変換され、強い抗酸化作用を発揮することが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、オレンジやレモンなどの柑橘類を、糸状菌であるA.saitoiを用いて発酵処理すると、フラボノイドであるヘスペリジンが8−ヒドロキシヘスペレチンに変換され、強い抗酸化作用を発揮することが報告されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び前記3’−ヒドロキシリクイリチゲニンについては、発酵により生産されたという報告はない。
また、本発明は、第二に、本発明の前記発酵甘草抽出物を、抗酸化作用及び抗老化作用をはじめとする種々の生理活性作用の有効成分として配合した皮膚外用剤及び美容用飲食品を提供することを目的とする。
<1> アスペルギルス(Aspergillus)属糸状菌を用いて、甘草末及び甘草抽出物のうち少なくとも1つを発酵処理することにより得られることを特徴とする発酵甘草抽出物である。
<2> アスペルギルス属糸状菌が、A.oryzae、A.kawachi、A.awamori、A.sojae、A.saitoi及びA.nigerから選ばれた1種以上である<1>に記載の発酵甘草抽出物である。
<3> 8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンのうち少なくとも1つを含有する<1>から<2>のいずれかに記載の発酵甘草抽出物である。
<4> <1>から<3>のいずれかに記載の発酵甘草抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用品である。
<5> <1>から<3>のいずれかに記載の発酵甘草抽出物を含有することを特徴とする美容用飲食品である。
<6> アスペルギルス(Aspergillus)属糸状菌を用いて、甘草末及び甘草抽出物のうち少なくとも1つを発酵処理する工程を含むことを特徴とする発酵甘草抽出物の製造方法である。
<7> アスペルギルス属糸状菌が、A.oryzae、A.kawachi、A.awamori、A.sojae、A.saitoi及びA.nigerから選ばれた1種以上の糸状菌を用いる<6>に記載の発酵甘草抽出物の製造方法である。
<8> 発酵に用いる培地に、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、アミノ酸、酵母抽出物、ペプトン、タンパク質及び肉抽出物から選ばれた1種以上を用いる<6>から<7>のいずれかに記載の発酵甘草抽出物の製造方法である。
<9> 発酵処理する工程において、甘草末及び甘草抽出物のうち少なくとも1つに含有されるリクイリチンが、リクイリチゲニンへの微生物変換を介して、8−ヒドロキシリクイリチゲニンに微生物変換されること、及び、甘草末及び甘草抽出物のうち少なくとも1つに含有されるイソリクリチンが、イソリクイリチゲニンへの微生物変換を介して、3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンに微生物変換されること、のうち少なくとも1つが行われる<6>から<8>のいずれかに記載の発酵甘草抽出物の製造方法である。
また、本発明によれば、第二に、本発明の前記発酵甘草抽出物を、抗酸化作用及び抗老化作用をはじめとする種々の生理活性作用の有効成分として配合した皮膚外用剤及び美容用飲食品を提供することができる。
本発明の発酵甘草抽出物は、アスペルギルス(Aspergillus)属糸状菌を用いて、甘草末及び甘草抽出物のうち少なくとも1つを発酵処理することにより得られることを特徴とする。
前記アスペルギルス属糸状菌としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、日本酒、味噌、醤油など発酵食品に使用される麹から分離されたものであることが好ましい。
前記アスペルギルス属糸状菌の種としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、A.oryzae、A.kawachi、A.awamori、A.sojae、A.saitoi、A.nigerなどが挙げられる。
前記甘草としては、マメ(Leguminosae)科カンゾウ(Glycyrrhiza)属に属する植物カンゾウの根及び根茎である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記植物カンゾウとしては、例えば、Glycyrrhiza glabra、G.uralensis、G.inflataなどが挙げられる。前記甘草には、リクイリチン、イソリクイリチン、リクイリチゲニン、イソリクイリチゲニンなどのフラボノイド成分が多く含まれている。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。なお、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
なお、前記水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1質量部〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1質量部〜40質量部添加することが好ましい。多価アルコールの場合は水10質量部に対して1質量部〜90質量部添加することが好ましい。
前記発酵処理の方法としては、アスペルギルス属糸状菌を用いる限り、特に制限はなく、公知の発酵方法の中から目的に応じて適宜選択することができる。前記発酵処理としては、例えば、培地を通気攪拌型発酵槽とともに殺菌後、適温に調節した培地中に、前培養したアスペルギルス属糸状菌を接種し、培養温度を制御しつつ通気攪拌を行う方法が挙げられる。
前記培地の成分としては、発酵に用いる菌体が生育できる限り、特に制限はなく、通常発酵に使用される培地の成分の中から、目的に応じて適宜選択することができる。培地中の窒素源としても、特に制限はないが、発酵の効率が高い点で、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、アミノ酸、酵母エキス、ペプトン、タンパク質、肉エキスから選ばれた一種以上を選択することが好ましい。
発酵処理における前記培地のpHとしては、特に制限はないが、発酵の効率が高い点で、3.5〜8.0であることが好ましい。発酵処理における前記培地の温度としては、特に制限はないが、発酵の効率が高い点で、20〜37℃であることが好ましい。
なお、前記「微生物変換」とは、前記各フラボノイドの分子構造の変換が、アスペルギルス属糸状菌由来の成分(例えば、酵素など)を触媒として行われることを意味する。
前記したように、本発明の発酵甘草抽出物は、発酵処理における微生物変換の結果として、下記構造式(1)及び(2)でそれぞれ表される8−ヒドロキシリクイリチゲニン、3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンを含有する。
8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンの含有量は、公知の方法により測定することができ、例えば、前記発酵甘草抽出物をHPLCを用いて分離し、該当するピークの面積に基づいて算出することができる。
本発明の発酵甘草抽出物が有する抗酸化作用は、スーパーオキサイド消去作用及びラジカル消去作用のうち少なくとも一つに基づいて発揮される。
本発明の発酵甘草抽出物が有する抗老化作用は、MMP−1活性阻害作用に基づいて発揮される。
前記スーパーオキサイド消去作用、前記ラジカル消去作用及び前記MMP−1活性阻害作用を発揮する理由としては、発酵甘草抽出物に含有される8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンが有する作用によると考えられている。
また、本発明の発酵甘草抽出物は、8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンが有する生理活性作用であれば、前記ラジカル消去作用及び前記MMP−1活性阻害作用以外の生理活性作用についても当然に発揮できる。
また、本発明の発酵甘草抽出物は、抗酸化作用及び抗老化作用をはじめとする様々な優れた生理活性作用を有するとともに、消化管で消化されるようなものではないことが確認されているので、特に、後記する本発明の美容用飲食品に配合するのに好適である。
本発明の発酵甘草抽出物の製造方法は、アスペルギルス(Aspergillus)属糸状菌を用いて、甘草末及び甘草抽出物のうち少なくとも1つを発酵処理する工程を含み、更に必要に応じて、例えば発酵処理したものを乾燥する工程、発酵処理したものを精製する工程、発酵処理したものを濃縮する工程などの、その他の工程を含む。
前記発酵甘草抽出物の製造方法における、アスペルギルス属糸状菌、甘草末、甘草抽出物、発酵処理等については、本発明の発酵甘草抽出物における各項目において既に説明した通りであるので、説明を省略する。
本発明の皮膚外用剤は、本発明の発酵甘草抽出物を有効成分として含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記発酵甘草抽出物と共に併用した場合、前記発酵甘草抽出物が有する様々な生理活性作用と相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた作用効果をもたらすことがある。
本発明の美容用飲食品は、本発明の発酵甘草抽出物を有効成分として含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
ここで、前記美容用飲食品とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品、などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、などが挙げられる。
−発酵甘草抽出物の製造−
抽出原料として甘草の根の粉砕物100gを、水1,000mlに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った後、ろ過した。ろ液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、抽出物(粉末状)を得た。
アスペルギルス・ソヤ(A.sojae)を、殺菌(121℃、20分)・冷却を行った3質量%パン粉及び水を含む培地(pH5.0)120mLを加えたバッフル付き500mL容三角フラスコに摂取し、28℃で2日間振盪培養し、前培養液を得た。本培養は、5質量%甘草抽出物、0.2質量%酵母抽出物及び水を含む培地6L(pH5.0)を10L容ジャーファーメンターに導入し、殺菌(121℃、20分)・冷却後、前培養液(120mL)を接種して、培養温度28℃、攪拌速度150rpm、通気量1vvmの培養条件で18日間培養を行い、製造例1の発酵甘草抽出物を得た。
−甘草抽出物の製造−
抽出原料として甘草の根の粉砕物100gを、水1,000mlに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った後、ろ過した。ろ液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、抽出物(粉末状)を得た。
−発酵甘草抽出物の成分組成分析−
製造例1の発酵甘草抽出物及び比較例1の甘草抽出物を試料として用い、下記の条件でHPLC(液体クロマトグラフィー)分析を行った。
移動相:(A)0.1%TFA水溶液、(B)0.1%TFAアセトニトリル溶液
0〜5分 A:B=80:20
5〜35分 A:B=80:20から10:90のリニアグラジエント、
35〜40分 A:B=10:90
流 速:0.4mL/分
検 出:UV254、330nm
カラム温度:40℃
注入量:10μL
カラム:Zorbax Eclipse XDB−C18
−RT3.8、RT10.0の構造分析−
RT3.8、RT10.0を下記の条件で精製し、精製されたRT3.8、RT10.0を試料として、下記の条件で構造分析を行った。
精製された新規ピークRT3.8、RT10.0について構造決定を行った。1H NMR及び13C NMRスペクトルは、メタノール−d4に溶解させたテトラメチルシラン(Tetramethylsilane;TMS)を内部標準として用いて、JEOL AL−400 NMR装置(1H NMRは400MHz、13C NMRは100MHz)で測定した。結果を以下に示す。
1H−NMRケミカルシフトδ(帰属水素):2.71(1H,dd,J=2.9,16.8Hz),3.08(1H,dd,J=12.7,16.8Hz)(3−H2),5.41(1H,dd,J=2.9,12.7Hz,2−H),6.52(1H,d,J=8.8Hz,6−H),6.81(2H,d,J=8.6Hz,3’,5’−H),7.29(1H,d,J=8.8Hz,5−H),7.36(2H,d,J=8.6Hz,2’,6’−H)
13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素):45.0(3−C),81.4(2−C),110.8(6−C),115.6(10−C),116.2(3’,5’−C),119.3(5−C),129.2(2’,6’−C),131.2(1’−C),133.9(8−C),152.6(7−C),153.9(9−C),158.8(4‘−C),193.8(4−C)
1H−NMRケミカルシフトδ(帰属水素):6.36(1H,d,J=8.9Hz,5’−H),6.74(2H,d,J=8.6Hz,3,5−H),7.44(1H,d,J=8.9Hz,6’−H),7.48(1H,d,J=15.4Hz,α−H),7.50(2H,d,J=8.6Hz,2,6−H),7.68(1H,d,J=15.4Hz,β−H)
13C−NMRケミカルシフトδ(帰属炭素):108.4(5’−C),115.0(1’−C),116.8(3,5−C),118.3(α−C),123.2(6’−C),127.7(1−C),131.7(2,6−C),133.6(3’−C),145.4(β−C),153.1(4’−C),154.2(2’−C),161.3(4−C),193.9(C=O)
−DPPHに対するラジカル消去試験−
製造例1の各発酵甘草抽出物及び比較例1の甘草抽出物を試料として用い、下記の試験法により非常に安定なラジカルである1,1−diphenyl−2−picrylhydrazyl radical(DPPH)を使用してラジカル消去作用を試験した。
コントロールとして、試料溶液の代わりに試料溶液を溶解した溶媒を用いて同様に操作し、波長520nmの吸光度を測定した。また、ブランクとして、エタノールに試料溶液3mLを加えた後、直ちに波長520nmの吸光度を測定した。
そして、測定結果から、下記(1)式によりラジカル消去率(%)を算出した。
ラジカル消去率(%)={1−(B−C)/A}×100 ・・・(1)
[但し、前記(1)式中、
A:コントロールの吸光度、
B:試料溶液を添加した場合の吸光度、
C:ブランクの吸光度、をそれぞれ表す。]
また、参考例として、8−ヒドロキシリクイリチゲニン、3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニン、リクイリチゲニン及びイソリクイリチゲニンを試料として、上記と同様にしてDPPHに対するラジカル消去試験を行い、ラジカル消去率(%)を算出した。結果を表2に示す。
−スーパーオキサイド消去試験(NBT法)−
製造例1の各発酵甘草抽出物及び比較例1の甘草抽出物を試料として用い、下記の試験法によりスーパーオキサイド消去作用を試験した。
また、同様の操作と吸光度の測定を、酵素溶液を添加せずに行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液添加、酵素溶液無添加時の吸光度」とした。
また、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液無添加、酵素溶液添加時の吸光度」とした。
また、酵素溶液を添加せず、更に試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液無添加、酵素溶液無添加時の吸光度」とした。
そして、測定結果から、下記(2)式によりスーパーオキサイド消去率を求めた。
スーパーオキサイド消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100 ・・・(2)
[但し、前記(2)式中、
A:試料溶液添加、酵素溶液添加時の吸光度、
B:試料溶液添加、酵素溶液無添加時の吸光度、
C:試料溶液無添加、酵素溶液添加時の吸光度、
D:試料溶液無添加、酵素溶液無添加時の吸光度、をそれぞれ表す。]
また、参考例として、8−ヒドロキシリクイリチゲニン、3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニン、リクイリチゲニン及びイソリクイリチゲニンを試料として、上記と同様にしてスーパーオキサイド消去試験を行い、スーパーオキサイド消去率(%)を算出した。結果を表3に示す。
−マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)活性阻害作用試験−
製造例1の各発酵甘草抽出物及び比較例1の甘草抽出物を試料として用い、下記の試験法によりMMP−1活性阻害作用を試験した。この試験方法は、Wunsch and Heidrich法を一部改変したものである。
MMP−1活性阻害率(%)={1−(C−D)/(A−B)}×100 ・・・(3)
〔但し、前記(3)式中、
A:被験試料無添加、酵素添加での波長320nmにおける吸光度、
B:被験試料無添加、酵素無添加での波長320nmにおける吸光度、
C:被験試料添加、酵素添加での波長320nmにおける吸光度、
D:被験試料添加、酵素無添加での320nmにおける吸光度、を表す。〕
また、参考例として、8−ヒドロキシリクイリチゲニン、3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニン、リクイリチゲニン及びイソリクイリチゲニンを試料として、上記と同様にしてマトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)活性阻害作用試験を行い、MMP−1活性阻害率(%)を算出した。結果を表4に示す。
−乳液−
下記組成から乳液を常法により製造した。
・製造例1の発酵甘草抽出物・・・0.10g
・ホホバオイル・・・4.00g
・1,3−ブチレングリコール・・・3.00g
・ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・2.50g
・オリーブオイル・・・2.00g
・スクワラン・・・2.00g
・セタノール・・・2.00g
・モノステアリン酸グリセリル・・・2.00g
・オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)・・・2.00g
・パラオキシ安息香酸メチル・・・0.15g
・黄杞抽出物・・・0.10g
・グリチルリチン酸ジカリウム・・・0.10g
・イチョウ葉抽出物・・・0.10g
・コンキオリン・・・0.10g
・オウバク抽出物・・・0.10g
・カツミレ抽出物・・・0.10g
・香料・・・0.05g
・精製水・・・残部(合計100.00g)
−化粧水−
下記組成から化粧水を常法により製造した。
・製造例1の発酵甘草抽出物・・・0.10g
・グリセリン・・・3.00g
・1,3−ブチレングリコール・・・3.00g
・オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)・・・2.00g
・パラオキシ安息香酸メチル・・・0.15g
・クエン酸・・・0.10g
・クエン酸ソーダ・・・0.10g
・油溶性甘草抽出物・・・0.10g
・海藻抽出物・・・0.10g
・クジン抽出物・・・0.10g
・キシロビオースミクスチャー・・・0.05g
・香料・・・0.05g
・精製水・・・残部(合計:100.00g)
−クリーム−
下記組成からクリームを常法により製造した。
・製造例1の発酵甘草抽出物・・・0.10g
・スクワラン・・・10.00g
・1,3−ブチレングリコール・・・6.00g
・流動パラフィン・・・5.00g
・サラシミツロウ・・・4.00g
・セタノール・・・3.00g
・モノステアリン酸グリセリル・・・3.00g
・ラノリン・・・2.00g
・オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)・・・1.50g
・パラオキシ安息香酸メチル・・・1.50g
・ステアリン酸・・・1.00g
・酵母抽出液・・・0.10g
・シソ抽出液・・・0.10g
・シナノキ抽出液・・・0.10g
・ジユ抽出液・・・0.10g
・香料・・・0.10g
・精製水・・・残部(合計:100.00g)
−パック−
下記組成からパックを常法により製造した。
・製造例1の発酵甘草抽出物・・・0.20g
・ポリビニルアルコール・・・15.00g
・エタノール・・・10.00g
・プロピレングリコール・・・7.00g
・ポリエチレングリコール・・・3.00g
・セージ抽出液・・・0.10g
・トウキ抽出液・・・0.10g
・ニンジン抽出液・・・0.10g
・パラオキシ安息香酸エチル・・・0.05g
・香料・・・0.05g
・精製水・・・残部(合計:100.00g)
−錠剤状栄養補助食品−
下記の混合物を打錠して、錠剤状栄養補助食品を製造した。
・製造例1の発酵甘草抽出物・・・30g
・粉糖(ショ糖)・・・178g
・ソルビット・・・10g
・グリセリン脂肪酸エステル・・・12g
−顆粒状栄養補助食品−
下記の混合物を顆粒状に形成して、栄養補助食品を製造した。
・製造例1の発酵甘草抽出物・・・20g
・ビートオリゴ糖・・・1000g
・ビタミンC・・・167g
・ステビア抽出物・・・10g
−顆粒状栄養補助食品−
下記の混合物を顆粒状に形成して、栄養補助食品を製造した。
・製造例1の発酵甘草抽出物・・・20g
・ビートオリゴ糖・・・1000g
・ビタミンC・・・167g
・ステビア抽出物・・・10g
また、本発明の発酵甘草抽出物を添加した美容用飲食品は、経口摂取によっても抗酸化作用及び抗老化作用をはじめとする様々な優れた生理活性作用を有し、安全性にも優れているので、例えば健康食品、栄養補助食品などに幅広く用いられる。
Claims (4)
- アスペルギルス(Aspergillus)属糸状菌を用いて、甘草末及び甘草抽出物のうち少なくとも1つを発酵処理する工程を含むことを特徴とする8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンの少なくともいずれかの製造方法。
- アスペルギルス属糸状菌が、A.oryzae、A.kawachi、A.awamori、A.sojae、A.saitoi及びA.nigerから選ばれた1種以上の糸状菌である請求項1に記載の8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンの少なくともいずれかの製造方法。
- 発酵に用いる培地に、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、アミノ酸、酵母抽出物、ペプトン、タンパク質及び肉抽出物から選ばれた1種以上を用いる請求項1から2のいずれかに記載の8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンの少なくともいずれかの製造方法。
- 発酵処理する工程において、甘草末及び甘草抽出物のうち少なくとも1つに含有されるリクイリチンが、リクイリチゲニンへの微生物変換を介して、8−ヒドロキシリクイリチゲニンに微生物変換されること、及び、甘草末及び甘草抽出物のうち少なくとも1つに含有されるイソリクイリチンが、イソリクイリチゲニンへの微生物変換を介して、3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンに微生物変換されること、のうち少なくとも1つが行われる請求項1から3のいずれかに記載の8−ヒドロキシリクイリチゲニン及び3’−ヒドロキシイソリクイリチゲニンの少なくともいずれかの製造方法。
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