JP6032618B2 - 脂肪酸合成酵素抑制作用を呈する有機酸誘導体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は脂肪酸合成酵素抑制作用を呈する有機酸誘導体及びその製造方法に関するものである。
メタボリック症候群、脂肪肝、血中中性脂肪の増加などの臨床症状が発現している生活習慣病にかかる患者は1000万人を超えており、心筋梗塞や脳梗塞などの死因に直結することから、これらの疾患を回避する方法が模索されている。
これらの疾患の原因の一つは中性脂肪の蓄積であり、内臓に存在する脂肪細胞に中性脂肪が蓄積されることによる。
中性脂肪の蓄積は食事としての摂取と体内での生合成による産生が関与している。食事としての摂取については毎日の食事を低脂肪食にすることにより解決できる点もある。しかし、生体内で生合成される量については食事によっては、調整できない部分が多い。
そこで、体内で生合成される中性脂肪を減少させる医薬品や成分が研究されており、一部は実用化されている。
たとえば、ルペオール含有医薬組成物、食品及び飼料の発明がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、アディポネクチン分泌促進剤、並びに該アディポネクチン分泌促進剤を含有する中性脂肪減少剤、抗肥満剤、飲食品添加剤及び機能性食品に関する発明も認められている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、キャッツクローを含有した機能性食品に関する発明がある(例えば、特許文献3参照。)。
また、化学合成された成分には副作用が認められるという問題点がある。
一方、天然物由来の物質は安全性が高い反面、脂肪酸合成酵素抑制作用が軽度であり、効果が弱いという欠点があり、産業上の利用は限られている。
特願2008−134199 特願2006−244577 特願2003−270216
前記したように既存の天然物による脂肪酸合成酵素抑制作用は軽度であり、産業上への利用が限定されるという課題があり、また、化学合成された物質では安全性に問題があり、利用が限られている。
そこで、副作用が弱く優れた脂肪酸合成酵素抑制作用を呈する天然物ならびにそれを効率良く製造する製造方法が望まれている。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は下記の式(1)に示される脂肪酸合成酵素抑制作用を呈する有機酸誘導体に関するものである。
上記の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の式(1)で示される脂肪酸合成酵素抑制作用を呈する有機酸誘導体の製造方法に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の誘導体によれば、優れた脂肪酸合成酵素抑制作用を発揮することができる。
請求項2に記載の製造方法によれば、効率良く脂肪酸合成酵素抑制作用を呈する有機酸誘導体を製造することができる。
以下、この発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
まず、下記の式(1)に示される脂肪酸合成酵素抑制作用を呈する有機酸誘導体は有機酸4分子とD−リボースの1分子からなる。
有機酸は4分子ともに桂皮酸誘導体である。有機酸は植物の樹脂や種子に存在しており、ここで示す有機酸は水酸基を1分子あたり1つずつ有する。4分子の有機酸は、互いに共有結合している。
この結合は血液や臓器のエステラーゼにより生体内で分解されるため、蓄積性はなく、安全性が高い。さらに、1分子の有機酸はD−リボースの水酸基と酸素分子を介して結合している。
リボースは核酸に存在する糖質であり、遺伝子と酵素との働きを調整している。
有機酸やリボースにはもともと、酵素反応を調整する働きがある。酵素の触媒反応を調整することにより阻害作用や活性化作用、アロステリック作用などを発揮する。
ここに示した有機酸誘導体は脂肪酸合成酵素を阻害する働きを呈する。その働きの特徴は可逆的であり、阻害タイプは拮抗型であるという点である。
脂肪酸合成酵素はアセチルCoAやマロニルCoAから脂肪酸を生合成する酵素であり、肝臓、脂肪組織、血液などに存在してする。
有機酸誘導体は進展する脂肪酸に対して有機酸部分が疎水的に結合することにより脂肪酸の進展を阻害する。
リボース部分はCoAとの結合を調整することにより、脂肪酸合成を阻害する。
脂肪酸合成が減少することにより中性脂肪量が減少し内臓脂肪が減少する。メタボリック症候群、血中中性脂肪の減少、脂肪肝の対策に利用できる。さらに、皮膚の脂肪合成を抑制することにより、セルライト減少が期待される。
この有機酸誘導体の製造方法としては発酵法、酵素反応法や化学合成法などのいずれかの方法が用いられる。
酵素反応法の場合、有機酸を含有する植物から抽出することができる。または、発酵により微生物に生合成させる。
さらに、精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
例えば、分離用担体または樹脂により分離され、分取されることは好ましい。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
例えば、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。
これらのうち、ダイヤイオン、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して1〜35倍量が好ましく、4〜25倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から4〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオン及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
また、活性を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから、好ましい。
この有機酸誘導体は人の肌に存在する脂肪細胞に働き、脂肪を低下させ、セルライトや脂肪を分解し、美肌作用を呈する。
有機酸誘導体に油脂を添加することは、得られる活性部分が油の中で安定に維持することから好ましい。例えば、大豆油、米ぬか油、グレープシード油、オリーブ油、ホホバ油で抽出することは好ましい。
医薬品として注射剤または経口剤または塗布剤などの非経口剤として利用され、医薬部外品としては、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、塗布剤、ゲル剤、歯磨き粉等に配合されて利用される。
経口剤としては錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤は、シェラックまたは砂糖で被覆することもできる。
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を添加することができる。
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
食品製剤として脂肪低下を目的としたダイエットを目的とした食品、脂肪の減少を目的とした健康補助食品などに利用される。また、保健機能食品として、栄養機能食品や特定保健用食品に利用することは好ましい。
得られた食品製剤をイヌやネコなどのペットや家畜動物に利用する場合、脂肪の減少や皮膚の健康を維持する目的として、飼料やサプリメントとして利用される。
化粧料として常法に従って界面活性化剤、溶剤、増粘剤、賦形剤等とともに用いることができる。例えば、クリーム、毛髪用ジェル、洗顔剤、美容液、化粧水等の形態とすることができ、セルライト減少や脂肪減少を目的とした化粧料となる。
化粧料の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状または粉末状として用いることができる。
次に、アカツメクサの花と大豆を添加し、納豆菌により発酵させた発酵液に分岐シクロデキストリンを添加してプロテアーゼ処理した後、濾過したろ液をアルカリ還元する工程からなる式(1)で示される脂肪酸合成酵素抑制作用を呈する有機酸誘導体の製造方法について説明する。
ここでいう式(1)で示される有機酸誘導体とは有機酸の4分子とリボース1分子が結合した誘導体であり、脂肪酸合成酵素を抑制する働きがある。
この製造方法はアカツメクサと大豆を添加し、納豆菌により発酵させた発酵液に分岐シクロデキストリンを添加してプロテアーゼ処理した後、濾過したろ液にアルギニンを添加してアルカリ還元する工程からなる
原料となる物質はアカツメクサの花、分岐シクロデキストリン、プロテアーゼ、アルギニンである。このうち、アカツメクサはムラサキツメクサ、レッドクローバーともいわれ、牧草として利用されている。
アカツメクサは学名Trifolium pratenseであり、マメ科マメ目シャジクソウ属の植物に該当する。
アカツメクサの主産地は日本では沖縄県、日本国外ではトンガ、アメリカ、台湾、アジアのものが汎用できる。
このアカツメクサの花が食用としても利用されることから、花を水洗後、裁断機により細切して粉砕物が得られる。この粉砕物を乾燥させて、アカツメクサの花の粉末が得られる。
このアカツメクサの花の粉末には桂皮酸などの有機酸が含有されている。特に、花の部分には有機酸が多いことから、花を利用することは好ましいことから、ここで利用する部位は花である。
このアカツメクサの花の粉末は清浄な水を添加して懸濁される。アカツメクサの粉末10gに対して水10リットルから20リットルを添加し、攪拌される。
用いる大豆は日本産、アメリカ産、中国産などのいずれも好ましい、遺伝子組み換え型は日本では使用しにくいことからnonGMPタイプが好ましい。
アカツメクサと大豆は煮沸滅菌され、発酵タンクに添加される。アカツメクサの花10gに対して大豆は8gから12gが発酵を効率良く行わせることから好ましい。
発酵は静置法または撹拌法のいずれでも良いが、発酵を短時間で実施できる点から撹拌法が好ましい。
発酵は39〜49℃で24時間から72時間行われることが好ましい。温度が低く、時間が短い場合には発酵が進まず、温度が高く、時間が長い場合には目的とする有機酸誘導体が分解されてしまうおそれがある。
この発酵液は濾過布などにより濾過されることは以下の工程を容易に行えることから好ましい。
このろ液に分岐シクロデキストリンが添加される。
分岐シクロデキストリンは環状ブドウ糖の一つであり、ブドウ糖が環状に結合し、食品や化粧料に利用されることから好ましい。この分岐シクロデキストリンは内腔に疎水性部分を有することから疎水性の高い物質を吸着しやすい。塩水港精糖社製の分岐シクロデキストリンは品質が高いことから好ましい。
添加される分岐シクロデキストリンはアカツメクサ1gに対して0.6gから3gが好ましい。この分岐シクロデキストリンによりアカツメクサ中の有機酸が結合して誘導体が生成される。
この分岐シクロデキストリンとの懸濁液は攪拌されることが好ましい。
アカツメクサと分岐シクロデキストリンとの懸濁液にプロテアーゼが添加される。用いるプロテアーゼとしては天野エンザイム社製の食品加工用プロテアーゼであるプロテアーゼA「アマノ」SD、プロテアーゼM「アマノ」SDまたはプロテアーゼP「アマノ」3SDの品質が安定し、使用実績が豊富なことから好ましい。
添加されるプロテアーゼはアカツメクサ1gに対して0.001gから0.2gが好ましい。このプロテアーゼは精製水に懸濁して添加されることは反応が進むことから好ましい。
この懸濁液は反応を促進するために加温され、攪拌されることは好ましい。加温としては30〜45℃が好ましい。また、攪拌は1分間当り10〜30回が好ましい。時間は1時間から5時間が好ましい。
このプロテアーゼ反応液は濾過される。濾紙やメンブランフィルターを用いることにより効率良くろ過される。ろ過してろ液を得ることにより反応していない成分や原料を排除できることから好ましい。
得られた反応物はアルカリ還元処理される。アルカリ還元処理はアルカリ還元装置やアルカリ還元整水器により実施されることが好ましい。
例えば、ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」、エヌアイシー製のアルカリ還元水製造装置「テクノスーパー502」、マルタカ製「ミネリア・CE−212」、クレッセント製「アキュラブルー」、株式会社日本鉱泉研究所製「ミネラル還元整水器」などの装置を用いることがさらに好ましい。
電気分解されて陰極側から目的とする有機酸誘導体が溶液として得られる。このアルカリ還元により有機酸の結合の安定化が生じる。
アルカリ還元処理を2〜10回繰り返すことにより安定化反応が高まることから好ましい。得られた結合体は、凍結乾燥することにより粉末化され、用いられる。
前記の還元反応物から、目的とする有機酸誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
例えば、分離用担体または樹脂により分離され、分取されることにより目的とする有機酸誘導体が得られる。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
例えば、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。
これらのうち、ダイヤイオン、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して1〜30倍量が好ましく、5〜20倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から4〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオン及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
有機酸誘導体を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、目的とする有機酸誘導体を粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから、好ましい。
また、この有機酸誘導体を粉末化することは防腐の目的から好ましい。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、これらは一例であり、素材、原料や検体の違いに応じて常識の範囲内で条件を変更させることが可能である。
長野県産のアカツメクサの花の10kgを株式会社古樹軒より購入した。これを水洗後、粉砕機(株式会社奈良機械製作所製のスーパー自由ミル)に精製水とともに粉砕して粉砕物9kgを得た。
この粉砕物を乾燥器により乾燥し、アカツメクサの粉末を得た。このアカツメクサの粉末5kgを清浄なステンレス製の寸胴に移し、20リットルの精製水を添加して懸濁した。
さらに、北海道産の大豆5kgを購入し、洗浄後、前記の寸胴に添加し、95〜97℃で1時間煮沸して滅菌した。これらを100kg容量の横河電機社製の撹拌式発酵タンク(FP211)に移し、滅菌した精製水58リットルを添加した。
これに有限会社高橋祐蔵研究所製造の粉末納豆菌15gを購入した。この納豆菌を滅菌水100gに懸濁し、これに粉末大豆粉を添加し、37℃で1時間加温して前培養した。
この納豆菌液を前記の撹拌式発酵タンクに添加して40〜43℃で56時間発酵させた。発酵の状態は大豆の粉末の分解性及び溶解したタンパク質の定量(ビューレット法)によりモニタリングした。
発酵後、得られた発酵液の上清を濾過布により粗濾過してろ液を得た。
このろ液10リットルを清浄なタンクに移してこれに塩水港精糖社製の分岐シクロデキストリン(イソエリート)800gを添加して十分に攪拌した。
さらに、天野エンザイム製のプロテアーゼM「アマノ」SD10gを添加し、37℃に加温して攪拌した。
攪拌は攪拌装置を用いて室温で3時間実施した。得られた反応液を東洋濾紙の濾紙(No.2)により吸引ろ過してろ液を得た。
得られた反応液をパールウォーターDX−7000(第一産業製)に供し、電気分解し、陰極側からアルカリ還元された溶液約9リットルを得た。
さらに、得られた溶液を再度、パールウォーターDX−7000に供した。の還元処理を合計3回実施した。これにより有機酸誘導体を溶液として得た。
この溶液を凍結乾燥機(タイテック社製のフリーズトラップVA−140S)により凍結乾燥させて目的とする粉末を得た。これを検体1として以下の試験に供した。
以下に、有機酸誘導体の構造解析に関する試験方法及び結果について説明する。
(試験例1)
上記のように得られた検体1を精製水に溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析した。
さらに、核磁気共鳴装置(NMR、ブルカー製、AC−250)で解析した。構造解析の結果、検体1から有機酸およびリボースが結合した誘導体が検出された。
以下に、ヒト皮膚細胞を用いた脂肪生成抑制に関する試験について述べる。
(試験例2)
タカラバイオ株式会社製のヒト白色脂肪前駆細胞(内臓脂肪由来)Human White Preadipocytes、visceralタイプを購入して用いた。
前記の脂肪細胞を専用培養液にて培養した。細胞1万個を35mmのシャーレに播種し、前培養した。専用の培養液に実施例1で得られた検体1、桂皮酸(和光純薬製)とD−リボース(和光純薬製)のそれぞれ0.1mg、0.3mg及び1mgを添加し、37℃で、48時間培養した。
培養後、細胞数を顕微鏡下で計数した。さらに、トリプシン処理により細胞液を採取した。細胞数を1000個/mLに調整し、これを超音波破砕して細胞懸濁液を調製した。
この細胞懸濁液に含まれる脂肪酸合成酵素活性を生化学的に定量した。
脂肪酸合成酵素活性の測定としては0.1mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中、0.001mMのEDTA、0.003mMのNADPH液、0.0005mMのアセチル−CoA及びマロニル−CoAを反応液として脂肪細胞液を添加し、37℃で15分間反応させ、NADPH量の減少を340nmの吸光度を指標として酵素学的に測定して脂肪酵素活性とした。1分間に分解されるNADPH量が1マイクロgを1ユニットとした。
その結果、脂肪細胞数は実施例1の0.1mg、0.3mg及び1mgでは溶媒対照群に対してそれぞれ96%、89%及び56%であり、対照群に比して有意な減少が認められた。
一方、桂皮酸の0.1mg、0.3mg及び1mgでは溶媒対照群に対してそれぞれ100%、101%及び95%であり、対照群の値と同程度であった。
D−リボースの0.1mg、0.3mg及び1mgでは溶媒対照群に対してそれぞれ101%、100%及び100%であり、対照群の値と同程度であった。
脂肪酸合成酵素活性についての結果として実施例1の0.1mg、0.3mg及び1mgでは溶媒対照群に対してそれぞれ75%、61%及び38%であり、対照群に比して有意な減少が認められた。
一方、桂皮酸の脂肪酸合成酵素活性については0.1mg、0.3mg及び1mgでは溶媒対照群に対してそれぞれ99%、98%及び96%であり、対照群の値と同程度であった。
また、D−リボースの脂肪酸合成酵素活性については0.1mg、0.3mg及び1mgでは溶媒対照群に対してそれぞれ100%、101%及び99%であり、対照群の値と同程度であった。
一方、対象とした皮膚上皮細胞に対しては検体1の1mgを添加したところ、細胞数の増加が認められたことから、検体1には毒性はなく、安全性が確認された。
本発明で得られる有機酸誘導体は脂肪酸合成酵素抑制作用を呈し、かつ、副作用が少ないことから、脂肪酸を減少させる中性脂肪低下剤として国民のQOLを改善し、医療費を削減できる。
本発明で得られる有機酸誘導体の製造方法は食品としても利用できることから、食品業界の発展に寄与する。
本発明で得られる有機酸誘導体は化粧料としてもセルライトの改善に利用され、化粧品業界の発展に寄与する。

Claims (2)

  1. 下記の式(1)に示される脂肪酸合成酵素抑制作用を呈する有機酸誘導体。
  2. アカツメクサの花と大豆を添加し、納豆菌により発酵させた発酵液に分岐シクロデキストリンを添加してプロテアーゼ処理した後、濾過したろ液をアルカリ還元する工程からなる請求項1に記載の式(1)で示される脂肪酸合成酵素抑制作用を呈する有機酸誘導体の製造方法。
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JP2009001515A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Yoshihiro Futamura エストロゲン調節作用を有するイソフラボン誘導体、それからなる食品製剤、化粧品、子宮内膜症治療薬

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