JP2007176814A - 炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体、それからなる食品製剤、化粧品、抗炎症剤 - Google Patents

炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体、それからなる食品製剤、化粧品、抗炎症剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 副作用が弱く、優れた炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体、それからなる食品製剤、化粧品、抗炎症剤を提供する。
【解決手段】 副作用が弱く、優れた炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体は、ゼアキサンチンとエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれかとエステル結合してなる誘導体であり、クコシ又はクコの葉の粉砕物とエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる。さらに、食品製剤又は化粧品は、ゼアキサンチン誘導体、アスタキサンチン、柿の葉エキス含有大豆油からなる食品製剤又は化粧品である。また、抗炎症剤はゼアキサンチン誘導体からなる抗炎症剤である。
【選択図】 なし

Description

この発明は、炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体に関するものである。また、前記のゼアキサンチン誘導体、アスタキサンチン、柿の葉エキス含有大豆油を含有する組成物からなる食品製剤、化粧品及び抗炎症剤に関するものである。
炎症性サイトカインとは、炎症時に、マクロファージ、リンパ球や単球などの炎症細胞で産生されるたんぱく質である。
また、炎症性サイトカインは炎症性プロスタグランジンを誘導し、これらが組織細胞に障害を与えたり、発熱、腫脹、赤み、痛みを全身に及ぼす。
炎症性サイトカインとしては、インターロイキン−1アルファ、インターロイキン−1ベータ、インターロイキン−6、インターロイキン−8、腫瘍壊死因子アルファ(TNFアルファ)があり、これらは分子量1万〜3万程度のたんぱく質である。
このうち、インターロイキン−1アルファ及びインターロイキン−1ベータは、炎症性白血球から放出され、インターロイキン−6、インターロイキン−8、TNFアルファの分泌を促し、インターロイキン−6は発熱や組織の障害に関与している。TNFアルファは、カケクチンとも言われ、癌の悪液質の際に放出され、全身症状の悪化をもたらす(例えば、非特許文献1参照。)。
これらの炎症性サイトカインは細菌やウイルス感染時により細胞内で生成が誘導されて産生される。その経路にはプロテインキナーゼC系やカルシウムを介した細胞内情報伝達系が存在している。さらに、核で転写因子である転写因子カッパB(NF−カッパB)やNF−IL6が炎症性サイトカインのメッセンジャーRNAの転写を促進すると報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。
炎症性サイトカインの産生を抑制する物質としてステロイドホルモン製剤が存在し、このステロイドホルモン製剤は炎症細胞の中で、プロテインキナーゼC系や炎症性サイトカインの転写因子を抑制し、炎症性サイトカインの産生を抑制する(例えば、非特許文献3参照。)。
一方、ステロイドホルモン製剤としてはプロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、プレゾニドロン、コルチゾンなどがあるものの、副作用として免疫機能低下、日和見感染、副腎の機能低下、ステロイド紫斑などの皮膚炎などが知られている。
その結果、ステロイドホルモン製剤は、長期間使用できないという欠点がある(例えば、非特許文献4参照。)。
天然の抗炎症剤としては甘草やハーブが知られている。甘草にはグリチルリチン酸が含有され、その働きはステロイド様作用があると報告されている(例えば、非特許文献5参照。)。しかし、その働きは軽度であるという欠点がある。
炎症性サイトカインの産生を抑制する物質又は抗炎症剤の発明としては、薬物結合タンパク質のアミノ酸配列を有するサイトカイン抑制抗炎症薬結合タンパク質をコードする単離された核酸分子またはその相補鎖分子に関するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、ヒトTNFアルファに結合するヒト抗体の発明があり、これは炎症性サイトカインに対して抑制作用を発揮する抗体に関するものである(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、蛋白質複合体形成剤の発明では、ポリフェノールが有効成分であり、遺伝子複合体、細胞接着抑制剤又は免疫寛容剤として有効な蛋白質複合体形成剤に関するものがある(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、炎症性サイトカイン産生を抑制するゼアキサンチン又はカロチノイドに関する発明は見当たらない。
特許第3377529号 特開平5−96 特開2002−255811 Lucey、Dら、 Clin.Microbiol.Rev、9、532−562、1996。 Yamamoto、Yら、J.Clin.Invest、107、135−142、2001。 Okajima、K.ら、Clinical Chemistry and Laboratory Medicine、42、132−141、2004。 Thwaites、Gら、N.Engl.J.Med、351、1741−1751、2004。 Sasaki、H.ら、Pathobiology、70、229−236、2002。
従来、炎症性サイトカインを抑制する物質としてステロイド剤があるものの、副腎肥大や感染症などの副作用が認められるという問題点があった。また、天然由来の物質の作用は軽度であり、水溶性物質であることが多いため、作用の持続性が低いという問題点があった。
また、通常のカロチノイドは種々の酸化ストレスや酸化物質により活性を消失しやすいという問題点があった。
この発明は上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、副作用が弱く、優れた炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体を提供することにある。
また、クコシ又はクコの葉の粉砕物にエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸又はアルファ−リポ酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる副作用が弱く、優れた炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体を提供することにある。
さらに、炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に、アスタキサンチン0.01〜0.5重量、柿の葉エキス含有大豆油0.01〜0.5重量を含有する組成物からなる副作用が弱く、優れた食品製剤を提供することにある。
加えて、炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に、アスタキサンチン0.005〜0.3重量、柿の葉エキス含有大豆油0.02〜0.7重量を含有する組成物からなる化粧品を提供することにある。
また、炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体からなる抗炎症剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(1)で示されるゼアキサンチン誘導体に関するものである。
Figure 2007176814
Xは、水素、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれか一つであり、Xは両方ともに水素であることはない。
請求項2に記載の発明は、クコシ又はクコの葉の粉砕物にエイコサペンタエン酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られ、請求項1に記載のゼアキサンチン誘導体のうち両方のXがエイコサペンタエン酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(2)で示されるゼアキサンチン誘導体に関するものである。
Figure 2007176814
請求項3に記載の発明は、クコシ又はクコの葉の粉砕物にドコサヘキサエン酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られ、請求項1に記載のゼアキサンチン誘導体のうち両方のXがドコサヘキサエン酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(3)で示されるゼアキサンチン誘導体に関するものである。
Figure 2007176814
請求項4に記載の発明は、クコシ又はクコの葉の粉砕物にアルファ−リポ酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られ、請求項1に記載のゼアキサンチン誘導体のうち両方のXがアルファ−リポ酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(4)で示されるゼアキサンチン誘導体に関するものである。
Figure 2007176814
請求項5に記載の発明は、クコシ又はクコの葉の粉砕物にベタイン及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られ、請求項1に記載のゼアキサンチン誘導体のうち両方のXがベタインである炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(5)で示されるゼアキサンチン誘導体に関するものである。
Figure 2007176814
請求項6に記載の発明は、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に、アスタキサンチン0.01〜0.5重量、柿の葉エキス含有大豆油0.01〜0.5重量を含有する組成物からなる食品製剤に関するものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に、アスタキサンチン0.005〜0.3重量、柿の葉エキス含有大豆油0.02〜0.7重量を含有する組成物からなる化粧品に関するものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体からなる抗炎症剤に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。
請求項2に記載のクコシ又はクコの葉の粉砕物にエイコサペンタエン酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる両方のXがエイコサペンタエン酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。
請求項3に記載のクコシ又はクコの葉の粉砕物にドコサヘキサエン酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる両方のXがドコサヘキサエン酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。
請求項4に記載のクコシ又はクコの葉の粉砕物にアルファ−リポ酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる両方のXがアルファ−リポ酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。
請求項5に記載のクコシ又はクコの葉の粉砕物にベタイン及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる両方のXがベタインである炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。
請求項6に記載の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に、アスタキサンチン0.01〜0.5重量、柿の葉エキス含有大豆油0.01〜0.5重量を含有する組成物からなる食品製剤によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。
請求項7に記載の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に、アスタキサンチン0.005〜0.3重量、柿の葉エキス含有大豆油0.02〜0.7重量を含有する組成物からなる化粧品によれば、副作用が弱く、優れたしわ改善作用が発揮される。
請求項8に記載の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体からなる抗炎症剤によれば、副作用が弱く、優れた抗炎症作用が発揮される。
以下、この発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
まず、炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(1)で示されるゼアキサンチン誘導体について説明する。
Figure 2007176814
Xは、水素、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれか一つであり、Xは両方ともに水素であることはない。
そもそも、ゼアキサンチンとは(3R、3‘R)ジヒドロキシベータカロチン、別名ベータベータカロテン−3、3’−ジオールであり、3位及び3‘位はともに水酸基である。
前記のゼアキサンチン誘導体とは、ゼアキサンチンの3位及び3‘位の水酸基であるXの位置に水素、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれか一つがエステル結合した誘導体である。
前記のエステル結合はゼアキサンチンの水酸基とエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインのいずれかの物質のカルボン酸基がエステル結合したものである。
前記の誘導体にXは2つあり、同一の物質とは限られない。すなわち、いずれかの一つがエイコサペンタエン酸である場合、他方のXは水素、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれか一つである。
ただし、Xが両方ともに、水素であるもの、つまり、ゼアキサンチンそのものではなく、いずれか一方がエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれか一つとエステル結合されている。
前記のゼアキサンチン誘導体はインターロイキン−1アルファ、インターロイキン−8やTNFアルファなどの炎症性サイトカインの産生を抑制する。
前記のゼアキサンチン誘導体は単球、マクロファージ、好中球などの炎症性細胞の細胞膜を通過し、核内に移動してNF−カッパBやNF−IL6などの転写因子に作用し、転写因子が炎症性サイトカインの遺伝子レベルの発現を低減させ、炎症性サイトカインの産生を抑制する。
前記のゼアキサンチン誘導体はエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれか一つが結合していることから小腸や皮膚の細胞膜に馴染みやすく、吸収されやすい特長を有する。
前記のゼアキサンチン誘導体は過剰に摂取され、吸収された場合、その過剰量は血中のエステラーゼにより分解されてゼアキサンチンとそれぞれのエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインのいずれかに分解され、それぞれは安全性が確認されていることから、前記のゼアキサンチン誘導体も安全性が高い。
前記のゼアキサンチン誘導体のうち、Xがエイコサペンタエン酸の場合、エイコサペンタエン酸の不飽和脂肪酸残基が炎症性プロスタグランジン産生抑制作用を呈することから、アラキドン酸より生じる炎症性プロスタグランジンの量を減少させ、抗炎症作用が増強されることから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体のうち、Xがドコサヘキサエン酸の場合、ドコサヘキサエン酸の不飽和脂肪酸残基が血小板凝集抑制及び動脈拡張の作用を呈することから、血流が改善され、抗炎症作用が増強されることから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体のうち、Xがドコサペンタエン酸の場合、ドコサペンタエン酸の不飽和脂肪酸残基が毛細血管拡張の作用を呈することから、炎症局所の血流が改善され、炎症物が排泄されて抗炎症作用が増強されることから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体のうち、Xがガンマ−リノレン酸の場合、ガンマ−リノレン酸の不飽和脂肪酸残基が炎症性プロスタグランジンの反応を抑制させ、抗炎症作用が増加されることから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体のうち、Xがアルファ−リポ酸の場合、アルファ−リポ酸のSH基が抗酸化作用を呈し、酸化ストレスに対する組織の障害が防御されて、抗炎症作用が増強されることから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体のうち、Xがベタインの場合、ベタインのメチル基が炎症細胞の遺伝子転写を調節することから、抗炎症作用が増強されることから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体は、化学的に合成することができる。
また、ゼアキサンチンをクコシ又はクコの葉より抽出し、精製することは精製が容易なことから、好ましい。また、脂肪酸を魚油や魚類より精製し、また、精製された魚油由来の脂肪酸を用いることは、好ましい。
たとえば、これらの脂肪酸をニッスイ製薬、日水漁業、東洋漁業より入手して酵素を用いた生合成や化学的に合成することができる。
これらの原料から酵素反応によりゼアキサンチン誘導体を得る場合には、エステル結合反応を生じる酵素、たとえば、アマノエンザイム製のリパーゼAY「アマノ」30G、リパーゼG「アマノ」50、リパーゼF−AP15、ニューラーゼF3Gなどが用いられる。化学合成反応による場合には、マグネシウム、アルミニウムなどの金属触媒とともに、加温される。
これらの原料は、反応槽にいれられ、溶媒とともに、反応が行われる。また、前記の反応物は、溶媒を除去されて粗生成物として得ることは、精製に要するコストを削減できることから、好ましい。
また、目的とするゼアキサンチン誘導体を天然の素材から抽出し、あるいは、精製することにより得ることができる。天然の素材には、クコシ、クコの葉などの植物、海藻、キノコ、食用動物、食用魚類、軟体動物、昆虫、甲殻類などがある。特に、クコシ、クコの葉、食用魚類の頭部やウナギの頭部は、含量が高いことから、抽出しやすいという特徴がある。
産業上、食用魚類の頭部は食用魚類の加工時に除去され、廃棄物として廃棄されており、利用されていない。この食用魚類の頭部やウナギの頭部を原料として抽出、又は、精製することは廃棄物を有効に利用し、廃棄物の量を軽減することから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体を微生物や酵母を用いた発酵により得ることは食用として安全性が確認されており、食経験も豊富であることから好ましく、この場合、用いる微生物としては納豆菌、乳酸菌、紅麹、枯草菌があり、酵母としてはビール酵母や酒精酵母があり、特に、納豆菌はエステル交換作用に優れていることから好ましい。
前記の発酵はクコシ、クコの葉、魚類、魚類の頭部や内臓、大豆や牛乳などの発酵ベースに前記の微生物又は酵母を添加して発酵タンクを用いて実施される。この発酵後、微生物又は酵母と発酵液の混合物から目的とする前記のゼアキサンチン誘導体を得ることができる。
このうち、クコシ、クコの葉、ウナギの頭部や内臓は食経験も豊富であり、目的とするゼアキサンチン誘導体を安定的に供給できることから好ましい。
さらに、前記の発酵物から発酵物から目的とするゼアキサンチン誘導体を分離する場合、柿の葉エキス含有大豆油を用いて抽出して分離される油溶性部分を採取して得ることは、柿の葉エキス含有大豆油による抗酸化力により物質が安定化され、品質の高い誘導体が分離されることから好ましい。
植物から抽出する場合、クコシ、クコの葉、ギョウジャニンニク、タマネギ、ニンニク、大豆、ギジギシ、カンゾウ、ツリフネソウ、ハナイカダ、大麦若葉、葛の花、トウガラシ、カキ、梨、栗、緑茶、タラ、ワサビ、ワラビ、稲、小麦、トウモロコシ、ダイコン、菜の花、サクラ、マツ、アオキ、アカネ、アカメガシワ、アケビ、アマチャズル、アマドコロ、アロエ、イカリソウ、イタドリ、イノコズチ、イブキジャコウソウ、ウコギ、ウツボグサ、ウド、ウメ、ウラジロガシ、エビスグサ、オウレン、オオバコ、オケラ、オクラ、オトギリソウ、オナモミ、オミナエシ、カキドオシ、カラスウリ、カラスビシャク、カワラケツメイ、カワラナデシコ、カンアオイ、キクイモ、キキョウ、キササゲ、キハダ、キランソウ、キンミズヒキ、クガイソウ、クサボケ、クズ、クチナシ、コウホネ、コブシ、サイカチ、サボンソウ、サルトリイバラバッケツ、サンシュユ、ジャノヒゲ、シラン、スイカズラ、セリ、センブリ、タムシバ、タラノキ、タンポポ、チガヤ、ツリガネニンジン、ツワブキ、ドクダミ、トチノキ、トチバニンジン、ナンテン、ノイバラ、ハコベ、ハトムギ、ハハコグサ、ヒキオコシ、ヒシ、ヒトツバ、ビワ、フキ、フクジュソウ、フジ、マタタビ、メハジキ、ヤマノイモ、ユキノシタ、ヨモギ、リンドウ、レンギョウ、ロウバイ、ワレモコウの葉、花又は根は、入手しやすいことから好ましい。
藻類から抽出する場合、アオサ、アオノリ、アマノリ、アラメ、イワノリ、エゴノリ、オゴノリ、カワノリ、エナガオニコンブ、ガゴメコンブ、ナガコンブ、ホソメコンブ、マコンブ、ミツイシコンブ、リシリコンブ、スイゼンジノリ、テングサ、トサカノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、フノリ、マツモ、ムカデノリ、オキナワモズク、モズク、ワカメ、クキワカメ、メカブワカメの葉部、茎又は根は、入手しやすいことから好ましい。
また、目的とするゼアキサンチン誘導体の分離としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。分離する場合、柿の葉エキス含有大豆油を粗精製の段階で用いることにより、柿の葉エキスによる抗酸化作用が発揮され、目的とする誘導体が安定に維持される。
前記の反応物や組成物から、目的とするゼアキサンチン誘導体を精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。
高度に精製される場合、分離用担体又は樹脂が利用され、精製される。分離用担体又は樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
例えば、逆相担体又は樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。
また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体又は樹脂として利用される。
アフィニティ担体又は樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体又は樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体又は樹脂、分配性担体又は樹脂、分子篩用担体又は樹脂及びイオン交換担体又は樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体又は樹脂及び分配性担体又は樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体又は樹脂が用いられる。また、医薬品製造又は食品製造に利用される担体又は樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2又はXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。これらのうち、ダイヤイオン、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体又は樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して1〜50倍量が好ましく、3〜20倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から4〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、又は、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸又はそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオン及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコール又は低級アルコールと水の混合液が好ましい。
採取後、乾燥又は真空乾燥により溶媒を除去し、目的とするゼアキサンチン誘導体を粉末又は濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから、好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体は、液体又は粉末として得られる。得られたゼアキサンチン誘導体は医薬品、食品製剤、化粧品、衛生用具などに利用される。
医薬品としては、皮膚、全身又は局所の抗炎症剤、抗アレルギー剤、花粉症改善剤、抗肥満剤、脂肪分解剤、しわ除去剤、脂肪肝抑制剤、高脂血症改善剤、抗動脈硬化剤などに利用される。
前記の食品製剤は、抗炎症、鼻炎防止、花粉症防止、皮膚炎の予防、筋肉痛や筋肉疲労の予防、疲労回復、滋養強壮、肝臓機能の維持の目的などで使用される。
この化粧品は炎症性サイトカインの産生を抑制することにより抗炎症作用を呈し、また、皮膚局所の血管拡張作用やリンバ管の拡張作用を呈することから、日焼けなどの炎症により発生したしわやたるみの抑制又は生成の予防に効果的である。
特に、日焼けによる炎症に対して抗炎症作用を発揮し、しわやたるみの原因を取り除く。
衛生用具ではガーゼ、マスク、花粉対策用のマスク、生理用品などに利用される。
さらに、この化粧品は炎症性サイトカインが多量に産生されるアトピー性皮膚炎に対して優れた治療または予防的な働きを呈する。
次に、クコシ又はクコの葉の粉砕物にエイコサペンタエン酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる前記の式(1)で示されるゼアキサンチン誘導体のうち、両方のXがエイコサペンタエン酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(2)で示されるゼアキサンチン誘導体について説明する。
Figure 2007176814
ここでいうゼアキサンチン誘導体とは、前記のゼアキサンチン誘導体であり、ゼアキサンチンの3位又は3‘位の水酸基に、エイコサペンタエン酸のカルボキシル基がエステル結合した誘導体である。
前記のゼアキサンチン誘導体はインターロイキン−1アルファ、インターロイキン−8やTNFアルファなどの炎症性サイトカインの産生を抑制する。
前記のゼアキサンチン誘導体は単球、マクロファージ、好中球などの炎症性細胞の細胞膜を通過し、核内に移動してNF−カッパBやNF−IL6などの転写因子に作用し、転写因子が炎症性サイトカインの遺伝子レベルの発現を抑制して炎症性サイトカインの産生を抑制する。
前記のゼアキサンチン誘導体はエイコサペンタエン酸の不飽和脂肪酸残基が炎症性プロスタグランジン産生抑制作用を呈することから、アラキドン酸より生じる炎症性プロスタグランジンの量を減少させ、抗炎症作用が発揮されることから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体はクコシ又はクコの葉の粉砕物にエイコサペンタエン酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる。
クコシとはクコの実であり、枸杞子と表され、クコの葉は、クコの葉である。クコはナス科の植物で学名はLycium chinenseである。クコシはウルフベリーとも言われる。クコシ又はクコの葉は、神農本草経にも記載され、薬膳料理に古くから利用され、食経験が豊富であり、安全性が確認されている。
また、化粧品原料としてもクコ果実エキスとして利用されている。
ここで用いるクコシ又はクコの葉は日本、韓国、中国、台湾などのアジア、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに自然に繁殖したもの、または、栽培されたいずれのクコの実でも、用いられる。このうち、日本、中国産のものは、農薬の使用履歴が追跡でき、品質が安定し、安価であることから、好ましい。
クコシ又はクコの葉は新鮮なもの、乾燥されたもののいずれでも良い。
採取されたクコシ又はクコの葉は水道水で洗浄されることは好ましい。
クコシ又はクコの葉は粉砕される。粉砕は、粉砕機として株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20などが用いられる。
ここで用いられるエイコサペンタエン酸は、東洋水産、日本水産のイワシ、サバなどの魚類より抽出され、精製されたものが、不純物の少ないことから好ましい。
ここで用いるエステル交換用リパーゼは、エステル交換反応用リパーゼとしては、たとえば、ノボザイム社製のリポザイムやノボザイム435、名糖産業社製のリパーゼPLやリパーゼQLM、アマノエンザイム社製のリパーゼAY「アマノ」30G、リパーゼG「アマノ」50、リパーゼF−AP15、ニューラーゼF3Gなどの品質が高いものが用いられ、これらは安全性が確認されていることから、好ましい。
清浄なステンレス製寸胴などに前記のクコシ又はクコの葉の粉砕物、エイコサペンタエン酸及びエステル交換用リパーゼが添加され、加温される。ここに、溶媒として水道水を添加することは、反応を円滑にすることから好ましい。
添加するクコシ又はクコの葉の粉砕物1重量に対し、エイコサペンタエン酸は0.02〜0.5重量が好ましく、エステル交換用リパーゼは0.0001〜0.03重量が好ましい。
前記の加温の温度として、10〜30℃が好ましく、13〜27℃がより好ましい。
前記の加温の時間として、1〜24時間が好ましく、2〜14時間がより好ましい。
前記の加温は、攪拌されながら、行うことが好ましく、1分間当たり8〜120回の速度が好ましい。
加温された後に、冷却される。冷却方法は、自然冷却又は水冷が好ましい。
前記の反応物は柿の葉エキス含有大豆油により分離される。前記の反応物は、油溶性が高いことから、柿の葉エキス含有大豆油に溶解する。
柿の葉エキス含有大豆油は、柿の葉の粉砕物に大豆油を添加して抽出される油溶性ポリフェノールを含有する抗酸化作用に優れた大豆油であり、目的とする誘導体を安定的に分離できる。
柿の葉エキス含有大豆油に用いる柿の葉は、日本産、中国産、台湾産のいずれでも用いられる。
農薬を使用せずに栽培された柿の葉が農薬による危険性を回避できることから好ましい。
添加するクコシ又はクコの葉の粉砕物1重量に対し、添加する柿の葉エキス含有大豆油は0.3〜3重量が好ましい。
分離されたゼアキサンチン誘導体は、体内に吸収された後、過剰量は、エステラーゼにより分解され、さらに、肝臓において代謝されることから、安全性も高く、副作用も少ない。
前記の反応物から、目的とするゼアキサンチン誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
分離用担体又は樹脂としては、表面がコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。適切な分離用溶媒により分離し、精製され、溶媒を除去して目的とするゼアキサンチン誘導体を得ることは好ましい。
このようにして得られたゼアキサンチン誘導体は、液体又は粉末として得られる。得られたゼアキサンチン誘導体は医薬品、食品製剤又は化粧品に利用される。医薬品としては、抗炎症剤、抗肥満剤、脂肪分解剤、しわ除去剤、脂肪肝抑制剤、高脂血症改善剤、抗動脈硬化剤、抗アレルギー剤などに利用される。
前記の食品製剤は、抗炎症、鼻炎防止、花粉症防止、皮膚炎の予防、筋肉痛や筋肉疲労の予防、疲労回復、滋養強壮、肝臓機能の維持の目的などで使用される。
この化粧品は炎症性サイトカインの産生を抑制することにより抗炎症作用を呈し、また、皮膚局所の血管拡張作用やリンバ管の拡張作用を呈することから、日焼けなどの炎症により発生したしわやたるみの抑制又は生成の予防に効果的である。特に、日焼けによる炎症に対して抗炎症作用を発揮し、しわやたるみの原因を取り除く。
さらに、この化粧品は炎症性サイトカインが多量に産生されるアトピー性皮膚炎に対して優れた治療または予防的な働きを呈する。
次に、クコシ又はクコの葉の粉砕物にドコサヘキサエン酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる前記の式(1)で示されるゼアキサンチン誘導体のうち、両方のXがドコサヘキサエン酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(3)で示されるゼアキサンチン誘導体について説明する。
Figure 2007176814
ここでいうゼアキサンチン誘導体とは、前記のゼアキサンチン誘導体であり、ゼアキサンチンの3位又は3‘位の水酸基に、ドコサヘキサエン酸のカルボキシル基がエステル結合した誘導体である。
前記のゼアキサンチン誘導体はインターロイキン−1アルファ、インターロイキン−8やTNFアルファなどの炎症性サイトカインの産生を抑制する。
前記のゼアキサンチン誘導体は単球、マクロファージ、好中球などの炎症性細胞の細胞膜を通過し、核内に移動してNF−カッパBやNF−IL6などの転写因子に作用し、転写因子が炎症性サイトカインの遺伝子レベルの発現を抑制して炎症性サイトカインの産生を抑制する。
前記のゼアキサンチン誘導体はドコサヘキサエン酸の不飽和脂肪酸残基が血小板凝集抑制及び動脈拡張の作用を呈し、血流が改善されることから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体はクコシの粉砕物にドコサヘキサエン酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる。
クコシとはクコの実であり、枸杞子と表され、クコはナス科の植物で学名はLycium chinenseである。クコの葉は、クコに生える葉である。クコはウルフベリーとも言われる。神農本草経にも記載され、薬膳料理に古くから利用され、食経験が豊富であり、安全性が確認されている。
また、化粧品原料としてはクコ果実エキスとして利用されている。
ここで用いるクコシは日本、韓国、中国、台湾などのアジア、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに自然に繁殖したもの、または、栽培されたいずれのクコの実でも良い。このうち、日本、中国産のものは、農薬の使用履歴が追跡でき、品質が安定し、安価であることから、好ましい。
クコシ又はクコの葉は新鮮なもの、乾燥されたもののいずれでも良い。
採取されたクコシ又はクコの葉は水道水で洗浄されることは好ましい。
クコシ又はクコの葉は粉砕される。粉砕は、粉砕機として株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20などが用いられる。
ここで用いられるドコサヘキサエン酸は、東洋水産、日本水産のマグロの頭部、眼球、イワシ、サバなどの魚類より抽出され、精製されたものが、不純物の少ないことから好ましい。
ここで用いるエステル交換用リパーゼは、エステル交換反応用リパーゼであり、たとえば、ノボザイム社製のリポザイムやノボザイム435、名糖産業社製のリパーゼPLやリパーゼQLM、アマノエンザイム社製のリパーゼAY「アマノ」30G、リパーゼG「アマノ」50、リパーゼF−AP15、ニューラーゼF3Gなどの品質が高いものであり、これらは安全性が高いことから、好ましい。
清浄なステンレス製寸胴などに前記のクコシ又はクコの葉の粉砕物、ドコサヘキサエン酸及びエステル交換用リパーゼが添加され、加温される。ここに、溶媒として水道水を添加することは、反応を円滑にすることから好ましい。
添加するクコシ又はクコの葉の粉砕物1重量に対し、ドコサヘキサエン酸は0.02〜0.5重量が好ましく、エステル交換用リパーゼは0.0001〜0.04重量が好ましい。
前記の加温の温度として、10〜30℃が好ましく、13〜27℃がより好ましい。
前記の加温の時間として、1〜24時間が好ましく、2〜14時間がより好ましい。
前記の加温は、攪拌されながら、行うことが好ましく、1分間当たり8〜120回の速度が好ましい。
加温された後に、冷却される。冷却方法は、自然冷却又は水冷が好ましい。
前記の反応物は柿の葉エキス含有大豆油により分離される。前記の反応物は、油溶性が高いことから、柿の葉エキス含有大豆油に溶解する。
柿の葉エキス含有大豆油は、柿の葉の粉砕物に大豆油を添加して抽出される油溶性ポリフェノールを含有する抗酸化作用に優れた大豆油であり、目的とする誘導体を酸化から防御し、その構造を安定的に維持することができる。
柿の葉エキス含有大豆油に用いる柿の葉は、日本産、中国産、台湾産のいずれでも用いられる。
農薬を使用せずに栽培された柿の葉が用いられ、農薬による危険性を回避できることから好ましい。
添加するクコシ又はクコの葉の粉砕物1重量に対し、添加する柿の葉エキス含有大豆油は0.3〜3重量が好ましい。
分離されたゼアキサンチン誘導体は、体内に吸収された後、過剰量は、エステラーゼにより分解され、さらに、肝臓において代謝されることから、安全性も高く、副作用も少ない。
前記の反応物から、目的とするゼアキサンチン誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
分離用担体又は樹脂としては、表面がコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。適切な分離用溶媒により分離し、精製され、溶媒を除去して目的とするゼアキサンチン誘導体を得ることは好ましい。
このようにして得られたゼアキサンチン誘導体は、液体又は粉末として得られる。得られたゼアキサンチン誘導体は医薬品、食品製剤又は化粧品に利用される。医薬品としては、抗炎症剤、抗肥満剤、脂肪分解剤、しわ除去剤、脂肪肝抑制剤、高脂血症改善剤、抗動脈硬化剤、抗アレルギー剤などに利用される。
前記の食品製剤は、抗炎症、鼻炎防止、花粉症防止、皮膚炎の予防、筋肉痛や筋肉疲労の予防、疲労回復、滋養強壮、肝臓機能の維持の目的などで使用される。
この化粧品は炎症性サイトカインの産生を抑制することにより抗炎症作用を呈し、また、皮膚局所の血管拡張作用やリンバ管の拡張作用を呈することから、日焼けなどの炎症により発生したしわやたるみの抑制又は生成の予防に効果的である。特に、日焼けによる炎症に対して抗炎症作用を発揮し、しわやたるみの原因を取り除く。
さらに、この化粧品は炎症性サイトカインが多量に産生されるアトピー性皮膚炎に対して優れた治療または予防的な働きを呈する。
次に、クコシ又はクコの葉の粉砕物にアルファ−リポ酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる前記の式(1)で示されるゼアキサンチン誘導体のうち、両方のXがアルファ−リポ酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(4)で示されるゼアキサンチン誘導体について説明する。
Figure 2007176814
ここでいうゼアキサンチン誘導体とは、前記のゼアキサンチン誘導体であり、ゼアキサンチンの3位又は3‘位の水酸基に、アルファ−リポ酸のカルボキシル基がエステル結合した誘導体である。
前記のゼアキサンチン誘導体はインターロイキン−1アルファ、インターロイキン−8やTNFアルファなどの炎症性サイトカインの産生を抑制する。
前記のゼアキサンチン誘導体は単球、マクロファージ、好中球などの炎症性細胞の細胞膜を通過し、核内に移動してNF−カッパBやNF−IL6などの転写因子に作用し、転写因子が炎症性サイトカインの遺伝子レベルの発現を抑制して炎症性サイトカインの産生を抑制する。
前記のゼアキサンチン誘導体はアルファ−リポ酸のSH基が抗酸化作用を呈することから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体はクコシの粉砕物にアルファ−リポ酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる。
クコシとはクコの実であり、枸杞子と表され、クコはナス科の植物で学名はLycium chinenseである。クコはウルフベリーとも言われる。クコの葉はクコに生える葉である。これらは神農本草経にも記載され、薬膳料理に古くから利用され、食経験が豊富であり、安全性が確認されている。
また、化粧品原料としてもクコ果実エキスとして利用されている。
ここで用いるクコシ又はクコの葉は日本、韓国、中国、台湾などのアジア、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに自然に繁殖したもの、または、栽培されたいずれのクコの実でも、用いられる。このうち、日本、中国産のものは、農薬の使用履歴が追跡でき、品質が安定し、安価であることから、好ましい。
クコシ又はクコの葉は新鮮なもの、乾燥されたもののいずれでも良い。
採取されたクコシは水道水で洗浄されることは好ましい。
クコシ又はクコの葉は粉砕される。粉砕は、粉砕機として株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20などが用いられる。
ここで用いられるアルファ−リポ酸は、東洋発酵、デグサ社、立山化成社製造のいずれも、用いられる。
ここで用いるエステル交換用リパーゼは、エステル交換反応用リパーゼとしては、たとえば、ノボザイム社製のリポザイムやノボザイム435、名糖産業社製のリパーゼPLやリパーゼQLM、アマノエンザイム社製のリパーゼAY「アマノ」30G、リパーゼG「アマノ」50、リパーゼF−AP15、ニューラーゼF3Gなどの品質が高いものが用いられ、これらは安全性が確認されていることから、好ましい。
清浄なステンレス製寸胴などに前記のクコシ又はクコの葉の粉砕物、アルファ−リポ酸及びエステル交換用リパーゼが添加され、加温される。ここに、溶媒として水道水を添加することは、反応を円滑にすることから好ましい。
添加するクコシ又はクコの葉の粉砕物1重量に対し、アルファ−リポ酸は0.13〜0.8重量が好ましく、エステル交換用リパーゼは0.0001〜0.03重量が好ましい。
前記の加温の温度として、10〜30℃が好ましく、18〜25℃がより好ましい。
前記の加温の時間として、1〜24時間が好ましく、3〜12時間がより好ましい。
前記の加温は、攪拌されながら、行うことが好ましく、1分間当たり10〜100回の速度が好ましい。
加温された後に、冷却される。冷却方法は、自然冷却又は水冷が好ましい。
前記の反応物は柿の葉エキス含有大豆油により分離される。前記の反応物は、油溶性が高いことから、柿の葉エキス含有大豆油に溶解する。
柿の葉エキス含有大豆油は、柿の葉の粉砕物に大豆油を添加して抽出される油溶性ポリフェノールを含有する抗酸化作用に優れた大豆油であり、目的とする誘導体を安定的に分離できる。
柿の葉エキス含有大豆油に用いる柿の葉は、日本産、中国産、台湾産のいずれでも用いられる。
農薬を使用せずに栽培された柿の葉が農薬による危険性を回避できることから好ましい。
添加するクコシ又はクコの葉の粉砕物1重量に対し、添加する柿の葉エキス含有大豆油は0.3〜3重量が好ましい。
分離されたゼアキサンチン誘導体は、体内に吸収された後、過剰量は、エステラーゼにより分解され、さらに、肝臓において代謝されることから、安全性も高く、副作用も少ない。
前記の反応物から、目的とするゼアキサンチン誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
分離用担体又は樹脂としては、表面がコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。適切な分離用溶媒により分離し、精製され、溶媒を除去して目的とするゼアキサンチン誘導体を得ることは好ましい。
このようにして得られたゼアキサンチン誘導体は、液体又は粉末として得られる。得られたゼアキサンチン誘導体は医薬品、食品製剤又は化粧品に利用される。医薬品としては、抗炎症剤、抗肥満剤、脂肪分解剤、しわ除去剤、脂肪肝抑制剤、高脂血症改善剤、抗動脈硬化剤、抗アレルギー剤などに利用される。
前記の食品製剤は、抗炎症、鼻炎防止、花粉症防止、皮膚炎の予防、筋肉痛や筋肉疲労の予防、疲労回復、滋養強壮、肝臓機能の維持の目的などで使用される。
この化粧品は炎症性サイトカインの産生を抑制することにより抗炎症作用を呈し、また、皮膚局所の血管拡張作用やリンバ管の拡張作用を呈することから、日焼けなどの炎症により発生したしわやたるみの抑制又は生成の予防に効果的である。特に、日焼けによる炎症に対して抗炎症作用を発揮し、しわやたるみの原因を取り除く。
さらに、この化粧品は炎症性サイトカインが多量に産生されるアトピー性皮膚炎に対して優れた治療または予防的な働きを呈する。
次に、クコシ又はクコの葉の粉砕物にベタイン及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる前記の式(1)で示されるゼアキサンチン誘導体のうち、両方のXがベタインである炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(5)で示されるゼアキサンチン誘導体について説明する。
Figure 2007176814
ここでいうゼアキサンチン誘導体とは、前記のゼアキサンチン誘導体であり、ゼアキサンチンの3位又は3‘位の水酸基に、ベタインのカルボキシル基がエステル結合した誘導体である。
前記のゼアキサンチン誘導体はインターロイキン−1アルファ、インターロイキン−8やTNFアルファなどの炎症性サイトカインの産生を抑制する。
前記のゼアキサンチン誘導体は単球、マクロファージ、好中球などの炎症性細胞の細胞膜を通過し、核内に移動してNF−カッパBやNF−IL6などの転写因子に作用し、転写因子が炎症性サイトカインの遺伝子レベルの発現を抑制して炎症性サイトカインの産生を抑制する。
前記のゼアキサンチン誘導体はベタインのメチル基が炎症細胞の遺伝子転写を調節して抗炎症作用を発揮することから好ましい。
前記のゼアキサンチン誘導体はクコシ又はクコの葉の粉砕物にベタイン及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られる。
クコシとはクコの実であり、枸杞子と表され、クコはナス科の植物で学名はLycium chinenseである。クコはウルフベリーとも言われる。クコの葉はクコに生える葉である。これらは神農本草経にも記載され、薬膳料理に古くから利用され、食経験が豊富であり、安全性が確認されている。
また、化粧品原料としてもクコ果実エキスとして利用されている。
ここで用いるクコシ又はクコの葉は日本、韓国、中国、台湾などのアジア、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに自然に繁殖したもの、または、栽培されたいずれのクコの実でも、用いられる。このうち、日本、中国産のものは、農薬の使用履歴が追跡でき、品質が安定し、安価であることから、好ましい。
クコシ又はクコの葉は新鮮なもの、乾燥されたもののいずれでも良い。
採取されたクコシ又はクコの葉は水道水で洗浄されることは好ましい。
クコシ又はクコの葉は粉砕される。粉砕は、粉砕機として株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20などが用いられる。
ここで用いられるベタインは、昭和化学ケミカル社製、日本甜菜製糖株式会社製のビートより抽出したニッテンベタインのいずれも、用いられる。
ここで用いるエステル交換用リパーゼは、エステル交換反応用リパーゼとしては、たとえば、ノボザイム社製のリポザイムやノボザイム435、名糖産業社製のリパーゼPLやリパーゼQLM、アマノエンザイム社製のリパーゼAY「アマノ」30G、リパーゼG「アマノ」50、リパーゼF−AP15、ニューラーゼF3Gなどの品質が高いものが用いられ、これらは安全性が確認されていることから、好ましい。
清浄なステンレス製寸胴などに前記のクコシ又はクコの葉の粉砕物、ベタイン及びエステル交換用リパーゼが添加され、加温される。ここに、溶媒として水道水を添加することは、反応を円滑にすることから好ましい。
添加するクコシ又はクコの葉の粉砕物1重量に対し、ベタインは0.23〜0.8重量が好ましく、エステル交換用リパーゼは0.0001〜0.04重量が好ましい。
前記の加温の温度として、10〜30℃が好ましく、18〜25℃がより好ましい。
前記の加温の時間として、1〜24時間が好ましく、3〜12時間がより好ましい。
前記の加温は、攪拌されながら、行うことが好ましく、1分間当たり10〜100回の速度が好ましい。
加温された後に、冷却される。冷却方法は、自然冷却又は水冷が好ましい。
前記の反応物は柿の葉エキス含有大豆油により分離される。前記の反応物は、油溶性が高いことから、柿の葉エキス含有大豆油に溶解する。
柿の葉エキス含有大豆油は、柿の葉の粉砕物に大豆油を添加して抽出される油溶性ポリフェノールを含有する抗酸化作用に優れた大豆油であり、目的とする誘導体を安定的に分離できる。
柿の葉エキス含有大豆油に用いる柿の葉は、日本産、中国産、台湾産のいずれでも用いられる。
農薬を使用せずに栽培された柿の葉が農薬による危険性を回避できることから好ましい。
添加するクコシ又はクコの葉の粉砕物1重量に対し、添加する柿の葉エキス含有大豆油は0.3〜3重量が好ましい。
分離されたゼアキサンチン誘導体は、体内に吸収された後、過剰量は、エステラーゼにより分解され、さらに、肝臓において代謝されることから、安全性も高く、副作用も少ない。
前記の反応物から、目的とするゼアキサンチン誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
分離用担体又は樹脂としては、表面がコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。適切な分離用溶媒により分離し、精製され、溶媒を除去して目的とするゼアキサンチン誘導体を得ることは好ましい。
このようにして得られたゼアキサンチン誘導体は、液体又は粉末として得られる。得られたゼアキサンチン誘導体は医薬品、食品製剤又は化粧品に利用される。医薬品としては、抗炎症剤、抗肥満剤、脂肪分解剤、しわ除去剤、脂肪肝抑制剤、高脂血症改善剤、抗動脈硬化剤、抗アレルギー剤などに利用される。
前記の食品製剤は、抗炎症、鼻炎防止、花粉症防止、皮膚炎の予防、筋肉痛や筋肉疲労の予防、疲労回復、滋養強壮、肝臓機能の維持の目的などで使用される。
この化粧品は炎症性サイトカインの産生を抑制することにより抗炎症作用を呈し、また、皮膚局所の血管拡張作用やリンバ管の拡張作用を呈することから、日焼けなどの炎症により発生したしわやたるみの抑制又は生成の予防に効果的である。特に、日焼けによる炎症に対して抗炎症作用を発揮し、しわやたるみの原因を取り除く。
さらに、この化粧品は炎症性サイトカインが多量に産生されるアトピー性皮膚炎に対して優れた治療または予防的な働きを呈する。
次に、前記の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に、アスタキサンチン0.01〜0.5重量、柿の葉エキス含有大豆油0.01〜0.5重量を含有する組成物からなる食品製剤について説明する。
ここでいう炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体とは、粗生成物、混合物、合成された物、抽出して精製された純度の高い物質のいずれでもよく、前記のゼアキサンチン誘導体とは、ゼアキサンチンの3位及び3‘位の水酸基に、Xの位置に水素、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれか一つがエステル結合した誘導体である。
また、ここでいうゼアキサンチン誘導体はインターロイキン−1アルファ、インターロイキン−8やTNFアルファなどの炎症性サイトカインの産生を抑制する誘導体である。
さらに、ここでいうゼアキサンチン誘導体は単球、マクロファージ、好中球などの炎症性細胞の細胞膜を通過し、核内に移動してNF−カッパBやNF−IL6などの転写因子に作用し、転写因子が炎症性サイトカインの遺伝子レベルの発現を抑制して炎症性サイトカインの産生を抑制する誘導体である。
アスタキサンチンはカロチノイド系色素の一種であり、ヘマトコッカス藻が太陽光に当たり生成される赤色の色素である。サケ、イクラにも含有される天然の物質であり、その安全性と強い抗酸化力が検証されている。
アスタキサンチンはヘマトコッカス藻を培養した後に、炭酸ガスを用いた超臨界抽出により得られる。
武田紙器株式会社、富士化学株式会社製のアスタキサンチンは品質が高く、不純物が少ないことから、好ましい。
柿の葉エキス含有大豆油は、日本、中国、アジア産の富有柿、次郎柿、平核無柿、甲州百目柿、四溝柿、堂上蜂屋柿の葉を粉砕機により粉砕され、大豆油により抽出して得られる。
柿の葉の粉砕された原料を、ヤクルト薬品工業株式会社製のオノズカR−10、Y−NC、アマノエンザイム株式会社製のセルラーゼ A「アマノ」3、セルラーゼ T「アマノ」4などのセルラーゼにより処理することは、抽出効率が向上することから好ましい。
前記の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に対し、添加されるアスタキサンチンは0.01〜0.5重量であり、柿の葉エキス含有大豆油は0.01〜0.5重量であり、これにより組成物が得られる。
ゼアキサンチン誘導体1重量に対し、アスタキサンチンの重量が0.01重量を下回る場合、目的とする組成物が十分に得られないおそれがある。
ゼアキサンチン誘導体1重量に対し、アスタキサンチンの重量が0.5重量を上回る場合、ゼアキサンチン誘導体の溶解性が低下し、析出するおそれがある。
ゼアキサンチン誘導体1重量に対し、柿の葉エキス含有大豆油の重量が0.01重量を下回る場合、目的とする組成物が十分に得られないおそれがある。
ゼアキサンチン誘導体1重量に対し、柿の葉エキス含有大豆油の重量が0.5重量を上回る場合、ゼアキサンチン誘導体の溶解性が低下し、析出するおそれがある。
前記の組成物を得るために、混合後も加温されることは好ましい。加温条件として温度は30〜45℃であり、加温時間は6〜40時間である。
加温温度が30℃を下回る場合、十分な反応が生じないおそれがある。加温温度が45℃を上回る場合、酸化により生成された反応物が褐色に変色するおそれがある。加温時間が6時間を下回る場合、十分な生成物が得られないおそれがある。加温時間が40時間を上回る場合、酸化により生成された生成物が褐色に変色するおそれがある。
この組成物は、前記のゼアキサンチン誘導体を少しずつ、持続的に放出させて、持続性組成物となることから、好ましい。
また、このように構成することにより、ゼアキサンチン誘導体がアスタキサンチンの抗酸化力により安定に維持されて酸化による分解が抑制される。特に、不飽和脂肪酸の二重結合が酸化から守られて構造を維持する。
さらに、前記の組成物が他の原料とともに加工され、食品製剤になる。この場合、種々の食品素材又は飲料品素材に添加することによって、例えば、粉末状、錠剤状、液状(ドリンク剤等)、カプセル状等の形状の食品製剤にすることができる。また、基材、賦形剤、添加剤、副素材、増量剤等を適宜添加してもよい。
前記の食品製剤は、1日数回に分けて経口摂取される。1日の摂取量は0.2〜10gが好ましく、0.3〜6gがより好ましく、0.5〜4gがさらに好ましい。1日の摂取量が、0.2gを下回る場合、十分な抗炎症作用が発揮されないおそれがある。1日の摂取量が、10gを越える場合、コストが高くなるおそれがある。上記の他に、飴、せんべい、クッキー、飲料等の形態で使用することができる。
ここでいう食品製剤とは、人間が食する保健機能食品、健康補助食品、一般食品、病院で用いる病院用食品、また、動物用の飼料又はペット用サプリメント、ペットフードである。
この食品製剤は、抗炎症、鼻炎防止、花粉症防止、皮膚炎の予防、筋肉痛や筋肉疲労の予防、疲労回復、滋養強壮、肝臓機能の維持の目的などで使用される。
次に、前記の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に、アスタキサンチン0.005〜0.3重量、柿の葉エキス含有大豆油0.02〜0.7重量を含有する組成物からなる化粧品について説明する。
ここでいう炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体とは、粗生成物、混合物、合成された物、抽出して精製された純度の高い物質のいずれでもよく、前記のゼアキサンチン誘導体とは、ゼアキサンチンの3位及び3‘位の水酸基に、Xの位置に水素、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれか一つがエステル結合した誘導体である。
また、ここでいうゼアキサンチン誘導体はインターロイキン−1アルファ、インターロイキン−8やTNFアルファなどの炎症性サイトカインの産生を抑制する誘導体である。
さらに、ここでいうゼアキサンチン誘導体は単球、マクロファージ、好中球などの炎症性細胞の細胞膜を通過し、核内に移動してNF−カッパBやNF−IL6などの転写因子に作用し、転写因子が炎症性サイトカインの遺伝子レベルの発現を抑制して炎症性サイトカインの産生を抑制する誘導体である。
アスタキサンチンはカロチノイド系色素の一種であり、ヘマトコッカス藻が太陽光に当たり生成される赤色の色素である。サケ、イクラにも含有される天然の物質であり、その安全性と強い抗酸化力が検証されている。
アスタキサンチンはヘマトコッカス藻を培養した後に、炭酸ガスを用いた超臨界抽出により得られる。
武田紙器株式会社、富士化学株式会社製のアスタキサンチンは品質が高く、不純物が少ないことから、好ましい。
柿の葉エキス含有大豆油は、日本、中国、アジア産の富有柿、次郎柿、平核無柿、甲州百目柿、四溝柿、堂上蜂屋柿の葉を粉砕機により粉砕され、大豆油により抽出して得られる。
柿の葉の粉砕された原料を、ヤクルト薬品工業株式会社製のオノズカR−10、Y−NC、アマノエンザイム株式会社製のセルラーゼ A「アマノ」3、セルラーゼ T「アマノ」4などのセルラーゼにより処理することは、抽出効率が向上することから好ましい。
前記の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に対し、添加されるアスタキサンチンは0.005〜0.3重量であり、柿の葉エキス含有大豆油は0.02〜0.7重量であり、これにより組成物が得られる。
ゼアキサンチン誘導体1重量に対し、アスタキサンチンの重量が0.005重量を下回る場合、目的とする組成物が十分に得られないおそれがある。
ゼアキサンチン誘導体1重量に対し、アスタキサンチンの重量が0.3重量を上回る場合、ゼアキサンチン誘導体の溶解性が低下し、析出するおそれがある。
ゼアキサンチン誘導体1重量に対し、柿の葉エキス含有大豆油の重量が0.02重量を下回る場合、目的とする組成物が十分に得られないおそれがある。
ゼアキサンチン誘導体1重量に対し、柿の葉エキス含有大豆油の重量が0.7重量を上回る場合、ゼアキサンチン誘導体の溶解性が低下し、析出するおそれがある。
前記の組成物を得るために、混合後も加温されることは好ましい。加温条件として温度は30〜45℃であり、加温時間は6〜40時間である。
加温温度が30℃を下回る場合、十分な反応が生じないおそれがある。加温温度が45℃を上回る場合、酸化により生成された反応物が褐色に変色するおそれがある。加温時間が6時間を下回る場合、十分な生成物が得られないおそれがある。
加温時間が40時間を上回る場合、酸化により生成された生成物が褐色に変色するおそれがある。
この組成物は、前記のゼアキサンチン誘導体を少しずつ、持続的に放出させて、持続性組成物となることから、好ましい。
また、このように構成することにより、ゼアキサンチン誘導体がアスタキサンチンの抗酸化力により安定に維持されて酸化による分解が抑制される。特に、不飽和脂肪酸の二重結合が酸化から守られて構造を維持する。
さらに、化粧品として前記の組成物が他の原料とともに加工される。その後、常法に従って油分、界面活性化剤、ビタミン剤、紫外線吸収剤、増粘剤、保湿剤、副素材等とともに用いることができる。
化粧水、クリーム、軟膏、ローション、乳液、パック、オイル、石鹸、洗顔料、香料、オーディコロン、浴用剤、シャンプー、リンスなどの形態とすることができる。化粧品の形態は任意であり、オイル状、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状又は粉末状として用いることができる。
化粧品として皮膚に1日数回に分けて塗布される。1日の塗布量は0.01〜10gが好ましく、0.05〜3gがより好ましく、0.1〜2gがさらに好ましい。1日の塗布量が、0.01gを下回る場合、しわやたるみの治療または防止効果が発揮されないおそれがある。1日の塗布量が、10gを越える場合、コストが高くなるおそれがある。
ここでいう化粧品とは、人間に用いる化粧品である基礎化粧品、美白化粧品、毛髪洗浄剤、トリートメント剤、染め剤、育毛剤、養毛剤、ボディウォッシュ、ボディオイルなどである。その他に、動物に用いる皮膚改善剤又はペット用シャンプー、ボディウォッシュ、ボディオイルなどである。
この化粧品は炎症性サイトカインの産生を抑制することにより抗炎症作用を呈し、また、皮膚局所の血管拡張作用やリンバ管の拡張作用を呈することから、日焼けなどの炎症及びアトピー性皮膚炎や種々の炎症に伴うしわやたるみの抑制又は生成の予防に効果的である。
特に、日焼けによる炎症に対して抗炎症作用を発揮し、しわやたるみの原因を取り除く。
さらに、この化粧品は炎症性サイトカインが多量に産生されるアトピー性皮膚炎に対して優れた治療または予防的な働きを呈する。
次に、前記の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体からなる抗炎症剤について説明する。
ここでいう炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体とは、粗生成物、混合物、合成された物、抽出して精製された純度の高い物質のいずれでもよく、前記のゼアキサンチン誘導体とは、ゼアキサンチンの3位及び3‘位の水酸基に、Xの位置に水素、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれか一つがエステル結合した誘導体である。
また、ここでいうゼアキサンチン誘導体はインターロイキン−1アルファ、インターロイキン−8やTNFアルファなどの炎症性サイトカインの産生を抑制する誘導体である。
さらに、ここでいうゼアキサンチン誘導体は単球、マクロファージ、好中球などの炎症性細胞の細胞膜を通過し、核内に移動してNF−カッパBやNF−IL6などの転写因子に作用し、転写因子が炎症性サイトカインの遺伝子レベルの発現を抑制して炎症性サイトカインの産生を抑制する誘導体である。
医薬品として用いる場合には、不純物による影響を除去することが必要となるために、酵素反応により合成され、溶媒の残留の少ない前記の構造のゼアキサンチン誘導体を用いることが好ましい。
医薬品として経口剤又は非経口剤として利用され、医薬部外品としては、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、歯磨き粉等に配合されて利用される。
経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤は、シェラック又は砂糖で被覆することもできる。
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を含有させることができる。
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。ここで用いる外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥製剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
ここでいう抗炎症剤は、皮膚や全身又は局所の炎症に対して治療又は予防効果を目的とした医薬品又は医薬部外品製剤である。
全身の炎症には、発熱、発赤、浮腫などがあり、臓器ごとの炎症として、肺炎、脳炎、咽頭炎、気管支炎、角膜炎、腸炎、胃炎、十二指腸炎、大腸炎、肝炎、腎炎、膀胱炎、膵炎、神経炎、筋肉炎、動脈炎、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、日焼けによる皮膚炎などであり、特に、日焼けによる皮膚炎に対しては外用剤として利用される。
これらの全身及び局所の各臓器の炎症に対して炎症性サイトカインの産生を抑制する作用機序により効果を発揮する。
加えて、家畜、ペットの炎症の治療を目的とした獣医用医薬品としても利用できる。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、以下の説明は例であり、形態を変化させて実施することができる。
まず、発酵により得られるゼアキサンチン誘導体について説明する。
浜名湖湖畔で養殖されて成長したウナギ(学名Anguilla japonica)100匹を原料として用いた。成長したウナギを解体場で屠殺後解体し、頭部及び内臓を切断し、採取した。体部は、食用に供し、頭部及び内臓を集めた。
集められた頭部及び内臓1.6kgを包丁により裁断し、中山技術研究所製DM−6にて粉砕した。
これを清浄な培養用タンク50L容量に入れ、水道水3.2Lを添加した。これに愛知県で栽培されたクコシ2kgを生のまま水道水で洗浄後、包丁で裁断し、中山技術研究所製DM−6にて粉砕して粉砕物を得た。この160gを前記の寸胴に添加した。これに、中国産大豆を水洗後、30分間煮沸して粉砕した大豆粉砕物3.2kgを添加した。
さらに、納豆素本舗製の納豆菌3.2gを添加した。35℃の温度で、攪拌しながら、48時間発酵させた。
発酵が終了したタンクに、水道水6.4Lを添加した。
一方、日本産富有柿の若葉の2kgを乾燥機により12時間乾燥させ、粉砕機(三力製作所製、三力式万能粉砕機)で粒径0.7マイクロmに粉砕した。
この粉砕物1.8kgにヤクルト薬品工業株式会社製のセルラーゼ(Y−NC)18gを添加し、25℃で12時間攪拌した。得られた粉砕物を大豆油で抽出して柿の葉エキス含有大豆油を調製した。
前記の発酵物に、前記の柿の葉エキス含有大豆油の5Lを添加して1時間攪拌し、混合した。
これを静置して上層に分離した柿の葉エキス含有大豆油により分離される油溶性部分を液体として採取した。水分を除去するために、東洋技研製TGD−250LF2に供し、油状物質として、目的とするゼアキサンチン誘導体を得た。これを実施例1の検体とした。
以下に、エイコサペンタエン酸をエステル結合させたゼアキサンチン誘導体の調製について記載する。
日本で無農薬により栽培されたクコの実であるクコシ10kgを採取し、水道水により十分に洗浄し、乾燥機により乾燥させた。これを原料のクコシとした。
このクコシ2kgを粉砕機(三力製作所製、三力式万能粉砕機)に供し、粉砕してクコシの粉砕物とした。
清浄な寸胴にクコシの粉砕物1kgを入れ、水道水を10L添加した。これに、日本水産製のエイコサペンタエン酸300gを添加して攪拌した。
これに、アマノエンザイム社製のリパーゼAY「アマノ」30Gを10g添加し、25℃に加温して、60回/分の速度で12時間攪拌し、これを加温液とした。
一方、日本産富有柿の若葉の2kgを乾燥機により12時間乾燥させ、粉砕機(三力製作所製、三力式万能粉砕機)で粒径0.7マイクロmに粉砕した。
この粉砕物1.8kgにヤクルト薬品工業株式会社製のセルラーゼ(Y−NC)18gを添加し、25℃で12時間攪拌した。得られた粉砕物を大豆油で抽出して柿の葉エキス含有大豆油を調製した。
前記の加温液の入った寸胴を水道水により冷却後、前記の柿の葉エキス含有大豆油1kgを添加し、油部分を採取した。
この油部分を真空乾燥機により乾燥してエイコサペンタエン酸をエステル結合させたゼアキサンチン誘導体を油状の液体として得た。また、これを実施例2の検体とした。
以下に、ドコサヘキサエン酸をエステル結合させたゼアキサンチン誘導体の調製について記載する。
日本で無農薬により栽培されたクコの実であるクコシ11kgを採取し、水道水により十分に洗浄し、乾燥機により乾燥させた。これを原料のクコシとした。
このクコシ2kgを粉砕機(三力製作所製、三力式万能粉砕機)に供し、粉砕してクコシの粉砕物とした。
清浄な寸胴にクコシの粉砕物1kgを入れ、水道水を10L添加した。これに、日本水産製のドコサヘキサエン酸310gを添加して攪拌した。
これに、アマノエンザイム社製のリパーゼAY「アマノ」30Gを9g添加し、24℃に加温して、55回/分の速度で11時間攪拌し、これを加温液とした。
一方、日本産富有柿の若葉の2kgを乾燥機により12時間乾燥させ、粉砕機(三力製作所製、三力式万能粉砕機)で粒径0.7マイクロmに粉砕した。
この粉砕物1.8kgにヤクルト薬品工業株式会社製のセルラーゼ(Y−NC)18gを添加し、25℃で12時間攪拌した。得られた粉砕物を大豆油で抽出して柿の葉エキス含有大豆油を調製した。
前記の加温液の入った寸胴を水道水により冷却後、前記の柿の葉エキス含有大豆油1kgを添加し、油部分を採取した。
これを真空乾燥機により乾燥してドコサヘキサエン酸をエステル結合させたゼアキサンチン誘導体を油状の液体として得た。また、これを実施例3の検体とした。
以下に、アルファ−リポ酸をエステル結合させたゼアキサンチン誘導体の調製について記載する。
日本で無農薬により栽培されたクコの葉9.5kgを採取し、水道水により十分に洗浄し、乾燥機により乾燥させた。これを原料のクコの葉とした。このクコの葉2kgを粉砕機(三力製作所製、三力式万能粉砕機)に供し、粉砕してクコシの粉砕物とした。
清浄な寸胴にクコの葉の粉砕物1kgを入れ、水道水を10L添加した。これに、東洋発酵製のアルファ−リポ酸250gを添加して攪拌した。
これに、アマノエンザイム社製のリパーゼAY「アマノ」30Gを12g添加し、23℃に加温して、62回/分の速度で10時間攪拌し、これを加温液とした。
一方、日本産富有柿の若葉の2kgを乾燥機により12時間乾燥させ、粉砕機(三力製作所製、三力式万能粉砕機)で粒径0.7マイクロmに粉砕した。
この粉砕物1.8kgにヤクルト薬品工業株式会社製のセルラーゼ(Y−NC)18gを添加し、25℃で12時間攪拌した。得られた粉砕物を大豆油で抽出して柿の葉エキス含有大豆油を調製した。
前記の加温液の入った寸胴を水道水により冷却後、前記の柿の葉エキス含有大豆油1kgを添加し、油部分を採取した。
これを真空乾燥機により乾燥してアルファ−リポ酸をエステル結合させたゼアキサンチン誘導体を油状の液体として得た。また、これを実施例4の検体とした。
以下に、ベタインをエステル結合させたゼアキサンチン誘導体の調製について記載する。
日本で無農薬により栽培されたクコの葉13kgを採取し、水道水により十分に洗浄し、乾燥機により乾燥させた。これを原料のクコの葉とした。
このクコの葉2kgを粉砕機(三力製作所製、三力式万能粉砕機)に供し、粉砕してクコの葉の粉砕物とした。
清浄な寸胴にクコの葉の粉砕物1kgを入れ、水道水を10L添加した。これに、日本甜菜製糖社製のベタイン320gを添加して攪拌した。
これに、アマノエンザイム社製のリパーゼAY「アマノ」30Gを11g添加し、23℃に加温して、55回/分の速度で10時間攪拌し、これを加温液とした。
一方、日本産富有柿の若葉の2kgを乾燥機により12時間乾燥させ、粉砕機(三力製作所製、三力式万能粉砕機)で粒径0.7マイクロmに粉砕した。この粉砕物1.8kgにヤクルト薬品工業株式会社製のセルラーゼ(Y−NC)18gを添加し、25℃で12時間攪拌した。得られた粉砕物を大豆油で抽出して柿の葉エキス含有大豆油を調製した。
前記の加温液の入った寸胴を水道水により冷却後、前記の柿の葉エキス含有大豆油1kgを添加し、油部分を採取した。
これを真空乾燥機により乾燥してベタインをエステル結合させたゼアキサンチン誘導体を油状の液体として得た。また、これを実施例5の検体とした。
以下に、ゼアキサンチン誘導体の精製物について説明する。
実施例2で得られたゼアキサンチン誘導体50gをエタノール1Lに懸濁し、三菱化学製ダイヤイオンの500gを充填したカラムに供して、100%エタノール500mLで洗浄した。さらに5%含水エタノール500mLで洗浄後、20%含水エタノール500mLで溶出してこの分画を採取した。
これを減圧乾燥機に供してエタノールを除去した後、日本エフディ製の凍結乾燥機によりゼアキサンチン誘導体の油状の精製物5gを得た。これを実施例6の検体とした。
以下に、ゼアキサンチン誘導体の同定試験について説明する。
(試験例1)
上記のように得られた実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5及び実施例6で得られたそれぞれのゼアキサンチン誘導体を精製エタノールに溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析し、さらに、核磁気共鳴装置(NMR、ブルカー製、AC−250)で解析した。
その結果、実施例1の検体からは、ゼアキサンチン誘導体としてゼアキサンチンの3位又は3‘位に、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインをエステル結合したゼアキサンチン誘導体が同定された。
また、実施例2及び実施例6の検体からは、ゼアキサンチンの3位及び3‘位に、エイコサペンタエン酸をエステル結合したゼアキサンチン誘導体が同定された。
また、実施例3の検体からは、ゼアキサンチンの3位及び3‘位に、ドコサヘキサタエン酸をエステル結合したゼアキサンチン誘導体が同定された。
また、実施例4の検体からは、ゼアキサンチンの3位及び3‘位に、アルファ−リポ酸をエステル結合したゼアキサンチン誘導体が同定された。
また、実施例5の検体からは、ゼアキサンチンの3位及び3‘位に、ベタインをエステル結合したゼアキサンチン誘導体が同定された。
以下に、ゼアキサンチン誘導体の炎症性サイトカイン産生の抑制試験について説明する。
(試験例2)
試験にはスギ花粉症に感染した年齢22歳〜65歳の男性3名及び年齢21歳〜68歳の女性3名よりヘパリン加血液を採取し、MEM(日水製薬)により単球を培養した。
この単球1000個を35mm径の培養シャーレに播種し、5%炭酸ガス下、37℃で24時間培養した。
これに、スギ花粉(フナミシ製)10ng及び実施例1〜6で得られた検体をジメチルスルホキシドに溶解してそれぞれ1ngを添加し、添加後、48時間した。培養上清を採取し、炎症性サイトカインとしてインターロイキン−1アルファ、インターロイキン−8及びTNFアルファ量をELISAキット(アムジェン製)を用いて吸光度法により定量した。
なお、溶媒対照として検体の代わりに、ジメチルスルホキシドを用いた。
また、陽性対照としてステロイド剤であるプロピオン酸クロベタゾールを用いた。
その結果、インターロイキン−1アルファ量の場合、溶媒対照の量を100%とした場合、それぞれ1ngの添加量で実施例1は67%、実施例2は55%、実施例3は51%、実施例4は46%、実施例5は49%及び実施例6は37%となった。なお、プロピオン酸クロベタゾールは64%であった。
したがって、実施例1〜6の検体は、いずれも、スギ花粉に対してインターロイキン−1アルファの産生を抑制すると結論された。
また、インターロイキン−8量の場合、溶媒対照の量を100%とした場合、それぞれ1ngの添加量で実施例1は86%、実施例2は77%、実施例3は70%、実施例4は78%、実施例5は67%及び実施例6は45%となった。なお、プロピオン酸クロベタゾールは72%であった。
したがって、実施例1〜6の検体は、いずれも、スギ花粉に対してインターロイキン−8の産生を抑制すると結論された。
また、TNFアルファ量の場合、溶媒対照の量を100%とした場合、それぞれ1ngの添加量で実施例1は65%、実施例2は56%、実施例3は52%、実施例4は45%、実施例5は47%及び実施例6は25%となった。なお、プロピオン酸クロベタゾールは62%であった。
したがって、実施例1〜6の検体は、いずれも、スギ花粉に対してTNFアルファの産生を抑制すると結論された。
以上の結果、実施例1〜6の検体は、炎症性サイトカインの産生をプロピオン酸クロベタゾールと同程度に抑制するものと考えられた。
以下に、ゼアキサンチン誘導体を含有する食品製剤の製造について記載する。
前記の実施例1で得られたゼアキサンチン誘導体100gを混合器に入れ、武田紙器製のアスタキサンチン30gを添加した。これに、柿の葉エキス含有大豆油10gを添加し、攪拌しながらこれを37℃で24時間加温して冷却後、組成物約140gを得た。
この組成物100gに、食用セルロース300g、アスコルビン酸1g及び食用香料9gを食品加工用ミキサーに添加し、混合した。これを常法により粉末化し、乾燥後、ブタ由来ゼラチン製ハードカプセルに、1粒250mgとして充填し、食品製剤を得た。これを実施例7の検体とした。
以下に、食品製剤を用いた抗炎症作用について述べる。
(試験例3)
30〜44歳のスギ花粉によりクシャミやハナミズを呈する男性5例に、前記の実施例7で得られた食品製剤を1日1回10カプセルずつ、つまり、2.5gずつ、14日間毎日摂食させた。摂食前及び摂食14日目に、スギ花粉による反応性を観察した。さらに、摂食前及び摂食14日目に、血液を採取し、IgE量を免疫抗体法により測定した。
その結果、摂食後、スギ花粉によるクシャミやハナミズの発現数は、摂食前に比して平均で、27%になり、明らかな反応性の減少が認められた。
さらに、血液IgE量は、摂食前に比して平均値で23%となり、IgE量の減少が認められた。また、摂食後に、体調や健康状態に異常は、認められなかった。
前記の実施例2で得られたゼアキサンチン誘導体100gを混合器に入れ、武田紙器製のアスタキサンチン10gを添加した。
これに、柿の葉エキス含有大豆油50gを添加し、攪拌しながらこれを36℃で36時間加温して冷却後、組成物約150gを得た。
この組成物を混合器に入れ、ミツロウ(アピ製)1kg、コエンザイムQ10(カネカ製)3g、スクワラン(日本水産製)1gを添加し、混合して、化粧品としてクリームを得た。これを実施例8の検体とした。
(試験例4)
実施例8で得られたクリームを使用して、33〜67才の女性7例を対象に、紫外線に対するしわ改善試験を行なった。すなわち、前記の実施例8で得られたクリームを1日当たり1gずつ、7日間、顔面部に塗布させた。
前記の女性に、13時〜14時の間、太陽光を浴びさせた。使用前及び使用7日後に、肌温度、表皮角層水分量測定装置(IBS社製、SKICON200)を用いて角質水分量、弾力計(クトメーター)を用いて肌弾性及び単位面積当たりのしわの長さを計測した。
さらに、汗と皮脂を採取し、含有される炎症性サイトカインであるTNFアルファ量を免疫酵素法(アムジェン製)により測定した。
その結果、使用前の太陽光の照射に比して実施例8の使用後には、平均値として0.3℃の肌温度の低下が認められた。また、表皮角層水分量は、実施例8の使用後に、188%に増加した。さらに、弾力計による弾力は、使用前に比して実施例8の使用後では、213%に増加した。
しわの長さは、使用前に比し、41%になり、しわの減少が認められた。
加えて、汗と皮脂のTNFアルファ量は、使用前に比して、平均値として43%に減少した。
一方、副作用は認められず、使用感も良好であった。
したがって、実施例8の化粧品は紫外線による炎症を抑制し、しわを改善する働きが確認され、高い安全性も認められた。
以下に、ゼアキサンチン誘導体からなる抗炎症剤について述べる。
清浄なステンレス製溶解槽に、前記の実施例6で得られたゼアキサンチン誘導体5g、ラノリン30g、マクロゴールド20g、ミツロウ2g、オゾケライト3gを添加し、1時間溶解した。これを混練機に供し、混合した。これを再度、溶解槽で溶解して、過熱し、脱気装置により脱気させて、目的とする抗炎症剤を軟膏剤として得た。
なお、対照として前記の実施例6で得られたゼアキサンチン誘導体の代わりとしてラノリンを用いた対照となる検体を作製し、対照検体として試験に用いた。
(試験例5)
32〜44歳のスギ花粉によりクシャミやハナミズを呈する男性5例に、前記の実施例9で得られた抗炎症剤を1日1回1gずつ、14日間に鼻腔外部、鼻腔周囲、口腔周囲部分に塗布した。塗布前及び塗布14日目に、スギ花粉による反応性を観察した。さらに、塗布前及び塗布14日目に、血液を採取し、TNFアルファ量及びIgE量を免疫抗体法により測定した。
その結果、塗布後、スギ花粉によるクシャミやハナミズの発現数は、塗布前に比して平均で、30%となり、花粉に対する反応性の減少が認められた。
血中のTNFアルファ量は、塗布前に比して平均値で20%となり、炎症性サイトカインであるTNFアルファ量の減少が認められた。
血中IgE量は、塗布前の値に比して43%となり、IgE量の減少が認められた。また、塗布後に、体調や健康状態、その他の臨床検査値に異常は、認められなかった。
したがって、ゼアキサンチン誘導体からなる抗炎症剤は花粉症に対して炎症性サイトカインとIgE量を低下させ、優れた抗炎症効果を呈し、かつ、安全性も確認された。
一方、ゼアキサンチン誘導体の代わりとしてラノリンを用いた対照検体を用いた場合には、スギ花粉によるクシャミやハナミズの発現数は、塗布前に比して平均値で106%となり、花粉に対する反応性に変化はなかった。
また、血中のTNFアルファ量は、塗布前に比して平均値で98%となり、炎症性サイトカインであるTNFアルファ量に変化はなかった。
血中IgE量も平均値で103%となり、変化は認められなかった。
本発明である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体は、全身及び局所の炎症の防止及び改善を目的とした副作用の弱い、優れた働きを示し、皮膚炎、肺炎、気管支炎、肝炎など種々の炎症に苦しむ患者又は半健康人のQOLを改善するものである。
また、本発明である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体からなる食品製剤は、花粉症、シックハウス症候群、風邪、アレルギー、皮膚炎などの炎症の改善又はその発症を予防し、国民生活の質的向上に寄与するものである。
さらに、炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体からなる化粧品は、日焼けによるしわやくすみ、皮膚の炎症やアトピーに対して改善又は予防効果を示し、国民生活のQOLを向上させる。
加えて、炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体からなる抗炎症剤によれば、皮膚炎、肝炎、脳炎、肺炎、風邪、膵炎、花粉症、アレルギーなどの炎症の改善又は予防に貢献し、国民生活を向上させる。この抗炎症剤は副作用が少なく、優れた抗炎症作用を発揮することにより、医療及び医薬品業界の活性化に寄与するものである。
食用魚類の頭部や内臓ならびにクコの葉など植物や植物の種子などは、加工処理工程で廃棄物として処理されている。本発明は、この廃棄物を有効に利用する点から廃棄物を減少させ、廃棄物による海洋や土壌の富栄養による環境破壊を予防でき、かつ、漁業や農業資源の有効活用が期待され、さらに、漁業や農業や関連産業の発展に寄与するものである。

Claims (8)

  1. 炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(1)で示されるゼアキサンチン誘導体。
    Figure 2007176814
    Xは、水素、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、アルファ−リポ酸、ガンマーリノレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベタインから選択されるいずれか一つであり、Xは両方ともに水素であることはない。
  2. クコシ又はクコの葉の粉砕物にエイコサペンタエン酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られ、請求項1に記載のゼアキサンチン誘導体のうち両方のXがエイコサペンタエン酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(2)で示されるゼアキサンチン誘導体。
    Figure 2007176814
  3. クコシ又はクコの葉の粉砕物にドコサヘキサエン酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られ、請求項1に記載のゼアキサンチン誘導体のうち両方のXがドコサヘキサエン酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(3)で示されるゼアキサンチン誘導体。
    Figure 2007176814
  4. クコシ又はクコの葉の粉砕物にアルファ−リポ酸及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られ、請求項1に記載のゼアキサンチン誘導体のうち両方のXがアルファ−リポ酸である炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(4)で示されるゼアキサンチン誘導体。
    Figure 2007176814
  5. クコシ又はクコの葉の粉砕物にベタイン及びエステル交換用リパーゼを添加し、加温し、柿の葉エキス含有大豆油で抽出して得られ、請求項1に記載のゼアキサンチン誘導体のうち両方のXがベタインである炎症性サイトカイン産生抑制作用を有する下記の式(5)で示されるゼアキサンチン誘導体。
    Figure 2007176814
  6. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に、アスタキサンチン0.01〜0.5重量、柿の葉エキス含有大豆油0.01〜0.5重量を含有する組成物からなる食品製剤。
  7. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体1重量に、アスタキサンチン0.005〜0.3重量、柿の葉エキス含有大豆油0.02〜0.7重量を含有する組成物からなる化粧品。
  8. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の炎症性サイトカイン産生抑制作用を有するゼアキサンチン誘導体からなる抗炎症剤。
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