JP6380840B2 - 脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体 - Google Patents

脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体 Download PDF

Info

Publication number
JP6380840B2
JP6380840B2 JP2014181018A JP2014181018A JP6380840B2 JP 6380840 B2 JP6380840 B2 JP 6380840B2 JP 2014181018 A JP2014181018 A JP 2014181018A JP 2014181018 A JP2014181018 A JP 2014181018A JP 6380840 B2 JP6380840 B2 JP 6380840B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
preferable
fermentation
carotenoid derivative
carotenoid
fat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014181018A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016056101A (ja
Inventor
二村 芳弘
芳弘 二村
Original Assignee
二村 芳弘
芳弘 二村
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 二村 芳弘, 芳弘 二村 filed Critical 二村 芳弘
Priority to JP2014181018A priority Critical patent/JP6380840B2/ja
Publication of JP2016056101A publication Critical patent/JP2016056101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6380840B2 publication Critical patent/JP6380840B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

この発明は脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体に関するものである。
脂肪の蓄積としては内臓脂肪や皮下脂肪の例があり、いずれも生活習慣病の原因となり、健康と美の観点からも対策が急がれる。また、美容においても皮下脂肪の蓄積は脂肪の酸化を引き起こし、皮膚の健康も損なわれる。
脂肪を分解する働きはリパーゼそのものにもあるものの腸管や皮膚が高分子を浸透させることは不可能である。したがって、より低分子の物質であり、安全性の高い成分が必要とされている。
脂肪を分解する酵素活性化剤は有機合成されているものの、その安全性には問題が残る。そのため、天然物由来の種々の研究が行われているものの、脂肪細胞に関する研究には限りがあり、問題の解決には至っていない。
脂肪前駆細胞増殖抑制に関する発明として例えば、内臓前駆脂肪細胞から内臓脂肪細胞への分化を誘導する方法があるものの、特定の物質の同定には至らず、産業への利用には限界がある(例えば、特許文献1参照。)。
特許第5049794号
既存の物質による脂肪前駆細胞増殖抑制作用は軽度であり、産業上への利用が限定されるという課題があり、また、化学合成された物質では安全性に問題があり、利用が限られている。
そこで、副作用が弱く優れた脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈する天然物が望まれている。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は下記の式(1)で示される脂肪前駆細胞増殖抑制作用を有するカロチノイド誘導体に関するものである。
Figure 0006380840
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載のカロチノイド誘導体は脂肪前駆細胞増殖抑制作用に優れている。
以下、この発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体とは、下記の式(1)で示される構造からなるものである。
Figure 0006380840
前記の式(1)のようにカロチノイドの1分子にアデニン1分子とL−ヒスチジン1分子が結合している。
カロチノイド部分は、炭素原子40個、水素原子52個及び酸素原子2個からなる構造を呈し、カンタキサンチンに類似した構造である。
カンタキサンチンはカロチノイドの一種で赤色から橙色を呈し、抗酸化作用に優れている。
また、カンタキサンチンは魚、エビ、藻などに含有する天然物であり、食経験も豊富であり、安全性も高い。
ここに示したカロチノイド誘導体ではアデニンとヒスチジンが結合した構造体であり、アデニンは核酸の成分であり、DNAやRNAとの相互作用が確認できる。
ヒスチジンはアミノ酸の一種であり、機能性ペプチドや酵素、酵素阻害剤などを構成する必須アミノ酸である。
このカロチノイド誘導体はテルペン部分が脂溶性を呈し、一方、環状部分には酸素元素とアデニンとヒスチジンが存在することから、水溶性も増加する。
細胞膜の脂溶性部分にテルペン部分が入り、細胞質には酸素が水溶性として入り込むことから、構造が安定して好ましい。
また、細胞質にも浸透しやすく、核膜にも侵入して遺伝子に直接働きかけられることから、機能性を発揮することは好ましい。
このカロチノイド誘導体は脂肪前駆細胞の増殖を抑制する。
脂肪前駆細胞は脂肪組織の中で脂肪細胞の幹細胞に位置付けられており、インシュリンやインシュリン様成長因子により増殖刺激を受けて増殖し、脂肪を取り込み、また、脂肪を生合成して成長して成熟脂肪細胞と成熟脂肪組織になる。
脂肪前駆細胞には種々の受容体が存在し、その成熟が調整されているが、このカロチノイド誘導体はまず、脂肪前駆細胞の細胞膜を安定化して過剰な増殖を抑制する。
過剰な増殖には脂肪の酸化による細胞膜の酸化障害が関与していることから、このカロチノイド誘導体の抗酸化作用が発揮され、細胞膜が安定になる。
このカロチノイド誘導体による細胞の安定化作用はいろいろな細胞にも同様に起こり、結果として酸化障害から身体が守られる。
さらに、このカロチノイド誘導体は核膜を通過することから、遺伝子に直接的に反応し、過剰な増殖因子や成長因子の分泌を抑制する。
このカロチノイド誘導体は脂肪前駆細胞に、遺伝子レベルと細胞膜レベルで働き、その増殖を抑制する。
このカロチノイド誘導体は肝臓及び腎臓に存在するエステラーゼによりカロチノイド、アデニン及びヒスチジンに分解され、代謝されねーることから安全性に優れている。
また、このカロチノイド誘導体は全て自然界に存在する物質であり、その食経験や化粧品としての利用実績が豊富であることから安全性が確認されている。
このカロチノイド誘導体は脂溶性と水溶性の両方の性質を有することから、腸管からも血中に取り込まれやすいという特徴がある。また、このカロチノイド誘導体は脂溶性と水溶性の両方の性質を有することから、皮膚の角質組織にも浸透しやすく皮下組織にも浸透して脂肪前駆細胞の増殖を抑制することから、セルライト対策や肥満にも利用できる。
さらに、このカロチノイド誘導体は眼の部分に蓄積した脂肪球に取り込まれやすく、視力の障害となる脂肪の分解に寄与する。
そもそも、カロチノイド自体は眼の組織に豊富であり、視力の回復に貢献することから、このカロチノイド誘導体にも視力回復作用が期待される。
このカロチノイド誘導体は魚、植物、藻、微生物などに存在しており、これらから抽出することは好ましい。
また、化学的に有機合成されることは大量生産のために好ましい。
得られたカロチノイド誘導体を医薬品素材として利用する場合、目的とするカロチノイド誘導体を分離精製することは、目的とするカロチノイド誘導体の純度が高まり、不純物を除去できる点から好ましい。
医薬品として、注射剤または経口剤または塗布剤などの非経口剤として利用され、医薬部外品としては、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、塗布剤、ゲル剤、歯磨き粉等に配合されて利用される。
経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤は、シェラックまたは砂糖で被覆することもできる。
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を添加することができる。
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
食品製剤として脂肪前駆細胞増殖抑制と美容を目的とした健康食品、美容食品などに利用される。また、保健機能食品として、栄養機能食品や特定保健用食品に利用することは好ましい。
得られた食品製剤をイヌやネコなどのペットや家畜動物に利用する場合、脂肪の分解と皮膚の健康を維持する目的として飼料やサプリメントとして利用される。
化粧料として常法に従って界面活性化剤、溶剤、増粘剤、賦形剤等とともに用いることができる。例えば、クリーム、毛髪用ジェル、洗顔剤、美容液、化粧水等の形態とすることができる。
化粧料の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状または粉末状として用いることができる。
得られた化粧料は過剰な皮脂を分解し、皮膚の清浄作用を発揮する。
また、皮脂は細菌の栄養素になるため、本誘導体によりアトピー患者の角質の脂質の改善と皮膚再生を促進する。
また、このカロチノイド誘導体を発酵法により製造することは好ましい。
たとえば、ナンキョクオキアミ(学名Euphausia superba)を発酵することにより得ることは効率的であり、好ましい。
ナンキョクオキアミはオキアミ目に属する生物であり、南極海に分布している。
ナンキョクオキアミは体内に種々のカロチノイドを有することから好ましい。また、タンパク質や核酸も豊富であることから好ましい。
製造方法としてはナンキョクオキアミ、大豆粉末と納豆本舗製の納豆菌を添加して発酵させた発酵液をさらに紅麹本舗製のベニコウジ菌で発酵させ、さらに、プロテアーゼ処理する工程からなる。
ナンキョクオキアミは南極海で採取されたもので、日本、中国、台湾、アメリカなどの国が採取しているが、いずれの国のものでも良い。
ナンキョクオキアミは乾燥され、粉末化されることは保存性が高まることから好ましく、発酵の前にオートクレーブ滅菌されることは発酵をスムーズに行うることからさらに好ましい。
3マイクロメーター以下の粒子サイズの粉末が発酵の工程を実施しやすくすることから好ましい。
原料となる大豆粉末は、日本産、中国産、アメリカ産、ロシア産などいずれの産地の大豆でも利用できるが、トレーサビリティーが確実であり、生産者が明確である日本産が好ましい。
このうち、有機栽培や無農薬で栽培された大豆は有害な農薬や金属を含有しないことから、さらに好ましい。
大豆は使用に際して、株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20、中山技術研究所製DM−6などの粉砕機で粉砕される。これにより発酵の工程が効率的に進行されやすい。
さらに、ナンキョクオキアミと大豆は粉砕後、オートクレーブなどにより滅菌されることは雑菌の繁殖を防御できることから好ましい。
用いる納豆本舗製の納豆菌は学名バチルス サブチリスで日本では納豆の製造に汎用され、食経験が豊富で有用な食用菌である。
沖縄や鹿児島などの日本産、中国や台湾の東南アジア原産の菌種が用いられる。用いる納豆菌は納豆本舗製であり、高い発酵性を呈する。
この納豆菌はナンキョクオキアミの果実と大豆からなるカロチノイドとタンパク質、核酸成分を同時に発酵させることによりカロチノイドとヒスチジンとアデニンが結合する。
前記の発酵に関するそれぞれの添加量はナンキョクオキアミの果実の乾燥粉末1重量に対し、大豆粉末は0.1〜5重量及び納豆本舗製の納豆菌は0.001〜0.06重量が好ましい。納豆菌は発酵される前に、前培養することは、発酵の初発時間を短縮し、発酵時間が短縮されることから好ましい。
前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、滅菌された水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
また、この発酵は39〜44℃に加温され、発酵は、2日間から20日間行われる。目的とするカロチノイド誘導体をHPLCやTLCにより定量することならびに、菌体の増殖性を確認することにより、発酵の工程管理を実施することは好ましい。
得られたバチルス発酵液は引き続き、紅麹本舗製のベニコウジ菌によって発酵される。このベニコウジ菌による発酵によりカロチノイド誘導体が分離され、吸収も促進される。
用いる紅麹本舗製のベニコウジ菌は学名Monascuc purpureusの糸状菌であり、古くから日本、中国や台湾において紅酒や豆腐ようなどの発酵食品に利用されている。また、沖縄や鹿児島などの日本産、中国や台湾の東南アジア原産の菌種が用いられる。紅麹本舗製のベニコウジ菌は発酵効率に優れている。
前記の発酵に関するそれぞれの添加量は前記の発酵物1重量に対してベニコウジ菌は0.0001〜0.009重量が好ましい。紅麹本舗製のベニコウジ菌は発酵される前に、前培養することは、発酵の初発時間を短縮し、発酵時間が短縮されることから好ましい。
前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、滅菌された水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
また、この発酵は40〜46℃に加温され、発酵は1日間から14日間行われる。
この発酵の工程によってヒスチジンとアデニンがカロチノイドと結合するものの、まだ、分子量が大きいため、吸収及び皮膚からの浸透を促進する目的でプロテアーゼにより分解され低分子化される。
プロテアーゼはタンパク質を分解し、ペプチドやアミノ酸を生成する加水分解の酵素であり、食用としても利用されている。アマノ製薬のプロテアーゼNは酵素活性が高いことから好ましい。
前記の発酵物にプロテアーゼを添加して加温することによりカロチノイドとタンパク質が分解され、カロチノイド誘導体になる。
発酵物の1重量に対してプロテアーゼの添加量は0.001〜0.07重量が好ましい。加温温度は36〜48度が好ましい。加温時間は1時間から6時間が好ましい。
前記のプロテアーゼ処理した分解物は含水エタノールで抽出されることは、生成物を効率良く回収でき、プロテアーゼを失活でき、次の工程が実施しやすいことから、好ましい。
また、得られた発酵物を超音波処理することは、生成物が分離しやすいことから、好ましい。また、凍結乾燥などにより、濃縮することは、以下の工程が短時間に実施できることから好ましい。
前記の還元反応物から、目的とするカロチノイド誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
例えば、分離用担体または樹脂により分離され、分取されることにより目的とするカロチノイド誘導体が得られる。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
例えば、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。
これらのうち、ダイヤイオン、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して1〜35倍量が好ましく、4〜25倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から4〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオン及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
カロチノイド誘導体を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、目的とするカロチノイド誘導体を粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから、好ましい。
また、このカロチノイド誘導体を粉末化することは防腐の目的から好ましい。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、これらは一例であり、素材、原料や検体の違いに応じて常識の範囲内で条件を変更させることが可能である。
南極海で採取されたナンキョクオキアミを用いた。ナンキョクオキアミは採取後、洗浄され、凍結されていた。
これを水道水で水洗後、天日で乾燥させ、粉砕機(株式会社奈良機械製作所製のスーパー自由ミル)にて粉砕し、ナンキョクオキアミの乾燥粉末粉砕物を1.2kg得た。
北海道産の大豆をミキサー(クイジナート)に供し、大豆の粉砕物1.2kgを得た。前記のナンキョクオキアミの果実と大豆の粉砕物をオートクレーブに供し、121℃、20分間、滅菌した。
これらを清浄な発酵タンク(滅菌された発酵用丸形40リットルタンク)に入れ、滅菌された水道水10kgを添加し、攪拌した。
これとは別に、納豆本舗製の粉末納豆菌の10gを小型発酵タンクに供し、滅菌した大豆粉末と前培養させた培養液を用意した。
前記の前培養した納豆菌の溶液を前記の金の粉砕物、ナンキョクオキアミの果実の乾燥粉末と大豆を入れた発酵タンクに添加し、攪拌後、40〜42℃の温度範囲で加温し、発酵させた。
発酵過程では、通気によりバブリングと攪拌を行いつつ、発酵液のサンプリングを行った。
このバチルスによる発酵物1kgに対して紅麹本舗製のベニコウジ菌の10gを添加し、39℃で3日間発酵させた。
得られた発酵物1kgに対してアマノ製薬のプロテアーゼNを9g添加し、40℃で2時間加温した。
この処理物を加温し、エタノールを添加して目的とするカロチノイド誘導体159gを得た。
以下に、カロチノイド誘導体の構造解析に関する試験方法及び結果について説明する。
(試験例1)
上記のように得られた検体1をエタノールに溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析した。
さらに、核磁気共鳴装置(NMR、ブルカー製、AC−250)で解析した。構造解析の結果、検体1からカロチノイドとアデニンとヒスチジンが検出され、その結合体が検出された。つまり、カロチノイド1分子の環状部分にアデニン1分子が結合し、さらに、別のカロチノイド環状部分にヒスチジンが1分子結合していた。
以下にヒト脂肪前駆細胞を用いた増殖試験について述べる。
(試験例2)
BIOPREDIC International社(フランス)より購入したヒト脂肪前駆細胞を用いた。
培養液としては、5%牛胎児血清含有MEM培地(Sigma製)を用いて培養した、1000個の細胞を35mm培養シャーレに播種し、5%炭酸ガス下、37℃で培養した。これに、前記の実施例1で得られた検体1及び対照としてカテキンを0.1mg/mlの最終濃度で添加した。これを48時間培養した。
細胞を剥離後、細胞数を計数した後、細胞懸濁液を調整し、細胞内の中性脂肪量をELISA法(和光純薬)にて測定した。なお、シャーレは5枚を用いてその平均値を算出した。
その結果、検体1の0.1mg/mlの添加により脂肪細胞数が対照群に比して平均値として44%に減少した。この結果から、カロチノイド誘導体は脂肪前駆細胞の増殖を抑制した。カテキンでは81%の減少であり検体1の方が優れていた。
中性脂肪については検体1により対照群に比して22%に低下した。カテキンでは56%となり、検体1の減少が著しかった。この結果、カロチノイド誘導体は脂肪減少作用を呈すると結論された。
本発明で得られるカロチノイド誘導体は脂肪の増加による生活習慣病、特に、高脂血症や動脈硬化を軽減し、かつ、副作用が少ないことから、国民のQOLを改善し、健康な労働人口を増加させ、かつ、医療費を削減できる。
本発明で得られるカロチノイド誘導体は皮膚の脂質を改善する作用を有することから、化粧料として皮脂過多やアトピー、肌トラブルに悩む方の改善に貢献し、化粧品業界の発展に寄与する。
本発明で得られるカロチノイド誘導体は食品としても利用できることから、食品業界の発展に寄与する。

Claims (1)

  1. 下記の式(1)で示される脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体。
    Figure 0006380840
JP2014181018A 2014-09-05 2014-09-05 脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体 Active JP6380840B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014181018A JP6380840B2 (ja) 2014-09-05 2014-09-05 脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014181018A JP6380840B2 (ja) 2014-09-05 2014-09-05 脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016056101A JP2016056101A (ja) 2016-04-21
JP6380840B2 true JP6380840B2 (ja) 2018-08-29

Family

ID=55757479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014181018A Active JP6380840B2 (ja) 2014-09-05 2014-09-05 脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6380840B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7141451B2 (ja) 2017-10-12 2022-09-22 ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト コンデンサ・カップ及びコンデンサ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6797303B2 (en) * 2001-09-04 2004-09-28 Lycored Natural Products Industries Ltd. Carotenoid extraction process
JP5031156B2 (ja) * 2001-09-20 2012-09-19 カゴメ株式会社 抗肥満剤
JP5733696B2 (ja) * 2010-08-16 2015-06-10 二村 芳弘 脂肪分解作用を呈するカロチノイド誘導体の製造方法
JP6388201B2 (ja) * 2014-08-01 2018-09-12 二村 芳弘 サイトケラチン増加作用を呈するカロチノイド誘導体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7141451B2 (ja) 2017-10-12 2022-09-22 ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト コンデンサ・カップ及びコンデンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016056101A (ja) 2016-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5399468B2 (ja) 脂肪分解活性を呈する組成物
JP5583259B1 (ja) コラーゲン産生作用を有する新規な誘導体及びその製造方法
JP6273551B2 (ja) アミロイド形成阻害作用を呈するネルボン酸誘導体
JP6369751B2 (ja) ケラチン産生作用を呈するクルクミン誘導体及びその製造方法
JP6388201B2 (ja) サイトケラチン増加作用を呈するカロチノイド誘導体
JP2009280514A (ja) 抗酸化作用を示す有機酸ペプチド結合ルテオリン誘導体及びその製造方法
JP6380840B2 (ja) 脂肪前駆細胞増殖抑制作用を呈するカロチノイド誘導体
JP6974661B2 (ja) 水溶性エキス輸送作用を呈する環状ペプチド誘導体
JP2016060718A (ja) エラスチン産生作用を呈するケルセチン誘導体及びその製造方法
JP6241672B2 (ja) 抗ウイルス作用を呈するエラグ酸誘導体及びその製造方法
JP6369752B2 (ja) ケラチン増加作用を呈するポリフェノール誘導体及びその製造方法
JP6741965B2 (ja) ケラチン増加作用を呈するデヒドロレチノール誘導体
JP2016088858A (ja) 水素を発生しケラチン産生作用を呈するレスベラトロール誘導体及びその製造方法
JP6751838B2 (ja) ランゲルハンス細胞活性化作用を呈するノイラミン酸誘導体及びその製造方法
JP6490997B2 (ja) Atp増加作用を呈するジェウェノールa誘導体及びその製造方法
JP6292072B2 (ja) ヒアルロン酸合成酵素誘導作用を呈する脂肪酸誘導体及びその製造方法
JP6802537B1 (ja) ヘミデスモゾーム活性化作用を呈するドーパキノン誘導体及びその製造方法
JP5399467B2 (ja) 皮膚上皮細胞増殖促進作用を呈する組成物
JP6606635B2 (ja) サイトケラチン増加作用を呈するカロチノイド誘導体
JP5403638B2 (ja) コラーゲン産生作用を呈する組成物
JP7015775B2 (ja) 遺伝子修復作用を呈するポリフェノール誘導体
JP6876217B2 (ja) 抗炎症作用を呈するペプチドグリカン誘導体
JP6859559B2 (ja) 抗アレルギー作用を呈するフェニルペプチド誘導体
JP2018070558A (ja) 遺伝子修復作用を呈するグリセロール誘導体
JP6436338B2 (ja) メラニン分解作用を呈するペラルゴニジン誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6380840

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350