JP5733696B2 - 脂肪分解作用を呈するカロチノイド誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は脂肪分解作用を呈するカロチノイド誘導体の製造方法に関するものである。
肥満はメタボリック症候群を含めた生活習慣病と密接に関連しており、飢餓に苦しむ人類が存在する一方、肥満人口は、世界で1億6千万人ともいわれる。日本においても、平成12年の国民栄養調査によれば、肥満又はその予備軍の人口は2300万人と言われている。
また、肥満は、重症の場合には肥満症として疾病にも位置付けられており、肥満症に対して薬物療法や外科療法が実施され、治療薬の開発も進められている。
さらに、肥満は、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症を代表とした生活習慣病の原因の一つであり、過剰な脂肪の蓄積が引き金と考えられている。特に、低比重リポタンパク質や中性脂肪は、生体内でも生合成され、食事由来の低比重リポタンパク質や中性脂肪ともに組織に蓄積されて、実質臓器の機能を低下させる。また、過剰の低比重リポタンパク質や中性脂肪は血管内皮細胞を攻撃し、血管平滑筋細胞の働きにも影響を及ぼし、動脈硬化の一因にもなる。
低比重リポタンパク質や脂肪の除去には、外科療法として脂肪吸引法が考えられているものの、一時的な対症療法であり、体質の改善には至らないため、再度の脂肪蓄積が認められる。その脂肪減少の効果は一時的であり、体液量の変化や手術による痛み、後遺症などの問題もある。
低比重リポタンパク質や脂肪に含有される脂肪酸の種類が動脈硬化や肥満において重篤なものか否かを決定している。すなわち、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸などの飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は肥満の原因となり、また、アラキドン酸はプロスタグランジンやロイコトリエンなどの成分であり、肥満や肥満に付随する生活習慣病をより重篤なものにする。
オメガ−3系の不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸などは、中性脂肪の増加を抑制し、血管内皮細胞を増強することにより、動脈硬化を抑制する作用を有する。
脂肪減少に関する発明としては、オメガ−3系のポリ不飽和脂肪酸を併用するL−カルニチンまたはアルカノイルL−カルニチン含有医薬組成物があり、この発明では、アルカノイル基としてアセチル、プロピオニル、ブチニル、バレリルおよびイソバレリルが選択され、オメガ−3系のポリ不飽和脂肪酸が組成物として添加されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、カルニチンを有する動物肉ペプチドとビフィズス菌とガルシニアエキスとスベリヒユ、茶葉エキスとを腸溶性糖衣により包んで糖衣錠にしたことを特徴とする脂質代謝加工食品がある。この発明では、カルニチンとペプチドなどの組成物が提示されているが、混合された組成物である(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、痩身用皮膚化粧料の発明として、cAMP誘導促進剤(酸性アミノ酸)、脂肪分解 燃焼促進剤(パンテテイン関連物質とカルニチン )、ホスホジエステラーゼ阻害剤(キサンチン/誘導体)の3者を組合せて痩身用皮膚化粧料とする発明がある(例えば、特許文献3参照。)。
脂肪と化粧品に関係について皮膚の土台である皮下組織や脂肪組織を維持する化粧品の例は少ない。皮下脂肪の過剰な増加は、皮膚の健康状態を左右し、血流やリンパの流れを阻害することから、皮膚における脂肪を適切に維持することは、重要であり、脂肪量を調整する化粧品は新しいコンセプトを持つ製品群になる可能性がある。
また、脂肪の老廃物であるセルライトは外観を損なうばかりでなく、局所の肌トラブルを生じるものであり、セルライトの減少は美容産業でも注目されている。よって、セルライトの減少作用がある全身用の化粧品が望まれている。
一方、化学合成された脂肪の減少作用を呈する物質として、たとえば、デキストラン硫酸とクロフィブラートがある。しかし、デキストラン硫酸には抗凝血、下痢などの副作用が報告され、問題となるケースが多い。また、クロフィブラートやベザフィブレートについても、筋肉痛、肝臓障害、CPK値の上昇などの副作用が認められる。
特開平9−176005 特開2000−228967 特開2001−64147
前記したように既存の天然物による脂肪分解作用は軽度であり、産業上への利用が限定されるという課題があり、また、化学合成された物質では安全性に問題があり、利用が限られている。
そこで、副作用が弱く優れた脂肪分解作用を呈する天然物を効率良く製造する製造方法が望まれている。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、脂肪分解作用を呈するカロチノイド誘導体の製造方法に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の製造方法によれば、効率良く脂肪分解作用を呈するカロチノイド誘導体を製造することができる。
以下、この発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
クコシの粉末を水に懸濁し、セルラーゼ処理した後、濾過したろ液をアルカリ還元し、分岐シクロデキストリンを添加した後、プロテアーゼ処理した後、濾過したろ液を大豆油で抽出する工程からなる下記の式(1)に示される脂肪分解作用を呈するカロチノイド誘導体の製造方法について説明する。
Figure 0005733696
ここでいうカロチノイド誘導体とはカロチノイドの一種であるゼアキサンチンと没食子酸より構成される結合体である。
ゼアキサンチンと没食子酸はもともと天然の植物に含有されており、その安全性も確認されている。
ゼアキサンチンとは分子量568.88で、化学式C4H56O2の黄色物である。また、没食子酸は分子量170.12で、化学式C7H6O5の白色物である。
ゼアキサンチン1分子に没食子酸が2分子結合しており、結合様式は脱水反応によるエステル結合である。このカロチノイド誘導体は油溶性が高く、安定していることから産業上利用しやすい。
このカロチノイド誘導体は脂肪に対して2つの作用メカニズムを有している。
このカロチノイド誘導体の没食子酸とゼアキサンチンは脂肪細胞の増殖を抑制する。すなわち、カロチノイド誘導体が脂肪細胞増殖因子を抑制し、細胞の増殖を抑制する。
もう一つの作用としてこのカロチノイド誘導体は油溶性が高く脂肪細胞に浸透し、脂肪細胞内の脂肪滴を活性化し、リパーゼ作用を介して脂肪を分解する。この2つの脂肪分解作用により発症原因が異なる肥満やメタポリック症候群に対しても働く。
一方、このカロチノイド誘導体は細胞内に局在するエステラーゼにより分解されて没食子酸とカロチノイドに分解されることから残留性もなく、安全性は高い。
得られたカロチノイド誘導体を医薬品素材として利用する場合、目的とするカロチノイド誘導体を分離精製することは、目的とするカロチノイド誘導体の純度が高まり、不純物を除去できる点から好ましい。
医薬品として注射剤または経口剤または塗布剤などの非経口剤として利用され、医薬部外品としては、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、塗布剤、ゲル剤、歯磨き粉等に配合されて利用される。
経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤は、シェラックまたは砂糖で被覆することもできる。
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を添加することができる。
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
食品製剤として抗肥満、脂肪減少、メタボリック症候群の抑制を目的とした健康食品や食品などに利用される。また、保健機能食品として、栄養機能食品や特定保健用食品に利用することは好ましい。
得られた食品製剤をイヌやネコなどのペットや家畜動物に利用する場合、肥満を防止する目的として、飼料やサプリメントとして利用される。
化粧料として常法に従って界面活性化剤、溶剤、増粘剤、賦形剤等とともに用いることができる。例えば、クリーム、毛髪用ジェル、洗顔剤、美容液、化粧水等の形態とすることができる。
化粧料の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状または粉末状として用いることができる。
得られた化粧料は皮脂の脂肪量を調整することにより皮脂汚れや皮膚炎を改善する。
この製造方法はクコシの粉末を水に懸濁し、セルラーゼ処理した後、濾過したろ液をアルカリ還元し、分岐シクロデキストリンを添加した後、プロテアーゼ処理した後、濾過したろ液を大豆油で抽出する工程からなる。
原料となる物質はクコシの粉末、セルラーゼ、分岐シクロデキストリン、プロテアーゼである。
クコシとはクコの実であり、枸杞子と表される。クコはナス科の植物で学名はLycium chinenseである。神農本草経にも記載され、薬膳料理に古くから利用され、食経験が豊富であり、安全性が確認されている。
また、クコ果実エキスは化粧品原料としても利用され、安全性が高い。
ここで用いるクコシは日本、韓国、中国、台湾などのアジア、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに自然に繁殖したもの、または、栽培されたいずれのクコの実でも良い。このうち、日本、中国産のものは、農薬の使用履歴が追跡でき、品質が安定し、安価であることから、好ましい。
クコシは新鮮なもの、乾燥されたもののいずれでも良い。
採取されたクコシは水道水で洗浄されることは好ましい。
クコシは粉砕される。粉砕には粉砕機を用い、たとえば、株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20などが用いられる。
このクコシの粉末は清浄な水を添加して懸濁される。クコシの粉末10gに対して水10リットルから20リットルを添加し、攪拌されることが好ましい。
次いで、このクコシの懸濁液にセルラーゼが添加される。セルラーゼとは食物線維であるセルロースを分解する酵素である。食物線維にはカロチノイドや有機酸を結合する性質があることから、これを分解し、カロチノイドや有機酸を遊離させる。
セルラーゼは市販されており、食品加工用のセルラーゼが好ましい。たとえば、天野エンザイム製のセルラーゼA「アマノ」3やセルラーゼM「アマノ」4が品質の安定している点から、好ましい。
このセルラーゼはクコシの粉末10gに対して0.01g〜0.1gの範囲で添加され、30〜50℃の温度で加温され、1〜5時間行われることは酵素分解が促進されることから好ましい。
この反応液は濾過される。濾紙やメンブランフィルターを用いることにより効率良くろ過される。ろ過してろ液を得ることにより反応していない成分や原料を排除できることから好ましい。
ろ液はアルカリ還元される。アルカリ還元によってゼアキサンチンと没食子酸の結合が促進される。
アルカリ還元処理はアルカリ還元装置やアルカリ還元整水器により実施されることが好ましい。
例えば、ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」、エヌアイシー製のアルカリ還元水製造装置「テクノスーパー502」、マルタカ製「ミネリア・CE−212」、クレッセント製「アキュラブルー」、株式会社日本鉱泉研究所製「ミネラル還元整水器」などの装置を用いることがさらに好ましい。
電気分解されて陰極側から目的とするカロチノイド誘導体とアルギニンとの結合体が溶液として得られる。
アルカリ還元処理を2〜5回繰り返すことにより反応が高まることから好ましい。
次に、還元液に分岐シクロデキストリンが添加される。分岐シクロデキストリンは環状ブドウ糖の一つであり、酵素反応によりブドウ糖が環状に結合し、食品、化粧料や医薬品に利用される。
この分岐シクロデキストリンは通常のシクロデキストリンよりも溶解性に優れ、分岐シクロデキストリンの内腔に疎水性部分を有し、疎水性の高い物質を吸着しやすい。たとえば、塩水港精糖株式会社の分岐シクロデキストリンは品質が良いことから好ましい。
添加される分岐シクロデキストリンはクコシ1gに対して1g〜4gが好ましい。この分岐シクロデキストリンとの懸濁液は攪拌されることが好ましい。
この懸濁液にプロテアーゼが添加される。用いるプロテアーゼとしては天野エンザイム社製の食品加工用プロテアーゼであるプロテアーゼA「アマノ」SD、プロテアーゼM「アマノ」SDまたはプロテアーゼP「アマノ」3SDは品質が安定し、使用実績が豊富なことから好ましい。
添加されるプロテアーゼはクコシ1gに対して0.01gから0.06gが好ましい。このプロテアーゼは精製水に懸濁して添加されることは反応が進むことから好ましい。
この懸濁液は反応を促進するために加温され、攪拌されることは好ましい。加温としては30〜40℃が好ましい。また、攪拌は1分間当り10〜30回が好ましい。
このプロテアーゼ反応液は濾過される。濾紙やメンブランフィルターを用いることにより効率良くろ過される。ろ過してろ液を得ることにより反応していない成分や原料を排除できることから好ましい。
得られたろ液に大豆油が添加されて目的とするカロチノイド誘導体が抽出される。用いる大豆油は市販されているものが入手しやすい。たとえば、富士製油、日清オイリオや味の素などが発売している大豆油が好ましい。
添加される大豆油はクコシ1gに対して1gから100gが好ましい。大豆油を添加した後、攪拌機により攪拌される。攪拌は室温で1時間〜6時間が好ましい。
上清部分に浮いた大豆油を回収し、90℃以上に加温することは、水分を除去し、滅菌できる点から好ましい。
冷却後、目的とするカロチノイド誘導体は油に溶解した状態で得られる。
前記の還元反応物から、目的とするカロチノイド誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
例えば、分離用担体または樹脂により分離され、分取されることにより目的とするカロチノイド誘導体が得られる。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
例えば、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。
これらのうち、ダイヤイオン、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して1〜30倍量が好ましく、5〜20倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から4〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオン及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
カロチノイド誘導体を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、目的とするカロチノイド誘導体を粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから、好ましい。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、これらは一例であり、素材、原料や検体の違いに応じて常識の範囲内で条件を変更させることが可能である。
栃木産のクコシ10kgを栃本天海堂製より購入した。これを水洗後、粉砕機(株式会社奈良機械製作所製のスーパー自由ミル)に精製水とともに粉砕して粉砕物9.7kgを得た。
この粉砕物を乾燥器により乾燥し、クコシ粉末を得た。このクコシ粉末100gを清浄なステンレス製寸胴移し、精製水を10L添加して懸濁した。
この懸濁液に天野エンザイム製のセルラーゼA「アマノ」3の0.5gを添加し、37℃に加温して2時間攪拌した。
得られた反応液を東洋濾紙の濾紙により吸引ろ過し、ろ液を得た。
得られたろ液をパールウォーターDX−7000に供して電気分解し、陰極側からアルカリ還元された溶液を得た。このアルカリ還元操作を3回繰り返した。
この還元液に塩水港精糖株式会社製の分岐シクロデキストリン100gを添加して攪拌した。攪拌は攪拌装置を用いて室温で1時間実施した。
得られた反応液に天野エンザイム製のプロテアーゼP「アマノ」3SDを1g添加して、35℃で2時間、10回/分の速度で攪拌して反応させた。
得られた反応液を東洋濾紙の濾紙により吸引ろ過し、ろ液を得た。
ろ液に日清オイリオ社製の日本産の大豆油1kgを添加して室温にて1時間攪拌した。
静置して大豆油の上清のみを採取し、加温機により100℃に加温して水分を蒸発させ、滅菌した。冷却後、橙色の油として914g得て、これを検体1とした。
以下に、カロチノイド誘導体の構造解析に関する試験方法及び結果について説明する。
(試験例1)
上記のように得られた検体1を精製後、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析した。
さらに、核磁気共鳴装置(NMR、ブルカー製、AC−250)で解析した。構造解析の結果、検体1からゼアキサンチンと没食子酸が検出された。その含有量はゼアキサンチンと没食子酸の比率が1:2であった。
以下に、SCIDマウスとヒト由来脂肪細胞を用いた脂肪減少効果の試験について説明する。
(試験例2)
ここで用いたSCIDマウスとは重症複合免疫不全マウスであり、免疫機能が低下していることから、種々のヒト由来細胞や組織が移植可能で、ヒト由来脂肪細胞を体内で増殖及び成育させることができ、また、この方法は試験例が豊富であり、医薬品の開発及び研究にも利用されている。
和光純薬製のヒト由来白色脂肪細胞培養キットを購入し、培養することにより増殖させ、ヒト由来脂肪細胞とした。
日本チャールスリバーより購入した10週齢の雄性SCIDマウスの背部に、前記のように培養したヒト由来脂肪細胞10万個を移植した。餌としてマウス飼育用固形試料を食べさせた。1群の動物数を5匹とし、移植の翌日より、実施例1で得られた検体1の1mgを水に懸濁して30日間、経口投与した。また、水摂取対照群には、水のみを投与した。
投薬30日後に、エーテル麻酔下で、腹部動脈より採血し、遠心分離して得られた血清を用いて血中中性脂肪量を和光純薬製キット(アセチルアセトン法)にて測定した。
その結果、水摂取対照群の血中中性脂肪値に比し、実施例1のゼアキサンチン誘導体1mgを経口投与したSCIDマウスの血中中性脂肪値は、平均値として65%となり、ゼアキサンチン誘導体による血中の中性脂肪値の減少効果が確認された。
この結果から、実施例1で得られたゼアキサンチン誘導体は脂肪を減少させる作用が確認された。
また、ゼアキサンチン誘導体1mg投与した動物の背部に移植したヒト由来脂肪組織の重量は、水摂取対照群の値に比し53%となり、脂肪組織の減少作用が認められた。
さらに、ゼアキサンチン誘導体1mg投与した動物の体重は、水摂取対照群の値に比し、81%となり、体重の減少作用も認められた。
これらの結果から、実施例1で得られたゼアキサンチン誘導体には、血中中性脂肪量の低下、体重減少、脂肪の減少の効果が認められた。しかし、投薬期間中の症状に異常はなく、その他の臓器に肉眼的に異常は認められず、安全性が確認された。
本発明で得られるカロチノイド誘導体は脂肪分解作用を呈し、肥満対策に効果的であり、かつ、副作用が少ない。国民のQOLを改善し、メタボリック症候群や生活習慣病を抑制し、健康な労働人口を増加させ、かつ、医療費を削減する。
本発明で得られるカロチノイド誘導体の製造方法は食品としても利用できることから、ダイエット用の食品として食品業界の発展に寄与する。
本発明で得られるカロチノイド誘導体は種々の肥満治療のための医薬品製剤として用いられ、医薬品業界の発展に寄与する。

Claims (1)

  1. クコシの粉末を水に懸濁し、セルラーゼ処理した後、濾過したろ液をアルカリ還元し、分岐シクロデキストリンを添加した後、プロテアーゼ処理した後、濾過したろ液を大豆油で抽出する工程からなる下記の式(1)に示される脂肪分解作用を呈するカロチノイド誘導体の製造方法。
    Figure 0005733696
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