JP5299643B2 - 磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM: Magnetic Random Access Memory)に関する。特に、本発明は、磁壁移動方式のMRAMに関する。
MRAMは高速動作、および無限回の書き換えが可能な不揮発性メモリとして期待され、盛んな開発が行われている。MRAMではメモリセルに磁気抵抗素子が集積化され、磁気抵抗素子の強磁性層の磁化の向きとしてデータが記憶される。この強磁性層の磁化をスイッチングさせる方法としていくつかの方式が提案されているが、いずれも電流を使う点では共通している。MRAMを実用化する上では、この書き込み電流をどれだけ小さくできるかが非常に重要であり、2006 Symposium on VLSI Circuits, Digest of Technical Papers, p.136によれば0.5mA以下への低減、さらに好ましくは0.2mA以下への低減が求められている。
MRAMへの情報の書き込み方法のうちで最も一般的なのは、磁気抵抗素子の周辺に書き込み電流を流すための配線を配置し、書き込み電流を流すことで発生する電流磁界によって磁気抵抗素子の強磁性層の磁化の方向をスイッチングさせる方法である。この方法は、原理的には1ナノ秒以下での書き込みが可能であり、高速MRAMを実現する上では好適である。例えば、特開2005−150303号公報は、電流磁界によってデータ書き込みを行うMRAMについて、磁化固定層の端部の磁化が膜厚方向に向けられている構造を開示している。
しかしながら熱安定性、外乱磁界耐性が確保された磁性体の磁化をスイッチングするための磁界は一般的には数10(Oe)程度となり、このような磁界を発生させるためには数mA程度の大きな書き込み電流が必要となる。書き込み電流が大きいと、チップ面積が大きくならざるを得ず、また書き込みに要する消費電力も増大するため、他のランダムアクセスメモリと比べて競争力で劣ることになる。これに加えて、メモリセルが微細化されると、書き込み電流はさらに増大してしまい、スケーリングの点でも好ましくない。
近年このような問題を解決する手段として、以下の2つの方法が提案されている。第1の方法は、スピン注入磁化反転を利用することである。スピン注入磁化反転が利用されるMRAMでは、メモリセルの磁気抵抗素子が、反転可能な磁化を有する第1の強磁性層(しばしば、磁化自由層と呼ばれる)と、磁化が固定された第2の強磁性層(しばしば、磁化固定層と呼ばれる)と、これらの強磁性層の間に設けられたトンネルバリア層を備える積層体で構成される。このようなMRAMのデータ書き込みでは、磁化自由層と磁化固定層の間で電流を流したときのスピン偏極した伝導電子の磁化自由層中の局在電子との間の相互作用を利用して磁化自由層の磁化が反転される。スピン注入磁化反転の発生の有無は、(電流の絶対値ではなく)電流密度に依存することから、スピン注入磁化反転をデータ書き込みに利用する場合には、メモリセルのサイズが小さくなれば、書き込み電流も低減される。すなわち、スピン注入磁化反転方式はスケーリング性に優れていると言うことができる。しかしながら、データ書き込みの際、膜厚が薄いトンネルバリア層に書き込み電流を流さなければならず、書き換え耐性や信頼性が課題となる。また、書き込みの電流経路と読み出しの電流経路が同じになることから、読み出しの際の誤書き込みも懸念される。このようにスピン注入磁化反転はスケーリング性には優れるものの、実用化にはいくつかの障壁がある。
第2の方法は、電流駆動磁壁移動現象を利用することである。電流駆動磁壁移動現象を利用した磁化反転方法は、スピン注入磁化反転の抱える上述のような問題を解決することができる。電流駆動磁壁移動現象を利用したMRAMは、例えば、特開2005−191032号公報、特開2006−73930号公報、特開2006−270069号公報に開示されている。電流駆動磁壁移動現象を利用したMRAMの最も一般的な構成では、データを保持する強磁性層(しばしば、磁気記録層と呼ばれる。)が、反転可能な磁化を有する磁化反転部と、その両端に接続された、固定された磁化を有する2つの磁化固定部とで構成される。データは、磁化反転部の磁化として記憶される。2つの磁化固定部の磁化は、互いに略反平行となるように固定されている。磁化がこのように配置されると、磁気記録層に磁壁が導入される。Physical Review Letters, vol. 92, number 7, p.077205, (2004)で報告されているように、磁壁を貫通する方向に電流を流すと磁壁は伝導電子の方向に移動することから、磁気記録層に電流を流すことによりデータ書き込みが可能となる。電流駆動磁壁移動の発生の有無も電流密度に依存することから、スピン注入磁化反転と同様にスケーリング性があると言える。これに加えて、電流駆動磁壁移動を利用したMRAMのメモリセルでは、書き込み電流が絶縁層を流れることはなく、また書き込み電流経路と読み出し電流経路とは別となるため、スピン注入磁化反転で挙げられるような上述の問題は解決されることになる。
しかしながら、電流駆動磁壁移動を利用したMRAMでは、書き込み電流の絶対値が比較的大きくなってしまうという課題がある。電流誘起磁壁移動の観測は数多く報告されているが、概ね磁壁移動には1×10[A/cm]程度の電流密度を要している。この場合、例えば磁壁移動の起こる強磁性膜の幅を100nm、膜厚を10nmとした場合の書き込み電流は1mAとなる。これ以下に書き込み電流を低減するためには、強磁性膜の幅を小さく、且つ、膜厚を薄くすればよい。しかしながら、膜厚を薄くすると書き込みに要する電流密度は更に上昇してしまうことが報告されている(例えば、Japanese Journal of Applied Physics, vol.45, No.5A, pp.3850−3853,(2006)参照)。また、強磁性膜の幅を100nm以下に小さくすることは、加工技術の点で大いなる困難を伴う。
書き込み電流を低減する有力なアプローチの一つは、磁気記録層(磁壁移動が起こる層)に、膜厚方向に磁気異方性を有する垂直磁気異方性材料の膜を使用することである。垂直磁気異方性材料の膜を使用する磁気抵抗素子では、10[A/cm]台の閾値電流密度が観測されている(例えば、Applied Physics Letters, vol.90,p.072508(2007)参照)。
しかしながら、磁気記録層に垂直磁気異方性材料の膜を使用すると、MRAMの読み出し信号のSN比に相当する磁気抵抗効果比(MR比)を高くすることが難しくなり、読み出し特性との両立が困難になるという問題が発生する。例えば、近年、CoFeB/MgO/CoFeBの構造を有する磁気トンネル接合を中心に、磁気抵抗効果比として非常に大きな値が報告されている。しかしながら、CoFeBは、面内方向に磁気異方性を有する材料である。この他にも、多くの材料について磁気トンネル接合の開発が行われているが、それらのほとんどは面内方向に磁気異方性を有する材料である;垂直磁気異方性材料については、高い磁気抵抗効果比や高い信頼性を有する磁気トンネル接合を実現したという実績はほとんどない。
従って、磁壁移動方式のMRAMにおいて、書き込み特性及び読み出し特性をそれぞれ独立に向上させることが望まれる。
磁壁移動方式のMRAMにおいて、書き込み特性及び読み出し特性をそれぞれ独立に向上させることが望まれる。但しその場合、磁気抵抗素子の構造は複雑となり、同じデータが記録されたメモリセル間の磁化状態のばらつきが増大する可能性がある。特に、リファレンスセル間の磁化状態のばらつきが増大すると、データ読み出し時のリファレンスレベルのばらつきも増大してしまう。
本発明の1つの目的は、磁壁移動方式のMRAMにおいて、データ読み出し時のリファレンスレベルのばらつきを抑制することができる技術を提供することにある。
本発明の一実施の形態において、磁壁移動方式のMRAMが提供される。そのMRAMは、メモリセルと、データ読み出し時にリファレンスレベルを生成するために参照されるリファレンスセルとを備える。メモリセルは第1磁気抵抗素子を含み、リファレンスセルは第2磁気抵抗素子を含む。
第1磁気抵抗素子は、垂直磁気異方性を有する第1磁化自由層と、磁化方向が固定された第1磁化固定層と、磁化方向が可変な第2磁化自由層と、第1磁化固定層と第2磁化自由層とに挟まれた第1非磁性層とを備える。第1磁化固定層及び第2磁化自由層は、面内磁気異方性を有する。第1磁化自由層は、磁化方向が固定された第1磁化固定領域と、磁化方向が固定された第2磁化固定領域と、第1磁化固定領域と第2磁化固定領域とに接続され磁化方向が反転可能な磁化自由領域とを有する。磁化自由領域と第2磁化自由層とは、互いに磁気的に結合している。各層に平行な第1平面において、第2磁化自由層の重心は、磁化自由領域の重心から第1方向にずれている。
第2磁気抵抗素子は、磁化容易軸が第2方向に平行な第3磁化自由層と、磁化方向が第2方向と直交する第3方向に固定された第2磁化固定層と、第3磁化自由層と第2磁化固定層とに挟まれた第2非磁性層とを備える。第3磁化自由層と第2磁化固定層は、面内磁気異方性を有する。
本発明によれば、磁壁移動方式のMRAMにおいて、書き込み特性及び読み出し特性をそれぞれ独立に向上させることが可能となる。更に、データ読み出し時のリファレンスレベルのばらつきを抑制することが可能となる。
上記及び他の目的、長所、特徴は、次の図面と共に説明される本発明の実施の形態により明らかになるであろう。
図1Aは、本発明の一実施の形態の第1磁気抵抗素子の主要な部分の構造を表す斜視図である。 図1Bは、図1Aの第1磁気抵抗素子の主要な部分の構造を表す平面図である。 図1Cは、図1Aの第1磁気抵抗素子の主要な部分の構造を表す断面図である。 図1Dは、図1Aの第1磁気抵抗素子の主要な部分の構造を表す断面図である。 図2Aは、本実施の形態の第1磁気抵抗素子における磁束の状態を説明するための断面図である。 図2Bは、本実施の形態の第1磁気抵抗素子が取りうる2つの状態を説明するための断面図である。 図2Cは、本実施の形態の第1磁気抵抗素子が取りうる2つの状態を説明するための断面図である。 図3Aは、本実施の形態の第1磁気抵抗素子の第1変形例の構成を表す斜視図である。 図3Bは、図3Aの第1磁気抵抗素子の構成を表す断面図である。 図3Cは、図3Aの第1磁気抵抗素子の構成を表す断面図である。 図4Aは、本実施の形態の第1磁気抵抗素子の第2変形例の更に他の構成を表す斜視図である。 図4Bは、図4Aの第1磁気抵抗素子の構成を表す平面図である。 図5Aは、本実施の形態の第1磁気抵抗素子の第3変形例の構成を表す斜視図である。 図5Bは、図5Aの第1磁気抵抗素子の構成を表す断面図である。 図5Cは、図5Aの第1磁気抵抗素子の構成を表す断面図である。 図6Aは、本実施の形態の第1磁気抵抗素子の第4変形例の構成を表す平面図である。 図6Bは、本実施の形態の第1磁気抵抗素子の第4変形例の他の構成を表す平面図である。 図7は、典型的なMRAMの構成を示す概略図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る第1磁気抵抗素子の一例を示す斜視図である。 図9は、図8で示された第1磁気抵抗素子の磁化状態を示す平面図である。 図10は、磁化状態のばらつきを示す概念図である。 図11は、リファレンスレベルのばらつきを説明するためのヒストグラムである。 図12Aは、本発明の実施の形態に係る第2磁気抵抗素子の一例を示す斜視図である。 図12Bは、図12Aで示された第2磁気抵抗素子の磁化状態を示す平面図である。 図13Aは、本発明の実施の形態に係る第2磁気抵抗素子の他の例を示す斜視図である。 図13Bは、図13Aで示された構造のx−y平面図である。 図14Aは、本発明の実施の形態に係る第2磁気抵抗素子の更に他の例を示す斜視図である。 図14Bは、図14Aで示された構造のx−y平面図である。 図15は、本発明の実施の形態に係るMRAMの構成を示す概略図である。 図16は、本発明の実施の形態に係るメモリセルとリファレンスセルの磁化状態を示す概念図である。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る磁壁移動方式の磁気抵抗素子及びMRAMを説明する。
1.第1磁気抵抗素子
1−1.構成
図1A〜図1Dは、本発明の実施の形態に係る第1磁気抵抗素子1の構造を模式的に示している。詳細には、図1Aは斜視図であり、図1B、図1C、及び図1Dは、それぞれ、図1Aに示されるx−y−z座標系におけるx−y平面図、x−z断面図、y−z断面図である。
本実施の形態に係る第1磁気抵抗素子1は、第1磁化自由層10と、第2磁化自由層20と、第1非磁性層30と、第1磁化固定層40とを具備する。第2磁化自由層20は第1非磁性層30の一方の面に隣接して設けられ、第1磁化固定層40は第1非磁性層30の他方の面に隣接して設けられる。つまり、第1非磁性層30は、第1磁化固定層40と第2磁化自由層20に挟まれている。
第1磁化自由層10、第2磁化自由層20、及び第1磁化固定層40は強磁性体により構成される。第1磁化自由層10は、膜厚方向(図のz軸方向)の垂直磁気異方性を有し、第2磁化自由層20と第1磁化固定層40とは、面内方向の面内磁気異方性を有する。本実施の形態では、第1非磁性層30は絶縁体により構成されており、第2磁化自由層20、第1非磁性層30、及び第1磁化固定層40で磁気トンネル接合(MTJ)が形成されている。第1非磁性層30は、絶縁体により構成されることが望ましいが、半導体や導体から構成されてもよい。
第1磁気抵抗素子1において、第1磁化自由層10は、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、及び磁化自由領域12から構成される。磁化自由領域12は、第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bとの間に設けられている。また、第1磁化自由層10は、磁化自由領域12が第2磁化自由層20の少なくとも一部と磁気的に結合されるように設計される。言い換えると、第1磁化自由層10は、磁化自由領域12の磁化状態が第2磁化自由層20の磁化状態に影響を及ぼすように設計されている。磁化自由領域12は、電気的にも第2磁化自由層20に接続して設けられている。
第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11bのそれぞれは、少なくとも一部分において固定された磁化を有する。第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11bの磁化方向は、膜厚方向(図のz軸方向)に固定されており、且つ、それらは互いに略反平行方向を向けられている。一方、磁化自由領域12の磁化方向は反転可能であり、その磁化は第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11bの磁化のいずれかと略平行方向となる。本実施の形態の第1磁気抵抗素子1においては、磁化自由領域12の磁化方向が記憶されるデータに対応する。
また、第2磁化自由層20は、面内方向(x−y面内の方向)において反転可能な磁化を有しており、第1磁化固定層40の磁化方向は、面内方向(x−y面内の方向)において所定の方向に固定されている。
前述のように、磁化自由領域12と第2磁化自由層20とは、磁気的に結合されている。好適には、磁化自由領域12の重心G12と第2磁化自由層20の重心G20はx−y面内においてずれるように設計される。これによって、後述のように第2磁化自由層20の磁化方向は磁化自由領域12の磁化方向に応じて一意的に決まる。磁化自由領域12の磁化方向として記憶されているデータは、磁化自由領域12と第2磁化自由層20の間の磁気結合を介して第2磁化自由層20に伝達される。なお、図1A〜図1Dは、磁化自由領域12の重心G12に対して、第2磁化自由層20の重心G20が+y方向にずれた例を示している。但し、ずれ方向は+y方向に限られない。x−y面内において、第2磁化自由層20の重心G20は、磁化自由領域12の重心G12から“第1の方向”にずれていればよい。第1磁化固定層40の磁化方向は、第1の方向と平行あるいは反平行な方向に固定されることが望ましい。
なお、ここでいう重心とは、x−y平面における幾何学的な意味での重心である。すなわち重心の位置ベクトルをRg=(Xg,Yg)とし、任意の点iの位置ベクトルをRi=(Xi,Yi)としたとき、重心の位置ベクトルRgはΣi(Ri−Rg)=0を満たす。ここでΣiはiに関する総和を意味する。例えば、長方形、平行四辺形の場合には重心は対角線の交点であり、楕円形の場合には重心はその中心である。
次に、各層の材料について例示する。まず、第1磁化自由層10は、Fe、Co、Niのうちから選択される少なくとも一つの材料を含むことが望ましい。さらにPtやPdを含むことで垂直磁気異方性を安定化することができる。これに加えて、B、C、N、O、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Smなどを添加することによって所望の磁気特性が発現されるように調整することができる。具体的にはCo、Co−Pt、Co−Pd、Co−Cr、Co−Pt−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr−B、Co−Cr−Pt−B、Co−Cr−Ta−B、Co−V、Co−Mo、Co−W、Co−Ti、Co−Ru、Co−Rh、Fe−Pt、Fe−Pd、Fe−Co−Pt、Fe−Co−Pd、Sm−Co、Gd−Fe−Co、Tb−Fe−Co、Gd−Tb−Fe−Coなどが例示される。この他、Fe、Co、Niのうちから選択されるいずれか一つの材料を含む層を、異なる層と積層させることにより垂直方向の磁気異方性を発現させることもできる。具体的にはCo/Pd、Co/Pt、Co/Ni、Fe/Auの積層膜などが例示される。
また、第2磁化自由層20、第1磁化固定層40はFe、Co、Niのうちから選択される少なくとも一つの材料を含むことが望ましい。これに加えて、B、C、N、O、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Auなどを添加することによって所望の磁気特性が発現されるように調整することができる。具体的には、Ni−Fe、Co−Fe、Fe−Co−Ni、Ni−Fe−Zr、Co−Fe−B、Co−Fe−Zr−Bなどが例示される。
また第1非磁性層30は絶縁体から構成されることが望ましい。第1非磁性層30として好適な材料としては、具体的にはMg−O、Al−O、Al−N、Ni−O、Hf−Oなどが挙げられる。ただし、この他に、第1非磁性層30として半導体や金属材料を用いても本発明は実施できる。具体的には、第1非磁性層30として使用可能な材料としては、Cr、Al、Cu、Znなどが挙げられる。
なお、第2磁化自由層20、第1非磁性層30、第1磁化固定層40には、読み出し信号のSN比に相当する磁気抵抗効果比が大きくなるような材料が選択されることが好ましい。例えばCo−Fe−B/Mg−O/Co−Fe−B系のMTJにおいては近年500%級の非常に大きな磁気抵抗効果比が報告されている。この観点では、第2磁化自由層20、第1磁化固定層40をCo−Fe−B系の材料とし、第1非磁性層30をMg−O系とすることが望ましい。
1−2.原理
以下では、磁化自由領域12と第2磁化自由層20の磁気結合、及び第1磁気抵抗素子1において磁化がとり得る2つの状態について、図2A〜図2Cを用いてより詳細に説明する。図2Aは、磁化自由領域12の磁化方向で第2磁化自由層20の磁化方向が一意的に決まることを説明するための模式図である。単純化のため、図2Aにおいて、磁化自由領域12の磁化は、膜厚方向で実質的に一方向を向いているものと仮定されている。図2Aには、磁化自由領域12からの漏れ磁束の様子が模式的に示されている。図2Aに示されているように、漏れ磁束は滑らかに繋がる必要があるため、磁化自由領域12の端部に行くに従って磁束は面内方向に平行な成分を有するようになる。第2磁化自由層20の磁化方向は、この磁束の面内方向に平行な成分によって決定される。
図2B、図2Cは、第1磁気抵抗素子1における“0”、“1”のそれぞれの状態における各層の磁化状態を模式的に示している。なお、図2B、図2Cでは第1磁化固定層40の磁化方向が+y方向に固定されているものとして図示されているが、第1磁化固定層40の磁化方向は、−y方向であっても構わない。今、図2Bのように磁化自由領域12の磁化が+z方向を向いている場合、図2Aに示されるような漏れ磁束によって、第2磁化自由層20の磁化は+y方向成分を持つ。これによって第2磁化自由層20と第1磁化固定層40の磁化は平行成分を持つことになる。一方、図2Cのように磁化自由領域12の磁化が−z方向を向いている場合、図2Aとは逆方向の漏れ磁束によって、第2磁化自由層20の磁化は−y方向成分を持つ。これによって、第2磁化自由層20と第1磁化固定層40の磁化は反平行成分を持つことになる。上述のように第2磁化自由層20の重心G20が磁化自由領域12の重心G12に対して特定方向(第1の方向)にずれて設けられることで、第2磁化自由層20の磁化は当該特定方向に沿って、磁化自由領域12の磁化方向に応じて正負いずれかの方向成分を持つことになる。これは磁化自由領域12の重心G12から放射状に漏れ磁束の面内方向成分が分布するためである。これによって第2磁化自由層20の磁化は、第1磁化固定層40の磁化方向と平行、反平行のいずれかの成分を持つ。
磁化自由領域12において垂直方向の磁化成分として記憶されたデータが、磁気結合によって第2磁化自由層20の膜面方向の磁化成分へと伝達されることは、本実施の形態の第1磁気抵抗素子1の重要な特徴の一つである。従って、ここで示された漏れ磁束を用いる方法に限らず、例えば交換結合を利用するなど、あらゆる磁気結合様式によって第2磁化自由層20と磁化自由領域12の磁化を関連付けてもよい。
なお、第2磁化自由層20の磁化は磁化自由領域12の磁化に応じてその方向を変えることができれば、その磁化容易軸の方向は任意である。従って、第2磁化自由層20の磁化容易軸の方向はy方向を向いていてもよいし、x方向を向いていてもよい。y方向を向いている場合には、磁化容易軸間での磁化反転となり、一方x方向を向いていれば、磁化容易軸を中心とした困難軸方向への磁化回転となる。また、第2磁化自由層20の磁気異方性は、結晶磁気異方性によって設けてもよく、形状磁気異方性によって設けてもよい。
1−3.データ書き込み方法、データ読み出し方法
本実施の形態に係る第1磁気抵抗素子1へのデータの書き込みは、第1磁化自由層10内に形成される磁壁を移動させることによって行われる。前述のように、第1磁化自由層10は磁化が膜厚方向で互いに略反平行に固定された第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bと、それらに電気的に接続された磁化自由領域12を具備し、磁化自由領域12の磁化は第1磁化固定領域11aか第2磁化固定領域11bのいずれかと略平行方向となる。このような磁化状態の制約によって、第1磁化自由層10内には磁壁が導入される。例えば、磁化自由領域12の磁化が第1磁化固定領域11aの磁化と略平行であり、第2磁化固定領域11bの磁化とは略反平行にあるとき、磁化自由領域12と第2磁化固定領域11bの境界付近に磁壁が形成される。また、磁化自由領域12の磁化が第2磁化固定領域11bの磁化と略平行であり、第1磁化固定領域11aの磁化とは略反平行にあるとき、磁化自由領域12と第1磁化固定領域11aの境界付近に磁壁が形成される。
形成された磁壁は、第1磁化自由層10内に直接電流を流すことによってその位置を移動させることができる。例えば、磁化自由領域12と第1磁化固定領域11aの境界付近に磁壁が形成されている場合、磁化自由領域12から第1磁化固定領域11aへ向かう方向に電流を流すことによって、第1磁化固定領域11aから磁化自由領域12へと伝導電子が流れ、伝導電子の流れと同方向に磁壁が移動する。磁壁の移動により、磁化自由領域12の磁化は第1磁化固定領域11aと平行方向になる。また、磁化自由領域12と第2磁化固定領域11bの境界付近に磁壁が形成されている場合、磁化自由領域12から第2磁化固定領域11bへ向かう方向に電流を流すことによって、第2磁化固定領域11bから磁化自由領域12へと伝導電子が流れ、伝導電子の流れと同方向に磁壁が移動する。磁壁の移動により、磁化自由領域12の磁化は第2磁化固定領域11bと平行方向になる。このようにして“0”状態と“1”状態の間での情報の書き換えが可能である。
実際には、上述のような書き込み電流を導入するために、第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bに、外部の配線に接続される端子が設けられることが望ましい。このとき書き込み電流は、第1磁化固定領域11aに接続される第1端子と第2磁化固定領域11bに接続される第2端子の間で流される。但し、本実施の形態の第1磁気抵抗素子1にデータを書き込むための書き込み電流の経路はこの限りではなく、他の方法も後に説明される。
次に、本実施の形態の第1磁気抵抗素子1からのデータの読み出し方法について説明する。本実施の形態の第1磁気抵抗素子1からのデータの読み出しには、磁気抵抗効果が利用される。具体的には、第1非磁性層30を通して第1磁化固定層40と第2磁化自由層20の間で電流を流し、第1磁化固定層40と第2磁化自由層20の磁化の相対角に応じた抵抗を検出することでデータを読み出す。例えば、図2Bに示されるような第1磁化固定層40と第2磁化自由層20の磁化が平行成分を有する場合、低抵抗状態が実現され、図2Cに示されるような第1磁化固定層40と第2磁化自由層20の磁化が反平行成分を有する場合、高抵抗状態が実現される。第1磁気抵抗素子1の抵抗が、電圧信号、又は電流信号として検知され、その電圧信号、又は電流信号を用いて第1磁気抵抗素子1に記憶されているデータが判別される。
以上に説明されたように、本実施の形態に係る第1磁気抵抗素子1では、データ書き込み時に第1磁化自由層10が用いられる。この意味で、第1磁化自由層10は「書き込み層」と参照される。一方、データ読み出し時には、第2磁化自由層20、第1非磁性層30及び第1磁化固定層40が用いられる。この意味で、第2磁化自由層20、第1非磁性層30及び第1磁化固定層40は、「読み出し層群」と参照される。本実施の形態によれば、書き込み層と読み出し層群は、別々に設けられるが、磁気結合を通して互いに関連し合っている。逆に言えば、磁気結合を介した情報伝達があるため、書き込み用の書き込み層と読み出し用の読み出し層群を別々に設けることが可能となる。従って、所望の特性が得られるように書き込み層と読み出し層群をそれぞれ独立に最適化することができ、結果として、書き込み特性の向上と読み出し特性の向上を同時に実現することが可能となる。例えば、書き込み閾値電流密度の低減のために適切な材料特性を有する垂直磁化膜を書き込み層に適用し、且つ、高いMR比を発現するMTJを読み出し層群に適用することができる。
1−4.技術的利点
本実施の形態の第1磁気抵抗素子1の第1の技術的利点は、書き込み電流の低減である。これは、データ書き込みの際に磁壁移動が起こる層である第1磁化自由層10が垂直方向に磁気異方性を有することに起因する。発明者は、スピントランスファートルクを考慮に入れたLLG方程式を用いたマイクロマグネティクス計算を行うことにより、垂直磁気異方性を有する材料で形成される磁壁は面内磁気異方性を有する材料で形成される磁壁に比べると、電流で駆動する場合に必要となる電流密度は十分小さく、一方磁界で駆動する場合に必要となる磁界は十分大きくなることを見出した。Europhysics Letters, vol.69, pp.990−996(2005)に記載されているように、スピントランスファートルクを考慮に入れたLLG方程式によれば、磁化の時間変化(∂m/∂t)は、[1]磁界によるトルクを表す項、[2]ダンピング項、[3]断熱スピントルク項、及び[4]非断熱スピントルク項の和として表される。マイクロマグネティクス計算によれば、垂直磁気異方性を有する材料で形成される磁壁は、1×10[A/cm]程度の電流密度においても[3]の断熱スピントルク項により駆動され、一方で面内磁化膜の場合には1×10[A/cm]程度の電流密度では[4]の非断熱スピントルク項がなければ磁壁は駆動されないことがわかった。ここで[3]の断熱スピントルク項による磁壁駆動の場合、過度に大きくないピニングのときには、ピニング磁界に依存せずに磁壁はピンサイトからデピンできることが知られている。従って、[3]の断熱スピントルク項での磁壁駆動が不可能な面内磁気異方性を有する材料に比べて、[3]の断熱スピントルク項での磁壁駆動が可能な垂直磁気異方性を有する材料は、強い磁壁のピニングと低電流密度による磁壁駆動を両立させ易いことがわかる。すなわち垂直磁気異方性を有する材料を用いることにより、熱安定性として十分な値を保った上で書き込みに要する電流を低減することが可能である。
例えば、簡単な例として、第1磁化自由層10の幅(w)が100nm、第1磁化自由層10の膜厚(t)が2nm、磁壁のピンサイトの幅の半分(q)が15nmであり、また、第1磁化自由層10の飽和磁化(M)が500[emu/cm]、スピン分極率(P)が0.5、磁壁のピンサイトのデピン磁界(H)が1000[Oe]である構成について考えよう。この場合の熱安定性指標ΔE/kTは、約40となる。ここでkはボルツマン定数でTは絶対温度である。このような系を仮定した場合の、磁壁をピンサイトからデピンさせるのに必要な電流密度は、マイクロマグネティクス計算から約2×10[A/cm]となることがわかった。このとき、当該素子の書き込み電流は0.04[mA]となる。
一方で、面内方向に磁気異方性を有する材料を用いて同じ熱安定性指標(ΔE/kT=40)を実現するための構造として、例えば、第1磁化自由層10の幅(w)が100nm、磁化自由層の膜厚(t)を10nm、磁壁のピンサイトの幅の半分(q)が40nmであり、また飽和磁化(M)が800[emu/cm]、スピン分極率(P)が0.7、磁壁のピンサイトのデピン磁界(H)が50[Oe]である構成について考える。。マイクロマグネティクス計算によればこのような系で磁壁をピンサイトからデピンさせるのに必要な電流密度は、約6×10[A/cm]となることがわかった。本来、このような電流密度は発熱やエレクトロンマイグレーション効果の観点から素子に通ずることは非現実的ではあるが、ここでは比較のためにこの電流密度の値を用いる。このとき、面内磁化膜での素子への書き込み電流は6[mA]となる。このように、垂直方向に磁気異方性を有する材料を磁壁移動が起こる層に用いることで、大幅な書き込み電流の低減がもたらされることがわかる。
なお、ここで用いた第1磁気抵抗素子1のパラメータはあくまでも目安であり、第1磁気抵抗素子1のパラメータは様々に変更され得る。従って、書き込みに要する電流値や、熱安定性ΔE/kTも、そのパラメータの変更に応じて変化するが、電流値と熱安定性は概ね連動して変化するため、上述のような面内磁化膜と垂直磁化膜での書き込み電流の大小関係が大幅に覆ることはない。
さらに加えて、垂直方向に磁気異方性を有する材料においては、面内方向に磁気異方性を有する材料とは異なり、電流で磁壁を駆動する場合に必要となる電流密度は膜厚が薄くなるほど低減することが、マイクロマグネティクス計算からわかった。膜厚を薄くすれば、当然トータルの電流量は低減するが、垂直磁気異方性材料では、これに加えて電流密度が低減するため、垂直磁気異方性材料を用いることにより、書き込み電流を効果的に低減することができる。
本実施の形態の第1磁気抵抗素子1の第2の技術的利点は、読み出し信号の増大である。これは、垂直磁気異方性を有する第1磁化自由層10で記憶されているデータが面内方向に磁気異方性を有する第2磁化自由層20へと伝達され、読み出しのためのMTJは膜面方向に磁化を有する強磁性層により構成されるためである。MTJを構成する強磁性層として、Co−Fe−B/Mg−O/Co−Fe−B系の材料や、それに順ずる材料を用いれば、一層に高いMR比が実現可能である。
本実施の形態の第1磁気抵抗素子1の第3の技術的利点は、書き込みと読み出しのトレードオフの解消及び製造プロセスの容易化である。これは書き込みのための第1磁化自由層10と読み出しのための第2磁化自由層20を、独立に設計することができるためである。例えば一般的な磁界書き込み型のMRAMの場合、読み出し信号を大きくするためにCo−Feなどのスピン偏極率の高い材料を用いた場合、概して素子の磁気異方性が大きくなってしまうため、書き込みに必要な電流が増加する。しかるに本実施の形態の第1磁気抵抗素子1では、書き込み電流の低減と読み出し信号の増大は、別の層の特性を調整することで実現できるため、上述のようなトレードオフは解消される。これに加えて、第1磁化自由層10と第2磁化自由層20は別々に製造することもできるため、製造プロセスは容易となる。
本実施の形態の第1磁気抵抗素子1の第4の技術的利点は、磁気シールドの省略、または磁気シールドへの要求の低減による低コスト化である。これは、情報の記憶層である第1磁化自由層10に用いられる垂直磁気異方性材料では、結晶磁気異方性が十分大きいため、外乱磁界に対する耐性が面内磁化膜に比べて極めて大きくなるたるためである。面内方向に磁気異方性を有する材料では、現状では磁気シールドは事実上必須となるが、本発明に因れば外乱磁界耐性の保障に磁気シールドが必要なくなる、あるいは必要であっても磁気シールドの性能への要求は低減されるため、低コストでの製造が可能となる。
1−5.第1変形例
図3A〜図3Cは、第1磁気抵抗素子1の第1変形例を模式的に示している。このうち図3Aは斜視図であり、図3Bは図3Aにおけるx−z断面図、図3Cは図3Aにおけるy−z断面図である。
詳細には、第1変形例では第1磁化自由層10と第2磁化自由層20の間に導電層50が設けられる。導電層50は導体から構成される。なお、導電層50は磁性体であってもよいし、非磁性体であってもよい。導電層50は、第1磁化自由層10と第2磁化自由層20とを電気的に接続する役割も有している。
導電層50の形状は、図3A、図3Bに示されているように、第2磁化自由層20の下側のみに設けられてもよいし、第1磁化自由層10の上面、及び第2磁化自由層20の下側の全面を覆うように設けられてもよい。また、図示されていないが、第1磁化自由層10、第2磁化自由層20の少なくとも一部分のみを覆うように設けられてもよい。
導電層50が設けられることで、製造プロセスを容易にすることができる。これは導電層50の上下を分けて形成することができるためである。この際、導電層50は、導電層50の下側の層のキャップ層の役割を果たし、また導電層50の上側の層の下地層の役割を果たすことができる。これによって、導電層50の下側の層の酸化や化学的な変質を防止することができ、また導電層50の上側の層の結晶配向をコントロールしたり化学的な変質を防止したりすることができる。また導電層50が設けられることで、第1磁化自由層10と第2磁化自由層20の電気的なコンタクトを良好にすることができる。
また導電層50に磁性材料を用いた場合、第1磁化自由層10の磁化自由領域12の磁化のデータを第2磁化自由層20へと効率的に伝達することができる。このためには導電層50に透磁率の高い材料を用いることが望ましい。これによって第2磁化自由層20の磁化をより容易に反転させることができる。導電層50を用いて効率的に磁化自由領域12の磁化情報を第2磁化自由層20へと伝達するためには、導電層50の材料はFe,Co,Niのうちの少なくとも一つの元素を含むことが望ましい。
1−6.第2変形例
図4A及び図4Bは、第1磁気抵抗素子1の第2変形例を模式的に示している。図4Aは斜視図を、図4Bはx−y平面図である。
図4A、図4Bの構造においても、第1磁化自由層10は、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、磁化自由領域12から構成される。ただし、磁化自由領域12の一方の端部に第1磁化固定領域11aが接続して設けられ、他方の端部に第2磁化固定領域11bが接続して設けられるのではなく、磁化自由領域12の一方の端部に第1磁化固定領域11a及び第2磁化固定領域11bが接続して設けられる。すなわち、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、及び磁化自由領域12は三叉路を形成する。なお、図4A、図4Bの構造においても、各層の位置関係や磁気特性は上述の通りである。すなわち、第1磁化自由層10は垂直磁気異方性を有し、一方、第2磁化自由層20、第1磁化固定層40は面内磁気異方性を有する。また、第2磁化自由層20の重心G20は、x−y面内において磁化自由領域12の重心G12から“第1の方向”にずれている。また、第1磁化自由層10を構成する第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11bの磁化は膜厚方向で互いに反平行方向に固定されている。
図4A、図4Bで示される第1磁気抵抗素子1は4端子素子である。4つの端子のうちの1つは第1磁化固定層40に設けられ、他の2つの端子は第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bに設けられ、残りの1つの端子は磁化自由領域12に設けられる。図4A、図4Bの構造においても、第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界付近、または第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界付近のいずれか一方に磁壁が形成される。また図4A、図4Bの構造においては、第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の間、若しくは第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の間で電流を流すことにより書き込みを行う。この場合には、磁壁は第1磁化固定領域11aまたは第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12との境界から出発して、磁化自由領域12のもう一方の端部から抜けることで書き込みが行われる。
1−7.第3変形例
図5A〜図5Cは、第1磁気抵抗素子1の第3変形例を模式的に示している。図5Aは斜視図であり、図5Bはx−z断面図であり、図5Cはy−z断面図である。本実施の形態の第1磁気抵抗素子1においては、第2磁化自由層20、第1非磁性層30、第1磁化固定層40が隣接してこの順に設けられればよく、これらと第1磁化自由層10の積層順には任意性がある。従って、図5A〜図5Cに示されているように、第1磁化自由層10が最上層に形成されてもよい。この場合も、磁化自由領域12と第2磁化自由層20の重心はx−y面内においてずれるが、そのずれ方向には任意性がある。
1−8.第4変形例
図6Aは、第1磁気抵抗素子1の第4変形例の構造を模式的に示す平面図である。本実施の形態においては、第2磁化自由層20の重心G20は第1磁化自由層10の磁化自由領域12の重心G12に対して面内方向(x−y平面に平行な方向)で特定方向にずれる。これまでの図ではこの特定方向が+y方向に略平行方向になるものとして描かれているが、この特定の方向は任意に決定され得る。従って図6Aに示されるように当該特定の方向がx成分を有していても構わない。また、第2変形例で説明されたように第1磁化自由層10が三叉路を有している場合、図6Bに示されるような第2磁化自由層20の重心G20と磁化自由領域12の重心G12の位置関係となっていても構わない。
尚、以上に説明されたそれぞれの例は矛盾しない限り組み合わせることが可能である。
2.リファレンスレベルのばらつき
図7は、典型的なMRAMの構成を概略的に示している。MRAMのメモリセルアレイは、マトリックス状に配置された複数のセルを有している。より詳細には、セルには、データ記録用のメモリセルMCと、データ読み出し時にリファレンスレベルを生成するために参照されるリファレンスセルRC0、RC1が含まれる。メモリセルMC、リファレンスセルRC0及びRC1は、同一の構造の磁気抵抗素子を有している。
メモリセルMCにはデータ“0”あるいはデータ“1”が格納される。メモリセルMCの磁気抵抗素子の抵抗値は、データ“0”の場合R0であり、データ“1”の場合R1である。リファレンスセルRC0はデータ“0”に設定されており、その磁気抵抗素子の抵抗値はR0である。一方、リファレンスセルRC1はデータ“1”に設定されており、その磁気抵抗素子の抵抗値はR1である。このようなリファレンスセルRC0、RC1の設定は、メモリセルMCに対するデータ書き込みと同様の方法で行われ、そのための専用のセットコントローラが設けられている。
データ読み出し時、読み出し対象のメモリセルMCに加えて、リファレンスセルRC0、RC1に読み出し電流が流される。読み出し回路は、メモリセルMCを流れる読み出し電流に基づいて、メモリセルMCの記録データに応じた読み出しレベルを生成する。また、読み出し回路は、リファレンスセルRC0、RC1のそれぞれを流れる読み出し電流に基づいて、抵抗値R0とR1の中間抵抗値に対応するリファレンスレベルを生成する。そして、読み出し回路は、読み出しレベルをリファレンスレベルと比較することによって、メモリセルMCの記録データを判定する。
ここで、上述の第1磁気抵抗素子1が、メモリセルMC、リファレンスセルRC0及びRC1に適用される場合を考える。上述の通り、書き込み特性と読み出し特性をそれぞれ独立に向上させるために、第1磁気抵抗素子1では書き込み層(10)と読み出し層群(20〜40)が分離されている。そして、読み出し層群の第2磁化自由層20の磁化状態、すなわち、読み出し層群のMTJ抵抗値は、第1磁化自由層10の磁化自由領域12の磁化状態に依存して遠隔的に定まる。
このような構造の場合、同じデータが記録されたメモリセルMC間であっても、読み出し層群のMTJ抵抗値(R0あるいはR1)がばらつく可能性がある。これは、リファレンスセルRC0、RC1に関しても同様である。データ“0”に設定されたリファレンスセルRC0間で読み出し層群の抵抗値R0はばらつく可能性があり、且つ、データ“1”に設定されたリファレンスセルRC1間で読み出し層群の抵抗値R1はばらつく可能性がある。上述の通りリファレンスレベルが2種類のリファレンスセルRC0、RC1のそれぞれを参照することにより生成される場合、それらリファレンスセルRC0、RC1のそれぞれの抵抗値のばらつきの増大は、リファレンスレベルのばらつきの増大を招く。リファレンスレベルのばらつきは、不確定なリファレンスレベルを意味し、それはデータの誤読み出し確率を増大させる。
図8〜図11を参照して、リファレンスレベルのばらつきの一例をより詳しく説明する。
図8は、第1磁気抵抗素子1の一例を示す斜視図であり、図9は、図8で示された第1磁気抵抗素子1の磁化状態を示す平面図である。図8及び図9の例では、第1磁化自由層10の磁化自由領域12に対する第2磁化自由層20のずれ方向(第1の方向)はy方向であり、且つ、第2磁化自由層20の磁化容易軸がy方向と直交するx方向に沿っている。この場合、磁化自由領域12の垂直磁化は第2磁化自由層20に対して+y方向あるいは−y方向の磁化成分を印加し、図9に示されるように、第2磁化自由層20の磁化は磁化容易軸(x軸)を中心として磁化困難軸(y軸)方向へ回転する。その一方、第1磁化固定層40の磁化方向は、第1の方向と平行あるいは反平行に固定され、第2磁化自由層20の磁化容易軸方向と直交している。その結果、第2磁化自由層20と第1磁化固定層40との間の磁化方向の相対角に違いが生じ、データ“0”とデータ“1”の2つのメモリ状態が実現される。
図8及び図9で示された第1磁気抵抗素子1がメモリセルMC、リファレンスセルRC0及びRC1に適用された場合、図10に示されるように、読み出し層群の第2磁化自由層20の磁化状態にばらつきが生じる。すなわち、第2磁化自由層20の磁気異方性が比較的大きいセルでは、磁化容易軸に対する磁化の回転量は小さくなる。逆に、第2磁化自由層20の磁気異方性が比較的小さいセルでは、磁化容易軸に対する磁化の回転量が大きくなる。このような磁化の回転量のばらつきは、読み出し層群のMTJ抵抗値(R0あるいはR1)のばらつきを意味する。すなわち、データ“0”に設定されたリファレンスセルRC0間で抵抗値R0がばらつき、データ“1”に設定されたリファレンスセルRC1間でも抵抗値R1がばらつく。
図11は、データ“0”のセルとデータ“1”のセルの分布を概念的に示しており、縦軸は頻度、横軸はMTJ抵抗値をそれぞれ表している。上述の通り、データ“0”のセル間で抵抗値R0はばらつき、データ“1”のセル間で抵抗値R1はばらつく。従って、相補データが記録された2種類のリファレンスセルRC0、RC1を参照することによりリファレンスレベルが生成されると、そのリファレンスレベルがばらつき、不確定となる。そのような不確定なリファレンスレベルが、データの誤読み出し確率を増大させる。
3.第2磁気抵抗素子
そこで、本実施の形態によれば、リファレンスセル用に、第1磁気抵抗素子1とは異なる「第2磁気抵抗素子100」が提案される。以下に詳述されるように、第2磁気抵抗素子100の抵抗値は、上記R0とR1の間の中間値(以下、「R0.5」と参照される;図11参照)に固定されている。つまり、第2磁気抵抗素子100は、その抵抗値が単独でR0.5となるようにあらかじめ形成される。そのような第2磁気抵抗素子100をリファレンスセルに適用することによって、リファレンスレベルのばらつきが防止される。
3−1.例(1)
図12Aは、本実施の形態に係る第2磁気抵抗素子100の一例を示す斜視図である。図12Bは、図12Aで示された第2磁気抵抗素子100の磁化状態を示す平面図である。本例に係る第2磁気抵抗素子100は、既出の図8で示された第1磁気抵抗素子1から書き込み層(第1磁化自由層10)が省略されたものと同様の構造を有している。
具体的には、第2磁気抵抗素子100は、第3磁化自由層120、第2非磁性層130及び第2磁化固定層140を備えている。第3磁化自由層120は、第2非磁性層130の一方の面に隣接して設けられ、第2磁化固定層140は、第2非磁性層130の他方の面に隣接して設けられている。つまり、第2非磁性層130は、第3磁化自由層120と第2磁化固定層140とに挟まれている。
第3磁化自由層120及び第2磁化固定層140は、強磁性体により形成される強磁性層である。更に、第3磁化自由層120及び第2磁化固定層140は、面内磁気異方性を有する面内磁化膜である。その面内磁化膜は、Fe、Co、Niのうちから選択される少なくとも一つの材料を含む強磁性体で形成される。これに加えて、B、C、N、O、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Auなどを添加することにより、磁気特性を調整することができる。具体的な材料としては、Ni−Fe、Co−Fe、Fe−Co−Ni、Ni−Fe−Zr、Co−Fe−B、Co−Fe−Zr−Bなどが例示される。第2非磁性層130は、絶縁体により形成されることが好適である。具体的な材料としては、Mg−O、Al−O、Al−N、Ni−O、Hf−Oなどが例示される。これら第3磁化自由層120、第2非磁性層130及び第2磁化固定層140によってMTJが形成されている。
第2磁気抵抗素子100において、第2磁化固定層140の磁化方向は面内の一方向に固定されている。例えば図12A及び図12Bにおいて、第2磁化固定層140の磁化方向は+y方向に固定されている。このような磁化方向の固定は、第1磁気抵抗素子1の場合と同様に可能である。一方、第3磁化自由層120の磁化容易軸は、第2磁化固定層140の磁化方向と直交している。すなわち、第3磁化自由層120の磁化容易軸は、y方向と直交しておりx方向と平行である。特に、図12A及び図12Bの例では、第3磁化自由層120の平面形状は楕円形であり、その楕円形の長軸がx方向に沿っている。
以上に説明された第3磁化自由層120、第2非磁性層130及び第2磁化固定層140は、「読み出し層群」を構成している。つまり、データ読み出し時には、MTJを貫通するように第3磁化自由層120と第2磁化固定層140の間に読み出し電流が流される。その一方で、本例に係る第2磁気抵抗素子100には、書き込み層に相当する構造が設けられていない。つまり、読み出し層群の第3磁化自由層120の磁化状態に影響を及ぼすような垂直磁化膜は設けられていない。
従って、図12Bに示されるように、第3磁化自由層120の磁化方向は、その磁化容易軸方向(x軸方向)に沿った向きとなる。図12Bの例では、第3磁化自由層120の磁化方向は+x方向である。一方、第2磁化固定層140の磁化方向は、第3磁化自由層120の磁化容易軸と直交する方向に固定されている。従って、読み出し層群の抵抗値は、上記R0とR1の間の中間値“R0.5”となる。つまり、第2磁気抵抗素子100は、MTJ抵抗値が単独で“R0.5”となるようにあらかじめ形成されている。
3−2.例(2)
図13Aは、第2磁気抵抗素子100の他の例を示す斜視図である。図13Bは、図13Aで示された構造のx−y平面図である。本例に係る第2磁気抵抗素子100は、図12A及び図12Bで示された構造に加えて、第1磁気抵抗素子1の書き込み層(第1磁化自由層10)に相当する構造を備えている。但し、第1磁気抵抗素子1では重心が故意にずらされていたが、本例の第2磁気抵抗素子100では重心が一致している。図12A及び図12Bで示された構成と同じ構成には同一の符号が付され、重複する説明は適宜省略される。
図13Aに示されるように、第2磁気抵抗素子100は、読み出し層群(120〜140)に加えて、第4磁化自由層110を更に備えている。この第4磁化自由層110は、強磁性体により形成される強磁性層である。また、第4磁化自由層110は、垂直磁気異方性を有する垂直磁化膜であり、その磁化方向は+z方向あるいは−z方向である。第4磁化自由層110の材料は、第1磁気抵抗素子1の第1磁化自由層10と同様である。
垂直磁気異方性を有する第4磁化自由層110と、上記読み出し層群中の面内磁気異方性を有する第3磁化自由層120とは、互いに磁気的に結合している。但し、図13Bに示されるように、x−y平面において、第4磁化自由層110の重心G110と第3磁化自由層120の重心G120は互いに一致している。従って、第4磁化自由層110の垂直磁化は、第3磁化自由層120の面内磁化の方向を変えない。第3磁化自由層120の磁化方向は、その磁化容易軸方向と平行のままである。すなわち、読み出し層群は既出の図12Bで示された状態となり、“R0.5”が実現される。
3−3.例(3)
図14Aは、第2磁気抵抗素子100の更に他の例を示す斜視図である。図14Bは、図14Aで示された構造のx−y平面図である。本例に係る第2磁気抵抗素子100は、図13A及び図13Bで示された構成要素と同様のものを有する。但し、重心の位置関係が異なっている。図13A及び図13Bで示された構成と同じ構成には同一の符号が付され、重複する説明は適宜省略される。
本例によれば、垂直磁気異方性を有する第4磁化自由層110の重心G110は、面内磁気異方性を有する第3磁化自由層120の重心G120からずれている。x−y平面において、そのずれ方向は、第3磁化自由層120の磁化容易軸方向と一致している。例えば図14Bに示されるように、第4磁化自由層110の重心G110は、第3磁化自由層120の重心G120から−x方向にずれている。そのずれ方向は、第3磁化自由層120の磁化容易軸方向(x軸方向)と平行であり、第2磁化固定層140の磁化方向と直交している。
この場合、第4磁化自由層110の垂直磁化は第3磁化自由層120に対して+x方向あるいは−x方向の磁化成分を印加する。その磁化成分は磁化容易軸方向と一致しているため、第3磁化自由層120の面内磁化は回転しない。第3磁化自由層120の磁化方向は、その磁化容易軸方向と平行のままである。すなわち、読み出し層群は既出の図12Bで示された状態となり、“R0.5”が実現される。
4.MRAM
図15は、本発明の実施の形態に係るMRAMの構成を概略的に示している。MRAMのメモリセルアレイは、マトリックス状に配置された複数のセルを有している。より詳細には、セルには、データ記録用のメモリセルMCと、データ読み出し時にリファレンスレベルを生成するために参照されるリファレンスセルRCが含まれる。本発明によれば、メモリセルMCには第1磁気抵抗素子1が適用される。一方、リファレンスセルRCには、第2磁気抵抗素子100が適用される。
製造プロセスの観点からは、第1磁気抵抗素子1の各層と第2磁気抵抗素子100の各層は同じ層に形成されることが好適である。例えば図12Aで示された第2磁気抵抗素子100が用いられる場合、第3磁化自由層120、第2非磁性層130及び第2磁化固定層140は、第1磁気抵抗素子1の第2磁化自由層20、第1非磁性層30及び第1磁化固定層40のそれぞれと同じ層に形成される。更に、図13Aあるいは図14Aで示された第2磁気抵抗素子100が用いられる場合には、第4磁化自由層110も、第1磁気抵抗素子1の第1磁化自由層10と同じ層に形成される。
メモリセルMCが含む第1磁気抵抗素子1は、既出の例のいずれであってもよい(図1A〜図6B、図8、図9を参照)。その第1磁気抵抗素子1の読み出し層群(20〜40)の抵抗値は、記録データに応じてR0とR1の間で切り換わる。リファレンスセルRCが含む第2磁気抵抗素子100は、既出の例のいずれであってもよい(図12A〜図14Bを参照)。その第2磁気抵抗素子100の読み出し層群(120〜140)の抵抗値は、中間値“R0.5”に固定されている。
データ読み出し時、読み出し対象のメモリセルMCとリファレンスセルRCに読み出し電流が流される。読み出し回路は、メモリセルMCを流れる読み出し電流に基づいて、メモリセルMCの記録データ(R0又はR1)に応じた読み出しレベルを生成する。また、読み出し回路は、リファレンスセルRCを流れる読み出し電流に基づいて、中間抵抗値R0.5に対応するリファレンスレベルを生成する。そして、読み出し回路は、読み出しレベルをリファレンスレベルと比較することによって、メモリセルMCの記録データ(R0又はR1)を判定する。
図16は、メモリセルMCの第2磁化自由層20とリファレンスセルRCの第3磁化自由層120の磁化状態の一例を示している。ここでは、メモリセルMCに、図8及び図9で示された第1磁気抵抗素子1が適用されている。つまり、第2磁化自由層20の磁化は磁化容易軸を中心として回転する。データ“0”のメモリセルMC間で磁化回転量(抵抗値R0)がばらつき、データ“1”のメモリセルMC間で磁化回転量(抵抗値R1)がばらついている(図10も参照)。一方、リファレンスセルRCでは、第3磁化自由層120の磁化方向は、完全に磁化容易軸に沿っている。従って、メモリセルMCにおいて磁化回転量がばらついていたとしても、その磁化の回転方向、すなわち記録データ(R0あるいはR1)を正確に判定することが可能である。
より一般化すると、次の通りである。メモリセルMCに関して、データ“0”のセル間で抵抗値R0はばらつき、データ“1”のセル間で抵抗値R1はばらつくかもしれない。しかしながら、本実施の形態では、リファレンスセルRCは確実に“R0.5”にセットされており、少なくともリファレンスセルRCに関しては抵抗値のばらつきはほとんどない。これは、リファレンスレベルのばらつきが抑制され、より正確なリファレンスレベルが得られることを意味する。正確なリファレンスレベル(R0.5)を用いることにより、メモリセルMCの記録データ(R0又はR1)を正確に判定することが可能となる(図11参照)。
以上に説明されたように、本実施の形態によれば、第2磁気抵抗素子100をリファレンスセルRCに適用することによって、リファレンスレベルのばらつきが抑制される。その結果、データの誤読み出しが抑制される。メモリセルMCに適用される第1磁気抵抗素子1は、既出の例のいずれであってもよい。重要なことは、リファレンスセルRCにおいて磁化状態のばらつきが抑制されることである。
また、本実施の形態によれば、抵抗値が単独でR0.5となる第2磁気抵抗素子100が用いられる。従って、相補データ(R0、R1)が記録された2種類のリファレンスセルRC0、RC1(図7参照)を用意する必要がない。第2磁気抵抗素子100を有する1種類のリファレンスセルRC(図15参照)だけで十分である。
図7の場合、セットコントローラを用いて、リファレンスセルRC0、RC1のそれぞれに相補データを初期設定する必要がある。一方、本実施の形態では、リファレンスセルRCは抵抗値がR0.5となるようにあらかじめ形成されており、リファレンスセルRCの初期設定工程は不要である。従って、製造時間が短縮され、製造コストが削減される。また、初期設定用のコントローラも不要となるため、MRAMの面積が削減される。
また、図7の場合、読み出し回路は、2種類のリファレンスセルRC0、RC1を参照して、抵抗値R0とR1の中間抵抗値に対応するリファレンスレベルを算出する必要がある。一方、図15の場合、リファレンスレベルは、抵抗値がR0.5に固定された一種類のリファレンスセルRCを参照することによって直接的に得られる。従って、回路構成が単純になり、MRAMの面積が削減される。
更に、図7の場合、2種類のリファレンスセルRC0、RC1を配置するために2列必要であった。一方、図15では、1種類のリファレンスセルRCを配置するために1列で十分である。リファレンスセルのための領域が1列分不要となるため、メモリセルアレイの面積が削減される。特に小規模アレイの場合には、面積削減効果が顕著となる。
以上、本発明の実施の形態が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。
本出願は、2008年2月19日に出願された日本国特許出願2008−038066を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (10)

  1. 第1磁気抵抗素子を含むメモリセルと、
    第2磁気抵抗素子を含み、前記メモリセルからのデータ読み出し時にリファレンスレベルを生成するために参照されるリファレンスセルと
    を具備し、
    前記第1磁気抵抗素子は、
    垂直磁気異方性を有する第1磁化自由層と、
    面内磁気異方性を有し、磁化方向が固定された第1磁化固定層と、
    面内磁気異方性を有し、磁化方向が可変な第2磁化自由層と、
    前記第1磁化固定層と前記第2磁化自由層とに挟まれた第1非磁性層と
    を備え、
    前記第1磁化自由層は、
    磁化方向が固定された第1磁化固定領域と、
    磁化方向が固定された第2磁化固定領域と、
    前記第1磁化固定領域と前記第2磁化固定領域とに接続され、磁化方向が反転可能な磁化自由領域と
    を有し、
    前記磁化自由領域と前記第2磁化自由層とは、互いに磁気的に結合しており、
    各層に平行な第1平面において、前記第2磁化自由層の重心は、前記磁化自由領域の重心から第1方向にずれており、
    前記第2磁気抵抗素子は、
    磁化容易軸が第2方向に平行な第3磁化自由層と、
    磁化方向が前記第2方向と直交する第3方向に固定された第2磁化固定層と、
    前記第3磁化自由層と前記第2磁化固定層とに挟まれた第2非磁性層と
    を備え、
    前記第3磁化自由層と前記第2磁化固定層は、面内磁気異方性を有する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 請求の範囲1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第2磁化自由層の磁化容易軸は前記第1方向と直交しており、
    前記第1磁化固定層の磁化方向は前記第1方向と平行あるいは反平行である
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 請求の範囲1又は2に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第3磁化自由層の平面形状の長軸方向は前記第2方向である
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 請求の範囲1乃至3のいずれか一項に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第2磁化自由層と前記第3磁化自由層は同じ層に形成され、
    前記第1磁化固定層と前記第2磁化固定層は同じ層に形成され、
    前記第1非磁性層と前記第2非磁性層は同じ層に形成された
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 請求の範囲1乃至4のいずれか一項に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第2磁気抵抗素子は、垂直磁気異方性を有する第4磁化自由層を更に備え、
    前記第3磁化自由層と前記第4磁化自由層は、互いに磁気的に結合しており、
    前記第3磁化自由層の磁化方向は前記第2方向と平行である
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  6. 請求の範囲5に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1平面において、前記第3磁化自由層の重心は、前記第4磁化自由層の重心と一致している
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  7. 請求の範囲5に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1平面において、前記第3磁化自由層の重心は、前記第4磁化自由層の重心から前記第2方向にずれている
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  8. 請求の範囲5乃至7のいずれか一項に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化自由層と前記第4磁化自由層は同じ層に形成され、
    前記第2磁化自由層と前記第3磁化自由層は同じ層に形成され、
    前記第1磁化固定層と前記第2磁化固定層は同じ層に形成され、
    前記第1非磁性層と前記第2非磁性層は同じ層に形成された
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  9. 請求の範囲1乃至8のいずれか一項に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化固定領域が前記磁化自由領域の一方の端部に隣接して設けられ、
    前記第2磁化固定領域が前記磁化自由領域の他方の端部に隣接して設けられる
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  10. 請求の範囲1乃至8のいずれかに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化固定領域が前記磁化自由領域の一方の端部に隣接して設けられ、
    前記第2磁化固定領域が前記磁化自由領域の前記一方の端部に隣接して設けられ、
    前記第1磁化固定領域と前記第2磁化固定領域と前記磁化自由領域とが、三叉路を形成する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
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