JP2009054715A - 磁壁ランダムアクセスメモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁化記録層の磁気異方性が垂直方向、または、面内方向である電流駆動磁壁移動型のMRAMにおいて、磁化固定部、及び、磁壁位置の初期化を容易に行う。
【解決手段】磁気ランダムアクセスメモリは、磁気異方性を有する強磁性層である磁化記録層10と、前記磁気記録層10上に設けられた情報を読み出すための読出し層30,32とを具備する。前記磁化記録層10は、反転可能な磁化を有する第1磁化反転領域13aと第2磁化反転領13bとを含む磁化反転領域13と、前記第1磁化反転領域13aとの境界に接続され、磁化の向きが固定された第1磁化固定領域11aと、前記第2磁化反転領域13bとの境界に接続され、磁化の向きが固定された第2磁化固定領域11bとを備える。
【選択図】図3A

Description

本発明は、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetic Random Access Memory)に関し、特に、磁壁移動方式のMRAMに関する。
MRAMは、高集積・高速動作の観点から有望な不揮発性メモリである。MRAMにおいては、TMR(Tunnel MagnetoResistance)効果などの「磁気抵抗効果」を示す磁気抵抗素子が利用される。その磁気抵抗素子には、例えばトンネルバリヤ層が二層の強磁性層で挟まれた磁気トンネル接合(MTJ;Magnetic Tunnel Junction)が形成される。その二層の強磁性層は、磁化の向きが固定された磁化固定層(ピン層)と、磁化の向きが反転可能な磁化自由層(フリー層)とを有している。
ピン層とフリー層の磁化の向きが“反平行”である場合のMTJの抵抗値(R+ΔR)は、磁気抵抗効果により、それらが“平行”である場合の抵抗値(R)よりも大きくなることが知られている。MRAMは、このMTJを有する磁気抵抗素子をメモリセルとして用い、その抵抗値の変化を利用することによってデータを不揮発的に記憶する。例えば、反平行状態はデータ“1”に対応付けられ、平行状態はデータ“0”に対応付けられる。メモリセルに対するデータの書込みは、フリー層の磁化の向きを反転させることによって行われる。
MRAMに対するデータの書込み方法として、従来、「アステロイド方式」や「トグル方式」が知られている。これらの書込み方式によれば、メモリセルサイズにほぼ反比例して、フリー層の磁化を反転させるために必要な反転磁界が大きくなる。つまり、メモリセルが微細化されるにつれて、書込み電流が増加する傾向にある。
微細化に伴う書込み電流の増加を抑制することができる書込み方式として、「スピン注入(spin transfer)方式」が提案されている(例えば、特開2005−93488号公報、“Current−driven excitation of magnetic multilayers”,J.C.Slonczewski,Journal of Magnetism & Magnetic Materials,159,L1−L7(1996)、を参照)。スピン注入方式によれば、強磁性導体にスピン偏極電流(spin−polarized current)が注入され、その電流を担う伝導電子のスピンと導体の磁気モーメントとの間の直接相互作用によって磁化が反転する(以下、「スピン注入磁化反転:Spin Transfer Magnetization Switching」と参照される)。
米国特許第6834005号公報には、スピン注入を利用した磁気シフトレジスタが開示されている。この磁気シフトレジスタは、磁性体中の磁壁(domain wall)を利用して情報を記憶する。多数の領域(磁区)に分けられた磁性体において、磁壁を通過するように電流が注入され、その電流により磁壁が移動する。各領域の磁化の向きが、記録データとして扱われる。このような磁気シフトレジスタは、例えば、大量のシリアルデータの記録に利用される。尚、磁性体中の磁壁の移動は、“Real−Space Observation of Current−Driven Domain Wall Motion in Submicron Magnetic Wires”,A.Yamaguchi et al.,Physical Review Letters,Vol.92,pp.077205−1−4(2004)にも報告されている。
このようなスピン注入による磁壁移動(Domain Wall Motion)を利用した「磁壁移動方式のMRAM」が、特開2005−191032号公報に記載されている。特開2005−191032号公報に記載されたMRAMは、磁化が固定された磁化固定層と、磁化固定層上に積層されたトンネル絶縁層と、トンネル絶縁層に積層された磁化記録層とを備える。磁化記録層には、磁化の向きが反転可能な部分と実質的に変化しない部分も含まれているため、磁化自由層ではなく、磁化記録層と呼ぶことにする。図1は、特開2005−191032号公報の磁化記録層の構造を示す概略平面図である。図1において、磁化記録層100は、直線形状を有している。具体的には、磁化記録層100は、トンネル絶縁層及び磁化固定層と重なる接合部103、接合部103の両端に隣接するくびれ部104、及びくびれ部104に隣接形成された一対の磁化固定領域101、102を有する。一対の磁化固定領域101、102には、互いに反対向きの固定磁化が付与されている。更に、MRAMは、一対の磁化固定領域101、102に電気的に接続された一対の書込み用端子105、106を備える。この書込み用端子105、106により、磁化記録層100の接合部103、一対のくびれ部104及び一対の磁化固定領域101、102を貫通する電流が流れる。
しかし、電流駆動磁壁移動を利用したMRAMでは、書込み電流の絶対値が比較的大きくなってしまうことが懸念される。前掲のPhysical Review Letters,Vol.92,pp.077205−1−4(2004)のほかにも、電流駆動磁壁移動の観測は数多く報告されている。しかし、磁壁移動には概ね1×10A/cm程度の閾値電流密度を要している。この場合、例えば磁壁移動の起こる層の幅を100nm、膜厚を10nmとした場合でも書込み電流は1mAとなる。これ以下に書込み電流を低減するためには膜厚を薄くすればよいが、この場合には書込みに要する電流密度は更に上昇してしまうことが知られている(例えば、“Reduction of Threshold Current Density for Current−Driven Domain Wall Motion using Shape Control”,A.Yamaguchi et al.,Japanese Journal of Applied Physics,vol.45,No.5A,pp.3850−3853(2006)参照)。
一方、磁化記録層の磁気異方性が基板面に垂直である垂直磁気異方性材料を用いた素子においては、10A/cm台の閾値電流密度が観測されている(例えば、“Threshold currents to move domain walls in films with perpendicular anisotropy”,D.Ravelosona et al.,Applied Physics Letters,Vol.90,072508(2007)参照)。従って、電流駆動磁壁移動を利用したMRAMにおいて、磁化記録層として垂直磁気異方性材料を用いることにより、書込み電流を低減できることが期待される。
関連する技術として特開2006−5308号公報に不揮発性磁気メモリが開示されている。この不揮発性磁気メモリは、外部磁場に対して磁化が変化する磁気ヒステリシス特性を有する棒形状を有し、前記棒形状の長手方向に沿って、1つの磁壁を生じ、前記棒形状の両端に、第1、第2の電極及びその中央部に第3の電極を有する。この不揮発性磁気メモリにおいて、前記1つの磁壁が移動した際に固定するための第1のくびれ部を前記第1の電極と前記第3の電極との間に、かつ第2のくびれ部を前記第2の電極と前記第3の電極との間に形成する。
特開2006−269885号公報にスピン注入型磁気抵抗効果素子が開示されている。このスピン注入型磁気抵抗効果素子は、(A)第1面、及び、該第1面と対向する第2面を有し、情報を記憶する磁化反転層、(B)磁化反転層の一端に、磁化反転層の第1面と対向して、第1の非磁性膜を介して配置され、第1の方向に磁化された第1の磁化参照層、(C)磁化反転層の他端に、磁化反転層の第1面と対向して、第1の磁化参照層と離間して、第2の非磁性膜を介して配置され、第1の方向とは反対方向の第2の方向に磁化された第2の磁化参照層、(D)第1の磁化参照層に電気的に接続された第1の電極、(E)第2の磁化参照層に電気的に接続された第2の電極、並びに、(F)磁化反転層の第2面と対向して、絶縁膜を介して配置された第3の電極、を備えている。
特開2006−303159号公報にスピン注入磁区移動素子およびこれを用いた装置が開示されている。このスピン注入磁区移動素子は、磁壁を有する磁壁移動層、強磁性層を有する第1磁性層グループ、強磁性層を有する第2磁性層グループおよび強磁性層を有する第3磁性層グループを備える。該第1磁性層グループ、該第2磁性層グループおよび該第3磁性層グループが該磁壁移動層の同一面上に、この順に配置される。該第1磁性層グループと該第3磁性層グループとの間に電子を流すことにより、前記磁壁移動層の磁壁を移動する。該第2磁性層グループと該第3磁性層グループとの間、または該第2磁性層グループと該第1磁性層グループとの間の電気抵抗により前記磁壁移動層の磁壁の位置を検出する。
特開2005−93488号公報 米国特許第6834005号公報 特開2005−191032号公報 特開2006−5308号公報 特開2006−269885号公報 特開2006−303159号公報 "Current−driven excitation of magnetic multilayers",J.C.Slonczewski,Journal of Magnetism & Magnetic Materials,159,L1−L7(1996) "Real−Space Observation of Current−Driven Domain Wall Motion in Submicron Magnetic Wires",A.Yamaguchi et al.,Physical Review Letters,Vol.92,pp.077205−1−4(2004) "Reduction of Threshold Current Density for Current−Driven Domain Wall Motion using Shape Control",A.Yamaguchi et al.,Japanese Journal of Applied Physics,vol.45,No.5A,pp.3850−3853(2006) "Threshold currents to move domain walls in films with perpendicular anisotropy",D.Ravelosona et al.,Applied Physics Letters,Vol.90,072508(2007)
既述のように、電流駆動磁壁移動を利用したMRAMでは、書込み電流の絶対値が比較的大きくなってしまうことが懸念される。従って、発明者は、以下に示すように、電流駆動磁壁移動を利用したMRAMにおいて、磁化記録層として垂直磁気異方性材料を用いることにより、書込み電流を低減できることを検討した。
図2A及び図2Bは、それぞれ想定しうる垂直磁気異方性材料を用いた磁化記録層の平面図及び断面図である。磁化記録層110は、磁化反転領域113と、一対の磁化固定領域111a、111bとを備える。ただし、図2A及び図2Bにおいて、白丸と点の記号、白丸とバツの記号、白矢印は、それらが記載された磁化反転領域113や磁化固定領域111a、111bの磁化方向を示している。
磁化反転領域113は、トンネル絶縁層132及びピン層130と重なり、フリー層としての機能を有する。磁化固定領域111aは磁化反転領域113の一端に、磁化固定領域111bは磁化反転領域113の他端にそれぞれ隣接されている。磁化反転領域113と磁化固定領域111a、111bとの接合部にはくびれ部115が設けられる。一対の磁化固定領域111a、111bには、互いに反対向きの固定磁化が付与される。また、くびれ部115は磁壁に対するピンポテンシャルとして機能し、磁壁はくびれ部付近の領域に磁壁112a、又は、磁壁112bとなるように初期化される。データの読出しは磁化反転領域113とピン層130との磁化の相対的な向きに依存して、トンネル抵抗が異なることを利用して行われる。
図1、2に示した磁化記録層においては、いずれも2つの磁化固定領域の磁化を互いに反平行に固定する必要がある。そのためには、例えば、2つの磁化固定領域に異なる保磁力を持つ材料を用い、その保磁力の中間の磁界を印加すればよい。また、2つの磁化固定領域に対して、異なる保磁力を持つ強磁性層、又は、異なる交換結合磁界、若しくは、異なるブロッキング温度を持つ反強磁性層を積層することにより、実質的に磁化固定領域の磁気特性を変化させることもできる。しかしながら、いずれの方法も2種類以上の材料を用いるため、プロセスが複雑になること、2種類の磁気特性の差異が十分大きくないと初期化過程のマージンが狭くなることなどの課題があった。
従って、本発明の目的は、磁化記録層の磁気異方性が垂直方向、または、面内方向である電流駆動磁壁移動型のMRAMにおいて、磁化固定部、及び、磁壁位置の初期化を容易に行うことが可能な構造を有する磁気ランダムアクセスメモリ、及び、その磁気ランダムアクセスメモリの初期化方法を提供することである。
この発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
本発明の磁気ランダムアクセスメモリは、磁気異方性を有する強磁性層である磁化記録層と、前記磁気記録層上に設けられた情報を読み出すための読出し層とを具備する。前記磁化記録層は、反転可能な磁化を有する第1磁化反転領域と第2磁化反転領とを含む磁化反転領域と、前記第1磁化反転領域との境界に接続され、磁化の向きが固定された第1磁化固定領域と、前記第2磁化反転領域との境界に接続され、磁化の向きが固定された第2磁化固定領域とを備える。
本発明のような磁化記録層と読出し層とを有する磁気抵抗素子を用いた磁気メモリセルで構成された磁気ランダムアクセスメモリは、磁気異方性が垂直方向または面内方向であっても、例えば、以下の方法で、磁化固定領域、及び、磁壁位置の初期化を容易に行うことが可能となる。すなわち、まず、(a)前記磁化記録層に磁気異方性の方向としての第1方向に磁界を印加することにより、前記磁化記録層を同じ方向に磁化する。次に、(b)前記第1方向とは逆の第2方向の磁界を印加することにより、前記磁化反転領域の磁化を反転させる。その後、(c)前記第1磁化固定領域と前記第2磁化固定領域との間に電流を印加することにより、前記第1磁化反転領域及び前記第2磁化反転領域のいずれか一方の磁化方向をさらに反転させる。
本発明により、磁化記録層の磁気異方性が垂直方向、または、面内方向である電流駆動磁壁移動型のMRAMにおいて、磁化固定部、及び、磁壁位置の初期化を容易に行うことが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例に係るMRAMを説明する。本実施例に係るMRAMは磁壁移動方式のMRAMである。 磁化記録層の磁気異方性は、垂直方向、または、面内方向である。
(第1の実施例)
図3Aは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の一例を示す平面図である。図3B及び図3Cは、それぞれ本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の一例を示す断面図である。その磁気抵抗素子2を磁気メモリセルに用いた例について説明する。図3Bは例えば“0”を記憶した場合を示し、図3Cは、例えば、“1”を記憶した場合を示す。ただし、図3A、図3B及び図3Cにおいて、白丸とバツの記号や白矢印は、各層における磁化方向を示している(以下同じ)。磁気抵抗素子2は、垂直磁気異方性をもつ強磁性体層である磁気記録層10及びピン層30と、非磁性体層であるトンネルバリヤ層32とを備えている。トンネルバリヤ層32は、磁化記録層10とピン層30とに挟まれており、これら磁化記録層10、トンネルバリヤ層32、及びピン層30によって磁気トンネル接合(MTJ)が形成されている。
磁化記録層10は基板面(XY平面)に垂直な方向の異方性を持つ。材料としては、Fe、Co、Niのうちから選択される少なくとも一つ以上の材料を含むことが望ましい。さらに、PtやPdを含むことで垂直磁気異方性を安定化することができる。これに加えて、B、C、N、O、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Smなどを添加することによって所望の磁気特性が発現されるように調整することができる。具体的にはCo、Co−Pt、Co−Pd、Co−Cr、Co−Pt−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr−B、Co−Cr−Pt−B、Co−Cr−Ta−B、Co−V、Co−Mo、Co−W、Co−Ti、Co−Ru、Co−Rh、Fe−Pt、Fe−Pd、Fe−Co−Pt、Fe−Co−Pd、Sm−Coなどが例示される。この他、Fe、Co、Niのうちから選択される少なくとも一つの材料を含む層が、異なる層と積層されることにより垂直方向の磁気異方性を発現させることもできる。具体的にはCo/Pd、Co/Pt、Fe/Auの積層膜などが例示される。ピン層30も磁化記録層10と同様な材料を用い、垂直磁気異方性を持つことが望ましい。トンネルバリヤ層32は、Al膜やMgO膜等の薄い絶縁膜である。磁化記録層10、ピン層30の一部、特にトンネルバリヤ層と接する部分にCoFeやCoFeBなどTMR効果の大きな材料を用いても良い。
ピン層30の磁化の向きは、書込み、及び、読出し動作によって変化させない。そのため、ピン層の磁気異方性は磁化記録層10よりも大きいことが望ましい。これは、磁化記録層10とピン層30の材料、組成を変えることにより実現される。または、ピン層30のトンネルバリヤ層32とは反対側の面に反強磁性体層を積層し、磁化をピン止めすることによっても実現される。さらにピン層30を強磁性層、非磁性層、強磁性層からなる積層膜にすることもできる。その場合、非磁性層としてはRu、Cuなどが用いられる、2つの強磁性層の磁化は互いに反平行になる。2つの強磁性層の磁化を等しくすれば、ピン層30からの漏洩磁界を抑制することができる。 磁化記録層10に対して、トンネルバリヤ層32及びピン層30は、情報を読み出すための読出し層とみなすことができる。
図3A〜図3Cに示されるように、本実施例に係る磁化記録層10は、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、及び磁化反転領域13を有している。磁化反転領域13は2つの磁化反転領域13a、13bに区分され、その一方の磁化反転領域13aに、ピン層30がオーバーラップするように形成されている。言い換えれば、磁化記録層10の磁化反転領域13aの一部が、トンネルバリヤ層32を介してピン層30に接続されている。
第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bの磁化は、互いに平行な方向に固定される。なお、「磁化が固定されている」とは、書込み動作の前後で磁化の方向が変わらないことを意味する。書込み動作中に、磁化固定領域の一部の磁化の方向が変化しても、書込み動作終了後には元に戻る。
磁化固定領域11a、11bに隣接して、それぞれ磁性層21a、21bが形成されている。磁性層21a、21bは後述されるように磁化固定領域11a、11bの保磁力を磁化反転領域13と比較して実効的に大きくし、初期化を容易にするために設けられている。磁性層21a、21bとしては、前述の強磁性材料、あるいは、PtMn、NiMn、FeMnなどの反強磁性材料を用いることができる。また、磁性層21a、21bは、図3Bや図3Cに示されるように磁化記録層10の下に隣接していても、上に隣接していてもよい。なお、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11bにイオン注入をおこない、その部分の磁気特性を変えることもできる。この場合は、磁性層21a、21bを隣接させる必要はない。
磁化反転領域13a、13bの磁化の向きは反転可能であり、+Z方向あるいは−Z方向である。磁化反転領域13a、13bの境界には磁壁が形成されやすいようにくびれ15が設けられている。従って、磁化反転領域13a、13bが取りうる磁化方向の組み合わせは(+Z、−Z)、(−Z、+Z)、(+Z、+Z)、(−Z、−Z)の4通りである。本発明の実施例においては、このうち(+Z、−Z)、(−Z、+Z)の2つの磁化方向を用いる。
図3Bのように磁化反転領域13a、13bの磁化の向きがそれぞれ−Z方向、+Z方向(−Z、+Z)の場合、第1磁化固定領域11a、磁化反転領域13a、及び、磁化反転領域13bと第2磁化固定領域11bがそれぞれ別の磁区を形成する。つまり、第1磁化固定領域11aと磁化反転領域13aとの間、及び、磁化反転領域13aと磁化反転領域13bとの間に、それぞれ磁壁(domain wall)12a、12bが対になって形成される。一方、図3Cのように磁化反転領域13a、13bの磁化の向きがそれぞれ+Z方向、−Z方向(+Z、−Z)の場合、第1磁化固定領域11aと磁化反転領域13a、磁化反転領域13b、及び、第2磁化固定領域11bがそれぞれ別の磁区を形成する。つまり、磁化反転領域13aと磁化反転領域13bとの間、磁化反転領域13bと第2磁化固定領域11bとの間に、それぞれ磁壁12a、12bが形成される。
このように、本実施例においては、第1磁化固定領域11aと磁化反転領域13a、磁化反転領域13aと磁化反転領域13b、磁化反転領域13bと第2磁化固定領域11bの各境界に設けられたくびれ15が磁壁12に対してピンポテンシャルとして働くため、上述のような磁化状態を得ることが可能になる。
ピンポテンシャルの生成にはくびれ以外を用いることができる。図4は、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の変形例を示す平面図である。この磁気抵抗素子2aの磁化記録層10は、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、及び磁化反転領域13を有している。磁化反転領域13は2つの磁化反転領域13a、13bに区分される。第1磁化固定領域11aにおける磁化反転領域13aとの境界付近の幅、及び、第2磁化固定領域11bにおける磁化反転領域13bとの境界付近の幅は、いずれも磁化反転領域13の幅よりも大きくなっている。これにより、磁壁12は磁化固定領域11内に侵入しにくくなり、それぞれの境界は磁壁12(12a、12b)に対するピンポテンシャルとして機能する。
他にピンポテンシャルを生成する方法としては、磁性層21a、21bとして、強磁性層を用い、そこからの漏洩磁界を利用する方法がある。この場合、磁化反転領域13と磁化固定領域11との境界に平面上の形状の差異を設ける必要はない。
図5Aは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の他の一例を示す平面図である。図5B及び図5Cは、それぞれ本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の他の一例を示す断面図である。その磁気抵抗素子2bを磁気メモリセルに用いた例について説明する。図5Bは例えば“0”を記憶した場合を示し、図5Cは、例えば、“1”を記憶した場合を示す。磁気抵抗素子2bは、面内磁気異方性をもつ強磁性体層である磁化記録層10及びピン層30と、非磁性体層であるトンネルバリヤ層32とを備えている。トンネルバリヤ層32は、磁化記録層10とピン層30とに挟まれており、これら磁化記録層10、トンネルバリヤ層32、及びピン層30によって磁気トンネル接合(MTJ)が形成されている。
磁化記録層10の材料としては、Fe、Co、Niのうちから選択される少なくとも一つ以上の材料を含むことが望ましい。典型的にはNiFeが用いられる。ピン層30も磁化記録層10と同様な材料を用い、面内磁気異方性を持つことが望ましい。トンネルバリヤ層32は、Al膜やMgO膜等の薄い絶縁膜である。
磁化記録層10は、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、及び磁化反転領域13を有している。磁化反転領域13は2つの磁化反転領域領域13a、13bに区分され、その一方の磁化反転領域13aに、ピン層30がオーバーラップするように形成されている。言い換えれば、磁化記録層10の磁化反転領域13aの一部が、トンネルバリヤ層32を介してピン層30に接続されている。
第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bの磁化は、互いに平行な方向に固定される。なお、「磁化が固定されている」とは、書込み動作の前後で磁化の方向が変わらないことを意味する。書込み動作中に、磁化固定領域の一部の磁化の方向が変化しても、書込み動作終了後には元に戻る。
磁化固定領域11a、11bに隣接して、それぞれ磁性層21a、21bが隣接して形成されている。磁性層21a、21bは磁化固定領域11a、11bの保磁力を磁化反転領域13と比較して実効的に大きくし、初期化を容易にするために設けられている。磁性層21a、21bとしては、前述の強磁性材料、あるいは、PtMn、NiMn、FeMnなどの反強磁性材料を用いることができる。また、磁性層21a、21bは、図5Bや図5Cに示されるように磁化記録層10の下に隣接していても、上に隣接していてもよい。
磁壁の位置やピンポテンシャルの形成方法は、垂直磁気異方性を用いた場合と同様である。
次に、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法について説明する。
図6A〜図6Cは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法を示す断面図である。図中、ピン層30やトンネルバリヤ層32は省略されている。ここでは、図3A〜図3Cの磁気抵抗素子2における垂直磁気異方性を有する磁化記録層10の初期化動作のステップを示している。ただし、図4の磁気抵抗素子2aを用いる場合や、図5A〜図5Cの磁化記録層10が面内異方性を有する磁気抵抗素子2bも、ここに示される方法で、同様に初期化することができる。
図6Aに示されるように、最初に+Z方向に磁界HZ1を印加する。それにより、磁気記録層10、及び、磁性層21a、21bの磁化全体を+Z方向に向ける(Step1)。このときの磁界HZ1は、磁化記録層10、及び、磁性層21a、21bの保磁力よりも十分大きな値とする。
次に、図6Bに示されるように、−Z方向に磁界HZ2を印加していき、磁化反転領域13の磁化を−Z方向に反転させる(Step2)。このときの磁界HZ2は、磁化記録層10の保磁力より大きく、磁性層21a、21bの保磁力より小さい値とする。磁化固定領域11a、11bは、それぞれ磁性層21a、21bとの交換結合により実効的な保磁力が大きくなっているので、磁界HZ2では磁化反転しない。そのため、磁化反転領域13の両側、すなわち、磁化固定領域11a、11bとの境界には、それぞれ磁壁12a、12bが形成される。
続いて、図6Cに示されるように、第1磁化固定領域11aから第2磁化固定領域11bに電流を流し、すなわち、第2磁化固定領域11bから第1磁化固定領域11aに電子を流す(Step3)。これにより、第2磁化固定領域11bで上向きのスピンを持った電子は磁壁12bを左方向に駆動し、磁化反転領域13で下向きスピンを持った電子は磁壁12aを左方向に駆動する。電流の値、及び、印加時間を最適化すると、磁壁12bは磁化反転領域13内の中央付近に移動するが、磁壁12aは第1磁化固定領域11aの高いポテンシャル障壁により、ほとんど第1磁化固定領域11a内に移動することができない。電流を取り除いた後は、磁壁12bのみが磁化反転領域13の中央部の磁化反転領域13aと13bの境界に移動し、磁壁12aは第1磁化固定領域11aと磁化反転領域13の境界に留まり、初期化が実現される。
なお、磁性層21a、21bの保磁力が磁化記録層10の保磁力より小さい場合など、磁化固定領域11の実効的な保磁力が、磁化反転領域13の保磁力よりも小さい場合、Step2において先に磁化固定領域11の磁化が反転する。このときも磁化反転領域13の初期化はStep3と同様な方法によって行うことができる。また、Step2において磁化反転領域13を反転させる際に、ピン層30からの漏洩磁界や配線層31に印加する電流による熱をアシストとして用いることもできる。
次に、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子(磁気メモリセル)に対するデータの書込み、読出し原理を説明する。ここでは、図3A〜図3Cに示す構成の磁気抵抗素子2(磁気メモリセル)を例として説明するが、他の磁気抵抗素子(図4:磁気抵抗素子2a、図5A〜図5C:磁気抵抗素子2b)の書込み、読出し原理も同様である。
図7は、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子(磁気メモリセル)に対するデータの書込み原理を示す断面図である。データ書込みは、スピン注入を利用した磁壁移動方式で行われる。書込み電流Iwは、MTJを貫通する方向ではなく、磁化記録層10内を平面的に流れる。その書込み電流Iwは、磁性層21aに接続された電流供給端子14a及び磁性層21bに接続された電流供給端子14bのいずれか一方から磁化記録層10に供給される。
図7(a)に示されるように、磁化反転領域13aとピン層30の磁化の向きが平行である状態が、データ“0”に対応付けられている。データ“0”状態において、磁化反転領域13aの磁化の向きは−Z方向である。磁壁12aは第1磁化固定領域11aと磁化反転領域13aとの境界に、磁壁12bは磁化反転領域13aと磁化反転領域13bとの境界に、対で存在する。一方、図7(c)に示されるように、磁化反転領域13aとピン層30の磁化の向きが反平行である状態が、データ“1”に対応付けられている。データ“1”状態において、磁化反転領域13aの磁化の向きは+Z方向である。磁壁12aは磁化反転領域13aと磁化反転領域13bとの境界に、磁壁12bは磁化反転領域13bと第2磁化固定領域11bとの境界に、対で存在する。
図7(a)の状態において、データ“1”の書込み動作時、第1書込み電流Iw1が、電流供給端子14bから供給され、第2磁化固定領域11bから磁化反転領域13を通って第1磁化固定領域11aに流れ、電流供給端子14bから送出される(図7(b))。このとき、磁化反転領域13aには、第1磁化固定領域11aから上向きに偏極したスピン電子が注入される。注入された電子のスピンは、第1磁化固定領域11aと磁化反転領域13aとの境界にある磁壁12aを右方向に駆動する。これと同時に、磁化反転領域13a内で下向きに偏極した電子のスピンは磁化反転領域13aと磁化反転領域13bとの境界にある磁壁12bを右方向に駆動する。その結果、磁壁12aは磁化反転領域13aと磁化反転領域13bとの境界に、磁壁12bは磁化反転領域13bと第2磁化固定領域11bとの境界に、それぞれ移動する(図7(c))。そして、磁化反転領域13aの磁化の向きは+Z方向へスイッチし、同時に磁化反転領域13bの磁化の向きは−Z方向にスイッチする。つまり、スピントランスファー効果により、磁壁対(12a、12b)が移動し、磁化反転領域13a、13bの磁化が反転し、その磁化の向きがそれぞれ+Z方向、−Z方向に変わる。
一方、図7(c)の状態において、データ“0”の書込み動作時、第2書込み電流Iw2が、電流供給端子14aから供給され、第1磁化固定領域11aから磁化反転領域13を通って第2磁化固定領域11bに流れ、電流供給端子14bから送出される(図7(d))。このとき、磁化反転領域13bには、第2磁化固定領域11bから上向きに偏極したスピン電子が注入される。注入された電子のスピンは、第2磁化固定領域11bと磁化反転領域13bとの境界にある磁壁12bを左方向に駆動する。これと同時に、磁化反転領域13b内で下向きに偏極した電子のスピンは磁化反転領域13bと磁化反転領域13aとの境界にある磁壁12aを左向きに駆動する。その結果、磁壁12bは磁化反転領域13bと磁化反転領域13aとの境界に、磁壁12aは第1磁化固定領域11aと磁化反転領域13aとの境界に、それぞれ移動する(図7(a))。そして、磁化反転領域13aの磁化の向きは−Z方向へスイッチし、同時に磁化反転領域13bの磁化の向きは+Z方向にスイッチする。つまり、スピントランスファー効果により、磁壁対(12a、12b)が移動し、磁化反転領域13a、13bの磁化が反転し、その磁化の向きがそれぞれ−Z方向、+Z方向に変わる。
このように、磁化記録層10内を平面的に流れる書込み電流Iwによって、磁化反転領域13a、13bの磁化の方向がスイッチする。2つの磁壁12a、12bが対になって移動するためには、第1磁化固定領域11aと磁化反転領域13aとの間、磁化反転領域13aと磁化反転領域13bとの間、磁化反転領域13bと第2磁化固定領域11bとの間の各境界から磁壁12がデピンされるときの閾値電流がほぼ等しくなるようピンポテンシャルを設計することが望ましい。あるいは、磁化反転領域13aと磁化反転領域13bの境界からのデピンのための閾値電流を他の境界からのデピン電流よりも小さくしてもよい。この場合、磁化反転領域13間の磁壁12が先にデピンし、磁化反転領域13と磁化固定領域11間の磁壁12が続いてデピンすることになる。これは磁化反転領域13aと磁化反転領域13bの間のくびれ15を浅くすることにより実現される。
次に、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子(磁気メモリセル)に対するデータの読出し原理を説明する。データ読出し動作時、読出し電流Iは、ピン層30と磁化反転領域13aとの間を流れるように供給される。例えば、読出し電流Iは、磁化固定領域11aから、磁化反転領域13a及びトンネルバリヤ層32を経由して、ピン層30へ流れる。あるいは、読出し電流Iは、ピン層30から、トンネルバリヤ層32及び磁化反転領域13aを経由して、磁化固定領域11aへ流れる。その読出し電流Iあるいは読出し電位Vに基づいて、磁気抵抗素子の抵抗値が検出され、磁化反転領域13の磁化の向きがセンスされる。
図8A及び図8Bは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子(磁気メモリセル)に対するデータの別の読出し原理を説明する断面図である。ここで、図3A〜図3Cの磁気抵抗素子2におけるピン層30及びトンネルバリヤ層32が、図8A及び図8Bの磁気抵抗素子2cにおいては読出し層50及び分離層34に置き換えられている。ただし、磁気記録層10は同じである。
読出し層50は、磁気センス層33、バリヤ層32、ピン層30から構成され、磁気トンネル接合を形成している。読出し層50は、磁化反転領域13のほぼ中央に位置している。ピン層30は面内の磁気異方性を持つ磁性層であり、読出し動作中及び書込み動作中、その磁化方向は実質的に不変である。磁化センス層33は面内の磁気異方性を持つ磁性層であり、磁化記録層10のうち、磁化反転領域13a、13bからの磁束を検知し、その磁化方向を変える。したがって、図6A〜図6Cに示す書込み動作により、磁化反転領域13a、13bの磁化方向が変化すると、磁化センス層33の磁化方向も、それに対応して変化する。すなわち、磁化センス層33にも同時に書き込みが行われる。
磁化記録層10が“0”状態の場合、磁化反転領域13a、13bはそれぞれ−Z方向、+Z方向に磁化しているので、磁化センス層33は−X方向に磁化する(書き込まれる)。一方、磁化記録層10が“1”状態の場合、磁化反転領域13a、13bはそれぞれ+Z方向、−Z方向に磁化しているので、磁化センス層33は+X方向に磁化する(書き込まれる)。
図8A及び図8Bの場合、ピン層30の磁化は−X方向を向いている。したがって、読出し動作では、読出し層50の磁気トンネル接合は、“0”状態で低抵抗を示し、“1”状態で高抵抗を示す。例えば、読出し電流Iは、磁化固定領域11aから、磁化反転領域13a、分離層34、磁化センス層33、及びバリヤ層32を経由して、ピン層30へ流れる。あるいは、読出し電流Iは、ピン層30から、バリヤ層32、磁化センス層33、分離層34、磁化反転領域13aを経由して、磁化固定領域11aへ流れる。その読出し電流Iあるいは読出し電位Vに基づいて、磁気抵抗素子の抵抗値が検出され、磁化センス層33(すなわち磁化反転領域13)の磁化の向きがセンスされる。
図8A及び図8Bにおいて、読出し層50と磁化記録層10の間には分離層34が配置されているが、この分離層34は磁化センス層33、バリヤ層32、ピン層30の結晶性を高めるための下地層として用いることができる。また、この分離層34は省略することもできる。なお、磁気センス層33、バリヤ層32の磁気異方性の向きと、磁気記録層10の磁気異方性の向きとは略直角である。また、このような図8A及び図8Bに示す構成(分離層34を省略する場合を含む)は、後述される第2の実施例の場合にも、同様に適用可能である。
(第2の実施例)
図9は、本発明の第2の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の一例を示す平面図である。その磁気抵抗素子2を磁気メモリセルに用いた例について説明する。図面において、白丸とバツの記号や白矢印は、各層における磁化方向を示している(以下同じ)。磁気抵抗素子2は、垂直磁気異方性をもつ強磁性体層である磁気記録層10及びピン層30と、非磁性体層であるトンネルバリヤ層32とを備えている。トンネルバリヤ層32は、磁化記録層10とピン層30とに挟まれており、これら磁化記録層10、トンネルバリヤ層32、及びピン層30によって磁気トンネル接合(MTJ)が形成されている。
磁化記録層10は第1固定領域11a、第2固定領域11b、及び、磁化反転領域13から構成されている。磁化反転領域13はさらに磁化反転領域13a、及び、磁化反転領域13bに区分される。本実施例において、各領域は傾斜した辺を有しており、その傾斜方向は、図面上では、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、磁化反転領域13bで左上がりであり、磁化反転領域13aで右上がりである。また、磁化固定領域11と磁化反転領域13との境界において、磁化固定領域11の幅は磁化反転領域13の幅よりも大きくなっている。これは磁化固定領域11と磁化反転領域13との境界に磁壁のピンポテンシャルを生成するためである。また、磁化反転領域13aと磁化反転領域13bの境界が屈曲していることも、ここにピンポテンシャルを生成するためである。
次に、本発明の第2の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法について説明する。
図10A〜図10Cは、本発明の第2の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法を示す断面図である。ここでは、磁気抵抗素子における垂直磁気異方性を有する磁化記録層10の初期化動作のステップを示している。図中、ピン層30やトンネルバリヤ層32は省略されている。
図10Aに示されるように、最初に、磁化記録層10を+Y方向の面内磁界により+Y方向に磁化させる。+Y方向の磁化17a〜17dにより、磁化記録層10の各辺には磁極16a〜16bが発生し、これらの磁極により各辺の近傍では反磁界18a〜18dがかかる。この反磁界は各辺に垂直な方向であるので、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、磁化反転領域13bの上辺、下辺においては−X方向の成分を持ち、磁化反転領域13aにおいては+X方向の成分をもつ。
+Y方向の磁界を取り除いた後の磁化17a〜17dは、この反磁界18a〜18dによるトルクの方向に向き始める。トルクは、磁化17a〜17dと反磁界18a〜18dの外積であるので、反磁界18a〜18dのうち磁化17a〜17dと平行な成分は寄与せず、反磁界18a〜18dのX成分のみが寄与する。そのため、磁化記録層10の各辺には図10Bに示されるようなトルク19a〜19dが発生する。すなわち、各領域の辺の傾きに応じて、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、磁化反転領域13bの斜辺付近では−Z方向のトルク19a、19d、19cが、磁化反転領域13aの斜辺付近では+Z方向のトルク19bが発生する。+Y方向の磁界を取り除くと、このトルク19a〜19dにより、各磁化領域の磁化17a〜17dは斜辺付近からZ方向に向いていき、最終的には図10Cに示されるように、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、磁化反転領域13bは−Z方向に、磁化反転領域13aは+Z方向に磁化し、磁壁12a、12bが、それぞれ磁化反転領域13aと磁化固定領域11a、磁化反転領域13bの境界に対として生成される。
本発明の第2の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法において、磁化記録層10に印加する磁界の方向は面内方向を主成分とすればよく、図9で示した+Y方向以外であってもよい。また、各磁化領域のY軸方向に対する斜辺はなだらかな曲線状であってもよい。さらに、各磁化領域を規定する全ての辺のY軸方向に対する傾きの方向(角度)が等しい必要はない。ただし、各磁化領域を規定する辺の傾きのマジョリティは第1磁化固定領域、第2磁化固定領域、磁化反転領域11bで等しく、磁化反転領域11aで逆符号でなくてはならない。例えば、図9の座標の設定では、第1磁化固定領域、第2磁化固定領域及び磁化反転領域11bの斜辺の方向は、XY平面における第2象限(+Y)の範囲に存在する。一方、磁化反転領域11aの斜辺の方向は、XY平面における第3象限の範囲(−Y)に存在する。
図11は、本発明の第1及び第2の実施例に係るMRAMの構成の一例を示すブロック図である。図11において、MRAM60は、複数の磁気メモリセル1がマトリックス状に配置されたメモリセルアレイ61を有している。このメモリセルアレイ61は、データの記録に用いられる磁気メモリセル1と共に、データ読み出しの際に参照されるリファレンスセル1rを含んでいる。リファレンスセル1rの構造は、磁気メモリセル1と同じである。
各磁気メモリセル1は、図3A〜図10Cに示された磁気抵抗素子2に加え、選択トランジスタTR1、TR2を有している。選択トランジスタTR1のソース/ドレインの一方は、第1磁化固定領域11aの電流供給端子14aに接続され、他方は第1ビット線BL1に接続されている。選択トランジスタTR2のソース/ドレインの一方は、第2磁化固定領域11bの電流供給端子14bに接続され、他方は第2ビット線BL2に接続されている。選択トランジスタTR1、TR2のゲートはワード線WLに接続されている。磁気メモリセル1のピン層30は、電流引き出し用の配線を介して図のようにグランド線Gに接続されている。
ワード線WLは、Xセレクタ62に接続されている。Xセレクタ62は、データの書込み動作時、及び読出し動作時において、対象メモリセル1sにつながるワード線WLを選択ワード線WLsとして選択する。第1ビット線BL1はY側電流終端回路64に接続されており、第2ビット線BL2はYセレクタ63に接続されている。Yセレクタ63は、対象メモリセル1sにつながる第2ビット線BL2を選択第2ビット線BL2sとして選択する。Y側電流終端回路64は、対象メモリセル1sにつながる第1ビット線BL1を選択第1ビット線BL1sとして選択する。
Y側電流源回路65は、データ書込み動作時、選択第2ビット線BL2sに対し、所定の書き込み電流(Iw1,Iw2)の供給又は引き込みを行う。Y側電源回路66は、データ書き込み動作時、Y側電流終端回路64に所定の電圧を供給する。その結果、書き込み電流(Iw1,Iw2)は、Yセレクタ63へ流れ込む、あるいは、Yセレクタ63から流れ出す。これらXセレクタ62、Yセレクタ63、Y側電流終端回路64、Y側電流源回路65、及びY側電源回路66は、磁気メモリセル1に書き込み電流Iw1,Iw2を供給するための「書き込み電流供給回路」を構成している。
データ読み出し動作時、第1ビット線BL1は“Open”に設定される。読み出し電流付加回路67は、選択第2ビット線BL2sに所定の読み出し電流を流す。また、読み出し電流付加回路67は、リファレンスセル1rにつながるリファレンス第2ビット線BL2rに所定の電流を流す。センスアンプ68は、リファレンス第2ビット線BL2rの電位と選択第2ビット線BL2sの電位の差に基づいて、対象メモリセル1sからデータを読み出し、そのデータを出力する。
本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。
本発明の活用例として、携帯電話、(パーソナル)コンピュータやPDA(Personal Diginal Asistant)のような情報処理装置に使用される不揮発性の半導体メモリ装置や、自動車など使用される不揮発性メモリ内蔵のマイクロコンピュータが挙げられる。
図1は、特開2005−191032号公報の磁化記録層の構造を示す概略平面図である。 図2Aは、想定しうる垂直磁気異方性材料を用いた磁化記録層の平面図である。 図2Bは、想定しうる垂直磁気異方性材料を用いた磁化記録層の平断面図である。 図3Aは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の一例を示す平面図である。 図3Bは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の一例を示す断面図である。 図3Cは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の一例を示す断面図である。 図4は、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の変形例を示す平面図である。 図5Aは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の他の一例を示す平面図である。 図5Bは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の他の一例を示す断面図である。 図5Cは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の他の一例を示す断面図である。 図6Aは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法を示す断面図である。 図6Bは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法を示す断面図である。 図6Cは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法を示す断面図である。 図7は、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子に対するデータの書込み原理を示す断面図である。 図8Aは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子に対するデータの別の読出し原理を説明する断面図である。 図8Bは、本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗素子に対するデータの別の読出し原理を説明する断面図である。 図9は、本発明の第2の実施例に係る磁気抵抗素子の構成の一例を示す平面図である。 図10Aは、本発明の第2の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法を示す断面図である。 図10Bは、本発明の第2の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法を示す断面図である。 図10Cは、本発明の第2の実施例に係る磁気抵抗素子の初期化方法を示す断面図である。 図11は、本発明の第1及び第2の実施例に係るMRAMの構成の一例を示すブロック図である。
符号の説明
1 磁気メモリセル
2、2a、2b、2c、2d 磁気抵抗素子
10 磁化記録層
11a 第1磁化固定領域
11b 第2磁化固定領域
12a、12b 磁壁
13、13a、13b 磁化反転領域
14a、14b 電流供給端子
15 くびれ
21a、21b 磁性層
20 トンネルバリヤ層
30 ピン層
31 配線層
32 トンネルバリヤ層
33 磁気センス層
34 分離層
50 読出し層
60 MRAM
61 メモリセルアレイ
62 Xセレクタ
63 Yセレクタ
64 Y側電流終端回路
65 Y側電流源回路
66 Y側電源回路
67 読み出し電流付加回路
68 センスアンプ
100、110 磁化記録層
101、111a 第1磁化固定領域
102、111b 第2磁化固定領域
103、113 磁化反転領域
104、115 くびれ
105、106 電流供給端子
130 ピン層
132 トンネルバリヤ層
B1 第1境界
B2 第2境界
DW 磁壁
WL ワード線
BL1 第1ビット戦
BL2 第2ビット戦

Claims (20)

  1. 磁気異方性を有する強磁性層である磁化記録層と、
    前記磁気記録層上に設けられた情報を読み出すための読出し層と
    を具備し、
    前記磁化記録層は、
    反転可能な磁化を有する第1磁化反転領域と第2磁化反転領とを含む磁化反転領域と、
    前記第1磁化反転領域との境界に接続され、磁化の向きが固定された第1磁化固定領域と、
    前記第2磁化反転領域との境界に接続され、磁化の向きが固定された第2磁化固定領域と
    を備える
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化固定領域に隣接して設けられた第1磁性層と、
    前記第2磁化固定領域に隣接して設けられた第2磁性層と
    を更に具備する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 請求項2に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁性層及び前記第2磁性層が、前記磁化記録層よりも保磁力が大きい強磁性層である
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 請求項2に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁性層及び前記第2磁性層が、反強磁性材料である
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記磁化記録層が、垂直磁気異方性を有する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  6. 請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化反転領域と前記第2磁化反転領域との境界にくびれが形成されている
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  7. 請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化反転領域と前記第1磁化固定領域との境界、及び、前記第2磁化反転領域と前記第2磁化固定領域との境界に第1くびれが形成されている
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  8. 請求項7に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化反転領域と前記第2磁化反転領域との境界に第2くびれが形成され、
    前記第2くびれが、前記第1くびれよりも浅い
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  9. 請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化固定領域及び前記第2磁化固定領域の幅が、それぞれ前記第1磁化反転領域及び前記第2磁化反転領域の幅よりも大きい
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  10. 請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記読出し層は、
    前記第1磁化反転領域及び前記第2磁化反転領域のいずれか一方に積層されたバリヤ層と、
    前記バリヤ層上に積層された磁化ピン層と
    を備え、
    前記前記第1磁化反転領域及び前記第2磁化反転領域のいずれか一方と前記バリヤ層と前記磁化ピン層とが磁気抵抗効果素子を形成している
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  11. 請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化反転領域と前記第2磁化反転領域とを跨いで積層された磁化センス層と、
    前記磁化センス層上に積層されたバリヤ層と、
    前記バリヤ層上に積層された磁化ピン層と
    を備え、
    前記磁化センス層と前記バリヤ層と前記磁化ピン層とが磁気抵抗効果素子を形成している
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  12. 請求項11に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記磁化記録層が垂直磁気異方性を有し、
    前記磁化センス層及び磁化ピン層が面内磁気異方性を有する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  13. 磁気異方性を有する強磁性層である磁化記録層と、
    前記磁気記録層上に設けられた情報を読み出すための読出し層と
    を具備し、
    前記磁化記録層は、
    反転可能な磁化を有する第1磁化反転領域と第2磁化反転領域とを含む磁化反転領域と、
    前記第1磁化反転領域の境界に接続され、磁化の向きが第1方向に固定された第1磁化固定領域と、
    前記第2磁化反転領域の境界に接続され、磁化の向きが前記第1方向に固定された第2磁化固定領域と
    を備え、
    前記第1磁化反転領域と前記第2磁化反転領域の磁化が反平行であり、
    前記第1磁化固定領域と前記第2磁化固定領域の磁化が平行である
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  14. 請求項13に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化反転領域と前記第2磁化反転領域との境界にくびれが形成されている
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  15. 請求項13に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化反転領域と前記第1磁化固定領域との境界、及び、前記第2磁化反転領域と前記第2磁化固定領域との境界に第1くびれが形成されている
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  16. 請求項15に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化反転領域と前記第2磁化反転領域との境界に第2くびれが形成され、
    前記第2くびれが、前記第1くびれよりも浅い
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  17. 請求項13に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化固定領域及び前記第2磁化固定領域の幅が、それぞれ前記第1磁化反転領域及び前記第2磁化反転領域の幅よりも大きい
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  18. 請求項13に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第1磁化固定領域、前記第2磁化固定領域、及び、前記第2磁化反転領域の各領域を規定する辺の傾きの符号のマジョリティが、前記第1磁化反転領域を規定する辺の傾きの符号のマジョリティと異なる
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  19. 磁気ランダムアクセスメモリの初期化方法であって、
    ここで、前記磁気ランダムアクセスメモリは、
    磁気異方性を有する強磁性層である磁化記録層と、
    前記磁気記録層上に設けられた情報を読み出すための読出し層と
    を具備し、
    前記磁化記録層は、
    反転可能な磁化を有する第1磁化反転領域と第2磁化反転領とを含む磁化反転領域と、
    前記第1磁化反転領域との境界に接続され、磁化の向きが固定された第1磁化固定領域と、
    前記第2磁化反転領域との境界に接続され、磁化の向きが固定された第2磁化固定領域と
    を備え、
    前記磁気ランダムアクセスメモリの初期化方法は、
    (a)前記磁化記録層に磁気異方性の方向としての第1方向に磁界を印加することにより、前記磁化記録層を同じ方向に磁化するステップと、
    (b)前記第1方向とは逆の第2方向の磁界を印加することにより、前記磁化反転領域の磁化を反転させるステップと、
    (c)前記第1磁化固定領域と前記第2磁化固定領域との間に電流を印加することにより、前記第1磁化反転領域及び前記第2磁化反転領域のいずれか一方の磁化方向をさらに反転させるステップと
    を具備する
    磁気ランダムアクセスメモリの初期化方法。
  20. 磁気ランダムアクセスメモリの初期化方法であって、
    ここで、前記磁気ランダムアクセスメモリは、
    磁気異方性を有する強磁性層である磁化記録層と、
    前記磁気記録層上に設けられた情報を読み出すための読出し層と
    を具備し、
    前記磁化記録層は、
    反転可能な磁化を有する第1磁化反転領域と第2磁化反転領とを含む磁化反転領域と、
    前記第1磁化反転領域との境界に接続され、磁化の向きが固定された第1磁化固定領域と、
    前記第2磁化反転領域との境界に接続され、磁化の向きが固定された第2磁化固定領域と
    を備え、
    前記第1磁化固定領域、前記第2磁化固定領域、及び、前記第1磁化反転領域の各領域を規定する辺の傾きの符号のマジョリティが、前記第2磁化反転領域を規定する辺の傾きの符号のマジョリティと異なっており、
    前記磁気ランダムアクセスメモリの初期化方法は、
    (a)前記磁化記録層に面内方向の磁界を印加することにより、前記磁化記録層を面内方向に磁化するステップと、
    (b)前記磁界を取り除くことにより、前記第1磁化固定領域、前記第2磁化固定領域及び前記第1磁化反転領域の磁化と前記第2磁化反転領域の磁化とを反平行に初期化するステップと
    を具備する
    磁気ランダムアクセスメモリの初期化方法。
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