JP5262258B2 - 染料カラーフィルタ - Google Patents
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Description
本発明によるカラーフィルタは、基材と、前記基材上に形成された透明着色層と、前記透明着色層を覆うように形成された透明樹脂層とを含んでなり、前記透明着色層が色材として染料を含み、かつ前記透明樹脂層が抗酸化剤を含むものである。図1には、そのようなカラーフィルタの典型的な断面図が示される。なお、基材は光出射側にあるため、光透過性の高い透明基材が用いられる。例えば、ガラス、石英、または各種の樹脂等の光透過性の高い材料からなる透明基材が挙げられる。
本発明によるカラーフィルタの製造方法は特に限定されないが、以下に示される好ましい態様に従い行うことができる。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、まず、基材上に染料フォトレジストを塗布し、減圧乾燥後、プリベークして、溶剤を除去する。染料フォトレジストの塗布には、従来公知の方法を用いることでき、例えばスピンコート法、印刷法、インクジェット法、バーコート法、スプレー法、ダイコート法、ビードコート法、およびスリット&スピンコート法等が挙げられる。いずれの手法であっても、均一な塗膜を得るため、塗布液が一定の粘度になるように、溶剤によって希釈/粘度調整してもよい。続いて、紫外線をベタ露光して、染料フォトレジストを硬化させる。さらに、焼成することで透明着色層を基材上に形成させることができる。なお、プリベークは70〜120℃、1〜10分間の条件で行うことが好ましく、紫外線のベタ露光は254〜360nmの発光ピークを有する紫外線により30〜3000mJ/cm2の露光量で行うことが好ましい。また、上記の染料フォトレジストは、染料と、モノマーと、ポリマーと、溶剤と、所望により分散剤、界面活性剤、および光重合開始剤等の少なくとも一種とを含むことができる。
本発明によるディスプレイ装置は、上記のカラーフィルタを具備するものである。好ましい態様によれば、ディスプレイ装置は、有機ELディスプレイまたは液晶ディスプレイである。例えば、本発明のカラーフィルタと、有機EL素子とを、接着層をさらに設けて積層することで、有機ELディスプレイが得られる。接着層用形成材料としては、上記の透明樹脂層用形成材料と同じ材料を用いることができ、例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂系接着剤、二液架橋型のアクリル樹脂系接着剤、および熱硬化型のエポキシ樹脂系接着剤等を挙げることができる。
カラーフィルタの製造
まず、以下の組成物を用いて青色パターン用染料フォトレジストを調製した。
・青色染料(BASF社製のトリアリールメタン系染料、Basonyl Blue 636)…6.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー…5.0重量部
・光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・光重合開始剤(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
なお、上記ポリマーは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モルに対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
実施例2として、実施例1におけるジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)の添加量を6.7質量%とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作成した。
実施例3として、実施例1におけるジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)の添加量を2.2質量%とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作成した。
比較例1として、透明樹脂層用塗布液を、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)を加えずに、紫外線硬化型レジスト(JSR社製 商品名:JNPC114)のみとした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作成した。
比較例2として、実施例1におけるジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)の添加量を1.3質量%とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作成した。
比較例3として、実施例1におけるジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)の添加量を31.2質量%とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作成した。
次に上記の実施例1〜3および比較例1〜3で製造した染料カラーフィルタの耐光性試験を行った。耐光性試験として、キセノンアークランプを用いたキセノンフェードメーター(東洋精機社製 商品名:サンテストXLS+)により、310Wの出力で60時間連続して色度の評価を行った。色度は、ΔE*ab色差色で評価した。透明樹脂層を積層する前の分光に対し、透明樹脂層を積層して耐光性試験に供した後の分光を測定、両者間での色差を算出した。なお、色差は、数値が小さいほど耐光性が高いことを示す。また、耐光性試験前後の分光スペクトルを顕微分光測色機(オリンパス社製 型名:OSP−SP200)を用いて測定した。なお、光源には標準の光Cを用いた。
2 青色透明着色層
3 緑色透明着色層
4 赤色透明着色層
5 ブラックストライプ層
6 透明樹脂層
7 カラーフィルタ
8 青色発光体
9 緑色発光体
10 赤色発光体
11 発光素子
12 接着層
Claims (13)
- 基材と、
前記基材上に形成された透明着色層と、
前記透明着色層を覆うように形成された透明樹脂層と
を含んでなり、
前記透明着色層が色材として染料を含み、かつ一重項酸素クエンチャーである金属錯体を含まず、
前記透明樹脂層が一重項酸素クエンチャーである金属錯体を含むことを特徴とする、カラーフィルタ。 - 前記透明着色層の青色着色層が、色材として、メチン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料、含金属アゾ系染料、トリアリールメタン系染料、およびフタロシアニン系染料からなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載のカラーフィルタ。
- 前記金属錯体が、ジアルキルホスフェート、ジアルキルジチオカルバネート、およびベンゼンジチオールもしくはその類似ジチオールの金属錯体からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
- 前記金属錯体が、ニッケル、銅、およびコバルトの金属錯体からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
- 前記透明樹脂層が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリイミド樹脂、およびエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂から形成されるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
- 前記透明樹脂層において、樹脂成分に対する前記抗酸化剤の質量比率が2〜30%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
- 前記透明着色層の赤色または緑色着色層が、色材として顔料および/または染料を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
- 前記透明樹脂層上に無機材料を含む酸素遮断膜が形成されてなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
- 前記基材の、前記透明着色層と反対側の面に紫外線防止フィルムが積層されてなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
- 赤色、緑色、および青色を含む微細にパターニングされた画素からなり、青色画素が請求項1〜9のいずれか一項に記載のカラーフィルタによって構成される、ディスプレイ装置用カラーフィルタ。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする、ディスプレイ装置。
- 有機ELディスプレイまたは液晶ディスプレイである、請求項11に記載のディスプレイ装置。
- 青色、赤色、および緑色の3色の発光体を含む発光素子を有し、ディスプレイ装置の青色表示が、青色発光素子と、請求項1〜10のいずれか一項に記載のカラーフィルタとの組み合わせにより構成されるものであることを特徴とする、有機ELディスプレイ。
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