JP6003329B2 - カラーフィルタ形成基板および有機el表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板と、該基板を用いた有機EL表示装置に関し、特に、白色発光タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板に関する。
近年、有機EL表示装置は、自己発光性であるために視認性が優れ、バックライトが不要なため、薄く、軽くでき、構造が簡単で低コスト化が期待でき、動画表示にも適していることから、液晶ディスプレイ装置やプラズマディスプレイ装置に続くフラットなディスプレイ装置(フラットパネルとも言う)として、研究開発、商品化が進められている。
そして、白色発光タイプの有機EL表示装置においては、図11(a)に示すように、表示の高色純度と高輝度を両立するために、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色層を配した画素(着色画素とも言う)のほかに、高い光透過性の高光透過画素(以下、WHITE画素とも言う)を備えたカラーフィルタ形成基板110が用いられるようになってきた。
高光透過画素には、着色していない樹脂層や、R、G、Bの各色を併せた色に合わせて若干着色してある樹脂層を配しているが、ここでは、このような高光透過画素をWHITE画素と言い、WHITE画素に配置される樹脂層をWHITE層と言う。
また、有機EL表示装置は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置とも言われ、表示装置は、表示パネルとも言われる。
このようなWHITE画素を備えたカラーフィルタ形成基板を用いた白色発光タイプの有機EL表示装置においては、外部から入射される光(以下、外光とも言う)は、WHITE画素を透過し、有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、あるいは、有機EL発光素子とも言う)が有する電極及び金属配線で反射され、コントラストが低下するという問題がある。
尚、図11(a)に示す有機EL表示装置の場合、前面(観察者側)から入射される外光の反射率は、通常、97%程度である。
この問題を解決するために、例えば、図11(b)に示すように、上記白色発光タイプの有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置の前面(観察者側)に円偏光板130を設け、外部入射光の反射を低減する第1の形態が採られている。
しかし、この第1の形態の場合、円偏光板は透過率を大きく低下させるため、結果として有機EL素子の発光効率が著しく低下し、表示輝度が低下してしまう。
図11(b)に示す有機EL表示装置の場合、前面(観察者側)から入射される外光の反射率は、通常、0.1%程度で、表示の明るさは、図11(a)に示す形態の有機EL表示装置の40%程度である。
また、図11(c)に示すように、WHITE画素に相当する領域に着色材が分散された感光性樹脂からなる層を配し、これを透過率調整部113WAとする、第2の形態も採られている。(特許文献3参照)
この形態の場合、透過率調整部113WAにより、外光の入射や、入射された外光の、有機エレクトロルミネッセンス素子が有する電極及び金属配線での反射を調整することができる。
しかし、この第2の形態の場合、透明基板からなる基材111と各色のカラーフィルタ用各着色層との界面、透明基板からなる基材111と透過率調整部113WAとの界面の反射色が異なり、また、カラーフィルタ用の各着色層の色により画素の透過率が異なるため、反射ムラが見え易い、という問題がある。
第2の形態の場合は、外光の反射低減が不十分であり、外光の反射を十分に低減し、反射ムラをなくすには、例えば、図11(b)に示す形態の有機EL表示装置ように、円偏光板を前面(観察者側)に設けることが必要となる。
このように、表示の高色純度と高輝度を両立するために、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色画素のほかに、高い光透過性のWHITE画素を備え白色発光タイプの有機EL装置においては、WHITE画素を透過し、有機EL素子が有する電極及び金属配線で反射され、コントラストが低下するという問題に対して、上記第1の形態や第2の形態あるいは、第1、第2の両形態を採る形態で対応してきたが、いずれの形態も、外光反射の低減と、表示輝度の低下防止とを達成し、且つ、表示品質の面で満足できるものではなかった。
特開2008−47340号公報 特開2002−377776号公報 特願2011−047924
上記のように、従来、白色発光タイプの有機EL表示装置においては、外光反射の低減、表示輝度の低下防止を達成し、且つ、表示品質の面で満足できるものはなく、この対応が求められていた。
本発明は、これに対応するもので、カラーフィルタ用の着色層を配した画素領域である着色画素領域とWHITE画素領域とを備えた、白色光源タイプの有機EL表示装置用で、外光反射の低減、表示輝度の低下防止を達成し、且つ、表示品質の面で満足できる有機EL表示装置を提供しようとするものであり、また、このような有機EL表示装置の作製を可能とすることができるカラーフィルタ形成基板を提供しようとするものである。
本発明のカラーフィルタ形成基板は、カラーフィルタ用の着色層を配した画素領域である着色画素領域とWHITE画素領域とを備えた、白色光源タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板であって、前記着色画素領域およびWHITE画素領域に、400nm〜700nmの波長領域(可視光領域)における平均透過率Taveが50%〜98%の範囲の光吸収層を積層しており、且つ、前記光吸収層の400nm〜700nm波長領域における最大透過率をTmax、最小透過率をTminとした場合、
Tmin > Tave−5%
Tmax < Tave+5%
であることを特徴とするものである。
そして、上記のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、基材と、前記カラーフィルタ用の着色層およびWHITE層用の樹脂層との、間に位置することを特徴とするものであり、前記カラーフィルタ用の各色の着色層の画素領域を区分けするブラックマトリクスと、前記光吸収層とは、樹脂中に色材を分散させた感光性樹脂を用いてフォトリソ法により形成されたものであることを特徴とするものである。
あるいは、上記のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、前記カラーフィルタ用の着色層およびWHITE層用の樹脂層の上に位置することを特徴とするものである。
また、上記いずれかのカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、色材として、カーボンブラック及び青色フタロシアニンを含有することを特徴とするものであり、前記青色フタロシアニンが、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:6のいずれか1以上からなることを特徴とするものである。
また、上記いずれかのカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、色材として、PV19、PV23、PV29、PV32、PR122、PR209のいずれか1以上を含有することを特徴とするものである。
また、上記いずれかのカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、色材として、PG7、PG36、PG58のいずれか1以上を含有することを特徴とするものである。
また、上記いずれかに記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層を積層した画素領域の前記基材側とは反対側の最も外側に、散乱機能を有する層(散乱層とも言う)を配設していることを特徴とするものである。
尚、ここでの「平均透過率Tave」とは、光吸収層の可視光領域全域にわたる透過率を平均することにより得られる値である。
本発明の表示装置は、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを積層した構造の、白色光源タイプの有機EL表示装置であって、請求項1ないし9のいずれかに記載のカラーフィルタ形成基板を用いていることを特徴とするものである。
(作用)
本発明のカラーフィルタ形成基板は、このような構成にすることにより、カラーフィルタ用の着色層を配した画素領域である着色画素領域とWHITE画素領域とを備えた、白色光源タイプの有機EL表示装置用で、外光反射の低減、表示輝度の低下防止を達成し、且つ、表示品質の面で満足できる有機EL表示装置の作製を容易に可能とすることができるカラーフィルタ形成基板の提供を可能としている。
具体的には、着色画素領域およびWHITE画素領域に、400nm〜700nmの波長領域(可視光領域)における平均透過率Taveが50%〜98%の範囲の光吸収層を積層しており、且つ、前記光吸収層の400nm〜700nm波長領域における最大透過率をTmax、最小透過率をTminとした場合、
Tmin > Tave−5%
Tmax < Tave+5%
であることにより、これを達成している。
特に、このように、光吸収層の平均透過率Tave、最大透過率をTmax、最小透過率をTminを制御していることにより、光吸収層を設けることによる色ずれを考慮する必要はなく、光学設計を容易としている。
詳しくは、図11(c)に示す従来の有機EL表示装置の場合、前面(観察者側)から入射される外光の反射率は、通常、97%程度であるが、前面(観察者側)から入射される外光の反射率を、これ以下とするには、光吸収層のTaveを98%以下とすることが必要であり、また、図11(b)に示す従来の円偏光板を配した有機EL表示装置の場合、表示の際の透過率が40%程度であるが、表示の際の透過率を40%以上で、表示輝度が実用レベルとなるには、光吸収層のTaveを50%以上とすることが必要である。
また、
Tmin > Tave−5%
Tmax < Tave+5%
であることにより、光吸収層を通過する際の色ずれを小さくし、これにより、電源ONで表示の際の表示光、および電源OFFで入射され外光が電極や配線部により反射されて出射される外光の反射光について、目視による色ずれのないものとしている。
Tmin、Tmaxが上記範囲をはずれると、目視による色ずれが確認し易くなる。
更に例を挙げて説明すると、例えば、光吸収層の透過率特性が、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)においてフラットでTaveが60%である場合、表示の際の通過光については、図11(a)に示す有機EL表示装置の40%程度である図11(b)に示す円偏光板を配した有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることができ、また、図11(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を36%に低減することができる。
着色画素領域およびWHITE画素領域に、光吸収層を積層した具体的な形態としては、前記光吸収層が、基材と、前記カラーフィルタ用の着色層およびWHITE層用の樹脂層との、間に位置する請求項2の発明形態や、前記光吸収層が、前記カラーフィルタ用の着色層およびWHITE層用の樹脂層の上に位置する請求項4の発明の形態が挙げられる。
有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを積層した構造である有機EL表示装置においては、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板との間隔を所定の間隔(2μm〜10μm程度)とすることが必要であり、特に、請求項2の発明の形態とすることにより、各色の画素領域において、有機EL素子とカラーフィルタ用の着色層との距離を、従来の図11(a)に示す有機EL装置と同様にとれ、表示の際、見る方向による視差を少なくできる。
特に、第2の形態において、カラーフィルタ用の各色の着色層の画素領域を区分けするブラックマトリクスと、光吸収層とは、樹脂中に色材を分散させた感光性樹脂を用いてフォトリソ法により形成されたものである請求項3の形態とした場合には、ブラックマトリクスと光吸収層の形成工程を同じフォトリソ工程で一度にできるものとしており、工程の簡略化、材料の共通化が図れる。
一方、請求項4の発明の形態の場合は、視差の面では、従来の図11(a)に示す有機EL装置や請求項2の発明の形態よりも劣る。
光吸収層を形成する材料としては、樹脂中に、色材としてカーボンブラックを含有し、色調整用にBLUE顔料等含有し、これらを分散させたものが用いられるが、主な色材のカーボンブラックの含有濃度を調整性することにより、光吸収層の平均透過率Taveの値を調整でき、また、色調整用にBLUE顔料等の含有濃度を調整することにより、色調整して、光吸収層の400nm〜700nm波長領域における最大透過率をTmax、最小透過率をTminとした場合、
Tmin > Tave−5%
Tmax < Tave+5%
とすることを可能としている。
具体的には、光吸収層が、色材として、カーボンブラック及び青色フタロシアニンを含有するものが挙げられ、更に、前記青色フタロシアニンが、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:6のいずれか1以上からなるものが挙げられる。
また、光吸収層が、色材として、PV19、PV23、PV29、PV32、PR122、PR209のいずれか1以上を含有するものが挙げられる。
また、光吸収層が、色材として、PG7、PG36、PG58のいずれか1以上を含有するものが挙げられる。
また、光吸収層を積層した画素領域の前記基材側とは反対側の最も外側に、散乱機能を有する層(散乱層とも言う)を配設している請求項9の発明の形態とすることにより、表示の際、見る方向による視差を少なくできるものとしている。
具体的には、カラーフィルタ用の複数色の着色層の画素領域として、R、G、Bの3色の着色層の画素領域を有し、且つ、該R、G、Bの各色の着色層の画素領域のほかに、WHITE画素領域を備えている形態が挙げられる。
尚、この形態の場合は、例えば、光吸収層が、WHITE画素領域と表示輝度が高いカラーフィルタ用のG色の着色層と画素領域とに形成されていれば、他のR、Bの各色の着色層の画素領域に光吸収層を設けなくても、外光反射の低減と、表示輝度の低下防止とを達成できる。
本発明の表示装置は、このような構成にすることにより、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色画素のほかにWHITE画素を備えた白色発光タイプ、且つ、表示品質の面で満足できる有機EL表示装置の提供を可能としている。
本発明は、このように、白色発光タイプの有機EL表示装置で、外光反射の低減を可能とし、更には、外光反射の低減に加えて表示輝度の低下防止とを達成でき、且つ、表示品質の面で満足できる有機EL表示装置の提供を可能とした。
同時に、そのような有機EL表示装置の作製を可能とすることができるカラーフィルタ形成基板の提供を可能とした。
図1(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第1の例の一部断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す第1例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図2(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第2の例の一部断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示す第2例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図3(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第3の例の一部断面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す第3例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図4(a)は、図3(a)に示す第3の例の変形例のカラーフィルタ形成基板の一部断面図であり、図4(b)は、図4(a)に示す変形例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図で、図4(c)は、図4(a)のA1−A2から見た一部の図である。 有機EL素子の構成例を示した概略層構成図である。 光吸収層の分光透過率特性を示した図である。 光吸収層の透過率と光吸収層を2回通過した外光の透過率との関係を示した図である。 図8(a)〜図8(d)は、第1の例のカラーフィルタ形成基板の作製方法を示し 図9(a)〜図9(d)は、第2の例のカラーフィルタ形成基板の作製方法を示した工程断面図である。 図10(a)〜図10(c)は、第3の例のカラーフィルタ形成基板の作製方法を示した工程断面図である。 図11(a)は、従来のWHITE層を配した有機EL表示装置の一部断面図であり、図11(b)は、図11(a)に示す表示装置の前面(観察者側)に円偏光板を配した有機EL表示装置の一部断面図であり、図11(c)は、図11(a)に示す表示装置において、従来のWHITE層形成領域に透過率調整部を配した有機EL表示装置の一部断面図である。
先ず、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第1の例を、図1(a)に基づいて説明する。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10は、白色光源タイプの有機EL表示装置に用いられるカラーフィルタ形成基板で、カラーフィルタ用の各色の着色層の画素領域として、R、G、Bの3色の着色層の画素領域を有し、且つ、該R、G、Bの各色の着色層の画素領域のほかに、WHITE画素領域を備えている。
そして、特に、WHITE画素領域、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色層の画素領域を覆うように、全面に、400nm〜700nmの波長領域(可視光領域)における平均透過率Taveが50%〜98%の範囲の光吸収層15を積層しており、且つ、光吸収層15の400nm〜700nm波長領域における最大透過率をTmax、最小透過率をTminとした場合、
Tmin > Tave−5%
Tmax < Tave+5%
である。
例えば、光吸収層15としては、図6に示すような、透過率特性のものが用いられる。 図6に示す透過率特性は、可視光領域(400nm〜700nm波長領域)全体での透過率の変動範囲が10%以内であり、最大透過率Tmax、最小透過率Tminは、上記の範囲となり、平均透過率Taveもほぼ79%で上記50%〜98%の範囲である。
上記有機EL表示装置としては、モバイル機種のノートパソコンや多機能端末機器(高機能端機器とも言う)等のモバイル電子機器用が挙げられるが、これらに限定はされない。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10は、白色発光の有機EL素子22を各画素毎に形成した有機EL素子形成基板20と、絶縁性の樹脂層14を間に挟んで、所定の間隔(2μm〜10μm)で積層されて、図1(b)に示すように、有機EL表示装置となる。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10は、このように、WHITE画素領域、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色層の画素領域を覆うように全面に渡り、可視光領域(400nm〜700nm波長領域)において、このように透過率特性を制御した光吸収層15を設けていることにより、カラーフィルタ用の着色層を配した画素領域である着色画素領域とWHITE画素領域とを備えた、白色光源タイプの有機EL表示装置用で、外光反射の低減、表示輝度の低下防止を達成し、且つ、表示品質の面で満足できる有機EL表示装置の作製を容易に可能とすることができるカラーフィルタ形成基板の提供を可能としており、特に、光吸収層を設けることによる色ずれを考慮する必要はなく、光学設計を容易としている。
尚、光吸収層15の透過率特性をこのように制御するために、ここでは、樹脂中に、色材としてカーボンブラックを含有し、色調整用にBLUE顔料等含有し、これらを分散させたものが用いられるが、これに限定はされない。
主な色材のカーボンブラックの含有濃度を調整性することにより、光吸収層の平均透過率Taveの値を調整でき、また、色調整用にBLUE顔料等の含有濃度を調整することにより、色調整でき、図6に示す透過特性のように、可視光領域(400nm〜700nm波長領域)全体で、平均透過率Taveを50%〜98%の範囲とし、且つ、光吸収層の可視光領域(400nm〜700nm波長領域)における最大透過率をTmax、最小透過率をTminとした場合、
Tmin > Tave−5%
Tmax < Tave+5%
とすることができる。
例えば、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)において、光吸収層15の平均透過率Taveを50%とした場合、2回光吸収層15を通過する光は、50%の50%で25%となり、また、表示する際、光吸収層15を1回通過して出射される透過光の低下は、50%となる。
したがって、第1の例のカラーフィルタを用いた場合は、図11(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図11(b)に示す円偏光板を用いた有機EL表示装置に比べて、表示の際の透過光を多くすることを可能としている。
勿論、図11(c)に示す従来の有機EL表示装置の場合、前面(観察者側)から入射される外光の反射率は、通常、97%程度であるから、この形態よりも外光の反射率を大きく低下することができる。
尚、図7では、光吸収層の透過率の値を横軸で表し、光吸収層の透過率の値に対応した光吸収層を2回通過した場合の透過率を縦軸で表しており、図7における三角印は、カーボンブラック濃度を調整して測定して得た光吸収層の透過率(横軸)と、対応する該吸収層を2回通過した場合の透過率(縦軸)を示している。
図1(b)に示す有機EL装置の場合、外光の反射光は、入射の際と、出射の際の2回、光吸収層を通過するため、ここでは、図7の縦軸を、便宜上、外光の透過率としている。
次に、図1(a)に示すカラーフィルタ形成基板10と図1(b)に示す有機EL表示装置の、各部材について説明する。
<基板11>
第1の例に用いられる透明基板からなる基材11としては、従来よりカラーフィルタに用いられているものを用いることができ、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基板等を挙げることができるが、特に、無機基板を用いることが好ましく、無機基板のなかでもガラス基板を用いることが好ましい。
さらには、上記ガラス基板のなかでも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。
無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、表示装置用のカラーフィルタに好適に用いることができるからである。
上記基板は、通常、透明な透明基板が用いられている。
<ブラックマトリクス12>
カラーフィルタ用の各色の着色層の画素領域を区分けするブラックマトリクス12を形成するための遮光性の着色層としては、例えば、ここでは、エポキシ樹脂等の樹脂で被覆したカーボンブラックをピグメント(顔料)としてバインダ樹脂中に分散させたものが用いられている。
カーボンブラックをピグメント(顔料)としてバインダ樹脂中に分散させたものは、膜厚を比較的薄くして遮光性の樹脂層を形成することができる。
ここでは、ブラックマトリクスの遮光性の着色層の形成をフォトリソグラフィー法を用いているが、この場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合、黒色着色剤および感光性樹脂を含有するブラックマトリクス形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
尚、ブラックマトリクスの遮光性の着色層を、印刷法やインクジェット法を用いて形成する場合もあるが、この場合には、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
尚、ブラックマトリクスの開口パターン形状や各色の着色層の配列は、限定はされない。
ブラックマトリクスの開口パターン形状がストライプ状の形状のものや、くの字形状、デルタ配列などの様に着色層の配列を変えたものも挙げられる。
<各色の着色層13R、13G、13B>
本例では、カラーフィルタ形成用の各色の着色層は、赤色の着色層13R、緑色の着色層13G、青色の着色層13Bの3色の着色層である。
各色の着色層は、各色の顔料や染料等の着色材(色材ともいう)をバインダ樹脂中に分散または溶解させた着色部形成用の樹脂組成物を用いて、フォトリソ法(フォトリソグラフィー法とも言う)により形成されるものである。
上記着色層に用いられるバインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合、着色材および感光性樹脂を含有する着色部形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
上記各色の着色層の膜厚は、通常、1μm〜5μm程度で設定される。
着色層の色としては、赤色、緑色、青色の3色を少なくとも含むものであれば特に限定されるものではなく、例えば、赤色、緑色、青色の3色、または、赤色、緑色、青色、黄色の4色、または、赤色、緑色、青色、黄色、シアンの5色等とすることもできる。
尚、赤色(Rとも記載)の着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。
これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色(Gとも記載)の着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。
これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色(Bとも記載)の着色層に用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。
これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
<WHITE層13W>
ここでは、上記のブラックマトリクス12や各色の着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から着色材(色材)を除いた組成の樹脂が用いられ、フォトリソ法により形成されるが、形成方法はこれに限定はされない。
<光吸収層15>
光吸収層15を形成する材料としては、樹脂中に、色材としてカーボンブラックを含有し、色調整用にBLUE顔料等含有し、これらを分散させたものが用いられるが、上記樹脂としては、ブラックマトリクス12や各色の着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から色材を除いた組成の樹脂が用いられる。
塗膜方法としては、インクジェット法・印刷方式・ゼラチン染色方式・電気めっき方式等が挙げられるが、通常は、フォトリソ法にて塗膜する。
更に具体的には、光吸収層に、カーボンブラック及び青色フタロシアニンを有するものが挙げられ、更には、前記青色フタロシアニンがPB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:6のいずれか1以上を有するもの、光吸収層に、PV19、PV23、PV29、PV32、PR122、PR209のいずれか1以上を有するもの、光吸収層に、PG7、PG36、PG58のいずれか1以上を有するものが挙げられる。
尚、塗膜性や外光反射低減の面からは、光吸収層15の膜厚は1μm以上であることが好ましい。膜厚が0.3μm以下になると、安定した品質の製品を供給できない恐れがある。
また、上記顔料を選択的に比率調整する事で、Taveを±5%以内に収める事が可能となる(図6参照)
<絶縁性の樹脂層14>
絶縁性の樹脂層14の材料としては、熱硬化性樹脂組成物と光硬化性樹脂組成物が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物としては、上記カラーフィルタ形成用の各色の着色層に用いられるバインダ樹脂と同様のもの、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合も、感光性樹脂を含有する着色部形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
熱硬化性樹脂組成物としては、エポキシ化合物を用いたもの、熱ラジカル発生剤をもちいたものがあげられる。
エポキシ化合物としては、カルボン酸やアミン系化合物などにより硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
熱ラジカル発生剤としては過硫酸塩、ヨウ素等のハロゲン、アゾ化合物、および有機過酸化物からなる群から選択される少なくとも一種であり、より好ましくは、アゾ化合物または有機過酸化物である。
アゾ化合物としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス−[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、および2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)などが挙げられ、有機過酸化物としては、ジ(4−メチルゼンゾイル)ペーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルエキサネート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボネート、t−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタネート、およびジクミルパーオキサイドなどが挙げられる。
尚、ここでは、絶縁性の樹脂層14としているが、この部分に、場合によっては、貼り合わせの封止材とパシベーション用の無機膜も用いられる。
<有機EL素子形成基板20>
(1) 基材21
基材21としては、基本的に、基材11と同様の材質が用いることができるが、第1の例のカラーフィルタを用いた図1(b)に示す表示装置の場合は、基材11側から外側の出射して表示するため、透明である必要はない。
(2) 有機EL素子22
図1(b)に示す白色発光の有機EL素子素子22については、図1(b)では明示していないが、例えば、図5に示すような材料構成とする。
図5に示す有機EL素子22は、赤、緑、青に発光する3つの材料を用いて、併せて白色発光とするものです。
(有機EL層26)
有機EL素子22を形成する有機EL層26は、少なくとも発光層27を含む1層もしくは複数層の有機層から構成されるものである。
発光層以外の有機EL層26を構成する有機層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等を挙げることができる。
この正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合が多い。
また、有機EL層を構成する有機層としては、正孔ブロック層や電子ブロック層のような正孔もしくは電子の突き抜けを防止し、さらに励起子の拡散を防止して発光層内に励起子を閉じ込めることにより、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
有機EL層の構成としては、一般的な構成であればよく、発光層のみ、正孔注入層/発光層、正孔注入層/発光層/電子注入層、正孔注入層/正孔ブロック層/発光層/電子注入層、正孔注入層/発光層/電子輸送層などを例示することができる。
白色発光の有機EL素子22における、発光材料は、単一の化合物で構成されることはほとんどなく、一般的には、2つないし3つの色の異なる発光材料を用いている。
発光スペクトルは、各色の発光材料のスペクトルを併せた形となる。
(陽極25、陰極28)
陽極25、陰極28の電極層を形成する導電性材料としては、一般に金属材料が用いられるが、有機物や無機化合物を用いてもよく、複数の材料を混合して用いてもよい。
また、陽極、陰極の電極層は、光の取り出し面に応じて、透明性を有するか否かを適宜選択される。
陽極25には、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材料が好ましく用いられ、陰極28には、電子が注入し易いように仕事関数の小さな導電性材料が好ましく用いられる。
前記導電性材料としては、透明性を要求される場合には、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、Zn−O−Al、Zn−Sn−O等が挙げられ、透明性が要求されない場合には、金属を用いることができ、具体的にはAu、Ta、W、Pt、Ni、Al、Pd、Cr、あるいは、Al合金、Ni合金、Cr合金等を挙げることができる。
陽極25および陰極28のいずれも電極層も、抵抗が比較的小さいことが好ましい。
電極層の成膜方法としては、一般的な電極の成膜方法を用いることができ、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、CVD法、印刷法等を挙げることができる。
また、電極層のパターニング方法としては、フォトリソグラフィー法を挙げることができる。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第2の例を挙げる。
第2の例は、図2(a)に示すように、第1の例とは異なる位置に光吸収層15を配しており、可視光領域(400nm〜700nm波長領域)で、第1の例の光吸収層15と同じ光透過特性を有する光透過層15を、着色層13R,13G、13Bと基材11との間に積層形成しているものである。
それ以外は、第1の例と同じである。
第2の例も、第1の例と同様の用途の表示装置に用いられるが、図2(b)に示す有機EL表示装置に用いられた場合、第1の例のカラーフィルタ形成基板を用いた場合と同様、図11(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図11(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることを可能としている。
勿論、第2の例のカラーフィルタ形成基板10aを用いた有機EL表示装置の場合も、図11(c)に示す従来の有機EL表示装置の場合の外光の反射率(通常、97%程度)よりも外光の反射率を低下することができる。
第2の例のカラーフィルタ形成基板10aを用いた有機EL表示装置の場合は、第1の例のカラーフィルタ形成基板10を用いて表示装置を作製した場合に比べて、カラーフィルタ10aと有機EL素子22との間隔を狭くでき、結果、第1の例のカラーフィルタ10を用いた場合に比べて、表示の際の混色の少ないものとできる。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第3の例を挙げる。
第3の例は、図3(a)に示すように、可視光領域(400nm〜700nm波長領域)で、第1の例や第2の例の光吸収層と同じ光透過特性を有する光吸収層15を、着色層13R,13G、13Bと基材11との間に積層形成しているものであるが、第3の例では、ブラックマトリクス12と光吸収層15とを同じ材料で形成し、且つ、光吸収層15の厚さをブラックマトリクス12の厚みよりも薄く形成している。
ここでは、ブラックマトリクス12と光吸収層15とを同じネガ型の感光性樹脂を用いて、同時にフォトリソ法により形成しているが、例えば、露光の際、露光量に階調を持たせることができる1つの階調マスクを用いて、光吸収層15を形成する領域の露光量を、ブラックマトリクス12を形成する領域の露光量に比べて少なくして、両領域を同時に露光し、次いで、現像することにより、形成するブラックマトリクス12および光吸収層15の膜厚を調整する。
尚、階調マスクをハーフトーンマスクとも言う。
それ以外は、第2の例と同じである。
第3の例も、第1の例、第2の例と同様の用途の表示装置に用いられるが、図3(b)に示す有機EL表示装置に用いられた場合、第1の例のカラーフィルタ形成基板を用いた場合と同様、図11(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図11(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることを可能としている。
第3の例のカラーフィルタ形成基板10bを用いた場合も、第2の例の場合と同様、第1の例のカラーフィルタ形成基板10を用いて表示装置を作製した場合に比べて、カラーフィルタ10bと有機EL素子22との間隔を狭くでき、結果、第1の例のカラーフィルタ10を用いた場合に比べて、表示の際の混色の少ないものとできる。
また、第3の例のカラーフィルタ形成基板10bの変形例として、光吸収層15が、図4(a)のA1−A2に示す断面形状のカラーフィルタ形成基板10cを挙げることができる。
光吸収層15の形状以外は、第3の例と同じである。
図4(a)に示す変形例の場合、光吸収層15は、ブラックマトリクス12の厚さと同じ厚さで形成されている。
変形例の場合も、同じネガ型の感光性樹脂を用いて、フォトリソ法により、ブラックマトリクス12と光吸収層15とを、同時に形成するが、例えば、フォトリソ法における露光の際、バイナリーマスクにて、ブラックマトリクス12と光吸収層15の形成領域形を同じ露光量で、同時に露光し、次いで、現像することにより、ブラックマトリクス12および光吸収層15を形成する。
変形例のカラーフィルタ形成基板を用いた図4(b)に示す有機EL表示装置の場合、第1の例のカラーフィルタを用いた図1(b)に示す有機EL表示装置の場合と同様、図11(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図11(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることを可能としている。
変形例のカラーフィルタ形成基板を用いて有機EL表示装置を作製した場合、第2の例、第3の例の場合と同様、第1の例のカラーフィルタ形成基板10を用いて有機EL表示装置を作製した場合に比べて、カラーフィルタ10cと有機EL素子22との間隔を狭くでき、結果、第1の例のカラーフィルタ10を用いた場合に比べて、表示の際の混色の少ないものとできる。
図4(b)に示す有機EL表示装置の場合は、光吸収層15を開口させ、該開口面積を制御することにより、各画素部を通る光量を制御して、実質的に光吸収層により透過率制御をしている。
ここでは、光吸収層の開口形状としては、1例として、図4(c)に示すような形状を挙げているが、これに限定はされない。
尚、図4(c)のR色の着色層13R領域が光吸収層の開口領域に相当する。
また、変形例の場合において、各色の着色層は配設される画素領域、WHITE画素で、開口の割合を変化させても良い。
本発明のカラーフィルタ形成基板は、上記形態に限定はされない。
また、上記第1の例における光吸収層15上に、あるいは、第2の例〜第3の例、変形例の各例における着色層上に、更に、散乱機能を有する層(散乱層とも言う)を形成した形態のものも挙げられる。
散乱層を配した形態とすることにより、散乱層を設けない場合に比べて、観察者の見る方向による視差を改善できる。
また、図1(b)、図2(b)、図3(b)、図4(b)では示していないが、光吸収層15を覆う絶縁性の樹脂層を、有機EL表示装置の作製に供与される前に予め設けた形態も挙げられる。
また、上記第1の例〜第3の例、変形例の各例においては、該光吸収層15を積層しない場合において透過率の高い画素領域ほど、光吸収層15の膜厚を厚くしている形態も挙げられる。
このような形態とすることにより、各着色層の画素領域における外光反射のムラを少なくすることができる。
また、第1の例〜第3の例、変形例の各例のカラーフィルタ形成基板において、WHITE画素領域に、WHITE層を配していない形態のものも挙げられる。
このようなカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置についても、同様に、図11(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図11(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることができる。
尚、第1の例において、光吸収層15を、WHITE画素領域、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色層の画素領域を覆うように、全面に、形成せずに、光透過率が大きいWHITE画素領域と、カラーフィルタ用のG色の着色層の画素領域だけを覆うように、光吸収層を形成する形態のカラーフィルタ形成基板を有機EL表示装置に用いた場合、第1の例とほぼ同じように、効果的に外光反射の影響を少なくできる。
次に、第1の例のカラーフィルタ形成基板10の作製方法を、図8に基づいて、簡単に説明しておく。
予め、透明な基材11を用意しておき(図8(a))、先ず、基材11の一面上に、一般的なフォトリソ法でブラックマトリクス12を形成し(図8(b))、次いで、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを、順次、一般的なフォトリソ法により、それぞれ所定の形成領域に、形成する。(図8(c))
通常、ブラックマトリクス12やカラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13Bは、各色の顔料や染料等の着色材をバインダ樹脂中に分散または溶解させた着色部形成用の樹脂組成物を用いて、フォトリソ法(フォトリソグラフィー法とも言う)により形成するが、これに限定はされない。
印刷法や、インクジェット法にて形成することもできる。
また、WHITE層13Wは、上記のブラックマトリクス12や着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から着色材(色材)を除いた組成の樹脂が用いられ、フォトリソ法により形成されるが、形成方法はこれに限定はされない。
印刷法や、インクジェット法にて形成することもできる。
次に、光吸収層15を着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを覆うように形成する。(図8(d))
光吸収層15を形成する材料としては、樹脂中に、色材としてカーボンブラックを含有し、色調整用にBLUE顔料等含有し、これらを分散させたものが用いられるが、上記樹脂としては、ブラックマトリクス12や着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から着色材(色材)を除いた組成の樹脂が用いられて、塗膜される。
塗膜方法としては、インクジェット法・印刷方式・ゼラチン染色方式・電気めっき方式等が挙げられるが、通常は、フォトリソ法にて塗膜する。
次に、第2の例のカラーフィルタ形成基板10aの作製方法を、図9に基づいて、簡単に説明しておく。
予め、透明な基材11を用意しておき(図9(a))、図8に示す第1の例の作製方法の場合と同様、先ず、基材11の一面上に、一般的なフォトリソ法でブラックマトリクス12を形成する。(図9(b))
次いで、光吸収層15をブラックマトリクス12形成側全面を覆うように形成する。(図9(c))
光吸収層15の形成は、図8に示す第1の例の作製と同様に行う。
次いで、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを、順次、一般的なフォトリソ法により、それぞれ所定の形成領域に、形成する。(図9(d))
カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wの形成も、図8に示す第1の例の作製と同様に行う。
第2の例の作製方法は、第1の例の作製方法において、処理の順番を変えただけで、工程数は、第1の作製方法と同じである。
次に、第3の例のカラーフィルタ形成基板10bの作製方法を、図10に基づいて、簡単に説明しておく。
予め、透明な基材11を用意しておき(図10(a))、先ず、基材11の一面上に、一般的なフォトリソ法で、ブラックマトリクス12と光吸収層15とを形成する。(図10(b))
ここでは、ブラックマトリクス12、光吸収層15形成用のネガ型の感光性材料を塗膜した後、露光の際、露光量に階調を持たせることができる1つの階調マスクを用いて、光吸収層15を形成する領域の露光量を、ブラックマトリクス12を形成する領域の露光量に比べて少なくして、両領域を同時に露光し、次いで、現像することにより、ブラックマトリクス12と光吸収層15とを形成する。
次いで、図8に示す第1の例の作製の場合と同様にして、カラーフィルタ形成用の各色の着色層13R、13G、13BとWHITE層13Wとを形成する。(図10(c)) 第3の例の作製方法は、フォトリソ法により、ブラックマトリクス12と光吸収層15とを同時に形成するもので、第1の例の作製方法、第2の例の作製方法に比べて、工程数が少なくなる。
また、第3の例の作製方法においては、ブラックマトリクス12形成材料と光吸収層15形成材料を同じくしているので、材料の有効利用が可能である。
[実施例]
実施例を挙げて、本発明を更に説明する。
(実施例1)
実施例1は、図1(a)に示す第1の例のカラーフィルタ形成基板10を作製したもので、以下のように、光硬化性の硬化性樹脂組成物Aを調製して作製し、作製された硬化性樹脂組成物Aを用いて、カラーフィルタ形成用の赤色硬化性樹脂組成物、緑色硬化性樹脂組成物、青色硬化性樹脂組成物、WHITE層形成用の硬化性樹脂組成物、ブラックマトリクス形成用の硬化性樹脂組成物および光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物を作製し、これらの硬化性樹脂組成物を用いて、それぞれ、フォトリソ法を行うことにより、カラーフィルタ用の各色着色層、WHITE層、ブラックマトリクスを形成し、また、塗膜して、光吸収層を形成したものです。
ここでは、図8に示す作製方法により、ブラックマトリクス12を形成した後、カラーフィルタ用の赤色の着色層13R、緑色の着色層13G、青色の着色層13B、WHITE層13Wを、それぞれフォトリソ工程で形成し、更に、光吸収層15を形成して、第1の例のカラーフィルタ形成基板10を作製した。
(硬化性樹脂組成物Aの調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2’ーアゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。
その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。
得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、及びハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物とした。
・ 上記共重合樹脂溶液(固形分50%) :16重量部
・ ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
:24重量部
・ オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) :4重量部
・ 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン :4重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :52重量部
(ブラックマトリクス12の形成)
まず、下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :20重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :75重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光性の着色層用組成物を得た。
・ 上記黒色顔料分散液 :43重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :19重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :38重量部
ガラス基板(旭硝子社製、AN材)上に上記遮光性の着色層用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、遮光性の着色層を形成した。
当該遮光性の着色層を塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより、2.0kWの超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して遮光性の着色層13Mを表示用領域および額縁部12領域に形成した。
ここでは、上記調整した着色層を全領域上に形成し、フォトリソ法により、ブラックマトリクスおよび額縁部の遮光性の樹脂層形成した。
加熱処理後の形成膜厚は1.3μmとなった。
尚、上記の樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E)は、平均粒径25nmである。
粒径は、例えば、日機装社製のレーザードップラー散乱光解析粒度分析計(商品名「Microtrac934UPA」)を用い、通常は、着色組成物に含まれる溶剤(希釈溶剤と呼ぶ)で希釈し、着色組成物の顔料粒径の累積が50%を占める粒径を50%平均粒径とし、その値を測定して求める。
(赤色の着色層13Rの形成)
ブラックマトリクス上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。
次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kwの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。
次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。
その後、基板を230℃の雰囲気下に15分間放置することにより、加熱処理を施して赤色画素パターンを表示用領域13Sに形成した。
形成膜厚は2.0μmとなった。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントレッド177 :3重量部
・ C.I.ピグメントレッド254 :4重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :28重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :62重量部
(緑色の着色層13Gの形成)
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、緑色画素を表示領域に緑色の着色層からなるレリーフパターンを形成した。
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントグリーン58 :7重量部
・ C.I.ピグメントイエロー138 :1重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :28重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :62重量部
(青色の着色層13Bの形成)
更に、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、表示領域に青色のレリーフパターンを形成した。
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントブルー15:6 :5重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :30重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :62重量部
(WHITE層13Wの形成)
本例では、更に、下記組成のWHITE層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、表示領域にWHITE層のレリーフパターンを形成した。
<WHITE層形成用の硬化性樹脂組成物の組成>
・ 硬化性樹脂組成物A :25重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :75重量部
(光吸収層15の形成)
更に、下記のようにして作製した光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを覆うように全面に光吸収層を塗膜して形成した。
<光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物の作製>
まず、下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、分散液を、それぞれ、調整した。
黒色顔料分散液
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :20重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :75重量部
青色分散液
・ C.I.ピグメントブルー15:6 :7重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :4重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :89重量部
紫色分散液
・ C.I.ピグメントバイオレット23 :7重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :4重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートル :89重量部
緑色分散液
・ C.I.ピグメントグリーン58 :7重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :4重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートル :89重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 上記黒色顔料分散液 0.29重量部
・ 上記青色分散液 0.1重量部
・ 上記紫色分散液 0.005重量部
・ 上記緑色分散液 0.005重量部

・ 硬化性樹脂組成物A :19.8重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :80重量部
上記のようにして、図1(a)に示す第1の例のカラーフィルタ形成基板10を形成した。
次いで、形成された第1の例のカラーフィルタ形成基板10と、有機EL素子形成板20とを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(6μm程度)で積層して、図1(b)に示す有機EL表示装置を作製した。
(実施例2)
実施例2は、図2(a)に示す第2の例のカラーフィルタ形成基板10aを作製したもので、各部形成用の材料は、実施例1と同様のものを用いて、図9に示す作製工程により、各部材の形成工程は、基本的に、実施例1と同じと、形成した。
次いで、形成された第2の例のカラーフィルタ形成基板10aと、有機EL素子形成板20aとを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(6μm程度)で積層して、図2(b)に示す有機EL表示装置を作製した。
(実施例3)
実施例3は、図3(a)に示す第3の例のカラーフィルタ形成基板10bを作製したもので、カラーフィルタ形成用の各色の着色層形成用の材料は、実施例1と同様のものを用いて、また、ブラックマトリクス12と光吸収層15形成用の材料として下記のようにして作製した硬化性樹脂組成物を用いて、図9に示す作製工程により、作製した。
ここでは、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを覆うように全面に光吸収層を塗膜してフォトリソ法により、ブラックマトリクス12と光吸収層15とを形成した。
<ブラックマトリクスおよび光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物の作製>
まず、下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :22重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :73重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 上記黒色顔料分散液 :0.5重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :23重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :75.5重量部

ここでは、ブラックマトリクス12と光吸収層15の形成は、下記の硬化性樹脂組成物を用いて、ブラックマトリクス12の厚さが4.5μm、光吸収層の厚さが3.0μmとなるように、露光の際、ブラックマトリクス12形成領域に多く、光吸収層15形成領域に少なく露光した。
次いで、形成された第3の例のカラーフィルタ形成基板10bと、有機EL素子形成板20bとを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(6μm程度)で積層して、図2(b)に示す有機EL表示装置を作製した。
(比較例1)
比較例1は、図11(a)に示すカラーフィルタ形成基板110を実施例1と同様にして作製したものである。
そして、作製されたカラーフィルタ形成基板110と、有機EL素子形成板120とを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(6μm程度)で積層して、図11(a)に示す有機EL表示装置を作製した。
(比較例2)
比較例2は、図11(b)に示すカラーフィルタ形成基板110aを実施例1と同様にして作製したものである。
そして、作製されたカラーフィルタ形成基板110aと、有機EL素子形成板120aとを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(6μm程度)で積層して、図11(b)に示す有機EL表示装置を作製した。
(比較例3)
比較例3は、図11(c)に示すカラーフィルタ形成基板110bを作製したもので、透過率調整部113WAの形成以外は、実施例1と同様にして形成したものである。
透過率調整部113WAの形成は、下記のようにして作製した硬化性樹脂組成物を用いて、フォトリソ法により行った。
<ブラックマトリクスおよび光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物の作製>
まず、下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :20重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :75重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 上記黒色顔料分散液 :0.4重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :19.8重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :80重量部
そして、作製されたカラーフィルタ形成基板110bと、有機EL素子形成板120bとを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(6μm程度)で積層して、図11(c)に示す有機EL表示装置を作製した。
尚、実施例1〜実施例3の各実施例により作製された各カラーフィルタ形成基板10、10a、10bに用いられた光吸収層15の可視光領域における光透過特性は、図6に示すように、表示の際の可視光領域(400nm〜700nm波長領域)全体にわたり光吸収層の光透過率のバラツキがすくないフラットフラットに近い透過率特性となった。
これより、該光吸収層15の、JIS Z8701のXYZ表色系における透過色度、反射色度は、表1のようになった。
表1は、C光源、D65光源を用いた場合の、反射光による色ずれ色度が小さいことを示しているが、表1からは、このような透過率特性の光吸収層を用いたカラーフィルタ形成基板10、10a、10bを用いて作製された各実施例の有機EL表示措置においても、同様、光吸収層による色ずれは小さいと判断される。

Figure 0006003329
ここでは、上記透過率特性の測定を、顕微分光測光装置(OSP−SP2000、OLYMPUS(株)製)を用いて、400nm〜700nmの波長範囲で行い、得られた結果から、換算して、JIS Z8701のXYZ表色系における色度座標(x、y)、明るさYにて表した。
上記実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3の各例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置について、表示輝度、外光反射(電源OFF時)、視差を評価した結果は、表2のようになった。

Figure 0006003329
表2における評価は、目視にて、相対的に評価したものである。
表示輝度は、円偏光板を配設した比較例2の有機EL表示装置の評価を×とし、比較例2の有機EL表示装置より、輝度大のものを○としている。
外光反射の評価は、表示電源をOFFにした状態のもので、比較例1の有機EL表示装置の評価を×とし、比較例2の有機EL表示装置の評価を△とし、比較例2よりも外光反射が少ないものを○としている。
視差は、見る方向による差が少ない状態を○、極めて少ない場合を◎としている。
10、10a、10b、10c カラーフィルタ形成基板
11 基材(透明基板とも言う)
12 ブラックマトリクス
13R 赤色の着色層
13G 緑色の着色層
13B 青色の着色層
13W WHITE層
13RL 赤色の表示色
13GL 緑色の表示色
13BL 青色の表示色
14 絶縁性の樹脂層
15 光吸収層
20 有機EL素子形成基板
21 基材(透明基板とも言う)
22 有機EL素子
22W 白色光
25 陽極
26 有機EL層
27 発光層
28 陰極
110、110a、110b カラーフィルタ形成基板
111 基材(透明基板とも言う)
112 ブラックマトリクス
113R 赤色着色層
113G 緑色着色層
113B 青色着色層
113W WHITE層
113WA 透過率調整部
113RL1、113RL2、113RL3 赤色の表示色
113GL1、113GL2、113GL3 緑色の表示色
113BL1、113BL2、113BL3 青色の表示色
114 絶縁性の樹脂層
120 有機EL素子形成基板
121 基材(透明基板とも言う)
122 有機EL素子
122W 白色光

Claims (10)

  1. カラーフィルタ用の着色層を配した画素領域である着色画素領域とWHITE画素領域とを備えた、白色光源タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板であって、前記着色画素領域およびWHITE画素領域に、400nm〜700nmの波長領域(可視光領域)における平均透過率Taveが50%〜98%の範囲の光吸収層を積層しており、且つ、前記光吸収層の400nm〜700nm波長領域における最大透過率をTmax、最小透過率をTminとした場合、
    Tmin > Tave−5%
    Tmax < Tave+5%
    であることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  2. 請求項1に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、基材と、前記カラーフィルタ用の着色層およびWHITE層用の樹脂層との、間に位置することを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  3. 請求項2に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記カラーフィルタ用の各色の着色層の画素領域を区分けするブラックマトリクスと、前記光吸収層とは、樹脂中に色材を分散させた感光性樹脂を用いてフォトリソ法により形成されたものであることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  4. 請求項1に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、前記カラーフィルタ用の着色層およびWHITE層用の樹脂層の上に位置することを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、色材として、カーボンブラック及び青色フタロシアニンを含有することを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  6. 請求項5に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記青色フタロシアニンが、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:6のいずれか1以上からなることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、色材として、PV19、PV23、PV29、PV32、PR122、PR209のいずれか1以上を含有することを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、色材として、PG7、PG36、PG58のいずれか1以上を含有することを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層を積層した画素領域の前記基材側とは反対側の最も外側に、散乱機能を有する層(散乱層とも言う)を配設していることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  10. 有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを積層した構造の、白色光源タイプの有機EL表示装置であって、請求項1ないし9のいずれかに記載のカラーフィルタ形成基板を用いていることを特徴とする有機EL表示装置。
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