JP6536035B2 - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置及びカラーフィルタ - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示装置及びカラーフィルタ Download PDF

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本発明は、多色塗り分け方式の有機エレクトロルミネッセンス表示装置、及び、この有機エレクトロルミネッセンス表示装置用のカラーフィルタに関する。
従来、多色塗り分け方式の有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと称す)表示装置が知られている。このような有機EL表示装置は、複数色の発光層を有する有機EL素子基板を備えている。
有機EL素子基板の陽極または陰極の一方は、一般に金属電極からなっている。このため、有機EL素子基板を備えた有機EL表示装置においては、外光が陽極または陰極によって反射されることに起因して、コントラストが低下する問題や映り込みが生じる問題がある。即ち、有機EL表示装置の表示特性が悪化してしまう。
このような問題を解決するため、図7に示すように、円偏光板80を有機EL素子基板10の観察者側に配置することにより、外光が反射されることを防ぐ有機EL表示装置100Xが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2001−155858号公報
しかし、円偏光板80は高価であるため、有機EL表示装置100Xがコストアップしてしまう。また、円偏光板80により、有機EL素子基板10から発光される光の透過が妨げられてしまう。従って、所望の輝度を得るために有機EL素子基板10の発光強度が高められることになる。このため、消費電力が増加すると共に、有機EL素子基板10の素子寿命が短くなる可能性がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、円偏光板を用いることなく表示特性を改善できる有機EL表示装置、及び、カラーフィルタを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るカラーフィルタは、
複数色の発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置用のカラーフィルタであって、
基板と、
前記基板上に設けられ、複数の開口が形成されたブラックマトリクス層と、
前記ブラックマトリクス層の少なくとも前記複数の開口内に設けられた赤色着色層、第1着色層、及び、第2着色層と、を備え、
前記赤色着色層の透過率は、80%以下であり、
前記第1着色層の透過率、及び、前記第2着色層の透過率は、65%以下である、ことを特徴とする。
また、前記カラーフィルタにおいて、
前記第1着色層の透過率の半値幅、及び、前記第2着色層の透過率の半値幅は、75nm以下であってもよい。
また、前記カラーフィルタにおいて、
前記第1着色層の透過率のピーク値、及び、前記第2着色層の透過率のピーク値は、55%以上であってもよい。
また、前記カラーフィルタにおいて、
前記赤色着色層の透過率は、波長が630nm以上、700nm以下の範囲において、70%±10%の範囲にあってもよい。
また、前記カラーフィルタにおいて、
前記赤色着色層の透過率の変動幅は、波長が630nm以上、700nm以下の範囲において、±5%であってもよい。
また、前記カラーフィルタにおいて、
前記赤色着色層は、赤色顔料と黒色顔料とを含んでもよい。
本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、
観察者側に向けて光を放射する複数色の発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子基板と、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子基板の観察者側に配置された、上記カラーフィルタと、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、円偏光板を用いることなく表示特性を改善できる。
一実施形態に係る有機EL表示装置の縦断面図である。 カラーフィルタを図1の矢印I方向から見た場合を示す平面図である。 図1のカラーフィルタの各着色層の透過率の一例を示す図である。 図1の有機EL表示装置の外光反射を説明する図である。 図1の有機EL表示装置の透過光を説明する図である。 実施例の各着色層の透過率を示す図である。 従来の有機EL表示装置の縦断面図である。 従来の有機EL表示装置の外光反射を説明する図である。 従来の有機EL表示装置の透過光を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
まず図1により、一実施形態における多色塗り分け方式の有機EL表示装置100全体について説明する。
有機EL表示装置
図1に示すように、有機EL表示装置100は、観察者側(z方向側)に向けて光を放射する有機EL素子基板10と、有機EL素子基板10に対向するように、有機EL素子基板10の観察者側に配置されたカラーフィルタ20と、有機EL素子基板10とカラーフィルタ20との間に設けられ、有機EL素子基板10とカラーフィルタ20とを接合する接合層70と、を備えている。
有機EL素子基板10は、支持基板11と、支持基板11上に設けられた背面電極12と、背面電極12上に設けられた複数色の発光層13,14,15と、発光層13,14,15上に設けられ、発光層13,14,15からの光を透過する透明電極16と、を有する。
背面電極12は、陽極または陰極のいずれかであるが、一般的には陽極として支持基板11上に設けられる。形成材料としては、金、銀、クロム等の金属等を挙げることができる。従って、背面電極12は、光を反射可能になっている。
発光層13,14,15は、所定の色を発光する部位として、マトリクス状に設けられている。ここでは、赤色を発光する発光層13と、緑色を発光する発光層14と、青色を発光する発光層15と、が設けられている。
透明電極16は、背面電極12の対極として機能する。透明電極16は、陰極または陽極のいずれかであるが、一般的には陰極として設けられる。透明電極16の形成材料としては、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化インジウム、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、SnO、ZnO等の透明導電材料が用いられる。
カラーフィルタ20は、基板21と、基板21上に設けられ、複数の開口が形成されたブラックマトリクス層(BM層)60と、BM層60の少なくとも複数の開口内に設けられた複数の赤色着色層30、第1着色層40及び第2着色層50と、を有している。以下では、赤色着色層30、第1着色層40及び第2着色層50を互いに区別する必要がない場合には、これらを着色層30,40,50と称する。
接合層70は、透光性を有する。接合層70の材料としては、一般的な有機EL表示装置に用いられる材料を用いればよく、例えば、感光性ポリイミド樹脂等の光硬化型樹脂、又は、熱硬化型樹脂等を用いることができる。
カラーフィルタ
次に図1及び図2を参照して、カラーフィルタ20について詳細に説明する。図2は、カラーフィルタ20を図1の矢印I方向から見た場合を示す平面図である。図1のカラーフィルタ20の断面図は、図2のA−A断面に対応する。
(基板)
はじめに、カラーフィルタ20の基板21について説明する。基板21としては、各着色層30,40,50およびBM層60を適切に支持することができ、かつ透明性を有する様々な材料が用いられ、例えばガラスやポリマーなどが用いられる。
(BM層)
次に、カラーフィルタ20のBM層60について説明する。BM層60は、有機EL素子基板10からの光を遮蔽するよう構成されている。本実施形態では、BM層60はマトリックス状のパターンを有している。なお、BM層60の具体的なパターンは特には限定されない。
BM層60の材料としては、所望の遮光性を有するものであれば特に限定されない。例えば、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料を含有する樹脂組成物等が挙げられる。この樹脂組成物に用いられる樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が使用される。
(着色層)
次に、カラーフィルタ20の各着色層30,40,50について説明する。複数の着色層30,40,50は、BM層60間に設けられている。赤色着色層30、第1着色層40および第2着色層50は、x方向に、この順に繰り返し配置されている。このように繰り返し配置された赤色着色層30、第1着色層40および第2着色層50の組は、y方向に、複数配置されている。赤色着色層30は、発光層13に対応する位置に設けられ、第1着色層40は、発光層14に対応する位置に設けられ、第2着色層50は、発光層15に対応する位置に設けられている。
赤色着色層30は、赤色光を透過させる。また、例えば、第1着色層40は、緑色光を透過させる緑色着色層からなっており、第2着色層50は、青色光を透過させる青色着色層からなっている。各着色層30,40,50は、感光性を有する着色層用材料を、露光工程および現像工程を含むフォトリソグラフィー法によりパターニングすることによって形成される層である。フォトリソグラフィー法によりパターニングされる着色層用材料としては、ネガ型およびポジ型のいずれの着色層用材料も使用され得るが、好ましくはネガ型の着色層用材料が使用される。
〔着色層用材料〕
次に、赤色着色層30を構成する赤色着色層用材料、第1着色層40を構成する第1着色層用材料、第2着色層50を構成する第2着色層用材料について説明する。各着色層用材料は、各色の顔料および分散剤を含む顔料分散体、光開始剤、ポリマーやモノマーを含むクリア剤、および界面活性剤などを含んでいる。このうち光開始剤は、光を照射されることによりラジカル成分を発生するものである。またクリア剤には、光開始剤によって発生されたラジカルにより重合反応を起こして硬化する成分と、その後の現像により未露光部が溶解可能となる成分とが少なくとも含まれている。
赤色着色層用材料は、顔料として赤色顔料と黒色顔料とを含んでいる。赤色顔料としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。黒色顔料としては、例えば、BM層60の材料と同様のカーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。これらの顔料も単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。赤色顔料の含有量は、90から99.5重量%の範囲であってもよい。黒色顔料の含有量は、0.5から10重量%の範囲であってもよい。赤色顔料と黒色顔料との重量比は、1:0.005から1:0.111の範囲であってもよい。このような赤色着色層用材料を用いて赤色着色層30を形成することにより、後述するような本実施形態に特有の透過率を得ることができる。なお、後述する透過率を満たす限り、赤色顔料と黒色顔料との重量比は上記範囲以外となってもよい。
第1着色層用材料に用いられる顔料としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
第2着色層用材料に用いられる顔料としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
上述の着色層用材料を用いてカラーフィルタ20を形成する方法としては、まず、赤色着色層用材料、第1着色層用材料及び第2着色層用材料のそれぞれと溶剤とを混合することにより、感光性を有する3種類の着色層用塗工液を準備する。そして、BM層60が形成された基板21上の全面に、例えば、赤色着色層用材料を含む着色層用塗工液を塗布する。次に、着色層用塗工液を加熱して得られた赤色着色層用材料を、露光マスクを用いて露光する。次に、赤色着色層用材料を現像して、赤色着色層30を形成する。このような一連の工程を複数回繰り返して、複数色の着色層30,40,50を形成する。着色層30,40,50の形成順序は、どのような順序でもよい。
カラーフィルタの透過率
図3は、図1のカラーフィルタ20の各着色層30,40,50の透過率30T,40T,50Tの一例を示す図である。図3に示すように、赤色着色層30の透過率30Tは、波長が630nm以上、700nm以下の範囲において、80%以下であり、好ましくは70%±10%の範囲にある。また、透過率30Tの変動幅は、波長が630nm以上、700nm以下の範囲において、±5%であることが好ましい。このように、赤色顔料に黒色顔料を混入することにより、この波長範囲での透過率をフラットにしながら80%以下に低下させることができる。フラットな透過率により、この波長範囲において発光層13からの赤色光のスペクトル形状と大きく異ならないスペクトル形状を有する赤色光が観察者側に透過するため、色再現性を向上できると共に、観察者から見た赤色の色味を向上することができる。
赤色顔料の種類及び含有量、黒色顔料の種類及び含有量、並びに、赤色顔料と黒色顔料との比等に応じて、赤色着色層30の透過率30Tを変化させることができる。
ここで、従来の一般的なカラーフィルタにおける赤色着色層の透過率30TXのピーク値は、90%以上である。このような赤色着色層の透過率を低下させるためには、赤色着色層の膜厚を大きくしたり、赤色顔料の濃度を増加したりすることが考えられる。しかし、このような対策では、上記波長範囲の一部において透過率を80%以下にすることはできても、上記波長範囲の全体に亘って透過率を80%以下にすることは困難である。加えて、露光工程において露光光の透過が妨げられ、未硬化部分が残存するため、赤色着色層が剥がれたり、欠けたりする可能性がある。また、現像時間も長くする必要があるため、既存の現像装置で対応することは困難である。つまり、赤色着色層の信頼性が低下すると共に、製造が困難になる。
本実施形態では、上記波長範囲においてフラットな透過率が得られると共に、このような信頼性の低下や製造の困難性を生じる恐れもない。
また、第1着色層40の透過率40T、及び、第2着色層50の透過率50Tは、65%以下である。第1着色層40の透過率40Tのピーク値、及び、第2着色層50の透過率50Tのピーク値は、好ましくは55%以上であり、図示する例では約60%である。
第1着色層40の透過率40Tの半値幅、及び、第2着色層50の透過率50Tの半値幅は、75nm以下であり、好ましくは50nm以下である。図示する例では、第1着色層40の透過率40Tの半値幅は、約75nmであり、第2着色層50の透過率50Tの半値幅は、約50nmである。
このような特性の第1着色層40及び第2着色層50は、顔料の種類や濃度等を調整することによって形成することができる。
有機EL表示装置の表示特性
図4は、図1の有機EL表示装置100の外光反射を説明する図である。図4においては、以下の説明に関連しない構成要素は、図示を省略している。
図4に示すように、観察者側からカラーフィルタ20の赤色着色層30に入射する外光L1の強度を100%とすると、赤色着色層30を透過した光L2の強度は、外光L1の強度の約70%になる。なお、ここでは、外光L1等の強度とは、波長630nm以上、700nm以下の範囲における強度とする。
この赤色着色層30を透過した光L2は、背面電極12で反射して、カラーフィルタ20に向かう光L3となる。この光L3は、赤色着色層30を透過することで、外光L1の強度の約50%に強度が低下した赤色の反射光L4として、観察者側に放射される。反射光L4は、波長約580nm以下の成分を殆ど含んでいない。結果として、外光L1の可視光の波長範囲の強度と比較すると、赤色の反射光L4の強度は、50%よりも更に低下している。
なお、外光L1が基板21の法線方向から入射する場合であっても、同様である。また、図示した例とは異なる入射角度の外光L1が赤色着色層30を透過して、背面電極12における反射により第1着色層40及び第2着色層50に向かう光は、観察者側には殆ど透過しない。
同様に、第1着色層40に入射する外光も、背面電極12で反射された後、第1着色層40を再度透過して、外光の強度の約40%以下に低下した緑色の反射光として、観察者側に放射される。ここでは、外光や反射光の強度とは、波長550nm付近における強度とする。
第2着色層50に入射する外光も、背面電極12で反射された後、第2着色層50を再度透過して、外光の強度の約40%以下に低下した青色の反射光として、観察者側に放射される。ここでは、外光や反射光の強度とは、波長460nm付近における強度とする。
このように、外光は、ある色の着色層を少なくとも2回透過した後に、反射光となって観察者側に放射される。従って、反射光の強度は、外光の可視光の波長範囲の強度と比較して、観察者が気にならない程度に十分に低下する。特に、外光の光量がある程度小さい環境では、実用上問題にならない。
また、図3に示したように、第1着色層40及び第2着色層50の透過率40T,50Tの半値幅は比較的狭いので、反射光の強度をより低減できる。
なお、図8に示すように、円偏光板80を備える従来の有機EL表示装置100Xでは、外光L1が背面電極12で反射されたことにより観察者側で観察され得る反射光の強度は、ほぼ0%に低下する。即ち、殆ど反射光は観察されない。
このように、本実施形態では、反射光の強度は、従来の円偏光板80を用いた場合より大きいが、円偏光板80を用いることなく外光の反射を適度に抑制できる。
図5は、図1の有機EL表示装置100の透過光を説明する図である。図5に示すように、発光層13から発光される赤色光の強度を100%とすると、カラーフィルタ20の赤色着色層30を透過した赤色光の強度は、約70%になる。同様に、第1着色層40を透過した緑色光の強度は、第1着色層40の透過率に応じて約60%程度になり、第2着色層50を透過した青色光の強度は、第2着色層50の透過率に応じて約60%程度になる。
また、第1着色層40及び第2着色層50の透過率40T,50Tの半値幅は比較的狭いので、緑色及び青色の色純度を向上できる。
これに対して、図9に示すように、円偏光板80を備える従来の有機EL表示装置100Xでは、発光層13から発光される赤色光の強度を100%とすると、円偏光板80を透過した赤色光の強度は、約50%になる。同様に、緑色光及び青色光の強度も、約50%になる。従って、従来の有機EL表示装置100Xでは、発光層13から発光される光のロスが本実施形態よりも大きい。
以上で説明したように、本実施形態によれば、赤色着色層30は赤色顔料と黒色顔料とを含むので、信頼性の低下や製造の困難性を生じることなく、赤色着色層30の透過率を80%以下に低減できる。これにより、円偏光板を用いることなく、赤色着色層30を透過する外光L1の反射光L4の強度を低減できる。同様に、第1着色層40の透過率及び第2着色層50の透過率は65%以下であるため、第1着色層40及び第2着色層50を透過する外光の反射光の強度を低減できる。従って、安価な構成で外光の反射を抑制できる。
また、円偏光板を用いないため、発光層13,14,15から発光される光のロスを、円偏光板を用いた場合より減らすことができる。これにより、発光層13,14,15から発光される光を有効利用することができる。従って、消費電力を低減できると共に、有機EL素子基板10の素子寿命も改善できる。
以上のように、円偏光板を用いることなく表示特性を改善できる。これにより、有機EL表示装置100を低コスト化できる。また、所望の輝度を得るために有機EL素子基板10の発光強度を高める必要もない。このため、消費電力を低減することができると共に、有機EL素子基板10の素子寿命を長くすることができる。
なお、カラーフィルタ20において、赤色着色層30が上述の特性を有していれば、第1着色層40と第2着色層50の少なくとも何れかは透過率が65%より大きくてもよい。このような変形例においても、少なくとも赤色着色層30による反射防止効果が得られる。但し、上述した実施形態の構成の方が、より優れた反射防止効果が得られる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。ここでは、赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層について、上記実施形態の透過率特性を満たすサンプルと、上記実施形態の透過率特性を満たさない比較サンプルとを作製し、これらの透過光と反射光とを目視で評価した。
(サンプルR1)
赤色顔料を99.5重量%、黒色顔料を0.5重量%含む顔料を準備した。この顔料を含む赤色着色層用材料を用いて、透明なガラス基板上に赤色着色層を形成した。
(サンプルR2)
赤色顔料を99.0重量%、黒色顔料を1.0重量%含む顔料を準備し、サンプルR1と同様にして赤色着色層を形成した。
(サンプルR3)
赤色顔料を98.9重量%、黒色顔料を1.1重量%含む顔料を準備し、サンプルR1と同様にして赤色着色層を形成した。
(サンプルR4)
赤色顔料を98.8重量%、黒色顔料を1.2重量%含む顔料を準備し、サンプルR1と同様にして赤色着色層を形成した。
(サンプルR5)
赤色顔料を90.0重量%、黒色顔料を10.0重量%含む顔料を準備し、サンプルR1と同様にして赤色着色層を形成した。
(比較サンプルR6)
赤色顔料を99.95重量%、黒色顔料を0.05重量%含む顔料を準備し、サンプルR1と同様にして赤色着色層を形成した。
(比較サンプルR7)
赤色顔料を87.0重量%、黒色顔料を13.0重量%含む顔料を準備し、サンプルR1と同様にして赤色着色層を形成した。
(サンプルG1)
緑色顔料を含む緑色着色層用材料を用いて、透明なガラス基板上に緑色着色層を形成した。緑色顔料の種類や濃度は、以下の比較サンプルG2とは異なっている。
(比較サンプルG2)
従来の緑色顔料を含む緑色着色層用材料を用いて、透明なガラス基板上に緑色着色層を形成した。
(サンプルB1)
青色顔料を含む青色着色層用材料を用いて、透明なガラス基板上に青色着色層を形成した。青色顔料の種類や濃度は、以下の比較サンプルB2とは異なっている。
(比較サンプルB2)
従来の青色顔料を含む青色着色層用材料を用いて、透明なガラス基板上に青色着色層を形成した。
(透過率の測定)
サンプルR1〜R5,G1,B1及び比較サンプルR6,R7,G2,B2の透過率を測定した結果、図6に示す特性が得られた。
図6に示すように、サンプルR1〜R5の赤色着色層の透過率は、波長が630nm以上、700nm以下の範囲において、70%±10%の範囲にある。一方、上記波長範囲において、比較サンプルR6の赤色着色層の透過率は80%より高く、比較サンプルR7の赤色着色層の透過率は60%より低い。
また、サンプルG1の緑色着色層の透過率は、波長約536nmにおいて約60%であり、その半値幅は約50nmである。比較サンプルG2の緑色着色層の透過率は、波長約536nmにおいて約86%であり、その半値幅は約102nmである。
また、サンプルB1の青色着色層の透過率は、波長約455nmにおいて約60%であり、その半値幅は約75nmである。比較サンプルB2の青色着色層の透過率は、波長約455nmにおいて約84%であり、その半値幅は約187nmである。
(透過光の評価)
机上に白色光を放射するカラービュアーを置き、その放射面上にサンプルR1〜R5,G1,B1及び比較サンプルR6,R7,G2,B2を置いた。それぞれのサンプルについて、観察者が透過光を目視し、明るさを評価した。
(反射光の評価)
机上にクロム基板を置き、クロム基板上に、サンプルR1〜R5,G1,B1及び比較サンプルR6,R7,G2,B2を置いた。机上には、蛍光灯の光が照射されるようになっている。そのため、蛍光灯の光は、各サンプルを透過した後、クロム基板で反射され、その反射光が各サンプルを再度透過して観察者側に放射される。それぞれのサンプルについて、反射光を観察者が目視し、眩しさを評価した。
透過光と反射光の評価結果を、以下の表に示す。
Figure 0006536035
Figure 0006536035
Figure 0006536035
表1に示すように、サンプルR1〜R5の透過光の明るさは、比較サンプルR6の透過光の明るさと比較して良好であった。一方、比較サンプルR7の透過光の明るさは、サンプルR1〜R5よりも暗くなっており、視認性が悪かった。
また、サンプルR1〜R5の反射光の眩しさは、観察者が気にならない程度であり、比較サンプルR7の眩しさと比較しても良好であった。一方、比較サンプルR6は、サンプルR1〜R5よりも眩しく、観察者が気になる程度の眩しさであった。
表2に示すように、サンプルG1の透過光の明るさは、比較サンプルG2の透過光の明るさと比較して良好であった。
また、サンプルG1の反射光の眩しさは、観察者が気にならない程度であり、良好であった。一方、比較サンプルG2の反射光は、サンプルG1よりも眩しく、観察者が気になる程度の眩しさであった。
表3に示すように、サンプルB1の透過光の明るさは、比較サンプルB2の透過光の明るさと比較して良好であった。
また、サンプルB1の反射光の眩しさは、観察者が気にならない程度であり、良好であった。一方、比較サンプルB2の反射光は、サンプルB1よりも眩しく、観察者が気になる程度の眩しさであった。
このように、波長が630nm以上、700nm以下の範囲において赤色着色層の透過率を70%±10%の範囲としたサンプルR1〜R5により、良好な透過特性と反射特性が得られる。
また、透過率のピーク値を約60%、透過率の半値幅を約75nmとしたサンプルG1により、良好な透過特性と反射特性が得られる。
また、透過率のピーク値を約60%、透過率の半値幅を約50nmとしたサンプルB1により、良好な透過特性と反射特性が得られる。
従って、このような透過率特性を満たす赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層を用いてカラーフィルタ10を作製することにより、円偏光板を用いることなく表示特性を改善できる。
比較サンプルR6,R7,G2,B2では、サンプルR1〜R5,G1,B1と比較して表示特性が悪化してしまう。
10 有機EL素子基板
11 支持基板
12 背面電極
13,14,15 発光層
16 透明電極
20 カラーフィルタ
21 基板
30 赤色着色層
40 第1着色層
50 第2着色層
60 ブラックマトリクス層(BM層)
100 有機EL表示装置

Claims (5)

  1. 複数色の発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置用のカラーフィルタであって、
    基板と、
    前記基板上に設けられ、複数の開口が形成されたブラックマトリクス層と、
    前記ブラックマトリクス層の少なくとも前記複数の開口内に設けられた赤色着色層、第1着色層、及び、第2着色層と、を備え、
    前記赤色着色層の透過率は波長が650nmのとき、60%以上、80%以下、
    前記第1着色層の透過率は波長が536nmのとき、60%以上、65%以下、
    前記第2着色層の透過率は波長が455nmのとき、60%以上、65%以下となることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記第1着色層の透過率の半値幅、及び、前記第2着色層の透過率の半値幅は、75nm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記第1着色層の透過率のピーク値、及び、前記第2着色層の透過率のピーク値は、55%以上である、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記赤色着色層は、赤色顔料と黒色顔料とを含む、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  5. 観察者側に向けて光を放射する複数色の発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子基板と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子基板の観察者側に配置された、請求項1から請求項4のいずれかに記載のカラーフィルタと、
    を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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