JP7212921B2 - 濃色副色素を含有するカラーフィルタ用着色組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、
黄色又は赤色である主色素と、該主色素よりも濃色である副色素とを含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、コントラスト比に優れるカラーフィルタ用着色組成物に関する。
カラーフィルタは、ガラスのような透明基板表面に複数の異なる色相の微細な帯状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置した構造、又は微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置した構造を有する。液晶ディスプレイ用カラーフィルタは、色度の調整、輝度の向上、及びコントラスト比(CR)の向上が主な技術課題となっている。
一般的なカラーフィルタでは、透明基板上に光の3原色である青、緑及び赤のフィルタセグメントが配置されているが、単一の顔料だけでそれぞれ目的のカラーフィルタとしての分光スペクトルを得るのが困難な場合には、顔料を2種以上用いて分光スペクトルを調整することが多い。
また、このような光の3原色のフィルタセグメントが配置されているカラーフィルタにおいては、透過度(明度)又は色純度といった色特性の向上についての要求が高まっている。色特性については、各単色だけでなく、3色を点灯させて得られるホワイトについても各用途に応じた要求があり、色度、色温度(K)又は色差(ΔUV)によって管理されている。
ホワイトの色特性は、各色での色度と明度により規定されることから、従来は、ホワイトの色温度(K)、色差(ΔUV)を調整するために3色の色度を変更する必要があるが、ホワイトを目標の色温度(K)及び色差(ΔUV)とするために、各色の色度の目標が達成できなくなっていた。
特許文献1は、透明樹脂、その前駆体又はそれらの混合物からなる色素担体と、該色素担体に分散された赤色色素及び青色色素を含み、該青色色素がC. I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、22、60、64の群からなるいずれかの青色顔料であって、かつ該青色色素の含有量が、色素の全量を基準として0.005~10重量%であることを特徴とするカラーフィルタ用赤色着色組成物を開示している。この着色組成物は、カラー液晶表示装置のホワイトバランスについても良好な値を付与することができ、透過型・反射型のカラー液晶表示装置ならびに固体撮像素子の色分解用カラーフィルタとして好適とされている。
また、特許文献2は、緑の明度を調整することにより、3色の色度を変更することなくホワイトを目標の色温度(K)、色差(ΔUV)に調整することが可能なカラーフィルタ用緑色着色組成物を開示している。特許文献2のカラーフィルタ用緑色着色組成物は、具体的には、透明樹脂、透明樹脂の前駆体又はそれらの混合物からなる色素担体と、該色素担体に分散された緑色色素と、紫色色素、赤色色素又は黒色色素とを含み、紫色色素、赤色色素又は黒色色素の含有量が、色素の全量を基準として0.67~2.0重量%であることを特徴とするカラーフィルタ用緑色着色組成物である。
さらに、特許文献3は、カーボンブラックや有機顔料の塗料樹脂に対する分散性を向上させるだけでは達成できなかった光の乱反射による白ボケ現象を改善することにより、有光沢の塗料全般に対する鮮映性を改善するための、角度非依存性の構造色を発現するカテコール系高分子黒色微粒子を有効成分として含んでなる、水性塗料に鮮映性を付与するための調製物を開示している。
特許第4538220号公報 特許第4918211号公報 特許第6176860号公報
上述したように、カラーフィルタ用着色組成物について、明度調整又は色度調整のために赤色又は緑色色素に黒色色素のような濃色色素を混合する技術は公知であった。カラーフィルタ用黄色色素についてCRを向上させる場合、光の散乱を防止する必要があると考えられたが、黄色色素の場合には、従来技術と同様に濃色色素を混合すると、輝度が低下しやすいという別の問題が生じる。同様の問題は、カラーフィルタ用赤色色素についても存在する。
本発明は、黄色又は赤色を主色素とするカラーフィルタ用着色組成物であって、CRを向上させつつ、輝度の低下が少ないカラーフィルタ用着色組成物の提供を目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を続けた結果、主色素よりも濃色である特定の副色素を混合することにより、カラーフィルタの輝度低下を抑制しつつ、CRを向上させ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的に本発明は、
黄色又は赤色である主色素と、該主色素よりも濃色である副色素とを含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、
前記副色素は、前記主色素の透過帯域の低波長端をx(nm)とした場合に、x-80 (nm)以上x (nm)以下の波長範囲における透過率が75%以下である、
カラーフィルタ用着色組成物に関する。
本発明者等は、主色素が黄色又は赤色であるカラーフィルタのCRを向上させるために、濃色の副色素を混合することを試みた。しかし、特許文献1に開示されている青色色素では十分な効果が得られなかった。また、特許文献2に開示されている黒色色素を0.67重量%程度添加した場合には、輝度が著しく低下してカラーフィルタとしての実用性が損なわれてしまった。
しかし、本発明では、黄色又は赤色である主色素に対して、主色素よりも濃色である副色素を混合することにより、CRを向上させつつ、輝度の低下を抑制している。
ここで、本発明でいう濃色は、主色素の透過帯域の低波長端をx(nm)とした場合に、x-80 (nm)以上x (nm)以下の波長範囲における透過率が75%以下である色を意味する。透過帯域の低波長端とは、その色素の組成物をガラス板に塗布し、分光光度計により分光透過率曲線を求めたとき、透過帯域の低波長側における曲線接線とy=0の軸とが接する点(外挿透過端)を意味する。
前記主色素が黄色であり、
前記副色素がカーボンブラックである場合には、
前記カラーフィルタ用色素中の前記副色素濃度が0.004質量%以上0.167質量%以下であることが好ましい。
前記主色素が黄色であり、
前記副色素が茶色である場合には、
前記カラーフィルタ用色素中の副色素濃度が0.008質量%以上3.34質量%以下であることが好ましい。
前記主色素がC. I. Pigment Yellow 74、C. I. Pigment Yellow 138、C. I. Pigment Yellow 139、C. I. Pigment Yellow 150及びC. I. Pigment Yellow 185からなる群より選択される1種であり、
前記副色素がC. I. Pigment Brown 25であることがより好ましい。
前記主色素が赤色であるC. I. Pigment Red 254であり、
前記副色素がカーボンブラックであり、
前記カラーフィルタ用色素中の前記副色素濃度が0.08質量%以上0.668質量%以下であることも好ましい。
本発明によれば、黄色又は赤色のカラーフィルタにおいて、輝度の低下を抑制しつつ、CRを向上させることが可能となる。このような効果が得られる原理は確認されていないが、主顔料の散乱光がxからx-80の波長の間にあり、本発明の組成であれば、主顔料の散乱光を副顔料が吸収し、コントラスト比における、偏光板が直交の時(クロスニコル配置)の明度を抑えることができるため、高いコントラスト比を実現するものと推測される。
C. I. Pigment Red 254及びCBの300nm~800nmにおける透過率(%)を測定したグラフを示す。 C. I. Pigment Red 269及びCBの300nm~800nmにおける透過率(%)を測定したグラフを示す。 評価用組成物5(Y185)及び評価用組成物7b(Y185/Br25)のヘイズスペクトル測定結果を示す。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の記載に限定されない。
<顔料誘導体Aの調製>
濃硫酸(98%)200重量部中にC. I. Pigment Red 255 15重量部、パラホルムアルデヒド1.6重量部及び4-アミノフタルイミド8.4重量部を添加し、85℃で5時間反応させた。次に、この溶液を1Lの氷水中に供給し、濾過及び水洗を行うことにより、4-アミノフタルイミドメチル基1個を導入した(4-アミノフタルイミドメチル) - C. I. Pigment Red 225を19.5重量部得た。
得られた(4-アミノフタルイミドメチル) - C. I. Pigment Red 255 10重量部を水100部中に分散させ、アミノ基1個と反応する量の塩化シアヌル3.6重量部を加えて30℃で1時間反応させた。次に、3.4重量部のオルタニル酸を加え、80℃で2時間反応させ、化学式1に示される顔料誘導体Aを15.2重量部得た。顔料誘導体Aの元素分析及び質量分析を行ったところ、化学式1においてn=0.6であった。
Figure 0007212921000001
<顔料誘導体Bの製造>
500mL四つ口フラスコに25%発煙硫酸500gとC. I. Pigment Yellow 138(BASF社製、Paliotol Yellow L0960HD)55.5g(80.0mmol)を入れ、60℃に加熱しながら5時間撹拌した。反応液を、水3Lに注加し、析出した黄色固体を吸引ろ過した。水12Lで洗浄して得られた黄色ペースト314g(不揮発分17%)を80℃で乾燥し、化学式2に示される顔料誘導体Bを54.0g得た。
Figure 0007212921000002
<A/主顔料組成物(主色素組成物)の調製>
[主顔料組成物1]
C. I. Pigment Red 254(BASF社製、Irgazin(登録商標)Red L3630)8.10重量部;顔料誘導体A 0.90重量部;樹脂型分散剤(ビックケミ・ジャパン株式会社製、BYK LPN6919、固形分60.9%) 4.43重量部;分散樹脂(株式会社日本触媒製、アクリキュアー(登録商標)BX-Y-11、固形分38.1%) 7.09重量部;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM) 3.00重量部;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA) 36.48重量部;及び直径0.5mmのジルコニアビーズ240重量部を内容量100mLのプラスチック容器に投入し、ペイントコンディショナーを用いて1時間分散処理を行った。分散処理物を2.5μmメッシュのフィルタを用いて濾過し、主顔料組成物1を得た。
[主顔料組成物2]
(微細化工程)
C. I. Pigment Red 269(山陽色素社製、Permanent Carmine 3811)270.0重量部;顔料誘導体B 30.0重量部;無水硫酸ナトリウム3000.0重量部;及びエチレングリコール800.0重量部を双腕型ニーダー(モリヤマ製5LニーダーΣ型)に投入し、ニーダー内が40℃となるように温度調整しながら、7時間混練した。さらに分散樹脂(昭和電工株式会社製、リポキシSPCN-100、固形分28.5%)158.0重量部を投入し、40℃で2時間混練した。
混練物を、イオン交換水6Lを貯水した温度調節可能なタンク内に移し、60℃で30分間撹拌後、35%塩酸でpHを2.3~2.5に調節して1時間分散させた。分散液をヌッチェに移して濾紙を用いて濾過し、洗浄排水の電気伝導度が3μS/cm以下になるまでイオン交換水を用いて洗浄した。洗浄後の残渣を95℃で24時間乾燥させた。乾燥ブロックを粉砕機(協立理工株式会社製、小型粉砕機サンプルミルSK-M2)によって粉砕することで、微細化C. I. Pigment Red 269を得た。
微細化C. I. Pigment Red 269 36.23重量部;顔料誘導体B 3.50重量部;樹脂型分散剤(ビックケミ・ジャパン株式会社製、BYK LPN6919、固形分60.9%)12.48重量部、分散樹脂(綜研化学株式会社製、フォレット(登録商標)ZAH110、固形分35.0%)13.95重量部;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM) 23.33重量部:及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)50.51重量部を内容量500mLの混合槽に投入し、ディスパーを用いて2000rpmで10分間撹拌し、予備分散を行った。得られた予備分散物に、直径0.8mmのジルコニアビーズ560重量部を添加し、2000rpmで60分間撹拌して本分散処理を行った。
[主顔料組成物3]
(微細化工程)
C. I. Pigment Yellow 138(BASF社製、Paliotol Yellow L0960HD)200.0重量部;顔料誘導体B 10.0重量部;無水硫酸ナトリウム3000.0重量部;及びエチレングリコール750.0重量部を双腕型ニーダー(モリヤマ製5LニーダーΣ型)に投入し、ニーダー内が50℃となるように温度調整しながら、8時間混練した。さらに、分散樹脂(昭和電工株式会社製、リポキシSPCN-21、固形分37.7%)79.5重量部を投入し、50℃で1時間混練した。
混練物を、イオン交換水12Lを貯水した温度調節可能なタンク内に移し、60℃で1時間分散させた。分散液をヌッチェに移して濾紙を用いて濾過し、洗浄排水の電気伝導度が3μS/cm以下になるまでイオン交換水を用いて洗浄した。洗浄後の残渣を60℃で20時間乾燥させた。乾燥ブロックを粉砕機(協立理工株式会社製、小型粉砕機サンプルミルSK-M2)によって粉砕することで、微細化C. I. Pigment Yellow 138顔料を得た。
(分散工程)
微細化C. I. Pigment Yellow 138 39.12重量部;顔料誘導体B 3.78重量部;樹脂型分散剤(ビックケミ・ジャパン株式会社製、BYKLPN6919、固形分60.9%)26.06重量部;分散樹脂(株式会社日本触媒社製、アクリキュアー(登録商標)RD-Y-203;固形分40.2%)26.80重量部;及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)82.99重量部を内容量500mLの混合槽に投入し、ディスパーを用いて2000rpmで10分間撹拌し、予備分散処理を行った。得られた予備分散物に、直径0.8mmのジルコニアビーズ720重量部を添加し、2000rpmで30分間撹拌して本分散処理を行った。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)30.00重量部を添加し、2000rpmで10分間撹拌して希釈分散処理を行った。2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて濾過して得られた分散物180.0重量部に、直径0.05mmのジルコニアビーズ720重量部を添加し、2000rpmで60分間撹拌して二次分散処理を行った。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)90.00重量部を添加し、1500rpmで10分間撹拌して希釈分散処理を行った。2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて濾過し、主顔料組成物3を得た。
[主顔料組成物4]
(微細化工程)
C. I. Pigment Yellow 139(BASF社製、Irgaphor Yellow S2150CF)270.0重量部;顔料誘導体B 30.0重量部;無水硫酸ナトリウム3000.0重量部;及びジエチレングリコール860.0重量部を双腕型ニーダー(モリヤマ製5LニーダーΣ型)に投入し、ニーダー内が50℃となるように温度調整しながら、8時間混練した。さらに分散樹脂(昭和電工株式会社製、リポキシSPC-2000、固形分37.4%) 158.8重量部を投入し、50℃で1時間混練した。
混練物を、イオン交換水12Lを貯水した温度調節可能なタンク内に移し、60℃で1時間分散させた。分散液をヌッチェに移して濾紙を用いて濾過し、洗浄排水の電気伝導度が3μS/cm以下になるまでイオン交換水を用いて洗浄した。洗浄後の残渣を80℃で24時間乾燥させた。乾燥ブロックを粉砕機(協立理工株式会社製、小型粉砕機サンプルミルSK-M2)によって粉砕することで、微細化C. I. Pigment Yellow 139を得た。
(分散工程)
微細化C. I. Pigment Yellow 139 44.75重量部;顔料誘導体B 1.98重量部;樹脂型分散剤(ビックケミ・ジャパン株式会社製、BYKLPN6919、固形分61.2%)12.94重量部;分散樹脂(株式会社日本触媒社製、アクリキュアー(登録商標)RD-Y-507、固形分36.9%)18.24重量部;及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)102.09重量部を内容量500mLの混合槽に投入し、ディスパーを用いて2000rpmで10分間撹拌し、予備分散処理を行った。得られた予備分散物に、直径0.5mmのジルコニアビーズ720重量部を添加し、2000rpmで60分間撹拌して本分散を行った。
その後、樹脂型分散剤(ビックケミ・ジャパン株式会社製、BYK LPN6919、固形分60.9%)7.01重量部;及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)32.99重量部を添加し、2000rpmで10分間撹拌して希釈分散処理を行った。2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて濾過して得られた分散物180.0重量部に、直径0.05mmのジルコニアビーズ720重量部を添加し、2000rpmで120分間撹拌して二次分散処理を行った。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)90.00重量部を添加し、2000rpmで10分間撹拌して希釈分散処理を行った。2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて希釈分散物を濾過し、主顔料組成物4を得た。
[主顔料組成物5]
(微細化工程)
C. I. Pigment Yellow 185(BASF社製、Paliotol Yellow D 1155)270.0重量部;顔料誘導体B 30.0重量部;無水硫酸ナトリウム3000.0重量部;エチレングリコール 680.0重量部;及びジエチルアミノプロピルアミン 11重量部を、双腕型ニーダー(モリヤマ製5LニーダーΣ型)に投入し、ニーダー内が45℃となるように温度調整しながら8時間混練した。次に、分散樹脂(綜研化学株式会社製、フォレット(登録商標)ZAH110、固形分35.0%) 128.6重量部を投入し、45℃で1時間混練した。
混練物を、イオン交換水12Lを貯水した温度調節可能なタンク内に移し、60℃で30分間撹拌した後、35%塩酸でpHを2.3~2.5に調節して1時間分散させた。分散液をヌッチェに移して濾紙を用いて濾過し、洗浄排水の電気伝導度が3μS/cm以下になるまでイオン交換水を用いて洗浄した。洗浄後の残渣を80℃で24時間乾燥させた。乾燥ブロックを粉砕機(協立理工株式会社製、小型粉砕機サンプルミルSK-M2)によって粉砕することで、微細化C. I. Pigment Yellow 185を得た。
(分散工程)
微細化C. I. Pigment Yellow 185 37.26重量部;顔料誘導体B 3.60重量部;樹脂型分散剤(ビックケミ・ジャパン株式会社製、BYK LPN6919、固形分60.9%)60.67重量部;分散樹脂(綜研化学株式会社製、フォレット(登録商標)ZAH110、固形分35.0%) 27.25重量部;及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA) 71.22重量部を内容量500mLの混合槽に投入し、ディスパーを用いて2000rpmで10分間撹拌し、予備分散処理を行った。得られた予備分散物に、直径0.8mmのジルコニアビーズ800重量部を添加し、2000rpmで30分間撹拌して本分散処理を行った。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)25.00重量部を添加し、2000rpmで10分間撹拌して希釈分散処理を行った。2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて濾過して得られた分散物185.0重量部に、直径0.1mmのジルコニアビーズ740重量部を添加し、2000rpmで60分間撹拌して二次分散処理を行った。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)61.67重量部を添加し、1500rpmで10分間撹拌して希釈分散処理を行った。2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて希釈分散物を濾過し、主顔料組成物5を得た。
[主顔料組成物6]
主顔料組成物4の分散処理時に使用する微細化C. I. Pigment Yellow 139 44.75重量部のうち、1.98重量部をC.I.Pigment Brown 25(Clariant社製、Hostaperm(登録商標)Brown HFR-01)で置き換えて使用すること以外、すべて主顔料組成物4と同様に操作することにより、主顔料組成物6を得た。
[主顔料組成物7]
C.I.Pigment Yellow 150(ランクセス社製、Levascreen Yellow G04) 34.56重量部;顔料誘導体B 1.44重量部;樹脂型分散剤(ビックケミ・ジャパン株式会社製、BYKLPN6919、固形分60.9%)20.69重量部;分散樹脂(株式会社日本触媒製、アクリキュアー(登録商標)BX-Y-11、固形分38.3%)28.20重量部;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)7.50重量部;及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)57.61重量部を内容量500mLの混合槽に投入し、ディスパーを用いて2000rpmで10分間撹拌し、予備分散処理を行った。得られた予備分散物に、直径0.8mmのジルコニアビーズ600重量部を添加し、2000rpmで30分間撹拌して本分散処理を行った。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)30.00重量部を添加し、1500rpmで10分間撹拌して希釈分散処理を行った。2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて濾過して得られた分散物150.0重量部に、直径0.05mmのジルコニアビーズ600重量部を添加し、2000rpmで40分間撹拌して二次分散処理を行った。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)100.00重量部を添加し、1500rpmで10分間撹拌して希釈分散処理を行った。2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて希釈分散物を濾過し、主顔料組成物7を得た。
[主顔料組成物8]
(微細化工程)
C. I. Pigment Yellow 180(クラリアント社製、Toner Yellow HG)300.0重量部;及び無水硫酸ナトリウム3000.0重量部;エチレングリコール 780.0重量部を双腕型ニーダー(モリヤマ製5LニーダーΣ型)に投入し、ニーダー内が50℃となるように温度調整しながら、8時間混練した。次に、分散樹脂(昭和電工株式会社製、リポキシSPC-2000、固形分37.4%) 120.3重量部を投入し、50℃で1時間混練した。
混練物を、イオン交換水12Lを貯水した温度調節可能なタンク内に移し、60℃で30分間撹拌後、35%塩酸でpHを2.3~2.5に調節して1時間分散した。分散液をヌッチェに移して濾紙を用いて濾過し、洗浄排水の電気伝導度が3μS/cm以下になるまでイオン交換水を用いて洗浄した。洗浄後の残渣を80℃で24時間乾燥させた。乾燥ブロックを粉砕機(協立理工株式会社製、小型粉砕機サンプルミルSK-M2)によって粉砕することで、微細化C. I. Pigment Yellow 180を得た。
(分散工程)
微細化C. I. Pigment Yellow 180 31.46重量部;顔料誘導体B 3.04重量部;樹脂型分散剤(ビックケミ・ジャパン株式会社製、BYK LPN-22956、固形分44.4%)27.21重量部;分散樹脂(綜研化学株式会社製、フォレット(登録商標)ZAH-110、固形分59.6%)18.46重量部;及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)79.82重量部を内容量500mLの混合槽に投入し、ディスパーを用いて2000rpmで10分間撹拌し、予備分散処理を行った。得られた予備分散物に、直径0.8mmのジルコニアビーズ640重量部を添加し、2000rpmで30分間撹拌して本分散を行った。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)30.00重量部を添加し、2000rpmで10分間撹拌して希釈分散処理を行った。2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて濾過して得られた分散物160.0重量部に、直径0.05mmのジルコニアビーズ640重量部を添加し、2000rpmで60分間撹拌して二次分散処理を行った。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)53.33重量部を添加し、1500rpmで10分間撹拌して希釈分散を行った。2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて希釈分散物を濾過し、主顔料組成物8を得た。
[主顔料組成物9]
C. I. Pigment Yellow 17(山陽色素社製、Pigment Yellow 1750)4.80重量部;顔料誘導体B 1.20重量部;樹脂型分散剤(ビックケミ・ジャパン株式会社製、BYK LPN6919、固形分60.9%)13.48重量部;分散樹脂(昭和電工株式会社製、リポキシSPC-2000、固形分37.4%)11.23重量部;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)6.00重量部;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)23.29重量部;及び直径0.5mmのジルコニアビーズ240重量部を内容量100mLのプラスチック容器に投入し、ペイントコンディショナーを用いて1時間分散処理を行った。分散処理物を2.5μmメッシュのフィルタを用いて濾過し、主顔料組成物9を得た。
[主顔料組成物10]
C. I. Pigment Yellow 17(山陽色素社製、Pigment Yellow 1750)4.80重量部の代わりに、C. I. Pigment Yellow 74(山陽色素社製、Pigment Yellow 7403)4.80重量部を使用すること以外、すべて主顔料組成物9と同様に操作することにより、主顔料組成物10を得た。
<B/副顔料組成物(副色素組成物)の調製>
[副顔料組成物1]
C. I. Pigment Black 7(三菱化学社製、MCF88)30.00重量部;分散樹脂(綜研化学株式会社製、フォレット(登録商標)ZAH110、固形分35.0%)25.78重量部;樹脂型分散剤(BASF社製、EFKA PX4701、固形分40.0%)22.50重量部;及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)71.72重量部を内容量500mLの混合槽に投入し、ディスパーを用いて2000rpmで10分間撹拌し、予備分散処理を行った。得られた予備分散物に、直径0.8mmのジルコニアビーズ600重量部を添加し、2000rpmで30分間撹拌して本分散処理を行った。
2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて濾過して得られた分散物にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)を加えて固形分24.00%に調整した。分散物150.0重量部に直径0.1mmのジルコニアビーズ600重量部を添加し、2000rpmで60分間撹拌して二次分散処理を行った。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)を加えて固形分19.20%になるように調整し、1000rpmで10分間撹拌して希釈分散処理を行った。希釈分散物を2.5μmメッシュのフィルタ(PALL社製、PALL HDC II Membrane Filter)を用いて濾過し、副顔料組成物1(黒色、顔料分12.00%)を得た。
[副顔料組成物2]
C. I. Pigment Red 179(DIC社製、Prrindo(商標登録)Maroon)1.80重量部;樹脂型分散剤(ビックケミ・ジャパン株式会社製、BYKLPN6919、固形分60.9%)4.43重量部;分散樹脂(綜研化学株式会社製、フォレット(登録商標)ZAH110、固形分35.0%)7.71重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)3.00重量部;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)43.06重量部;及び直径0.5mmのジルコニアビーズ240重量部を内容量100mLのプラスチック容器に投入し、ペイントコンディショナーを用いて1時間分散処理を行った。分散処理物を2.5μmメッシュのフィルタを用いて濾過し、副顔料組成物2(赤色、顔料分3.0%)を得た。
[副顔料分散体3]
C. I. Pigment Red 179(DIC社製、Prrindo(商標登録)Maroon)1.80重量部の代わりに、C. I. Pigment Brown 25(Clariant社製、Hostaperm(登録商標)Brown HFR-01)1.80重量部を使用すること以外、すべて副顔料組成物2と同様に操作することにより、副顔料組成物3(褐色、顔料分3.0%)を得た。
[副顔料分散体4]
C. I. Pigment Red 179(DIC社製、Prrindo(商標登録)Maroon)1.80重量部の代わりにC. I. Pigment Red 57(東京化成工業社製、Brilliant Carmine 6B)1.80重量部を使用すること以外、すべて副顔料組成物2と同様に操作することにより、副顔料組成物4(赤色、顔料分3.0%)を得た。
<C/評価用組成物の調製>
カラーフィルタ用着色組成物としての機能を確認するため、主顔料組成物と副顔料組成物を組み合わせ、以下に示されるような評価用組成物(カラーフィルタ用着色組成物)を調製した。
[評価用組成物1]
主顔料組成物1を評価用組成物1とした。
[評価組成物1a]
主顔料組成物1の9.90重量部と、副顔料組成物1の0.10重量部とを混合し、評価用組成物1aとした。
[評価組成物1b]
主顔料組成物1の5.00重量部と、評価用組成物1aの5.00重量部とを混合し、評価用組成物1bとした。
[評価組成物1c]
主顔料組成物1の8.00重量部と、評価用組成物1bの2.00重量部とを混合し、評価用組成物1cとした。
[評価組成物1d]
主顔料組成物1の9.00重量部と、評価用組成物1cの1.00重量部とを混合し、評価用組成物1dとした。
[評価用組成物2]
主顔料組成物2を評価用組成物2とした。
[評価用組成物2a]
主顔料組成物2の4.90重量部と、副顔料組成物1の0.10重量部を混合し、評価用組成物2aとした。
[評価用組成物3]
主顔料組成物3を評価用組成物3とした。
[評価用組成物3a]
主顔料組成物3の9.90重量部と、副顔料組成物1の0.10重量部を混合し、評価用組成物3aとした。
[評価組成物3b]
主顔料組成物3の9.00重量部と、評価用組成物3aの1.00重量部とを混合し、評価用組成物3bとした。
[評価組成物3c]
主顔料組成物3の5.00重量部と、評価用組成物3bの5.00重量部とを混合し、評価用組成物3cとした。
[評価用組成物4]
主顔料組成物4を評価用組成物4とした。
[評価用組成物4a]
主顔料組成物4の10.00重量部と、副顔料組成物1の0.24重量部を混合し、評価用組成物4aとした。
[評価用組成物4b]
主顔料組成物4の5.00重量部と、評価用組成物4aの2.50重量部とを混合し、評価用組成物4bとした。
[評価用組成物5]
主顔料組成物5を評価用組成物5とした。
[評価用組成物5a]
主顔料組成物5の9.90重量部と、副顔料組成物1の0.10重量部を混合し、評価用組成物5aとした。
[評価用組成物5b]
主顔料組成物5の5.00重量部と、評価用組成物5aの5.00重量部とを混合し、評価用組成物5bとした。
[評価用組成物5c]
主顔料組成物5の8.00重量部と、評価用組成物5bの2.00重量部とを混合し、評価用組成物5cとした。
[評価用組成物6a]
主顔料組成物5の9.20重量部と、副顔料組成物2の0.80重量部を混合し、評価用組成物6aとした。
[評価用組成物6b]
主顔料組成物5の5.00重量部と、評価用組成物6aの5.00重量部とを混合し、評価用組成物6bとした。
[評価用組成物6c]
主顔料組成物5の5.00重量部と、評価用組成物6bの5.00重量部とを混合し、評価用組成物6cとした。
[評価用組成物7a]
主顔料組成物5の4.60重量部と、副顔料組成物3の0.40重量部を混合し、評価用組成物7aとした。
[評価用組成物7b]
主顔料組成物5の9.60重量部と、副顔料組成物3の5.00重量部とを混合し、評価用組成物7bとした。
[評価用組成物7c]
主顔料組成物5の5.00重量部と、評価用組成物8bの5.00重量部とを混合し、評価用組成物7cとした。
[評価用組成物7d]
主顔料組成物5の8.00重量部と、評価用組成物8cの2.00重量部とを混合し、評価用組成物7dとした。
[評価用組成物7e]
主顔料組成物5の9.00重量部と、評価用組成物8dの1.00重量部とを混合し、評価用組成物7eとした。
[評価用組成物8a]
主顔料組成物5の9.20重量部と、副顔料組成物4の0.80重量部を混合し、評価用組成物8aとした。
[評価用組成物9a]
主顔料組成物6の9.20重量部と、副顔料組成物3の0.80重量部を混合し、評価用組成物9aとした。
[評価用組成物10a]
主顔料組成物7の9.20重量部と、副顔料組成物3の0.80重量部を混合し、評価用組成物10aとした。
[評価用組成物11a]
主顔料組成物8の9.20重量部と、副顔料組成物3の0.80重量部を混合し、評価用組成物11aとした。
[評価用組成物12a]
主顔料組成物9の9.20重量部と、副顔料組成物3の0.80重量部を混合し、評価用組成物12aとした。
[評価用組成物13a]
主顔料組成物10の9.20重量部と、副顔料組成物3の0.80重量部を混合し、評価用組成物13aとした。
<D/評価用塗布板の作製>
各種評価組成物を、厚さ1mm、100mm角の無アルカリガラス基板上にスピンコーター(ミカサ株式会社製、スピンコーターMS-150A)を用いて、色度座標(x,y)のうち表1、表2又は表4において指定されたx又はyの座標値が、指定の通りとなる回転数に合わせて製膜し、90℃恒温槽にて2分30秒間乾燥した。露光装置(株式会社三永電機製作所製、商品名:UVE-1001S型露光光源装置、YSH-100SA型超高圧水銀ランプ)を用いて60mJ/cm2の露光強度となるよう、紫外線を塗布板に照射し、235℃で30分間ポストベイクを実施し、評価用塗布板を得た。同様にして、表1、表2又は表4において指定されたx又はyの座標値が評価用組成物と同じ値を持つ、副顔料を含まない評価用組成物1~5の塗布板(対照物)を用意した。
<E/輝度及び色度の測定方法>
各評価用塗布板について、測色計(ミノルタ製CM-3700d)を用いて、輝度値(Yn)及び色度座標(xn,yn)を測定した。さらに、上記対照物との比較値(dY=測定物のY値-対照物のY値、dx=測定物のx値-対照物のx値、dy=測定物のy値-対照物のy値)を算出した。
<F/コントラスト測定方法>
各評価用塗布板を偏光板(株式会社ルケオ製、POLAX-38S)に挟み、ランプ(HF-LS-100WLCG)の上に設置し、偏光板がクロスニコル配置にある時の輝度(Ycn)及びパラレルニコル配置にある時の輝度(Ypn)を、色彩輝度計(コニカミノルタセンシング株式会社製、LS-100)で測定し、コントラスト比(CR)を算出した。さらに、対照物との比較値(CR%;測定物のCR/対照物のCR)を算出した。
<G/分光透過スペクトル測定方法>
主顔料組成物(主顔料分12~15%)を評価色度付近となるような回転数で秒間スピンコート塗布して得られたガラス塗板と、副顔料組成物(副顔料分1%)を1000rpmで1分間スピンコート塗布して得られたガラス塗板を用意した。これらガラス塗板について、紫外可視近赤外吸収スペクトル測定装置(日本分光株式会社製、V-670)を用いて分光透過スペクトルを測定した。そして、主顔料組成物の分光透過スペクトルの外挿透過端(x nm)と、(x-80nm)の波長範囲における平均透過率を算出した。
<H/ヘイズスペクトル測定方法>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)を用い、評価用組成物を2倍希釈した試料を調製した。この試料を、厚さ1mm、100mm角の無アルカリガラス基板上に回転数1000rpmで1分間スピンコート塗布し、測定用ガラス塗板を作製した。積分球ユニット付き紫外可視近赤外吸収スペクトル測定装置(株式会社島津製作所製、SolidSpec-3700)を用いて、全光線透過率(Tt)及び拡散透過率(Td)のスペクトルデータを測定した。そして、各波長における透過率の比(Td/Tt)を計算することにより、ヘイズスペクトルを得た。
Figure 0007212921000003
評価用組成物1と1a~1dはxが0.648;評価用組成物2と2aはxが0.685;評価用組成物3と3a~3bはyが0.500;評価用組成物4と4a~4bはxが0.500;評価用組成物5と5a~5cはxが0.460となるよう、それぞれ回転数が選択された。
表1は、評価用組成物1~5cについて、主顔料、副顔料及び副顔料濃度(質量%)と、(dx,dy)、dY及びCR(%)の測定結果を示す。赤色顔料であるC. I. Pigment Red 254を主顔料とし、カーボンブラック(CB)を副顔料とする評価用組成物1a~1dは、CBを含有しない評価用組成物と比較して、dx及びdyに殆ど変化が認められず、副顔料の混合によっても主顔料の色彩が影響されていないことが示された。CB濃度が0.8質量%の場合にはdY<-2となった。CRは、CB濃度が0.08質量%以上であれば対照よりも10%以上向上した。
赤色顔料であるC. I. Pigment Red 269を主顔料とした評価用組成物2は、CB濃度1.6質量%でもdx及びdyに殆ど変化が認められなかったが、dYは-4.33となった。この場合でも、CRは対照よりも17%向上した。
図1は、C. I. Pigment Red 254及びCBの300nm~800nmにおける透過率(%)を測定したグラフを示す。図2は、C. I. Pigment Red 269及びCBの300nm~800nmにおける透過率(%)を測定したグラフを示す。図1より、主顔料であるC. I. Pigment Red 254の分光透過スペクトルの外挿透過端(x nm)は575nmであることが確認できる。同様に、図2より、主顔料であるC. I. Pigment Red 269の分光透過スペクトルの外挿透過端(x nm)は590nmであることが確認できる。
Figure 0007212921000004
表2は、C. I. Pigment Red 254及びC. I. Pigment Red 269の透過帯域の低波長端X(nm)及びX-80(nm)と、副顔料としてのカーボンブラック(CB)のx-80 (nm)以上x (nm)以下の波長範囲における平均透過率を示す。副顔料であるCBは、平均透過率が59%と75%以下であった。
黄色顔料であるC. I. Pigment Yellow 138を主顔料とし、CBを副顔料とする評価用組成物3a~3cについては、CB濃度0.0004質量%~0.08質量%の範囲ではdx及びdyに殆ど変化が認められず、dY>-2でありながら、CRは若干向上した。しかし、C. I. Pigment Yellow 139及び185を主顔料とした評価用組成物4a~4b、5a~5cについては、CB濃度が0.4質量%以上になれば、CRは向上するがdY<-4となり、主顔料である黄色の色彩に変化が生じた。
副顔料の割合が増加すればCRが向上する反面、色彩が変化する蛍光があることが確認されたが、dY<-2では色彩の変化が大きく、黄色又は赤色カラーフィルタへの利用が好ましくなくなる。副顔料濃度とdY又はCRとをプロットしたグラフから、dY=-2を限度とすると、主顔料が赤色の場合には、副顔料であるCBは0.668質量%以下とすることが好ましいと考察された。また、主顔料が黄色の場合には、副顔料であるCBは0.167質量%以下とすることが好ましいと考察された。
その一方、副顔料濃度が低すぎるとCR向上効果が得られない。対照よりもCRを最低3%向上させつつ、色彩への影響が小さい副顔料濃度範囲としては、(i) 赤色顔料を主顔料、CBを副顔料とする場合には、評価用組成物における副顔料濃度を0.08質量%以上0.668質量%以下とする;(ii) 黄色顔料を主顔料、CBを副顔料とする場合には、評価用組成物における副顔料濃度を0.004質量%以上0.167質量%以下とする:ことが好ましいと判断された。
Figure 0007212921000005
表3は、評価用組成物5~5c、6a~6c、7a~7e及び8aについて、主顔料、副顔料及び副顔料濃度(質量%)と、(dx,dy)、dY及びCR(%)の測定結果を示す。いずれもxが0.460となる回転数が選択された。C. I. Pigment Yellow 135を主顔料とし、C. I. Pigment Red 179を副顔料として使用した場合、副顔料濃度0.4質量%ではdY>-2であり、CRは対照よりも20%向上した。しかし、0.8質量%以上ではdY<-2となり主顔料の色彩が変化した。また、副顔料としてC. I. Pigment Red 57を使用した場合、副顔料濃度1.6質量%でdY<-2となり、CRも対照より14%低下した。
Figure 0007212921000006
表4は、C. I. Pigment Yellow 139及びC. I. Pigment Yellow 185の透過帯域の低波長端X(nm)及びX-80(nm)と、副顔料としてのカーボンブラック(CB)、C. I. Pigment Red 179(R179)、C. I. Pigment Brown 25(Br25)及びC. I. Pigment Red 57(R57)のx-80 (nm)以上x (nm)以下の波長範囲における平均透過率を示す。主顔料と副顔料について、図1及び2と同様に300nm~800nmにおける透過率(%)を測定したグラフから、x(nm)、x-80(nm)を求め、その波長内における平均透過率を算出した。C. I. Pigment Red 57のみ、平均透過率が75%超であり、その他は75%以下であった。
Figure 0007212921000007
評価用組成物5と7aはxが0.460;評価用組成物6と9aはxが0.500;評価用組成物7と10aはxが0.445;評価用組成物8と11aはxが0.443;評価用組成物12aはxが0.467;評価用組成物13aはxが0.476となる回転数が、それぞれ選択された。評価用組成物9は、評価用組成物12aの対照とされる際にはxが0.467となる回転数が選択され、評価用組成物13aの対照とされる際にはxが0.476となる回転数が選択された。
表5は、黄色の主顔料6種類と、副顔料としてC. I. Pigment Brown 25とを含有する評価用組成物について、主顔料、副顔料及び副顔料濃度(質量%)と、(dx,dy)、dY及びCR(%)の測定結果を示す。C. I. Pigment Yellow 180及びC. I. Pigment Yellow 17を主顔料とする評価用組成物12a及び13aは、他の黄色顔料を含有する評価用組成物と異なり、副顔料濃度1.6質量%以上ではdY<-2となり、色彩が変化した。これら以外の評価用組成物は、C. I. Pigment Brown 25濃度3.33質量%以下で色彩の変化が小さく、CRは対照よりも向上した。
表3及び表5の結果から、主顔料が黄色(C. I. Pigment Yellow 180及びC. I. Pigment Yellow 17を除く)の場合には、副顔料であるC. I. Pigment Brown 25は0.0008質量%以上3.33質量%以下とすることが好ましいと考察された。
図3は、評価用組成物5(Y185)及び評価用組成物7b(Y185/Br25)のヘイズスペクトル測定結果を示す。副顔料を含有しない評価用組成物5と比較して、副顔料であるC. I. Pigment Brown 25を含有する評価用組成物7bは、435nm及び468nmにおける散乱が抑制されていることが確認された。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、光学又は電子機器等の技術分野において有用である。

Claims (2)

  1. 黄色である主色素と、該主色素よりも濃色である副色素からなる、カラーフィルタ用色素を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、
    前記主色素がC. I. Pigment Yellow 138及びC. I. Pigment Yellow 185からなる群より選択される1種であり、
    前記副色素がカーボンブラックであり、
    前記カラーフィルタ用色素中の前記副色素濃度が0.004質量%以上0.167質量%以下である
    ラーフィルタ用着色組成物。
  2. 黄色である主色素と、該主色素よりも濃色である副色素からなる、カラーフィルタ用色素を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、
    前記主色素がC. I. Pigment Yellow 74、C. I. Pigment Yellow 139、C. I. Pigment Yellow 150及びC. I. Pigment Yellow 185からなる群より選択される1種であり、
    前記副色素がC. I. Pigment Brown 25であり、
    前記カラーフィルタ用色素中の前記副色素濃度が0.008質量%以上3.34質量%以下である
    ラーフィルタ用着色組成物。
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