JP5938998B2 - カラーフィルタおよび有機el表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カラーフィルタおよび有機EL表示装置に関する。
従来、平面ディスプレイ等の分野において、陽極と陰極との間に有機発光層を挟持して構成された有機EL層を含む有機EL素子が提案されており、その応用研究が盛んに行われている。有機EL素子を備えたディスプレイには、高い輝度を確保しつつ低消費電力を満足させることが要求されている。ディスプレイの輝度を向上させる方法の1つとして、赤色、緑色、青色の発光層をそれぞれ形成し、各発光層から各色の光を取り出すとともに、各色の光を混合して白色光などのその他の色を構成し、これによって輝度を向上させる方法が知られているが、この方法では、十分な輝度を得るには至っていないのが現状である。
このような状況下、特許文献1〜4には、赤色、緑色、青色に白色を加えた4色の副画素を有する画素群で構成する、いわゆるペンタイル方式のディスプレイが提案されている。また、特許文献5には、赤色、緑色、青色の着色層に加えて白色光をそのまま透過させる層を有するカラーフィルタが提案されている。このようなペンタイル方式を採用することで、従来の赤色、緑色、青色の3色フィルタ方式のディスプレイと比較して、高い輝度を確保しながら低消費電力を実現することが可能となる。
ところで、有機EL素子の陽極または陰極の一方は、一般に金属電極から構成されている。このため、有機EL素子を備えた有機EL表示装置においては、外光が陽極または陰極によって反射されることに起因して、コントラストが低下する問題や映り込みが生じる問題がある。特に、上記ペンタイル方式における白色光をそのまま透過する層は、他の着色層と比較して外光反射の度合いが高いことから、コントラストの低下や映り込みの問題が顕著に生ずる。つまり、白色光を透過する層を設けた場合には、輝度の向上を図ることができるが、その一方で、外光反射に起因するコントラストの低下や映り込みの問題が生ずることとなる。換言すれば、輝度の向上と、外光反射の低減とはトレードオフの関係にあるといえる。
外光反射を低減させる方法として、例えば、特許文献6、7には、有機EL素子の観察者側に円偏光板を配置した有機EL表示装置が提案されている。また、特許文献8には、パネル全面の発光領域を除いた領域に外光反射防止用の黒色物質が塗布された保護層を含む有機EL素子が提案されている。
しかしながら、特許文献6〜8に提案されている方法は、外光反射を低減させることはできるものの、有機EL素子から発光される光の透過が妨げられ発光効率が著しく低下しまうという新たな問題が生じうる。発光効率を向上させるためには、有機EL素子の発光強度を高めざるをえず、有機EL素子の短寿命化を引き起こしてしまう。
米国特許第6771028号明細書 米国特許出願公開第2002/0186214号明細書 米国特許出願公開第2004/0113875号明細書 米国特許出願公開第2004/0201558号明細書 特表2007−516564号公報 特開2004−226842号公報 特開2010−243769号公報 特開2005−209651号公報
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、輝度を十分に満足させつつ、外光反射を防止可能なカラーフィルタ、及びこのカラーフィルタを用いた有機EL表示装置を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、カラーフィルタにおいて、基材と、前記基材上に設けられたブラックマトリクス層と、少なくとも2色以上の着色層と、透過率調整層と、を備え、前記着色層は、前記ブラックマトリクス層間に各色毎に設けられ、前記透過率調整層は、前記ブラックマトリクス層間であって、前記着色層が形成されていない部分に設けられており、色の異なる層が積層されており、前記ブラックマトリクス層と同一の材料から形成される層を含むことを特徴とする。
また、前記透過率調整層が、少なくとも前記着色層から選択される2色以上の着色層が積層されてなるものであってもよい。また、前記着色層が、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層からなり、前記透過率調整層が、前記赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層から選択される2以上の着色層が積層されてなるものであってもよい。
また、前記2色以上の着色層は、特定の波長域の光のみを選択的に透過させ、前記透過率調整層は、可視光域の光を波長域に依らず略均一に透過させるものであってもよい。
上記課題を解決するための本発明は、有機EL素子用基板と、前記有機EL素子用基板上に設けられた有機EL層とを有する有機EL素子と、前記有機EL素子に対向するよう配置されたカラーフィルタと、を備える有機EL表示装置であって、前記カラーフィルタは、基材と、前記基材上に設けられたブラックマトリクス層と、少なくとも2色以上の着色層と、透過率調整層と、を備え、前記着色層は、前記ブラックマトリクス層間に各色毎に設けられ、前記透過率調整層は、前記ブラックマトリクス層間であって、前記着色層が形成されていない部分に設けられており、色の異なる層が積層されおり、前記ブラックマトリクス層と同一の材料から形成される層を含むことを特徴とする。
本発明のカラーフィルタや、このカラーフィルタを用いた有機EL表示装置によれば、輝度を十分に満足させつつ、外光反射を防止することができる。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタ10の一例を示す平面図である。 各着色層および透過率調整層における透過スペクトルを示す図である。 本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタを用いた有機EL表示装置において、有機EL素子からの光がカラーフィルタを透過して出射される様子を示す図である。 本発明のカラーフィルタを用いた有機EL表示装置において、外光が反射される様子を示す図である。 本発明の有機EL表示装置の一例を示す図である。 図7の有機EL表示装置の有機EL素子を矢印IIA−IIA方向から見た図である。 本発明の有機EL表示装置の一例を示す図である。 透過光の測定系を示す図である。 実施例、比較例の透過スペクトルを示す図である。 反射光の測定系を示す図である。
<カラーフィルタ>
以下、本発明のカラーフィルタについて図面を用いて具体的に説明する。
図1に示すように、本発明のカラーフィルタ10は、基材11と、基材11上に設けられたブラックマトリクス層12と、少なくとも2色以上の着色層13a、13b、13cと、透過率調整層16とを備えている。また、2色以上の着色層13a、13b、13cは、ブラックマトリクス層12間に各色毎に設けられ、透過率調整層16は、ブラックマトリクス層12間であって、2色以上の着色層13a、13b、13cが形成されていない部分に設けられており、色の異なる層16x、16yが積層されてなる。なお、図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
図2は、本発明のカラーフィルタ10の一例を示す平面図である。図2に示すように、ブラックマトリクス層12はマトリックス状のパターンを有しており、ブラックマトリクス層12によって画定される複数の区画には、着色層13が各色毎に配置され、また、着色層が形成されていない区画には、透過率調整層16が配置されている。
なお、図1に示す形態では、3色の着色層、13a、13b、13cと、色の異なる2層16a、16bが積層された透過率調整層16と、を有しているが、これに限定されることはなく、着色層13は、2色の着色層であってもよく、3色以上の着色層であってもよい。また、透過率調整層16は、色の異なる3層以上の層が積層されていてもよい。以下、本発明のカラーフィルタ10の各構成について具体的に説明する。
(基材)
基材11は、ブラックマトリクス層12、着色層13、透過率調整層16を保持するために設けられ、本発明のカラーフィルタにおける必須の構成である。基材11について特に限定はなく、カラーフィルタの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。なお、基材11は、光出射側に位置するため、光透過性の高い材料を用いることが好ましい。このような材料としては、ガラス、石英、または各種の樹脂等の光透過性の高い材料等を挙げることができる。基材11の厚さは、通常0.1mm〜10.0mm程度である。
(ブラックマトリクス層)
ブラックマトリクス層12は、光を遮蔽する層であり、本発明のカラーフィルタにおける必須の構成である。ブラックマトリクス層12の材料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色着色材を含有する樹脂組成物等が挙げられる。この樹脂組成物に用いられる樹脂としては、例えば、感光性樹脂等を挙げることができる。感光性樹脂はネガ型感光性樹脂であっても、ポジ型感光性樹脂であってもよい。
ブラックマトリクス層12の形成方法について特に限定はないが、上記で例示した黒色着色材を含有する感光性樹脂を適当な溶媒に分散或いは溶解したブラックマトリクス層用塗工液を、基材11上に塗工、乾燥した後に、ブラックマトリクス層用のフォトマスク、例えば、マトリックス状のパターンが開口されたフォトマスクを介して露光・現像することで形成することができる。塗工液の塗工量は、形成しようとするブラックマトリクス層12の厚みに応じて適宜設定することができる。塗工方法についても特に限定はなく、ロールコート法、スピンコート法、ブレードコート法等の従来公知の塗工手段を用いることができる。なお、用いられる感光性樹脂が、ネガ型感光性樹脂である場合には、フォトマスクの開口部に対応する部分のみ樹脂の硬化が進み、硬化されていない部分の感光性樹脂が現像により、除去される。これ以外にも、スパッタンリング法、真空蒸着法等を用いて、ブラックマトリクス層用の薄膜を形成し、この薄膜をパターニングしてブラックマトリクス層12を形成することもできる。
上記では、ブラックマトリクス層12がマトリックス状のパターンを有する例を中心に説明したが、この形態に限定されることはなく、ブラックマトリクス層12がその他のパターンを有していてもよい。例えばブラックマトリクス層12がストライプ状のパターンを有していてもよい。この場合、ブラックマトリクス層12間に設けられる着色層13、および透過率調整層16もストライプ状に形成される。
(着色層)
図2に示すように、ブラックマトリクス層12間、すなわち、ブラックマトリクス層12によって画定される複数の区画には、着色層13が各色毎に配置されている。着色層13は、特定の波長域の光のみを選択的に透過させる層であり、本発明のカラーフィルタにおける必須の構成である。
本発明では、少なくとも2色以上の着色層13が、ブラックマトリクス層12間に設けられていることを必須の条件とするものであり、この条件を具備するものであれば、着色層13の色について特に限定はない。着色層13としては、たとえば、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層等を用いることができる。以下、説明の便宜上、赤色着色層を13a、緑色着色層を13b、青色着色層を13cとする。各着色層13は、各色の顔料や染料等の着色材を感光性樹脂中等に分散或いは溶解させることにより形成されている。
2色以上の着色層13の1つの着色層の一例である赤色着色層13aは、赤色の波長域の光を選択的に透過させる着色層である。赤色着色層13aの着色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
2色以上の着色層13の1つの着色層の一例である緑色着色層13bは、緑色の波長域の光を選択的に透過させる着色層である。緑色着色層13bの着色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
2色以上の着色層13の1つの着色層の一例である青色着色層13cは、青色の波長域の光を選択的に透過させる着色層である。青色着色層13cの着色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
着色層13の形成方法について特に限定はないが、1つの色の着色層(以下、第1の着色層という)を構成する顔料或いは染料を含有する感光性樹脂を適当な溶媒に分散或いは溶解した着色層用塗工液を、ブラックマトリクス層12が形成された基材11上に塗工、乾燥して第1の着色層用塗工層を形成する。次いで、第1の着色層13が形成されるべき領域、すなわちブラックマトリクス層12によって画定される複数の区画のうち、少なくとも1つの区画に位置する第1の着色層用塗工層を露光等によって硬化させ、未硬化部分を現像によって除去することで、基材11上に第1の着色層が形成される。次いで、他の1つの色の着色層(以下、第2の着色層という)を構成する顔料或いは染料を含有する感光性樹脂を適当な溶媒に分散或いは溶解した着色層用塗工液を、ブラックマトリクス層12、及び第1の着色層13が形成された基材11上に塗工、乾燥して第2の着色層用塗工層を形成する。次いで、ブラックマトリクス層12によって画定される複数の区画のうち、上記第1の着色層が形成されていない区画の少なくとも1つの区画に位置する第2の着色層用塗工層を、露光等によって硬化させた後に、未硬化部分の着色層用塗工層を現像によって除去することで、第2の着色層を形成することができる。
以下、ブラックマトリクス層12によって画定される区画に、それぞれ赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13cを形成する場合について、具体的に説明する。なお、以下では、感光性樹脂がネガ型感光性樹脂を用いた場合を例に挙げ、説明を行うが、ポジ型感光性樹脂を用いることもできる。
まずはじめに、基材11上に、上記で例示した赤色の着色材と感光性樹脂を含む赤色着色層用塗工液を基材11上に塗工、乾燥する。次いで、赤色着色層13aが形成されるべき領域に対応する開口を有するフォトマスクを用いて、当該部分に位置する赤色着色層用塗工液を硬化させ、未硬化部分の赤色着色層用塗工液を除去することで、ブラックマトリクス層12間に、赤色着色層13aが形成される。同様にして、ブラックマトリクス層12間であって、赤色着色層13aが形成されていない領域に緑色着色層13bが、ブラックマトリクス層12間であって赤色着色層13a、及び緑色着色層13bが形成されていない領域に青色着色層13cが形成される。
図3は、赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13c、および後述する透過率調整層16における透過スペクトルSR,SG,SBおよびSAを示す図である。図3に示すように、赤色着色層13aの透過スペクトルSRは、赤色の波長域にピークを有するスペクトルとなっている。同様に、緑色着色層13bおよび青色着色層13cの透過スペクトルSG,SBはそれぞれ、緑色および青色の波長域にピークを有するスペクトルとなっている。なお、透過率調整層16の透過スペクトルSA1は、各着色層13の膜厚に対して、膜厚を5%とした、赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cを積層した透過率調整層16の透過スペクトルであり、透過スペクトルSA2は、各着色層13の膜厚に対して、膜厚を10%とした、赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cを積層した透過率調整層16の透過スペクトルである。
(透過率調整層)
図1、図2に示すように、ブラックマトリクス層12間であって、着色層13が形成されていない部分には、透過率調整層16が設けられている。透過率調整層16は、可視光域の光を透過させる層である。例えば、透過率調整層16は、透過率調整層16に入射した白色光が4500〜12000Kの色温度を有する光として出射されるよう構成されている。このような特性を有する透過率調整層16をブラックマトリクス層12間に設けることにより、カラーフィルタ10に2色以上の着色層13のみが設けられている場合に比べて、カラーフィルタ10全体としての透過率を向上させることができる。これによって、該カラーフィルタを用いた画像表示装置において、発光素子の発光強度を過度に高めることなく画像表示装置、例えば、有機EL表示装置の輝度を増加させることができる。このことにより、発光素子、例えば、有機EL素子の素子寿命を長くすることができる。
また、色の異なる2以上の層が積層されてなる透過率調整層16を有する本発明のカラーフィルタ10によれば、白色光をそのまま透過させる層を有するカラーフィルタと比較して、外光反射を低減させることができ、コントラストの低下や、映り込みの発生を制御することができる。つまり、透過率調整層16を有するカラーフィルタによれば、輝度を向上させつつ、外光反射を低減させることができる。
透過率調整層16を構成する色の異なる2以上の層について特に限定はなく、例えば、上記で説明した着色層に含まれる着色材と同一組成の層を積層した構成、たとえば、図4(a)に示すように、赤色着色層13aと同一組成の赤色透過率調整層16a、緑色着色層13bと同一組成の緑色透過率調整層16b、青色着色層13cと同一組成の緑色透過率調整層16cの3層を積層した構成を挙げることができる。また、色の異なる2以上の層のうちの1つの層が、上記で説明したブラックマトリクス層12と同一組成の黒色透過率調整層16dであってもよい。たとえば、図4(b)に示すように、2以上の層のうちの1つの層が、上記黒色透過率調整層16dであり、他の1つの層が、赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cの何れかであってもよい。なお、図4(b)では、透過率調整層16が、黒色透過率調整層16dと、緑色透過率調整層16bとが積層された構成をとっている。また、色の異なる2以上の層のうち1つ、又は2つ以上の層が、上記で説明した着色層13に含まれる着色材とは異なる着色材が含まれる層であってもよい。
透過率調整層16は、可視光域の光を波長域に依らず略均一に透過させる層であることが好ましい。可視光域の光を波長域に依らず略均一に透過させる透過率調整層16としては、たとえば、赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cを積層した構成等を挙げることができる。また、この構成において、各層の厚みを異ならせ、或いは各層に含まれる着色材の濃度を異ならせる等によって、特定の波長領域における色合いを強調させることもできる。また、この構成において、黒色透過率調整層16dを更に積層させた場合には、可視光領域の透過率のバランス調整を図りつつも、外光に対する反射防止効果を高めることができる。なお、黒色透過率調整層16dとともに、又はこれにかえて他の層を積層させることで、透過率のバランス調整を図りつつ、外光に対する反射防止効果を高めることとしてもよい。
なお、可視光領域の光を略均一に透過させるとは、可視光領域全域において透過率が10%以上であることを意味する。換言すれば、可視光領域全域において透過率が10%未満となる波長領域が存在していないことを意味する。例えば、図3に示される、赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cを積層した透過率調整層16の透過スペクトルSA1、透過スペクトルSA2では、可視光領域の全域において透過率は10%以上となっており、可視光領域の光を略均一に透過させているといえる。
上記では、赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cを積層させた透過率調整層16とすることで、可視光領域における光を略均一に透過させる構成としているが、この構成にかえて、以下に例示する種々の態様によって、可視光領域における透過率のバランス調整を図ることや、特定の波長領域における色合いを強調することもできる。
例えば、(A)赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cから選択される2つの層を積層させた透過率調整層16とした場合には、該透過率調整層16を構成する層が透過可能な波長領域の色合いを強調させることができる。また、(B)赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cから選択される1つの層または2つの層と、黒色透過率調整層16dとを積層させた構成とした場合には、上記(A)の効果に加え、黒色透過率調整層16dの存在によって、可視光領域における透過率のバランス調整を図ることや、外光に対する反射防止効果を高めることができる。また、(C)赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16c、黒色透過率調整層16dとは異なる層を用いて、或いは、(D)赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16c、黒色透過率調整層16dから選択される1つ以上の層と、これ以外の層とを組合せて、透過率のバランス調整を図ることや、特定の波長領域における色合いを強調することもできる。また、上記(A)〜(D)の構成において、各層の厚みを異ならせ、或いは各層に含まれる着色材の濃度を異ならせる等により、色合いの強調や、透過率のバランス調整を更に詳細に調整することができる。
透過率調整層16を、上記(A)〜(D)で説明した構成とした場合には、例えば、外光として白色光を用いるときに、透過率調整層16によってホワイトバランスをとることができる点で好ましい。
なお、本発明では、透過率調整層16の可視光域の光の透過率によらず、透過率調整層16が存在している分だけ、透過率調整層16を有しないカラーフィルタよりも、カラーフィルタ10全体の可視光域の光の透過率を向上させることができる。したがって、透過率調整層16の透過率について特に限定はないが、透過率調整層16の透過率は、カラーフィルタ10全体の可視光域全域における平均透過率と、透過率調整層16の外光に対する平均反射率とのバランスを考慮して設定することが望ましい。
具体的には、透過率調整層16の平均透過率が10%未満である場合や、透過率調整層16の平均透過率が90%を超えた場合には、カラーフィルタ10全体の可視光全域に対する平均透過率と、外光に対する反射率とのバランスが悪くなり、輝度の向上と、外光反射の低減との両立を図ることが困難となる場合がある。したがって、この点を考慮すると、透過率調整層16の平均透過率は、10%以上90%以下の範囲内であることが好ましい。また、透過率調整層16の反射率は、50%以下であることが好ましい。反射率の好ましい下限値について限定はなく、0%に近づくほど外光に対する良好な反射防止性能を得ることができる。なお、可視光域の光の平均透過率とは、対象となる要素の透過スペクトルを可視光域全体にわたって平均することにより得られる値である。たとえば、図3に示すような透過率調整層16の透過スペクトルSA1、透過スペクトルSA2を可視光域全域にわたって平均することにより得られる値である。後述する平均反射率についても同様である。
透過率調整層16の平均透過率や平均反射率の調整方法としては、透過率調整層16を構成する色の異なる2以上の層に用いられる着色材や、色の異なる2以上の層の厚み等を適宜設定することで調整することができる。なお、透過率調整層16の膜厚が、ブラックマトリクス層12や、着色層13の膜厚よりも厚い場合には、透過率調整層16の可視光域の光に対する透過率が低下することから、透過率調整層16の膜厚は、ブラックマトリクス層12や、着色層13の膜厚以下であることが好ましい。
また、カラーフィルタ10のブラックマトリクス層12は、一般的に、光の遮蔽率がほぼ100%となるのに必要十分な厚みを有するよう構成されている。このため、透過率調整層16を構成する層として、黒色透過率調整層16dを採用する場合には、その厚みがブラックマトリクス層12の厚みよりも小さくなるにつれて、黒色透過率調整層16dが光を透過させるようになる。したがって、透過率調整層16を構成する層として、黒色透過率調整層16dを採用する場合には、少なくとも、ブラックマトリクス層12よりも、その厚みが薄くなっている。
また、透過率調整層16は、(1)上記赤色着色層13aと同一組成の赤色透過率調整層16a、緑色着色層13bと同一組成の緑色透過率調整層16b、青色着色層13cと同一組成の青色透過率調整層16cから選択される2色以上の着色層が積層されてなるか、(2)赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cから選択される1色以上と、ブラックマトリクス層12と同一組成の黒色透過率調整層16dとが積層された構成をとることが好ましい。特には、(3)赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cが積層された構成をとることが好ましい。
上記(1)や(2)の構成をとる透過率調整層16によれば、ブラックマトリクス層12、着色層13の形成時に、透過率調整層16を同時に形成することができる点で、製造工程上有利である。また、(3)の構成によれば、製造工程上の優位性にくわえ、可視光域の光を波長域に依らず略均一に透過させることができる。上記(3)の好ましい構成としては、赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16cの膜厚が、それぞれ、赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13cの膜厚の5%〜50%の範囲内であることが好ましい。
なお、上記で説明したように、透過率調整層16の膜厚は、ブラックマトリクス層12や、着色層13の膜厚以下であることが好ましい。したがって、ブラックマトリクス層12や、着色層13の形成と同時に、上記(1)〜(3)の形態の透過率調整層16を形成する場合には、透過率調整層16を構成する各層の膜厚は、ブラックマトリクス層12や、着色層13の膜厚以下となるように設定することが好ましい。
透過率調整層16の膜厚を、ブラックマトリクス層12や着色層13の膜厚以下とする方法としては、ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィー法が好適である。例えば、ブラックマトリクス層12や、着色層13を構成する樹脂組成物として、ネガ型感光性樹脂が用いられる場合、ブラックマトリクス層12や着色層13に対応する部分における透過率が透過率調整層16に対応する部分における透過率よりも大きくなっているハーフトーンマスクが用いられる。若しくは、ブラックマトリクス層12や、着色層13を構成する樹脂組成物としてポジ型感光性樹脂が用いられる場合、ブラックマトリクス層12や着色層13に対応する部分における透過率が、透過率調整層16に対応する部分における透過率よりも小さくなっているハーフトーンマスクが用いられる。このようにして、ブラックマトリクス層12や、着色層13の形成とともに、赤色透過率調整層16a、緑色透過率調整層16b、青色透過率調整層16c、或いは黒色透過率調整層16dから選択される2以上の層が積層されてなる透過率調整層16を、ブラックマトリクス層12や、着色層13よりも膜厚が薄くなるように形成することができる。
以下、着色層13と、透過率調整層16とを一体に形成する場合の例を、図5を用いて説明する。なお、図5では、着色層13及び透過率調整層16は、ネガ型感光性樹脂を用いて形成される場合を示す。赤色着色層13用の塗工液を基材11上に塗工、乾燥した後に、図5(a)に示すように、赤色着色層に対応する部分の透過率が、透過率調整層16に対応する部分の透過率が大きいハーフトーンマスクを用いて露光、現像することで、図5(a)に示すように、赤色着色層13aとともに、赤色着色層13aよりも膜厚の薄い、赤色透過率調整層16aが形成する。同様にして、図5(b)に示すように、緑色着色層13bとともに、赤色透過率調整層16a上に緑色着色層13bよりも膜厚の薄い緑色透過率調整層16を積層する。同様にして、図5(c)に示すように、青色着色層13cとともに、赤色透過率調整層16aと緑色透過率調整層16bの積層体上に、青色着色層13cよりも膜厚の薄い青色透過率調整層16cを積層することで、着色層13よりも膜厚が薄い透過率調整層16を、着色層13と同時に形成することができる。
次に、図6を参照して、有機EL表示装置に、本発明のカラーフィルタ10を適用した時に、有機EL素子40からの光がカラーフィルタ10を透過して出射される際の作用、及び、カラーフィルタ10を透過した外光が、有機EL層44によって反射され、その後にカラーフィルタ10を再び透過して観察者に到達する際の作用について説明する。
図6Aには、有機EL層44の有機発光層42から白色光Loutが放射される様子が示されている。有機発光層42から放射された白色光Loutは、赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13cおよび透過率調整層16に入射する。
赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13cに入射した光はそれぞれ、赤色光Lout(R)、緑色光Lout(G),青色光Lout(B)となって赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13cから出射される。一方、透過率調整層16に入射した光は、輝度調整光Lout(A)となって透過率調整層16から出射される。
透過率調整層16は、可視光域の光を透過させる層であることから、輝度調整光Lout(A)により、カラーフィルタ10から出射する光の強度を増加させることができ、これによって、有機EL表示装置50の輝度を増加させることができる。特に、図示する赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13cが積層された透過率調整層16によれば、カラーフィルタ10から出射する光の強度を可視光域のほぼ全域にわたって増加させることができる。
図6Bには、白色光からなる外光Linがカラーフィルタ10に入射される様子が示されている。カラーフィルタ10に入射した外光Linは、はじめに赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13c、及び透過率調整層16に入射する。その後、赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13c、及び透過率調整層16の透過スペクトルに応じてフィルタされた光が、有機EL層44へ向かって赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13c、及び透過率調整層16から出射する。赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13c、及び透過率調整層16から出射した光は、図6Bに示すように、有機EL層44の陽極41により反射されて再び赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13c、及び透過率調整層16に入射する。再び赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13c、及び透過率調整層16に入射した光は、赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13c、及び透過率調整層16の透過スペクトルに応じてフィルタされた後、反射光Lref(R),反射光Lref(G),反射光Lref(B)および反射光Lref(A)となって赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13c、及び透過率調整層16から出射する。
反射光Lref(R),反射光Lref(G),反射光Lref(B)および反射光Lref(A)は、カラーフィルタ10に入射した外光Linが赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13c、及び透過率調整層16をそれぞれ2回透過した後の光となっている。一般に、赤色着色層13a、緑色着色層13b、青色着色層13cの平均透過率は、透過率調整層16の平均透過率に比べて低くなっている。このため、反射光Lref(R),反射光Lref(G).反射光Lref(B)の強度は、反射光Lref(A)の強度に比べて無視できる程度の強度となっている。一方、透過率調整層16の平均透過率が例えば60%となっている場合、反射光Lref(A)の強度は、(0.6)2×Lin=0.36Linとなっている。このように、透過率調整層16に入射した外光Linは、約1/3の強度になるまで減衰させられた後に透過率調整層16から出射する。
本発明では、上記の外光Linのように透過率調整層16を2回透過した光の強度と、当該光が透過率調整層16を透過する前に有していた強度との比を、透過率調整層16の反射率と表現する。従って、上記の外光Linの例においては、透過率調整層16の反射率が36%になっているといえる。
また上記各実施の形態において、有機EL層44の有機発光層42から白色光が放射される例を中心に説明を行ったが、これに限られることはなく、各単位有機EL層44aに対向して設けられたカラーフィルタ10の各着色層13、および透過率調整層16に対応する色の光が、各単位有機EL層44aから放射されてもよい。すなわち、各単位有機EL層44aから放射される光の色が場所に応じて異なっていてもよい。この場合、透過率調整層16に入射される光は白色光となるよう、各単位有機EL層44aが構成される。
<有機EL表示装置>
次に、図7を参照して、本発明の有機EL表示装置50について説明する。なお、図7は、本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。図7に示すように、本発明の有機EL表示装置50は、光を放射する有機EL素子40と、有機EL素子40に対向するよう配置されたカラーフィルタ10と、を備えている。図示する形態では、有機EL素子40とカラーフィルタ10との間は、例えば、樹脂接着剤材からなる封止材49により封止されている。図7に示す有機EL表示装置50において、カラーフィルタ10は、有機EL素子40からの光が放射される側、すなわち観察者側に配置されている。
図8は、図7の有機EL表示装置50の有機EL素子40を矢印IIA−IIA方向から見た図である。図8に示すように、有機EL層44は、各々が有機EL素子40の単位画素に対応する複数の単位有機EL層44aからなっており、各単位有機EL層44aには駆動用配線48が接続されている。
(カラーフィルタ)
カラーフィルタ10は、有機EL素子40に対向するよう配置されている。ここで、本発明の有機EL表示装置50は、有機EL表示装置50を構成するカラーフィルタ10が、上記で説明した本発明のカラーフィルタ10である点を特徴とする。このカラーフィルタ10を備える有機EL表示装置50によれば、有機EL素子40の発光強度を過度に高めることなく有機EL表示装置50の輝度を増加させることができる。また、外光反射を低減させることで、コントラストの低下や、映り込みの発生を制御することができる。なお、カラーフィルタは、上記で説明した本発明のカラーフィルタ10をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
なお図示はしないが、基材11の観察者側の面11a上に、外光の反射を抑制するための反射防止膜が設けられていてもよい。反射防止膜の具体的な形態が特に限られることはなく、所望の反射防止効果を発現することができる様々な膜が用いられ得る。反射防止膜を基材11の観察者側の面11a上に形成する方法としては、反射防止フィルムを接着する方法や、反射防止用材料を塗布する方法などを挙げることができる。
(有機EL素子)
図7に示すように、有機EL素子40は、有機EL素子用基板47と、有機EL素子用基板47上に設けられ、光を放射する有機EL層44と、を有している。なお図示はしないが、有機EL素子用基板47上には、有機EL層44を駆動するためのトランジスタなどの駆動素子が形成されている。すなわち有機EL素子用基板47は、有機EL層44を駆動するための基板、いわゆるTFT基板となっている。
本実施の形態において、有機EL素子40の有機EL層44において発光した光は、有機EL素子用基板47が位置する側とは反対の側へ取り出される。すなわち、有機EL層44からの光は、TFT基板を構成する有機EL素子用基板47の上方から取り出される。このように本実施の形態における有機EL表示装置50は、いわゆるトップエミッション型の有機EL表示装置となっている。
有機EL素子用基板47は、有機EL層44を支持するとともに、外気を遮断することができるものであれば特に限定されるものではないが、安定性、耐久性等が良好なことから、ガラスや透明ポリマーであることが好ましい。
図7に示すように、有機EL層44は、陽極41と、陰極43と、陽極41と陰極43の間に設けられた有機発光層42とを有している。陽極41としては、効率良く正孔を注入できる材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等を使用することが好ましい。一方、陰極43としては、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材料が用いられており、例えば酸化リチウム、炭酸セシウム等が用いられる。有機発光層42としては、所定の電圧を印加することにより発光する蛍光性有機物質を含有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。
なお、陽極41から注入された正孔を有機発光層42に効率的に輸送するため、陽極41と有機発光層42との間に正孔輸送層(図示せず)が設けられていてもよい。正孔輸送層の構成材料として、例えばテトラフェニルベンジジンが挙げられる。さらに、陽極41と正孔輸送層との間に正孔注入層(図示せず)が設けられていてもよい。また、有機発光層42と陰極43との間に、電子注入層(図示せず)や電子輸送層(図示せず)が設けられていてもよい。また、水分を遮蔽するバリア膜(図示せず)が有機EL層44上に設けられていてもよい。
次に、図9を参照して、本発明の有機EL表示装置の他の形態について説明する。なお、図9に示す形態は、有機EL素子がボトムエミッション型である点が異なるのみであり、他の構成は、図7に示す形態と略同一である。
図9に示すように、本実施の形態において、有機EL素子40Aの有機EL層44Aは、有機EL素子用基板47の面のうち観察者側とは反対側の面に配置されている。そして、有機EL層44Aから放射される光は、有機EL素子用基板47を透過してカラーフィルタ10に到達する。すなわち本実施の形態における有機EL表示装置50Aは、いわゆるボトムエミッション型の有機EL表示装置となっている。
有機EL層44Aは、陰極45と、陽極46と、陰極45と陽極46の間に設けられた有機発光層42とを有している。陽極46としては、酸化インジウムスズ化合物(ITO)などの透明電極が用いられる。一方、陰極45としては、電子を注入しやすく、かつ安定性に優れた材料が用いられており、例えばマグネシウム、銀、アルミニウム、銀とリチウムとの合金、マグネシウムと銀との合金、アルミニウムとリチウムとの合金等が用いられる。
本実施の形態においても、カラーフィルタ10を透過した外光が、有機EL層44Aの陰極45によって反射され、その後にカラーフィルタ10を再び透過して観察者に到達する。従って、カラーフィルタ10の透過率調整層16を設けることにより、カラーフィルタ10全体としての透過率を向上させながら、カラーフィルタ10に入射した外光が高い強度を有するままカラーフィルタ10から再び出射するのを防止することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
「透過率の測定」
図10に示すように、観察者側ガラス基板51と、表示部側ガラス基板52と、観察者側ガラス基板51および表示部側ガラス基板52の間に、測定層53として、赤色着色材を含む赤色透過率調整層、緑色着色材を含む緑色透過率調整層、青色着色材を含む青色透過率調整層を、各層の膜厚が0.3μmとなるように積層した透過率調整層を設けた実施例の透過率測定用サンプルA1を準備した。なお、測定層53と表示部側ガラス基板52との間には、マッチングオイルからなる干渉防止層54が設けられている。同様にして、上記実施例の透過率調整層にかえて、測定層53として厚さ1.5μmの透明樹脂層を設けた比較例の透過率測定用サンプルB1を準備した。
観察者側ガラス基板51側から実施例の透過率測定用サンプルA1へ向けて光を照射し、そして、サンプルを透過して表示部側ガラス基板52側から取り出された光の輝度を測定した。そして、観察者側ガラス基板51側からサンプルへ向けて照射した光の輝度に対する、表示部側ガラス基板52側から取り出された光の輝度の比率に基づいて、実施例の透過率測定用サンプルA1の透過率調整層の透過率(%)を算出した。同様にして、比較例の透過率測定用サンプルB1の透明樹脂層の透過率(%)を算出した。なお観察者側ガラス基板51側からサンプルへ向けて光を照射するための光源としては、有機EL素子からなる白色光源を用いた。
実施例の透過率測定用サンプルA1の透過スペクトルを図11(a)に、比較例の透過率測定用サンプルB1の透過スペクトルを図11(b)に示す。なお測定器としては、オリンパス株式会社製のOSP−SP200を用いた。
図11(a)に示すように、透過率測定用サンプルA1では、可視光領域において、一定の透過率を有していることが確認できた。特に、赤色透過率調整層、緑色透過率調整層、青色透過率調整層が積層されてなる透過率調整層が設けられた本実施例では、可視光領域全域において、透過率が50%を下回っておらず、可視光の光を波長領域によらず略均一に透過していることがわかる。
「反射率の測定」
図12に示すように、観察者側ガラス基板51と、反射板55と、観察者側ガラス基板51および反射板55の間に、測定層53として上記透過率調整用サンプルA1で使用した透過率調整層を設けた反射率測定用サンプルA2を準備した。同様して、観察者側ガラス基板51および反射板55の間に、測定層53として上記透過率調整用サンプルB1で使用した透明樹脂層を設けた反射率測定用サンプルB2を準備した。反射板55としては、クロムを有する材料を含む板が用いられており、反射板55の反射率はほぼ100%となっている。測定層53と反射板55との間には、マッチングオイルからなる干渉防止層54が設けられている。
次に、観察者側ガラス基板51側から実施例の反射率測定用サンプルA2へ向けて光を照射し、そして、反射板55により反射されて観察者側ガラス基板51側へ戻ってきた光の輝度(Y)を測定した。同様にして、比較例の反射率測定用サンプルB2についても輝度の測定を行った。なお観察者側ガラス基板51側からサンプルへ向けて光を照射するための光源としては、外光を想定して準備されたC光源を用いた。また、測定器としては、オリンパス株式会社製のOSP−SP200を用いた。
比較例の反射率測定用サンプルB2の輝度(Y)が99.1であるのに対し、実施例の反射率測定用サンプルA2の輝度(Y)は32.1となった。このことより、2色以上の層を積層した透過率調整層を設けた場合には、可視光の光を完全に透過させてしまう層を設けた場合と比較して、外光に対する反射防止効果が図られていることがわかり、本発明の優位性が明らかとなった。
10 カラーフィルタ
11 基材
11a 観察側の面
11b 有機EL素子側の面
12 ブラックマトリクス層
13a 赤色着色層
13b 緑色着色層
13c 青色着色層
16 透過率調整層
40,40A 有機EL素子
41 陽極
42 有機発光層
43 陰極
44,44A 有機EL層
44a 単位有機EL層
45 陰極
46 陽極
47 有機EL素子用基板
48 駆動用配線
49 封止材
50 有機EL表示装置
51 観察者側ガラス基板
52 表示部側ガラス基板
53 測定層
54 干渉防止層
55 反射板

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材上に設けられたブラックマトリクス層と、少なくとも2色以上の着色層と、透過率調整層と、を備え、
    前記着色層は、前記ブラックマトリクス層間に各色毎に設けられ、
    前記透過率調整層は、前記ブラックマトリクス層間であって、前記着色層が形成されていない部分に設けられており、色の異なる層が積層されており、前記ブラックマトリクス層と同一の材料から形成される層を含むことを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記透過率調整層が、少なくとも前記着色層から選択される2色以上の着色層が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記着色層が、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層からなり、
    前記透過率調整層が、前記赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層から選択される2以上の着色層が積層されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のカラーフィルタ。
  4. 前記2色以上の着色層は、特定の波長域の光のみを選択的に透過させ、
    前記透過率調整層は、可視光域の光を波長域に依らず略均一に透過させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のカラーフィルタ。
  5. 有機EL素子用基板と、前記有機EL素子用基板上に設けられた有機EL層とを有する有機EL素子と、前記有機EL素子に対向するよう配置されたカラーフィルタと、を備える有機EL表示装置であって、
    前記カラーフィルタは、
    基材と、前記基材上に設けられたブラックマトリクス層と、少なくとも2色以上の着色層と、透過率調整層と、を備え、
    前記着色層は、前記ブラックマトリクス層間に各色毎に設けられ、
    前記透過率調整層は、前記ブラックマトリクス層間であって、前記着色層が形成されていない部分に設けられており、色の異なる層が積層されており、前記ブラックマトリクス層と同一の材料から形成される層を含むことを特徴とする有機EL表示装置
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