JP4984905B2 - カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ - Google Patents
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また、本発明によれば、着色層を積層させて積層画素部を形成することにより、形成する着色層の膜厚を変化させることで、所望の色味を有する積層画素部を形成することが可能となる。したがって、色再現性に優れたカラーフィルタを製造することができる。
さらに、本発明によれば、画素部の色数よりも少ない数の着色層形成用塗工液を使用して全着色層を形成することから、カラーフィルタを安価に製造することができ、また、製造工程数を減らすことも可能となるため、製造効率を向上させることもできる。
また、本発明によれば、上記積層画素部が2色以上の着色層の積層により形成されることにより、着色層の膜厚を変化させることで、所望の色味を有する積層画素部とすることが可能となるため、色再現性に優れたカラーフィルタとすることができる。
さらに、本発明によれば、積層画素部の少なくとも1色の着色層が、他色の画素部の着色層と同色であることにより、着色層を形成する際に用いられる着色層形成用塗工液の色数を少ないものとすることができるので、安価に製造されたカラーフィルタとすることができ、また、製造工程数を少なくすることが可能となるため、効率よく製造されたカラーフィルタとすることもできる。
まず、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、表面に遮光部が形成された基材の上記遮光部の開口部にフォトリソグラフィー法により着色層を形成する着色層形成工程を有する、赤色、緑色および青色を少なくとも含む4色以上の画素部を備えたカラーフィルタの製造方法であって、上記着色層形成工程は、上記画素部の色数よりも少ない数の上記着色層形成用塗工液を使用して全着色層を形成する工程であり、かつ少なくとも1色が赤色、緑色、および青色から選択された2色以上の着色層を同一の上記遮光部の開口部に積層して形成することにより積層された着色層からなる積層画素部、および、1層の着色層を上記遮光部の開口部に形成することにより単層の着色層からなる単層画素部を形成する工程であることを特徴とするものである。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について、各工程ごとに詳しく説明する。
まず、本発明における着色層形成工程について説明する。本発明における着色層形成工程は、表面に遮光部が形成された基材の前記遮光部の開口部にフォトリソグラフィー法により着色層を形成する工程であって、上記画素部の色数よりも少ない数の上記着色層形成用塗工液を使用して全着色層を形成し、かつ少なくとも1色が赤色、緑色、および青色から選択された2色以上の着色層を同一の上記遮光部の開口部に積層して形成することにより積層された着色層からなる積層画素部、および、1層の着色層を上記遮光部の開口部に形成することにより単層の着色層からなる単層画素部を形成する工程である。
以下、本工程に用いられる着色層形成用塗工液、基材、着色層の形成方法および画素部について分けて説明する。
本工程は、上記画素部の色数よりも少ない数の着色層形成用塗工液を使用して、積層画素部および単層画素部を構成する着色層を形成するものである。本発明においては、積層画素部を構成する着色層の形成に用いられる2色以上の着色層形成用塗工液が、他色の画素部を構成する着色層の形成に用いられることにより、使用する着色層形成用塗工液の色数を画素部の色数よりも少なくすることができる。この際、積層画素部および他色の画素部を構成する着色層の形成に併用される着色層形成用塗工液の色数は、全着色層の形成に必要な着色層形成用塗工液の色数が画素部の色数よりも少なくなるものであれば特に限定されるものではなく、積層画素部を構成する着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液のうち全色であってもよく、またそのうちの何色かであってもよい。なお、他色の画素部を構成する着色層とは、他色の積層画素部を構成する着色層であってもよく、また他色の単層画素部を構成する着色層であってもよい。
本工程に用いられる基材は、表面にパターン状に形成された遮光部を有し、かつ着色層を形成可能なものであれば、特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタを製造する際に用いられる基材と同様とすることができる。また、上記基材表面に形成された遮光部としては、一般的なカラーフィルタに用いられる遮光部と同様とすることができる。
本工程において、上記着色層を形成する方法としては、フォトリソグラフィー法により所定の領域に着色層を形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば積層画素部が形成される積層画素部形成領域と他色の画素部が形成される他色の画素部形成領域とに同色の着色層形成用塗工液を用いて同色の着色層を形成する積層着色層形成工程と、単層画素部が形成される単層画素部形成領域のみに単層の着色層を形成する単層着色層形成工程とに分けて行う方法を用いることができる。
以下、それぞれの工程に分けて説明する。
本工程は、積層画素部が形成される積層画素部形成領域と他色の画素部が形成される他色の画素部形成領域とに同色の着色層形成用塗工液を用いて同色の着色層を形成する工程である。本工程における着色層の形成方法としては、積層画素部が形成される積層画素部形成領域と他色の画素部が形成される他色の画素部形成領域とに着色層形成用塗工液をスピンコート法やダイコート法、印刷法等、一般的な塗布方法で塗布し、露光、現像を行って、着色層を形成する方法とすることができる。この際、必要に応じて塗布された着色層形成用塗工液をプリベーク等してもよい。
本工程は、単層画素部が形成される単層画素部形成領域のみに単層の着色層を形成する工程である。本工程における着色層の形成方法としては、単層画素部形成領域に着色層形成用塗工液を塗布し、露光、現像を行って、着色層を形成する方法とすることができる。
本工程により形成される画素部は、積層画素部および単層画素部により構成されるものあり、積層画素部および単層画素部の示す各色は、赤色、緑色および青色を少なくとも含む4色以上の画素部となるように適宜選択される。このような画素部の色の組み合わせの例を、以下、順に示していく。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述した着色層形成工程以外にも、他の工程を有していてもよい。例えば上記着色層間に遮光部を形成する遮光部形成工程、上記着色層上に透明電極層を形成する透明電極層形成工程等、必要な工程を有していてもよい。上記遮光部形成工程や、透明電極層形成工程等については、一般的なカラーフィルタの製造方法における各工程と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記遮光部の開口部にフォトリソグラフィー法により形成された赤色、緑色および青色を少なくとも含む4色以上の画素部とを有するカラーフィルタであって、上記画素部は、2色以上の着色層を積層してなる積層画素部、および、1層の着色層からなる単層画素部を有し、上記積層画素部の少なくとも1色の着色層が赤色、緑色または青色であり、かつ上記積層画素部の少なくとも1色の着色層が他色の上記画素部の着色層と同色であることを特徴とするものである。
以下、本発明のカラーフィルタについて、各構成に分けて説明する。なお、本発明における基材、遮光部等については、上述した「A.カラーフィルタの製造方法」で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
まず、本発明のカラーフィルタにおける画素部について説明する。本発明における画素部は、上記遮光部の開口部にフォトリソグラフィー法により形成された赤色、緑色および青色を少なくとも含む4色以上の画素部であって、2色以上の着色層を積層してなる積層画素部、および、1層の着色層からなる単層画素部を有し、上記積層画素部の少なくとも1色の着色層が赤色、緑色または青色であり、かつ上記積層画素部の少なくとも1色の着色層が他色の上記画素部の着色層と同色であるものである。ここで、他色の画素部の着色層とは、他色の積層画素部を構成する着色層であってもよく、また他色の単層画素部を構成する着色層であってもよい。
以下、本発明における画素部に含まれる積層画素部および単層画素部について説明する。
本発明における積層画素部は、2色以上の着色層を積層させてなるものであり、少なくとも1色の着色層が赤色、緑色または青色であり、かつ上記積層画素部の少なくとも1色の着色層が他色の上記画素部の着色層と同色であるものである。
本発明における単層画素部は、1色の着色層からなる単層の着色層からなるものである。このような単層画素部の色としては、上記積層画素部の色に応じて決定される。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、上述したような積層画素部、単層画素部、遮光部および基材を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば透明電極層、配向膜、保護層等を必要に応じて有していてもよい。
(遮光部の形成)
厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板上に感光性樹脂組成物(東京応化工業(株)製 CFRR DN−83)をスピンコーティング法により塗布し、100℃で3分間乾燥させ、厚さが約1.5μmの遮光部を形成した。その後、このようにして形成された遮光部を超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、次いで、180℃の雰囲気下で30分間放置することにより加熱処理を施して、着色層を形成すべき領域以外の遮光領域に遮光部(ブラックマトリックス)を形成した。
<赤色着色層形成工程>
上記のようにして遮光部が形成されたガラス基板上に、下記の組成の赤色着色層形成用塗工液をスピンコーティング法により塗布厚さ1.5μmで塗布した後、70℃のオーブン中で3分間乾燥させ、赤色着色層形成用塗工液の塗布膜を形成した。
その後、このようにして形成された赤色着色層形成用塗工液の塗布膜を超高圧水銀ランプを用いて、赤色画素部を形成すべき領域にのみ露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、次いで、180℃の雰囲気下で30分間放置することにより加熱処理を施して、赤色画素部を形成した。
a.赤色着色層形成用塗工液の組成
(1)C.I.Pigment Red 177:6重量部
(2)分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161):3重量部
(3)モノマー(サートマー社製 SR399):4重量部
(4)ポリマーI:5重量部
(5)開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907):2重量部
(6)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:80重量部
*ポリマーIはベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものである。
また、上述した赤色着色層形成工程と同様の方法により、下記の組成の緑色着色層形成用塗工液を用いて、緑色画素部形成領域に対応する部位に通常の開口部(透過部)と、シアン画素部形成領域に対応する部位にハーフトーン部とを設けたフォトマスクを用いて露光し、緑色着色層を形成した。この結果、シアン画素部形成領域に形成された緑色着色層は、緑色画素部形成領域に形成された緑色着色層の1/2の膜厚となった。
b.緑色着色層形成用塗工液の組成
(1)C.I.Pigment Green 36+C.I.Pigment Yellow 150:6重量部
(2)分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161):3重量部
(3)モノマー(サートマー社製 SR399):4重量部
(4)ポリマーI:5重量部
(5)開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907):2重量部
(6)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:80重量部
さらに、上述した赤色着色層形成工程と同様の方法により、下記の組成の青色着色層形成用塗工液を用いて、青色画素部形成領域に対応する部位に通常の開口部(透過部)と、シアン画素部形成領域に対応する部位にハーフトーン部とを設けたマスクを用いて露光し、青色着色層を形成した。この結果、シアン画素部形成領域に形成された青色着色層は、青色画素部形成領域に形成された青色着色層の1/2の膜厚となり、シアン画素部形成領域に形成された緑色及び青色着色層による積層画素部の全体の膜厚は青色画素部、緑色画素部、及び赤色画素部の膜厚と同等となった。
c.青色着色層形成用塗工液の組成
(1)C.I.Pigment Blue 15+C.I.Pigment Violet 23:6重量部
(2)分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161):3重量部
(3)モノマー(サートマー社製 SR399):4重量部
(4)ポリマーI:5重量部
(5)開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907):2重量部
(6)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:80重量部
実施例1と同様に遮光部を形成した後、実施例1で使用した着色層形成用塗工液を用いて、実施例1と同様の手順で赤色画素部、緑色画素部および青色画素部の3色の画素部のみを形成し、カラーフィルタを得た。このカラーフィルタを用いて液晶表示装置を作製したところ、各画素部の表示色単独での色度は下記表1に示す通りとなった(実施例1の赤色画素部、緑色画素部、青色画素部の3色とそれぞれ同等)。また、この3色の画素部によって、色再現可能な範囲は、NTSC比にて約78%となった。
2…遮光部
3R…赤色着色層
3G…緑色着色層
3B…青色着色層
3Y…黄色着色層
B…青色画素部形成領域
C…シアン画素部形成領域
G…緑色画素部形成領域
R…赤色画素部形成領域
Y…黄色画素部形成領域
GY…黄緑色画素部形成領域
Claims (5)
- 表面に遮光部が形成された基材の前記遮光部の開口部にフォトリソグラフィー法により着色層を形成する着色層形成工程を有する、赤色着色層からなる赤色画素部、緑色着色層または青色着色層と黄色着色層とが積層された着色層からなる緑色画素部、および青色着色層からなる青色画素部を少なくとも含む4色以上の画素部を備えたカラーフィルタの製造方法であって、
前記着色層形成工程は、前記画素部の色数よりも少ない数の前記着色層形成用塗工液を使用して全着色層を形成する工程であり、かつ少なくとも1色が赤色、緑色、および青色から選択された2色以上の着色層を同一の前記遮光部の開口部に積層して形成することにより積層された着色層からなる積層画素部、および、1層の着色層を前記遮光部の開口部に形成することにより単層の着色層からなる単層画素部を形成する工程であり、
前記赤色画素部、前記緑色画素部、および前記青色画素部以外の画素部を構成する前記着色層が示す色の色座標が、xy色度図において前記赤色画素部、前記緑色画素部、および前記青色画素部が示す色の色座標同士を結んだ直線よりも外側に位置することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記積層画素部のうち少なくとも1層の着色層の膜厚が、前記単層画素部の着色層の膜厚よりも薄くなるように、透過率が調整されたハーフトーン部を有するフォトマスクを用いて前記両着色層が一括形成されることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記積層画素部を構成する着色層の組み合わせが、青色着色層と緑色着色層との組み合わせ、青色着色層と黄色着色層との組み合わせ、および緑色着色層と黄色着色層との組み合わせから選択される少なくとも一つの組み合わせであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 基材と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記遮光部の開口部にフォトリソグラフィー法により形成された赤色着色層からなる赤色画素部、緑色着色層または青色着色層と黄色着色層とが積層された着色層からなる緑色画素部、および青色着色層からなる青色画素部を少なくとも含む4色以上の画素部とを有するカラーフィルタであって、
前記画素部は、2色以上の着色層を積層してなる積層画素部、および、1層の着色層からなる単層画素部を有し、前記積層画素部の少なくとも1色の着色層が赤色、緑色または青色であり、かつ前記積層画素部の少なくとも1色の着色層が他色の前記画素部の着色層と同色であり、
前記赤色画素部、前記緑色画素部、および前記青色画素部以外の画素部を構成する前記着色層が示す色の色座標が、xy色度図において前記赤色画素部、前記緑色画素部、および前記青色画素部が示す色の色座標同士を結んだ直線よりも外側に位置することを特徴とするカラーフィルタ。 - 前記積層画素部の着色層の組み合わせが、青色着色層と緑色着色層との組み合わせ、青色着色層と黄色着色層との組み合わせ、および緑色着色層と黄色着色層との組み合わせから選択される少なくとも一つの組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ。
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