JP6286916B2 - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置用カラーフィルタおよび有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示装置用カラーフィルタおよび有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置用のカラーフィルタおよびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、自己発色により視認性が高いこと、液晶表示装置と異なり全固体ディスプレイであるため耐衝撃性に優れていること、応答速度が速いこと、温度変化による影響が少ないこと、および視野角が大きいこと等の利点を有することから注目されており、液晶表示装置やプラズマディスプレイに続くフラットパネルディスプレイとして、研究開発、商品化が進められている。なお、以下、エレクトロルミネッセンスをELと略す場合がある。
有機EL表示装置のフルカラー化には、大別して、三色塗り分け方式と色変換方式とカラーフィルタ方式とがある。三色塗り分け方式は赤、緑、青の三色の発光層を用いる方法であり、色変換方式は青色発光層を用いて色変換層を組み合わせる方法であり、カラーフィルタ方式は白色発光層を用いてカラーフィルタを組み合わせる方法である。また、三色塗り分け方式では、色純度を高めるためにカラーフィルタを併用する場合がある。
カラーフィルタを用いた有機EL表示装置において、カラーフィルタでは画素毎に着色層を配置し、有機EL素子では画素毎に発光層を配置し、画素毎にTFT素子により制御駆動している。このような有機EL表示装置においては、ある画素領域の発光層からの光が、隣接する画素領域の着色層に直接入射する、あるいは、その画素領域の着色層を透過して隣接する画素領域の着色層に入射するというような、隣接画素への光漏れが生じ、これが原因で、見る方向によって表示画像の色ずれが発生していた。これは有機EL素子から放射される光に指向性がないためであり、視野角特性に劣るという問題があった。
ここで、一般にカラーフィルタにおいては画素を画定するために着色層間には遮光層が形成されている。そのため、ある画素領域の発光層からの光が、その画素領域の着色層を透過して隣接する画素領域の着色層に入射した場合には、着色層間に位置する遮光層で吸収もしくは反射されるか、あるいは、2つの着色層を透過する際に吸収されるので、ほとんどの光が出射されずに吸収される。したがって、特に、ある画素領域の発光層からの光が、隣接する画素領域の着色層に直接入射することが、表示画像の色ずれに大きく影響している。
さらに近年ではディスプレイの高精細化、高品質化の要求に伴い、ピクセルサイズの縮小、遮光層の線幅の縮小が進められている。その結果、上記のような隣接画素への光漏れが生じやすくなり、品質上、無視できなくなってきた。
なお、特許文献1には、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいて、斜め光による混色を防止するために、ブラックマトリクスを隣り合うカラーフィルタ間に介在させるとともに、高さがカラーフィルタに比べて高くなるように形成することが提案されている。ここで、一般にブラックマトリクスは十分な遮光性を有するものであり、またフォトリソグラフィ法により形成されるものである。しかしながら、カラーフィルタに比べて高さが高いようなブラックマトリクスの場合には、遮光性があり、しかも膜厚が厚いために、露光光が膜の深部まで到達することができず、パターニングが非常に困難である。
特開2010−72513号公報
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特願2012−284636号公報に記載するように、有機EL表示装置に用いられるカラーフィルタにおいて、遮光層を2層形成し、基材上に第1遮光層を設け、着色層上に第2遮光層を設けることで、隣接画素への光漏れを抑制することができることを見出した。
ここで、カラーフィルタにおいて、一般に遮光層は上述のようにフォトリソグラフィ法によりパターン状に形成され、カラーフィルタの製造過程では基材上に位置合わせを行うためのアライメントマークを設ける。上記のように2層の遮光層を形成する場合、第2遮光層をフォトリソグラフィ法によりパターン状に形成する際には、第1遮光層および第2遮光層の位置合わせを行うためにアライメントマークを認識する必要がある。しかしながら、通常、遮光層は十分な遮光性を有するものであることから、上記の場合、第2遮光層の下に位置するアラメントマークを認識することができず、第1遮光層に対して位置合わせを行うことができない。
そのため、第2遮光層は第1遮光層に対して、可視光領域での透過率が高い、あるいは光学濃度が低いことが望ましい。しかしながら、第2遮光層の可視光領域での透過率を高く、あるいは光学濃度を低くすると、第2遮光層の透過率特性によっては波長に応じて透過率が異なるため、正面方向から見たときに対して斜め方向から見たときに表示画像の色ずれが顕著に生じてしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、隣接画素への光漏れを抑制し、表示画像の色ずれを抑制することができる有機EL表示装置用カラーフィルタおよび有機EL表示装置を提供することを主目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された第1遮光層と、上記第1遮光層が形成された上記透明基板上に形成された複数色の着色層と、上記着色層上にパターン状に形成され、上記第1遮光層上に配置された第2遮光層とを有する有機EL表示装置用カラーフィルタであって、上記第2遮光層が、黒色色材と黒色以外の有色色材とを含有する、あるいは透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有することを特徴とする有機EL表示装置用カラーフィルタを提供する。
本発明によれば、第1遮光層および第2遮光層が形成されていることにより、有機EL表示装置に用いた場合には隣接画素への光漏れによる表示画像の色ずれを抑制することが可能である。また本発明によれば、第2遮光層が黒色色材と黒色以外の有色色材とを含有する、あるいは透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有することにより、第2遮光層の透過率特性を調整することができるので、斜め方向から見たときの表示画像の色ずれを効果的に抑制することができる。
上記発明においては、上記第2遮光層の可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内であることが好ましい。第2遮光層の可視光領域での透過率がほぼ均一であれば、斜め方向から見たときの表示画像の色ずれの発生を効果的に抑制することができる。
また本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された第1遮光層と、上記第1遮光層が形成された上記透明基板上に形成された複数色の着色層と、上記着色層上にパターン状に形成され、上記第1遮光層上に配置された第2遮光層とを有する有機EL表示装置用カラーフィルタであって、上記第2遮光層の可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内であることを特徴とする有機EL表示装置用カラーフィルタを提供する。
本発明によれば、第1遮光層および第2遮光層が形成されていることにより、有機EL表示装置に用いた場合には隣接画素への光漏れによる表示画像の色ずれを抑制することが可能である。また本発明によれば、第2遮光層の可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内であることにより、斜め方向から見たときの表示画像の色ずれを効果的に抑制することができる。
上記発明においては、上記第2遮光層の光学濃度が0.5〜1.5の範囲内であることが好ましい。第2遮光層の光学濃度が上記範囲内であることにより、隣接画素からの光漏れを抑制することができるとともに、第2遮光層形成時にアライメントマークを検出することができる。
また本発明は、上述の有機EL表示装置用カラーフィルタと、支持基板上に有機EL素子が形成された有機EL素子基板とが積層されていることを特徴とする有機EL表示装置を提供する。
本発明によれば、上述の有機EL表示装置用カラーフィルタを有することにより、隣接画素への光漏れを抑制し、表示画像の色ずれを抑制することが可能である。
本発明においては、隣接画素への光漏れを抑制し、表示画像の色ずれを抑制することができるという効果を奏する。
本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置の他の例を示す概略断面図である。 色材として1種の黒色色材を含有する遮光層の透過率特性の一例を示すグラフである。 本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタにおける第2遮光層の透過率特性の一例を示すグラフである。 本発明の有機EL表示装置の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタにおける光吸収層の透過率特性の一例を示すグラフである。 本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタにおける光吸収層の透過率と光吸収層を2回通過した外光の透過率との関係を示すグラフである。 実施例および比較例の有機EL表示装置用カラーフィルタにおける第2遮光層の透過率特性を示すグラフである。 従来の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。 色材として1種の黒色色材を含有する第2遮光層を有する有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタおよび有機EL表示装置について詳細に説明する。
A.有機EL表示装置用カラーフィルタ
本発明の有機EL表示装置用カラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された第1遮光層と、上記第1遮光層が形成された上記透明基板上に形成された複数色の着色層と、上記着色層上にパターン状に形成され、上記第1遮光層上に配置された第2遮光層とを有するものであり、第2遮光層の態様に応じて2つの実施態様に大別することができる。以下、各実施態様に分けて説明する。
I.第1実施態様
本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された第1遮光層と、上記第1遮光層が形成された上記透明基板上に形成された複数色の着色層と、上記着色層上にパターン状に形成され、上記第1遮光層上に配置された第2遮光層とを有する有機EL表示装置用カラーフィルタであって、上記第2遮光層が、黒色色材と黒色以外の有色色材とを含有する、あるいは透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有することを特徴とするものである。
ここで、「透過率特性の異なる複数の黒色色材」とは、複数の黒色色材の可視光領域における分光透過率曲線が互いに異なることをいう。また、「可視光領域」とは、波長400nm〜700nmの範囲内をいう。
本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタについて図面を参照しながら説明する。
図1は本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、有機EL表示装置用カラーフィルタ1は、透明基板2と、透明基板2上にパターン状に形成され、画素を画定する第1遮光層3と、第1遮光層3を覆うように形成され、赤色着色層4R、緑色着色層4Gおよび青色着色層4Bが配列された着色層4と、着色層4上にパターン状に形成され、第1遮光層3上に配置された第2遮光層5とを有している。また、第2遮光層5は黒色色材および黒色以外の有色色材、あるいは透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有している。
図2は本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタを有する有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。図2に例示するように、有機EL表示装置10においては、有機EL素子基板11と有機EL表示装置用カラーフィルタ1との間に樹脂20が充填されている。有機EL表示装置用カラーフィルタ1は図1に示す構成と同様である。有機EL素子基板11では、支持基板12上に有機EL素子13が形成されており、有機EL素子13では、支持基板12上に背面電極層14と発光層を含む有機EL層16と透明電極層17とが順に積層され、背面電極層14の間および有機EL層16の間には絶縁層15が形成されている。
ここで、「画素」とは、画像を構成する最小単位である。例えば赤、緑、青の3個の副画素で1個の画素が構成されている場合、本発明においては1個の副画素を画素という。具体的には図2に示すように、有機EL表示装置10は赤色着色層4R、緑色着色層4G、青色着色層4Bで構成される着色層4を有しており、第1遮光層3で画定された画素Pを複数有している。
「画素領域」とは、1個の画素が配置されている領域をいう。例えば赤、緑、青の3個の副画素で1個の画素が構成されている場合、1個の副画素が配置されている領域を画素領域という。具体的には図1に示すように、有機EL表示装置用カラーフィルタ1は赤色着色層4R、緑色着色層4G、青色着色層4Bで構成される着色層4を有しており、第1遮光層3で画定された画素が配置されている画素領域9を複数有している。
本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタは、第1遮光層および第2遮光層が形成されていることにより、隣接画素への光漏れによる表示画像の色ずれを抑制することが可能である。この理由について簡単に説明する。
まず、図14に例示するように、従来の有機EL表示装置用カラーフィルタ101を用いた有機EL表示装置100の場合、画素領域9aの有機EL素子13からの光は、大半は光線L11のように画素領域9aの着色層4Rを透過して出射される。一方、一部は光線L14のように画素領域9aの着色層4Rを透過し、隣接する画素領域9bの着色層4Gをさらに透過し、遮光層103に入射する。また一部は光線L13のように画素領域9aの着色層4Rを透過し、隣接する画素領域9bの着色層4Gに入射して出射される。また一部は光線L12のように隣接する画素領域9bの着色層4Gに直接入射して出射される。
光線L14は、遮光層103に入射するため吸収される。光線L13は、着色層4Rおよび着色層4Gを透過するため、着色層4Rおよび着色層4Gの透過率特性から多くが吸収される。一方、光線L12は、着色層4Gのみを透過するため、本来出射されるべきでない光が着色層4Gの透過率特性で出射されることとなる。このため、特に、このような光線L12が原因で、斜め方向から見たときに表示画像の色ずれが発生していた。
これに対し、図3に例示するように、本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタ1を用いた有機EL表示装置10においては、図14に示す光線L12に相当する光線L2を第2遮光層5で吸収し、図14に示す光線L13に相当する光線L3も第2遮光層5で吸収することができる。このため、斜め方向から見たときの表示画像の色ずれの発生を抑制することができる。なお、図3において光線L1、L4は図14に示す光線L11、L14に相当する。
また本実施態様においては、第2遮光層が黒色色材と黒色以外の有色色材とを含有する、あるいは透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有することにより、第2遮光層の透過率特性を調整することができる。
図4(a)、(b)は色材として1種の黒色色材のみを含有する遮光層の透過率特性の一例を示すグラフであり、図5は本実施態様における第2遮光層の透過率特性の一例を示すグラフである。
色材として1種の黒色色材のみを含有する遮光層の場合、例えば図4(a)に示すような短波長から長波長に向かって透過率が増大する透過率特性や、図4(b)に示すような短波長に極大値をもつ透過率特性になる。そのため、このような遮光層では波長によって遮光の程度が異なってしまう。例えば図15に示す有機EL表示装置100において、第2遮光層105が図4(a)に示すような透過率特性を有する場合には、図15中の矢印で示すように第2遮光層105が長波長の光を透過しやすいため、斜め方向から見たときに表示画像が赤みを帯びる。また、図15に示す有機EL表示装置100において、第2遮光層105が図4(b)に示すような透過率特性を有する場合には、図示しないが第2遮光層105が短波長の光を透過しやすいため、斜め方向から見たときに表示画像が青みを帯びる。このように斜め方向から見たときの表示画像の色ずれが顕著に生じる。
これに対し、本実施態様においては第2遮光層が黒色色材だけでなく黒色以外の有色色材を含有する、あるいは透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有するため、第2遮光層の透過率特性を調整することができる。例えば図5に示すように長波長と短波長とで可視光領域での透過率をほぼ均一にすることができる。そのため、例えば図6に示す有機EL表示装置10において、第2遮光層5が図5に示すような透過率特性を有する場合には、図6中の矢印で示すように第2遮光層5が可視光領域をほぼ均一に遮光するため、斜め方向から見たときの表示画像の色ずれの発生を効果的に抑制することができる。
よって本実施態様においては、視野角特性を改善することが可能である。
以下、本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタにおける各構成について説明する。
1.第2遮光層
本実施態様における第2遮光層は、透明基板上に形成された着色層上にパターン状に形成され、第1遮光層上に配置されるものであり、有機EL表示装置用カラーフィルタの最表面に配置されるものである。
(1)材料
以下、第2遮光層が黒色色材と黒色以外の有色色材とを含有する第1態様と透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有する第2態様とに分けて説明する。
(第1態様)
本態様の第2遮光層は黒色色材と黒色以外の有色色材とを含有するものである。黒色色材と黒色以外の有色色材とは透過率特性が異なっており、第2遮光層が黒色色材と黒色以外の有色色材とを含有することにより、第2遮光層の透過率特性を調整することができる。黒色以外の有色色材としては種々の有色色材を選択可能であることから、第2遮光層の透過率特性を容易に調整することができる。
黒色色材と黒色以外の有色色材との組み合わせとしては、黒色色材の透過率特性等に応じて適宜選択される。
ここで、図4(a)、(b)に黒色色材の透過率特性の一例を示す。図4(a)に示す透過率特性では長波長の光の透過率が短波長の光の透過率よりも高いため、斜め方向から見たときに赤みを帯びる傾向にある。そのため、第2遮光層がこのような透過率特性を示す黒色色材を含有する場合には、青色色材、緑色色材、紫色色材等の短波長の光の透過率が長波長の光の透過率よりも高い有色色材をさらに含有させることにより、第2遮光層の可視光領域での透過率を均一にすることができ、斜め方向から見たときの色ずれを効果的に抑制することができる。一方、図4(b)に示す透過率特性では短波長の光の透過率が長波長の光の透過率よりも高いため、斜め方向から見たときに青みを帯びる傾向にある。そのため、第2遮光層がこのような透過率特性を示す黒色色材を含有する場合には、赤色色材等の長波長の光の透過率が短波長の光の透過率よりも高い有色色材をさらに含有させることにより、第2遮光層の可視光領域での透過率を均一にすることができ、斜め方向から見たときの色ずれを効果的に抑制することができる。
例えば、黒色色材がカーボンブラックの場合、カーボンブラックは図4(a)に示すような透過率特性を有することから、黒色以外の有色色材としては、短波長の光の透過率が長波長の光の透過率よりも高い有色色材を用いることが好ましく、具体的には青色色材、緑色色材、紫色色材が好ましい。これらの有色色材は1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。また、透過率特性の調整のために、上記の有色色材に加えて赤色色材をさらに含有させてもよい。具体例としては、カーボンブラックおよび青色色材の組み合わせ、カーボンブラック、青色色材および緑色色材の組み合わせ、カーボンブラック、青色色材、緑色色材および赤色色材の組み合わせ、カーボンブラックおよび紫色色材の組み合わせ、カーボンブラック、青色色材および紫色色材の組み合わせが挙げられる。中でも、カーボンブラックおよび青色色材の組み合わせが好ましい。赤、緑、青のうち青が長波長領域の透過率抑制効果が最も大きいため、カーボンブラックおよび青色色材を含有する第2遮光層は遮光性がさらに向上すると考えられる。
また、黒色色材がチタンブラックの場合、チタンブラックは図4(b)に示すような透過率特性を有することから、黒色以外の有色色材としては、長波長の光の透過率が短波長の光の透過率よりも高い有色色材を用いることが好ましく、具体的には赤色色材が好ましい。具体例としては、チタンブラックおよび赤色色材の組み合わせ、チタンブラック、青色色材および紫色色材の組合せ、チタンブラックおよび紫色色材の組合せが挙げられる。中でも、チタンブラックおよび赤色色材の組み合わせが好ましい。赤、緑、青のうち赤が短波長領域の透過率抑制効果が最も大きいため、チタンブラックおよび赤色色材を含有する第2遮光層は遮光性がさらに向上すると考えられる。
黒色色材としては、カラーフィルタの遮光層に一般に使用されるものを挙げることができ、顔料および染料のいずれも用いることができる。例えば、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
黒色以外の有色色材としては、所定の透過率特性を満たす第2遮光層を形成可能なものであればよく、例えば、赤、緑、青、黄、橙、紫等の各色の有色色材を挙げることができる。有色色材は顔料および染料のいずれも用いることができる。
有色色材は1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。また、有色色材は1色の有色色材を用いてもよく2色以上の有色色材を混合して用いてもよい。
赤色色材としては、例えば、カラーインデックス(C.I.)番号が付されているものとして、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276が挙げられる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、81、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254、265、さらに好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、254を挙げることができる。
緑色色材としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58が挙げられる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36、58を挙げることができる。
青色色材としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79が挙げられる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、さらに好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。
紫色色材としては、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、32等が挙げられる。
第2遮光層中の黒色色材の含有量としては、黒色色材が色材の主成分であればよく、例えば3質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましく、中でも4質量%〜18質量%の範囲内、特に5質量%〜15質量%の範囲内であることが好ましい。
また、第2遮光層中の黒色以外の有色色材の含有量としては、所定の透過率特性を有する第2遮光層が得られれば特に限定されるものではなく、所望の透過率特性に応じて適宜選択される。例えば1質量%〜8質量%の範囲内であることが好ましく、中でも1質量%〜6質量%の範囲内、特に1質量%〜4質量%の範囲内であることが好ましい。
第2遮光層としては、例えばバインダ樹脂中に色材を分散させたものが用いられる。
バインダ樹脂は、第2遮光層の形成方法に応じて適宜選択される。フォトリソグラフィ法の場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。また、印刷法やインクジェット法の場合、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、第2遮光層には、必要に応じて光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等が含有されていてもよい。
(第2態様)
本態様の第2遮光層は透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有するものである。第2遮光層が透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有することにより、第2遮光層の透過率特性を調整することができる。色材として複数の黒色色材のみを含有する第2遮光層は、膜厚を比較的薄くしても所定の透過率特性を満たす第2遮光層を形成することができるので、有機EL表示装置用カラーフィルタ表面において第2遮光層による凹凸を小さくすることができる。
複数の黒色色材の組み合わせとしては、透過率特性が互いに異なるものであればよく、所望の透過率特性に応じて適宜選択される。なお、黒色色材については上記第1態様と同様である。具体的には、カーボンブラックおよびチタンブラックの組み合わせが挙げられる。
第2遮光層中の複数の黒色色材の各含有量としては、所望の透過率特性に応じて適宜調整される。例えばカーボンブラックとチタンブラックとを混合する場合、第2遮光層中のカーボンブラックの含有量は2質量%〜9質量%の範囲内であることが好ましく、中でも3質量%〜7質量%の範囲内、特に4質量%〜7質量%の範囲内であることが好ましい。
なお、第2遮光層の他の材料については、上記第1態様と同様である。
(2)特性
第2遮光層は、可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内であることが好ましく、中でも8%以内であることが好ましい。可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が上記範囲内であれば、長波長の光も短波長の光もほぼ一定の透過率で第2遮光層を透過するため、斜め方向から見たときの色ずれを効果的に抑制することができる。
また、第2遮光層の可視光領域での最大透過率をTmax、最小透過率をTmin、平均透過率をTaveとしたとき、下記式(1)および(2)に示す関係を満たすことが好ましい。
Tmin>Tave−5% (1)
Tmax<Tave+5% (2)
上記式を満たす場合には、上述のように長波長の光も短波長の光もほぼ一定の透過率で第2遮光層を透過するため、斜め方向から見たときの色ずれを効果的に抑制することができる。
第2遮光層の可視光領域での平均透過率は、第1遮光層の可視光領域での平均透過率よりも高いことが好ましい。
図7(a)〜(d)は本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。なお、詳しくは後述する。第2遮光層をパターニングする際には、第1遮光層上に第2遮光層を配置するために、図7(c)〜(d)に例示するようにアライメントマーク8を利用して位置合わせを行う。この際、第2遮光層5の可視光領域での平均透過率が第1遮光層3の可視光領域での平均透過率よりも高いことにより、アライメントマーク8を検出することができる。一方、従来のように第2遮光層が第1遮光層と同様に十分な遮光性を有しているとアライメントマークを検出することができない。したがって、第2遮光層の可視光領域での平均透過率が第1遮光層の可視光領域での平均透過率よりも高いことにより、第1遮光層および第2遮光層の位置合わせを精度良く行うことができ、位置ずれを抑制し、位置ずれによる開口率の低下を抑えることができる。
なお、第2遮光層では、ある画素領域の有機EL素子からの光のうち、少なくとも、表示画像の色ずれに大きな影響を及ぼすような、隣接する画素領域の着色層に直接入射する光を遮ることができればよいので、可視光領域での平均透過率が高くてもかまわない。
第2遮光層の可視光領域での平均透過率としては、具体的に5%〜25%の範囲内であることが好ましく、中でも10%〜25%の範囲内であることが好ましい。第2遮光層の平均透過率が低すぎると、第2遮光層をパターニングする際にアライメントマークを検出しにくくなり位置合わせを行うことが困難になる。また、第2遮光層の平均透過率が高すぎると、隣接画素からの光漏れを防ぐことが困難になる場合がある。なお、第2遮光層の平均透過率が低い場合でも、アライメントマークを検出する際に照射する光の強度を調整することによりアライメントマークを検出することは可能である。
ここで、「可視光領域」とは、波長400nm〜700nmの範囲内をいう。
透過率の測定方法としては、サンプル基板(透明基板)の透過率をリファレンス(100%)として、第2遮光層の透過率を測定する方法を採用することができる。装置としては、紫外・可視分光光度計(例えば日立U-4000等)、またはフォトダイオードアレイを検出器としている装置(例えば大塚電子MCPD等)を用いることができる。可視光領域での最大透過率および最小透過率は波長400nm〜700nmの範囲内における透過率のうち最大値および最小値であり、可視光領域での平均透過率は波長400nm〜700nmの範囲内における透過率を平均した値である。
第2遮光層の光学濃度は、第1遮光層の光学濃度よりも低いことが好ましい。上述のように第2遮光層をパターニングする際に、第2遮光層の光学濃度が第1遮光層の光学濃度よりも低いことにより、アライメントマークを検出することができる。一方、従来のように第2遮光層が第1遮光層と同様に十分な遮光性を有しているとアライメントマークを検出することができない。したがって、第2遮光層の光学濃度が第1遮光層の光学濃度よりも低いことにより、第1遮光層および第2遮光層の位置合わせを精度良く行うことができ、位置ずれを抑制し、位置ずれによる開口率の低下を抑えることができる。
なお、第2遮光層では、ある画素領域の有機EL素子からの光のうち、少なくとも、表示画像の色ずれに大きな影響を及ぼすような、隣接する画素領域の着色層に直接入射する光を遮ることができればよいので、光学濃度が低くてもかまわない。
第2遮光層の光学濃度としては、具体的に0.5〜1.5の範囲内であることが好ましく、中でも0.7〜1.3の範囲内であることが好ましい。第2遮光層の光学濃度が高すぎると、第2遮光層をパターニングする際にアライメントマークを検出しにくくなり位置合わせを行うことが困難になる。また、第2遮光層の光学濃度が低すぎると、隣接画素からの光漏れを防ぐことが困難になる場合がある。なお、第2遮光層の光学濃度が高い場合でも、アライメントマークを検出する際に照射する光の強度を調整することによりアライメントマークを検出することは可能である。
ここで、光学濃度は、例えば、分光測色計により測色し、分光のY値から光学濃度を算出することができる。分光測色計としては、OLYMPUS(株)社製、分光測色計を用いることができる。
第2遮光層の透過率特性や光学濃度を調整する方法としては、例えば、第2遮光層に含まれる色材の種類を選択する方法、第2遮光層中の色材の含有量を調整する方法、第2遮光層の膜厚を調整する方法等が挙げられる。
(3)その他
第2遮光層の膜厚は、所定の透過率特性を満たせば特に限定されるものではなく、例えば0.1μm〜1.5μmの範囲内で設定することができる。第2遮光層の膜厚を調整することにより、第2遮光層の透過率特性および光学濃度を調整することができる。
第2遮光層の幅としては、第1遮光層上に第2遮光層が配置されていれば特に限定されるものではなく、第1遮光層の幅と同じであってもよく、第1遮光層の幅よりも小さくてもよく、第1遮光層の幅よりも大きくてもよい。中でも、第2遮光層の幅は第1遮光層の幅と同じである、または、第2遮光層の幅は第1遮光層の幅よりも大きいことが好ましく、特に、第2遮光層の幅は第1遮光層の幅よりも大きいことが好ましい。図8に例示するように第2遮光層5の幅が第1遮光層3の幅よりも大きい場合には、本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合に、第2遮光層によって、ある画素領域の有機EL素子からの光のうち、隣接する画素領域の着色層に直接入射する光だけでなく、その画素領域の着色層を通過して隣接する画素領域の着色層に入射する光も吸収することができ、斜め方向から見たときの表示画像の色ずれの発生を効果的に抑制することができる。また、第1遮光層上に第2遮光層を配置する際に位置合わせを容易に行うことができる。なお、通常、第2遮光層は第1遮光層よりも光学濃度が低いので、幅が大きくても開口率を大きく低下させることはない。また、第1遮光層によって、ある画素領域の有機EL素子からの光のうち、その画素領域の着色層を通過して隣接する画素領域の着色層に入射する光の大半を吸収することができるので、第1遮光層の幅が第2遮光層の幅よりも小さくてもかまわない。
第2遮光層の開口部の形状は第1遮光層の開口部の形状と同一であればよく、例えばストライプ形状、くの字形状、デルタ配列等のように着色層の配列を変えたものも挙げられる。
第2遮光層の形成方法としては、第1遮光層上に第2遮光層を配置可能な方法であればよいが、フォトリソグラフィ法が好ましい。なお、第2遮光層の形成方法については、詳しくは後述の有機EL表示装置用カラーフィルタの製造方法の項に記載するので、ここでの説明は省略する。
2.第1遮光層
本実施態様における第1遮光層は、透明基板上にパターン状に形成されるものである。
第1遮光層としては、例えばバインダ樹脂中に黒色色材を分散させたものが用いられる。なお、黒色色材およびバインダ樹脂については、上記第2遮光層と同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、第1遮光層には、必要に応じて光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等が含有されていてもよい。
第1遮光層の光学濃度は第2遮光層の光学濃度よりも高ければよいが、好ましくは2. 0以上、より好ましくは4. 0以上である。
第1遮光層の膜厚は、カラーフィルタにおける一般的な遮光層の膜厚と同様とすることができ、例えば0.5μm〜2.0μmの範囲内で設定することができる。
第1遮光層の開口部の形状は特に限定されるものではなく、例えばストライプ形状、くの字形状、デルタ配列等のように着色層の配列を変えたものも挙げられる。
第1遮光層の形成方法としては、透明基板上に第1遮光層をパターン状に形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法を挙げることができる。
3.着色層
本実施態様における着色層は、上記第1遮光層が形成された透明基板上に形成され、複数色の着色層を有するものである。
着色層は、例えば赤、緑、青の3色の着色層を有する。着色層の色としては、赤、緑、青の3色を少なくとも含むものであればよく、例えば、赤、緑、青の3色、赤、緑、青、黄の4色、または、赤、緑、青、黄、シアンの5色等とすることもできる。
着色層は、例えば色材をバインダ樹脂中に分散させたものである。
色材としては、各色の顔料や染料等を挙げることができる。赤色着色層に用いられる色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。緑色着色層に用いられる色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。青色着色層に用いられる色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料や染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
着色層には、光重合開始剤や、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有させてもよい。
着色層の配列は特に限定されるものではなく、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができる。
隣接する着色層の間には隙間があってもよく無くてもよいが、中でも隙間が無いほうが好ましい。
また、着色層が形成されている同一平面上には、上記色材を含有せず、上記バインダ樹脂を含有し、有機EL素子からの光を透過する白色層が形成されていてもよい。例えば、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層および白色層が形成されている場合、表示時に赤、緑、青の3色の画素のうち少なくとも1色の画素が点灯しないため、隣接画素への光漏れが生じやすい。これに対し本実施態様においては、隣接画素への光漏れを抑制することができるため、白色層が形成されている場合に特に有用である。
着色層の膜厚は、カラーフィルタにおける一般的な着色層の膜厚と同様とすることができ、例えば1μm〜5μmの範囲内で設定することができる。
着色層の形成方法としては、複数色の着色層を同一平面上に配列可能な方法であればよく、例えばフォトリソグラフィ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。
白色層の膜厚および形成方法は、着色層と同様である。
4.透明基板
本実施態様における透明基板は、上記の第1遮光層、着色層、第2遮光層等を支持するものである。
透明基板としては、一般的にカラーフィルタに用いられているものを用いることができ、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する樹脂基板等を挙げることができる。中でも無機基板を用いることが好ましく、無機基板の中でもガラス基板を用いることが好ましい。さらには、ガラス基板の中でも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、表示装置用のカラーフィルタに好適に用いることができるからである。
5.その他の構成
本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタは、上記の透明基板、第1遮光層、着色層および第2遮光層以外に、必要に応じて他の構成を有していてもよい。
(1)保護層
本実施態様においては、図9に例示するように、着色層4上に保護層6が形成されていてもよい。この場合、第2遮光層は有機EL表示装置用カラーフィルタの最表面に配置されることから、保護層上に形成される。保護層により、平坦化や下地の安定化を図ることができ、また第2遮光層を形成し易くすることができる。
保護層の材料としては、着色層が形成された面を平坦化することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般にカラーフィルタに用いられる保護層と同様とすることができ、有機材料および無機材料のいずれも用いることができる。保護層が無機材料から構成される場合には、バリア性能を確保でき、第2遮光層形成時に下地として安定化できる。
保護層の膜厚および形成方法としては、一般にカラーフィルタに用いられる保護層と同様とすることができる。
(2)光吸収層
本実施態様においては、図10に例示するように、画素領域9に光吸収層7が形成されていてもよい。光吸収層により、混色防止作用の他に、外光反射の低減に加えて表示輝度の低下防止を達成することができる。この場合、第2遮光層は有機EL表示装置用カラーフィルタの最表面に配置されることから、光吸収層上に形成される。
光吸収層としては、例えばバインダ樹脂中に色材が分散されたものが挙げられる。
色材としては、例えば黒色色材が挙げられる。また、光吸収層は主な色材と色調整用の色材とを含有していてもよい。主な色材としては黒色色材、色調整用の色材としては青色色材を挙げることができる。なお、黒色色材および青色色材については、上記第2遮光層と同様である。
バインダ樹脂としては、上記の第1遮光層、第2遮光層、着色層と同様である。
光吸収層では、主な色材の濃度調整により、光吸収層を透過する光の強度を調整でき、また色調整用の色材を適宜含有させることにより、表示時の可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)全体にわたり光吸収層の透過率のバラツキが少ないフラットな透過率特性を容易に得ることができる。具体的には、主な色材としてのカーボンブラックの濃度を調整することにより、図11に例示するように種々の透過率を容易に得ることができる。
なお、図11では、光吸収層の透過率の値を横軸で表し、光吸収層の透過率の値に対応した光吸収層を2回通過した場合の透過率を縦軸で表しており、三角印は、カーボンブラック濃度を調整して測定して得た光吸収層の透過率(横軸)と、対応する吸収層を2回通過した場合の透過率(縦軸)を示している。
また、色調整用の顔料の含有量を調整することにより、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)にわたりフラットに近い透過率特性を容易に得ることができる。光吸収層は、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)において、フラットに近い透過率特性のほうが光吸収層を設けたことによる色ずれは小さく、表示時の透過光の色ずれ、外光反射の色ずれを小さくすることができる。
例えば、図12に示すフラットに近い透過率特性を有する光吸収層を用いた場合、光吸収層を設けたことによる色ずれの問題はない。
例えば、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)において、光吸収層の透過率特性をフラットで60%とした場合、光吸収層を2回通過する光は、実質60%の60%で36%となる。また、表示時の光は、光吸収層を1回通過して出射されるため、光吸収層による透過光の低下は1回で済み、例えば、光吸収層の透過率を60%とすれば、光吸収層の1回通過による透過光の低下は、実質60%となる。
したがって、本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタを有機EL表示装置に用いた場合には、外光反射を抑制することができる。また、外光反射を抑制するために有機EL表示装置の前面に円偏光板を配置する場合には外光反射を低減するだけでなく表示時の光も低減してしまうが、光吸収層では表示時の光の低下を抑制することができ、円偏光板を設ける場合と比較して表示時に明るくすることができる。
光吸収層の透過率としては、外光反射を低減することができ、かつ、表示時の光を多くすることができるという点で、C光源の場合、平均透過率が45%〜95%の範囲内であることが好ましい。
ここで、「平均透過率」とは、光吸収層の透過率を可視光領域全域にわたる透過率が略フラットで、可視光領域全域にわたる透過率を平均することにより得られる値である。具体的に、OLYMPUS(株)社製の顕微分光装置OSP−SP2000を用いて透過スペクトルを測定し、得られた透過スペクトルより下記(3)式より、XYZ表色系のYの値が求められるが、実質的には平均透過率はこのYの値に相当する。
なお、式(3)においては、P(λ)は、光源の分光組成、y(λ)は、XYZ表示系における等色関数の1つ、τ(λ)は、ここでは、物体の分光透過率である。
特に、光吸収層が可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)全体にわたり透過率のバラツキが少ないフラットな透過率特性を有する場合、光吸収層を設けたことによる表示時の色ずれを少ないものとできる。
光吸収層の形成位置としては、光吸収層が着色層および第2遮光層の間に形成され、着色層を覆うように形成されていてもよく、光吸収層が透明基板および第1遮光層の間に形成され、透明基板の全面に形成されていてもよい。
光吸収層の形成方法としては、フォトリソグラフィ法(ダイコート法、スピンコート法)、インクジェット法等が挙げられるが、通常はフォトリソグラフィ法が用いられる。
光吸収層の膜厚は、塗工性や外光反射低減の面から、0.3μm以上であることが好ましい。
(3)散乱層
本実施態様においては、着色層上に散乱層が形成されていてもよい。散乱層によって観察者の見る方向による視差を改善できる。この場合、第2遮光層は有機EL表示装置用カラーフィルタの最表面に配置されることから、散乱層上に形成される。また、光吸収層が形成されている場合には、光吸収層上に散乱層が形成される。
6.有機EL表示装置用カラーフィルタの製造方法
本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタの製造方法は、第1遮光層および第2遮光層の位置合わせを行うことができる方法であれば特に限定されるものではないが、透明基板上にパターン状の第1遮光層およびアライメントマークを形成する第1遮光層形成工程と、上記第1遮光層および上記アライメントマークが形成された上記透明基板上に複数色の着色層を形成する着色層形成工程と、上記着色層が形成された上記透明基板の全面に第2遮光層を形成し、上記アライメントマークを用いて上記第2遮光層をパターニングし、上記第1遮光層に上記第2遮光層を配置する第2遮光層形成工程とを有することが好ましい。
図7(a)〜(d)は本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程である。まず、図示しないが、透明基板2の全面に遮光膜を形成し、フォトリソグラフィ法によりパターニングして、図7(a)に示すように第1遮光層3およびアライメントマーク8を一括形成する第1遮光層形成工程を行う。次に、図7(b)に示すように、赤色着色層4R、緑色着色層4Gおよび青色着色層4Bをそれぞれパターン状に形成し、着色層4を得る着色層形成工程を行う。次に、図7(c)に示すように着色層4が形成された透明基板2の全面に第2遮光層5を形成し、フォトリソグラフィ法によりパターニングして、図7(d)に示すように第1遮光層3上に第2遮光層5を配置する第2遮光層形成工程を行う。
第2遮光層形成工程では、第1遮光層3および第2遮光層5の位置合わせを行うためにアライメントマーク8を利用する。この際、第2遮光層5の可視光領域での平均透過率が第1遮光層3の可視光領域での平均透過率よりも高い、あるいは第2遮光層5の光学濃度が第1遮光層3の光学濃度よりも低いことにより、アライメントマーク8を検出することができる。一方、従来のように第2遮光層が第1遮光層と同様に十分な遮光性を有しているとアライメントマークを検出することができない。したがって本実施態様においては、第1遮光層および第2遮光層の位置合わせを精度良く行うことが可能である。
以下、本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
(1)第1遮光層形成工程
本実施態様においては、透明基板上にパターン状の第1遮光層およびアライメントマークを形成する第1遮光層形成工程を行う。
なお、第1遮光層の形成方法については、上記第1遮光層の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
アライメントマークの材料は第1遮光層の材料と同一であってもよく異なっていてもよい。アライメントマークが第1遮光層と同一の材料からなる場合には、第1遮光層およびアライメントマークを一括形成することができ、工程数を削減することができる。
(2)着色層形成工程
本実施態様においては、上記第1遮光層および上記アライメントマークが形成された上記透明基板上に複数色の着色層を形成する着色層形成工程を行う。
なお、着色層の形成方法については、上記着色層の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
(3)第2遮光層形成工程
本実施態様においては、上記着色層が形成された上記透明基板の全面に第2遮光層を形成し、上記アライメントマークを用いて上記第2遮光層をパターニングし、上記第1遮光層に上記第2遮光層を配置する第2遮光層形成工程を行う。
透明基板の全面に第2遮光層を形成する方法としては、例えば色材がバインダ樹脂に溶解または分散された第2遮光層用組成物を塗布する方法を挙げることができ、具体的にはスピンコート法、ダイコート法等が挙げられる。
第2遮光層のパターニング方法としては、アライメントマークを利用する方法であればよく、フォトリソグラフィ法が用いられる。アライメントマークを検出する際に照射する光の強度は、第2遮光層の光学濃度に応じて適宜調整される。
(4)その他の工程
本実施態様においては、上記の第1遮光層形成工程、着色層形成工程および第2遮光層形成工程以外に、必要に応じて他の構成を形成する工程を行ってもよい。なお、他の構成については、上述したのでここでの説明は省略する。
7.用途
本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタは、白色発光層を有する有機EL表示装置および赤、青、緑の3色の発光層を有する有機EL表示装置に用いることができる。中でも、本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタは、白色発光層を有する有機EL表示装置に好適である。
II.第2実施態様
本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された第1遮光層と、上記第1遮光層が形成された上記透明基板上に形成された複数色の着色層と、上記着色層上にパターン状に形成され、上記第1遮光層上に配置された第2遮光層とを有する有機EL表示装置用カラーフィルタであって、上記第2遮光層の可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内であることを特徴とするものである。
本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタは、上記第1実施態様と同様に、第1遮光層および第2遮光層が形成されていることにより、隣接画素への光漏れによる表示画像の色ずれを抑制することが可能である。
また本実施態様においては、第2遮光層の可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内であることにより、斜め方向から見たときの表示画像の色ずれを効果的に抑制することが可能である。
従来の遮光層は、例えば図4(a)に示すような短波長から長波長に向かって透過率が増大する透過率特性や、図4(b)に示すような短波長に極大値をもつ透過率特性を有しており、このような場合において可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%を超える場合には、波長によって遮光の程度が異なってしまう。例えば図15に示す有機EL表示装置100において、第2遮光層105が図4(a)に示すような透過率特性を有する場合には、図15中の矢印で示すように第2遮光層105が長波長の光を透過しやすいため、斜め方向から見たときに表示画像が赤みを帯びる。また、図15に示す有機EL表示装置100において、第2遮光層105が図4(b)に示すような透過率特性を有する場合には、図示しないが第2遮光層105が短波長の光を透過しやすいため、斜め方向から見たときに表示画像が青みを帯びる。このように斜め方向から見たときの表示画像の色ずれが顕著に生じる。
これに対し、本実施態様においては第2遮光層の可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内であるため、例えば図5に示すように長波長と短波長とで可視光領域での透過率を均一にすることができる。そのため、例えば図6に示す有機EL表示装置10において、第2遮光層5が図5に示すような透過率特性を有する場合には、図6中の矢印で示すように第2遮光層5が可視光領域をほぼ均一に遮光するため、斜め方向から見たときの表示画像の色ずれの発生を効果的に抑制することができる。
よって本実施態様においては、視野角特性を改善することが可能である。
なお、透明基板、第1遮光層、着色層、その他の構成、有機EL表示装置用カラーフィルタの製造方法、および用途については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本実施態様の有機EL表示装置用カラーフィルタにおける他の構成について説明する。
1.第2遮光層
本実施態様における第2遮光層は、透明基板上に形成された着色層上にパターン状に形成され、第1遮光層上に配置されるものであり、有機EL表示装置用カラーフィルタの最表面に配置されるものである。また、第2遮光層の可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内である。
第2遮光層は、可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内であり、好ましくは8%以内である。可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が上記範囲内であれば、長波長の光も短波長の光もほぼ一定の透過率で第2遮光層を透過するため、斜め方向から見たときの色ずれを効果的に抑制することができる。
なお、第2遮光層の透過率特性については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
第2遮光層としては、例えばバインダ樹脂中に色材を分散させたものが用いられる。
色材としては、上記の透過率特性を満たす第2遮光層を形成可能なものであればよく、例えば、黒色色材の他、赤、緑、青、黄、橙、紫等の各色の有色色材を用いることができる。色材は顔料および染料のいずれも用いることができる。
色材は1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。また、色材は1色の色材を用いてもよく2色以上の色材を混合して用いてもよい。
2色以上の色材を混合する場合、複数色の色材の組み合わせとしては、所望の透過率特性等に応じて適宜選択される。例えば、上記第1実施態様の第1態様における黒色色材と黒色以外の有色色材との組み合わせが挙げられる。また、黒色以外の有色色材を複数色混合してもよい。例えば、赤色色材、青色色材および緑色色材の組み合わせ、青色色材、緑色色材および紫色色材の組合せが挙げられる。
一方、1色の色材を用いる場合であって、2種以上の色材を混合する場合、色材の組み合わせとしては、所望の透過率特性等に応じて適宜選択される。例えば、上記第1実施態様の第2態様における透過率特性の異なる複数の黒色色材の組み合わせが挙げられる。
中でも、第2遮光層は少なくとも黒色色材を含有することが好ましい。第2遮光層によって隣接画素からの漏れ光を効果的に吸収することができる。また、カーボンブラックやチタンブラックをピグメント(顔料)としてバインダ樹脂中に分散させたものは、膜厚を比較的薄くしても所定の透過率特性を満たす第2遮光層を形成することができるので、有機EL表示装置用カラーフィルタ表面において第2遮光層による凹凸を小さくすることができる。有機EL表示装置用カラーフィルタ表面の凹凸が大きい場合、有機EL素子基板と有機EL表示装置用カラーフィルタとを貼り合わせる際に使用する樹脂接着剤が均一に塗れ広がらず、ムラを生じさせる場合がある。
また、第2遮光層が黒色色材を含有する場合、透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有することも好ましい。
また、第2遮光層は少なくとも青色色材を含有することが好ましい。赤、緑、青のうち青が最もY値(心理物理量)が小さいため、青色色材を含有する第2遮光層は遮光性がさらに向上すると考えられる。
第2遮光層中の各色の色材の含有量としては、所望の透過率特性が得られるように適宜調整される。
なお、各色の色材およびバインダ樹脂については、上記第1実施態様に記載したので、ここでの説明は省略する。
第2遮光層の光学濃度、膜厚、幅、形状、形成方法等、その他の点については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
B.有機EL表示装置
本発明の有機EL表示装置は、上述の有機EL表示装置用カラーフィルタと、支持基板上に有機EL素子が形成された有機EL素子基板とが積層されていることを特徴とするものである。
図2は本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。なお、図2に示す有機EL表示装置については、上記「A.有機EL表示装置用カラーフィルタ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、上述の有機EL表示装置用カラーフィルタを有することにより、隣接画素への光漏れを抑制し、表示画像の色ずれを抑制することが可能である。
なお、有機EL表示装置用カラーフィルタについては、上記「A.有機EL表示装置用カラーフィルタ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明の有機EL表示装置における他の構成について説明する。
1.有機EL素子基板
本発明における有機EL素子基板は、支持基板上に有機EL素子が形成されたものである。
以下、有機EL素子基板における各構成について説明する。
(1)支持基板
本発明における支持基板は有機EL素子を支持するものである。
本発明においては有機EL表示装置用カラーフィルタから光を取り出すため、支持基板は透明であってもよく不透明であってもよい。支持基板としては、上記有機EL表示装置用カラーフィルタの透明基板と同様とすることができる。
(2)有機EL素子
本発明における有機EL素子は、陽極および陰極の間に発光層を含む有機EL層が形成されたものであり、例えば、支持基板上にパターン状に形成された背面電極層と、背面電極層の開口部に形成された絶縁層と、背面電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、有機EL層上に形成された透明電極層とを有することができる。
有機EL素子は、白色を発光するものであってもよく、赤色、緑色、青色等の各色を発光するものであってもよいが、白色を発光するものであることが好ましい。白色発光タイプの有機EL表示装置は隣接画素への光漏れによる表示画像の色ずれが生じやすいため、本発明の構成が有用である。
以下、有機EL素子における各構成について説明する。
(a)有機EL層
有機EL層は、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層を有するものである。発光層以外の有機EL層を構成する有機層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等を挙げることができる。正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合が多い。また、有機EL層を構成する有機層としては、正孔ブロック層や電子ブロック層のような正孔もしくは電子の突き抜けを防止し、さらに励起子の拡散を防止して発光層内に励起子を閉じ込めることにより、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。有機EL層の構成としては、一般的な構成であればよく、発光層のみ、正孔注入層/発光層、正孔注入層/発光層/電子注入層、正孔注入層/正孔ブロック層/発光層/電子注入層、正孔注入層/発光層/電子輸送層等を例示することができる。
発光層は白色発光層であってもよく、複数色の発光層を有していてもよいが、白色発光層であることが好ましい。上述のように、白色発光タイプの有機EL表示装置は隣接画素への光漏れによる表示画像の色ずれが生じやすいため、本発明の構成が有用である。白色発光層に用いられる発光材料は単一の化合物で構成されることはほとんどなく、一般的には2つないし3つの色の異なる発光材料が用いられる。この場合、白色発光層の発光スペクトルは、各色の発光材料のスペクトルを併せた形となる。
有機EL層を構成する各層の材料および形成方法等については、一般的な有機EL素子と同様とすることができる。
(b)透明電極層および背面電極層
透明電極層および背面電極層は、発光層に電圧を印加し、発光層で発光を起こさせるために設けられるものであり、一方が陽極、他方が陰極である。背面電極層は支持基板および有機EL層の間に形成され、透明電極層は有機EL層上に形成される。
透明電極層および背面電極層の材料および形成方法等については、一般的な有機EL素子と同様とすることができる。
2.その他の構成
本発明の有機EL表示装置は、上記の有機EL表示装置用カラーフィルタおよび有機EL素子基板以外に、必要に応じて他の構成を有していてもよい。
(1)封止構造
本発明の有機EL表示装置の封止構造は特に限定されるものではないが、中でも、有機EL素子基板と有機EL表示装置用カラーフィルタとの間に樹脂が充填された固体封止であることが好ましい。
樹脂としては、一般的に有機EL素子に用いられるものを使用することができ、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、上記有機EL表示装置用カラーフィルタにおける着色層に用いられるバインダ樹脂と同様のもの、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。感光性樹脂には、光重合開始剤や、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等が添加されていてもよい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ化合物を用いたもの、熱ラジカル発生剤を用いたものが挙げられる。エポキシ化合物としては、カルボン酸やアミン系化合物等により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。熱ラジカル発生剤としては過硫酸塩、ヨウ素等のハロゲン、アゾ化合物、および有機過酸化物からなる群から選択される少なくとも一種であり、より好ましくはアゾ化合物または有機過酸化物である。アゾ化合物としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス−[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、および2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)などが挙げられ、有機過酸化物としては、ジ(4−メチルゼンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルエキサネート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボネート、t−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタネート、およびジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
(2)絶縁層
本発明においては、支持基板上にパターン状に形成された背面電極層の開口部に絶縁層が形成されていてもよい。絶縁層は、隣接する背面電極層間で導通したり、透明電極層および背面電極層間で導通したりするのを防ぐために形成されるものである。
絶縁層の材料および形成方法等については、一般的な有機EL素子と同様とすることができる。
(3)シール剤
本発明の有機EL表示装置はシール剤で封止されていてもよい。シール剤は、有機EL表示装置用カラーフィルタおよび有機EL素子基板の周縁部に形成され、有機EL素子を封止するものである。シール剤としては、有機EL素子が大気中の水分等と接触するのを抑制することができるものであればよく、有機EL表示装置に一般的に用いられるものを使用することができる。
3.用途
本発明の有機EL表示装置の用途としては、高精細なディスプレイに好適であり、例えば、モバイル機種のノートパソコンや多機能端末機器(高機能端末機器ともいう)等のモバイル電子機器用が挙げられる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[製造例]
(1)硬化性樹脂組成物Aの調製
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、さらに100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、さらにメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、およびハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物Aとした。
<硬化性樹脂組成物Aの組成>
・ 上記共重合樹脂溶液(固形分50%) :16重量部
・ ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
:24重量部
・ オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) :4重量部
・ 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン :4重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :52重量部
(2)黒色顔料分散液Bの調製
下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液Bを調製した。
<黒色顔料分散液Bの組成>
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :20重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :75重量部
上記の樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E)は、平均粒径25nmであった。なお、粒径は、例えば、日機装社製のレーザードップラー散乱光解析粒度分析計(商品名「Microtrac934UPA」)を用い、組成物に含まれる溶剤(希釈溶剤と呼ぶ)で希釈し、組成物の顔料粒径の累積が50%を占める粒径を50%平均粒径とし、その値を測定して求めた。
(3)黒色顔料分散液Cの調製
下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液Cを調製した。
<黒色顔料分散液Cの組成>
・ チタンブラック(三菱マテリアル社製 13M−C) :50重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :10重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :40重量部
(4)青色分散液の調製
下記の青色分散液を準備した。
<青色分散液の組成>
・ C.I.ピグメントブルー15:6 :7重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :4重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :89重量部
(5)紫色分散液の調製
下記の紫色分散液を準備した。
<紫色分散液の組成>
・ C.I.ピグメントバイオレット23 :7重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :4重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートル :89重量部
(6)緑色分散液の調製
下記の緑色分散液を準備した。
<緑色分散液の組成>
・ C.I.ピグメントグリーン58 :7重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :4重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートル :89重量部
(7)赤色分散液の調製
下記の赤色分散液を準備した。
<赤色分散液の組成>
・ C.I.ピグメントレッド177 :7重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :4重量部
・ プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートル :89重量部
[実施例1]
図1に例示する有機EL表示装置用カラーフィルタを作製した。下記に示すように、まず、上記の光硬化性の硬化性樹脂組成物Aを調製し、この硬化性樹脂組成物Aを用いて、着色層形成用の赤色硬化性樹脂組成物、緑色硬化性樹脂組成物および青色硬化性樹脂組成物と、第1遮光層形成用の硬化性樹脂組成物および第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物とを調製した。次いで、これらを用いて、硬化性樹脂組成物毎にフォトリソグラフィ法を行い、各色着色層と第1遮光層および第2遮光層とを形成した。
ここでは、第1遮光層3を形成した後、赤色着色層4R、緑色着色層4G、青色着色層4Bをそれぞれフォトリソ工程で形成した。
(第1遮光層の形成)
下記に示すように、第1遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィ法により、ガラス基板(旭硝子社製、AN材)上に形成膜厚が1.5μmとなるように第1遮光層を形成した。
まず、下記分量の成分を十分混合して、第1遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
<第1遮光層形成用の硬化性樹脂組成物の組成>
・ 黒色顔料分散液B :43重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :19重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :38重量部
次に、ガラス基板の一面に、上記第1遮光層形成用の硬化性樹脂組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、遮光性樹脂層を形成した。この遮光性樹脂層を、遮光性樹脂層から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプでパターン状に露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像した。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して、第1遮光層を所定形状に形成した。
(着色層の形成)
次に、以下のようにして、各色の着色層を形成した。
(1)赤色着色層の形成
第1遮光層がパターン状に形成された基板上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kwの超高圧水銀ランプを用いて赤色着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を230℃の雰囲気下に15分間放置することにより、加熱処理を施してパターン状の赤色着色層を表示用領域に形成した。形成膜厚は2.0μmとなった。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントレッド177 :3重量部
・ C.I.ピグメントレッド254 :4重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :23重量部
・ 酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
(2)緑色着色層の形成
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色着色層の形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにしてパターン状の緑色着色層を表示用領域に形成した。
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントグリーン58 :7重量部
・ C.I.ピグメントイエロー138 :1重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :22重量部
・ 酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
(3)青色着色層の形成
次に、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色着色層の形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにしてパターン状の青色着色層を表示用領域に形成した。
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントブルー15:6 :4重量部
・ C.I.ピグメントバイオレット23:1重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :25重量部
・ 酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
(第2遮光層の形成)
まず、下記分量の成分を十分混合して、第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
<第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物の組成>
・ 黒色顔料分散液B :8.86重量部
・ 青色分散液 :10.85重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :38.74重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :41.56重量部
次に、上記のようにして着色層を形成した基板上に、上記第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し、乾燥膜厚1.3μmの遮光性樹脂層を形成した。遮光性樹脂層から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて第2遮光層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。露光の際のマスクアライメント動作は問題なく実施できた。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、遮光性樹脂層の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を230℃の雰囲気中に15分間放置することにより加熱処理を施して第2遮光層を形成した。
このようにして有機EL表示装置用カラーフィルタを作製した。
[実施例2]
下記のようにして第2遮光層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置用カラーフィルタを作製した。
(第2遮光層の形成)
下記の第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の工程で、形成膜厚が1.3μmとなるようにして第2遮光層を形成した。露光の際のマスクアライメント動作は問題なく実施できた。
<第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物の調製>
下記分量の成分を十分混合して、第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 黒色顔料分散液B :9.11重量部
・ 青色分散液 :8.68重量部
・ 緑色分散液 :0.72重量部
・ 紫色分散液 :0.72重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :38.77重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :41.99重量部
[実施例3]
下記のようにして第2遮光層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置用カラーフィルタを作製した。
(第2遮光層の形成)
下記の第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の工程で、形成膜厚が1.3μmとなるようにして第2遮光層を形成した。露光の際のマスクアライメント動作は問題なく実施できた。
<第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物の調製>
下記分量の成分を十分混合して、第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 黒色顔料分散液C :4.40重量部
・ 赤色分散液 :4.70重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :39.25重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :51.64重量部
[実施例4]
下記のようにして第2遮光層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置用カラーフィルタを作製した。
(第2遮光層の形成)
下記の第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の工程で、形成膜厚が1.3μmとなるようにして第2遮光層を形成した。露光の際のマスクアライメント動作は問題なく実施できた。
<第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物の調製>
下記分量の成分を十分混合して、第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 黒色顔料分散液B :6.81重量部
・ 青色分散液 :6.49重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :40.80重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :45.90重量部
[実施例5]
下記のようにして第2遮光層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置用カラーフィルタを作製した。
(第2遮光層の形成)
下記の第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の工程で、形成膜厚が1.3μmとなるようにして第2遮光層を形成した。露光の際のマスクアライメント動作は問題なく実施できた。
<第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物の調製>
下記分量の成分を十分混合して、第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 黒色顔料分散液B :5.74重量部
・ 黒色顔料分散液C :3.44重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :38.54重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :52.28重量部
[比較例1]
下記のようにして第2遮光層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置用カラーフィルタを作製した。
(第2遮光層の形成)
下記の第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の工程で、形成膜厚が1.3μmとなるようにして第2遮光層を形成した。露光の際のマスクアライメント動作は問題なく実施できた。
<第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物の調製>
下記分量の成分を十分混合して、第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 黒色顔料分散液B :12.65重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :39.24重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :48.10重量部
[比較例2]
下記のようにして第2遮光層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置用カラーフィルタを作製した。
(第2遮光層の形成)
下記の第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の工程で、形成膜厚が1.3μmとなるようにして第2遮光層を形成した。露光の際のマスクアライメント動作は問題なく実施できた。
<第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物の調製>
下記分量の成分を十分混合して、第2遮光層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 黒色顔料分散液C :6.71重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :37.44重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :55.84重量部
[比較例3]
第2遮光層を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置用カラーフィルタを作製した。
[評価]
図2に例示するように、作製された有機EL表示装置用カラーフィルタ1と、有機EL素子形成板11とを、絶縁性の樹脂20を挟んで所定の間隔(4μm程度)で積層して、有機EL表示装置を作製した。
実施例1〜5および比較例1〜3の各有機EL表示装置用カラーフィルタを用いた有機EL表示装置について、第2遮光層の光学濃度、平均透過率、最大透過率と最小透過率の差、第2遮光層形成時のマスクアライメント動作、視差(斜め方向から見たときの色ずれ)を評価した。
膜厚、光学濃度および透過率は第2遮光層形成時の同一の作製条件にてガラス基板上に遮光層を形成し、測定を行なった。マスクアライメント動作は着色層形成時のアライメント動作と同様にできた場合を「○」、できなかった場合を「×」とした。視差は目視で評価し、有機EL表示装置を正面から見た場合と斜め方向から見た場合の色ずれが認識されない場合を「○」、わずかに色ずれが認識される場合を「△」とし、色ずれが認識される場合を「×」とした。結果を表1および図13に示す。
1 … 有機EL表示装置用カラーフィルタ
2 … 透明基板
3 … 第1遮光層
4 … 着色層
4R … 赤色着色層
4G … 緑色着色層
4B … 青色着色層
5 … 第2遮光層
8 … アライメントマーク
9、9a、9b … 画素領域
10 … 有機EL表示装置

Claims (4)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板上にパターン状に形成された第1遮光層と、
    前記第1遮光層が形成された前記透明基板上に形成された複数色の着色層と、
    前記着色層上にパターン状に形成され、前記第1遮光層上に配置された第2遮光層と
    を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置用カラーフィルタであって、
    前記第2遮光層が、黒色色材と黒色以外の有色色材とを含有する、あるいは透過率特性の異なる複数の黒色色材を含有し、
    前記第2遮光層の可視光領域での平均透過率が5%〜25%の範囲内であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置用カラーフィルタ。
  2. 前記第2遮光層の可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置用カラーフィルタ。
  3. 透明基板と、
    前記透明基板上にパターン状に形成された第1遮光層と、
    前記第1遮光層が形成された前記透明基板上に形成された複数色の着色層と、
    前記着色層上にパターン状に形成され、前記第1遮光層上に配置された第2遮光層と
    を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置用カラーフィルタであって、
    前記第2遮光層の可視光領域での最大透過率および最小透過率の差が10%以内であり、
    前記第2遮光層の可視光領域での平均透過率が5%〜25%の範囲内であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置用カラーフィルタ。
  4. 請求項1から請求項までのいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置用カラーフィルタと、
    支持基板上に有機エレクトロルミネッセンス素子が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子基板と
    が積層されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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