JP2009186657A - 染料顔料複合型カラーフィルタ及び有機elディスプレイ - Google Patents

染料顔料複合型カラーフィルタ及び有機elディスプレイ Download PDF

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徳久 守谷
Akio Sonehara
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Abstract

【課題】色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL素子を備えた有機ELディスプレイの長寿命化と製造コストの低減を実現できる、透過率が高く、色純度に優れた表示を可能にする染料顔料複合型カラーフィルタを提供する。
【解決手段】透明基材1と、透明基材1上に所定のパターンで設けられた赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3Bとを有し、赤色着色層3R及び緑色着色層3Gが顔料色素を含み、青色着色層3Bが染料色素を含むカラーフィルタを構成して上記課題を解決する。この染料顔料複合型カラーフィルタと、赤色発光層23R、緑色発光層23G及び青色発光層23Bを有する3色塗り分け方式の有機EL発光体20とを貼り合わせて有機ELディスプレイを構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、染料顔料複合型カラーフィルタ及び有機ELディスプレイに関する。
近年、次世代型のディスプレイとして、エレクトロルミネッセンス(以下EL)素子で構成されたELディスプレイが期待されている。EL素子には無機EL素子と有機EL素子とがあり、いずれのEL素子も自己発光性であるために視認性が高く、また完全固体素子であるために耐衝撃性に優れるとともに取り扱いが容易であるという利点がある。このため、グラフィックディスプレイの画素やテレビ画像表示装置の画素、あるいは面光源等としての研究開発及び実用化が進められている。
有機EL素子は、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層とトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層、又は、発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層、又は、正孔注入層と発光層と電子注入層、のいずれかの積層形態を2つの電極(発光面側の電極は透明電極になる。)間に介在させてなる構造体である。こうした有機EL素子は、発光層に注入された電子と正孔とが再結合するときに生じる発光を利用するものである。このため、有機EL素子は、発光層の厚さを薄くすることにより、例えば4.5Vという低電圧での駆動が可能で応答も速いといった利点や、輝度が注入電流に比例するために高輝度のEL素子を得ることができるといった利点等を有している。また、発光層とする蛍光性の有機固体の種類を変えることにより、青、緑、黄、赤の可視域すべての色で発光が得られている。有機EL素子は、このような利点、特に低電圧での駆動が可能であるという利点を有していることから、現在、実用化のための研究が進められている。そして、携帯電話の表示部分等、製作上での難易度が比較的低い小型のディスプレイでは、一部実用化がなされている。
有機EL素子におけるカラー表示の方式としては、(1)青色、赤色、緑色等の各色の発光材料を成膜する3色塗り分け方式、(2)青色発光する発光層と、青→緑及び青→赤にそれぞれ色変換する色変換層(CCM層)とを組合せて3色を発色させるCCM方式、(3)白色発光する発光層と、青色、赤色、緑色等のカラーフィルタとを組み合わせる方式、等が挙げられる。このうち、発光効率の点からは、(1)の3色塗り分け方式が最も有力であり、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等に実用化されている。
これらの有機EL素子においては、電極が金属系材料からなることから、周囲が明るい環境での使用を想定した場合、外光反射により表示コントラストが著しく低下するといった問題があった。そのため、A.有機EL素子のマンサイド側に円偏光板を貼付する、B.カラーフィルタを適用する、C.無彩色もしくは無彩色に近い色目で着色する(所謂ティント処理を施す)、といった種々の対策がとられている。ここで、Aの円偏光板を貼付する場合は、原理的に外光反射が完全に(外光の入射角度にもよるが)抑えられるものの、有機EL素子からの発光もその半分以上が円偏光板により吸収され、必ずしも効率が良いとは言えないものであった。一方、Bのカラーフィルタを適用した場合は、円偏光板を用いた場合に比較して外光反射の抑止効果が劣るものの、有機EL素子からの発光色の色目調整が可能となるといった優れた効果を発揮する。有機EL素子の発光自体による色純度の向上には限界があることから、こうした色目調整機能は非常に有効と言える。特に3色塗りわけ方式の有機EL素子とカラーフィルタとの組み合わせは、発光効率、色純度、外光反射防止のバランスの点から最も優れており、実際に商品化もされている。
現在、有機EL素子においては、長寿命化が大きな課題となっている。有機EL素子では、有機物である発光体に電流を流して発光させ、さらにその電流値を高めることにより高輝度化が可能となる。そのため、高輝度で発光させようとした場合や輝度を一定に保つ必要が生じた場合のように、電流値を高くしなければならない事態が生じた場合には、発光体自身の劣化が避けられず、素子の寿命が縮まることになる。したがって、光が発光体から出射された後は、周辺部材による光吸収をなるべく低く抑えることが電流値を抑制し、ひいては長寿命化につながる。このことからも、有機EL素子から発光した光の多くを吸収する円偏光板を用いるものよりも、上記の3色塗り分け方式の有機EL素子とカラーフィルタとを組み合わせるものの方が好ましい。
3色塗り分け方式の有機EL素子とカラーフィルタとを組み合わせた有機ELディスプレイにおいて、有機EL素子を構成する青色発光体は、緑色発光体や赤色発光体に比較して寿命が短く、その青色発光体の寿命がディプレイ全体の寿命を左右している。そのため、特に青色での発光を減衰しないようなパネルを構成することは、有機ELディスプレイ自体の長寿命化に直接つながる。
一方、カラーフィルタは、現在、耐光性と耐熱性に優れる顔料分散型のカラーフィルタが一般的に用いられている。顔料自体は元々は光透過性ではないため、光透過性を付与するために分散剤の存在下で顔料粒子を100nm前後に微細化して用いられる。こうした顔料を用いた顔料分散型のカラーフィルタは、液晶ディスプレイのカラー化で広く使用されていることもあり、現在までに多くの色調が開発されており、選択の自由度が確保できている。前述の3色塗りわけ方式の有機EL素子でも、工業生産的な観点から、この顔料分散型のカラーフィルタが適用されている。
特開2000−309726号公報
ところで、上記のパネル構成の観点から、特に3色塗りわけ方式の有機EL素子とカラーフィルタとの組み合わせを見た場合、上記した青色光を可能な限り減衰しないようにしたカラーフィルタを用いることができれば、緑色発光体や赤色発光体に比べて寿命が短いとされる青色発光体の使用可能期間を長くすることができ、長寿命化を実現できる。そのため、青色画素におけるカラーフィルタの透過率を高くすることが望ましいと言える。
しかし、青色画素については、現在使用可能な顔料系で最も透過率に優れる顔料を適用しても、十分な透過率が確保できているとは言えないものであった。
一方、染料は分子レベルでバインダーに溶解するため、色材として染料を用いたカラーフィルタは、顔料を用いたカラーフィルタに比べて着色層の透過率を高くすることができるが、そうした染料は、耐光性と耐熱性の点では顔料よりも信頼性が劣るといった問題があった。特に液晶ディスプレイ用途では液晶配向膜としてのポリイミド膜を230℃以上の高温で焼成する必要があるため、一般的に180℃程度で分解が始まる染料は適用することができなかった。ところが、有機ELディスプレイの製造工程においては、高温を必要とする液晶配向膜を形成するプロセスが不要なため、カラーフィルタに対する耐熱性の要求は最高でも150℃程度に緩和される。そのため、従来の液晶ディスプレイ向けのカラーフィルタでは適用が難しかった染料系の着色材料が使用可能となっており、例えば特許文献1には、CCM方式の有機ELディスプレイにおいて、カラーフィルタを構成する青色着色層の色材として、シアニン系の染料を用いた例が提案されている。
3色塗りわけ方式の有機EL素子とカラーフィルタを組み合わせた有機ELディスプレイにおいては、特に青色発光体の長寿命化が大きな課題であるが、製造コストも同様に大きな課題である。しかしながら、上記特許文献1には、赤色画素と緑色画素に適用するカラーフィルタについて、使用する色材については一切言及されていない。また、青色画素の透過率についても、400nm〜450nmの波長領域では透過率が不足しており、一方、620nm付近の波長領域では透過率の浮きが発生している。このような長波長側での透過率の浮きは、外光反射の防止の観点から問題となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL素子を備えた有機ELディスプレイの長寿命化と製造コストの低減を実現できる、透過率が高く、色純度に優れた染料顔料複合型カラーフィルタを提供することにある。また、その染料顔料複合型カラーフィルタを備えた有機ELディスプレイを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の染料顔料複合型カラーフィルタは、透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層とを有し、前記赤色着色層及び前記緑色着色層が顔料色素を含み、前記青色着色層が染料色素を含むことを特徴とする。
この発明によれば、所定のパターンで設けられた着色層のうち、赤色着色層及び緑色着色層が顔料色素を含み、青色着色層が染料色素を含むようにしたので、青色着色層の透過率を高くすることができる。このカラーフィルタを色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて有機ELディスプレイを構成した場合に、有機EL発光体が備える青色発光層の電流値を高くしなくても十分な輝度が得られるので、青色発光層の寿命を延ばすことができ、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持することができる。また、この発明によれば、青色発光層に比べて発光寿命が長い赤色発光層と緑色発光層に対応する赤色着色層と緑色着色層については、顔料色素を用いたので、製造コストの点で好ましいカラーフィルタとすることができる。
本発明の染料顔料複合型カラーフィルタの好ましい態様として、前記染料色素がトリアリールメタン系色素、メチン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素及びトリフェニルメタン系色素から選ばれる少なくとも1種であり、前記顔料色素がフタロシアニン系色素及びジオキサジン系色素から選ばれる少なくとも1種であるように構成する。
本発明の染料顔料複合型カラーフィルタの好ましい態様として、前記透明基材の少なくとも片面に紫外線透過防止層が設けられているように構成する。
この発明によれば、紫外線透過防止層を透明基材の少なくとも片面に設けたので、顔料色素に比べて紫外線に弱いとされる染料色素の紫外線劣化を防ぐことができる。なお、少なくとも片面とは、透明基材の着色層側の面、透明基材の着色層側とは反対側の面、又は透明基材の両面を意味する。
本発明の染料顔料複合型カラーフィルタの好ましい態様として、前記各着色層上に、透明保護層が設けられているように構成する。
この発明によれば、着色層を保護する透明保護層を設けたので、着色層の劣化を抑制することができる。透明保護層の保護作用としては、活性酸素や接着剤成分に対するものを例示できる。
上記本発明の有機ELディスプレイは、上記本発明の染料顔料複合型カラーフィルタと、少なくとも赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を有する有機EL発光体とを貼り合わせてなる有機ELディスプレイであって、前記有機EL発光体が3色塗り分け方式で作製されたものであることを特徴とする。
この発明によれば、透過性のよい青色着色層を備えた上記本発明のカラーフィルタを、色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて構成したので、有機EL発光体が備える青色発光層の電流値を高くしなくても十分な輝度が得られる。その結果、青色発光層の寿命を延ばすことができ、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持することができる。
本発明の染料顔料複合型カラーフィルタによれば、青色着色層の透過率が高いので、このカラーフィルタを色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて有機ELディスプレイを構成した場合に、有機EL発光体が備える青色発光層の電流値を高くしなくても十分な輝度が得られる。その結果、青色発光層の寿命を延ばすことができ、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持することができる。また、本発明によれば、青色発光層に比べて発光寿命が長い赤色発光層と緑色発光層に対応する赤色着色層と緑色着色層については、顔料色素を用いたので、製造コストの点で好ましいカラーフィルタとすることができる。
以下、本発明の染料顔料複合型カラーフィルタ及び有機ELディスプレイの実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定解釈されるものではない。
[染料顔料複合型カラーフィルタ]
図1及び図2は、本発明の染料顔料複合型カラーフィルタの例を示す模式的な断面図である。本発明の染料顔料複合型カラーフィルタ(以下、単に「カラーフィルタ」という。)10A,10Bは、透明基材1と、透明基材1上に所定のパターンで設けられた赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3Bとを有するカラーフィルタである。そして、各着色層のうち、赤色着色層3R及び緑色着色層3Gが顔料色素を含み、青色着色層3Bが染料色素を含んでいる。なお、図1及び図2の例では、いずれのカラーフィルタ10A,10Bも、透明基材1の各着色層側とは反対側の面に、紫外線透過防止層5が設けられている。
ここで、図1と図2に示すカラーフィルタの違いについて説明する。図1に示すカラーフィルタ10Aは、着色層上に透明樹脂からなる透明保護層4Aを設けた形態であり、一方、図2に示すカラーフィルタ10Bは、着色層上に粘着剤4b2を有する透明保護フィルム4b1からなる透明保護層4Bを設けた形態である。なお、符号4Aと符号4Bの透明保護層を総称する場合は、符号4を用いて「透明保護層4」と表す。
以下、各構成について説明する。
(透明基材)
透明基材1は、後述の図3からもわかるように、有機ELディスプレイ50を構成した場合には通常は光出射側に配置されるので、光透過性のよい透明基材が用いられる。例えば、ガラス、石英、又は各種の樹脂等からなる光透過性のよい材料からなる透明基材が用いられる。透明基材1の大きさや厚さ等は特に限定されるものではなく、カラーフィルタ10が組み合わされる有機EL発光体20の仕様や透明基材上に積層する各層の材質等により適宜決めることができる。
(紫外線透過防止層)
紫外線透過防止層5は、紫外線を吸収等して紫外線を着色層3側に透過させないようにするための膜であり、透明基材1の少なくとも片面に必要に応じて設けられる。この紫外線透過防止層5は、本発明のカラーフィルタ10においては必須の層ではないが、染料色素を含有する青色着色層3Bの紫外線劣化を抑制するように作用するので好ましく設けられる。この紫外線透過防止層5を設けることにより、透過率が一定になり、色調が一定した状態に染料色素を維持することができるので、例えば図3に示す有機EL発光体20が有する発光層の輝度が時間とともに低下する場合であっても、その使用可能期間を可能な限り引き延ばすことができる。特に、発光寿命のより長寿命化が盛んに検討されている青色発光層23Bにおいては効果的である。
なお、図1に示すカラーフィルタ10Aでは、紫外線透過防止層5は透明基材1のマンサイド側(透明基材1の着色層側とは反対側)の表面にのみ設けられているが、この紫外線透過防止層5は透明基材1の少なくとも片面に設けられていればよい。すなわち、透明基材の着色層側の面にのみ設けられていてもよく、また、透明基材の両面に設けられていてもよく、いずれの場合も、染料色素を劣化させて色調を変化させるおそれのある紫外光をより効果的に吸収することができる。
紫外線透過防止層5の形成材料としては、例えばノルボルネン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂等、その樹脂自体が紫外領域に吸収帯を有する樹脂材料が好ましく用いられる。そうした樹脂材料であれば、樹脂単独で適用することができる。さらに、紫外線吸収剤を添加したアクリル系樹脂や、エポキシ樹脂も好適に用いることができる。紫外線透過防止層5には、前記した樹脂自体が紫外領域に吸収帯を有する樹脂材料、及び、紫外線吸収剤を添加した樹脂材料のいずれか1種又は2種以上の樹脂を用いることが好ましく、特にノルボルネン樹脂等が好ましい。紫外線透過防止層5は、こうした樹脂材料を含む塗布液を透明基材1の片面(又は両面)に各種の塗布法で塗布形成したものであってもよいし、上記樹脂材料からなるフィルムを接着剤又は粘着剤で貼り合わせたものであってもよい。具体的には、紫外線透過防止層5としては、紫外線カットフィルムであるアートン(ノルボルネン系樹脂、JSRの登録商標)や、UVガード(富士フィルムの登録商標)等を好ましく用いることができる
(ブラックマトリクス層)
ブラックマトリクス層2は、カラーフィルタ10においては通常設けられる格子状の遮光層である。このブラックマトリクス層2は、図1及び図2に示すように、所定の格子状パターンで形成され、通常、黒色顔料とバインダー樹脂と溶剤とを含有したフォトレジストや印刷用インキ、あるいはクロムなどの金属を用いて構成される。黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック等を挙げることができ、バインダー樹脂としては、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体等を挙げることができ、溶剤としては、後述の着色層のものと同様のものを用いることができる。ブラックマトリクス層2の形成方法としては、フォトリソグラフィ、各種のパターン印刷方法、各種のめっき方法等で形成することができる。
(着色層)
着色層3は、図1及び図2に示すように、透明基材1上の、主にブラックマトリクス層2が形成されていない開口部に、所定のパターンで設けられている。着色層3としては、一般的に設けられている赤色着色層3R、緑色着色層3G、青色着色層3Bの他、シアン着色層やマゼンダ着色層がさらに設けられていてもよい。
本発明のカラーフィルタ10においては、青色着色層3Bが染料色素を含有し、赤色着色層3Rと緑色着色層3Gが顔料色素を含有している。本発明において、このように色素を使い分けしたのは、カラーフィルタ10の着色層に対応する有機EL発光体20(図3を参照)が備える各色の発光層の寿命に関係している。有機EL素子において、その発光寿命は駆動時の電流値に左右される。すなわち、高電流は高輝度化をもたらすが、一方で素子の寿命を縮めてしまう。発光寿命が赤色発光層や緑色発光層に比べて比較的短いとされる青色発光層の寿命を高めるためには、とりわけ青色カラーフィルタの透過率を、その色純度を確保しつつ高く設定し、発光光を有効利用する必要がある。この場合、青色発光層の駆動電流を比較的に低く設定することができるので、青色発光層への負荷を低減してその長寿命化を図ることができ、ひいては有機ELディスプレイ全体の長寿命化を図ることができることになる。
青色着色層3Bに含まれる青色染料としては、トリアリールメタン系染料、メチン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料、トリフェニルメタン系染料等を挙げることができ、中でも、後述の実施例に示すように、トリアリールメタン系染料を好ましく用いることができる。
なお、染料色素は、顔料色素に比べて紫外線によって透過率が低下し易い傾向がある。そのため、青色着色層3Bの透過率を維持するために、着色層形成用材料に、例えば一重項クエンチャーを配合してもよい。使用可能なクエンチャーとしては、ジアルキルホスフェート、ジアルキルカルバネート又はベンゼンジチオールあるいはその類似ジチオール等の金属錯体を好ましく挙げることができ、また、その金属錯体を構成する金属としては、ニッケル、銅又はコバルト等を挙げることができる。青色着色層3B内に一重項クエンチャーが含まれることにより、仮に活性酸素が青色着色層3Bにアタックした場合であっても、活性酸素を一重項クエンチャーが捕獲することができるので、活性酸素が染料色素を劣化させて青色着色層3Bの透過率が低下するのを抑制することができる。なお、この一重項クエンチャーは顔料色素を用いた赤色着色層3Rと緑色着色層3Gに配合しても構わない。
ところで、カラーフィルタには全ての着色層が顔料色素で構成された顔料分散型のものと、全ての着色層が染料色素で構成された染料含有型のものがあるが、液晶ディスプレイに適用されるカラーフィルタにおいては、耐光性及び耐熱性に優れる顔料分散型のものが一般的に用いられている。その理由は、液晶ディスプレイでは、液晶配向膜としてのポリイミド膜を230℃以上の高温で焼成する必要があるため、一般的に180℃程度で分解が始まる染料を使用することができないためである。しかし、本発明においては、液晶配向膜を形成する必要がなく、さらにカラーフィルタに加わる温度もせいぜい150℃程度であるので、顔料に比べて耐熱性が劣るとされる染料を用いることが可能である。しかも、染料は、分子レベルでバインダー樹脂に溶解できるので顔料に比べて透過率を高くすることができるという利点がある。こうしたことから、従来の液晶ディスプレイ向けカラーフィルタでは適用が難しかった染料系の着色材料を好ましく使用することができる。
バインダー樹脂としては、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体等を挙げることができる。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン等のケトン類、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、g−ブチロラクトン等のエステル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。単一種の溶媒を使用しただけでは、レジスト組成物の溶解性が不充分である場合や、レジストを塗布する際における塗布の相手方となる素材(基材を構成する素材)が侵される虞がある場合等には、2種以上の溶媒を混合使用することにより、これらの不都合を回避することができる。
また、必要に応じて配合される界面活性剤としては、フッソ系界面活性剤や、ノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
赤色着色層3Rを構成する顔料色素は特に限定されず、各種のものを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料などを挙げることができる。また、色調調整のため、黄色顔料としてイソインドリノン系顔料、ニッケルアゾ錯体系顔料を混合することもできる。緑色着色層3Gを構成する顔料色素も特に限定されず、各種のものを用いることができる。例えば、フタロシアニン系顔料を挙げることができる。緑色着色層においても同様に色調調整のため、黄色顔料としてイソインドリノン系顔料、ニッケルアゾ錯体系顔料を混合することもできる。これら赤色着色層3Rと緑色着色層3Gを構成する他の成分であるバインダー樹脂、分散剤、溶剤、界面活性剤、光重合開始剤等についても、上記青色着色層3Bと同様のもの、又は従来公知のものを配合することができる。
赤色着色層3Rと緑色着色層3Gを構成する顔料色素は、染料色素に比べ、例えば紫外線や活性酸素等に対して安定であり、また取り扱いも容易でコストも安いので、カラーフィルタ乃至このカラーフィルタを備えた有機ELディスプレイの製造コストの点で好ましい。
所定のパターンからなる色の着色層3は、各着色層に対応する染料色素又は顔料色素とバインダー樹脂と溶剤とを含有したフォトレジストや印刷用インキを着色層用材料として用いて形成される。着色層3の形成方法としては、フォトリソグラフィ、インクジェット法等の各種のパターン印刷方法等で形成することができる。
(透明保護層)
透明保護層4は、着色層3のうち少なくとも青色着色層3Bを覆うように設けられていればよいが、図1及び図2に示すように、全ての着色層3を覆うように設けられていることが好ましい。ここで、「少なくとも」としたのは、青色着色層3Bが活性酸素によって劣化し易い染料色素を含有しているためである。
透明保護層4は、着色層3に侵入しようとする酸素(活性酸素を含む。)や、後述の接着層30(図3を参照)中の成分等を遮断して着色層に含まれる染料色素や顔料色素(特には染料色素)の退色を防止するように作用する膜である。こうした透明保護層4の形成材料としては、透明樹脂、樹脂フィルム、透明無機材料等を挙げることができる。
透明樹脂を塗布形成してなる透明保護層4A(図1を参照)の形成材料としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール変性、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド等の透明樹脂が挙げられる。特に好ましいものとしては、紫外線の照射により硬化する、不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート樹脂等を挙げることができる。透明保護層4Aは、こうした透明樹脂塗布液をスピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜することができる。その透明樹脂が紫外線硬化型樹脂である場合は、塗布後に紫外線を照射し、さらにその後に必要に応じて熱硬化させて成膜することができ、また、その透明樹脂が熱硬化型樹脂である場合は、塗布後に熱硬化させて成膜することができる。なお、透明樹脂が紫外線硬化型樹脂であっても、当該紫外線硬化型樹脂に添加された光重合開始剤の吸収波長帯域と、その透明樹脂の紫外線吸収帯域をずらすことにより、上記した紫外線吸収剤を配合可能である。
透明フィルムからなる透明保護層4Bとしては、図2に示すように、例えば粘着剤4b2付の酸素バリアフィルム4b1を挙げることができる。具体的には、UV Guard(太平洋マテリアル株式会社)、ゼオノア(日本ゼオン株式会社)、1501UH(リンテック株式会社)等を挙げることができる。これらは、片面に粘着剤4b2が設けられた酸素バリアフィルム4b1であり、粘着剤4b2側を着色層3に貼り合わせて設けられる。
また、透明無機材料からなる透明保護層4であってもよいが、この場合には、カラーフィルタの透過率を低下させないように注意して採用する必要がある。透明無機材料としては、例えば、多孔質の、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、カーボン、マイカ、クレイ、カオリン、炭酸カルシウム、SiON等が挙げられる。こうした透明保護層4は、PVD法やCVD法、スパッタリング法等の成膜手段で成膜することができる。また、これらの透明無機材料を配合した樹脂フィルムを用いて透明保護層4を構成してもよい。
この透明保護層4が染料色素を含有する青色着色層3Bを少なくとも覆う(好ましくは着色層全体を覆う)ことにより、可視光による活性酸素の発生に基づいた劣化等を抑制することができる。この「可視光による活性酸素の発生に基づいた劣化」とは、外光として入射した可視光がカラーフィルタ10や有機ELディスプレイ内部の材料に作用して活性酸素が生じ、その活性酸素が青色着色層3Bに含まれる染料色素を酸化させ、その染料色素の酸化により染料色素の色調が劣化して青色着色層3Bの褪色が生じることである。
このように、透明保護層4の作用によって特に染料色素の劣化を抑制することができ、青色着色層3Bの色調を長期間安定に維持することができる。その結果、カラーフィルタ10の寿命を長くすることができ、ひいては、有機ELディスプレイの長寿命化を実現することができる。特に、3色塗り分け方式の有機EL発光体を備えた有機ELディスプレイでは青色発光層の長寿命化が課題となるが、そのためには、青色カラーフィルタの透過率を、その色純度を確保しつつ高く設定し、発光光を有効利用する必要がある。この場合、青色発光層の駆動電流を比較的に低く設定することができるので、青色発光層への負荷を低減してその長寿命化を実現で、最終的には有機ELディスプレイの長寿命化を実現できる。
透明保護層4には、必要に応じて、上記着色層3に含有させたのと同様の一重項クエンチャーを含有させてもよい。クエンチャーとしては、ジアルキルホスフェート、ジアルキルカルバネート又はベンゼンジチオールあるいはその類似ジチオール等の金属錯体を好ましく挙げることができ、また、その金属錯体を構成する金属としては、ニッケル、銅又はコバルト等を挙げることができる。特に好ましくは、ニッケルジチオカルバミン酸ニッケル(II)を用いることができる。透明保護層4内に一重項クエンチャーが含まれることにより、仮に活性酸素が透明保護層4にアタックした場合であっても、活性酸素を一重項クエンチャーが捕獲することができるので、活性酸素が透明保護層4を構成する樹脂材料を劣化するのを抑制することができ、長期間安定した透過率を維持することができる。
また、透明保護層4には、必要に応じて、紫外線吸収剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤としては、例えばTINUVINシリーズ(チバ・ジャパン社製)、SEES ORBシリーズ(シプロ化成株式会社製)等を挙げることができる。透明保護層4内に紫外線吸収剤が含まれることにより、仮に紫外線が透明保護層4に入射した場合であっても、その紫外線が透明保護層4を構成する樹脂材料を劣化するのを抑制することができ、長期間安定した透過率を維持することができる。
透明保護層4の形態としては、図1に示すように、透明樹脂を塗布形成してなる透明保護層4Aであってもよいし、図2に示すように、粘着剤4b2を有する酸素バリアフィルム4b1からなる透明保護層4Bであってもよい。
なお、こうした透明保護層4は、着色層3上に平坦化膜(図示しない)を設け、その平坦化膜上に設けたものであってもよい。こうした平坦化膜は、着色層3と透明保護層4との間に設けてもよいし、透明保護層4上に設けてもよい。平坦化膜の形成方法としては、例えば、重合可能な樹脂材料を着色層3の表面に塗布した後に硬化して形成できる。平坦化膜の形成材料としては、重合反応を起こすとともに架橋反応を起こすことが可能な有機物を好ましく用いることができる。具体的には、不飽和二重結合基を有する(メタ)アクリレート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、ウレタン基含有化合物等を挙げることができる。
[有機ELディスプレイ]
図3は、本発明の有機ELディスプレイの一例を示す模式的な断面図である。図3に示す本発明の有機ELディスプレイ50は、赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3Bを有する本発明のカラーフィルタ10と、少なくとも赤色発光層23R、緑色発光層23G及び青色発光層23Bを有した3色塗り分け方式の有機EL発光体20とを貼り合わせてなるものである。この有機ELディスプレイ50は、特に青色光41Bの透過性がよい青色着色層3Bを有する上記本発明のカラーフィルタ10を、色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体20と組み合わせて構成している。こうした有機ELディスプレイ50は、有機EL発光体20が備える青色発光層23Bの電流値を高くしなくても十分な輝度が得られるので、青色発光層23Bの寿命を延ばすことができ、有機ELディスプレイ50の安定した色調を長期間保持することができる。
有機ELディスプレイ50を構成するカラーフィルタ10は上記したとおりであるので、以下ではカラーフィルタ10についての説明は省略し、有機EL発光体20と接着層30について説明する。
(有機EL発光体)
図3に示す有機EL発光体20は、少なくとも赤色発光層23R、緑色発光層23G及び青色発光層23Bが隔壁24に仕切られてなる3色塗り分け方式の有機EL発光体である。この有機EL発光体20は、基材21上に、電極22、発光層23、電極25、保護膜26の順で各層が積層されている。
基材21の種類、大きさ、厚さ等は特に限定されるものではなく、有機EL発光体の用途や基材上に積層する各層の材質等により適宜決めることができる。例えば、Al等の金属、ガラス、石英、又は各種の樹脂等の材料からなるものを用いることができる。なお、発光層23で発光した光はカラーフィルタ10の側から出射するので、この基材21は、必ずしも透明又は半透明になる材料を用いる必要はなく、不透明材料を用いてもよい。
電極22は、陽極又は陰極のいずれかであるが、一般的には陽極として基材21上に設けられ、その電極22上には正孔注入層や正孔輸送層が設けられる。形成材料としては、金、銀、クロム等の金属、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化インジウム、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、SnO、ZnO等の透明導電膜、ポリアニリン、ポリアセチレン等の導電性酸化物等を挙げることができる。また、ITOと銀とITOとの積層構造からなる反射型電極とすることもできる。
発光層23としては、赤色発光層23R、緑色発光層23G、青色発光層23Bがそれぞれ所定の位置に設けられ、各色の発光層形成用の材料としては従来公知の材料をそれぞれ用いることができる。具体的には、発光層は、電極22が陽極である場合には、電極22側から、正孔注入層と発光層とからなる積層体、又は、正孔注入層と発光層と電子注入層とからなる積層体、又は、発光層と電子注入層とからなる積層体、のいずれかの積層体で構成される。正孔注入層と発光層との間には正孔輸送層が設けられていてもよいし、発光層と電子注入層との間には電子輸送層が設けられていてもよい。また、各注入層や発光層が正孔輸送性材料や電子輸送性材料を含んでいてもよい。
正孔注入層の形成材料としては、例えば色素系材料、金属錯体系材料又は高分子系材料等、正孔注入層用材料として通常使用されるものを用いることができる。また、正孔輸送層の形成材料としては、フタロシアニン、ナフタロシアニン等、正孔輸送層用材料として通常使用されるものを用いることができる。
各色の発光層は、ホスト材料とゲスト材料とを含有する発光層形成材料で形成された層であり、そのホスト材料とゲスト材料は従来公知のものを使用することができ、また、それらの配合割合は使用する材料によっても任意に選択される。各色の発光層形成材料の一例を挙げれば、赤色発光層用としては、ホスト材料として4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を用いると共にゲスト材料としてトリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)錯体(Ir(piq))を挙げることができ、緑色発光層用としては、ホスト材料として4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を用いると共にゲスト材料としてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)錯体(Ir(ppy))を挙げることができ、青色発光層用としては、ホスト材料として9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)を用いると共にゲスト材料として1−tert−ブチル―ペリレン(TBP)を挙げることができる。
なお、発光層形成材料はこれら以外であってもよく、例えば、ホスト材料としては、アントラセン誘導体、アリールアミン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、スピロ化合物等を例示でき、ゲスト材料としては、ペリレン誘導体、ピレン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、FIrPic等のイリジウム錯体等を例示できる。
電子輸送層の形成材料としては、例えば金属錯体系材料、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等、電子輸送層として一般的に用いられている材料を挙げることができる。また、電子注入層の形成材料としては、発光層の発光材料に例示した材料の他、アルミニウム、フッ化リチウム等、電子注入層として一般的に用いられている材料を挙げることができる。
電極25は、上記電極22の対極をなすものであり、陰極又は陽極のいずれかであるが、一般的には陰極として設けられる。電極25は光取り出し側にあるので、形成材料としては、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化インジウム、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、SnO、ZnO等の透明導電材料や、MgAg等からなる半透明金属が好ましく用いられる。
隔壁24は、酸化ケイ素等の無機材料やレジスト等の有機材料で形成することができ、電極22がパターン形成された後で各色の発光層を形成する前に所定のパターンで形成される。隔壁24よって各色の発光層の形成領域が区分けされた後は、例えば各色の発光層形成用塗布液等を塗布することにより各色の発光層が形成される。その後、全体を覆うように電極25が形成され、その後に例えば各発光層に対してガスバリア性を有するSiON等の保護膜26が形成される。なお、電極22,25は、アクティブマトリクス方式で形成されてもよいし、単純マトリックス方式で形成されていてもよい。
(接着層)
有機ELディスプレイ50は、図3に示すように、上記有機EL発光体20と上記カラーフィルタ10とが接着層30によって貼り合わされている。こうした接着層30の形成材料としては、紫外線硬化型のアクリレートやエポキシ樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
[実施例1]
<染料顔料複合型カラーフィルタの作製>
最初に、染料顔料複合型カラーフィルタを作製した。基材1としてガラス基板(コーニング社製、1737材)を準備し、洗浄処理を施した後のガラス基板上に、先ず、厚さが1.2μmで、平面視で縦横が格子状のパターンとなるようにブラックマトリクス層2を形成した。このブラックマトリクス層2は、下記のブラックマトリクス層用フォトレジストをスピンコート法で塗布し、90℃・3分間の条件でプリベーク(予備焼成)し、所定のパターンに形成されたマスクを用いて露光(100mJ/cm)し、続いて0.05%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃・60分間ポストベーク(焼成)することによって形成した。
(ブラックマトリクス層用フォトレジスト)
・黒顔料(大日精化工業(株)製、TMブラック#9550)…14.0重量部
・分散剤(ビックケミー(株)製、Disperbyk111)…1.2重量部
・ポリマー(昭和高分子(株)製、VR60)…2.8重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…3.5重量部
・添加剤(綜研化学(株)製、L−20)…0.7重量部
・開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)…1.6重量部
・開始剤1(4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン)…0.3重量部
・開始剤2(2,4−ジエチルチオキサントン)…0.1重量部
・溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテル)…75.8重量部
・上記の黒顔料、分散剤及び溶剤からなる分散液組成物にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、上記のポリマー、モノマー、添加剤、開始剤1〜3及び溶剤からなるクリアレジスト組成物とを混合し、顔料分散型のブラックマトリクス層用フォトレジストを調整した。なお、分散機としては、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いた(以下の各色パターン形成用フォトレジストにおいて同じ。)。
次に、着色層3を形成した。この着色層3は、下記赤色、緑色、青色の各色パターン形成用のフォトレジストを調整した後、先ず、赤色パターン形成用の顔料分散型フォトレジストをブラックマトリクス層2が形成された透明基材1上にスピンコート法で塗布し、80℃・5分間の条件でプリベーク(予備焼成)し、赤色の色パターンに応じた所定の着色パターン用フォトマスクを用いて、紫外線露光(300mJ/cm)した。次いで、0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃・60分間ポストベーク(焼成)し、ブラックマトリクス層2の形成パターンに対して所定の位置に、膜厚1.1μmの赤色着色層3Rを短冊状パターンで形成した。
引き続き、緑色パターン形成用の顔料分散型フォトレジストを用いて同様の手法を繰り返し、所定のパターンで形成されたブラックマトリクス層2及び赤色着色層3Rの形成パターンに対して所定の位置に、膜厚1.1μmの緑色着色層3Gを短冊状パターンで形成し、さらに引き続き、青色パターン形成用の染料フォトレジストを用い且つポストベーク条件を170℃・30分に変更した以外は、上記赤色着色層3R及び緑色着色層3Gと同様な手法により、膜厚1.7μmの青色着色層3Bを短冊状パターンで形成した。
(赤色パターン形成用の顔料分散型フォトレジスト)
・赤顔料(C.I.PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製、クロモフタールDPP Red BP))…4.8重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))…1.2重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…3.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である
・上記の赤顔料、黄顔料、分散剤及び溶剤からなる分散液組成物にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、上記のポリマー、モノマー、添加剤、開始剤1,2及び溶剤からなるクリアレジスト組成物とを混合し、顔料分散型の赤色パターン形成用のフォトレジストを調整した。
(緑色パターン形成用の顔料分散型フォトレジスト)
・緑顔料(C.I.PG7(大日精化製、セイカファストグリーン5316P))…3.7重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))…2.3重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…3.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である
・上記の緑顔料、黄顔料、分散剤及び溶剤からなる分散液組成物にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、上記のポリマー、モノマー、添加剤、開始剤1,2及び溶剤からなるクリアレジスト組成物とを混合し、顔料分散型の緑色パターン形成用のフォトレジストを調整した。
(青色パターン形成用の染料フォトレジスト)
・青染料(BASF社製のトリアリールメタン系色素、Basonyl Blue 636)…6.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である
・上記の各材料を混合し溶解して青色層用の染料型フォトレジストを調整した。
次に、赤、緑、青の各着色層3とブラックマトリクス層2が形成された透明基材1の、各着色層3上に、透明保護層4を設けた。この透明保護層4としては、紫外線硬化型樹脂であるフォトレジスト(JSR社製、商品名:JNPC80)を用い、各着色層上に塗布した後に紫外線を照射して厚さ1.5μmとなるように成膜した。この透明保護膜4は、着色層3に対して酸素を遮断し、かつ接着剤、粘着剤からの活性成分による染料分子へのアタックを防止するという保護作用を有している。
次に、透明基材1の各着色層3側とは反対側の面に、紫外線透過防止層5を設けた。この紫外線透過防止層5は、ノルボルネン系フィルムであるアートン(商品名、JSR社製、厚さ40μm)を用い、透明基板1の表面に貼り合わせた。なお、ここでは、紫外線透過防止層5を、後述の有機ELパネルに貼り合わせる前にカラーフィルタに貼り合わせているが、この紫外線透過防止層5は、有機ELパネルとカラーフィルタとを貼り合わせた後に設けてもよい。こうして、染料顔料複合型カラーフィルタを作製した。
<有機EL発光体の作製>
次に、有機EL発光体を作製した。基材21として、スイッチング素子としてのTFTを有する厚さ1.7mmの無アルカリガラス基板を準備した。その無アルカリガラス基板の上に、ITO(20nm)/Ag(100nm)/ITO(20nm)の積層構造からなる厚さ140nmの反射型陽極22を所定のパターンで形成した。次いで、ポジレジストからなる隔壁24を各発光層23の区分けのために形成し、引き続き、所定パターンからなる各色の発光層23(23R,23G,23B)を順に形成した後、さらに、MgAgからなる厚さ10nmの半透明な陰極25と、SiONからなる厚さ100nmの保護膜26とをその順番にベタ製膜して積層し、3色塗り分けタイプの発光層23を備えた有機EL発光体を作製した。
各色の発光層は以下のように作製した。先ず、各色共通層として、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)(α−NPD)とMoOの共蒸着薄膜(MoOの体積濃度:20%)からなる厚さ40nmの正孔注入層と、α−NPDからなる厚さ20nmの正孔輸送層とを隔壁24,24間に製膜した。その後、赤色発光層用のホスト材料として4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を用いると共にゲスト材料としてトリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)錯体(Ir(piq))を用い、厚さ40nmの赤色発光層23Rを所定パターンで形成し、次いで、緑色発光層用のホスト材料として4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を用いると共にゲスト材料としてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)錯体(Ir(ppy))を用い、厚さ40nmの緑色発光層23Gを所定のパターンで形成し、次いで、青色発光層用のホスト材料として9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)を用いると共にゲスト材料として1−tert−ブチル―ペリレン(TBP)を用い、厚さ40nmの青色発光層23Bを所定のパターンで形成して各発光層を形成した。次いで、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)からなる厚さ20nmの電子輸送層、及びLiFからなる厚さ0.5nmの電子注入層、をその順番にパターン形成して各色の発光層23(23R,23G,23B)を形成した。上記の各発光層において、ホスト材料とゲスト材料との配合割合は、赤色発光層23R、緑色発光層23G、青色発光層23Bのいずれも20:1になるように調整した。
図4は、各発光層から発光した発光輝度を、各色のピークトップの値に対して示した分光データである。各色のピークトップは、青色発光層23Bが445nmで、緑色発光層23Gが510nmで、赤色発光層23Rが625nmである。なお、発光輝度の測定は、トプコン社製の分光放射計(型名:SR−2)を用いて行った。
<有機ELディスプレイの作製>
得られた染料顔料複合型カラーフィルタと、得られた有機EL発光体とを接着剤(商品名:NT−01UV、日東電工社製)を介して貼り合わせ、実施例1の有機ELディスプレイ50を構成した。
[比較例1]
実施例1の有機ELディスプレイにおいて、染料顔料複合型カラーフィルタの青色着色層を形成する青色パターン形成用の染料フォトレジストを、下記組成の顔料分散型フォトレジストに変更して作製した顔料分散型カラーフィルタを用いた他は、実施例1と同様にして、比較例1の有機ELディスプレイを作製した。
(青色パターン形成用の顔料分散型フォトレジスト)
・青顔料(C.I.PB15:6(BASF社製のフタロシアニン系色素、ヘリオゲンブルーL6700F))…4.6重量部
・紫顔料(C.I.PV23(クラリアント社製のジオキサジン系色素、フォスタパームRL−NF))…1.4重量部
・顔料誘導体(ゼネカ(株)製、ソルスパース12000)…0.6重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…2.4重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である
・上記の各材料を混合し溶解して青色層用の顔料分散型フォトレジストを調整した。
[比較例2]
実施例1の有機ELディスプレイにおいて、染料顔料複合型カラーフィルタの青色着色層を形成する青色パターン形成用の染料フォトレジストとして、下記の組成のものを用いて染料顔料複合型カラーフィルタを作製した他は、実施例1と同様にして、比較例2の有機ELディスプレイを作製した。
(青色パターン形成用の染料フォトレジスト)
・青染料(BASF社製のフタロシアニン系色素、Basacid Blue 750)…6.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である
・上記の各材料を混合し溶解して青色層用の染料型フォトレジストを調整した。
[比較例3]
実施例1の有機ELディスプレイにおいて、染料顔料複合型カラーフィルタの青色着色層を形成する青色パターン形成用の染料フォトレジストとして、下記の組成のものを用いて染料顔料複合型カラーフィルタを作製した他は、実施例1と同様にして、比較例2の有機ELディスプレイを作製した。
(青色パターン形成用の染料フォトレジスト)
・青染料(BASF社製のフタロシアニン系色素、Basacid Blue 762)…6.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である
・上記の各材料を混合し溶解して青色層用の染料型フォトレジストを調整した。
[評価試験]
図5は、実施例1及び比較例1の有機ELディスプレイを構成するカラーフィルタの各着色層についての分光特性を示すグラフである。この分光特性は、オリンパス社製の顕微分光測色機(型名:OSP−SP200)を用い、2.5cm×7.5cmに切断した測定用サンプルの測定結果である。図示の結果からわかるように、450nm前後の青色着色層の透過率は、顔料色素で青色着色層を構成した比較例1の有機ELディスプレイを構成する顔料分散型カラーフィルタに比べ、染料色素で青色着色層を構成した実施例1の有機ELディスプレイを構成する染料顔料複合型カラーフィルタの方が高い値(例えば450nmで6.4%高かった。)を示しており、優れた色純度を示すことがわかる。なお、緑色着色層と赤色着色層については、同じである。
表1は、実施例1及び比較例1の有機ELディスプレイのCIE色度(2度視野)の測定結果である。色度は、ΔE94色差色(CIE 1994)で評価し、その色度は、トプコン社製の分光放射計(型名:SR−2)を用いて有機ELディスプレイの発光スペクトルを測定し、その分光放射計内の計算ソフトで計算して求めた。
Figure 2009186657
表1の結果より、実施例1と比較例1との比較において、色度xyはほぼ一致しており、色目は実質的に同じと考えられる。一方、輝度(明るさ)を示すY値については、染料色素でカラーフィルタの青色着色層を構成した実施例1の有機ELディスプレイの方が、顔料色素でカラーフィルタの青色着色層を構成した比較例1の有機ELディスプレイに比較して、1割以上の向上が確認できた。この結果は、同一光源を用いて同じ色目を実現した場合、染料色素でカラーフィルタを構成した場合の方が高い輝度を実現できることを示しており、その分だけ駆動電圧を下げることが可能になり、その結果、青色発光層への負荷を減らして寿命を延ばすことが可能になることを示している。
図6は、実施例1及び比較例2,3の有機ELディスプレイを構成するカラーフィルタの青色着色層についての分光特性を示すグラフである。この分光特性は、上記と同様、オリンパス社製の顕微分光測色機(型名:OSP−SP200)を用い、2.5cm×7.5cmに切断した測定用サンプルの測定結果である。図示の結果からわかるように、同じ染料色素を用いた青色着色層であってもその透過率は異なっており、例えば実施例1で用いたトリアリールメタン系の染料色素は、短波長側では410nm〜480nmの透過率が高く、長波長側においては650nm付近から透過率が立ち上がるという特徴があり、比較例2,3で用いたフタロシアニン系の染料色素は、短波長側では440nm〜510nmの透過率が高く、長波長側においては670nm付近から透過率が立ち上がるという特徴があった。実施例1で用いたトリアリールメタン系染料色素(符号A、ピークトップ435nm)の410nm〜480nmでの透過率が高いという特徴は、広い色再現領域を可能にする有機EL発光体の青色発光のピークトップ波長と一致しており、青色の発光エネルギーが効率的に透過するので、そうした特徴がない比較例2で用いたフタロシアニン系染料色素(符号B、ピークトップ480nm)及び比較例3で用いたフタロシアニン系染料色素(符号C、ピークトップ470nm)に比べて、透過率の点で好ましく、本発明の有機ELディスプレイを構成するカラーフィルタの青色着色層の染料色素として好ましい。なお、この結果から、本発明において、カラーフィルタの青色着色層を構成する染料色素は、ピークトップが420nm〜460nmの範囲であること、透過率が80%以上の領域が75nm連続する部分を有すること、等の特徴を有していることが好ましいと言える。
本発明のカラーフィルタの一例を示す模式的な断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の有機ELディスプレイの一例を示す模式的な断面図である。 各発光層から発光した発光輝度を、各色のピークトップの値に対して示した分光データである。 実施例1及び比較例1の有機ELディスプレイを構成するカラーフィルタの各着色層についての分光特性を示すグラフである。 実施例1及び比較例2,3の有機ELディスプレイを構成するカラーフィルタの青色着色層についての分光特性を示すグラフである。
符号の説明
1 透明基材
2 ブラックマトリクス層
3 着色層
3R 赤色着色層
3G 緑色着色層
3B 青色着色層
4,4A,4B 透明保護層
4b1 透明フィルム
4b2 粘着剤層
5 紫外線透過防止層
10,10A,10B カラーフィルタ
20 有機EL発光体
21 基材
22 電極
23 発光層
23R 赤色発光層
23G 緑色発光層
23B 青色発光層
24 隔壁
25 電極
26 保護膜
30 接着層
41R 赤色光
41G 緑色光
41B 青色光
42R 透過赤色光
42G 透過緑色光
42B 透過青色光
50 有機ELディスプレイ

Claims (5)

  1. 透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層とを有し、
    前記赤色着色層及び前記緑色着色層が顔料色素を含み、前記青色着色層が染料色素を含むことを特徴とする染料顔料複合型カラーフィルタ。
  2. 前記染料色素がトリアリールメタン系色素、メチン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素及びトリフェニルメタン系色素から選ばれる少なくとも1種であり、前記顔料色素がフタロシアニン系色素及びジオキサジン系色素から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の染料顔料複合型カラーフィルタ。
  3. 前記透明基材の少なくとも片面に紫外線透過防止層が設けられている、請求項1又は2に記載の染料顔料複合型カラーフィルタ。
  4. 前記各着色層上に、透明保護層が設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の染料顔料複合型カラーフィルタ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の染料顔料複合型カラーフィルタと、少なくとも赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を有する有機EL発光体とを貼り合わせてなる有機ELディスプレイであって、前記有機EL発光体が3色塗り分け方式で作製されたものであることを特徴とする有機ELディスプレイ。
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