JP5397741B2 - カラーフィルタおよび有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置 - Google Patents

カラーフィルタおよび有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置 Download PDF

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Description

本発明は、紫外および可視領域に遮断能を有する紫外線遮断層を含むカラーフィルタ、ならびに紫外および可視領域に遮断能を有する紫外線遮断層を含むカラーフィルタを具備した有機ELディスプレイに関する。
近年、次世代型のディスプレイとして、エレクトロルミネッセンス(以下EL)素子で構成されたELディスプレイが期待されている。EL素子には無機EL素子と有機EL素子とがあり、いずれのEL素子も自己発光性であるために視認性が高く、また完全固体素子であるために耐衝撃性に優れるとともに取り扱いが容易であるという利点がある。このため、グラフィックディスプレイの画素やテレビ画像表示装置の画素、あるいは面光源等としての研究開発及び実用化が進められている。
有機EL素子は、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層とトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層、又は、発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層、又は、正孔注入層と発光層と電子注入層、のいずれかの積層形態を2つの電極(発光面側の電極は透明電極になる。)間に介在させてなる構造体である。こうした有機EL素子は、発光層に注入された電子と正孔とが再結合するときに生じる発光を利用するものである。このため、有機EL素子は、発光層の厚さを薄くすることにより、例えば4.5Vという低電圧での駆動が可能で応答も速いといった利点や、輝度が注入電流に比例するために高輝度のEL素子を得ることができるといった利点等を有している。また、発光層とする蛍光性の有機固体の種類を変えることにより、青、緑、黄、赤の可視域すべての色で発光が得られている。有機EL素子は、このような利点、特に低電圧での駆動が可能であるという利点を有していることから、現在、実用化のための研究が進められている。そして、携帯電話の表示部分等、製作上での難易度が比較的低い小型のディスプレイでは、一部実用化がなされている。
有機EL素子におけるカラー表示の方式としては、(1)青色、赤色、緑色等の各色の発光材料を成膜する3色塗り分け方式、(2)青色発光する発光層と、青→緑及び青→赤にそれぞれ色変換する色変換層(CCM層)とを組合せて3色を発色させるCCM方式、(3)白色発光する発光層と、青色、赤色、緑色等のカラーフィルタとを組み合わせる方式等が挙げられる。このうち、発光効率の点からは、(1)の3色塗り分け方式が最も有力であり、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等に実用化されている。またさらに高精細化の観点からは、蛍光体の塗り分けが不要である、(3)の白色OLED+カラーフィルタの組み合わせが有望である。いずれの方式を選択するかは、ディスプレイが組み込まれる装置の性質によって決定される。
これら有機EL素子においては、電極が金属系材料からなること、発光体自身が透明であること等から、周囲が明るい環境での使用を想定した場合、外光反射により表示コントラストが著しく低下するといった問題があった。そのため、A.有機EL素子の外光入射側に円偏光板を貼付する、B.カラーフィルタを適用する、C.無彩色もしくは無彩色に近い色目で着色する(所謂ティント処理を施す)、といった種々の対策が単独で、もしくは組み合わせてとられるのが普通である。
ここで、Aの円偏光板を貼付する場合は、原理的に外光反射が完全に(外光の入射角度にもよるが)抑えられるものの、有機EL素子からの発光もその半分以上が円偏光板により吸収され、必ずしも効率が良いとは言えないものであった。一方、Bのカラーフィルタを適用した場合は、円偏光板を用いた場合に比較して外光反射の抑止効果が劣るものの、有機EL素子からの発光色の色目調整が可能となるといった優れた効果を発揮する。有機EL素子の発光自体による色純度向上には限界があることから、カラーフィルタによる色目の調整は、非常に有効と言える。勿論白色ELのカラー化には、カラーフィルタが必須となることは言うまでもない。カラーフィルタによる外光反射の抑制は、表示に不要な波長成分を吸収することにより、達成されている。すなわち、OLEDの発光が無い、もしくはほとんど無い波長領域については、完全に遮光することがコントラスト向上の点から好ましい。
ところで、有機EL素子の寿命は、電流値によって決定される発光輝度により変化する。すなわち、電流値を高めることにより高輝度が可能となるが、同時に素子の寿命が縮まることになる。従って、光が発光体から出射された後は、周辺部材による光吸収をなるべく低く抑えることが電流値を抑制し、ひいては長寿命化につながることとなる。特に青色の発光体は組み合わせる緑色および赤色の発光体に比較して寿命が短く、ディプレイとしての寿命を左右している。
上記に鑑み、特に青色での発光を減衰しないようなパネル構成が、有機EL自体の長寿命化にとって重要となる。そのため、青色発光素子と組み合わせる、青色画素におけるカラーフィルタの透過率は、長寿命化の点からまだまだ向上させる必要がある。
ここでカラーフィルタは大きく別けて、色材に染料を用いたタイプと、顔料を用いたタイプの2種類がある。現在では耐光性、耐熱性に優れる顔料分散型のカラーフィルタが一般的である。顔料自体は、元々は光透過性ではないため、光透過性を付与するために、分散剤の存在下で粒子系を100nm前後に微細化して用いられる。顔料分散型のカラーフィルタは、液晶ディスプレイのカラー化で広く使用されていることもあり、現在までに非常に多くの色調が開発されており、比較的に選択の自由度が確保できている(例えば、特許文献1参照)。
一般にディスプレイ用途のカラーフィルタでは、前述のような工業生産的な観点から、この顔料分散型のカラーフィルタが適用されている。しかしながら、青色画素については、現在使用可能な顔料系で最も透過率に優れる顔料を適用しても、十分な透過率が確保できているとは言えないものである。
一方、色材としての染料は、分子レベルでバインダーに溶解するため、顔料と比較してその透過率を高くすることが出来る。しかしながら、耐光性および耐熱性の点で顔料よりも信頼性が劣るといった問題がある。
耐熱性に関しては、特に液晶ディスプレイ用途を考えると、配向膜としてのポリイミド膜を230℃以上の高温で焼成する必要があるため、一般的に200℃以上で分解が始まる染料は適用することができなかった。ここで有機ELディスプレイにおいては、当然ながら高温を必要とする配向膜プロセスが無いため、カラーフィルタに対する耐熱性の要求が最高でも150℃程度に緩和される。そのため、耐熱性の点から従来の液晶ディスプレイ向けカラーフィルタでは適用が難しかった染料系の着色材料が使用可能となる。
一方、耐光性に関しては、有機ELディスプレイ用途においても依然として耐光性が劣るといった問題がある。そこで、耐光性向上のために、ディスプレイ装置の表示面側には、紫外線防止層としての紫外線カットフィルムを積層することが提案されている(例えば、特許文献2)。例えば、有機ELディスプレイにおいては、表示側に反射防止機能を有する、アンチリフレクションフィルム(ARフィルム)を積層する手法が一般的に採用されている。ARフィルムにはベースとしてのTACフィルムに、紫外線吸収剤が添加されている。通常、TACフィルムに添加される紫外線吸収剤はディスプレイの表示特性に悪影響を与えないよう、可視光領域においては吸収を示さないか、示したとしても極僅かに押さえられている(例えば、特許文献3)。しかしながら、依然として、高い色純度を確保しつつ、高透過率化を可能とする、カラーフィルタが切望されている。
特開2004−85592号公報 特開2005−222915号公報 特開2005−43400号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、カラーフィルタの耐光性を向上させながら、高い色純度を確保しつつ、高透過率化を可能とするカラーフィルタを提供することにある。また、本発明の目的は、カラーフィルタの透過率を向上させ、青色画素に関して十分な性能を実現できるディスプレイ装置および有機ELディスプレイを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、紫外線遮断層の透過率50%の波長を特定の範囲内に調節することにより上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
基材と、
前記基材上に形成された、色材として染料を含む着色層と、
前記基材の、前記着色層と反対側の面に形成された、紫外線遮断層と
を含んでなり、
前記紫外線遮断層の透過率50%の波長が、400nm以上であり、かつ組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長から25nm以上短波長側に位置する、カラーフィルタを提供するものである。
また、他の態様によれば、本発明は、
カラーフィルタを具備してなるディスプレイ装置であって、
前記カラーフィルタが、基材と、前記基材上に形成された、色材として染料を含む着色層と、前記基材の、前記着色層と反対側の面に形成された、紫外線遮断層とを含んでなり、
前記紫外線遮断層の透過率50%の波長が、400nm以上であり、かつ組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長から25nm以上短波長側に位置する、ディスプレイ装置を提供するものである。
また、他の態様によれば、本発明は、
青色、赤色、および緑色の3色の発光体を含む発光素子を有する有機ELディスプレイであって、
前記有機ELディスプレイの青色表示が、
青色発光体と、
基材と、前記基材上に形成された、色材として染料を含む着色層と、前記基材の、前記着色層と反対側の面に形成された、紫外線遮断層とを含んでなり、前記紫外線遮断層の透過率50%の波長が、400nm以上であり、かつ組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長から25nm以上短波長側に位置する、カラーフィルタと
の組み合わせにより構成されるものである、有機ELディスプレイを提供するものである。
本発明のカラーフィルタによれば、高い色純度を確保しつつ高透過率化を可能とし、さらに染料の退色を効果的に防止することができる。また、本発明のディスプレイ装置および有機ELディスプレイによれば、カラーフィルタの透過率が高いため、青色発光をより効率的に利用することができ、青色画素に関して十分な性能を実現することができる。
カラーフィルタ
本発明によるカラーフィルタは、基材と、前記基材上に形成された、色材として染料を含む着色層と、前記基材の、前記着色層と反対側の面に形成された、紫外線遮断層とを含んでなり、前記紫外線遮断層の透過率50%の波長が、400nm以上であり、かつ組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長から25nm以上短波長側に位置するものである。好ましい態様によれば、前記紫外線遮断層の透過率50%の波長の下限値は、好ましくは410nm以上であり、上限値は、組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長から、好ましくは30nm以上短波長側である。また、紫外線遮断層の波長300nm〜380nmの透過率は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは5%以下であり、かつ波長480nm〜600nmの透過率は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上である。さらに、組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長は、好ましくは425nm〜480nmの範囲内であり、より好ましくは430nm〜470nmの範囲内である。なお、前記425nm〜480nmの範囲内に複数の発光ピークが存在する場合、前記組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークとは、最も相対発光強度が強いピークを指すものとする。紫外線遮断層の透過率50%の波長が、400nm以上であり、かつ組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長から25nm以上短波長側に位置していれば、紫外線を効果的に遮断することができ、かつ可視光の短波長領域において外光を防止して、染料カラーフィルタの耐光性を高めることができる。本発明の好ましい態様によれば、組み合わされる光源としては、OLED、CCFL、およびLED等が挙げられる。また、基材は光出射側にあるため、光透過性の高い透明基材が用いられる。例えば、ガラス、石英、または各種の樹脂等の光透過性の高い材料からなる透明基材が挙げられる。
本発明においては、紫外線遮断層の吸収波長を長波長側にシフトさせることにより、可視光領域における400nm付近の光線を吸収させることができる。通常、このような可視光領域において吸収特性を示す紫外線遮断層は、黄色味で着色されるため、ディスプレイのような光学機器用途で汎用品とはならない。しかしながら、OLEDの発光ピークの内、最も短波長側に位置するピークとの位置関係により、最も相応しい吸収特性を設定することが可能である。組み合わされる光源光がOLEDの場合には、紫外線遮断層が遮光する領域にもともと発光強度がほとんどないため、いかなる分光特性カラーフィルタを積層しても、カラーフィルタによる色調調整効果にはほとんど影響を与えない。ここで、一般的なRGB3色発光型のOLEDの発光輝度分布を図1に示す。青色発光の強度は、ピークの波長よりも長波長側で比較的に緩やかに減少するが、短波長側では急峻に強度が減少している。ピークの波長よりも20nm以上短波長側の強度は、ほとんど輝度的に影響を与えないレベルである。
本発明の好ましい態様によれば、着色層の青色着色層が、色材として、メチン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料、含金属アゾ系染料、トリアリールメタン系染料、およびフタロシアニン系染料からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。このような染料によれば、カラーフィルタの青色画素に関して高い色純度を確保しつつ高い透過率を実現することができる。
本発明の好ましい態様によれば、着色層の赤色または緑色着色層は、色材として顔料および/または染料を含むことが好ましい。このような赤色または緑色着色層においては、染料を含むことでカラーフィルタのより高い透過性が得られ、顔料を含むことでより高い耐光性および耐熱性が得られる。
本発明の好ましい態様によれば、紫外線遮断層が、紫外線防止フィルムから形成されてなることが好ましい。本発明においては、市販の紫外線防止フィルムを用いることもでき、例えば、TACフィルムとしては、コニカミノルタ社製のKC4UX2M、および富士フィルム社製のフジタックなどが挙げられる。UVカットフィルムとしては、富士フィルム社製のUVガード、リンテック社製のルミクール1501などが挙げられる。また、紫外線吸収剤としては、チバ・ジャパン社Tinuvinシリーズなどを使用できる。このような紫外線防止フィルムによれば、表示面からの紫外線の入射を遮断することができるので、カラーフィルタに含まれる染料の退色をより効果的に防止することができる。
本発明の好ましい態様によれば、カラーフィルタは、着色層を覆うように形成された透明樹脂層をさらに含むことが好ましい。さらに、透明樹脂層は、好ましくは抗酸化剤を含むものであり、抗酸化剤としては、一重項酸素クエンチャーである金属錯体が挙げられ、例えば、ジアルキルホスフェート、ジアルキルジチオカルバネート、およびベンゼンジチオールもしくはその類似ジチオールの金属錯体からなる群から選択される少なくとも一種、ならびにニッケル、銅、およびコバルトの金属錯体からなる群から選択される少なくとも一種等が挙げられる。さらに、抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)、トコフェロール(ビタミンE)、レチノール(ビタミンA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エリソルビン酸ナトリウム、ポリフェノール、およびフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。より好ましい態様では、抗酸化剤はジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)である。このような抗酸化剤によれば、一重項酸素クエンチャーとして働くことで、カラーフィルタに含まれる染料の退色を効果的に防止することができる。
本発明の好ましい態様によれば、透明樹脂層は、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリイミド樹脂、およびエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂から形成されるものであることが好ましい。このような樹脂によれば、透明度と強度に優れた保護層を構成することができる。
本発明の好ましい態様によれば、透明樹脂層において、樹脂成分に対する抗酸化剤の質量比率は2〜30%であるのが好ましく、より好ましくは4〜25%である。このような抗酸化剤の含有量であれば、染料の退色をより効果的に防止することができる。該質量比率が2%未満では十分な退色防止効果が得られないことがあり、30%を超えると透明樹脂層用塗布液への溶解性が問題となることがある。
本発明においては、染料を含有しない樹脂に抗酸化剤を添加することにより、より安定に、かつ多くの抗酸化剤を含有させることができる。色材としての染料を予め相当量含有している着色層用塗液(染料フォトレジスト)に抗酸化剤を添加すると、抗酸化剤の析出や、塗液のゲル化など、好ましくない問題が発生することがある。
なお、本発明はいかなる理論にも拘束されるものではないが、染料の退色防止メカニズムとしては、およそ以下のようなものではないかと考えられる。もっとも、本発明が以下の説明によって限定されることがあってはならないことは言うまでもない。まず、退色のメカニズムとしては、空気中の酸素が試験光線のエネルギーにより活性化し、一重項酸素となって色度分子を攻撃することが一つの原因と考えられる。そのため、一重項酸素が染料に到達する前に不活性化することができれば、染料の退色を防止することができると考えられる。すなわち、染料を含むカラーフィルタの表面上に、抗酸化剤を含む透明樹脂層を形成させることで、一重項酸素を不活性化し、染料の退色を効果的に防止することができると考えられる。
本発明の好ましい態様によれば、赤色、緑色、および青色を含む微細にパターニングされた画素からなり、青色画素が上記のカラーフィルタによって構成される、ディスプレイ装置用カラーフィルタが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、透明基材上に、所定のパターンにてパターニング形成されたブラックストライプ層ならびにR(赤色)、G(緑色)、およびB(青色)等の各色のパターンからなる着色層が形成され、その着色層を覆うように抗酸化剤を含む透明樹脂層が形成されてなるものである。ブラックストライプ層には、黒色顔料と樹脂とを含むフォトレジストおよび印刷用インキ、またはクロム等の金属を用いることができ、各色の色パターンには、各色に対応する顔料および染料等の色材と樹脂とを含むフォトレジストまたは印刷用インキを材料として用いることができる。
カラーフィルタの製造方法
本発明によるカラーフィルタの製造方法は特に限定されないが、以下に示される好ましい態様に従い行うことができる。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、まず、基材上に染料フォトレジストを塗布し、減圧乾燥後、プリベークして、溶剤を除去する。染料フォトレジストの塗布には、従来公知の方法を用いることでき、例えばスピンコート法、印刷法、インクジェット法、バーコート法、スプレー法、ダイコート法、ビードコート法、およびスリット&スピンコート法等が挙げられる。いずれの手法であっても、均一な塗膜を得るため、塗布液が一定の粘度になるように、溶剤によって希釈/粘度調整してもよい。続いて、紫外線をベタ露光して、染料フォトレジストを硬化させる。さらに、焼成することで着色層を基材上に形成させることができる。なお、プリベークは70〜120℃、1〜10分間の条件で行うことが好ましく、紫外線のベタ露光は254〜360nmの発光ピークを有する紫外線により30〜3000mJ/cmの露光量で行うことが好ましい。また、上記の染料フォトレジストは、染料と、モノマーと、ポリマーと、溶剤と、所望により界面活性剤および光重合開始剤等の少なくとも一種とを含むことができる。
上記の染料としては、例えば、メチン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料、含金属アゾ系染料、トリアリールメタン系染料、およびフタロシアニン系染料等が挙げられる。本発明においては、市販の染料を用いることもでき、例えば、Basonyl Blue636(BASF社製のトリアリールメタン系染料)、およびBasacid Blue750(BASF社製のフタロシアニン系染料)が好ましい。好ましい態様では、染料の含有量は、染料フォトレジストの全量に対して5〜40質量%である。
上記のモノマーとしては、例えば、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、および、上記のアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、フェノール−エチレンオキサイド変性アクリレート、フェノール−プロピレンオキサイド変性アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ビスフェノールA−エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のアクリレートモノマー、および、これらのアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたエポキシアクリレートオリゴマー、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたウレタンメタクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたポリエステルメタクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたエポキシメタクリレートオリゴマー、アクリレート基を有するポリウレタンアクリレート、アクリレート基を有するポリエステルアクリレート、アクリレート基を有するエポキシアクリレート樹脂、メタクリレート基を有するポリウレタンメタクリレート、メタクリレート基を有するポリエステルメタクリレート、ならびにメタクリレート基を有するエポキシメタクリレート樹脂等が挙げられる。本発明においては、市販のモノマーを用いることもでき、例えば、SR399(サートマー(株)製)が好ましい。好ましい態様では、モノマーの含有量は、染料フォトレジストの全量に対して2.0〜10.0質量%である。
上記のポリマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、ならびにこれらの酸無水物等が挙げられる。好ましい態様では、ポリマーの含有量は染料フォトレジストの全量に対して2.0〜5.0質量%であり、ポリマーとしては、ベンジルメタクリレート、スチレン、アクリル酸、および2−ヒドロキシエチルメタクリレートからなる共重合体に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを加えたものが用いられる。なお、好ましくは、該共重合体の各成分のモル比は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=10〜20:30〜40:25〜35:10〜20であり、該共重合体100モルに対して2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートは10〜20モル加えられる。
上記の溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、およびテトラリン等の炭化水素類、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、およびジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、および2,4−ペンタンジオン等のケトン類、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、およびγ−ブチロラクトン等のエステル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、およびジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、およびオルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、およびブチルセルソルブ等のアルコール類、ならびにフェノールおよびパラクロロフェノール等のフェノール類からなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。好ましい態様では、溶剤の含有量は、染料フォトレジストの全量に対して50〜90質量%である。また、単一種の溶媒を使用しただけでは、フォトレジスト組成物の溶解性が不充分である場合、あるいはフォトレジストを塗布する際における塗布の相手方となる素材(基材を構成する素材)が侵されるおそれがある場合等には、2種以上の溶媒を混合使用することによりこれらの不利益を回避することができる。
上記の界面活性剤としては、例えば、フッソ系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、およびアニオン系界面活性剤等が挙げられる。好ましい態様では、界面活性剤の含有量は、染料フォトレジストの全量に対して0.03〜3.0質量%である。
上記の光重合開始剤としては、ラジカル重合性開始剤を用いることができる。ラジカル重合性開始剤は、紫外線等のエネルギーによりフリーラジカルを発生するものであり、例えば、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。本発明においては、市販の光重合開始剤を用いることもでき、例えば、イルガキュア184、イルガキュア369、イルガキュア651、イルガキュア907(いずれも、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー(メルク社製)、アデカ1717(旭電化工業株式会社製)等のケトン系化合物、および2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’−テトラフェニル−1,2’ビイミダゾール(黒金化成株式会社製)等のビイミダゾール系化合物が好ましい。好ましい態様では、光重合開始剤の含有量は、染料フォトレジストの全量に対して1.0〜5.0質量%である。
ディスプレイ装置
本発明によるディスプレイ装置は、カラーフィルタであって、基材と、前記基材上に形成された、色材として染料を含む着色層と、前記基材の、前記着色層と反対側の面に形成された、紫外線遮断層とを含んでなり、前記紫外線遮断層の透過率50%の波長が、400nm以上であり、かつ組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長から25nm以上短波長側に位置するカラーフィルタを具備するものである。好ましい態様によれば、ディスプレイ装置は、有機ELディスプレイである。有機ELディスプレイは、青色、赤色、および緑色の3色の発光体を含む発光素子を有し、ディスプレイ装置の青色表示が、青色発光体と、上記のカラーフィルタとの組み合わせにより構成されるものであることが好ましい。このような有機ELディスプレイによれば、OLED光源の青色発光ピーク波長でのカラーフィルタの透過率が高いため、青色発光をより効率的に利用することができ、青色画素に関して十分な性能を実現することができる。
ここで、本発明のカラーフィルタを具備するディスプレイ装置の典型的な断面図を図2に示す。図2に示される有機ELディスプレイは、基材(1)上に青色着色層(2)、緑色着色層(3)、および赤色着色層(4)、ならびに各色間にブラックストライプ層(5)が所定のパターンで形成され、基材上の前記着色層と反対側の面に紫外線遮断層(12)が形成されてなるカラーフィルタ(6)と、青色発光体(7)、緑色発光体(8)、および赤色発光体(9)の3色の発光体を含む発光素子(10)とが、接着層(11)を介して積層されてなるものである。
有機EL発光体の製造方法
有機EL発光体の製造方法は特に限定されないが、以下に示される好ましい態様に従い行うことができる。すなわち、基板上に、反射型陽極と、正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層と、電子注入層とをこの順番にパターニングして青色発光層を製膜し、さらに、半透明な陰極と、保護層とをこの順番にベタ製膜して積層し、青色発光する有機EL発光体を製造することができる。
上記の基板としては、スイッチング素子としてのTFTを有する無アルカリガラス基板を用いることができ、無アルカリガラス基板の厚さは、好ましくは0.5〜1.1mmである。上記の反射型陽極としては、ITO/Ag/ITOの積層構造からなる反射型陽極を用いることができ、好ましくは積層構造の各層の厚さがそれぞれ10〜150nmであり、好ましくは反射型電極の厚さは50〜300nmである。上記の正孔注入層としては、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)(α−NPD)とMoOの共蒸着薄膜(MoOの体積濃度:20%)からなる正孔注入層を用いることができ、好ましくは正孔注入層の厚さは10〜400nmである。上記の正孔輸送層としては、α−NPDからなる正孔輸送層を用いることができ、好ましくは正孔輸送層の厚さは5〜200nmである。上記の発光層としては、ホスト材料として9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)、ゲスト材料として1−tert−ブチル―ペリレン(TBP)を用いてなる発光層を用いることができ、好ましくは、発光層の厚さは20〜60nmであり、さらにホスト材料とゲスト材料との配合割合が10:1〜100:1になるように調整することが好ましい。上記の電子輸送層としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)からなる電子輸送層を用いることができ、好ましくは電子輸送層の厚さは5〜200nmである。上記の電子注入層としては、LiFからなる電子注入層を用いることができ、好ましくは電子注入層の厚さは0.1〜1nmである。上記の半透明な陰極としては、MgAgからなる半透明な陰極を用いることができ、好ましくは半透明な陰極の厚さは1〜100nmである。上記の保護層としては、SiONからなる保護層を用いることができ、好ましくは保護層の厚さは50〜400nmである。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
実施例1
カラーフィルタの製造
まず、以下の組成物を用いて青色パターン用染料フォトレジストを調製した。
青色パターン用染料フォトレジスト
・青色染料(BASF社製のトリアリールメタン系染料、Basonyl Blue 636): 6.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399): 4.0重量部
・ポリマー: 5.0重量部
・光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア907): 1.4重量部
・光重合開始剤(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール): 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート): 80.0重量部
なお、上記ポリマーは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モルに対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
上記で調製した染料フォトレジストを、基材であるガラス基板(コーニング社製、1737材)上にスピンコート法で塗布し、減圧乾燥後、80℃、5分間の条件でプリベークして溶剤を除去した。引き続き365nmの発光ピークを有する紫外線を、300mJ/cmの露光量でベタ露光して塗膜を硬化させた。さらに180℃のクリーンオーブン中で30分間焼成することにより、ガラス基板上に1.8μmの厚さで着色層を形成させた。
なお、染料フォトレジストは、フォトマスクを介してパターン露光し、引き続いて0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像により、10μmオーダーでのパターニングが可能であった。これにより、カラーフィルタ用途として十分な解像性が確認できた。
次に、紫外線硬化型レジスト(JSR社製 商品名:JNPC112、樹脂成分が29.0質量%となるように調整して使用)にジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)を添加して、透明樹脂層用塗布液を調製した。ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)の添加量は、紫外線硬化型レジストの樹脂成分に対して20.4質量%であった。調製した透明な塗布液を、表面処理を施したPETフィルム上にバーコート法により塗布し、減圧乾燥後、120度のホットプレート上で加熱して余剰の溶剤成分を除去した。
透明樹脂層が積層されたPETフィルムは、ホットラミネーターを使用して、上記で形成された着色層上にラミネートした。さらにラミネートしたままの状態で、365nmの発光ピークを有する紫外線を300mJ/cmの露光量で露光して、透明樹脂層を硬化させた。硬化後、該PETフィルムを剥がすことにより、透明樹脂層が積層された青色カラーフィルタを得た。なお、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II)を含む透明樹脂層の膜厚は、2.2μmであった。
さらに、ガラス基板の透明樹脂層と反対側の面に、紫外線防止フィルムとしてUVガード(富士フィルム社製)を1枚積層して紫外線遮断層を形成させ、カラーフィルタを得た。なお、本実施例においては有機EL素子とカラーフィルタとを接着する前に紫外線防止フィルムを積層させたが、有機EL素子とカラーフィルタとを接着した後に積層させても良い。
次に紫外線防止フィルムとしてのUVガード(富士フィルム社製)の分光特性を図3に示す。UVガードからなる紫外線遮断層の透過率50%の波長は421nmであり、組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側のピークトップ(449nm)から25nm以上短波長側に位置していることが解る。あわせて、実施例1で用いた青色発光層から発光する青色光の分光特性、およびUVガード透過後の青色発光の分光カーブを図3に示す。青色光は、UVガードによりほとんど影響を受けていないことが解る。
有機EL発光体の製造
基材1として、スイッチング素子としてのTFTを有する厚さ1.1mmの無アルカリガラス基板を準備した。その無アルカリガラス基板の上に、ITO(20nm)/Ag(100nm)/ITO(20nm)の積層構造からなる厚さ140nmの反射型陽極3と、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)(α−NPD)とMoOの共蒸着薄膜(MoOの体積濃度:20%)からなる厚さ40nmの正孔注入層と、α−NPDからなる厚さ20nmの正孔輸送層と、ホスト材料として9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)、ゲスト材料として1−tert−ブチル―ペリレン(TBP)を用いてなる厚さ40nmの発光層と、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)からなる厚さ20nmの電子輸送層と、LiFからなる厚さ0.5nmの電子注入層とをその順番にパターニングして青色発光層を製膜し、さらに、MgAgからなる厚さ10nmの半透明な陰極と、SiONからなる厚さ100nmの保護層とをその順番にベタ製膜して積層し、青色発光する有機EL発光体を製造した。上記の発光層は、ホスト材料とゲスト材料との配合割合が20:1になるように調整した。なお、得られた発光体の発光輝度分布(OLED発光)を、分光輝度計SR−3(トプコン社製)で測定した結果を図4に示す。青色発光のピークトップは449nmとなり、ピークトップよりも短波長側では、急激に発光強度が減少する特性を示した。
また、本実施例では青色の単色発光のOLEDを用いているが、白色OLEDにおいても本発明は適用が可能である。すなわち、紫外線カットフィルムの透過率50%は可視光領域における短波長側、換言すれば青色領域にあり、青色領域よりも長波長側にあっては、その透過率はほとんど100%となるため、青色以外の発光成分には何ら影響を与えないためである。
実施例2
紫外線防止フィルムとして、UVガード(富士フィルム社製)の替わりにKC4UX2M(コニカミノルタ社製、TACフィルム)を4枚積層して積層した以外は、実施例1と同様にして耐光性試験に供した。紫外線遮断層の透過率50%の波長は404nmであった。
比較例1
紫外線防止フィルムとして、UVガード(富士フィルム社製)の替わりにKC4UX2M(コニカミノルタ社製、TACフィルム)を積層した以外は、実施例1と同様にして耐光性試験に供した。紫外線遮断層の透過率50%の波長は395nmであった。
比較例2
紫外線防止フィルムとして、UVガード(富士フィルム社製)を4枚積層した以外は、実施例1と同様にして耐光性試験に供した。紫外線遮断層の透過率50%の波長は427nmであった。
比較例3
紫外線防止フィルムを積層しなかった以外は、実施例1と同様にして耐光性試験に供した。
分光特性評価
まず、上記の実施例および比較例で用いた紫外線遮断層(紫外線防止フィルム)の透過分光スペクトルを顕微分光測色機(オリンパス社製、型名:OSP−SP200)を用いて測定した。透過分光スペクトルの測定結果を図4に示す。
組み合わせでの色差評価
上記の実施例および比較例で用いた紫外線防止フィルムと、OLEDとを組み合わせた分光に関して、OLED単体での分光と比較した際の色差を測定した。色差は、ΔE*ab色差色で評価した。なお、色差は、数値が小さいほどOLEDの分光特性が保持されていることを意味し、3以下であることが好ましい。色差が3以内であれば、観察者である人は色目の差を認識することが出来ないためである。色差の測定には、顕微分光測色機(オリンパス社製、型名:OSP−SP200)を用いた。
組み合わせでの色差評価の結果は、表1に示すとおりである。色差が3以内では、光源としてのOLEDに適用した場合においても、何ら色目に知覚できる変化を生じなかった。
Figure 0005397741
耐光性試験
次に上記の実施例および比較例で製造したカラーフィルタの耐光性試験を行った。耐光性試験として、キセノンアークランプを用いたキセノンフェードメーター(東洋精機社製、商品名:サンテストXLS+)により、310Wの出力で100時間連続して色度の評価を行った。色差は、ΔE*ab色差色で評価した。色差は、まず紫外線防止フィルム積層前に分光測定を行い、次に耐光性試験完了後に紫外線防止フィルムを剥がして再度分光測定を行い、耐光性試験前後の色度から求めた値であり、数値が小さいほど耐光性が高いことを示す。なお、耐光性試験の光源には標準の光Cを用いた。
耐光性試験結果は、表2に示すとおりである。本発明の構成を満たすカラーフィルタでは、色差の値が小さく、耐光性に優れるものであることがわかった。また、上記で測定した紫外線遮断層(紫外線防止フィルム)の透過分光スペクトルから求めた、紫外線遮断層の透過率50%波長を併せて表2に示す。実施例の紫外線遮断層の透過率50%の波長は、400nm以上であり、かつ組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピーク(449nm)の波長から25nm以上短波長側に位置するものであった。
Figure 0005397741
一般的なRGB3色発光型のOLEDの発光輝度分布を示す図である。 本発明のカラーフィルタを具備するディスプレイ装置の典型的な断面図である。 UVガード透過後の青色発光の分光カーブを示す図である。 実施例および比較例の透過分光スペクトルならびにOLED発光の分光スペクトルを示す図である。
符号の説明
1 基材
2 青色着色層
3 緑色着色層
4 赤色着色層
5 ブラックストライプ層
6 カラーフィルタ
7 青色発光体
8 緑色発光体
9 赤色発光体
10 発光素子
11 接着層
12 紫外線遮断層

Claims (4)

  1. 基材と、
    前記基材上に形成された、色材として染料を含む着色層と、
    前記着色層を覆うように形成された、樹脂成分に対して2〜30質量%の一重項酸素クエンテャーを含む透明樹脂層と、
    前記基材の、前記着色層と反対側の面に形成された、紫外線遮断層と
    を含んでなり、
    前記着色層の青色着色層が、色材として、メチン系染料、トリアリールメタン系染料、およびフタロシアニン系染料からなる群から選択される少なくとも一種を含み、
    前記紫外線遮断層の透過率50%の波長が、400nm以上であり、かつ組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長から25nm以上短波長側に位置する、カラーフィルタ。
  2. 前記光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長が、425nm〜480nmの範囲内である、請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. カラーフィルタを具備してなるディスプレイ装置であって、
    前記カラーフィルタが、基材と、前記基材上に形成された、色材として染料を含む着色層と、前記着色層を覆うように形成された、樹脂成分に対して2〜30質量%の一重項酸素クエンテャーを含む透明樹脂層と、前記基材の、前記着色層と反対側の面に形成された、紫外線遮断層とを含んでなり、
    前記着色層の青色着色層が、色材として、メチン系染料、トリアリールメタン系染料、およびフタロシアニン系染料からなる群から選択される少なくとも一種を含み、
    前記紫外線遮断層の透過率50%の波長が、400nm以上であり、かつ組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長から25nm以上短波長側に位置する、ディスプレイ装置。
  4. 青色、赤色、および緑色の3色の発光体を含む発光素子を有する有機ELディスプレイであって、
    前記有機ELディスプレイの青色表示が、
    青色発光体と、
    基材と、前記基材上に形成された、色材として染料を含む着色層と、前記着色層を覆うように形成された、樹脂成分に対して2〜30質量%の一重項酸素クエンテャーを含む透明樹脂層と、前記基材の、前記着色層と反対側の面に形成された、紫外線遮断層とを含んでなり、前記着色層の青色着色層が、色材として、メチン系染料、トリアリールメタン系染料、およびフタロシアニン系染料からなる群から選択される少なくとも一種を含み、前記紫外線遮断層の透過率50%の波長が、400nm以上であり、かつ組み合わされる光源光の可視光領域における最も短波長側の発光ピークの波長から25nm以上短波長側に位置する、カラーフィルタと
    の組み合わせにより構成されるものである、有機ELディスプレイ。
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