JP2010237374A - カラーフィルタ及び有機elディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】色純度に優れる3色塗り分け方式の有機ELディスプレイの長寿命化を実現できる、耐光性に優れたカラーフィルタを提供する。
【解決手段】透明基材1と、透明基材1の少なくとも片面に設けられた紫外線吸収能を有する保護膜5,6と、透明基材1上又は保護膜6上に所定のパターンで設けられた少なくとも赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3Bとを有するカラーフィルタ10Dであって、前記着色層のうち少なくとも青色着色層3Bを覆う酸素バリア膜4A,4Bが設けられているとともに、その酸素バリア膜4A,4Bで覆われた少なくとも青色着色層3Bが染料色素を含有している。
【選択図】図4

Description

本発明は、カラーフィルタ及び有機ELディスプレイに関する。
近年、次世代型のディスプレイとして、エレクトロルミネッセンス(以下EL)素子で構成されたELディスプレイが期待されている。EL素子には無機EL素子と有機EL素子とがあり、いずれのEL素子も自己発光性であるために視認性が高く、また完全固体素子であるために耐衝撃性に優れるとともに取り扱いが容易であるという利点がある。このため、グラフィックディスプレイの画素やテレビ画像表示装置の画素、あるいは面光源等としての研究開発及び実用化が進められている。
有機EL素子は、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層とトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層、又は、発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層、又は、正孔注入層と発光層と電子注入層、のいずれかの積層形態を2つの電極(発光面側の電極は透明電極になる。)間に介在させてなる構造体である。こうした有機EL素子は、発光層に注入された電子と正孔とが再結合するときに生じる発光を利用するものである。このため、有機EL素子は、発光層の厚さを薄くすることにより、例えば4.5Vという低電圧での駆動が可能で応答も速いといった利点や、輝度が注入電流に比例するために高輝度のEL素子を得ることができるといった利点等を有している。また、発光層とする蛍光性の有機固体の種類を変えることにより、青、緑、黄、赤の可視域すべての色で発光が得られている。有機EL素子は、このような利点、特に低電圧での駆動が可能であるという利点を有していることから、現在、実用化のための研究が進められている。そして、携帯電話の表示部分等、製作上での難易度が比較的低い小型のディスプレイでは、一部実用化がなされている。
有機EL素子におけるカラー表示の方式としては、(1)青色、赤色、緑色等の各色の発光材料を成膜する3色塗り分け方式、(2)青色発光する発光層と、青→緑及び青→赤にそれぞれ色変換する色変換層(CCM層)とを組み合わせて3色を発色させるCCM方式、(3)白色発光する発光層と、青色、赤色、緑色等のカラーフィルタとを組み合わせる方式、等が挙げられる。このうち、発光効率の点からは、(1)の3色塗り分け方式が最も有力であり、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等に実用化されている。
これらの有機EL素子においては、電極が金属系材料からなること、発光体自身の色が白色であること等から、周囲が明るい環境での使用を想定した場合、外光反射により表示コントラストが著しく低下するといった問題があった。そのため、A.有機EL素子のマンサイド側に円偏光板を貼付する、B.カラーフィルタを適用する、C.無彩色もしくは無彩色に近い色目で着色する(所謂ティント処理を施す)、といった種々の対策がとられている。ここで、Aの円偏光板を貼付する場合は、原理的に外光反射が完全に(外光の入射角度にもよるが)抑えられるものの、有機EL素子からの発光もその半分以上が円偏光板により吸収され、必ずしも効率が良いとは言えないものであった。一方、Bのカラーフィルタを適用した場合は、円偏光板を用いた場合に比較して外光反射の抑止効果が劣るものの、有機EL素子からの発光色の色目調整が可能となるといった優れた効果を発揮する。有機EL素子の発光自体による色純度向上には限界があることから、こうした色目調整機能は非常に有効と言える。特に3色塗りわけ方式の有機EL素子とカラーフィルタとの組み合わせは、発光効率、色純度、外光反射防止のバランスの点から最も優れており、実際に商品化もされている。
現在、有機EL素子においては、長寿命化が大きな課題となっている。有機EL素子では、有機物である発光体に電流を流して発光させ、さらにその電流値を高めることにより高輝度化が可能となる。そのため、高輝度で発光させようとした場合には、発光体自身の劣化が避けられず、素子の寿命が縮まることになる。したがって、光が発光体から出射された後は、周辺部材による光吸収をなるべく低く抑えることが電流値を抑制し、ひいては長寿命化につながる。このことからも、有機EL素子からの発光した光の多くを吸収する円偏光板を用いるものよりも、上記の3色塗り分け方式の有機EL素子とカラーフィルタとを組み合わせるものの方が好ましい。
また、有機EL素子を構成する青色発光体は、緑色発光体や赤色発光体に比較して寿命が短く、その青色発光体の寿命がディプレイ全体の寿命を左右している。そのため、特に青色での発光を減衰しないようなパネルを構成することは、有機ELディスプレイ自体の長寿命化に直接つながる。
こうしたパネル構成の観点から、特に3色塗りわけ方式の有機EL素子とカラーフィルタとの組み合わせを見た場合、上記した青色光を可能な限り減衰しないようにしたカラーフィルタを用いることができれば、緑色発光体や赤色発光体に比べて寿命が短いとされる青色発光体の使用可能期間を長くすることができ、長寿命化を実現できる。そのため、青色画素におけるカラーフィルタの透過率を高くすることが望ましいと言える。
ところで、カラーフィルタは、大きく別けて、着色層を構成する色材に染料を用いたタイプと顔料を用いたタイプの2種類がある。現在では、耐光性と耐熱性に優れる顔料分散型のカラーフィルタが一般的である。顔料自体は元々は光透過性ではないため、光透過性を付与するために分散剤の存在下で顔料粒子を100nm前後に微細化して用いられる。こうした顔料を用いた顔料分散型のカラーフィルタは、液晶ディスプレイのカラー化で広く使用されていることもあり、現在までに非常に多くの色調が開発されており、選択の自由度が確保できている。前述の市販された3色塗りわけ方式の有機EL素子でも、工業生産的な観点から、この顔料分散型のカラーフィルタが適用されている。しかしながら、青色画素については、現在使用可能な顔料系で最も透過率に優れる顔料を適用しても、十分な透過率が確保できているとは言えないものであった。
一方、色材として染料を用いたカラーフィルタは、その染料が分子レベルでバインダーに溶解するため、顔料を用いたカラーフィルタに比べて着色層の透過率を高くすることができる。しかし、染料は、耐光性と耐熱性の点では顔料よりも信頼性が劣るといった問題があった。特に液晶ディスプレイ用途を考えると、液晶配向膜としてのポリイミド膜を230℃以上の高温で焼成する必要があるため、時間にもよるが一般的に180℃程度で分解が始まる染料は適用することができなかった。ところが、有機ELディスプレイの製造工程においては、当然ながら高温を必要とする液晶配向膜を形成するプロセスが不要なため、カラーフィルタに対する耐熱性の要求は、時間にもよるが最高でも150℃程度に緩和される。そのため、従来の液晶ディスプレイ向けのカラーフィルタでは適用が難しかった染料系の着色材料が使用可能となっている。下記特許文献1は、CCM方式の有機ELディスプレイにおいて、カラーフィルタを構成する青色着色層の色材として、シアニン系の染料を用いた例である。
特開2000−309726号公報 特開平11−223720号公報
しかしながら、着色層の色材として染料を用いたカラーフィルタにおいて、耐光性についての信頼性の低さに関しては、液晶ディスプレイの場合と同様、有機ELディスプレイでも問題となっていた。しかも、有機ELディスプレイでは、液晶ディスプレイと異なり、輝度の低下をもたらすと共に長寿命化を妨げる偏光板を使用しないので、紫外光や可視光等の外光がディスプレイ内部に進入し易く、より厳しい耐光性が要求される。
通常、顔料や染料などの色材の退色は、色材が酸化することによる退色が主なものであることが知られている。具体的には、光により生成した一重項酸素が色材を酸化させ、色調を褪色させている。こうした問題に対し、一重項酸素クエンチャーを着色層形成用レジストに添加することによって着色層の退色を低減することが提案されているが(特許文献2を参照)、この添加手段のみによって褪色を低減させようとした場合には添加量を多くしなければならず、結局は透過率が低下してしまうという難点があった。
また、カラーフィルタを構成するガラス面もしくはガラスと着色層と間(着色層の下層)に紫外線吸収膜を形成すれば、紫外光による退色を低減することが可能となる。しかし、可視光が紫外線吸収膜を透過した場合、その可視光が有機ELディスプレイ内部に設けられた隔壁等に作用して活性酸素が生じるので、その活性酸素が染料を酸化させ、染料を褪色させてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL素子を備えた有機ELディスプレイの長寿命化を実現できる、耐光性(光に起因した褪色を抑えること)に優れたカラーフィルタを提供することにある。また、そのカラーフィルタを備えた有機ELディスプレイを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のカラーフィルタは、透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた少なくとも赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層とを有するカラーフィルタであって、前記着色層のうち少なくとも青色着色層を覆う酸素バリア膜が設けられているとともに、該酸素バリア膜で覆われた少なくとも青色着色層が染料色素を含有していることを特徴とする。
この発明によれば、所定のパターンで設けられた少なくとも赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層のうち、少なくとも青色着色層を覆う透明な酸素バリア膜を設けるとともに、その青色着色層が染料色素を含有するので、カラーフィルタに紫外線や可視光が入射した場合にそうした光によって活性酸素がたとえ生じた場合であっても、その活性酸素が青色着色層に到達するのを酸素バリア膜が防ぐ。その結果、青色発光層に含まれる染料色素の活性酸素による褪色を防ぐことができるので、顔料色素よりも透過性に優れる染料色素の劣化を抑制することができ、耐光性に優れた長寿命のカラーフィルタを提供できる。
なお、可視光による活性酸素の発生に基づいた染料色素の劣化とは、外光としての紫外光や可視光が有機ELディスプレイ内部に設けられた隔壁等に作用して活性酸素が生じ、その活性酸素が染料色素を酸化させ、その染料色素の酸化により染料色素の色調が劣化して褪色が生じることである。このように、耐光性に優れた本発明のカラーフィルタを色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて有機ELディスプレイを構成すれば、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持できるので、長寿命化を実現できる。
本発明のカラーフィルタにおいて、前記透明基材の片面又は両面には、紫外線吸収能を有する保護膜が設けられているように構成することが好ましい。
この発明によれば、透明基材の片面又は両面に紫外線吸収能を有する保護膜が設けられているので、カラーフィルタに入射する紫外線を吸収することができる。その結果、着色層に含まれる染料色素が紫外線によって褪色することを防ぐことができ、耐光性をより一層高めることができる。
本発明のカラーフィルタにおいて、前記青色着色層が染料色素を含有し、前記赤色発光層及び前記緑色着色層が顔料色素を含有するように構成することが好ましい。
この発明によれば、特に青色発光層については透過率のよい染料色素を用い、しかも上記した酸素バリア膜や保護膜によって褪色を抑制できるので、染料色素を含む赤色発光層や緑色発光層に比較して寿命が短いとされる青色発光層の寿命を長くすることができる。
本発明のカラーフィルタにおいて、前記染料色素が、トリアリールメタン系色素、メチン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素及びトリフェニルメタン系色素から選ばれるいずれか1種であることが好ましい。
本発明のカラーフィルタにおいて、前記着色層上には、該着色層に接する平坦化膜が形成されていることが好ましい。
本発明のカラーフィルタの好ましい態様として、3色塗り分け方式で作製された有機EL発光体に用いられるように構成する。
この発明によれば、耐光性に優れた本発明のカラーフィルタを色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて有機ELディスプレイを構成すれば、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持できるので、長寿命化を実現できる。
上記課題を解決する本発明の有機ELディスプレイは、透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた少なくとも赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層とを有し、前記各着色層のうち少なくとも青色着色層を覆う酸素バリア膜が設けられているとともに、該酸素バリア膜で覆われた少なくとも青色着色層が染料色素を含有しているカラーフィルタと、
少なくとも赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を有する有機EL発光体と、を貼り合わせてなり、
前記有機EL発光体が3色塗り分け方式で作製されたものであることを特徴とする。
この発明によれば、特に青色光の透過性がよく耐光性に優れた青色着色層を有する上記本発明のカラーフィルタを、色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて構成したので、安定した色調を長期間保持でき、長寿命化を実現できる。
本発明の有機ELディスプレイは、カラーフィルタが上記本発明の特徴を有したものであれば、色変換層を備えたCCM方式のものとすることもできる。
すなわち、本発明の有機ELディスプレイは、透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた少なくとも赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層とを有し、前記各着色層のうち少なくとも青色着色層を覆う酸素バリア膜が設けられているとともに、該酸素バリア膜で覆われた少なくとも青色着色層が染料色素を含有しているカラーフィルタと、
少なくとも青色発光層を有する有機EL発光体と、を貼り合わせてなり、
前記有機EL発光体は青色発光する発光層を備え、前記カラーフィルタは青色着色層、青/緑色変換層及び青/赤変換層を備えることを特徴とする。
この発明によれば、特に青色光の透過性がよく青色着色層の耐光性に優れたCCM方式の上記本発明のカラーフィルタを、青色発光層を備えた有機EL発光体と組み合わせて構成したので、安定した色調を長期間保持でき、長寿命化を実現できる。
本発明のカラーフィルタによれば、カラーフィルタに紫外線や可視光が入射した場合にそうした光によって活性酸素がたとえ生じた場合であっても、その活性酸素が青色着色層に到達するのを酸素バリア膜が防ぐので、少なくとも青色発光層に含まれる染料色素の活性酸素による褪色を防ぐことができ、その結果、顔料色素よりも透過性に優れる染料色素の劣化を抑制することができ、耐光性に優れた長寿命のカラーフィルタを提供できる。さらに、紫外線吸収能を有する保護膜が設けられている場合には、紫外線に基づいた染料色素の劣化が抑制され、透過性に優れる染料色素の劣化をより一層抑制することができる。その結果、染料色素の褪色を長期間抑制することができ、耐光性を向上させることができる。
特に青色光の透過性がよく青色着色層の耐光性に優れた本発明のカラーフィルタを色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて有機ELディスプレイを構成すれば、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持できるので、長寿命化を実現できる。さらに、本発明のカラーフィルタの特徴を有する限り、カラーフィルタをCCM方式のカラーフィルタとして対応する有機EL発光体と組み合わせれば、前記同様、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持でき、長寿命化を実現できる。
本発明のカラーフィルタの一例を示す模式的な断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の有機ELディスプレイの一例を示す模式的な断面図である。 本発明の有機ELディスプレイの他の一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明のカラーフィルタ及び有機ELディスプレイの実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定解釈されるものではない。
[カラーフィルタ]
図1〜図4は、本発明のカラーフィルタの一例を示す模式的な断面図である。本発明のカラーフィルタ10(10A〜10D)は、透明基材1と、透明基材1上に所定のパターンで設けられた少なくとも赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3Bとを有するカラーフィルタである。そして、各着色層のうち少なくとも青色着色層3Bを覆う酸素バリア膜(4A,4B)が設けられているとともに、その酸素バリア膜(4A,4B)で覆われた少なくとも青色着色層3Bが染料色素を含有している。さらに、図1〜図4に示す各カラーフィルタ10A〜10Dは、透明基材1の片面又は両面に紫外線吸収能を有する保護膜(5,6)を形成している。なお、各カラーフィルタ10A〜10Dを総称する場合は、符号10を用いて「カラーフィルタ10」と表す。
ここで、図1〜図4に示す各形態の違いについて説明する。図1及び図2に示すカラーフィルタ10A,10Bは、透明基材1の片面であって着色層側の反対面(マンサイド側の面ともいう。)のみに紫外線吸収能を有する保護膜5を設けた形態である。一方、図3及び図4に示すカラーフィルタ10C,10Dは、透明基材1の両面であって着色層側の反対面と着色層側の面とに紫外線吸収能を有する保護膜5,6を設けた形態である。また、図1に示すカラーフィルタ10Aは、透明樹脂からなる酸素バリア膜4Aを設けた形態であり、一方、図2に示すカラーフィルタ10Bは、粘着剤4b2を有する酸素バリアフィルム4b1からなる酸素バリア膜4Bを設けた形態である。また、図4に示すカラーフィルタ10Dは、着色層3上に平坦化膜7を設け、その平坦化膜7上に酸素バリア膜4を設けた形態である。なお、符号4Aと符号4Bの酸素バリア膜を総称する場合は、符号4を用いて「酸素バリア膜4」と表す。
以下、各構成について順に説明する。
(透明基材)
透明基材1は、後述の図5及び図6からもわかるように、有機ELディスプレイを構成した場合には通常は光出射側(マンサイド側)に配置されるので、光透過性のよい透明基材が用いられる。例えば、ガラス、石英、又は各種の樹脂等からなる光透過性のよい材料からなる透明基材が用いられる。透明基材1の大きさや厚さ等は特に限定されるものではなく、カラーフィルタ10が組み合わされる有機EL発光体の仕様や透明基材上に積層する各層の材質等により適宜決めることができる。
(保護膜)
保護膜5,6は、紫外線を吸収する性能を有する膜であり、図1等に示すように、透明基材1の片面又両面に必要に応じて設けられる。この保護膜5,6は、少なくとも青色発光層3に含まれる染料色素を含有する着色層3の紫外線劣化を抑制するように作用するので好ましく設けられる。図1に示すカラーフィルタ10Aでは、保護膜5が透明基材1のマンサイド側(透明基材1の着色層側とは反対側)の表面に設けられている。一方、図2に示すカラーフィルタ10Bでは、さらに保護膜6が透明基材1の着色層側の表面にも設けられている。
保護膜は片面(図1参照)のみに設けてもよいが、両面(図2参照)に設けることが好ましい。保護膜5,6を透明基材1の両面に設けることにより、染料色素を劣化させて色調を変化させるおそれのある紫外光が保護膜5,6により効果的に吸収されるので、色調が一定した状態に染料色素を維持することができ(すなわち、耐光性を向上させることができ)、その結果、有機EL発光体が有する発光層の輝度が時間とともに低下する場合であっても、その使用可能期間を可能な限り引き延ばすことができる。特に、発光寿命のより長寿命化が盛んに検討されている青色発光層においては効果的である。なお、保護膜を片面のみに形成してもよいが、その場合には、図1に示すように、透明基材1のマンサイド側(透明基材1の着色層側とは反対側)の表面に設けられていることが好ましい。
保護膜の形成材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等の透明な樹脂に紫外線吸収剤を添加したものから選ばれるいずれか1種又は2種以上の樹脂を用いることが好ましい。なお、紫外線吸収剤としては、例えば、TINUVINシリーズ(チバ・ジャパン社製)、SEES ORBシリーズ(シプロ化成株式会社製)等を挙げることができる。
保護膜は、こうした樹脂材料を含む塗布液を透明基材1の片面又は両面に各種の塗布法で塗布形成したものであってもよいし、上記樹脂材料からなるフィルムを接着剤又は粘着剤で貼り合わせたものであってもよい。具体的には、紫外線カットフィルムであるアートン(ノルボルネン系樹脂、JSRの登録商標)や、UVガード(富士フィルムの登録商標)等を好ましく用いることができる。
(ブラックマトリクス層)
ブラックマトリクス層2は、カラーフィルタ10においては通常設けられる格子状の遮光層である。このブラックマトリクス層2は、図1等に示すように、所定の格子状パターンで形成され、通常、黒色顔料とバインダー樹脂と溶剤とを含有したフォトレジストや印刷用インキ、あるいはクロムなどの金属を用いて構成される。黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック等を挙げることができ、バインダー樹脂としては、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体等を挙げることができ、溶剤としては、後述の着色層のものと同様のものを用いることができる。ブラックマトリクス層2の形成方法としては、フォトリソグラフィ、各種のパターン印刷方法、各種のめっき方法等で形成することができる。
(着色層)
着色層3は、図1等に示すように、透明基材1上の、主にブラックマトリクス層2が形成されていない開口部に、所定のパターンで設けられている。着色層3としては、一般的に設けられている赤色着色層3R、緑色着色層3G、青色着色層3Bの他、シアン着色層やマゼンダ着色層がさらに設けられていてもよい。
本発明のカラーフィルタ10においては、少なくとも青色着色層3Bが染料色素を含有している。その理由は、3色塗り分け方式の有機EL発光体において、その有機EL発光体が備える青色発光層の発光寿命のより長寿命化が盛んに検討されているが、その青色発光層からの光を色調整するカラーフィルタ10においては、顔料色素を含む青色着色層よりも光透過性に優れた染料色素を含む青色着色層を設けた方が青色発光層に高い電流を与えなくてもよい。その結果、青色発光層への負荷を低減してその長寿命化を図ることができるので、有機ELディスプレイ全体の長寿命化を図ることができるためである。したがって、ここで、「少なくとも」としているのは、青色着色層3Bは必ず染料色素を含有するが、赤色着色層3Rと緑色着色層3Gは必ずしも染料色素を含有する必要はなく、顔料色素を含有するものであってもよいことを意味している。
青色着色層3Bに含まれる青色染料としては、トリアリールメタン系色素、メチン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素及びトリフェニルメタン系色素から選ばれるいずれか1種等を挙げることができ、中でも、後述の実施例に示すように、トリフェニルメタン系染料を好ましく用いることができる。
染料色素を含有する着色層の耐光性をより向上させて褪色を抑制するために、着色層形成用材料に、例えば一重項クエンチャーを配合してもよい。使用可能なクエンチャーとしては、ジアルキルホスフェート、ジアルキルカルバネート又はベンゼンジチオールあるいはその類似ジチオール等の金属錯体を好ましく挙げることができ、また、その金属錯体を構成する金属としては、ニッケル、銅又はコバルト等を挙げることができる。着色層内に一重項クエンチャーが含まれることにより、仮に活性酸素が着色層にアタックした場合であっても、活性酸素を一重項クエンチャーが捕獲することができるので、活性酸素が染料色素を劣化させるのを抑制することができる。
ところで、カラーフィルタには顔料分散型のものと染料含有型のものがあるが、液晶ディスプレイに適用されるカラーフィルタにおいては、耐光性及び耐熱性に優れる顔料分散型のものが一般的に用いられている。その理由は、液晶ディスプレイでは、液晶配向膜としてのポリイミド膜を230℃以上の高温で焼成する必要があるため、一般的に180℃程度で分解が始まる染料を使用することができないためである。しかし、本発明においては、液晶配向膜を形成する必要がなく、さらにカラーフィルタに加わる温度もせいぜい150℃程度であるので、顔料に比べて耐熱性が劣る染料を用いることが可能である。しかも、染料は、分子レベルでバインダー樹脂に溶解できるので顔料に比べて透過率を高くすることができるという利点がある。こうしたことから、従来の液晶ディスプレイ向けカラーフィルタでは適用が難しかった染料系の着色材料を好ましく使用することができる。
バインダー樹脂としては、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体等を挙げることができる。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン等のケトン類、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、g−ブチロラクトン等のエステル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。単一種の溶媒を使用しただけでは、レジスト組成物の溶解性が不充分である場合や、レジストを塗布する際における塗布の相手方となる素材(基材を構成する素材)が侵される虞がある場合等には、2種以上の溶媒を混合使用することにより、これらの不都合を回避することができる。
また、必要に応じて配合される界面活性剤としては、フッソ系界面活性剤や、ノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
着色層3のうち、赤色着色層3Rと緑色着色層3Gについては、必ずしも染料色素を含むものでなくてもよいし、染料色素を含むものであっても構わない。これらの色素(染料色素と顔料色素)は特に限定されず、公知の各種ものを用いることができる。例えば、赤色染料色素については、アゾ系染料、ペリノン系染料、アンスラキノン系染料等を挙げることができ、緑色染料色素についても各種のものを用いることができ、例えば、フタロシアニン系染料等を挙げることができる。また、赤色顔料色素については、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等を挙げることができ、緑色顔料色素についても、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料若しくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン顔料、トリフェニルメタン系塩基性顔料、イソインドリン系顔料、又はイソインドリノン系の顔料等を挙げることができる。なお、着色層用材料には、必要に応じて、分散剤、界面活性剤、光重合開始剤等を配合してもよい。
なお、後述の図6に示すように、着色層3のうち赤色着色層3Rと緑色着色層3Gについては、色変換材料層(CCM層)であってもよい。例えば図6に示すように、カラーフィルタ10が備える赤色着色層3Rを、有機EL発光体20Bが有する青色発光層23Bからの青色光41Bを赤色光42Rに変換する赤色CCM層とし、カラーフィルタ10が備える緑色着色層3Gを、有機EL発光体20Bが有する青色発光層23Bからの青色光41Bを緑色光42Gに変換する緑色CCM層としてもよい。こうした色変換材料層を形成する材料としては、従来公知の各種のものを用いることができる。例えば、青色から赤色に色変換させる青/赤色変換層の形成材料としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン等のシアニン系色素、1−エチル-2-[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジウム−パークロレート等のピリジン系色素、ローダミンB、もしくはローダミン6G等のローダミン系色素、又はオキサジン系色素等を樹脂中に溶解もしくは分散した組成物等を挙げることができる。また、青色から緑色に色変換させる青/緑色変換層の形成材料としては、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、もしくは3−(2’−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン等のクマリン色素、ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料、又は、ソルベントイエロー11、もしくはソルベントイエロー116等のナフタルイミド系色素等を樹脂中に溶解もしくは分散した組成物等を挙げることができる。
所定のパターンで設けられた各色の着色層3は、各着色層に対応する染料色素又は顔料色素とバインダー樹脂と溶剤とを含有したフォトレジストや印刷用インキを着色層用材料として用いて形成される。着色層3の形成方法としては、フォトリソグラフィ、インクジェット法等の各種のパターン印刷方法等で形成することができる。
(酸素バリア膜)
酸素バリア膜4は、図1等に示すように、着色層3のうち少なくとも青色着色層3Bを隙間なく覆う態様で設けられている。ここで、「少なくとも」としたのは、少なくとも青色着色層3Bが、活性酸素によって劣化し易い染料色素を含有しているためである。したがって、他の色の着色層が染料色素を含有する場合には、酸素バリア膜4がそれらの着色層を覆う態様で形成してもよいし、他の色の着色層が顔料色素を含有する場合であっても、図1等に示すように、酸素バリア膜4がそれらの着色層を隙間なく覆う態様で形成してもよい。
酸素バリア膜4の形態としては、図1に示すように、透明樹脂を塗布形成してなる酸素バリア膜4Aであってもよいし、図2に示すように、粘着剤4b2を有する酸素バリアフィルム4b1からなる酸素バリア膜4Bであってもよい。なお、こうした酸素バリア膜4は、図4に示すように、着色層3上に平坦化膜7を設け、その平坦化膜7上に設けたものであってもよい。
透明樹脂を塗布形成してなる酸素バリア膜4Aの形成材料としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール変性、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド等の透明樹脂が挙げられる。酸素バリア膜4Aは、こうした透明樹脂塗布液をスピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜することができる。その透明樹脂が紫外線硬化型樹脂である場合は、塗布後に紫外線を照射し、さらにその後に必要に応じて熱硬化させて成膜することができ、また、その透明樹脂が熱硬化型樹脂である場合は、塗布後に熱硬化させて成膜することができる。なお、透明樹脂が紫外線硬化型樹脂である場合、その透明樹脂中には上記した紫外線吸収剤は配合できない。
酸素バリアフィルムからなる酸素バリア膜4Bとしては、図2に示すように、例えば粘着剤4b2付の酸素バリアフィルム4b1を挙げることができる。具体的には、UV Guard(太平洋マテリアル株式会社)、ゼオノア(日本ゼオン株式会社)、1501UH(リンテック株式会社)等を挙げることができる。これらは、片面に粘着剤4b2が設けられた酸素バリアフィルム4b1であり、粘着剤4b2側を着色層3に貼り合わせて設けられる。
また、透明無機材料からなる酸素バリア膜4であってもよい。透明無機材料としては、例えば、多孔質の、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、カーボン、マイカ、クレイ、カオリン、炭酸カルシウム等が挙げられる。こうした酸素バリア膜4は、PVD法やCVD法等の成膜手段で成膜することができる。また、これらの透明無機材料を配合した樹脂フィルムを用いて酸素バリア膜4を構成してもよい。
酸素バリア膜4は、着色層3に侵入しようとする酸素(活性酸素を含む。)を遮断して着色層に含まれる染料色素の退色を防止するように作用する膜である。この酸素バリア膜4が染料色素を含有する着色層3を隙間なく覆うことにより、可視光による活性酸素の発生に基づいた劣化を抑制することができる。この「可視光による活性酸素の発生に基づいた劣化」とは、外光として入射した可視光がカラーフィルタ10や有機ELディスプレイ内部の材料に作用して活性酸素が生じた場合、その活性酸素が着色層に含まれる染料色素を酸化させ、その染料色素の酸化により染料色素の色調が劣化して着色層3の褪色が生じることである。
このように、酸素バリア層4の作用によって染料色素の劣化を抑制することができ、着色層3の色調を長期間安定に維持することができる。その結果、カラーフィルタ10の寿命を長くすることができ、ひいては、有機ELディスプレイの長寿命化を実現することができる。特に、3色塗り分け方式の有機EL発光体を備えた有機ELディスプレイでは、青色発光層の長寿命化が課題となっているため、透過率のよい青色着色層3Bの色調を長期間安定に維持することができれば、青色着色層3Bの色調変化を補うために青色発光層への電流値を上げて輝度アップを図る必要がない。その結果、青色発光層への負荷を低減でき、青色発光層の長寿命化を実現できるので、最終的には有機ELディスプレイの長寿命化を実現できる。
酸素バリア膜4には、必要に応じて、上記着色層3に含有させたのと同様の一重項クエンチャーを含有させてもよい。クエンチャーとしては、ジアルキルホスフェート、ジアルキルカルバネート又はベンゼンジチオールあるいはその類似ジチオール等の金属錯体を好ましく挙げることができ、また、その金属錯体を構成する金属としては、ニッケル、銅又はコバルト等を挙げることができる。酸素バリア膜4内に一重項クエンチャーが含まれることにより、仮に活性酸素が酸素バリア膜4にアタックした場合であっても、活性酸素を一重項クエンチャーが捕獲することができるので、活性酸素が酸素バリア膜4を構成する樹脂材料を劣化するのを抑制することができ、長期間安定した酸素バリア性を維持することができる。
また、酸素バリア膜4には、必要に応じて、紫外線吸収剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、TINUVINシリーズ(チバ・ジャパン社製)、SEES ORBシリーズ(シプロ化成株式会社製)等を挙げることができる。酸素バリア膜4内に紫外線吸収剤が含まれることにより、仮に紫外線が酸素バリア膜4に入射した場合であっても、その紫外線が酸素バリア膜4を構成する樹脂材料を劣化するのを抑制することができ、長期間安定した酸素バリア性を維持することができる。
この酸素バリア膜4上には、例えば酸素バリア層4がカラーフィルタ10と有機EL発光体20とを接着する接着層成分と相溶性が悪かったり、その接着剤成分に悪影響される場合には、それらの問題を解消することを目的として、必要に応じて透明保護膜(図示しない)を設けてもよい。透明保護膜を構成する材料としては、重合反応を起こすとともに架橋反応を起こすことが可能な有機物を好ましく用いることができる。具体的には、不飽和二重結合基を有する(メタ)アクリレート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、ウレタン基含有化合物等が挙げられる。透明保護膜は、こうした重合可能な樹脂材料を着色層3の表面に塗布して硬化させることで形成することができる。
(平坦化膜)
着色層3上には、その着色層3に接する平坦化膜7を形成してもよい。平坦化膜7は、例えば図4に示すように、着色層3と酸素バリア層4との間に設けることができる。また、図示しないが、酸素バリア層4上に設けてもよい。平坦化膜7の形成方法としては、例えば、重合可能な樹脂材料を着色層3の表面に塗布した後に硬化して形成できる。平坦化膜7の形成材料としては、重合反応を起こすとともに架橋反応を起こすことが可能な有機物を好ましく用いることができる。
平坦化膜7としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等から選ばれるいずれか1種であることが好ましい。
以上説明したように、こうした構成要素で構成された本発明のカラーフィルタ10は、少なくとも青色着色層3Bを覆う酸素バリア膜4を設けるとともに、その青色着色層4Bが染料色素を含有するようにしたので、透過性に優れる染料色素は、紫外線吸収能を有する保護膜(5及び/又は6)により紫外光に基づいた劣化が抑制され、さらに、酸素バリア膜4により可視光による活性酸素の発生に基づいた劣化が抑制される。耐光性に優れた本発明のカラーフィルタ10を、色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて有機ELディスプレイを構成すれば、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持できるので、長寿命化を実現できる。
[有機ELディスプレイ]
図5及び図6は、本発明の有機ELディスプレイの例を示す模式的な断面図である。図5に示す本発明の有機ELディスプレイ50Aは、赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3Bを有する本発明のカラーフィルタ10と、少なくとも赤色発光層23R、緑色発光層23G及び青色発光層23Bを有した3色塗り分け方式の有機EL発光体20Aとを貼り合わせてなるものである。この有機ELディスプレイ50Aは、特に青色光41Bの透過性がよく青色着色層3Bの耐光性に優れた上記本発明のカラーフィルタ10を、色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体20と組み合わせて構成しているので、安定した色調を長期間保持でき、長寿命化を実現できるという効果がある。
一方、図6に示す本発明の有機ELディスプレイ50Bは、色変換層を備えたCCM方式のものであって、上記本発明に係る青色着色層3Bを有するとともに、青/緑色変換層及び青/赤変換層を備えるカラーフィルタ10と、それらの各層に対応する青色発光層23Bを有した有機EL発光体20Bとを貼り合わせてなるものである。すなわち、青色発光する青色発光層23BをRGBの各透過光の発光領域に形成した有機EL発光体20Bと、その有機EL発光体20Bからの青色光41Bを所定色に変換する色変換層(CCM層)を有するカラーフィルタ10とを組み合わせてなるものである。この有機ELディスプレイ50Bは、カラーフィルタが上記本発明の特徴(すなわち、染料色素を含む青色着色層3Bを備え、酸素バリア層4と保護層(5,6)を有する)を有したものであれば、特に青色光41Bの透過性がよく青色着色層3Bの耐光性に優れたCCM方式のカラーフィルタ10を、青色発光層23Bを備えた有機EL発光体20Bと組み合わせて構成したので、安定した色調を長期間保持でき、長寿命化を実現できる。
有機ELディスプレイ50を構成するカラーフィルタ10は上記したとおりであるので、以下ではカラーフィルタ10についての説明は省略し、有機EL発光体20と接着層30について説明する。
(有機EL発光体)
図5に示す有機EL発光体20Aは、少なくとも赤色発光層23R、緑色発光層23G及び青色発光層23B隔壁24に仕切られてなる3色塗り分け方式の有機EL発光体である。一方、図6に示す有機EL発光体20Bは、カラーフィルタ10が有する青色着色層3B、青/緑色変換層3G及び青/赤変換層3Rに対応するそれぞれの位置に、青色発光層23Bが隔壁24に仕切られてなる有機EL発光体である。いずれも有機EL発光体20A,20Bも、基材21上に、電極22、発光層23、電極25、保護膜26の順で各層が積層されている。
基材21の種類、大きさ、厚さ等は特に限定されるものではなく、有機EL発光体の用途や基材上に積層する各層の材質等により適宜決めることができる。例えば、Al等の金属、ガラス、石英、又は各種の樹脂等の材料からなるものを用いることができる。なお、発光層23で発光した光はカラーフィルタ10の側から出射するので、この基材21は、必ずしも透明又は半透明になる材料を用いる必要はなく、不透明材料を用いてもよい。
電極22は、陽極又は陰極のいずれかであるが、一般的には陽極として基材21上に設けられ、その電極22上には正孔注入層や正孔輸送層が設けられる。形成材料としては、金、銀、クロム等の金属、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化インジウム、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、SnO、ZnO等の透明導電膜、ポリアニリン、ポリアセチレン等の導電性酸化物等を挙げることができる。また、ITOと銀とITOとの積層構造からなる反射型電極とすることもできる。
発光層23としては、図5においては赤色発光層23R、緑色発光層23G、青色発光層23Bがそれぞれ所定の位置に設けられ、図6においては青色発光層23Bがそれぞれの位置に設けられている。各色の発光層形成用の材料としては従来公知の材料をそれぞれ用いることができる。具体的には、発光層は、電極22が陽極である場合には、電極22側から、正孔注入層と発光層とからなる積層体、又は、正孔注入層と発光層と電子注入層とからなる積層体、又は、発光層と電子注入層とからなる積層体、のいずれかの積層体で構成される。正孔注入層と発光層との間には正孔輸送層が設けられていてもよいし、発光層と電子注入層との間には電子輸送層が設けられていてもよい。また、各注入層や発光層が正孔輸送性材料や電子輸送性材料を含んでいてもよい。
正孔注入層の形成材料としては、例えば色素系材料、金属錯体系材料又は高分子系材料等、正孔注入層用材料として通常使用されるものを用いることができる。また、正孔輸送層の形成材料としては、フタロシアニン、ナフタロシアニン等、正孔輸送層用材料として通常使用されるものを用いることができる。
各色の発光層は、ホスト材料とゲスト材料とを含有する発光層形成材料で形成された層であり、そのホスト材料とゲスト材料の配合割合は、使用する材料によっても異なるが、例えば、ホスト材料に対して、重量比でおよそ1〜20重量%(重量%は質量%と同義。)の範囲でゲスト材料が添加される。例えばホスト材料としては9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)、ゲスト材料としては1−tert−ブチル−ペリレン(TBP)等を一例として挙げることができる。なお、これ以外であってもよく、例えば、ホスト材料としては、アントラセン誘導体、アリールアミン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、スピロ化合物等を例示でき、ゲスト材料としては、ペリレン誘導体、ピレン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、FIrPic等のイリジウム錯体等を例示できる。
電子輸送層の形成材料としては、例えば金属錯体系材料、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等、電子輸送層として一般的に用いられている材料を挙げることができる。また、電子注入層の形成材料としては、発光層の発光材料に例示した材料の他、アルミニウム、フッ化リチウム等、電子注入層として一般的に用いられている材料を挙げることができる。
電極25は、上記電極22の対極をなすものであり、陰極又は陽極のいずれかであるが、一般的には陰極として設けられる。電極25は光取り出し側にあるので、形成材料としては、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化インジウム、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、SnO、ZnO等の透明導電材料や、MgAg等からなる半透明金属が好ましく用いられる。
隔壁24は、酸化ケイ素等の無機材料やレジスト等の有機材料で形成することができ、電極22がパターン形成された後で各色の発光層を形成する前に所定のパターンで形成される。隔壁24よって各色の発光層の形成領域が区分けさた後は、例えば各色の発光層形成用塗布液等を塗布することにより各色の発光層が形成される。その後、全体を覆う電極25が形成され、その後に例えば各発光層に対してガスバリア性を有するSiON等の保護膜26が形成される。なお、電極22,25は、アクティブマトリクス方式で形成されてもよいし、単純マトリックス方式で形成されていてもよい。
(接着層)
有機ELディスプレイ50は、図5及び図6に示すように、上記有機EL発光体20と上記カラーフィルタ10とが接着層30によって貼り合わされている。こうした接着層30の形成材料としては、紫外線硬化型のアクリレートやエポキシ樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
[実施例1]
基材1としてガラス基板(コーニング社製、1737材)を準備し、洗浄処理を施した後のガラス基板上に、先ず、厚さが1.2μmで、平面視で縦横が格子状のパターンとなるブラックマトリクス層2を形成した。このブラックマトリクス層2は、下記のブラックマトリクス層用フォトレジストをスピンコート法で塗布し、90℃・3分間の条件でプリベーク(予備焼成)し、所定のパターンに形成されたマスクを用いて露光(100mJ/cm)し、続いて0.05%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃・30分間ポストベーク(焼成)することによって形成した。
(ブラックマトリクス層用フォトレジスト)
・黒顔料(大日精化工業(株)製、TMブラック#9550)…14.0重量部
・分散剤(ビックケミー(株)製、Disperbyk111)…1.2重量部
・ポリマー(昭和高分子(株)製、VR60)…2.8重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…3.5重量部
・添加剤(綜研化学(株)製、L−20)…0.7重量部
・開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)…1.6重量部
・開始剤1(4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン)…0.3重量部
・開始剤2(2,4−ジエチルチオキサントン)…0.1重量部
・溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテル)…75.8重量部
・上記の黒顔料、分散剤及び溶剤からなる分散液組成物にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、上記のポリマー、モノマー、添加剤、開始剤1,2及び溶剤からなるクリアレジスト組成物とを混合し、顔料分散型のブラックマトリクス層用フォトレジストを調整した。なお、分散機としては、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いた(以下の各色パターン形成用フォトレジストにおいて同じ。)。
次に、着色層3を形成した。この着色層3は、下記赤色、緑色、青色の各色パターン形成用のフォトレジストを調整した後、先ず、赤色パターン形成用のフォトレジストをブラックマトリクス層2が形成された基材上にスピンコート法で塗布し、80℃・5分間の条件でプリベーク(予備焼成)し、赤色の色パターンに応じた所定の着色パターン用フォトマスクを用いて、紫外線露光(300mJ/cm)した。次いで、0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃・60分間ポストベーク(焼成)し、ブラックマトリクス層2の形成パターンに対して所定の位置に、膜厚1.1μmの赤色着色層3Rを短冊状パターンで形成した。
引き続き、緑色パターン形成用のフォトレジストを用いて同様の手法を繰り返し、所定のパターンで形成されたブラックマトリクス層2及び赤色着色層3Rの形成パターンに対して所定の位置に、膜厚1.1μmの緑色着色層3Gを短冊状パターンで形成し、さらに引き続き、青色パターン形成用のフォトレジストを用い且つポストベーク条件を170℃・30分に変更した以外は、上記赤色着色層3R及び緑色着色層3Gと同様な手法により、膜厚1.1μmの青色着色層3Bを短冊状パターンで形成した。
(赤色パターン形成用のフォトレジスト)
・赤顔料(C.I.PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製、クロモフタールDPP Red BP))…4.8重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))…1.2重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…3.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
・上記の赤顔料、黄顔料、分散剤及び溶剤からなる分散液組成物にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、上記のポリマー、モノマー、添加剤、開始剤1,2及び溶剤からなるクリアレジスト組成物とを混合し、顔料分散型の赤色パターン形成用のフォトレジストを調整した。
(緑色パターン形成用のフォトレジスト)
・緑顔料(C.I.PG7(大日精化製、セイカファストグリーン5316P))…3.7重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))…2.3重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…3.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
・上記の緑顔料、黄顔料、分散剤及び溶剤からなる分散液組成物にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、上記のポリマー、モノマー、添加剤、開始剤1,2及び溶剤からなるクリアレジスト組成物とを混合し、顔料分散型の緑色パターン形成用のフォトレジストを調整した。
(青色パターン形成用のフォトレジスト)
・青染料(BASF社製のメチン系色素、Basonyl Blue 636)…3.6重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
・上記の各材料を混合し溶解して青色層用の染料型フォトレジストを調整した。
次に、赤、緑、青の各着色層3とブラックマトリクス層2が形成された基材1の、各着色層3上に、透光性のバリア膜4Bを設けた。このバリア膜4Bとしては、粘着剤付きの酸素バリア性フィルム(UV Guard、太平洋マテリアル社製)を用い、粘着剤側を着色層3側に貼り付けて設けた。こうして、実施例1のカラーフィルタを作製した。
[実施例2]
実施例1のカラーフィルタにおいて、ガラス基板の着色層形成側とは反対側(マンサイド側)の表面に紫外線吸収用の保護膜5を設けた他は、実施例1と同様にして、実施例2のカラーフィルタ(図2を参照)を作製した。保護膜5としては、ノルボルネン系フィルムであるアートン(商品名、JSR社製、厚さ100μm)を用い、ガラス基板の表面に貼り合わせた。なお、この保護膜5は、カラーフィルタを後述の実施例6に示すように、有機ELパネルに貼り合わせる前に設けてもよいし、有機ELパネルとカラーフィルタとを貼り合わせた後に設けてもよい。
[実施例3]
実施例2のカラーフィルタにおいて、ブラックマトリクス層2及び着色層3を形成する側のガラス基板面に、そのブラックマトリクス層2及び着色層3を形成する前に、紫外線吸収用の保護膜6をさらに設けた他は、実施例2と同様にして、実施例3のカラーフィルタ(図3を参照)を作製した。保護膜6は、2液混合型樹脂に紫外線吸収剤を混ぜたものを用いた。なお、紫外線吸収剤としては、TINUVINシリーズ(チバ・ジャパン社製)及びSEES ORBシリーズ(シプロ化成株式会社製)のいずれも使用可能であった。
[実施例4]
実施例3のカラーフィルタにおいて、透光性のバリア膜4Bである粘着剤付きの酸素バリア性フィルムを貼り合わせる代わりに、酸化ケイ素200μmからなるバリア膜4Bを設けた他は、実施例3と同様にして、実施例4のカラーフィルタ(図3を参照)を作製した。このバリア膜4Bとしては、ブラックマトリクス層2及び着色層3上にスパッタリングを行って設けた。
[実施例5]
実施例3のカラーフィルタにおいて、透光性のバリア膜4Bである粘着剤付きの酸素バリア性フィルムを貼り合わせる前に平坦化膜7を設けた他は、実施例3と同様にして、実施例5のカラーフィルタ(図4を参照)を作製した。この平坦化膜7としては、JSR株式会社製、商品名:NN803を用い、ブラックマトリクス層2及び着色層3上に塗布形成した後に硬化して設けた。
[比較例1]
実施例1のカラーフィルタにおいて、各着色層3上にバリア膜4Bを設けない他は、実施例1と同様にして、比較例1のカラーフィルタを作製した。
[比較例2]
実施例2のカラーフィルタにおいて、各着色層3上にバリア膜4Bを設けない他は、実施例2と同様にして、比較例2のカラーフィルタを作製した。
[評価試験]
実施例1〜5及び比較例1,2のカラーフィルタについて、Xeフェードメータ(株式会社東洋精機製、サンテストXLS/XLS+)を用いた耐光性テストを実施した。具体的には、各カラーフィルタを2.5cm×7.5cmに切断した測定用サンプルを作製し、ガラス基板に形成された着色層側の反対側の面より試験光を20時間照射した。試験前の各サンプルの色度(x1,y1,Y1)と試験後の各サンプルの色度(x2,y2,Y2)を測定し、その色差ΔE*ab(L*a*b*色差 CIE1976)を計算した。なお、色度は、顕微分光測光装置(OSP−SP200、OLYMPUS社製)装置を用いて分光スペクトルを測定し、その測定結果から色度を計算して求めた。表1に各サンプルの色差を示す。
Figure 2010237374
比較例1,2の結果より、色素が顔料系である赤色層及び緑色層はほとんど褪色が見られなかったが、色素が染料系である青色層の色度は著しく大きくなった。しかし、実施例1の結果より、カラーフィルタにバリア膜4Bを設けることで耐光性が大きく向上することが確認され、実施例2の結果より、カラーフィルタに保護膜5をさらに設けることで耐光性がより大きく向上することが確認された。さらに、実施例3,4,5の順で、耐光性がさらに向上しているのが確認できた。
また、実施例1,2及び比較例1,2のカラーフィルタの各着色層についての分光特性を測定した。測定には、株式会社東洋精機社製のサンテストXLS/XLS+を用い、上記と同じ測定用サンプルを作製し、ガラス基板に形成された着色層側の反対側より試験光を20時間照射する前と後の分光特性を測定した。その結果、バリア膜4Bや保護膜5を設けている実施例1,2のカラーフィルタに比べ、それらを設けていない比較例1,2のカラーフィルタの450nm前後での透過率が減少し、550nm〜650nm前後での透過率が増しているのが確認された。こうした透過率の変化は、色純度を低下させ、カラーフィルタの寿命を短くさせている。
[実施例6]
上記した実施例1〜5のカラーフィルタを、以下のようにして得られた有機EL発光体と貼り合わせて有機ELディスプレイを作製した。
(有機EL発光体の作製)
基材21として、スイッチング素子としてのTFTを有する厚さ1.7mmの無アルカリガラス基板を準備した。その無アルカリガラス基板の上に、ITO(20nm)/Ag(100nm)/ITO(20nm)の積層構造からなる厚さ140nmの反射型陽極22を所定のパターンで形成した。次いで、隔壁24を各発光層23の区分けのために形成し、引き続き、所定パターンからなる各色の発光層23(23R,23G,23B)を順に形成した後、さらに、MgAgからなる厚さ10nmの半透明な陰極25と、SiONからなる厚さ100nmの保護膜26とをその順番にベタ製膜して積層し、3色塗り分けタイプの発光層23を備えた有機EL発光体を作製した。
各色の発光層は以下のように作製した。先ず、各色共通層として、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)(α−NPD)とMoOの共蒸着薄膜(MoOの体積濃度:20%)からなる厚さ40nmの正孔注入層と、α−NPDからなる厚さ20nmの正孔輸送層とを隔壁24,24間に製膜した。その後、赤色発光層用のホスト材料として4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を用いると共にゲスト材料としてトリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)錯体(Ir(piq))を用い、厚さ40nmの赤色発光層23Rを所定パターンで形成し、次いで、緑色発光層用のホスト材料として4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を用いると共にゲスト材料としてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)錯体(Ir(ppy))を用い、厚さ40nmの緑色発光層23Gを所定のパターンで形成し、次いで、青色発光層用のホスト材料として9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)を用いると共にゲスト材料として1−tert−ブチル−ペリレン(TBP)を用い、厚さ40nmの青色発光層23Bを所定のパターンで形成して各発光層を形成した。次いで、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)からなる厚さ20nmの電子輸送層、及びLiFからなる厚さ0.5nmの電子注入層、をその順番にパターン形成して各色の発光層23(23R,23G,23B)を形成した。なお、上記の青色発光層23Bは、ホスト材料とゲスト材料との配合割合が20:1になるように調整した。また、青色光41Bのピークトップは445nmであった。
1 基材
2 ブラックマトリクス層
3 着色層
3R 赤色層
3G 緑色層
3B 青色層
4,4A,4B バリア膜
4b1 バリアフィルム
4b2 粘着剤層
5 保護膜
6 保護膜
7 平坦化膜
10,10A,10B,10C,10D カラーフィルタ
20,20A,20B 有機EL発光体
21 基材
22 電極
23 発光層
23R 赤色発光層
23G 緑色発光層
23B 青色発光層
24 隔壁
25 電極
26 保護膜
30 接着層
41R 赤色光
41G 緑色光
41B 青色光
42R 透過赤色光
42G 透過緑色光
42B 透過青色光
50A,50B 有機ELディスプレイ

Claims (8)

  1. 透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた少なくとも赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層とを有するカラーフィルタであって、
    前記着色層のうち少なくとも青色着色層を覆う酸素バリア膜が設けられているとともに、該酸素バリア膜で覆われた少なくとも青色着色層が染料色素を含有していることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記透明基材の片面又は両面には、紫外線吸収能を有する保護膜が設けられている、請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記青色着色層が染料色素を含有し、前記赤色発光層及び前記緑色着色層が顔料色素を含有する、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記染料色素が、トリアリールメタン系色素、メチン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素及びトリフェニルメタン系色素から選ばれるいずれか1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記着色層上には、該着色層に接する平坦化膜が形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  6. 3色塗り分け方式で作製された有機EL発光体に用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  7. 透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた少なくとも赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層とを有し、前記各着色層のうち少なくとも青色着色層を覆う酸素バリア膜が設けられているとともに、該酸素バリア膜で覆われた少なくとも青色着色層が染料色素を含有しているカラーフィルタと、
    少なくとも赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を有する有機EL発光体と、を貼り合わせてなり、
    前記有機EL発光体が3色塗り分け方式で作製されたものであることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  8. 透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた少なくとも赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層とを有し、前記各着色層のうち少なくとも青色着色層を覆う酸素バリア膜が設けられているとともに、該酸素バリア膜で覆われた少なくとも青色着色層が染料色素を含有しているカラーフィルタと、
    少なくとも青色発光層を有する有機EL発光体と、を貼り合わせてなり、
    前記有機EL発光体は青色発光する発光層を備え、前記カラーフィルタは青色着色層、青/緑色変換層及び青/赤変換層を備えることを特徴とする有機ELディスプレイ。
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