JP2007256790A - 酸素遮断膜、基板、パターン形成方法及びカラーフィルタ製造方法 - Google Patents

酸素遮断膜、基板、パターン形成方法及びカラーフィルタ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塩化水素によるフォトマスクや露光器への汚染を抑制できる酸素遮断膜、基板、パターン形成方法及びカラーフィルタの製造方法が提供される。
【解決手段】水溶性樹脂及び塩化水素と結合して水溶性化合物を形成する塩基性化合物とを備える酸素遮断膜を用いる。また、水溶性樹脂及び下記式(1)の化合物を備える酸素遮断膜を用いる。
Figure 2007256790

ここで、R1は置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基、R2,R3は置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基又は水素を示し、R1,R2,R3は互いに同じであっても異なっていても良い。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸素遮断膜、基板、パターン形成方法及びこれを用いたカラーフィルタ製造方法に関する。
液晶ディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の平面ディスプレイの製造や、電子回路の製造など、数μm〜100μmの精密なパターンの形成方法として、感光性樹脂を用いるフォトリソグラフィー法が広く採用されている。
フォトリソグラフィー法は、ガラス等の基板上への感光性樹脂膜の形成工程、感光性樹脂膜への光パターンの露光工程、及び、現像工程等からなる。このフォトリソグラフィー法は、パターンの重ね精度が高く、2mを超える大型基板におけるパターニングも可能である。
しかし、基板が大型化すると、露光光の照度が低下するため、所望の工程時間を維持するには、感光性樹脂膜の露光感度を向上させる必要がある。
感光性樹脂膜の露光感度を高めるには、たとえば、特許文献1〜8に記載されているように、感光性樹脂膜の表面に酸素遮断膜を形成しその後露光する方法が知られている。具体的には、酸素遮断性がありかつ水溶性の、たとえば、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂の膜を感光性樹脂膜の上に形成することにより、感光性樹脂膜の架橋反応を阻害する酸素が感光性樹脂膜へ拡散することを抑制し、これにより感光性樹脂膜の感度を向上させる。
酸素遮断膜の形成方法としては、高分子水溶液を感光性樹脂膜上にスピンコータやロールコータ等で塗布し、液膜を加熱等により乾燥させることが行われている。この感光性樹脂膜は、水溶性であり、露光後の現像工程において、現像液に溶解することにより感光性樹脂膜から除去される。
特開平5−119210号公報 特開平5−127011号公報 特開平5−134110号公報 特開平5−210008号公報 特開平5−281408号公報 特開平6−109911号公報 特開平11−288095号公報 特開2005−3861号公報
しかしながら、従来のパターニング方法では、感光性樹脂から発生する塩化水素により、露光器やフォトマスクが汚染されてしまうという問題があった。フォトマスクが汚染されると、透過率の低下や共通欠陥の発生がおこり、また、露光器が汚染されると歩留まりや稼働率の低下等が起こり問題となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、塩化水素によるフォトマスクや露光器への汚染を抑制できる酸素遮断膜、パターン形成方法及びカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる酸素遮断膜は、水溶性樹脂及び塩化水素と結合して水溶性化合物を形成する塩基性化合物とを備える。
また、本発明にかかる他の酸素遮断膜は、水溶性樹脂及び下記式(1)の化合物を備える。
Figure 2007256790
ここで、R1は置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基、R2,R3は置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基又は水素を示し、R1,R2,R3は互いに同じであっても異なっていても良い。
本発明にかかる基板は、基板上に形成された感光性樹脂層と、感光性樹脂層上に形成された上述のいずれかの酸素遮断膜と、を備える。
このような酸素遮断膜によれば、感光性樹脂から発生する塩化水素が塩基性化合物や式(1)の化合物と結合し、水溶性化合物あるいは水溶性のRNHClを形成する。したがって、塩化水素が酸素遮断膜に吸収されて外部に放出されにくくなる。また、生成するのは水溶性化合物であるので、現像時等には容易に水(現像液)に溶け、現像時に悪影響を及ぼしにくい。さらに、酸素遮断膜は水溶性樹脂を含むので、感光性樹脂への酸素の拡散を防ぐことができ、感光性樹脂の感度の向上が可能である。
ここで、式(1)の化合物のR1は置換基としてOH基を有することが好ましい。
この場合、この化合物の塩基性を下げることができ、感光性樹脂に対する影響を抑えられる。また、水溶性も高められる。
また、本発明にかかるパターン形成方法は、感光性樹脂層上に、上述の酸素遮断膜を形成する工程と、酸素遮断膜を介して前記感光性樹脂膜を露光する工程と、を備える。
また、上述のパターン形成方法を用いて、カラーフィルタの製造をすることが好ましい。
本発明によれば、塩化水素によるフォトマスクや露光器への汚染を抑制できる酸素遮断膜、基板、パターン形成方法及びカラーフィルタの製造方法が提供される。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るパターニングプロセスを示す概略構成図である。
本発明のパターニングは、少なくとも、レジスト成膜工程2、酸素遮断膜成膜工程4、露光工程6、及び、現像工程8を備えている。
(レジスト成膜工程)
レジスト成膜工程では、基板100上に感光性樹脂膜(フォトレジスト)110を形成する。感光性樹脂膜の形成には、例えば、スピンコート装置、スピンレスコート装置、ロールコート装置、ドライフィルムレジスト積層装置等の公知のレジスト成膜装置が利用できる。スピンコート装置であれば、感光性樹脂膜の溶液を基板100上にスピン塗布し、乾燥させ、また、スピンレスコート装置ではスリット状に精密加工されたノズルから感光性樹脂膜の溶液を基板100上に塗布し、乾燥させ、必要に応じて熱処理すればよい。
(感光性樹脂膜の材料)
基板100上に形成する感光性樹脂膜110の材質は、特に限定されないが、ネガ型とりわけラジカルを介した光架橋反応を行う公知の種々の感光性樹脂であると、特に、本発明の酸素遮断膜を有効に活用することができる。
(ネガ型感光材料)
ネガ型感光性樹脂は、光の照射部分が現像液に対して不溶化し残存するもので、一般にはバインダーポリマー、光重合性化合物、光反応開始材、溶媒、及び、分散剤等の添加物を含み、さらに必要に応じて着色材や遮光材を配合したものを塗布し乾燥することにより形成される。
(光重合性化合物(架橋剤))
光重合性化合物とは、光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸などによって重合し得る化合物であって、例えば重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
該化合物は、単官能の光重合性化合物であってもよいし、2官能または3官能以上の多官能の光重合性化合物であってもよい。単官能光重合性化合物としては、例えばノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。2官能光重合性化合物としては、例えば1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。3官能以上の光重合性化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましい光重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。該光重合性化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられるが、2官能以上の光重合性化合物が好ましく用いられ、2種以上の光重合性化合物を用いる場合には少なくとも1種は2官能以上の光重合性化合物を用いることが好ましい。該光重合性化合物の使用量は、バインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部あたり通常は0.1質量部以上70質量部以下、好ましくは1質量部以上60質量部以下である。
(バインダーポリマー)
バインダーポリマーとしては、着色剤や遮光剤を分散することができ、着色組成物層に、他成分とともに光照射によって架橋性機能を付与する透明樹脂が使用される。該バインダーポリマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタンのような不飽和カルボン酸オキセタンエステル化合物の重合物、メラミンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
該バインダーポリマーとしては、単量体はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせた共重合体を使用することもできる。該共重合体としては、例えばベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン/メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体などが挙げられる。特に、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体が好ましい。該共重合体におけるカルボキシル基を有する単量体単位の含有量は質量分率で5〜50%、好ましくは10〜40%である。
該バインダーポリマーは、ポリスチレンを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる重量平均分子量が5,000〜400,000の範囲、さらには10,000〜300,000の範囲にあるのが好ましい。該バインダーポリマーは、感光性樹脂の全固形分に対して質量分率で通常5〜90%の範囲、好ましくは20〜70%の範囲で用いられる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤等が挙げられる。光重合開始剤に含まれる塩素、とりわけ、トリクロロメチル基を有する光重合開始剤が塩化水素源となりやすい。
例えば、塩素を含む光重合開始剤として、例えば、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。市販の光重合開始剤としては、例えば、商品名「Irgacure-907」(アセトフェノン系光重合開始剤、Ciba Specialty Chemicals社製)などが挙げられる。これらの光重合開始剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の使用量は、バインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常1質量部以上30質量部以下、好ましくは3質量部以上20質量部以下である。なお、光重合開始剤以外の材料、例えば、顔料等が塩素を含む場合もある。したがって、塩素を有しない光重合開始剤を用いた場合でも本発明の実施は可能である。
(光重合開始助剤)
光重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて、光重合開始剤によって開始した光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。光重合開始助剤としては、例えばアミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物などが挙げられる。アミン系化合物としては、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば商品名「EAB-F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。該光重合開始助剤を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤1モルあたり通常10モル以下、好ましくは0.01モル以上5モル以下である。光重合開始剤および光重合開始助剤を用いる場合の使用量は、その合計量がバインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常1質量部以上30質量部以下、好ましくは3質量部以上20質量部以下である。
(溶媒)
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどの芳香族脂肪族エーテル類、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルなどのエステル類、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。こうした溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ、感光性樹脂における溶剤の含有量が質量分率で通常20質量%以上90質量%以下、好ましくは50質量%以上85質量%以下となるように使用される。
(着色剤)
透明着色樹脂材等として使用する場合には着色剤を添加する。着色剤としては染料や顔料を用いることができる、顔料としては有機および無機顔料を用いることができ、具体的には、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。
(遮光材)
ブラックマトリクスとして使用する場合には、遮光剤を添加する。遮光材としては、カーボン、アニリンブラック、ペリレン化号物といった有機顔料、チタンブラック、マグネタイトといった無機顔料が挙げられる。
(その他の添加剤)
その他の添加剤としては、例えば、充填剤、バインダーポリマー以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、凝集防止剤、有機酸、硬化剤などが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤および両性界面活性剤などが挙げられる。密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
(酸素遮断膜成膜工程)
酸素遮断膜成膜工程4では、感光性樹脂膜110を塗布した基板100上に酸素遮断膜120を形成する。酸素遮断膜120の形成には、例えば、スピンコート装置、スピンレス(スリット)コート装置、ロールコート装置、カーテンコート装置、ドライフィルムレジスト積層装置等の公知の成膜装置が利用できる。スピンコート装置であれば、酸素遮断膜形成用の高分子溶液を基板上にスピン塗布し、乾燥させ、また、スピンレスコート装置ではスリット状に精密加工されたノズルから感光性樹脂膜の高分子溶液を基板上に塗布し、乾燥させ、必要に応じて熱処理すればよい。酸素遮断膜120の平均膜厚は、0.01〜10μmが好ましい。特に、光の干渉の影響を排する点からは、平均膜厚は0.01〜0.1μmがより好ましい。ここで、酸素遮断膜の平均膜厚とは、乾燥後の酸素遮断膜の内の通常パターニングがなされる部分、すなわち、縁の部分を除く中央部である。縁の部分は、中央部に比べて盛り上がったりして厚みが不均一であるからである。なお、酸素遮断膜120の平均厚みは、触針式の段差計や光学干渉式の膜圧計、断面のSEM写真等により塗布面の複数点測定することにより容易に得られる。
(酸素遮断膜材料)
酸素遮断膜120は水溶性樹脂(水溶性樹脂)及び塩基性化合物を主として含む膜である。酸素遮断膜として使用可能な水溶性樹脂の具体例として、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、エチレンオキサイド重合体、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースの水溶性塩等のセルロース類、水溶性アクリル樹脂等やこれらの2種以上の混合物が挙げられ、これらの中でも、酸素遮断性、現像除去性の観点からポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの混合物が好適である。ポリビニルアルコールとしては部分鹸化型のものが好適である。
ポリビニルアルコールとしては、重量平均分子量が300〜2400であることが好ましく、71〜100モル%加水分解されるものが好ましい。具体的には、PVA−105,PVA−110,PVA−117,PVA−117H,PVA−120,PVA−124,(以上すべて商品名、クラレ株式会社製、鹸化率97〜98%)、PVA−203,PVA−204,PVA−205,PVA−210,PVA−220,PBA−224,PVA−217E(同、鹸化率87〜88%)、PVA−405,PVA−420,(同、鹸化率78〜82%)、PVA−613(同、鹸化率92〜95%)や、ゴーセノールゴーセファイマーLW(日本合成化学工業株式会社製)等をあげることができる。なお、PVAの後ろの3桁の番号のうちの下2桁×100がそれぞれ重合度を示す。
また、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンの混合物の場合には、ポリビニルアルコールに対するポリビニルピロリドンの混合比率は特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以下であることができる。
(塩基性化合物)
塩基性化合物は、塩化水素と反応して水溶性化合物を形成する化合物である。塩基性化合物は、塩化水素と容易に反応し、これによりイオン性化合物等の水溶性化合物を形成するものであればよい。また、さらには酸素遮断膜中に容易に分散させられるものであることが望ましい。また、塩基性化合物自体も水に溶けることが好ましい。
塩基性化合物としてはアミンが挙げられ、特に下記の構造を有するものが好ましい。
Figure 2007256790
R1はメチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、1-ブチル基、2-ブチル基、3-ブチル基などの炭素数1〜8のアルキル基または置換基を有する炭素数1〜8のアルキル基を意味する。またR2,R3はいずれも、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基、または、水素を示し、R1, R2, R3は互いに同じであっても異なっていても良い。
また、置換基の種類としては、水酸(OH)基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アルケニル基、フェニル基、塩素、フッ素,臭素などのハロゲン、またはこれらの内の1つ又は複数を有する炭素数1〜3のアルキル基などから選択することができる。特に、水酸基を有すると、(1)式の化合物の塩基性を低下させることができ、感光性樹脂への悪影響を抑制できる。
具体的には、一級アミン(H2NR)、例えば、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサンジアミン、オクタデシルアミン、ラウリルオキシプロピルアミン、ヘキサデシルアミン、トリデシルアミン、フェニレンジアミン、ウンデシルアミン、トリチルアミン等が挙げられる。
また、二級アミン(HNR2)、例えば、ジ-エタノールアミン、ジ-オクチルアミン、メチル-オクタデシルアミン、ジ-フェニルアミン等も挙げられる。
また、三級アミン(NR3)、例えば、トリ-エタノールアミン、メチル-ジオクチルアミン、トリ-フェニルアミン、トリ-ドデシルアミン、トリ-ベンジルアミン、トリ-デシルアミン等も挙げられる。
特に、アミンとしては、常圧沸点>200℃であるものが好ましく、レジストとの反応を抑制すべく強い塩基性を持たないもの、特に、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルコールアミンが好適である。
なお、アミンと、塩化水素との反応で生成したアンモニウム塩は水溶性である。
酸素遮断膜における塩基性化合物の含有量は重量比で0.05%以上20%以下が好ましく、0.1%以上5%以下がより好ましい。塩基性化合物の添加量が0.05%以下であれば、塩化水素の発生防止効果が低くなる傾向がある。また塩基性化合物の添加量が20%以上となった場合には均一な塗膜を形成することが困難となり、また、乾燥速度が遅くなる傾向がある。
(塗布)
酸素遮断膜120の形成においては、通常上述の水溶性樹脂及び塩基性化合物の水溶液を塗布する。さらに好ましくは、水溶性樹脂を0.2〜3wt%含み、塩基性化合物を水溶性樹脂の乾燥重量に対して0.1〜5wt%含む水溶液を使用するのが好ましい。また、酸素遮断膜120を形成するための水溶性樹脂溶液は、感光性樹脂膜110への塗布性や密着性を調整するために必要に応じて界面活性剤を添加することも有効である。
酸素遮断膜120は、通常、水溶性樹脂の溶液を基板上に塗布し、乾燥させることにより形成される。酸素遮断膜は、スピンコート、スリットコート等により形成できる。あらかじめシート状に形成した酸素遮断膜を貼り付けてもよい。
(露光工程)
露光工程は、基板100上に形成された感光性樹脂膜110に対して、酸素遮断膜120を介して所定の光のパターンを投影する装置である。光のパターンは特に限定されず様々なパターンを採用可能である。露光装置としては、公知の種々の装置を利用でき、例えば、図2に示すように、光源67からの光をマスクMにより遮蔽してパターンを形成し、このパターンを酸素遮断膜120を介して感光性樹脂膜110に投影するものや、図3に示すように、マスクを使わず、光源67からの光を、空間光変調器68で変調してパターンを形成し、このパターンを酸素遮断膜120を介して感光性樹脂膜110に投影する、いわゆるマスクレス露光装置でもよい。空間光変調器68はマトリクス状に配置された光変調素子69を多数有している。各光変調素子69は、光源67からの光を感光性樹脂膜110に投影させる第1の状態(図示B1の状態)と、光源67からの光を感光性樹脂膜110に投影させない第2の状態(図示B2の状態)とを切替えることができ、これにより、所望のパターンを感光性樹脂膜110に投影できる。通常、空間光変調器68はコンピュータにより制御される。
空間光変調器68としては、微少ミラー(光変調素子69)の反射面の傾きを変えて第一の状態と第二の状態とを切り替るDMD(Digital Micro mirror Device)、反射型の液晶表示素子(光変調素子69)を用い反射/非反射を切り替ることにより第1の状態と第2の状態を実現するLCOS(Liquid Crystal On Silicon)、複数のリボンからなり1つの光ドット(画素)に対応するリボン群(光変調素子69)が多数並べられ各リボン群による回折/非回折を切り替ることにより第1の状態と第2の状態を実現するGLV(Grating Light Valve)素子等の反射型の空間光変調器や、透過形の液晶表示素子(光変調素子62)を用い透過/非透過を切り替ることにより第1の状態と第2の状態を実現する透過形の空間光変調器等を使用することができる。なお、通常、一回の露光で描画可能な領域68aは、感光性樹脂膜110の描画予定領域110aよりも大きいので、基板100を載せたステージ66を空間光変調器68に対して相対的に移動させ、多数回露光を行えばよく、このときに領域68aを一部重ねて露光することも好ましい。これにより、多階調の露光が可能となり、また、隙間なく連続したパターンを好適に形成可能である。
なお、マスクレス露光装置として、レーザ光等をスキャンして直接パターンを描画する露光装置でも構わない。
このようなマスクレス露光装置は、高価なフォトマスクを用いないことから、製造コストを低下でき、ライン切り替え時間の短縮、新規製品開発時間の短縮など多くのメリットが期待されるが、マスクを用いた露光法に比べて露光に時間がかかる場合が多く、工程時間短縮のために感光性樹脂膜110の高感度化が求められる場合が多い。したがって、酸素遮断膜120が必要となる場合が多く、上述の酸素遮断膜成膜装置と組み合わせるメリットが大きい。
本工程により、感光性樹脂膜110に対してパターンの潜像が形成される。上述のように、感光性樹脂膜110には光重合開始剤として塩素系の化合物を含んでいるので、特に、露光工程において塩化水素(HCL)が発生することが多い。ところが、本実施形態では、上述のように酸素遮断膜120に塩基性化合物が含まれているので、発生した塩化水素が塩基性化合物と反応して、水溶性の化合物が形成される。したがって、この塩化水素が露光器やフォトマスク等を腐食したりしにくくなる。また、酸素遮断膜により感光性樹脂膜110への酸素の拡散を抑制しているので、感光性樹脂膜110の感度も高感度に維持されるので、露光も効率よく短時間に行える。
本発明のパターン露光に用いることができる光は、可視光、紫外線等が挙げられ特に限定されないが、特に、干渉を起こしやすいレーザ光源に特に効果的であり、レーザ光源としては、半導体レーザ、固体レーザ、エキシマレーザ等を列挙することができる。レーザ光の波長としては、感光性樹脂の感光域との適合性が良い290〜430nmの波長を有するものが好ましい。
上述のように、本発明のパターン形成法は、光源にレーザを用いたものに特に好適に適応でき、マスクやアパチャーアレイを介してパターンを高速で焼き付ける方法、空間変調素子で形成されたイメージを焼き付ける方法に好適に適応できる。
(現像工程)
現像工程8は、感光性樹脂膜110を現像してパターニングを行う装置である。現像装置は特に限定されず、公知の種々の現像装置を用いることができる。例えば、図1に示すように、シャワーヘッド8aから基板100に対して所定の現像液を滴下して、現像液と露光済みの感光性樹脂膜110とを接触させる装置を利用できる。基板100と接触した現像液は、回収器8bに回収され、ポンプ8cにより再びシャワーヘッド8aに供給され、再び基板110と接触するので、現像液が循環利用され、現像液の有効利用が図られる。なお、必要に応じて、その後、基板110の水洗、乾燥、及び、熱処理を行うことが可能である。
ここで、現像液としては、感光性樹脂膜現像用の公知のアルカリ性水溶液が好適に用いられる。具体的には、例えば、ナトリウムやカリウム等の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩といった無機アルカリ、有機アンモニウムなどの有機アルカリ等を溶解したアルカリ性水溶液を現像液として使用できる。
ここで、酸素遮断膜120は主として水溶性樹脂から形成されているので、基板100に現像液が滴下されると、酸素遮断膜120は現像液に溶けて感光性樹脂膜110上から除去される。したがって、滴下された現像液は問題なく感光性樹脂膜110と接触し、この感光性樹脂膜110のパターニングがなされる。また、塩基性化合物や、塩基性化合物と塩化水素とが結合した分子も水に溶解するので、特に支障はない。
このようにして、感光性樹脂膜110のパターニングがなされ、図4に示すように、感光性樹脂のパターン形成が完了する。
本発明の描画機を用いることで、フォトマスクを用いた一括露光に匹敵する解像度で、しかもムラのない高品質の露光パターン形成が可能となる。また、塩化水素などレジスト膜から発生する昇華物を抑制することが可能となる結果、フォトマスクや高価な大型の露光機の稼働率を、大幅に向上することができる。
(カラーフィルタの製造方法)
続いて、上述のパターン形成方法及び露光システムを適用するカラーフィルタCF及び液晶ディスプレイLCDの製造方法について図5を参照して説明する。
カラーフィルタCFは、無アルカリガラスなどの透明基板61上に、表示単位としてのRGB副画素である透明着色樹脂層73R,73G,73Bと、これらの透明着色樹脂層73R,73G,73Bを区画する遮光パターンとしてのブラックマトリクス63が主として形成されているものである。
ブラックマトリクス63は、隣接する透明着色樹脂層73R,73G,73Bの境界を区画して混色を防止するもので、極めて高いパターンの精度及び均一性が要求される。ブラックマトリクス63の形状は、格子状やストライプ状が一般的であるが、表示の解像度を高めるために屈折形状や、多角形形状が採用されることもある。
ブラックマトリクス63は、クロムやモリブデン、ニッケルといった金属製の遮光性薄膜と反射防止膜とを組み合わせた薄膜をパターニングしたものであってもよく、また、カーボンブラックやチタン化合物やフェライト化合物を分散した遮光性樹脂をパターニングしたものであってもよい。感光性を有する遮光性樹脂膜であればこの膜を直接フォトリソフラフィー法でパターニングすればよく、また、感光性がない膜の場合にはその膜の上に感光性樹脂膜を形成し、感光性樹脂膜をパターニングし、パターニングされた感光性樹脂膜をマスクとして感光性の無い膜をエッチングすることにブラックマトリクス63のパターニングが可能である。
特に、感光性の遮光性樹脂膜を用いてブラックマトリクス63を製造する場合、本発明のパターン形成法を好適に採用することができる。
ブラックマトリクス63の開口内にはR(赤)、G(緑)、B(青)の透明着色樹脂層73R,73G,73Bが所定の順番に形成されている。
透明着色樹脂層73R,73G,73Bは、ブラックマトリクス63の開口部を覆うパターンに形成される。例えば1画素がRGB三色のストライプで形成される場合、副画素の線幅、すなわち、ブラックマトリクス63の開口幅は1画素のピッチの約1/3であることが多い。
このような透明着色樹脂層73R,73G,73Bも透明着色樹脂層上に設けたレジストマスクを用いたパターニングにより製造することができるが、感光性を有する透明着色樹脂を用いたパターン形成についても本発明のパターン形成方法を適用できる。
そして、必要に応じて、これらの透明着色樹脂層73R,73G,73B上に表面を平坦化させる透明平坦化膜80が設けられ、その上にさらに、液晶駆動のための共通電極となる透明導電膜85が形成される。
透明平坦化膜80は、ブラックマトリクス63/透明着色樹脂層73R、73G,73Bに重ねて塗布するもので透明着色樹脂層73R,73G,73B、ブラックマトリクス63の段差を埋め、液晶セルに適した平滑性を付与するとともに、カラーフィルタCFから汚染物質の溶出を防止する。また、透明平坦化膜80についても液晶セル設計の必要性に応じて、微細なパターン形成が必要な場合には感光性の透明平坦化膜を使用する必要があり、本発明のパターン形成方法を用いることができる。
さらに、透明導電膜85上に液晶のセルギャップを調整するための柱状スペーサ90の形成が行なわれる。柱状スペーサ90は、上記のブラックマトリクスや透明着色樹脂層、透明平坦化膜で使用したパターンを用いたフォトリソグラフィー法により形成することが可能であるが、高さ精度や変形特性を極めて厳密に管理することが必要であることから、専用の感光性樹脂層を重ね塗りし専用のパターンを用いたフォトリソグラフィー法で仕上げることが一般に行なわれる。これらの工程にも上述のパターニング方法を適用できる。
また、半透過型液晶の場合には、液晶セル内の光路長が反射領域では透過領域の2倍となる。このため、透過表示と反射表示の表示特性を同時に最適化するため、反射・透過両用の液晶パネルでは反射部及び透過部毎で互いに異なるセルギャップを形成する場合もある。この場合、反射板の下に、セルギャップ調整のための透明樹脂パターンを形成する場合がある。この工程にも上述のパターニング方法を適用できる。
そして、このようにして作成したカラーフィルタの上に、薄膜トランジスタ基板TFTを対向配置し、配向膜86と薄膜トランジスタ基板TFTとの間に液晶220を封入することにより、平面ディスプレイとしての液晶表示素子が完成する。薄膜トランジスタ基板TFTは、薄膜トランジスタ素子300の下面に画素電極301及び配向膜387を有しており、薄膜トランジスタ素子300の上には偏光膜315が形成されている。
上述のように、カラーフィルタCFにおいて、ブラックマトリクス63、透明着色樹脂層73R,73G,73B、透明平坦化膜80、透明導電膜85、及び、柱状スペーサ90等のパターニングにおいて本発明のパターニング方法を用いることが可能となり、ムラの少ない高品質の製品を製造することが可能となる。また、上述のパターン形成法は散乱層、配向規制構造、マイクロレンズ形成等に適応することも可能である。
さらに、本発明のパターン形成法は、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタのみならず、白色有機EL発光素子等を用いた平面ディスプレイ用のカラーフィルタ等にも適用できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず種々の応用が可能である。例えば、上記のパターニング方法及び露光システムは、カラーフィルタの製造に限られず、LSI等の電子回路、各種電子回路の製造に適用できる。
(実施例A1〜A4)
370×470mmの無アルカリガラス(コーニング社1737、0.7t)に遮光性感光性樹脂原料((V259-BKIS-66:新日鐵化学(株)製))を塗布し、ホットプレート上で90℃×110秒間、プリベークし膜厚1.2μmの遮光性感光性樹脂膜を形成した。
その後、ジエタノールアミンを3wt%及びポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバール205)を1wt%含む水溶液をスリット状ノズルを用いて塗布し、膜厚0.05μmの酸素遮断膜を形成した。
この遮光性感光性樹脂膜上に酸素遮断膜を介して、プロキシ露光機を用い、格子状の樹脂BMパターンを(露光量15mJ/cm2、露光ギャップ60μm)で焼き付けた。
露光後の遮光性樹脂膜を無機アルカリ現像液(KOH0.05%)を用いて23℃で80秒間シャワー現像したのち、マイクロジェット洗浄装置を用い、10MPaの圧力で液滴ジェット洗浄を行なった。
上記の操作を100枚にわたって繰り返した後、フォトマスクの表面の付着物を観察し、使用前の状態と比較したが付着物などの異常は認められなかった。
(比較例A1)
実施例1の遮光性樹脂膜上に酸素遮断膜を形成せず、露光量を100mJ/cmとした以外は実施例1と同じ方法でブラックマトリックスを形成した。
同じ操作を100枚にわたって繰り返した後、フォトマスクの表面状態の変化を観察したところ、多くの付着物が観察された。
(実施例B1〜B6、比較例B1)
ネガ型の感光特性を有する遮光性樹脂膜(レジスト膜)を塗布したガラス基板に、表1に記載のアミン化合物を固形分比率で3重量%含有したポリビニルアルコール膜を0.05μmの平均膜厚で形成した。ポリビニルアルコール膜は、1wt%の水溶液をスリットコータで塗布し、気流中で乾燥することにより形成した。比較例B1では、アミン化合物を用いなかった。
ポリビニルアルコール膜を形成したレジスト膜に対して、フォトマスクを介して格子状のパターンを近接露光法(露光ギャップ60μm、露光量400mJ/cm)で焼き付けた。この操作をそれぞれ100枚連続して実施した後、フォトマスク表面を顕微鏡観察し、マスク表面の汚染の有無を観察した。
図6に示す結果より、塩基性化合物によりマスクの汚染を低減でき、特に、常圧沸点200℃以上のアミン化合物(実施例B1〜B4)を添加した場合に、マスクの汚染を極めて良好に抑制できることが理解される。
図1は、本実施形態に係るカラーフィルタの製造方法の概要を示す模式図である。 図2は、第1の露光方法を示す模式断面図である。 図3は、第2の露光方法を示す模式断面図である。 図4は、パターン具後の基板の模式断面図である。洗浄装置の上面図である。 図5は、カラーフィルタ及びLCDを示す模式断面図である。 図6は、実施例B1〜B6及び比較例B1の条件及び結果を示す表である。
符号の説明
1…カラーフィルタの製造システム、100…感光性樹脂膜、120…酸素遮断膜、CF…カラーフィルタ。

Claims (6)

  1. 水溶性樹脂及び塩化水素と結合して水溶性化合物を形成する塩基性化合物とを備える酸素遮断膜。
  2. 水溶性樹脂及び下記式(1)の化合物を備える酸素遮断膜。
    Figure 2007256790

    ここで、R1は置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基、R2,R3は置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基又は水素を示し、R1,R2,R3は互いに同じであっても異なっていても良い。
  3. 前記R1は置換基としてOH基を有する請求項2に記載の酸素遮断膜。
  4. 基板上に形成された感光性樹脂層と、前記感光性樹脂層上に形成された請求項1から3のいずれかに記載の酸素遮断膜と、を備えた基板。
  5. 感光性樹脂層上に、請求項1〜3のいずれかに記載の酸素遮断膜を形成する工程と、
    前記酸素遮断膜を介して前記感光性樹脂膜を露光する工程と、
    を備えるパターン形成方法。
  6. 請求項5のパターン形成方法を備えたカラーフィルタの製造方法。
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