JP2007256790A - 酸素遮断膜、基板、パターン形成方法及びカラーフィルタ製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るパターニングプロセスを示す概略構成図である。
レジスト成膜工程では、基板100上に感光性樹脂膜(フォトレジスト)110を形成する。感光性樹脂膜の形成には、例えば、スピンコート装置、スピンレスコート装置、ロールコート装置、ドライフィルムレジスト積層装置等の公知のレジスト成膜装置が利用できる。スピンコート装置であれば、感光性樹脂膜の溶液を基板100上にスピン塗布し、乾燥させ、また、スピンレスコート装置ではスリット状に精密加工されたノズルから感光性樹脂膜の溶液を基板100上に塗布し、乾燥させ、必要に応じて熱処理すればよい。
基板100上に形成する感光性樹脂膜110の材質は、特に限定されないが、ネガ型とりわけラジカルを介した光架橋反応を行う公知の種々の感光性樹脂であると、特に、本発明の酸素遮断膜を有効に活用することができる。
ネガ型感光性樹脂は、光の照射部分が現像液に対して不溶化し残存するもので、一般にはバインダーポリマー、光重合性化合物、光反応開始材、溶媒、及び、分散剤等の添加物を含み、さらに必要に応じて着色材や遮光材を配合したものを塗布し乾燥することにより形成される。
光重合性化合物とは、光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸などによって重合し得る化合物であって、例えば重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
該化合物は、単官能の光重合性化合物であってもよいし、2官能または3官能以上の多官能の光重合性化合物であってもよい。単官能光重合性化合物としては、例えばノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。2官能光重合性化合物としては、例えば1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。3官能以上の光重合性化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましい光重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。該光重合性化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられるが、2官能以上の光重合性化合物が好ましく用いられ、2種以上の光重合性化合物を用いる場合には少なくとも1種は2官能以上の光重合性化合物を用いることが好ましい。該光重合性化合物の使用量は、バインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部あたり通常は0.1質量部以上70質量部以下、好ましくは1質量部以上60質量部以下である。
バインダーポリマーとしては、着色剤や遮光剤を分散することができ、着色組成物層に、他成分とともに光照射によって架橋性機能を付与する透明樹脂が使用される。該バインダーポリマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタンのような不飽和カルボン酸オキセタンエステル化合物の重合物、メラミンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
光重合開始剤としては、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤等が挙げられる。光重合開始剤に含まれる塩素、とりわけ、トリクロロメチル基を有する光重合開始剤が塩化水素源となりやすい。
例えば、塩素を含む光重合開始剤として、例えば、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。市販の光重合開始剤としては、例えば、商品名「Irgacure-907」(アセトフェノン系光重合開始剤、Ciba Specialty Chemicals社製)などが挙げられる。これらの光重合開始剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の使用量は、バインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常1質量部以上30質量部以下、好ましくは3質量部以上20質量部以下である。なお、光重合開始剤以外の材料、例えば、顔料等が塩素を含む場合もある。したがって、塩素を有しない光重合開始剤を用いた場合でも本発明の実施は可能である。
光重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて、光重合開始剤によって開始した光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。光重合開始助剤としては、例えばアミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物などが挙げられる。アミン系化合物としては、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば商品名「EAB-F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。該光重合開始助剤を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤1モルあたり通常10モル以下、好ましくは0.01モル以上5モル以下である。光重合開始剤および光重合開始助剤を用いる場合の使用量は、その合計量がバインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常1質量部以上30質量部以下、好ましくは3質量部以上20質量部以下である。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどの芳香族脂肪族エーテル類、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルなどのエステル類、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。こうした溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ、感光性樹脂における溶剤の含有量が質量分率で通常20質量%以上90質量%以下、好ましくは50質量%以上85質量%以下となるように使用される。
透明着色樹脂材等として使用する場合には着色剤を添加する。着色剤としては染料や顔料を用いることができる、顔料としては有機および無機顔料を用いることができ、具体的には、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。
ブラックマトリクスとして使用する場合には、遮光剤を添加する。遮光材としては、カーボン、アニリンブラック、ペリレン化号物といった有機顔料、チタンブラック、マグネタイトといった無機顔料が挙げられる。
その他の添加剤としては、例えば、充填剤、バインダーポリマー以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、凝集防止剤、有機酸、硬化剤などが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤および両性界面活性剤などが挙げられる。密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
酸素遮断膜成膜工程4では、感光性樹脂膜110を塗布した基板100上に酸素遮断膜120を形成する。酸素遮断膜120の形成には、例えば、スピンコート装置、スピンレス(スリット)コート装置、ロールコート装置、カーテンコート装置、ドライフィルムレジスト積層装置等の公知の成膜装置が利用できる。スピンコート装置であれば、酸素遮断膜形成用の高分子溶液を基板上にスピン塗布し、乾燥させ、また、スピンレスコート装置ではスリット状に精密加工されたノズルから感光性樹脂膜の高分子溶液を基板上に塗布し、乾燥させ、必要に応じて熱処理すればよい。酸素遮断膜120の平均膜厚は、0.01〜10μmが好ましい。特に、光の干渉の影響を排する点からは、平均膜厚は0.01〜0.1μmがより好ましい。ここで、酸素遮断膜の平均膜厚とは、乾燥後の酸素遮断膜の内の通常パターニングがなされる部分、すなわち、縁の部分を除く中央部である。縁の部分は、中央部に比べて盛り上がったりして厚みが不均一であるからである。なお、酸素遮断膜120の平均厚みは、触針式の段差計や光学干渉式の膜圧計、断面のSEM写真等により塗布面の複数点測定することにより容易に得られる。
(酸素遮断膜材料)
塩基性化合物は、塩化水素と反応して水溶性化合物を形成する化合物である。塩基性化合物は、塩化水素と容易に反応し、これによりイオン性化合物等の水溶性化合物を形成するものであればよい。また、さらには酸素遮断膜中に容易に分散させられるものであることが望ましい。また、塩基性化合物自体も水に溶けることが好ましい。
酸素遮断膜120の形成においては、通常上述の水溶性樹脂及び塩基性化合物の水溶液を塗布する。さらに好ましくは、水溶性樹脂を0.2〜3wt%含み、塩基性化合物を水溶性樹脂の乾燥重量に対して0.1〜5wt%含む水溶液を使用するのが好ましい。また、酸素遮断膜120を形成するための水溶性樹脂溶液は、感光性樹脂膜110への塗布性や密着性を調整するために必要に応じて界面活性剤を添加することも有効である。
露光工程は、基板100上に形成された感光性樹脂膜110に対して、酸素遮断膜120を介して所定の光のパターンを投影する装置である。光のパターンは特に限定されず様々なパターンを採用可能である。露光装置としては、公知の種々の装置を利用でき、例えば、図2に示すように、光源67からの光をマスクMにより遮蔽してパターンを形成し、このパターンを酸素遮断膜120を介して感光性樹脂膜110に投影するものや、図3に示すように、マスクを使わず、光源67からの光を、空間光変調器68で変調してパターンを形成し、このパターンを酸素遮断膜120を介して感光性樹脂膜110に投影する、いわゆるマスクレス露光装置でもよい。空間光変調器68はマトリクス状に配置された光変調素子69を多数有している。各光変調素子69は、光源67からの光を感光性樹脂膜110に投影させる第1の状態(図示B1の状態)と、光源67からの光を感光性樹脂膜110に投影させない第2の状態(図示B2の状態)とを切替えることができ、これにより、所望のパターンを感光性樹脂膜110に投影できる。通常、空間光変調器68はコンピュータにより制御される。
現像工程8は、感光性樹脂膜110を現像してパターニングを行う装置である。現像装置は特に限定されず、公知の種々の現像装置を用いることができる。例えば、図1に示すように、シャワーヘッド8aから基板100に対して所定の現像液を滴下して、現像液と露光済みの感光性樹脂膜110とを接触させる装置を利用できる。基板100と接触した現像液は、回収器8bに回収され、ポンプ8cにより再びシャワーヘッド8aに供給され、再び基板110と接触するので、現像液が循環利用され、現像液の有効利用が図られる。なお、必要に応じて、その後、基板110の水洗、乾燥、及び、熱処理を行うことが可能である。
本発明の描画機を用いることで、フォトマスクを用いた一括露光に匹敵する解像度で、しかもムラのない高品質の露光パターン形成が可能となる。また、塩化水素などレジスト膜から発生する昇華物を抑制することが可能となる結果、フォトマスクや高価な大型の露光機の稼働率を、大幅に向上することができる。
続いて、上述のパターン形成方法及び露光システムを適用するカラーフィルタCF及び液晶ディスプレイLCDの製造方法について図5を参照して説明する。
370×470mmの無アルカリガラス(コーニング社1737、0.7t)に遮光性感光性樹脂原料((V259-BKIS-66:新日鐵化学(株)製))を塗布し、ホットプレート上で90℃×110秒間、プリベークし膜厚1.2μmの遮光性感光性樹脂膜を形成した。
実施例1の遮光性樹脂膜上に酸素遮断膜を形成せず、露光量を100mJ/cm2とした以外は実施例1と同じ方法でブラックマトリックスを形成した。
ネガ型の感光特性を有する遮光性樹脂膜(レジスト膜)を塗布したガラス基板に、表1に記載のアミン化合物を固形分比率で3重量%含有したポリビニルアルコール膜を0.05μmの平均膜厚で形成した。ポリビニルアルコール膜は、1wt%の水溶液をスリットコータで塗布し、気流中で乾燥することにより形成した。比較例B1では、アミン化合物を用いなかった。
Claims (6)
- 水溶性樹脂及び塩化水素と結合して水溶性化合物を形成する塩基性化合物とを備える酸素遮断膜。
- 前記R1は置換基としてOH基を有する請求項2に記載の酸素遮断膜。
- 基板上に形成された感光性樹脂層と、前記感光性樹脂層上に形成された請求項1から3のいずれかに記載の酸素遮断膜と、を備えた基板。
- 感光性樹脂層上に、請求項1〜3のいずれかに記載の酸素遮断膜を形成する工程と、
前記酸素遮断膜を介して前記感光性樹脂膜を露光する工程と、
を備えるパターン形成方法。 - 請求項5のパターン形成方法を備えたカラーフィルタの製造方法。
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