JP4681481B2 - パターン形成方法及びカラーフィルタ製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パターン形成方法およびこれを用いたカラーフィルタ製造方法に関する。
液晶ディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の平面ディスプレイの製造や、電子回路の製造など、数μm〜100μmの精密なパターンの形成方法として、感光性樹脂を用いるフォトリソグラフィー法が広く採用されている。
フォトリソグラフィー法は、ガラス等の基板上への感光性樹脂膜の形成工程、感光性樹脂膜への光パターンの露光工程、及び、現像工程等からなる。このフォトリソグラフィー法は、パターンの重ね精度が高く、2mを超える大型基板におけるパターニングも可能である。
しかし、基板が大型化すると、露光光の照度が低下するため、所望の工程時間を維持するには、感光性樹脂膜の露光感度を向上させる必要がある。
また、高価なマスクを用いないマスクレス露光装置を用いる試みもある(例えば、特許文献1参照)。マスクレス露光装置では、直進性が高いレーザ光源を用い、DMD,GLAなどの空間光変調素子を用いて光のパターンを感光性樹脂の表面に露光するが、生産性を高めるためには感光性樹脂の露光感度を向上させることが必要である。
感光性樹脂膜の露光感度を高めるには、たとえば、特許文献2〜9に記載されているように、感光性樹脂膜の表面に酸素遮断膜を形成しその後露光する方法が知られている。具体的には、酸素遮断性がありかつ水溶性の、たとえば、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の水溶性高分子の膜を感光性樹脂膜の上に形成することにより、感光性樹脂膜の架橋反応を阻害する酸素が感光性樹脂膜へ拡散することを抑制し、これにより感光性樹脂膜の感度を向上させる。
酸素遮断膜の形成方法としては、高分子水溶液を感光性樹脂膜上にスピンコータやロールコータ等で塗布し、液膜を加熱等により乾燥させることが行われている。この感光性樹脂膜は、水溶性であり、露光後の現像工程において、現像液に溶解することにより感光性樹脂膜から除去される。膜厚としては1μm以上数μm以下とされている。
特開2002−351086号公報 特開平5−119210号公報 特開平5−127011号公報 特開平5−134110号公報 特開平5−210008号公報 特開平5−281408号公報 特開平6−109911号公報 特開平11−288095号公報 特開2005−3861号公報
しかしながら、従来のパターニング方法では、現像後の樹脂パターンに線幅の変動、すなわち、ムラが発生することがあった。このようなムラは、パターン精度を低下させるものであって好ましくなく、特に、視覚的な均一性を重要視するフラットパネルディスプレイ用途、特に、カラーフィルタの製造では問題となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ムラのないパターニングが可能なパターン形成方法及びカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが検討したところ、このようなパターンのムラは、酸素遮断膜の厚みに大きな変動幅が存在し、このような酸素遮断膜を露光用の光が通過する際に干渉が発生することにより起ることを見出した。
さらに、本発明者らが鋭意検討したところ、酸素遮断膜の厚みを従来に比べて薄くすることにより、酸素遮断膜の厚みの変動幅が抑制され、このような酸素遮断膜を介して感光性樹脂膜に光のパターンを露光をした場合に、光の干渉が低減されてムラが抑制されることを見出して本発明に想到した。
本発明は、感光性樹脂膜上に酸素遮断膜を形成する工程と、酸素遮断膜が形成された感光性樹脂膜に対して光パターンを露光する工程と、露光された感光性樹脂膜を現像する工程と、を備え、酸素遮断膜の平均膜厚が0.01μm以上0.1μm未満である。
本発明によれば、酸素遮断膜の平均厚みが従来よりも薄い0.01μm以上0.1μm未満とされているので、酸素遮断膜の膜厚の変動幅の絶対値が従来よりも低減され、酸素遮断膜における露光用の光の干渉が抑制されるので、樹脂パターンのムラが低減する。具体的には、酸素遮断膜の膜厚の変動幅は、どのような酸素遮断膜の形成法によっても通常、形成する酸素遮断膜の平均厚みの±5%程度となる、すなわち、カラーフィルタのような枚葉塗布を行った場合、塗布膜の膜厚分布を±5%以下にすることは困難であるが、本発明によれば、厚みの変動幅の絶対値が0.005μm以下に抑制され、したがって、干渉縞が低減される。
また、酸素遮断膜の平均厚みが0.01μ以上あれば、十分な酸素遮断能力を発揮するので、感光性樹脂の感度を十分に高められる。さらに、酸素遮断膜が薄いので、酸素遮断膜の乾燥に要する時間も短くて工程時間を短縮できて好ましい。
特に、酸素遮断膜の平均膜厚が0.01μm以上〜0.09μm以下であると好ましい。
また、露光用の光がレーザ光であると、干渉が顕著に起るので効果が高い。
また、酸素遮断膜の膜厚の変動幅の絶対値が±0.005μm以下であると好ましい。
また、上述のパターン形成方法を用いて、カラーフィルタの製造をすることが好ましい。
本発明によれば、ムラのないパターニングが可能なパターン形成方法及びカラーフィルタの製造方法が提供される。これにより、露光の効率化や高品位のパターン形成が可能となる。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るパターニングプロセスを示す概略構成図である。
本発明のパターニングは、少なくとも、レジスト成膜工程2、酸素遮断膜成膜工程4、露光工程6、及び、現像工程8を備えている。
(レジスト成膜工程)
レジスト成膜工程では、基板100上に感光性樹脂膜(フォトレジスト)110を形成する。感光性樹脂膜の形成には、例えば、スピンコート装置、スピンレスコート装置、ロールコート装置、ドライフィルムレジスト積層装置等の公知のレジスト成膜装置が利用できる。スピンコート装置であれば、感光性樹脂膜の溶液を基板100上にスピン塗布し、乾燥させ、また、スピンレスコート装置ではスリット状に精密加工されたノズルから感光性樹脂膜の溶液を基板100上に塗布し、乾燥させ、必要に応じて熱処理すればよい。
(感光性樹脂膜の材料)
基板100上に形成する感光性樹脂膜110の材質は、特に限定されないが、ネガ型とりわけラジカルを介した光架橋反応を行う公知の種々の感光性樹脂であると、特に、本発明の酸素遮断膜を有効に活用することができる。
(ネガ型感光材料)
ネガ型感光性樹脂は、光の照射部分が現像液に対して不溶化し残存するもので、一般にはバインダーポリマー、光重合性化合物、光反応開始材、溶媒、及び、分散剤等の添加物を含み、さらに必要に応じて着色材や遮光材を配合したものを塗布し乾燥することにより形成される。
(光重合性化合物(架橋剤))
光重合性化合物とは、光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸などによって重合し得る化合物であって、例えば重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
該化合物は、単官能の光重合性化合物であってもよいし、2官能または3官能以上の多官能の光重合性化合物であってもよい。単官能光重合性化合物としては、例えばノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。2官能光重合性化合物としては、例えば1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。3官能以上の光重合性化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましい光重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。該光重合性化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられるが、2官能以上の光重合性化合物が好ましく用いられ、2種以上の光重合性化合物を用いる場合には少なくとも1種は2官能以上の光重合性化合物を用いることが好ましい。該光重合性化合物の使用量は、バインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部あたり通常は0.1質量部以上70質量部以下、好ましくは1質量部以上60質量部以下である。
(バインダーポリマー)
バインダーポリマーとしては、着色剤や遮光剤を分散することができ、着色組成物層に、他成分とともに光照射によって架橋性機能を付与する透明樹脂が使用される。該バインダーポリマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタンのような不飽和カルボン酸オキセタンエステル化合物の重合物、メラミンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
該バインダーポリマーとしては、単量体はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせた共重合体を使用することもできる。該共重合体としては、例えばベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン/メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体などが挙げられる。特に、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体が好ましい。該共重合体におけるカルボキシル基を有する単量体単位の含有量は質量分率で5〜50%、好ましくは10〜40%である。
該バインダーポリマーは、ポリスチレンを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる重量平均分子量が5,000〜400,000の範囲、さらには10,000〜300,000の範囲にあるのが好ましい。該バインダーポリマーは、感光性樹脂の全固形分に対して質量分率で通常5〜90%の範囲、好ましくは20〜70%の範囲で用いられる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤は、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤が挙げられ、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。活性ラジカル発生剤として、市販のものを用いることもできる。市販の光重合開始剤としては、例えば、商品名「Irgacure-907」(アセトフェノン系光重合開始剤、Ciba Specialty Chemicals社製)などが挙げられる。これらの光重合開始剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の使用量は、バインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常1質量部以上30質量部以下、好ましくは3質量部以上20質量部以下である。
(光重合開始助剤)
光重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて、光重合開始剤によって開始した光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。光重合開始助剤としては、例えばアミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物などが挙げられる。アミン系化合物としては、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば商品名「EAB-F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。該光重合開始助剤を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤1モルあたり通常10モル以下、好ましくは0.01モル以上5モル以下である。光重合開始剤および光重合開始助剤を用いる場合の使用量は、その合計量がバインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常1質量部以上30質量部以下、好ましくは3質量部以上20質量部以下である。
(溶媒)
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどの芳香族脂肪族エーテル類、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルなどのエステル類、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。こうした溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ、感光性樹脂における溶剤の含有量が質量分率で通常20質量%以上90質量%以下、好ましくは50質量%以上85質量%以下となるように使用される。
(着色剤)
透明着色樹脂材等として使用する場合には着色剤を添加する。着色剤としては染料や顔料を用いることができる、顔料としては有機および無機顔料を用いることができ、具体的には、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。
(遮光材)
ブラックマトリクスとして使用する場合には、遮光剤を添加する。遮光材としては、カーボン、アニリンブラック、ペリレン化号物といった有機顔料、チタンブラック、マグネタイトといった無機顔料が挙げられる。
(その他の添加剤)
その他の添加剤としては、例えば、充填剤、バインダーポリマー以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、凝集防止剤、有機酸、硬化剤などが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤および両性界面活性剤などが挙げられる。密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
(酸素遮断膜成膜工程)
酸素遮断膜成膜工程4では、感光性樹脂膜110を塗布した基板100上に酸素遮断膜120を形成する。酸素遮断膜120の形成には、例えば、スピンコート装置、スピンレス(スリット)コート装置、ロールコート装置、ドライフィルムレジスト積層装置等の公知の成膜装置が利用できる。スピンコート装置であれば、酸素遮断膜形成用の高分子溶液を基板上にスピン塗布し、乾燥させ、また、スピンレスコート装置ではスリット状に精密加工されたノズルから感光性樹脂膜の高分子溶液を基板上に塗布し、乾燥させ、必要に応じて熱処理すればよい。また本発明の酸素遮断膜120は膜厚が薄いことから、気流乾燥や温風乾燥を選択することも可能である。
そして、本実施形態においては、酸素遮断膜120の平均膜厚が0.01μm以上0.1μm未満、より好ましくは、0.01μm以上、0.09μm以下である。ここで、酸素遮断膜の平均膜厚とは、乾燥後の酸素遮断膜の内の通常パターニングがなされる部分、すなわち、縁の部分を除く中央部である。縁の部分は、中央部に比べて盛り上がったりして厚みが不均一であるからである。なお、酸素遮断膜120の平均厚みは、触針式の段差計や光学干渉式の膜圧計、断面のSEM写真等により膜厚を複数点測定することにより容易に取得できる。具体的には、例えば、以下の式により取得できる。
Figure 0004681481

ここで、nは測定回数であり、dはi番目(i=1〜nの整数)に測定された膜厚である。
酸素遮断膜120は、通常、水溶性高分子の溶液を基板上に塗布し、乾燥させることにより形成される。酸素遮断膜の膜厚の調節は、スピンコートであれば、スピン回転数や水溶性高分子溶液の濃度等の調節により、スピンレス(スリット)コートであれば、スリット幅や水溶性高分子溶液の濃度等の調節により行うことができる。
そして、どのような塗布装置を用いても、カラーフィルタのような枚葉処理を行った場合、酸素遮断膜の厚みは±5%程度の変動幅を有し、膜厚分布を±5%以下にすることは困難である。そして、本実施形態では、酸素遮断膜の厚みが、0.1μm未満であるので、酸素遮断膜の厚みの変動幅の絶対値を0.005μm以下程度にすることができ、酸素遮断膜の干渉縞の発生を抑制することができ、したがって、露光時にこの干渉縞が感光性樹脂に転写されることによりおこる樹脂パターンの干渉縞やムラを抑制することができる。ここで、酸素遮断膜の厚みの変動幅は、以下の式により取得できる。
Figure 0004681481

ここで、dmaxは測定厚みの最大値、dminは測定厚みの最小値である。また、酸素遮断膜の厚み変動幅の絶対値は、(dmax−dmin)として取得できる。
なお、酸素遮断膜の厚みを0.01μm以下にすると、酸素遮断性能が悪くなるため、好ましくない。
なお、従来のように1μm程度の酸素遮断膜120の膜厚では、膜厚の変動の絶対値が0.05μm程度となり、干渉縞のない膜の形成は困難であった。
さらに、本実施形態では、従来のよりも酸素遮断膜が薄いので乾燥が迅速に行われる。したがって、簡便な乾燥設備、例えば、乾燥空気の供給等により迅速に乾燥させることができ、高価な真空乾燥設備が不要となり、低コスト化に資する。
(酸素遮断膜材料)
酸素遮断膜120は水溶性高分子を主として含む膜である。酸素遮断膜として使用可能な水溶性高分子の具体例として、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、エチレンオキサイド重合体、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースの水溶性塩等のセルロース類、アラビアゴム等やこれらの2種以上の混合物が挙げられ、これらの中でも、酸素遮断性、現像除去性の観点からポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの混合物が好適である。
ポリビニルアルコールとしては、重量平均分子量が300〜2400であることが好ましく、71〜100モル%加水分解されるものが好ましい。具体的には、PVA−105,PVA−110,PVA−117,PVA−117H,PVA−120,PVA−124,(以上すべて商品名、クラレ株式会社製、鹸化率97〜98%)、PVA−203,PVA−204,PVA−205,PVA−210,PVA−220,PBA−224,PVA−217E(同、鹸化率87〜88%)、PVA−405,PVA−420,(同、鹸化率78〜82%)、PVA−613(同、鹸化率92〜95%)をあげることができる。なお、PVAの後ろの3桁の番号のうちの下2桁×100がそれぞれ重合度を示す。
また、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンの混合物の場合には、ポリビニルアルコールに対するポリビニルピロリドンの混合比率は特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以下であることができる。
そして、酸素遮断膜120の形成においては、通常上述の水溶性高分子の水溶液を塗布する。さらに好ましくは、0.2〜3wt%のポリビニルアルコール水溶液を使用するのが良い。また、酸素遮断膜120を形成するための水溶性高分子溶液は、感光性樹脂膜110への塗布性や密着性を調整するために必要に応じて界面活性剤を添加することも有効である。
(露光工程)
露光工程は、基板100上に形成された感光性樹脂膜110に対して、酸素遮断膜120を介して所定の光のパターンを投影する装置である。光のパターンは特に限定されず様々なパターンを採用可能である。露光装置としては、高圧水銀ランプやキセノンランプ、各種レーザーを光源として用いた公知の種々の装置を利用でき、例えば、図2に示すように、光源67からの光をマスクMにより遮蔽してパターンを形成し、このパターンを酸素遮断膜120を介して感光性樹脂膜110に投影するものや、図3に示すように、マスクを使わず、光源67からの光を、空間光変調器68で変調してパターンを形成し、このパターンを酸素遮断膜120を介して感光性樹脂膜110に投影する、いわゆるマスクレス露光装置でもよい。空間光変調器68はマトリクス状に配置された光変調素子69を多数有している。各光変調素子69は、光源67からの光を感光性樹脂膜110に投影させる第1の状態(図示B1の状態)と、光源67からの光を感光性樹脂膜110に投影させない第2の状態(図示B2の状態)とを切替えることができ、これにより、所望のパターンを感光性樹脂膜110に投影できる。通常、空間光変調器68はコンピュータにより制御される。
空間光変調器68としては、微少ミラー(光変調素子69)の反射面の傾きを変えて第一の状態と第二の状態とを切り替るDMD(Digital Micro mirror Device)、反射型の液晶表示素子(光変調素子69)を用い反射/非反射を切り替ることにより第1の状態と第2の状態を実現するLCOS(Liquid Crystal On Silicon)、複数のリボンからなり1つの光ドット(画素)に対応するリボン群(光変調素子69)が多数並べられ各リボン群による回折/非回折を切り替ることにより第1の状態と第2の状態を実現するGLV(Grating Light Valve)素子等の反射型の空間光変調器や、透過形の液晶表示素子(光変調素子62)を用い透過/非透過を切り替ることにより第1の状態と第2の状態を実現する透過形の空間光変調器等を使用することができる。なお、通常、一回の露光で描画可能な領域68aは、感光性樹脂膜110の描画予定領域110aよりも大きいので、基板100を載せたステージ66を空間光変調器68に対して相対的に移動させ、多数回露光を行えばよく、このときに領域68aを一部重ねて露光することも好ましい。これにより、多階調の露光が可能となり、また、隙間なく連続したパターンを好適に形成可能である。
なお、マスクレス露光装置として、レーザ光等をスキャンして直接パターンを描画する露光装置でも構わない。
このようなマスクレス露光装置は、高価なフォトマスクを用いないことから、製造コストを低下でき、ライン切り替え時間の短縮、新規製品開発時間の短縮など多くのメリットが期待されるが、マスクを用いた露光法に比べて露光に時間がかかる場合が多く、工程時間短縮のために感光性樹脂膜110の高感度化が求められる場合が多い。したがって、酸素遮断膜120が必要となる場合が多く、上述の酸素遮断膜成膜装置と組み合わせるメリットが大きい。
本工程により、感光性樹脂膜110に対してパターンの潜像が形成される。そして、本実施形態では、上述のように従来に比べて酸素遮断膜120が薄いので、酸素遮断膜の厚みの変動幅が小さくて干渉が起こりにくいので、この酸素遮断膜120を介して行われる感光性樹脂膜110への潜像の形成を十分にシャープに行うことができ、パターニング不良を起こし難いので歩留まりがよくなる。
特に、本発明のパターン形成法は、光反応で発生するラジカルを介した架橋反応を応用したネガ型感光性樹脂に好適に利用可能であり、とりわけ感光性の透明着色樹脂を用いて形成される液晶用カラーフィルタ、さらには遮光性の感光性樹脂を用いたブラックマトリックスの製造に好適に用いることができる。
本発明のパターン露光に用いることができる光は、可視光、紫外線等が挙げられ特に限定されないが、特に、干渉を起こしやすいレーザ光源に特に効果的であり、レーザ光源としては、半導体レーザ、固体レーザ、エキシマレーザ等を列挙することができる。レーザ光の波長としては、感光性樹脂の感光域との適合性が良い290〜430nmの波長を有するものが好ましい。
上述のように、本発明のパターン形成法は、光源にレーザを用いたものに特に好適に適応でき、マスクやアパチャーアレイを介してパターンを高速で焼き付ける方法、空間変調素子で形成されたイメージを焼き付ける方法に好適に適応できる。
(現像工程)
現像工程8は、感光性樹脂膜110を現像してパターニングを行う装置である。現像装置は特に限定されず、公知の種々の現像装置を用いることができる。例えば、図1に示すように、シャワーヘッド8aから基板100に対して所定の現像液を滴下して、現像液と露光済みの感光性樹脂膜110とを接触させる装置を利用できる。基板100と接触した現像液は、回収器8bに回収され、ポンプ8cにより再びシャワーヘッド8aに供給され、再び基板110と接触するので、現像液が循環利用され、現像液の有効利用が図られる。なお、必要に応じて、その後、基板110の水洗、乾燥、及び、熱処理を行うことが可能である。
ここで、現像液としては、感光性樹脂膜現像用の公知のアルカリ性水溶液が好適に用いられる。具体的には、例えば、ナトリウムやカリウム等の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩といった無機アルカリ、有機アンモニウムなどの有機アルカリ等を溶解したアルカリ性水溶液を現像液として使用できる。
ここで、酸素遮断膜120は水溶性高分子から形成されているので、基板100に現像液が滴下されると、酸素遮断膜120は現像液に溶けて感光性樹脂膜110上から除去される。したがって、滴下された現像液は問題なく感光性樹脂膜110と接触し、この感光性樹脂膜110のパターニングがなされる。
このようにして、感光性樹脂膜110のパターニングがなされ、図4に示すように、感光性樹脂のパターン形成が完了する。
また、酸素遮断膜120が薄いので、現像工程での酸素遮断膜の除去が好適に行われ、一層歩留まり良くパターニングが行える。なお、現像の前に水洗等により、酸素遮断膜120を事前に除去しても良い。
(カラーフィルタの製造方法)
続いて、上述のパターン形成方法及び露光システムを適用するカラーフィルタCF及び液晶ディスプレイLCDの製造方法について図5を参照して説明する。
カラーフィルタCFは、無アルカリガラスなどの透明基板61上に、表示単位としてのRGB副画素である透明着色樹脂層73R,73G,73Bと、これらの透明着色樹脂層73R,73G,73Bを区画する遮光パターンとしてのブラックマトリクス63が主として形成されているものである。
ブラックマトリクス63は、隣接する透明着色樹脂層73R,73G,73Bの境界を区画して混色を防止するもので、極めて高いパターンの精度及び均一性が要求される。ブラックマトリクス63の形状は、格子状やストライプ状が一般的であるが、表示の解像度を高めるために屈折形状や、多角形形状が採用されることもある。
ブラックマトリクス63は、クロムやモリブデン、ニッケルといった金属製の遮光性薄膜と反射防止膜とを組み合わせた薄膜をパターニングしたものであってもよく、また、カーボンブラックやチタン化合物やフェライト化合物を分散した遮光性樹脂をパターニングしたものであってもよい。感光性を有する遮光性樹脂膜であればこの膜を直接フォトリソフラフィー法でパターニングすればよく、また、感光性がない膜の場合にはその膜の上に感光性樹脂膜を形成し、感光性樹脂膜をパターニングし、パターニングされた感光性樹脂膜をマスクとして感光性の無い膜をエッチングすることにブラックマトリクス63のパターニングが可能である。
特に、感光性の遮光性樹脂膜を用いてブラックマトリクス63を製造する場合、本発明のパターン形成法を好適に採用することができる。
ブラックマトリクス63の開口内にはR(赤)、G(緑)、B(青)の透明着色樹脂層73R,73G,73Bが所定の順番に形成されている。
透明着色樹脂層73R,73G,73Bは、ブラックマトリクス63の開口部を覆うパターンに形成される。例えば1画素がRGB三色のストライプで形成される場合、副画素の線幅、すなわち、ブラックマトリクス63の開口幅は1画素のピッチの約1/3であることが多い。
このような透明着色樹脂層73R,73G,73Bも透明着色樹脂層上に設けたレジストマスクを用いたパターニングにより製造することができるが、感光性を有する透明着色樹脂を用いたパターン形成についても本発明のパターン形成方法を適用できる。
そして、必要に応じて、これらの透明着色樹脂層73R,73G,73B上に表面を平坦化させる透明平坦化膜80が設けられ、その上にさらに、液晶駆動のための共通電極となる透明導電膜85が形成される。
透明平坦化膜80は、ブラックマトリクス63/透明着色樹脂層73R、73G,73Bに重ねて塗布するもので透明着色樹脂層73R,73G,73B、ブラックマトリクス63の段差を埋め、液晶セルに適した平滑性を付与するとともに、カラーフィルタCFから汚染物質の溶出を防止する。また、透明平坦化膜80についても液晶セル設計の必要性に応じて、微細なパターン形成が必要な場合には感光性の透明平坦化膜を使用する必要があり、本発明のパターン形成方法を用いることができる。
さらに、透明導電膜85上に液晶のセルギャップを調整するための柱状スペーサ90の形成が行なわれる。柱状スペーサ90は、上記のブラックマトリクスや透明着色樹脂層、透明平坦化膜で使用したパターンを用いたフォトリソグラフィー法により形成することが可能であるが、高さ精度や変形特性を極めて厳密に管理することが必要であることから、専用の感光性樹脂層を重ね塗りし専用のパターンを用いたフォトリソグラフィー法で仕上げることが一般に行なわれる。これらの工程にも上述のパターニング方法を適用できる。
また、半透過型液晶の場合には、液晶セル内の光路長が反射領域では透過領域の2倍となる。このため、透過表示と反射表示の表示特性を同時に最適化するため、反射・透過両用の液晶パネルでは反射部及び透過部毎で互いに異なるセルギャップを形成する場合もある。この場合、反射板の下に、セルギャップ調整のための透明樹脂パターンを形成する場合がある。この工程にも上述のパターニング方法を適用できる。
そして、このようにして作成したカラーフィルタの上に、薄膜トランジスタ基板TFTを対向配置し、配向膜86と薄膜トランジスタ基板TFTとの間に液晶220を封入することにより、平面ディスプレイとしての液晶表示素子が完成する。薄膜トランジスタ基板TFTは、薄膜トランジスタ素子300の下面に画素電極301及び配向膜387を有しており、薄膜トランジスタ素子300の上には偏光膜315が形成されている。
上述のように、カラーフィルタCFにおいて、ブラックマトリクス63、透明着色樹脂層73R,73G,73B、透明平坦化膜80、透明導電膜85、及び、柱状スペーサ90等のパターニングにおいて本発明のパターニング方法を用いることが可能となり、ムラの少ない高品質の製品を製造することが可能となる。また、上述のパターン形成法は散乱層、配向規制構造、マイクロレンズ形成等に適応することも可能である。
さらに、本発明のパターン形成法は、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタのみならず、白色有機EL発光素子等を用いた平面ディスプレイ用のカラーフィルタ等にも適用できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず種々の応用が可能である。例えば、上記のパターニング方法及び露光システムは、カラーフィルタの製造に限られず、LSI等の電子回路、各種電子回路の製造に適用できる。
(実施例A1〜A4)
51×51mmの無アルカリガラス(コーニング社1737、0.7t)に遮光性感光性樹脂原料(BK-4617:東京応化工業(株)製)を塗布し、ホットプレート上で90℃×110秒間、プリベークし膜厚1.2μmの遮光性感光性樹脂膜を形成した。
その後、PVA水溶液(クラレ製PVA−205)の0.25〜1wt%水溶液をスピンコータで400〜800rpm×10秒の条件で塗布し、さらに室温で静置乾燥することで0.01、0.02、0.05、0.08μmの酸素遮断膜をそれぞれ形成した。このとき、表面の水分が消失するまでの時間を目視で観察して乾燥時間とした。
ここで、サンプル基板はそれぞれ複数作成し、各一部を抜き出して酸素遮断膜の干渉縞をNaランプ(λ=589nm)下で観察した。また、酸素遮断膜の平均膜厚及び膜厚分布は、基板上の対角線上5箇所に水滴を滴下して部分的に酸素遮断膜を溶解除去した後、触針式段差計で測定した。また、遮光性樹脂膜上の405nmにおける反射率を顕微分光光度計(大塚電子製MCPD)を用いて測定した。
酸素遮断膜を形成後の未露光の感光性樹脂膜に対して、ダイレクトイメージ描画機(ペンタックス社製DI−2080)を用いて、線幅20μmのブラックマトリックス様の格子パターンを、露光量20mJ/cm(波長400〜410nm)で描画した。
露光後の各感光性樹脂膜を、無機アルカリ現像液(KOH:0.05%)を用い、23℃×80秒シャワー現像したのち、マイクロジェット洗浄装置を用い、10MPaの圧力で液滴ジェット洗浄を行なった。
液滴ジェット洗浄を60秒間実施した後、エアナイフ乾燥したのち、220℃で20分間熱処理することにより、該ガラス基板上にブラックマトリックスパターンを形成した。作成した樹脂ブラックパターンについては白色光で透過ムラの観察を行った。
(比較例A1〜A4)
比較例A1〜A4では、PVA水溶液(クラレ製PVA−205)の1.25〜10wt%水溶液をスピンコータで700〜1200rpm×10秒の条件で塗布し、酸素遮断膜の厚みを、順に、0.15,0.33,1.2,0.006μmとする以外は、実施例A1と同様にした。
比較例A5、A6では、酸素遮断膜を形成しなかった。また、比較例A5,A6では、順に、露光量を100、20mJ/cmとした。
条件及び結果を図6に示す。酸素遮断膜の膜厚が0.1μm以下の場合には、感光性樹脂の高感度化、及び、パターンのムラの低減が可能であり、高品位のパターン形成が可能であった。また、酸素遮断膜形成時の乾燥時間も早い。
一方、酸素遮断膜が厚い場合には、酸素遮断膜の膜厚の変動が大きくなり、酸素遮断膜に干渉縞が現れ、これに対応して、パターンにもムラが発生した。
なお、参考までに、図7に、PVAの酸素遮断膜の膜厚を変えた場合の405nmの光の反射率の変化を示す。ポリビニルアルコール膜の膜厚変動によって反射率が数%変動するが、膜厚の変動幅を小さくすると干渉が小さくなるものと考えられる。
(実施例B1〜B2)
200×200mmの無アルカリガラス(コーニング社1737、0.7t)に実施例A1と同じ遮光性感光性樹脂原料をスピンコータにより塗布し、実施例A1と同様にして遮光性感光性樹脂膜を形成した。
その後、ポリビニルアルコール水溶液をスピンコータでそれぞれ、実施例A3、A4と同様に塗布し、自然乾燥し、それぞれ0.04、0.08μmの酸素遮断膜を形成した。その後、実施例1と同様にして露光し、現像した。
酸素遮断膜を形成した遮光性感光性樹脂基板に対して、プロキシ露光機(高圧水銀ランプ光源)を用いて露光量20mJ/cm(h線)、露光ギャップ90μmの条件で、プラックマトリクスパターンを焼付け、無機アルカリ現像液(KOH0.05%)により現像した。
(比較例B1〜B2)
塗布液及び回転数を図8の条件のようにする以外は、実施例B1と同様にして、酸素遮断膜の厚みがそれぞれ0.29,1.1μmである基板を得た。
現像前の酸素遮断膜の干渉縞は実施例A1と同様に観察し、現像後のブラックマトリックス付き基板については干渉縞に起因する透過ムラの有無を白色光源を用いて観察した。条件及び結果を図8に示す。
この場合も、酸素遮断膜が0.1μm未満で、感光性樹脂の感度を高めることが可能であると共に、高品位のプラックマトリクスを形成することが可能である。また、高圧水銀ランプでも実施は可能であることが理解される。
図1は、本実施形態に係るカラーフィルタの製造方法の概要を示す模式図である。 図2は、第1の露光方法を示す模式断面図である。 図3は、第2の露光方法を示す模式断面図である。 図4は、パターン具後の基板の模式断面図である。洗浄装置の上面図である。 図5は、カラーフィルタ及びLCDを示す模式断面図である。 図6は、実施例A1〜A4及び比較例A1〜A5の条件及び結果を示す表である。 図7は、PVAによる酸素遮断幕の膜厚と、405nmの光の反射率を示す計算結果である。 図8は、実施例B1〜B2及び比較例B1〜B2の条件及び結果を示す表である。
符号の説明
1…カラーフィルタの製造システム、100…感光性樹脂膜、120…酸素遮断膜、CF…カラーフィルタ。

Claims (4)

  1. 感光性樹脂膜上に酸素遮断膜を形成する工程と、
    前記酸素遮断膜が形成された感光性樹脂膜に対して光パターンを露光する工程と、
    前記露光された感光性樹脂膜を現像する工程と、を備え、
    前記酸素遮断膜の平均膜厚が0.01μm以上0.1μm未満であり、
    前記酸素遮断膜が、主としてポリビニルアルコールを含む、パターン形成方法。
  2. 前記酸素遮断膜の平均膜厚が0.01μm以上〜0.09μm以下である請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記酸素遮断膜の膜厚変動幅の絶対値が0.005μm以下である請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のパターン形成方法を用いるカラーフィルタの製造方法。
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