JP5958245B2 - カラーフィルタ基板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、フラットディスプレイ、例えば、エレクトロルミネッセンス表示装置に用いられるカラーフィルタ基板とその製造方法に関する。
現在、フラットディスプレイの中で中心的な存在は、液晶ディスプレイと言えるが、液晶ディスプレイとは異なる表示原理に基づくフラットディスプレイとして、有機あるいは無機のエレクトロルミネッセンス(以下、ELと略す場合がある)表示装置、プラズマディスプレイパネル、ライトエミッティングダイオード表示装置、蛍光表示管表示装置、および、フィールドエミッションディスプレイ等の開発も活発に行われている。
これらの新しいフラットディスプレイはいずれも自発光型と呼ばれるもので、液晶ディスプレイに比較して、電力消費が少ない、コントラストに優れる、視野角依存性がほとんどない、応答時間が高速であり動画残像の問題が生じない等の優れた特徴を有している。近時、これらの中でもEL表示装置は、主として車載ナビゲーション、携帯電話、デジタルカメラ等、モバイル製品で実用化されている。モバイル製品はその携帯性から様々な環境下で使用されており、特に屋外での使用頻度が高い。しかし、屋外での使用時には太陽光のような外光の影響によってコントラストの低下、混色の発生等が生じ表示品位が低下するとういう問題があった。
このような外光の影響を抑制するために、EL表示装置の前面板に円偏光板を配設すること(特許文献1)、円偏光板の代わりに着色層を設けること(特許文献2)、微粒子を含有する光散乱層を設けること(特許文献3)が提案されている。
特開2004−205849号公報 特開2005−317271号公報 特開2007−287697号公報
しかしながら、円偏光板を使用した場合、EL素子からの光の利用効率が悪く、EL表示装置の輝度が不十分であり、また、円偏光板のコストが高く、カラーフィルタ基板の製造コストの低減に限界があるという問題があった。
円偏光板の代わりに着色層を使用した場合、EL素子からの光の利用効率は高いものの、EL表示装置の色味等に影響が生じ表示品位が低下するという問題があった。
また、光散乱層により外光を適度に散乱させて反射光を抑制する場合、EL素子からの光の利用効率は良好であるものの、光散乱層により後方散乱光が発生し、表示が白くにごったり、黄色などの色味を帯びる色シフトによる表示品位の低下とういう問題があった。また、光散乱層に含有される微粒子の分散性が悪いと外光の適度な散乱が得られず、このため光散乱層の工程管理が煩雑であるという問題もあった。
本発明は、このような実情に鑑みてされたものであり、外光による白にごり、色シフトなどの影響を抑制し、高コントラスト、高輝度の表示を可能とするカラーフィルタ基板とこのようなカラーフィルタ基板の製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明は、透明基板と、該透明基板上に着色層を備えるカラーフィルタ基板であって、前記着色層は、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層および白色着色層を有し、少なくとも白色着色層が位置する領域には、透過率が45〜95%の範囲である光吸収層とヘーズ値が10〜70の範囲である光散乱機能層とが、前記透明基板側から光吸収層、光散乱機能層の順となるように存在し、前記光散乱機能層は有機膜と高屈折率膜とが積層されたものであり該有機膜側が前記透明基板側に位置し、前記有機膜は前記高屈折率膜との界面が凹凸面となっており、前記有機膜の屈折率は前記高屈折率膜の屈折率よりも小さいような構成とした。
また、本発明は、透明基板と、該透明基板上に着色層を備えるカラーフィルタ基板において、前記着色層は、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層および白色着色層を有し、前記白色着色層は光吸収層、光散乱機能層からなり、前記透明基板側から光吸収層、光散乱機能層の順となるように存在し、前記光吸収層は透過率が45〜95%の範囲であり、前記光散乱機能層は有機膜と高屈折率膜とが積層されヘーズ値が10〜70の範囲であり、該有機膜側が前記透明基板側に位置し、前記有機膜は前記高屈折率膜との界面が凹凸面となっており、前記有機膜の屈折率は前記高屈折率膜の屈折率よりも小さいような構成とした。
本発明の他の態様として、前記光吸収層および前記光散乱機能層は、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層が位置する領域にも存在するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記光吸収層は樹脂中に色材を含有してなるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記色材は少なくともカーボンブラックを含むような構成とした。
本発明の他の態様として、前記高屈折率膜は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、炭化珪素、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズまたは酸化タンタルに、ガリウム、セリウム、アルミニウム、カーボン、スズおよびボロンのいずれかをドープさせた群から選ばれる1種以上の材料を含むような構成とした。
本発明の他の態様として、前記有機膜の前記凹凸面の最大粗さ(Rmax)は、10μm以下であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記光散乱機能層の前記高屈折率膜上に平坦化層を備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記有機膜の厚みは0.1〜10μmの範囲であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記高屈折率膜の屈折率と前記有機膜に屈折率との差が0.4以上であるような構成とした。
また、本発明は、透明基板と、該透明基板上に赤色着色層、緑色着色層、青色着色層および白色着色層を有する着色層と、少なくとも白色着色層が位置する領域に存在する光吸収層と光散乱機能層を備えるカラーフィルタ基板の製造方法であって、有機膜形成用の有機樹脂層を形成した後、該有機樹脂層上に高屈折率膜を成膜し、次いで、加熱処理を施して前記有機樹脂層を収縮させて前記高屈折率膜との界面に凹凸面を生じさせることにより、前記有機膜と前記高屈折率膜との積層であって有機膜側が前記透明基板側に位置する前記光散乱機能層を形成する工程を有するような構成とした。
また、本発明は、透明基板と、該透明基板上に赤色着色層、緑色着色層、青色着色層および白色着色層を有する着色層を備え、前記透明基板側から光吸収層と光散乱機能層とが当該順序となるように存在して前記白色着色層をなすカラーフィルタ基板の製造方法であって、有機膜形成用の有機樹脂層を形成した後、該有機樹脂層上に高屈折率膜を成膜し、次いで、加熱処理を施して前記有機樹脂層を収縮させて前記高屈折率膜との界面に凹凸面を生じさせることにより、前記有機膜と前記高屈折率膜との積層であって有機膜側が前記透明基板側に位置する前記光散乱機能層を形成する工程を有するような構成とした。
また、本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置は、カラーフィルタ基板とエレクトロルミネッセンス素子側基板とを備え、前記カラーフィルタ基板は上述のいずれかのカラーフィルタ基板であるような構成とした。
本発明のカラーフィルタ基板では、透明基板側から入射した外光が光散乱機能層により適度に散乱されるので外光正反射光および後方散乱光の発生が抑制され、光散乱機能層により後方散乱光が生じても光吸収層により吸収され、これにより、外光に起因する白にごり、色シフトの発生が抑制され、また、光吸収層の透過率と光散乱機能層のヘーズ値が適正な範囲に設定されているので、発光体からの光の利用効率が良好であり、高コントラスト、高輝度の表示を可能とすることができる。
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法では、高価な円偏光板が不要であり、また、微粒子を均一に分散させた光散乱層の形成するための煩雑な工程管理が不要であり、カラーフィルタ基板の製造コストの低減が可能である。また、有機樹脂層と高屈折率膜との熱収縮挙動の違いにより生じる応力を利用して、高屈折率膜との界面に凹凸面を形成するので、凹凸面形成が容易である。
図1は、本発明のカラーフィルタ基板の一実施形態を示す断面図である。 図2は、本発明のカラーフィルタ基板の他の実施形態を示す断面図である。 図3は、本発明のカラーフィルタ基板の他の実施形態を示す断面図である。 図4は、本発明のカラーフィルタ基板の他の実施形態を示す断面図である。 図5は、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 図6は、本発明のEL表示装置の一実施形態を示す概略構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[カラーフィルタ基板]
図1は、本発明のカラーフィルタ基板の一実施形態を示す断面図である。図1において、カラーフィルタ基板1は、透明基板2と、該透明基板2上に配設された着色層3、該着色層3を被覆するように積層された光吸収層5、光散乱機能層6とを備えている。着色層3は、赤色着色層3R、緑色着色層3G、青色着色層3B、および、白色着色層3Wを有しており、各色の着色層3R,3G,3B,3Wの境界部位には遮光層4が位置している。また、光散乱機能層6は、有機膜7と高屈折率膜8とが積層されたものであり、有機膜7側が透明基板2側に位置している。さらに、光散乱機能層6を構成する有機膜7は高屈折率膜8との界面が凹凸面7aとなっており、かつ、有機膜7の屈折率は高屈折率膜8の屈折率よりも小さいものである。
また、図2は、本発明のカラーフィルタ基板の他の実施形態を示す断面図である。図2において、カラーフィルタ基板1′は、透明基板2と、該透明基板2上に位置する光吸収層5と、該光吸収層5上に配設された着色層3、当該着色層3上に配設された光散乱機能層6とを備えている。このカラーフィルタ基板1′は、層構成における着色層3の位置が光吸収層5と光散乱機能層6の間にある点で上述のカラーフィルタ基板1と相違するものであり、カラーフィルタ基板1を構成する部材と同じものについては、同じ部材番号を付して示している。
また、図3は、本発明のカラーフィルタ基板の他の実施形態を示す断面図である。図3において、カラーフィルタ基板1″は、透明基板2と、該透明基板2上に積層された光吸収層5、光散乱機能層6と、平坦化層9を介して光散乱機能層6上に配設された着色層3とを備えている。このカラーフィルタ基板1″は、層構成における着色層3の位置が光吸収層5、光散乱機能層6を挟んで透明基板2と反対側である点で上述のカラーフィルタ基板1と相違するものであり、カラーフィルタ基板1を構成する部材と同じものについては、同じ部材番号を付して示している。
本発明では、カラーフィルタ基板1,1′,1″を構成する光吸収層5の透過率が45〜95%、好ましくは50〜75%の範囲であること、および、カラーフィルタ基板1,1′,1″を構成する光散乱機能層6のヘーズ値が10〜70、好ましくは20〜60の範囲である。
図示例では、着色層3を構成する着色層3R,3G,3B,3Wが位置する領域に光吸収層5と光散乱機能層6が配設されているが、本発明のカラーフィルタ基板は、少なくとも白色着色層3Wが位置する領域に光吸収層5と光散乱機能層6が配設されていることが必要である。これは、着色層3R,3G,3Bに比べて、白色着色層3Wにおける外光反射に起因する表示性能の低下が顕著なためである。したがって、白色着色層3Wが位置する領域のみに光吸収層5と光散乱機能層6が配設されたものであってもよい。また、図4に示すように、白色着色層3Wが光吸収層5と光散乱機能層6からなるようなカラーフィルタ基板1Aであってもよい。この場合、着色層3R,3G,3Bが位置する領域にも光吸収層5と光散乱機能層6が配設されていてもよく、着色層3R,3G,3Bが位置する領域では、例えば、図1に示されるように、光吸収層5と光散乱機能層6が共に着色層3R,3G,3B上に位置する態様、あるいは、図2に示されるように、光吸収層5は着色層3R,3G,3Bの下側、光散乱機能層6は着色層3R,3G,3Bの上側に位置する態様であってもよい。
次に、本発明のカラーフィルタ基板の各構成について説明する。
<透明基板>
透明基板2は、可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板と同様なものを用いることができる。具体的には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英などのリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
尚、本発明において透明とは、サンプルにおける全光線透過率が99%以上であることを意味する。
<着色層>
着色層3は、上述のように、赤色着色層3R、緑色着色層3G、青色着色層3B、および、白色着色層3Wを有し、画素領域に位置している。このような着色層3R,3G,3B,3Wはパターン配列されている。このパターン配列は特に図示のものに限定されるものではなく、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、各着色層の面積(画素開口比率)は任意に設定することができる。
このような着色層3は、例えば、バインダー樹脂中に着色剤等を含有したものであってよく、バインダー樹脂、着色剤などの形成材料は、一般的にカラーフィルタに用いられる材料を使用することができる。例えば、赤色着色層3Rに用いられる着色剤としては、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられ、これらの顔料を単独で、あるいは、2種以上の混合で用いてもよい。また、緑色着色層3Gに用いられる着色剤としては、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられ、これらの顔料もしくは染料を単独で、あるいは、2種以上の混合で用いてもよい。さらに、青色着色層3Bに用いられる着色剤としては、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられ、これらの顔料を単独で、あるいは、2種以上の混合で用いてもよい。さらに、白色着色層3Wは、赤色着色層3R、緑色着色層3G、青色着色層3Bに使用するバインダー樹脂からなるものであってよく、また、白色の色度を調整する目的で、バインダー樹脂中に、色材、例えば、紫色色材、青色色材等を含有するものであってもよい。
<遮光層>
遮光層4は、非画素領域に位置しており、例えば、相互に平行なストライプ形状、格子形状等であり、バインダー樹脂中に黒色顔料を含有したもの、クロム等の金属薄膜からなるもの等であってよい。
<光吸収層>
光吸収層5は、透明基板2側からカラーフィルタ基板1に入射した光が光散乱機能層6で散乱される際に生じる後方散乱光を吸収し、外光に起因する白にごりの発生を抑制するための層であり、上述のように、透過率が45〜95%、好ましくは50〜75%の範囲である。光吸収層5の透過率が45%未満であると、カラーフィルタ基板を表示装置に使用したときの発光体素子からの光の利用効率が低く、輝度が不十分となり、一方、透過率が95%を超えると、光吸収層5の本来の機能である光吸収機能が不十分となり好ましくない。ここで、透過率とは積分球を用いて測定した全光線透過率であり、(株)村上色彩技術研究所製のヘーズメーター(HM−150型)を用いて測定することができる。
このような光吸収層5は、樹脂中に所望の色材を含有したものであってよい。光吸収層5を構成する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等を単独で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することができ、光吸収層5の屈折率が高屈折率膜8の屈折率よりも小さく、また、光吸収層5の屈折率と有機膜7の屈折率との差が±0.3以下であり、その差が好ましくは0となるように適宜選択することができる。また、色材は黒色色材、着色色材を適宜使用することができる。黒色色材は、光吸収層5の透過率を調整するために使用することができ、例えば、カーボンブラック、窒化チタン、窒化酸化チタン、炭化チタン等を挙げることができる。また、着色色材として、例えば、光散乱機能層6において外光の後方散乱光が発生し、黄色味を帯びるような色シフトが生じた場合、青色色材を使用することにより黄色の色シフトを抑制することができる。したがって、光吸収層5に所望の着色色材を含有させることにより、外光に起因する色シフトの調整機能を光吸収層5にもたせることができる。このような着色色材としては、青色色材の他に、緑色色材、赤色色材、黄色色材、紫色色材等を挙げることができ、また、これらの着色色材を組み合わせて使用することができる。
<光散乱機能層>
光散乱機能層6は、透明基板2側からカラーフィルタ基板1に入射した光を適度に散乱させて透明基板2側への外光正反射光および後方散乱光の発生を抑制するための層であり、上述のように、ヘーズ値が10〜70、好ましくは20〜60の範囲である。光散乱機能層6のヘーズ値が10未満であると、光散乱機能層6による光散乱機能が不十分であり、また、70を超えると、カラーフィルタ基板を表示装置に使用したときの発光体からの光の利用効率が低く、輝度が不十分となり好ましくない。ここで、ヘーズ値とは、(拡散光線透過率/全光線透過率)×100で求められ、(株)村上色彩技術研究所製のヘーズメーター(HM−150型)を用いて測定することができる。
このような光散乱機能層6は、上述のように、有機膜7と高屈折率膜8とが積層されたものであり、有機膜7側が透明基板2側に位置している。また、光散乱機能層6を構成する有機膜7は、高屈折率膜8との界面が凹凸面7aとなっており、かつ、有機膜7の屈折率は高屈折率膜8の屈折率よりも小さいものである。ここで、屈折率は、分光エリプソメーター(ジョバン・イーボン社製 UVISEL)を用い、微粒子と同じ原料を平板状に成型した基板を測定することで得られる。
光散乱機能層6を構成する有機膜7は、高屈折率膜8の屈折率よりも小さい屈折率を具備する透明樹脂を用いて形成することができる。透明樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂の共重合体等を単独で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することができる。また、有機膜7をなす透明樹脂は、上述の着色層3のバインダー樹脂、光吸収層5を構成する樹脂と同じ樹脂材料であってもよく、例えば、上述のカラーフィルタ基板1Aでは、白色着色層3Wのバインダー樹脂、光吸収層5を構成する樹脂と同じ樹脂材料を用いて有機膜7が形成されている。
有機膜7の凹凸面7aは、透明基板2側から入射した外光を、有機膜7と高屈折率膜8との界面において適度に散乱させるために設けられており、凹凸面7aの最大粗さ(Rmax)は10μm以下、好ましくは0.5〜8μmの範囲である。凹凸面7aの最大粗さ(Rmax)が10μmを超えると、外光正反射光の発生の抑制効果が不十分となり好ましくない。ここで、凹凸面7aの最大粗さ(Rmax)は、原子間力顕微鏡(タカノ(株)製 AS−7B−M)と触針式膜厚計(KLA−Tencor Japan(株)製 P−15)を用いて測定することができる(Rmaxが1μm未満の場合に原子間力顕微鏡を用い、Rmaxが1μm以上の場合は触針式膜厚計を用いる)。また、高屈折率膜8の厚みのバラツキが0.1μm以下である場合には、有機膜7の凹凸面7aの形状が高屈折率膜8の表面に反映されていると考えられ、高屈折率膜8の最大粗さ(Rmax)を測定して、凹凸面7aの最大粗さ(Rmax)とすることができる。尚、高屈折率膜8の厚みは、触針式膜厚計(KLA−Tencor Japan(株)製 P−15)を用いて測定することができる。
このような有機膜7の厚みは、0.1〜10μm、好ましくは1〜8μmの範囲である。有機膜7の厚みは、例えば、カラーフィルタ基板1,1″では、光吸収層5との界面から凹凸面7aまでの厚みの平均であり、カラーフィルタ基板1′では、着色層3との界面から凹凸面7aまでの厚みの平均である。このような有機膜7の厚みは、触針式膜厚計(KLA−Tencor Japan(株)製 P−15)を用いて測定することができる。有機膜7の厚みが0.1μm未満であると、凹凸面の形成が不十分となるため外光の影響を低減できず、十分な表示品位を得ることができない。一方、10μmを超えると、輝度が低下し表示品位が劣化することがあり好ましくない。
光散乱機能層6を構成する高屈折率膜8は、透明基板2側から入射した外光を、有機膜7との界面において適度に散乱させるために設けられている。このような高屈折率膜8は、有機膜7の屈折率よりも大きな屈折率を具備する材料を含むものであり、材料としては無機材料、有機材料、無機有機複合材料のいずれであってもよい。無機材料としては、例えば、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、炭化珪素、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズまたは酸化タンタルに、ガリウム、セリウム、アルミニウム、カーボン、スズおよびボロンのいずれかをドープさせた群から選ばれる1種以上の無機材料を挙げることができ、スパッタリング法等の真空成膜法、化学気相蒸着法等により高屈折率膜8を形成することができる。
このような高屈折率膜8の屈折率と有機膜7の屈折率との差は、0.3以上、好ましくは0.4以上であり、両者の屈折率の差が0.3未満であると、高屈折率膜8と有機膜7の凹凸面7aとの界面における光散乱が不十分となり好ましくない。また、高屈折率膜8の厚みは、特に制限はなく、真空成膜法により形成した高屈折率膜8では、例えば、0.01〜0.5μmの範囲、化学気相蒸着法により形成した高屈折率膜8では、例えば、1〜10μmの範囲で適宜設定することができる。
<平坦化層>
カラーフィルタ基板1″を構成する平坦化層9は、凹凸形状となっている光散乱機能層6上に着色層3を高い精度で形成するために設けられている。この平坦化層9は、例えば、光散乱機能層6の有機膜7を構成する透明樹脂として挙げた樹脂材料、あるいは、着色層3のバインダー樹脂として用いられる樹脂材料から適宜選択して形成することができる。そして、平坦化層9の屈折率は高屈折率膜8の屈折率よりも小さく、また、平坦化層9の屈折率と有機膜7の屈折率との差は±0.3以下であり、その差が0であることが好ましい。
このような平坦化層9の厚みは、着色層3が位置する面が平坦面となる範囲で適宜設定することができ、特に制限はない。
このような本発明のカラーフィルタ基板では、透明基板2側から入射した外光が光散乱機能層6により適度に散乱されるので、外光正反射光および後方散乱光が抑制される。また、光散乱機能層6により後方散乱光が生じても、この後方散乱光は光吸収層5により吸収される。これにより、本発明のカラーフィルタ基板を表示装置に使用したときに、外光に起因する白にごり、色シフトの発生が抑制され、また、光吸収層5の透過率と光散乱機能層6のヘーズ値が適正な範囲に設定されているので、発光体からの光の利用効率が良好であり、高コントラスト、高輝度の表示を可能とすることができる。
上述のカラーフィルタ基板の実施形態は例示であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明のカラーフィルタ基板は、遮光層を備えないものであってもよい。また、カラーフィルタ基板1,1′における光散乱機能層6上、カラーフィルタ基板1″,1Aにおける着色層3上に、平坦化層、ガスバリア層、透明電極層等のいずれか、あるいは、2種以上の層を備えるものであってもよい。平坦化層は、カラーフィルタ基板1,1′では、光散乱機能層6の凹凸形状を吸収して平坦化面を表出し、また、カラーフィルタ基板1″,1Aでは、着色層3における凹凸形状を吸収して平坦化面を表出するものであり、上述の平坦化層9と同様とすることができる。また、ガスバリア層は、本発明のカラーフィルタ基板をEL表示装置に使用する場合に、カラーフィルタ基板の構成層から発生したガスにより発光層が劣化するのを防止するものであり、例えば、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素等の材料からなるものでよい。
上述の本発明のカラーフィルタ基板は、EL表示装置、プラズマディスプレイパネル、ライトエミッティングダイオード表示装置、蛍光表示管表示装置、および、フィールドエミッションディスプレイ等の自発光型表示装置、および、液晶ディスプレイに使用することができる。
[カラーフィルタ基板の製造方法]
図5は、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、上述の本発明のカラーフィルタ基板1を例としたものである。
図5において、まず、透明基板2上に遮光部4を形成し、次いで、赤色着色層3R、緑色着色層3G、青色着色層3B、および、白色着色層3Wを有する着色層3を形成する(図5(A))。
遮光部4は、一般的なカラーフィルタにおける遮光部の形成方法により形成することができる。例えば、金属材料を用いて真空成膜法で薄膜を形成し、この薄膜をパターンエッチングして形成することができる。また、マスクを介した真空成膜法により遮光部4を形成することもできる。さらに、バインダー樹脂中に黒色顔料等の遮光性粒子を含有した塗工液を塗布して成膜し、その後、パターンエッチングして形成することができ、また、感光性の上記塗工液を使用してフォトリソグラフィー法により形成することもできる。
着色層3は、一般的なカラーフィルタにおける着色層の形成方法、例えば、フォトリソグラフィー法、インクジェット法、印刷法、電着法等を用いて形成することができる。また、着色層3のバインダー樹脂、着色剤などの形成材料は、一般的にカラーフィルタに用いられる材料を使用することができる。
次に、光吸収層5を着色層3上に形成する(図5(B))。光吸収層5は、上記の本発明のカラーフィルタ基板の説明で挙げた樹脂材料中に必要に応じて色材等を添加した塗工液をスピンコート法、ダイコート法、インクジェット法等の一般的な塗布方法により塗布し硬化させることにより形成することができる。また、光吸収層5を所望の箇所のみに形成する場合、例えば、白色着色層3W上のみに形成する場合、上記のように塗布して形成した塗工膜をパターンエッチングして光吸収層5を形成することができる。また、感光性の上記塗工液を使用してフォトリソグラフィー法により形成することもできる。
また、本発明では、上述の白色着色層3Wの形成に、光吸収層5の形成に使用する材料を用いてもよい。そして、この場合、上述のカラーフィルタ基板1Aのように、白色着色層3Wとして、光散乱機能層6とともに光吸収層5を形成することができる。
次に、有機膜形成用の有機樹脂層7′を光吸収層5上に形成し、その後、この有機樹脂層7′上に高屈折率膜8を形成する(図5(C))。有機樹脂層6′の形成に使用する樹脂材料は、上記の本発明のカラーフィルタ基板の説明で、光散乱機能層6の有機膜7を構成する透明樹脂として挙げた樹脂材料等の中でガラス転移温度(Tg)が比較的低い、例えば、Tgが150℃以下であるような樹脂材料を使用することができる。また、高屈折率膜8の材料が有機材料である場合には、高屈折率膜8が含有する有機材料よりもTgが低い、例えば、Tgが10℃以上低い樹脂材料を使用して有機樹脂層7′を形成する。有機樹脂層7′は、有機膜形成用の塗工液をスピンコート法、ダイコート法、インクジェット法等の一般的な塗布手段により塗布して形成することができる。有機樹脂層7′の厚みは、後述する工程における収縮による凹凸面形成を容易とするために、1〜10μm、好ましくは1.5〜10μmの範囲で設定することができる。
また、本発明では、上述の白色着色層3Wの形成に、有機樹脂層7′の形成に使用する材料を用いてもよい。そして、この場合、上述のカラーフィルタ基板1Aのように、白色着色層3Wとして、光吸収層5とともに光散乱機能層6を形成することができる。
また、高屈折率膜8は、上記の本発明のカラーフィルタ基板の説明で、光散乱機能層6の高屈折率膜8を構成する材料として挙げた無機材料、有機材料、無機有機複合材料のいずれを使用して形成してもよい。これらの材料の中で、後述する工程における有機樹脂層7′の収縮による凹凸面形成を容易とするために、特に無機材料が好適に使用でき、スパッタリング法等の真空成膜法により高屈折率膜8を形成することができる。形成する高屈折率膜8の厚みは、後述する工程における有機樹脂層7′の収縮による凹凸面形成を阻害しないような厚みであり、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)を用いた高屈折率膜8では、0.01〜0.6μm、好ましくは0.01〜0.5μmの範囲で設定することができ、用いる材料に応じて高屈折率膜8の厚みを適宜設定することができる。
次いで、加熱処理を施して有機樹脂層7′を収縮させて高屈折率膜8との界面に凹凸面7aを生じさ、有機膜7と高屈折率膜8との積層である光散乱機能層6を形成する(図5(D))。加熱処理の温度は、有機樹脂層7′のTg以上の温度であり、好ましくはTgよりも20〜80℃程度高い温度とすることができる。この加熱処理により、有機樹脂層7′と高屈折率膜8との熱収縮挙動の違いにより生じる応力を利用して、高屈折率膜8との界面に凹凸面7aを形成する。
このような本発明のカラーフィルタ基板の製造方法では、高価な円偏光板が不要であり、また、微粒子を均一に分散させた光散乱層の形成するための煩雑な工程管理が不要であり、カラーフィルタ基板の製造コストの低減が可能である。また、有機樹脂層7′と高屈折率膜8との熱収縮挙動の違いにより生じる応力を利用して、高屈折率膜8との界面に凹凸面7aを形成するので、凹凸面形成が容易である。特に、例えば、高屈折率膜8を酸化インジウムスズで形成した場合、上記の有機樹脂層7′を収縮させて高屈折率膜8との界面に凹凸面7aを生じさせるための加熱処理を、酸化インジウムスズの透明性向上のための加熱処理を兼ねたものとすることができ、工程の簡略化が可能である。
また、図4に示されるカラーフィルタ基板1Aでは、白色着色層を形成する領域に光吸収層5を形成し、さらに、上記と同様に、有機樹脂層7′と高屈折率膜8を形成し、その後、加熱処理を施して有機樹脂層7′を収縮させて高屈折率膜8との界面に凹凸面7aを生じさ、有機膜7と高屈折率膜8との積層である光散乱機能層6を形成して、白色着色層3Wとすることができる。
上述のカラーフィルタ基板の製造方法の実施形態は例示であり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
また、凹凸面7aを備えた有機膜7の形成として、光硬化性樹脂組成物を使用して有機膜形成用の有機樹脂層7′を形成し、その後、露光量の相違部位が生じるようにフォトリソグラフィーによるパターニング、多段露光、階調露光等の露光を行い、その後、現像を行う方法を挙げることができる。
また、光硬化性樹脂と非硬化性樹脂とを不均一に混合させた樹脂組成物を使用して有機膜形成用の有機樹脂層7′を形成し、その後、露光、現像を行って凹凸面7aを備えた有機膜7を形成することができる。
また、インクジェット法により光硬化性樹脂の液滴を透明基板2上の所定箇所に供給して有機樹脂層7′を形成し、この有機樹脂層7′の表面に液滴による凹凸形状が残っている状態で露光、現像を行って凹凸面7aを備えた有機膜7を形成することができる。
さらに、凹凸面7aを備えた有機膜7を樹脂基材上に有するラミネートフィルムを透明基板2に貼合してもよい。
[EL表示装置]
以下、本発明のカラーフィルタ基板を使用した本発明のEL表示装置について説明する。
図6は、本発明のEL表示装置の一実施形態を示す概略構成図である。図6において、EL表示装置11は、上述の本発明のカラーフィルタ基板1とエレクトロルミネッセンス素子側基板21とを接合して一体化したものである。
EL表示装置11を構成するカラーフィルタ基板1は、光散乱機能層6上に平坦化層9を備えたものである。
また、EL表示装置11を構成するEL素子側基板21は、基板22と、当該基板22上に薄膜トランジスタ(TFT)23が、画素ごとに配置形成されている。薄膜トランジスタ23は、画素を構成するEL素子31に流れる電流を制御してアクティブ駆動方式によりEL素子31を駆動するものであり、通常、各薄膜トランジスタの回路には、図示していないゲート線、信号線、電源線が接続されている。このような薄膜トランジスタ23の形成手法は、公知の方法に従うことができる。薄膜トランジスタ23上には絶縁層24が設けられており、この絶縁層24上にEL素子31が配設されている。このEL素子31は、発光層33を下面電極層32と上面電極層34で挟持したものであり、下面電極層32は対応する薄膜トランジスタ23に接続され各画素に対応しており、下面電極層32上に位置する発光層33の周囲には絶縁層(隔壁部)25が配設され、下面電極層32と上面電極層34との短絡を防止している。さらに、上面透明電極層34の上には、主として発光層33を保護するためのガスバリア層27が、素子全体を覆うように形成されている。このようなEL素子側基板21を構成する各部材の形成材料は、公知のEL素子側基板に適用されている材料を使用することができる。
上記のEL素子側基板21とカラーフィルタ基板1とを対向配置して位置合わせした後、両者の間隙に接着剤を充填して形成した接着剤層29により、EL素子側基板21とカラーフィルタ基板1とが接合、一体化され、EL表示装置11が構成されている。
上記のEL表示装置の実施形態は例示であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、EL表示装置11はトップエミッションであるが、上記のEL素子側基板21の封止層27と基板22を逆にしたような構成のEL素子側基板を用いて、封止層27側を上記のように接着剤層29によりカラーフィルタ基板1と接合して一体化したボトムエミッションのEL表示装置であってもよい。また、使用するカラーフィルタ基板は上述のカラーフィルタ基板1′,1″,1Aを含めて、本発明のいずれのカラーフィルタ基板であってよい。さらに、EL素子は、有機EL素子、無機EL素子のいずれであってもよい。また、カラーフィルタ基板1とEL素子側基板21との間に空気等の気体層が介在するようなEL表示装置としてもよい。
次に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
<カラーフィルタ基板の作製>
基板として、平面の大きさが100mm×100mmであり、厚さが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。
次に、遮光部を以下のように形成した。
まず、硬化性樹脂組成物Aを調製した。すなわち、重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、撹拌し溶解させた後、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間撹拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、メタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、および、ハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間撹拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。次に、下記の組成で各材料を室温で撹拌、混合して硬化性樹脂組成物Aとした。
(硬化性樹脂組成物A)
・上記の共重合樹脂組成物(固形分50%) … 16重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート … 24重量部
(サートマー社製 SR399)
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 … 4重量部
(油化シェルエポキシ社製 エピコート180S70)
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−
1−オン … 4重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル … 52重量部
次いで、下記の組成で各材料を混合し、ビーズミルにて十分に分散して、黒色顔料分散液Aを調製した。
(黒色顔料分散液A)
・樹脂被覆カーボンブラック … 20重量部
(三菱化学(株)製 MS18E、平均粒子径25nm)
・高分子分散剤 … 5重量部
(ビックケミー・ジャパン(株)製 Diaperbyk 163)
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) … 75重量部
次に、下記の組成で各材料を十分混合して、遮光部用の組成物を調製した。
(遮光部用の組成物)
・黒色顔料分散液A … 43重量部
・硬化性樹脂組成物A … 19重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル … 38重量部
このように調製した遮光層用の組成物を、上記のガラス基板上にスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、遮光性の樹脂層を形成した。この遮光性の樹脂層から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより、2.0kWの超高圧水銀ランプでプロキシミティ露光した後、0.05重量%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、ガラス基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して、遮光部(厚み1.3μm)を形成した。この遮光部は、39μm×39μmの開口部が縦横方向共に45μmピッチでマトリクス状に配列した形状であった。
次いで、下記に示される赤色着色層用、緑色着色層用、青色着色層用、および、白色着色層用の各ネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
(赤色着色層用のネガ型感光性樹脂組成物)
・赤顔料 … 2.0重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B)
・赤顔料 … 1.0重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドBP)
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161) … 1.5重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) … 4.0重量部
・ポリマーI … 5.0重量部
・開始剤 … 1.4重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
・開始剤 … 0.6重量部
(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−
テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール)
・溶剤 … 80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(緑色着色層用のネガ型感光性樹脂組成物)
・緑顔料(大日精化社製 シアニングリーン5370) … 1.2重量部
・緑顔料(大日精化社製 シアニングリーン2GN) … 1.6重量部
・黄顔料 … 1.2重量部
(ランクセス社製 Byplast イエロー 5GN01)
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161) … 2.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) … 4.0重量部
・ポリマーI … 5.0重量部
・開始剤 … 1.4重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
・開始剤 … 0.6重量部
(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−
テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール)
・溶剤 … 80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(青色着色層用のネガ型感光性樹脂組成物)
・紫顔料 … 0.6重量部
(Clariant社製 Novotex Violet BL-PC VP2429)
・青顔料(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F)… 1.4重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース5000) … 0.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161) … 0.8重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) … 4.0重量部
・ポリマーI … 5.0重量部
・開始剤 … 1.4重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
・開始剤 … 0.6重量部
(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−
テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール)
・溶剤 … 80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(白色着色層用のネガ型感光性樹脂組成物)
・紫顔料 … 0.3重量部
(Clariant社製 Novotex Violet BL-PC VP2429)
・青顔料(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F)… 0.3重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース5000 … 0.04重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161) … 0.2重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) … 4.0重量部
・ポリマーI … 5.0重量部
・開始剤 … 1.4重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
・開始剤 … 0.6重量部
(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−
テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール)
・溶剤 … 50.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
尚、上記のポリマーIは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
次いで、遮光部を覆うようにガラス基板上に赤色着色層用のネガ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布しプリベイクを行い、その後、赤色着色層用のフォトマスクを介して、露光、現像を行って、遮光部の所定の開口部を覆うように45μm×45μmのアイランド形状の赤色着色層(厚み2.0μm)を形成した。次いで、上記の赤色着色層の形成と同様の操作により、緑色着色層、青色着色層および白色着色層を形成した。
次に、下記組成の光吸収層用のネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
(光吸収層用のネガ型感光性樹脂組成物)
・黒色顔料分散液A … 20重量部
・硬化性樹脂組成物A … 42重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル … 38重量部
上記のように形成した赤色着色層、緑色着色層、青色着色層および白色着色層からなる着色層を被覆するように、光吸収層用のネガ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、プリベイクを行い、その後、所定のフォトマスクを介して露光し、現像、ポストベイクを行って、白色着色層上にのみ光吸収層(厚み1.0μm)を形成した。(試料1)
尚、この光吸収層の形成操作と同様にして、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)上に直接光吸収層を形成し、この光吸収層の透過率(積分球を用いて測定する全光線透過率)を(株)村上色彩技術研究所製のヘーズメーター(HM−150型)を用いて測定し、結果を下記の表1に示した。
また、上記の光吸収層用のネガ型感光性樹脂組成物におけるカーボンブラックの含有量を調整することにより、下記の表1に示す透過率を有する光吸収層を着色層の白色着色層上にのみ形成した。(試料2〜試料13)
次に、有機膜形成用の光硬化性塗工液として、上記の白色着色層用のネガ型感光性樹脂組成物と同様の組成物を使用し、上記のように形成した光吸収層と露出している着色層(赤色着色層、緑色着色層、青色着色層)を被覆するように、スピンコート法により塗布し、プリベイクを行い、その後、所定のフォトマスクを介して露光し、現像して、白色着色層上の光吸収層にのみ有機膜形成用の有機樹脂層(厚み4.0μm)を形成した。(試料1〜試料5、試料10、試料11)
尚、この光硬化性塗工液の硬化後の屈折率を分光エリプソメーター(ジョバン−イーボン社製 UVISEL)により測定した結果、約1.5であった。
また、有機樹脂層の厚みを下記のように変更した他は、上記の試料1〜試料5、試料10、試料11と同様にして、有機膜形成用の有機樹脂層を形成した。(試料6〜試料9、試料12、試料13)
(有機樹脂層の厚み)
試料6 : 4.6μm
試料7 : 5.0μm
試料8 : 2.0μm
試料9 : 1.7μm
試料12: 1.0μm
試料13: 7.8μm
次に、スパッタリング法のよるマスク成膜によって、上記の試料1〜試料5、試料10、試料11の有機樹脂層上に酸化インジウムスズの薄膜(厚み0.15μm)を成膜して高屈折率膜とした。尚、この高屈折率膜の形成操作と同様にして、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)上に直接高屈折率膜を形成し、この高屈折率膜の屈折率を上記と同様に測定した結果、約2.0であった。また、この高屈折率膜の厚みを触針式膜厚計(KLA−Tencor Japan(株)製 P−15)を用いて測定した結果、0.15μmであり、厚みバラツキが0.1μm以下の均一な薄膜であった。
また、上記の試料6〜試料9、試料12、試料13の有機樹脂層上に下記の厚みの高屈折率膜を、上記の試料1と同様にして形成した。(試料6〜試料9、試料12、試料13)
(高屈折率膜の厚み)
試料6 : 0.2μm
試料7 : 0.3μm
試料8 : 0.08μm
試料9 : 0.02μm
試料12: 0.01μm
試料13: 0.4μm
次いで、150℃のオーブン中に30分間放置して加熱処理を施した。これにより、有機樹脂層に収縮が生じ、高屈折率膜との界面に凹凸面を有する有機膜が形成され、有機膜と高屈折率膜との積層である光散乱機能層(試料1〜試料13)が着色層の白色着色層に位置する光吸収層上に形成された。
この光散乱機能層(試料1〜試料13)の高屈折率膜表面の最大粗さ(Rmax)を触針式膜厚計(KLA−Tencor Japan(株)製 P−15)を用いて測定することにより有機膜の凹凸面の最大粗さ(Rmax)とし、その測定結果は以下の通りであった。尚、有機膜の厚みは、加熱処理後の収縮により、上記の有機樹脂層の厚みより若干薄いものであった。
(光散乱機能層の高屈折率膜表面の最大粗さ(Rmax))
試料1〜試料5、試料10、試料11 : 4.0μm
試料6 : 4.6μm
試料7 : 5.0μm
試料8 : 2.0μm
試料9 : 1.6μm
試料12: 1.0μm
試料13: 5.9μm
この光散乱機能層(試料1〜試料13)の形成操作と同様にして、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)上に直接光散乱機能層を形成し、この光散乱機能層のヘーズ値を(株)村上色彩技術研究所製のヘーズメーター(HM−150型)を用いて測定し、結果を下記の表1に示した。
次いで、上記のように形成した光吸収層と光散乱機能層との積層、および、露出している着色層(赤色着色層、緑色着色層、青色着色層)を被覆するように、下記組成の平坦化層用の塗工液をスピンコート法により塗布し、プリベイクを行い、その後、フォトマスクを介して露光し、現像を行って平坦化層を形成した。
(平坦化層用の塗工液)
・メタクリル酸メチル−スチレン−アクリル酸共重合体 … 32重量部
・エピコート180S70 … 18重量部
(ジャパンエポキシレジン(株)製)
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート … 42重量部
・開始剤 … 8重量部
(チバスペシャリティケミカルズ社製イルガキュア907)
・3−メトキシブチルアセテート … 300重量部
尚、この平坦化層用の塗工液の硬化後の屈折率を上記と同様に測定した結果、約1.5であった。
上記の操作により、カラーフィルタ基板(試料1〜試料13)を作製した。
また、比較として、以下のようにしてカラーフィルタ基板(試料14)を作製した。
まず、微粒子を含有する光散乱層形成用の塗工液を調製した。すなわち、重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、撹拌し溶解させた後、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間撹拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、メタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、および、ハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間撹拌し、硬化性樹脂組成物B(固形分50%)を得た。次に、下記の組成で各材料を混合し、室温で撹拌して、光散乱層形成用の塗工液を得た。
(光散乱層形成用の塗工液)
・硬化性樹脂組成物B(固形分50%) … 16重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート … 24重量部
(サートマー社製 SR399)
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 … 4重量部
(油化シェルエポキシ社製 エピコート180S70)
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−
1−オン … 4重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル … 52重量部
・メラミン系樹脂ビーズ(平均粒子径1.2μm) … 5重量部
・メラミン系樹脂ビーズ(平均粒子径0.9μm) … 5重量部
上記と同様にガラス基板上に遮光部と着色層を形成し、これらの遮光部と着色層を被覆するように、上記の光散乱層形成用の塗工液をスピンコート法により塗布し、プリベイクを行い、その後、所定のフォトマスクを介して露光し、現像、ポストベイクを行って、着色層の白色着色層上にのみ光散乱層(厚み2.0μm)を形成した。その後、上記と同様に平坦化層を形成してカラーフィルタ基板(試料14)を作製した。尚、この光散乱層の形成操作と同様にして、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)上に直接光散乱層を形成し、この光散乱層のヘーズ値を上記と同様に測定し、結果を下記の表1に示した。
また、比較として、光吸収層と光散乱機能層を形成しない他は、上記の試料1と同様にして、カラーフィルタ基板(試料15)を作製した。
さらに、比較として、上記の試料15を構成するガラス基板の表面に円偏光板((株)サンリッツ製 BPCT−HC56−243HCSC)を配設して、カラーフィルタ基板(試料16)を作製した。
<有機EL表示装置の作製>
上記のカラーフィルタ基板と対向配置して有機EL表示装置を作製するためのEL素子側基板として、白色発光光源を備える有機EL素子側基板を以下の要領で作製した。
まず、基板として、大きさが100mm×100mm、厚さが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この基板に対して、定法にしたがって薄膜トランジスタ回路を作製した。
この上に、カラーフィルタ基板の各色の着色層に対応するようにアルミニウムからなる下面電極層を形成し、これらの下面電極層の間隙にポリイミドからなる絶縁層(隔壁部)を形成した。次に、絶縁層(隔壁部)の間隙に白色発光の有機EL素子(正孔注入層、白色発光層、電子注入層の積層構成)を形成し、これらの上に酸化インジウムスズ(ITO)からなる上面透明電極層を形成した。この上面透明電極層の上に、酸化珪素からなるガスバリア層を形成し、有機EL素子側基板を作製した。
このように作製した有機EL素子側基板と、上述の各カラーフィルタ基板(試料1〜試料16)とを、図6に示されるように、接着剤(日東電工(株)製 NT−01UV)を介して貼り合わせ、有機EL表示装置(試料1〜試料16)を作製した。
<評 価>
(透過効率)
上記の各試料のカラーフィルタ基板全体で透過率を測定し、下記の基準で透過効率を評価して、結果を下記の表1に示した。測定では、透過率(積分球を用いて測定する全光線透過率)を(株)村上色彩技術研究所製のヘーズメーター(HM−150型)を用いて測定し、光吸収層と光散乱機能層を有さないカラーフィルタ基板(試料15)の透過率を100として算出した。
(評価基準)
◎ : 透過率が85〜100の範囲であり、透過効率が極めて良好
○ : 透過率が41〜85未満の範囲であり、実用に供し得る
× : 透過率が41未満であり、実用に供し得ない
(外光正反射光の防止性)
上記の各有機EL表示装置のカラーフィルタ基板に対して、入射角45°で光源(キセノンランプ)から光照射を行い、変角光度計((株)村上色彩技術研究所製 GCMS−11)を用いて変角反射分光測定(変角0度)を行い、光吸収層と光散乱機能層を有さないカラーフィルタ基板(試料15)の反射強度を100として算出し、下記の基準で外光正反射光の防止性を評価して、結果を下記の表1に示した。
(評価基準)
◎ : 反射強度が33以下であり、極めて良好
○ : 反射強度が33より大きく70以下の範囲であり、実用に供し得る
× : 反射強度が70より大きく、実用に供し得ない
(明室下での視認性)
上記の各有機EL表示装置を消灯した状態で、標準光源(6500kの蛍光灯)下における黒の閉まり具合を目視にて評価した。本評価は、後方散乱の防止性を判断するものであり、下記基準で評価して、結果を下記の表1に示した。
(評価基準)
○ : 黒く沈んでみえる場合
× : 白くにごって見え、黒く沈んでみえない場合
(色シフトの防止性)
上記の各有機EL表示装置において、上面透明電極層と下面電極層に直流8.5Vの電圧を10mA/cm2の一定電流密度で印加して連続駆動させることにより、上面透明電極層と下面電極層とが交差する所望の部位の白色発光層を発光させた。有機EL表示装置の任意の領域に関して分光放射輝度計((株)トプコン製 SR−2)にて基板正面と45°傾斜させた場合の色ずれ(CIE 色度座標でのΔxy)について評価を行った。Δxyは、全色点灯時の基板正面でのWhite座標(x1,y1)に対し、基板正面に対して45°傾斜させた場合のWhite座標(x2,y2)から、下記式により算出される。
Δxy=[(x1−x2)2+(y1−y2)2]/2
ここでは、透過光の分光特性の測定結果から計算により得られたJISZ8701のXYZ表色系での色座標(x、y)を測定し、下記の基準で色シフトの防止性を評価して、結果を下記の表1に示した。
(評価基準)
○ : Δxyの値が0.025以下である場合
× : Δxyの値が0.025より大きい場合
Figure 0005958245
表1で*印を付した試料は比較例を示す。
[実施例2]
<カラーフィルタ基板の作製>
実施例1と同様にして、ガラス基板(コーニング社製1737ガラス)上に遮光部、着色層を形成した。
次に、実施例1の試料1と同様の光吸収層用のネガ型感光性樹脂組成物を使用し、着色層を被覆するようにスピンコート法により塗布し、プリベイクを行い、その後、所定のフォトマスクを介して露光し、現像、ポストベイクを行って、着色層全体を被覆するように光吸収層(厚み1.0μm)を形成した。
次に、実施例1の試料1と同様の有機膜形成用の光硬化性塗工液を使用し、光吸収層を被覆するようにスピンコート法により塗布し、プリベイクを行い、その後、所定のフォトマスクを介して露光し、現像、ポストベイクを行って、光吸収層全体を被覆するように有機樹脂層(厚み6μm)を形成した。その後、実施例1と同様に、有機樹脂層上に高屈折率膜を形成し、加熱処理を施した。これにより、有機樹脂層に収縮が生じて高屈折率膜との界面に凹凸面が形成され、有機膜と高屈折率膜との積層である光散乱機能層が光吸収層を被覆するように形成された。
この光散乱機能層の高屈折率膜表面の最大粗さ(Rmax)を上記と同様に測定することにより有機膜の凹凸面の最大粗さ(Rmax)とした。この測定の結果は4μmであった。尚、有機膜の厚みは、加熱処理後の収縮により、有機樹脂層の厚み(6μm)より若干薄いものであった。
次いで、実施例1と同様にして、光散乱機能層とを覆うように平坦化層を形成した。
上記の操作により、カラーフィルタ基板を作製した。
<有機EL表示装置の作製>
上記のカラーフィルタ基板を使用して、実施例1と同様に、有機EL表示装置を作製した。
<評 価>
上記の有機EL表示装置について、実施例1と同様に、透過効率、外光正反射光の防止性、明室下での視認性、色シフトの防止性を評価した。その結果、実施例1における試料1と同様の結果であった。
[実施例3]
<カラーフィルタ基板の作製>
実施例1と同様にして、ガラス基板(コーニング社製1737ガラス)上に遮光部、着色層を形成した。
次に、実施例1の試料1と同様の光吸収層用のネガ型感光性樹脂組成物使用し、着色層を被覆するようにスピンコート法により塗布し、プリベイクを行い、その後、所定のフォトマスクを介して露光し、現像、ポストベイクを行って、着色層全体を被覆するように光吸収層(厚み1.0μm)を形成した。
次に、実施例1の試料1と同様の有機膜形成用の光硬化性塗工液を使用し、光吸収層を被覆するようにスピンコート法により塗布し、プリベイクを行い、その後、円形開口部がピッチ9μmで面心形状に配列されたフォトマスクを介して露光し、その後、全面露光を行い、現像、ポストベイクを行って、光吸収層全体を被覆するように有機膜を形成した。この有機膜は凹凸面を有しており、この凹凸面の最大粗さ(Rmax)を上記と同様に測定した結果、2μmであった。また、有機膜の厚みを上記と同様に測定した結果、5μmであった。
次いで、上記の有機膜上に、実施例1と同様にして高屈折率膜を形成し、有機膜と高屈折率膜との積層である光散乱機能層を、着色層を被覆するように形成した。
上記の操作により、カラーフィルタ基板(試料A)を作製した。
また、高屈折率膜を形成しない他は、上記と同様にして、カラーフィルタ基板(試料B)を作製した。
<有機EL表示装置の作製>
上記のカラーフィルタ基板を使用して、実施例1と同様に、有機EL表示装置(試料A、試料B)を作製した。
<評 価>
上記の有機EL表示装置について、実施例1と同様に、透過効率、外光正反射光の防止性、明室下での視認性、色シフトの防止性を評価し、その結果を下記の表2に示した。
Figure 0005958245
表2で*印を付した試料は比較例を示す。
[実施例4]
<カラーフィルタ基板の作製>
実施例1と同様にして、ガラス基板(コーニング社製1737ガラス)上に遮光部、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層を形成し、白色着色層を形成する領域は未形成のままとした。
次に、実施例1の試料1と同様の光吸収層用のネガ型感光性樹脂組成物を使用し、着色層を被覆するようにスピンコート法により塗布し、プリベイクを行い、その後、所定のフォトマスクを介して露光し、現像、ポストベイクを行って、白色着色層を形成する領域にのみ光吸収層(厚み1.0μm)を形成した。
次いで、実施例1の試料1と同様の有機膜形成用の光硬化性塗工液を使用し、着色層を被覆するようにスピンコート法により塗布し、プリベイクを行い、その後、所定のフォトマスクを介して露光し、現像、ポストベイクを行って、白色着色層を形成する領域に位置する光吸収層上にのみ有機樹脂層(厚み4.0μm)を形成した。その後、実施例1の試料1と同様に、有機樹脂層上に高屈折率膜を形成し、実施例1と同様の加熱処理を施した。これにより、有機樹脂層に収縮が生じて高屈折率膜との界面に凹凸面が形成され、有機膜と高屈折率膜との積層である光散乱機能層が形成され、光吸収層と光散乱機能層からなる白色着色層とした(図4参照)。
この白色着色層の高屈折率膜表面の最大粗さ(Rmax)を上記と同様に測定することにより有機膜の凹凸面の最大粗さ(Rmax)とした。この測定の結果は4.0μmであった。尚、有機膜の厚みは、加熱処理後の収縮により、有機樹脂層の厚みより若干薄いものであった。
次いで、実施例1と同様にして、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層、および、光吸収層と光散乱機能層からなる白色着色層を有する着色層を覆うように平坦化層を形成した。
上記の操作により、カラーフィルタ基板を作製した。
<有機EL表示装置の作製>
上記のカラーフィルタ基板を使用して、実施例1と同様に、有機EL表示装置を作製した。
<評 価>
上記の有機EL表示装置について、実施例1と同様に、透過効率、外光正反射光の防止性、明室下での視認性、色シフトの防止性を評価した。その結果、実施例1における試料1と同様の結果であった。
[実施例5]
<カラーフィルタ基板の作製>
有機樹脂層上に形成する高屈折率膜を、酸化インジウムスズの薄膜に代えて窒化珪素の薄膜とした他は、実施例1における試料1と同様にして、カラーフィルタ基板を作製した。尚、この光散乱機能層の形成操作と同様にして、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)上に直接光散乱機能層を形成し、この光散乱機能層のヘーズ値を実施例1と同様に測定した結果、ヘーズ値は40であった。
<有機EL表示装置の作製>
上記のカラーフィルタ基板を使用して、実施例1と同様に、有機EL表示装置を作製した。
<評 価>
上記の有機EL表示装置について、実施例1と同様に、透過効率、外光正反射光の防止性、明室下での視認性、色シフトの防止性を評価した。その結果、実施例1における試料1と同様の結果であった。
種々のフラットディスプレイを含む電子産業で幅広く利用可能である。
1,1′,1″,1A…カラーフィルタ基板
2…透明基板
3…着色層
3R…赤色着色層
3G…緑色着色層
3B…青色着色層
3W…白色着色層
4…遮光層
5…光吸収層
6…光散乱機能層
7…有機膜
7a…凹凸面
8…高屈折率膜
9…平坦化層
11…エレクトロルミネッセンス表示装置
21…エレクトロルミネッセンス素子側基板

Claims (13)

  1. 透明基板と、該透明基板上に着色層を備えるカラーフィルタ基板において、
    前記着色層は、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層および白色着色層を有し、
    少なくとも白色着色層が位置する領域には、透過率が45〜95%の範囲である光吸収層とヘーズ値が10〜70の範囲である光散乱機能層とが、前記透明基板側から光吸収層、光散乱機能層の順となるように存在し、前記光散乱機能層は有機膜と高屈折率膜とが積層されたものであり該有機膜側が前記透明基板側に位置し、前記有機膜は前記高屈折率膜との界面が凹凸面となっており、前記有機膜の屈折率は前記高屈折率膜の屈折率よりも小さいことを特徴とするカラーフィルタ基板。
  2. 透明基板と、該透明基板上に着色層を備えるカラーフィルタ基板において、
    前記着色層は、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層および白色着色層を有し、
    前記白色着色層は光吸収層、光散乱機能層からなり、前記透明基板側から光吸収層、光散乱機能層の順となるように存在し、前記光吸収層は透過率が45〜95%の範囲であり、前記光散乱機能層は有機膜と高屈折率膜とが積層されヘーズ値が10〜70の範囲であり、該有機膜側が前記透明基板側に位置し、前記有機膜は前記高屈折率膜との界面が凹凸面となっており、前記有機膜の屈折率は前記高屈折率膜の屈折率よりも小さいことを特徴とするカラーフィルタ基板。
  3. 前記光吸収層および前記光散乱機能層は、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層が位置する領域にも存在することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ基板。
  4. 前記光吸収層は、樹脂中に色材を含有してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  5. 前記色材は、少なくともカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ基板。
  6. 前記高屈折率膜は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、炭化珪素、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズまたは酸化タンタルに、ガリウム、セリウム、アルミニウム、カーボン、スズおよびボロンのいずれかをドープさせた群から選ばれる1種以上の材料を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  7. 前記有機膜の前記凹凸面の最大粗さ(Rmax)は、10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  8. 前記光散乱機能層の前記高屈折率膜上に平坦化層を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  9. 前記有機膜の厚みは0.1〜10μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  10. 前記高屈折率膜の屈折率と前記有機膜に屈折率との差が0.4以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  11. 透明基板と、該透明基板上に赤色着色層、緑色着色層、青色着色層および白色着色層を有する着色層と、少なくとも白色着色層が位置する領域に存在する光吸収層と光散乱機能層を備えるカラーフィルタ基板の製造方法において、
    有機膜形成用の有機樹脂層を形成した後、該有機樹脂層上に高屈折率膜を成膜し、次いで、加熱処理を施して前記有機樹脂層を収縮させて前記高屈折率膜との界面に凹凸面を生じさせることにより、前記有機膜と前記高屈折率膜との積層であって有機膜側が前記透明基板側に位置する前記光散乱機能層を形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
  12. 透明基板と、該透明基板上に赤色着色層、緑色着色層、青色着色層および白色着色層を有する着色層を備え、前記透明基板側から光吸収層と光散乱機能層とが当該順序となるように存在して前記白色着色層をなすカラーフィルタ基板の製造方法において、
    有機膜形成用の有機樹脂層を形成した後、該有機樹脂層上に高屈折率膜を成膜し、次いで、加熱処理を施して前記有機樹脂層を収縮させて前記高屈折率膜との界面に凹凸面を生じさせることにより、前記有機膜と前記高屈折率膜との積層であって有機膜側が前記透明基板側に位置する前記光散乱機能層を形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
  13. カラーフィルタ基板とエレクトロルミネッセンス素子側基板とを備え、前記カラーフィルタ基板は請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のカラーフィルタ基板であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置。
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