JP2013076960A - カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置、有機el表示装置、並びに固体撮像素子 - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置、有機el表示装置、並びに固体撮像素子 Download PDF

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一真 両角
Takeshi Ando
豪 安藤
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賀彦 藤江
Junichi Ito
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Abstract

【課題】色相や輝度を維持しつつ、高いコントラストが得られるカラーフィルタ用着色組成物を提供する。
【解決手段】(A)プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれるいずれか1種の溶剤に1質量%以上溶解する染料と、(B)ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、を含有するカラーフィルタ用着色組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、染料を着色剤として含むカラーフィルタ用着色組成物、並びにカラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置、有機EL表示装置、並びに固体撮像素子に関する。
液晶表示装置、有機EL表示装置、および固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタを作製する方法の1つとして、顔料分散法が広く利用されている。顔料分散法としては、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感光性組成物を用い、フォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法がある。この方法は、顔料を含有するために光や熱に対して安定であると共に、フォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が充分に確保され、液晶表示装置、有機EL表示装置、および固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタのなどの作製に好適な方法とされている。
カラーフィルタの作製に用いられる着色剤としては、顔料だけでなく、染料などの顔料以外の色素化合物も広く検討されている。そのうち、染料としては、ピロメテン系染料、ピリミジンアゾ系染料、ピラゾールアゾ系染料、キサンテン系染料など、多種多様な色素母体を持つ化合物が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
着色剤として染料を使用すると、染料自体の色純度やその色相の鮮やかさにより、画像表示させたときの表示画像の色相や輝度を高めることができる点で有用とされている。
また、染料として特定のアントラキノン化合物を用いると、コントラスト等に優れたカラーフィルタが得られることが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
カラーフィルタ用の着色感光性組成物にヒンダードアミン化合物を添加することにより密着性を改良すること(例えば、特許文献5参照。)や、染料を着色剤とするカラーフィルタにフェノール系化合物を含有させて耐熱性、耐光性を向上させること(例えば、特許文献6参照。)が知られている。
特開2008−292970号公報 特開2007−039478号公報 特許第3387541号 特開2001−108815号公報 特開2005−338400号公報 特開昭62−112103号公報
しかしながら、これらに用いられているヒンダードアミン化合物、およびフェノール系化合物は、いずれもラジカル捕捉剤、または酸化防止剤としての効果を示すものであり、着色組成物を用いたカラーフィルタの画質向上の効果は明確ではなかった。
本発明は、上記従来の技術に鑑みなされたものである。すなわち、本発明は、色相や輝度を維持しつつ、高いコントラストが得られるカラーフィルタ用着色組成物を提供し、色相が良好で、輝度が高く、しかもコントラストの高いカラーフィルタ及びその製造方法を提供し、高画質の液晶表示装置、有機EL表示装置、および固体撮像素子を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (A)プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれるいずれか1種の溶剤に1質量%以上溶解する染料と、(B)ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、を含有するカラーフィルタ用着色組成物。
<2> 前記(B)ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物の前記着色組成物中の全固形分に対する総含有量が、0.02〜8.00質量%の範囲である<1>に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
<3> 前記(A)染料が、下記一般式(I)で表される構造が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン金属錯体化合物、および下記一般式(II)〜一般式(X)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である<1>または<2>に記載のカラーフィルタ着色組成物。
一般式(I)において、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
一般式(II)において、Aは、5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾリジンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシド、及び3−ジシアノメチン−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシドからなる群より選ばれる化合物由来の酸性核を表す。L、L、及びLはメチンを表す。R33及びR34は、各々独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、又は水素原子を表し、R35は、水素原子、メトキシ基、塩素原子、メチル基、又はニトロ基を表す。n1は、0又は1を表す。但し、分子中にカルボキシル基、スルホンアミド基、及びスルファモイル基から選ばれる少なくとも1つを有する。
一般式(III)において、R41は、ヘテロ環基を表し、R42は、水素原子又は置換
基を表す。R43、R44、R45、R46、R47、及びR48は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。R43とR44、R45とR46、およびR47とR48は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。
一般式(IV)において、R21、R22、R23、R24、R25、及びR26は、各々独立に、水素原子又は一価の置換基を表し、R22とR23とは互いに結合して5〜7員の複素環を形成していてもよい。Aは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又は複素環基を表す。n2は、0、1、2、又は3を表し、n2が2以上のとき、複数存在するR25及びR26はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(V)において、R61、R62、R63、及びR64は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は−SONH−R66を表し、R65は水素原子、アルキル基、アリール基、−SOH、又は−SONH−R66を表す。R66は、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアルキルカルボニルオキシ基を表す。n3は、0又は1以上の整数を表すが、n3が0のときには、R61〜R65の少なくとも1つは置換基として−SONH−R66を有するアリール基を表す。
一般式(VI)において、R71は、炭素数2〜20のアルキル基、アルキル鎖の炭素数が2〜12のシクロヘキシルアルキル基、アルキル鎖の炭素数が1〜4のアルキルシクロヘキシル基、炭素数2〜12のアルコキシル基で置換された炭素数2〜12のアルキル基、L71−CO−O−L72−で表されるアルキルカルボキシルアルキル基、L73−O−CO−L74−で表されるアルキルオキシカルボニルアルキル基、炭素数1〜20のアルキル基で置換されたフェニル基、又はフェニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基を表す。L71は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L72は、炭素数2〜12のアルキレン基を表し、L73は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L74は、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。R72、R73、R74、及びR75は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシル基、又はハロゲン原子を表す。
一般式(VII)において、Z及びZは、各々独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。R81、R82、R83、及びR84は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基が置換した炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換した炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜8のチオアルコキシ基が置換した炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基を表す。R85、R86、R87、R88、R89、R51、R52、及びR53は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、又はN−置換スルファモイル基を表し、R85〜R89、及びR51〜R53の少なくとも1つはN−置換スルファモイル基を表す。
一般式(VIII)において、R91、R92、及びR93は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はスルホン酸基を表し、Aは、下記(a)〜(d)で表されるいずれかの基を表す。n4は、1又は2の整数を表す。R94、R95、及びR96は、各々独立に、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、又は−SON(R97)(R98)を表し、R97及びR98は各々独立に水素原子、アルキル基、又はフェニル基を表す。R91〜R96の少なくとも1つはスルホン酸基を表す。下記(a)〜(d)中、*は結合位置を表す。
一般式(IX)において、R97及びR98は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表すが、R97とR98とが同時に水素原子を表すことはない。n5は、1〜4の整数を表し、n5が2〜4の整数である場合、複数のNR9798は同一でも異なっていてもよい。
一般式(X)中、B、及びBは、各々独立に、アリール基又はヘテロ環基を表す。
<4> 前記(A)染料が、前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン金属錯体化合物、並びに前記一般式(V)、一般式(IX)、および一般式(X)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である<1>〜<3>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
<5> 前記(B)ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物が、下記一般式(i)、一般式(ii)、または一般式(iii)で表されるいずれか1種の化合物である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の
カラーフィルタ用着色組成物。
一般式(i)中、Rは第二級又は第三級アルキル基を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又はアルコキシカルボニルアルキル基を表す。
一般式(ii)中、Rは第二級又は第三級アルキル基を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表し、R10は、エステル、エーテル、もしくはアミド結合を有していてもよい炭化水素基、又は硫黄原子を表し、pは2〜4の整数を表す。
<6> <1>〜<5>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて作製したカラーフィルタ。
<7> <1>〜<5>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を支持体上に付与して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層に対してパターン様の露光をして潜像を形成する露光工程と、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する現像工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
<8> <6>に記載のカラーフィルタを具備する液晶表示装置。
<9> <6>に記載のカラーフィルタを具備する有機EL表示装置。
<10> <6>に記載のカラーフィルタを具備する固体撮像素子。
本発明によれば、色相や輝度を維持しつつ、高いコントラストが得られるカラーフィルタ用着色組成物を提供することができ、色相が良好で、輝度が高く、しかもコントラストの高いカラーフィルタ及びその製造方法を提供することができ、高画質の液晶表示装置、有機EL表示装置、および固体撮像素子を提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物について詳細に説明すると共に、これを用いた本発明のカラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置、有機EL表示装置、固体撮像素子について詳細に説明する。
<カラーフィルタ用着色組成物>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物(以下、適宜「着色組成物」と称する。)は、(A)プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれるいずれか1種の溶剤に1質量%以上溶解する染料(以下、適宜「特定染料」と称する。)と、(B)ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物(以下、適宜「特定化合物」と称する。)と、を含有することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、好ましくは、更に重合性化合物、光重合開始剤を用いて感光性に構成される。また、必要に応じて、更に、アルカリ可溶性樹脂等のバインダー、有機溶剤など、並びに各種添加剤を用いて構成することができる。
以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。なお、以下において、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を単に「本発明の着色組成物」又は「着色組成物」と称することがある。
なお、本明細書中において、「〜」は、その下限の値以上その上限の値以下の範囲を表す。また、アルキル基とは、特に断りのない限り、置換基を有するアルキル基および置換基を有しないアルキル基であり、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基の総称である。
<(A)プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれるいずれか1種の溶剤に1質量%以上溶解する染料=特定染料>
本発明の着色組成物は特定染料を含有する。本発明の着色組成物は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれるいずれか1種の溶剤に1質量%以上20℃で溶解する染料であれば、どのような構造の染料でもよく、2種以上を併用してもよい。
特定染料は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれるいずれか1種の溶剤に20℃で好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上溶解することである。
特定染料として好ましくは以下に詳述する構造を有し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれるいずれか1種の溶剤に1質量%以上20℃で溶解する染料である。
以下に特定染料の好ましい構造について詳述する。
本発明の特定染料としては、下記一般式(I)で表される構造が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン金属錯体化合物、または下記一般式(II)〜一般式(X)のいずれかで表される化合物が好ましく、特に下記一般式(I)で表される構造が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン金属錯体化合物、並びに前記一般式(V)、一般式(IX)、および一般式(X)のいずれかで表される化合物が、色相の観点からより好ましい。
本発明の着色組成物に含まれる染料は、特定染料を2種以上含んでもよく、この場合特定染料の構造が同一の一般式で表わされる化合物由来の色素構造を2種以上含んでもよく、異なる一般式で表わされる化合物を2種以上含んでもよい。
〔一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン金属錯体化合物〕
本発明の着色組成物に含まれる特定染料としては、下記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン金属錯体化合物であることが好ましい。
一般式(I)中、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
1価の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ヘキシルジメチルシリル基)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、また、シクロアルキルオキシ基であれば、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、また、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基であれば、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、
カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアシル基で、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テトラデカノイル基、シクロヘキサノイル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−オクチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−メチルN−フェニルカルバモイル基、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、テトラデシルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ基)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基で、例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N−フェニルウレイド基)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ基)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ヘキサデカンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ基)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ基、3−ピラゾリルアゾ基)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−フェニルテトラゾリルチオ基)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ヘキサデシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基)を表す。
上述した1価の基が更に置換可能な基である場合には、上述した各基のいずれかによって更に置換されていてもよい。なお、2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I)において、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々独立に、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。なお、形成される環としては、飽和環、又は不飽和環がある。この5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環が挙げられる。
なお、形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基のいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
また、一般式(I)において、Rがハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基である場合、これらの好ましい範囲は、前述のR〜Rとしてのハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基の好ましい範囲と同様である。
一般式(I)において、前記R及びRとしては、上記の中でも、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基が好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基がより好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基が特に好ましい。
一般式(I)において、前記R及びRとしては、上記の中でも、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が更に好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基が特に好ましい。
一般式(I)において、前記R及びRとしては、上記の中でも、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基が好ましく、更に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基である。
一般式(I)において、R及びRがアルキル基を表す場合の、該アルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、ベンジル基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜12の分岐鎖、又は環状の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、イソプロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、更に好ましくは、炭素数1〜12の2級又は3級の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、イソプロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
一般式(I)において、R及びRがアリール基を表す場合の、該アリール基としては、好ましくは、置換又は無置換のフェニル基、置換又は無置換のナフチル基が挙げられ、より好ましくは置換又は無置換のフェニル基である。
及びRがヘテロ環基を表す場合の、該ヘテロ環基としては、好ましくは、置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の3−ピリジル基、置換又は無置換の2−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の2−ベンゾチアゾリル基、置換又は無置換の1−イミダゾリル基、置換又は無置換の1−ピラゾリル基、置換又は無置換のベンゾトリアゾール−1−イル基が挙げられ、より好ましくは置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の1−ピリジル基が挙げられる。
次に、ジピロメテン系金属錯体化合物を形成する金属原子又は金属化合物について説明する。
金属又は金属化合物としては、錯体を形成可能な金属原子又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe、B等の他に、AlCl、InCl、FeCl、TiCl、SnCl、SiCl、GeClなどの金属塩化物、TiO、VO等の金属酸化物、Si(OH)等の金属水酸化物も含まれる。
これらの中でも、錯体の安定性、分光特性、耐熱、耐光性、及び製造適性等の観点から、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、B、又はVOが好ましく、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、B、又はVOが更に好ましく、Fe、Zn、Cu、Co、B、又はVO(V=O)が最も好ましい。これらの中でも、特にZnが好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物において、好ましい態様を以下に示す。すなわち、一般式(I)において、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アニリノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、Rが、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、B、又はVOで表される態様が挙げられる。
ジピロメテン系金属錯体化合物のより好ましい態様を以下に示す。すなわち、前記一般式(I)において、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R及びRが、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、Rが、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、B又はVOで表される態様が挙げられる。
前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物の好ましい態様は、下記一般式(I−1)、(I−2)および(I−3)で表される錯体化合物である。
前記一般式(I−1)において、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表し、Xは、Maに結合可能な基を表し、Xは、Maの電荷を中和するために必要な基を表す。なお、XとXとは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。
一般式(I−1)中のR〜Rは、一般式(I)中のR〜Rと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−1)中のMaは、金属原子又は金属化合物を表し、前記「一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体」における金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(I−1)中のRは、一般式(I)中のRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−1)におけるXは、Maに結合可能な基であればいずれであってもよく、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール)等、更に「金属キレート」[1]坂口武一・上野景平著(1995年 南江堂)、同[2](1996年)、同[3](1997年)等、に記載の化合物に由来する基が挙げられる。中でも、製造の点で、水、カルボン酸化合物、アルコール類、アミン化合物、アミド化合物が好ましく、水、カルボン酸化合物、アミド化合物がより好ましい。
一般式(I−1)に置けるXは、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、水酸基、脂肪族イミド(例えば、コハク酸イミド、マレイミド、グルタルイミド、ジアセトアミドなどが挙げられ、好ましくはコハク酸イミド、マレイミドが挙げられる)由来の一価の基、芳香族イミド基又は複素環イミド(例えば、フタルイミド、ナフタルイミド、4−ブロモフタルイミド、4−メチルフタルイミド、4−ニトロフタルイミド、ナフタレンカルボキシイミド、テトラブロモフタルイミドなどが挙げられ、好ましくはフタルイミド、4−ブロモフタルイミド、4−メチルフタルイミドが挙げられる)由来の一価の基、芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸、2−メトキシ安息香酸、3−メトキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸、4−クロロ安息香酸、2−ナフトエ酸、サリチル酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、4−ヘプチルオキシ安息香酸、4−t−ブチル安息香酸などが挙げられ、好ましくは安息香酸、4−メトキシ安息香酸、サリチル酸などが挙げられる)由来の一価の基、脂肪族カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、エタン酸、プロパン酸、乳酸、ピバリン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、2−ヘキサデシルオクタデカン酸、2−ヘキシルデカン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸などが挙げられ、好ましくは酢酸、メタクリル酸、乳酸、ピバリン酸、2−エチルヘキサン酸、ステアリル酸などが挙げられる)由来の一価の基、ジチオカルバミン酸(例えば、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸が挙げられる。)由来の一価の基、スルホンアミド(例えば、ベンゼンスルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、4−メトキシベンゼンスルホンアミド、4−メチルベンゼンスルホンアミド、2−メチルベンゼンスルホンアミド、メタンスルホンアミドが挙げられ、好ましくはベンゼンスルホンアミド、メタンスルホンアミドが挙げられる。)由来の一価の基、ヒドロキサム酸(例えば、アセトヒドロキサム酸、オクタノヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸が挙げられる)由来の一価の基、含窒素環化合物(ヒダントイン、1−ベンジル−5−エトキシヒダントイン、1−アリルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン、5,5−ジメチル−2,4−オキサゾリジンジオン、バルビツール酸、イミダゾール、ピラゾール、4,5−ジシアノイミダゾール、4,5−ジメチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸ジエチルなどが挙げられ、好ましくは1−ベンジル−5−エトキシヒダントイン、5,5−ジメチル−2,4−オキサゾリジンジオン、4,5−ジシアノイミダゾール、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸ジエチルが挙げられる)由来の一価の基を表す。
中でも、製造の点で、ハロゲン原子、脂肪族カルボン酸基、芳香族カルボン酸基、脂肪族イミド基、芳香族イミド基、スルホン酸基、含窒素環化合物が好ましく、水酸基、脂肪族カルボン酸基、芳香族イミド基、含窒素環化合物がより好ましい。
一般式(I−1)におけるXとXとは互いに結合してMaと共に5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、飽和環であっても不飽和環であってもよい。また、5員、6員、及び7員の環は、炭素原子及び水素原子のみで構成されていてもよい、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる原子を少なくとも1個有するヘテロ環であってもよい。
前記一般式(I−2)において、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、及びR13は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。
一般式(I−2)中のR〜Rは、一般式(I)中のR〜Rと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−2)中のR〜R13で表される置換基は、一般式(I)で表される化合物のR〜Rで表される置換基と同義であり、その好ましい態様も同様である。一般式(I−2)で表される化合物のR〜R13で表される置換基が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基のいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−2)中のRは、一般式(I)中のRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−2)中のR14は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R14の好ましい範囲は、前記Rの好ましい範囲と同様である。R14が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基のいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−2)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、前記「一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体」における金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(I−2)中のRとR、RとR10、R11とR12、R12とR13は、各々独立に、互いに結合して5員、6員、又は7員の飽和環、或いは不飽和環を形成していてもよい。形成される飽和環、又は不飽和環としては、RとR、RとR、RとR、及びRとRで形成される飽和環、又は不飽和環と同義であり、好ましい例も同様である。
前記一般式(I−3)において、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。X及びXは、各々独立にNRa(Raは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表す。Y及びYは、各々独立に、NRb(Rbは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、硫黄原子、又は炭素原子を表す。Xは、Maと結合可能な基を表し、aは0、1、又は2を表す。RとYとは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、RとYとは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。
一般式(I−3)中のR〜R、及びRは、一般式(I)中のR〜R、及びRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−3)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体における金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(I−3)中、R及びRは、各々独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは1〜18のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルキルアミノ基で、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、t−ブチルアミノ基、t−オクチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基)、アリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリールアミノ基で、例えば、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−エチル−N−フェニルアミノ基)、又はヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環アミノ基で、例えば、2−アミノピロール基、3−アミノピラゾール基、2−アミノピリジン基、3−アミノピリジン基)を表す。
一般式(I−3)中、R及びR表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基のいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−3)中、X及びXは、各々独立に、NRa、酸素原子、又は硫黄原子を表す。Raは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは2〜18のアシル基で、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−エチルヘキシル基、ベンゾイル基、シクロヘキサノイル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜18のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは6〜18のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基)を表す。また、Raが置換可能な場合ははさらに置換基で置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
及びXとして好ましくは、各々独立に、酸素原子、又は硫黄原子であり、X及びXとして特に好ましくは、ともに酸素原子である。
一般式(I−3)中、Y及びYは、各々独立にNRb、硫黄原子、又は炭素原子を表し、Rbは、前記XにおけるRaと同義である。
及びYとして好ましくは、各々独立に、NRb(Rbは水素原子、又は炭素数1〜8のアルキル基)であり、Y及びYとして特に好ましくは、ともにNHである。
一般式(I−3)中、RとYとが互いに結合して、R、Y、及び炭素原子と共に5員環(例えば、シクロペンタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン)、6員環(例えば、シクロヘキサン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ペンタメチレンスルフィド、ジチアン、ベンゼン、ピリダジン、キノリン、キナゾリン)、又は7員環(例えば、シクロヘプタン、ヘキサメチレンイミン)を形成してもよい。
一般式(I−3)中、RとYとが互いに結合して、R、Y、及び炭素原子と共に5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、前記のRとY及び炭素原子で形成される環中の1個の結合が二重結合に変化した環が挙げられる。
一般式(I−3)中、RとY、及びRとYが結合して形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な環である場合には、前記置換基のいずれかで説明した基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−3)中、XはMaと結合可能な基を表し、前記一般式(I−1)におけるXと同様な基が挙げられる。aは0、1、又は2を表す。
一般式(I−3)で表される化合物の好ましい態様を以下に示す。即ち、R〜R、R、及びMaは、それぞれ、一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体の好ましい態様であり、X及びXは、各々独立にNRa(Raは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基)、又は酸素原子であり、Y及びYは、各々独立にNRb(Rbは水素原子、又はアルキル基)、窒素原子、又は炭素原子であり、Xは酸素原子、又は窒素原子を介して結合する基であり、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、RとYとが互いに結合して5員又は6員環を形成し、RとYとが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
一般式(I−3)で表される化合物のより好ましい態様を以下に示す。即ち、R〜R、R、Maはそれぞれ、一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体の好ましい態様であり、X及びXは、酸素原子であり、YはNHであり、Yは窒素原子であり、Xは酸素原子、又は窒素原子を介して結合する基であり、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、RとYとが互いに結合して5員又は6員環を形成し、RとYとが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物の好ましい態様である、前記一般式(I−1)、(I−2)および(I−3)で表される錯体化合物のうち、前記一般式(I−3)で表される錯体化合物が、特に好ましい様態である。
以下、本発明に用いる前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物の具体例を示す。但し、本発明は、これらに限定されるものではない。
これら一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物の例示化合物のうち、例示化合物(40)〜(44)は一般式(I−1)の例示化合物でもあり、例示化合物(45)は一般式(I−2)の例示化合物でもあり、例示化合物(1)〜(39)は一般式(I−3)の例示化合物でもある。
また、上記例示化合物以外にも、特開2008−292970記載の例示化合物(Ia−3)〜(Ia−83)、(Ia−1)〜(IIa−20)、(I−1)〜(I−36)(II−1)〜(II−11)、及び(III−1)〜(III−103)、特許第3324279号記載の例示化合物(I−1)〜(I−35)、特許第3279035号記載の例示化合物(I−1)〜(I−13)、特開平11−256057記載の例示化合物(2−1)〜(2−32)、(3−1)〜(3−32)、(4−1)〜(4−26)、及び(5−1)〜(5−26)、特開2005−77953記載の例示化合物(I−1)〜(I−6)、及び(VII−1)〜(VII−8)、特開平11−352686記載の例示化合物(1−1)〜(1−45)、特開2000−19729記載の例示化合物(1−1)〜(1−50)、及び特開平11−352685記載の例示化合物(1−1)〜(1−45)なども一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物の例として挙げられる。
〔一般式(II)で表される化合物〕
本発明の着色組成物に含まれる特定染料としては、下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
一般式(II)において、Aは、5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾリジンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシド、及び3−ジシアノメチン−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシドからなる群より選ばれる化合物由来の酸性核を表す。L、L、及びLはメチンを表す。R33及びR34は、各々独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、又は水素原子を表し、R35は、水素原子、メトキシ基、塩素原子、メチル基、又はニトロ基を表す。n1は、0又は1を表す。但し、分子中にカルボキシル基、スルホンアミド基、及びスルファモイル基から選ばれる少なくとも1つを有する。
は、好ましくは5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、オキサゾリジンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロキシピリドン、又はピラゾロピリドンに由来の酸性核から選ばれる。
また、R33、R34は、水素原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、シアノエチル、メトキシエチル、ベンジル、カルボキシベンジルなど)、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、p−ジメチルアミノフェニル、p−ジエチルアミノ−o−メチルフェニル、2,4,6−トリメチル−p−カルボキシフェニル、p−エトキシカルボニルフェニル、p−メタンスルホニルアミノフェニルなど)などが好ましい。
n1は、0又は1を表す。
但し、分子中にカルボキシル基、スルホンアミド基、及びスルファモイル基から選ばれる少なくとも1つを有する。また、これらの基は分子中のアリール基に結合しているのが好ましい。より好ましくはカルボキシル基である。
前記一般式(II)のうち、下記一般式(IIa)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(IIa)中、R33〜R35、及びL〜Lは、一般式(II)における場合と同義であり、好ましい態様も同様である。一般式(IIa)中のnは、一般式(II)におけるn1と同義であり、好ましい態様も同様である。
31は、炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、2−クロロエチル、メトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、トリフルオロメチルなど)、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、トリル、メトキシフェニル、クロロフェニル、ナフチル、カルボキシフェニルなど)、炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、メトキシエトキシなど)、炭素数2〜5の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−メトキシエトキシカルボニル、ブトキシカルボニルなど)、炭素数7〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル、メトキシフェノキシカルボニル、クロロフェノキシカルボニル、メチルフェノキシカルボニルなど)、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、メトキシフェノキシなど)、炭素数2〜5のアシル基(例えばアシル、プロピオニル、ブタノイルなど)、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数2〜10のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなど)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイドなど)、アミノ基(例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、メトキシフェニルアミノなど)等が好ましい。
32は、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、p−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、o−カルボキシフェニル、クロロフェニル、メトキシフェニル、メチルフェニル、など)、炭素数7〜12の置換もしくは無置換のアラルキル基(例えばベンジル、2−カルボキシベンジルなど)等が好ましい。
以下、前記一般式(II)で表される化合物の具体例を列挙する。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
〔一般式(III)で表される化合物〕
本発明の着色組成物に含まれる特定染料としては、下記一般式(III)で表される化合
物が好ましい。
一般式(III)において、R41は、ヘテロ環基を表し、R42は、水素原子又は置換
基を表す。R43、R44、R45、R46、R47、及びR48は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。R43とR44、R45とR46、およびR47とR48は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。
41は、好ましくは炭素数1〜36のヘテロ環基であり、更に好ましくは炭素数2〜24のへテロ環基である。例えば、ピロリル基、フリル基、チオフェニル基、ベンゾピロリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ピラゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、フェナンスリジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、プリニル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基が好ましく、中でも、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基が更に好ましい。また、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す場合が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す場合が更に好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基である場合が最も好ましい。
一般式(III)においてより好ましくは、R41は3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル
基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基、R42は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アリール基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
更に好ましくは、R41は3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基、R42は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シアノ基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
最も好ましくは、一般式(III)において、R41は3−ピラゾリル基、4−ピラゾリ
ル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基、R42は水素原子、アルキル基、シアノ基、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
前記一般式(III)で表されるピリミジンアゾ化合物の詳細については、特開2007
−39478号公報の記載を参照することができる。また、前記一般式(III)で表され
るピリミジンアゾ化合物の具体例については、特開2007−39478号公報の段落[0028]〜[0048]に記載の例示化合物(1)〜(74)と同様の化合物を挙げることができる。
〔一般式(IV)で表される化合物〕
本発明の着色組成物に含まれる特定染料としては、下記一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
一般式(IV)において、R21、R22、R23、R24、R25、及びR26は、各々独立に、水素原子又は一価の置換基を表し、R22とR23とは互いに結合して5〜7員の複素環を形成していてもよい。Aは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又は複素環基を表す。n2は、0、1、2、又は3を表し、n2が2以上のとき、複数存在するR25及びR26はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
21、R22、R23、R24、R25、及びR26で表される「一価の置換基」は、置換可能な基であればよく、例えば、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジ脂肪族オキシフォスフィニル基、ジアリールオキシフォスフィニル基等を挙げることができる。これらの置換基は、他の一価の置換基で更に置換されていてもよい。
上記のうち、R21、R22、R23、R24、R25、及びR26としては、本発明の効果の点から、水素原子、アルキル基、アリール基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基を表す場合が好ましく、水素原子、脂肪族基、アリール基、脂肪族オキシ基を表す場合がより好ましい。また、Ra2とRa3とは互いに結合して5員ないし7員の環構造を形成していてもよい。
さらに好ましくは、R21としては、炭素数1〜12のアルキル基が好適であり、例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基は特に好ましい。R22としては、脂肪族基、アリール基が好ましく、R23としては、水素原子、脂肪族基が好ましく、水素原子がより好ましく、R22とR23とが互いに結合して環構造を形成している場合が特に好ましい。環構造を形成している場合の環構造は、5員ないし7員の環が好ましく、中でも5員環がより好ましい。
また、R24、R25、R26としては、水素原子、アルキル基が好ましく、特に好ましくは、水素原子である。
n2は、堅牢性の観点から、好ましくは0、1又は2であり、より好ましくは0又は1であり、最も好ましくは0である。
一般式(IV)における置換基等の説明において「脂肪族」とはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基の総称である。
前記一般式(IV)中のAが置換基を有する場合、その置換基としては、既述のR21〜R26で表される「一価の置換基」の項で列挙した置換基と同様の基を挙げることができる。好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基等である。
で表される無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基としては、それぞれ例えば、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数2〜20のアルキニル基などが好適に挙げられる。中でも、総炭素数1〜15のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。
で表される置換基を有するアルキル基、アルケニル基、アルキニル基としては、例えば、総炭素数2〜20の置換アルキル基、総炭素数3〜20の置換アルケニル基、総炭素数7〜20の置換アラルキル基などが好適に挙げられる。中でも、総炭素数2〜15の置換アルキル基が好ましく、総炭素数2〜10の置換アルキル基が特に好ましい。
で表されるアリール基は、縮環していてもよく、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ジメチルアミノ基等が挙げられる。中でも、総炭素数6〜30のアリール基が好ましく、総炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、総炭素数6〜15のアリール基が更に好ましく、6〜12のアリール基が特に好適である。
で表される複素環基は、縮環していてもよく、5〜7員環の総炭素数2〜30の置換もしくは無置換の複素環基が好ましい。その中でも、前記複素環基としては、シアニン色素、オキソノール色素の技術分野で酸性核と呼ばれている複素環が好ましい。酸性核については、James編、The Theory of the Photographic Process(第4版、マクミラン社、1977年、第198頁)に記載されている。具体的には、各々置換されてもいてもよいピラゾ
ール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2−又は4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソローダニン、ローダニン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ〔3,2−a〕ピリミジン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(例えばメルドラム酸など)、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリン−2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ〔1,5−b〕キナゾロン、ピラゾロピリドン、5員又は6員の炭素環(例えば、ヘキサン−1,3−ジオン、ペンタン−1,3−ジオン、インダン−1,3−ジオン)などの核が挙げられ、好ましくは、ピラゾール−5−オン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオンである。更に、銀塩写真の技術分野で、カラーカプラーといわれる化合物の残基が好ましい。例えば、ピラゾロン類、1H−イミダゾ〔1,2−b〕ピラゾール類、1H−ピラゾロ〔5,1−C〕〔1,2,4〕トリアゾール類、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類等が挙げられる。中でも、Aとしては、5員ないし7員の総炭素数2〜20の複素環基がより好ましい。
上記の中でも、Aは下記(A−1)〜(A−14)で表される基であるのが好ましい。
前記(A−1)〜(A−14)中、R〜R49は、水素原子又は置換基を表す。ここでの置換基は、既述の「一価の置換基」の項で挙げた基であって、置換可能な基であればよく、好ましい置換基は、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基である。
前記(A−1)〜(A−14)におけるR〜R14、R15〜R17、R42〜R47における隣接する2つの基、及びR19とR20、R21とR22、R23とR24、R29とR30、R31とR32、及びR35とR36は、可能な限り互いに結合して5員環〜7員環の炭化水素環、複素環を形成してもよい。
また、(A−9)中のQ、(A−11)中のQ、及び(A−14)中のQは、各々独立に、5員環〜7員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。
の具体例としては、特開2008−179067号公報の段落番号[0028]〜[0032]に記載の具体例A1−1〜A14−25を挙げることができる。
上記のうち、本発明の効果の点から、Aが(A−10)、(A−11)、(A−14)を表す場合が好ましく、(A−11)を表す場合が特に好ましい。
前記一般式(IV)において、R21が結合するピラゾリン環を基本構造とする基の具体例(B10−1〜B10−8、B11−1〜B11−19)を以下に示す。但し、本発明は、下記具体例に限定されるものではない。下記において、*は、前記一般式(IV)中の炭素原子との結合手を示す。
前記一般式(IV)において、R21が炭素数1〜4のアルキル基であって、R22とR23とが互いに結合して5〜7員環を形成し、R24が水素原子であって、R25が水素原子であって、R26が水素原子であって、Aが(A−10)、(A−11)、又は(A−14)であって、nが0又は1である場合が更に好ましく、Aが(A−11)であってn2が0である場合が特に好ましい。
前記一般式(IV)で表される色素の骨格は、メチン基を中心にした対称骨格構造もしくは非対称骨格構造のいずれであってもよいが、Aで表されるアゾール環がR21の結合するアゾール環と同一アゾール骨格構造であることが堅牢性の点で好ましい。
前記一般式(IV)で表される化合物のうち、下記一般式(IVa)で表される化合物が好ましい。
一般式(IVa)中のR21、R24、R25、R26、A、及びn2は、既述の一般式(IV)におけるR21、R24、R25、R26、A、及びn2と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(IVa)において、R27は、水素原子又は一価の置換基を表し、n2が2以上のときには、複数存在するR25及びR26は、各々同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(IVa)中、R27は、水素原子又は一価の置換基を表す。R27で表される一価の置換基は、置換可能な基であればよく、既述のR21〜R23及びR24〜R26で表される「一価の置換基」の項で列挙した置換基と同様の基を挙げることができる。この置換基は、無置換でも、さらに既述の一般式(IV)におけるR21〜R23等で表される「一価の置換基」の項に列挙した置換基で置換されていてもよい。好ましくは、脂肪族基、アリール基、又はヘテロ環基であり、より好ましくは、アルキル基又はアリール基である。
前記R27で表される脂肪族基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、アルキル基、アルケニル基などが含まれる。無置換又は置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜25のアルキル基が好ましく、例えば、プロピル基、2−メチル−2−アセチルアミノエチル基、2−プロパノイルアミノプロピル基等が挙げられる。中でも、炭素数2〜25のアルキル基が好ましく、炭素数2〜20のアルキル基が特に好ましい。
前記R27で表されるアリール基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜20のアリール基であり、例えば、4−ブタノイルアミノフェニル基、4−ブタンスルホンアミドフェニル基、4−ニトロフェニル基等が好適に挙げられる。
前記R27で表されるヘテロ環基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、例えば、5−ピリミジル基等が挙げられる。
前記一般式(IVa)で表される化合物の中でも、特に、R21が炭素数1〜8のアルキル基であって、R27がアルキル基又はアリール基であって、R24が水素原子であって、R25が水素原子であって、R26が水素原子であって、n2が0又は1である態様が好ましく、R21が炭素数1〜4のアルキル基であって、R27が炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であって、R24、R25、及びR26が水素原子であって、n2が0又は1である態様が更に好ましい。更には、堅牢性の向上効果の点で、一般式(IV)で表される色素において、Aで表されるアゾール環がR21の結合するアゾール環と同一アゾール骨格構造であることが特に好ましい。
前記一般式(IV)で表される化合物の詳細については、特開2008−179067号公報の記載を参照することができる。また、前記一般式(IV)で表される化合物の具体例については、特開2008−179067号公報の段落[0054]〜[0059]に記載の例示化合物と同様の化合物を挙げることができる。
〔一般式(V)で表される化合物〕
本発明の着色組成物に含まれる特定染料としては、下記一般式(V)で表される化合物が好ましい。
一般式(V)において、R61、R62、R63、及びR64は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は−SONH−R66を表し、R65は水素原子、アルキル基、アリール基、−SOH、又は−SONH−R66を表す。R66は、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアルキルカルボニルオキシ基を表す。n3は、0又は1以上の整数を表すが、n3が0のときには、R61〜R65の少なくとも1つは置換基として−SONH−R66を有するアリール基を表す。
好ましいR66としては、炭素数1以上、特に炭素数が3以上30以下のアルキル基、全炭素数が3以上30以下のアルコキシアルキル基、シクロヘキシル基、アルキル部分の炭素数が1以上20以下であるシクロヘキシルアルキル基などが挙げられ、これらの基は適当な置換基で置換されていてもよい。
中でも、R61及びR62の少なくとも1つ又はR63及びR64の少なくとも1つは、炭素数1〜4のアルキル基又は1個もしくは2個の置換基で置換されていてもよいアリール基である場合が好ましい。さらにまた、R61及びR62の少なくとも1つが炭素数1〜4のアルキル基又は1個もしくは2個の置換基で置換されていてもよいアリール基であり、R63及びR64の少なくとも1つが炭素数1〜4のアルキル基又は1個もしくは2個の置換基で置換されていてもよいアリール基である場合も好ましい。いずれの場合においても、R61〜R64のうち、アルキル基又はアリール基であるもの以外は、水素原子であることが好ましい。アリール基の置換基としては、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、水酸基、−SOH、−SONH−Cなどが挙げられる。
前記一般式(V)で表される化合物の詳細については、特許第3387541号の記載を参照することができる。また、前記一般式(V)で表される化合物の具体例については、特許第3387541号の段落[0010]〜[0020]に記載の具体例と同様の化合物を挙げることができる。
以下に、一般式(V)で表される化合物の具体例を示す。
前記構造式において、Rは水素原子、またはSO を表し、RおよびRはそれぞれ独立に以下に示す構造から選ばれる置換基を表す。以下の置換基における*は、前記一般式(V)で表される化合物との結合位置を示す。
〔一般式(VI)で表される化合物〕
本発明の着色組成物に含まれる特定染料としては、下記一般式(VI)で表される化合物が好ましい。
一般式(VI)において、R71は、炭素数2〜20のアルキル基、アルキル鎖の炭素数が2〜12のシクロヘキシルアルキル基、アルキル鎖の炭素数が1〜4のアルキルシクロヘキシル基、炭素数2〜12のアルコキシル基で置換された炭素数2〜12のアルキル基、L71−CO−O−L72−で表されるアルキルカルボキシルアルキル基、L73−O−CO−L74−で表されるアルキルオキシカルボニルアルキル基、炭素数1〜20のアルキル基で置換されたフェニル基、又はフェニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基を表す。L71は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L72は、炭素数2〜12のアルキレン基を表し、L73は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L74は、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。R72、R73、R74、及びR75は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシル基、又はハロゲン原子を表す。
炭素数2〜20のアルキル基としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、2−エチルヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−メチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基及び1,1,3,3−テトラメチルブチル基などが挙げられる。
アルキル鎖の炭素数が2〜12のシクロヘキシルアルキル基としては、シクロヘキシルエチル基、3−シクロヘキシルプロピル基及び8−シクロヘキシルオクチル基などが挙げられる。
アルキル鎖の炭素数が1〜4のアルキルシクロヘキシル基としては、2−エチルシクロヘキシル基、2−プロピルシクロヘキシル基及び2−(n−ブチル)シクロヘキシル基などが挙げられる。
炭素数2〜12のアルコキシル基で置換された炭素数2〜12のアルキル基としては、3−エトキシ−n−プロピル基、プロポキシプロピル基、4−プロポキシ−n−ブチル基、3−メチル−n−ヘキシルオキシエチル基及び3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基などが挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基で置換されたフェニル基としては、o−イソプロピルフェニル基などが挙げられる。
フェニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基としては、DL−1−フェニルエチル基、ベンジル基及び3−フェニル−n−ブチル基などが挙げられる。
71及びL73における炭素数2〜12のアルキル基としては、エチル基、プロピル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、2−エチルヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−メチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基及び1,1,3,3−テトラメチルブチル基などが挙げられる。
72及びL74における炭素数2〜12のアルキレン基としては、ジメチレン基及びヘキサメチレン基などが挙げられる。
72〜R75としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、カルボキシル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などが挙げられ、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フッ素原子、又は塩素原子である。
前記一般式(VI)で表される化合物の具体例として、下記化合物などが挙げられる。
〔一般式(VII)で表される化合物〕
本発明の着色組成物に含まれる特定染料としては、下記一般式(VII)で表される化合
物が好ましい。
一般式(VII)において、Z及びZは、各々独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す
。R81、R82、R83、及びR84は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基が置換した炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換した炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜8のチオアルコキシ基が置換した炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基を表す。R85、R86、R87、R88、R89、R51、R52、及びR53は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、又はN−置換スルファモイル基を表し、R85〜R89、及びR51〜R53の少なくとも1つはN−置換スルファモイル基を表す。
81〜R84のアルキル基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。その炭素数は、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。アルキル基には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)など、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルアルキル基などが含まれる。また、アルキル基には、ヒドロキシル基、炭素数1〜8(好ましくは炭素数1〜4)アルコキシル基、又は炭素数1〜8(好ましくは炭素数1〜4)チオアルコキシル基などの置換基が置換していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシエチル基(2−ヒドロキシエチル基など)、エトキシエチル基(2−エトキシエチル基など)、エチルヘキシルオキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)、メチルチオプロピル基(3−メチルチオプロピル基など)などが挙げられる。
81〜R84のアリール基は、無置換であってもよく、アルキル基、アルコキシル基、カルボキシル基、スルホ基又はエステル基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、6〜20であり、好ましくは6〜10である。これらアリール基としては、例えば、フェニル基、2−、3−、4−メチルフェニル基、2−,3−,4−メトキシフェニル基、2−,3−,4−スルホフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基(4−(COOC)Ph基など)などの置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
81〜R84のアラルキル基(アリールアルキル基)のアルキル部分は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、7〜20、好ましくは7〜10である。このアラルキルとしては、ベンジル基などのフェニルアルキル基が代表的である。
81〜R84のアシル基は、無置換であってもよく、アルキル基、アルコキシル基などの置換基が結合していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、その数は、2〜10、好ましくは6〜10である。前記アシル基は、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)などである。
色濃度を高めるには、R81〜R84の少なくとも一つ(好ましくは全部)に、炭素数が5以下(好ましくは3以下)の基(例えば、メチル基、エチル基など)か、水素原子を選択することが好ましい。
また、有機溶剤に対する溶解性(油溶性)を高める観点から、R81〜R84の少なくとも1つ(好ましくは全部)に、炭素数が6以上の基を選択するのが望ましく、特に置換又は未置換アリール基(好ましくはフェニル基)が望ましい。
85〜R89及びR51〜R53は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素又は臭素原子)、炭素数1〜10のアルキル基(この炭素数1〜10のアルキル基にハロゲン原子が結合したものを含む)、炭素数1〜8アルコキシル基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を表し、R〜R12の少なくとも1つは、N−置換スルファモイル基である。
85〜R89及びR51〜R53で表されるアルキル基は、R81〜R84の場合と同様に、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、その炭素数は、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。R85〜R89及びR51〜R53のアルキル基の具体例は、R81〜R84の場合と同じである。R85〜R89及びR51〜R53のアルキル基は、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよい。ハロゲン化アルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
85〜R89及びR51〜R53で表されるアルコキシル基の炭素数は、1〜8、好ましくは1〜4である。このアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、及びtert−ブトキシ基などが挙げられる。
85〜R89及びR51〜R53で表されるN−置換スルファモイル基は、例えば、N−一置換スルファモイル基であり、式−SONHR54基で表すことができる。この式中、R54は、炭素数1〜10のアルキル基(この炭素数1〜10のアルキル基に炭素数1〜8のアルコキシル基が結合したものを含む)、炭素数が6〜20のアリール基、炭素数が7〜20のアラルキル基、又は炭素数が2〜10のアシル基である。
54で表されるアルキル基の炭素数は、1〜10、好ましくは6〜10である。R54で表されるアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルヘキシル基(1−メチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、シクロヘキシルアルキル基などが含まれる。R54で表されるアルキル基は、前述した通り、炭素数1〜8(好ましくは炭素数1〜4)アルコキシル基などの置換基で置換されていてもよい。この置換基としては、プロポキシプロピル基(3−(イソプロポキシ)プロピル基など)などが例示できる。
54で表されるアリール基は、無置換であってもよく、アルキル基又はヒドロキシル基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、6〜20、好ましくは6〜10である。これらアリール基としては、例えば、フェニル基、ヒドロキシフェニル基(4−ヒドロキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4−トリフルオロメチルフェニル基など)などの置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
54で表されるアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、7〜20、好ましくは7〜10である。このアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などのフェニルアルキル基が代表的である。
54で表されるアシル基は、無置換であってもよく、アルキル基、アルコキシル基などの置換基が結合していてもよい。アシル基の炭素数は、2〜10、好ましくは6〜10である。前記アシル基は、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)などである。
前記R85〜R89及びR51〜R53は、色濃度、油溶性、耐光性などを高める観点から、R85〜R89及びR51〜R53の1つがN−置換スルファモイル基である場合が好ましい。また、油溶性をさらに高める点で、N−置換スルファモイル基に加えて、R85〜R89及びR51〜R53の1つ又は2つ以上が例えばトリフルオロメチル基であることが好ましい。
また、R85〜R88の1つとR89及びR51〜R53の1つとがN−置換スルファモイル基であり、残りが水素原子であるジスルホンアミドと、R85〜R88の1つがN−置換スルファモイル基であり、R89及びR51〜R53の1つがスルホ基であり、残りが水素原子であるモノスルホンアミドとの組み合わせが好ましい。
〔一般式(VIII)で表される化合物〕
本発明の着色組成物に含まれる特定染料としては、下記一般式(VIII)で表される化合物が好ましい。
一般式(VIII)において、R91、R92、及びR93は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はスルホン酸基を表し、Aは、下記(a)〜(d)で表されるいずれかの基を表す。n4は、1又は2の整数を表す。R94、R95、及びR96は、各々独立に、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、又は−SON(R97)(R98)を表し、R97及びR98は各々独立に水素原子、低級アルキル基、又はフェニル基を表す。R91〜R96の少なくとも1つはスルホン酸基を表す。なお、下記(a)〜(d)中、*は結合位置を表す。
前記一般式(VIII)で表される化合物の詳細については、特公平7−113687号公報の記載を参照することができる。また、前記一般式(VIII)で表される化合物の具体例については、特公平7−113687号公報の第(4)頁〜第(5)頁に記載の構造式(1)〜
(9)で表される染料を挙げることができる。
〔一般式(IX)で表される化合物〕
本発明の着色組成物に含まれる特定染料としては、下記一般式(IX)で表される化合物が好ましい。
一般式(IX)において、R97及びR98は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表すが、R97とR98とが同時に水素原子を表すことはない。n5は、1〜4の整数を表し、n5が2〜4の整数である場合、複数のNR9798は同一でも異なっていてもよい。
97及びR98で表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
97及びR98で表されるアリール基として好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル、o−メチルフェニル、p−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジエチルフェニルビフェニル、2,6−ジブロモフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。
97及びR98で表されるヘテロ環基として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含む。ヘテロ環基としては、例えば、イミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ナフトチアゾリル、ベンズオキサゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。
また、R97及びR98で表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基は、更に置換基を有してもよい。
置換基を有する場合の置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10のアミノ基であり、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基が含まれる。具体的な例としては、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、芳香族ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12の芳香族へテロ環オキシ基であり、例えば、ピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアシル基であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、
芳香族ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12の芳香族ヘテロ環チオ基であり、例えば、ピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基であり、ヘテロ原子としては例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子がふくまれる。具体的な例としては、例えば、イミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は、更に置換されてもよい。
前記一般式(IX)において、n5は、1〜4の整数を表し、n5が2〜4の整数である場合、複数のNR97及びR98は同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(IX)の中でも好ましくは、吸収特性の観点から、下記一般式(IX−2)で表される化合物がより好ましく、また熱安定性の観点から、下記一般式(IX−3)で表される化合物がより好ましく、更には、吸収特性と熱安定性の両立の観点からは、下記一般式(IX−4)又は下記一般式(IX−5)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(IX−2)で表されるジアミノアントラキノン化合物について説明する。
前記一般式(IX−2)において、R21a及びR22aは、各々独立に、アルキル基、又はアリール基を表す。
21a、R22aで表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
21a、R22aで表されるアリール基として好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル、o−メチルフェニル、p−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジエチルフェニルビフェニル、2,6−ジブロモフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。
また、前記R21a、R22aで表されるアルキル基、アリール基は、更に置換基を有してもよく、置換基の例としては、前記一般式(IX)中のR97、及びR98で表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基の置換基として既述した例が挙げられる。中でも、該置換基の例としては、好ましくは、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、スルホニル基、ウレイド基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、スルホ基、カルボキシル基などである。これらの詳細及び好ましい態様については、既述の例の通りである。
次に、一般式(IX−3)で表されるジアミノアントラキノン化合物について説明する。
前記一般式(IX−3)において、R31a、R32a、R33a、及びR34aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
31a、R32a、R33a、及びR34aで表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜2のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
31a、R32a、R33a、及びR34aで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記一般式(IX−3)において、R35a及びR36aは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホ基もしくはその塩、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基、又はフェノキシスルホニル基を表す。
35a、及びR36aで表されるアルキル基は、前記R31a、R32a、R33a、及びR34aで表されるアルキル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
35a、及びR36aで表されるアルコキシ基は、好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。
35a、及びR36aで表されるアリールオキシ基は、好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。
35a、及びR36aで表されるスルホ基及びその塩は、スルホン酸基及びスルホン酸塩に由来の基が好ましい。スルホン酸塩は、4級アンモニウム塩又はアミンの塩が好ましく、炭素数4〜30(好ましくは10〜30、より好ましくは15〜30)のスルホン酸塩が特に好ましい。
35a、及びR36aで表されるアミノスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜15のアミノスルホニル基であり、具体例として、エチルアミノスルホニル基、プロピルアミノスルホニル基、イソプロピルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、イソブチルアミノスルホニル基、sec−ブチルアミノスルホニル基、ペンチルアミノスルホニル基、イソペンチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、2−エチルヘキシルアミノスルホニル基、デシルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基などが挙げられ、またジアルキルアミノスルホニル基として、ジメチルアミノスルホニル基、ジエチルアミノスルホニル基、ジプロピルアミノスルホニル基、ジイソプロピルアミノスルホニル基、ジブチルアミノスルホニル基、ジsec−ブチルアミノスルホニル基、ジsec−プロピルアミノスルホニル基、ジヘキシルアミノスルホニル基、メチルエチルアミノスルホニル基、メチルブチルアミノスルホニル基、エチルブチルアミノスルホニル基、フェニルメチルアミノスルホニル基などが挙げられる。このうち、特にアルキル部位の炭素数が4〜15のジアルキルアミノスルホニル基が好ましい。
35a、及びR36aで表されるアルコキシスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜15、特に好ましくは4〜15のアルコキシスルホニル基であり、具体例として、ブチルスルホニル基、ヘキサンスルホニル基、デシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基などが挙げられる。
35a、及びR36aで表されるフェノキシスルホニル基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜15のフェノキシスルホニル基であり、具体例として、フェノキシスルホニル基、トリルスルホニル基などが挙げられる。
35a、及びR36aは、さらに置換基を有してもよく、該置換基の例としては、前記一般式(IX)中のR97、及びR98で表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基の置換基として既述した例が挙げられる。
前記一般式(IX−3)において、n31、n32は、0〜2の整数を表し、n=2の場合、複数のR35a、R36aは同一でも異なっていてもよい。
上記の中でも、下記一般式(IX−4)又は下記一般式(IX−5)で表されるジアミノアントラキノン化合物より選択される化合物が好ましい。
[一般式(IX−4)で表されるジアミノアントラキノン化合物]
一般式(IX−4)において、R41a、R42a、R43a、及びR44aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、前記一般式(IX−3)中のR31a、R32a、R33a、R34aにおけるアルキル基、ハロゲン原子と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(IX−4I)中のR45a、R46a、R47a、及びR48aは、各々独立に、アルキル基、スルホ基もしくはその塩、又はアミノスルホニル基を表す。R45a及びR47aのいずれか一方と、R46a及びR48aのいずれか一方とは、スルホ基もしくはその塩、又はアミノスルホニル基を表す。R45a、R46a、R47a、及びR48aは、前記一般式(XI)中のR35a、R36aで表されるアルキル基、スルホ基もしくはその塩、アミノスルホニル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
[一般式(IX−5)で表されるジアミノアントラキノン化合物]
一般式(IX−5)において、R51a、R52a、R53a、及びR54aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、前記一般式(IX−3)中のR31a、R32a、R33a、R34aにおけるアルキル基、ハロゲン原子と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(IX−5)中、R55a及びR56aは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表し、該アルキル基は前記一般式(IX−3)中のR31a、R32a、R33a、R34aにおけるアルキル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、R57a及びR58aは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表し、該アルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
前記一般式(IX−5)中、L51a及びL52aは、各々独立に二価の連結基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、−O−、−S−、−NR−、−SO−、−CO−、又はこれらの複数を組み合わせてなる二価の連結基が好ましい。L51a、L52aとしてより好ましくは、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のフェニレン基、スルホニルアミノ基、又はこれらの複数を組み合わせてなる二価の連結基であり、特に好ましくは、炭素数1〜10のアルキレン基、スルホニルアミノ基、又はこれらの複数を組み合わせてなる二価の連結基である。
前記炭素数1〜10のアルキレン基又はこれと−O−等とを組み合わせてなる二価の連結基としては、無置換でも置換基を有してもよく、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、エチレンアミノスルホニル基、プロピレンアミノスルホニル基、ブチレンアミノスルホニル基、ペンチレンアミノスルホニル基、1−メチルエチレンスルホニル基等が挙げられる。中でも、炭素数2〜10のアルキレンアミノスルホニル基(例:エチレンアミノスルホニル基、プロピレンアミノスルホニル基、ブチレンアミノスルホニル基、ペンチレンアミノスルホニル基)が好ましい。
前記炭素数6〜20のアリーレン基又はこれと−O−等とを組み合わせてなる二価の連結基としては、無置換でも置換基を有してもよく、例えば、フェニレン、ビフェニレン、フェニレンアミノスルホニル基等が挙げられ、中でも、炭素数6〜12のアリーレンアミノスルホニル基(例:フェニレンアミノスルホニル基など)が好ましい。
また、−NR−のRは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
前記一般式(IX−5)中、L53a及びL54aは、各々独立に、酸素原子、又は−NH−基を表す。
上記のうち、本発明において好ましいアントラキノン化合物は、前記一般式(IX−4)又は前記一般式(IX−5)で表されるジアミノアントラキノン化合物より選択される化合物であり、更には下記の場合が特に好ましい。すなわち、
前記一般式(IX−4)においては、R41a、R42a、R43a、及びR44aがメチル基、エチル基、もしくは臭素原子であって、R45a、R46aが炭素数2〜15のアミノスルホニル基であり、R47a、R48aがメチル基である場合が好ましく、また、前記一般式(IX−5)においては、R51a、R52a、R53a、及びR54aがメチル基、エチル基、もしくは臭素原子であって、R55a及びR56aが水素原子もしくはメチル基であり、R57a及びR58aが水素原子、メチル基であって、L51a及びL52aが炭素数1〜10のアルキレンアミノスルホニル基、炭素数7〜12のアラルキレンアミノスルホニル基、又は炭素数2〜10のアルキレンオキシ基であり、L53a及びL54aが酸素原子である場合が好ましい。
以下、本発明におけるアントラキノン化合物の具体例を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
〔一般式(X)で表される化合物〕
本発明の着色組成物に含まれる特定染料としては、下記一般式(X)で表される化合物が好ましい。
一般式(X)中、B、及びBは、各々独立に、アリール基又はヘテロ環基を表す。
前記一般式(X)中のB、及びBにおけるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは6〜24のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。ヘテロ環基としては五員環又は六員環のへテロ環基が好ましく、例えばピロリル、イミダゾイル、ピラゾリル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、トリアゾール−1−イル、チエニル、フリル、チアジアゾリル等が挙げられる。
前記一般式(X)で表される化合物としては、特に下記一般式(M−1)又は一般式(M−2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(M−1)中、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐のアルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基又はシリル基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
とR、及び、RとRは、それぞれ、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(M−2)中、R21、R23、R24、R25、R27及びR28は、前記一般式(M−1)におけるR、R、R、R、R及びRとそれぞれ同義である。
前記一般式(M−1)中のR、R、R、R、R、Rが取りうる置換基について以下に、さらに説明する。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖もしくは分岐のアルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチルが挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。)、
直鎖もしくは分岐のアルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)やトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。)アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクトキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、
アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、官能基中の水素原子の部分が、上記いずれかの基で置換されていてもよい。置換基として導入可能な官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロ環基であることが好ましく、R、R、R及びRはアルキル基であり、且つ、RとR、及びRとRが互いに連結してアリール環を形成していることがさらに好ましく、R、R、R及びRは炭素数1〜20のアルキル基であり、且つ、RとR、及びRとRが互いに連結してベンゼン環を形成していることが最も好ましい。
一般式(M−2)中、R21、R23、R24、R25、R27及びR28は、それぞれ、一般式(M−1)における、R、R、R、R、R及びRと同義である。
特に、R21、R23、R24、R25、R27及びR28は、水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アリール基又は、ヘテロ環基であることが好ましく、R21、R23、R25及びR27はアルキル基又はアリール基であり、且つ、R24及びR28はヒドロキシ基又はアミノ基であることがさらに好ましく、R21、R23、R25及びR27は炭素数1〜20のアルキル基であり、且つ、R24及びR28はヒドロキシ基であることがさらに好ましい。
前記R、R、R、R、R、R、R、R、R21、R23、R24、R25、R27及びR28が、さらに置換可能な基である場合には、前記R〜Rにおいて例示した1価の置換基から選択される置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(X)で表されるスクアリリウム化合物のモル吸光係数は、膜厚の観点から、できるだけ高いほうが好ましい。また、最大吸収波長λmaxは、色純度向上の観点から、520nm〜580nmが好ましく、530nm〜570nmが更に好ましい。なお、最大吸収波長、及びモル吸光係数は、分光光度計UV−2400PC(島津製作所社製)により測定されるものである。
前記一般式(X)で表されるスクアリリウム化合物の融点は、溶解性の観点から、高すぎない方がよい。より具体的には、融点は50℃〜150℃であることが好ましい。
前記一般式(X)で表されるスクアリリウム化合物は、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,2000,599.に記載の方法を適用して合成することができる。
前記一般式(X)で表されるスクアリリウム化合物の具体例を下記に示す。
(その他の染料)
本発明の着色組成物には、特定染料以外のその他の染料を用いることができる。その他の染料には特に制限はなく、一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン金属錯体化合物、および一般式(II)〜一般式(X)のいずれかで表される化合物以外の公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報、特開平6−230210号公報等に記載の色素である。
化学構造としては、一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン金属錯体化合物、および一般式(II)〜一般式(X)のいずれかで表される化合物以外のピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、スクアリリウム系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。中でも、キサンテン系、スクアリリウム系が色相の点で好ましい。
本発明の着色組成物に含まれるその他の染料は、特定染料と組み合わせずに単独で使用することもできるが、特定染料に対して100質量%以下、好ましくは50質量%以下であることが好ましい。
本発明の着色組成物に含まれる特定染料の着色組成物中における含有量としては、着色組成物の全固形分に対して、1〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。特定染料の含有量は、10質量%以上であると、良好な色濃度(例えば液晶表示するのに適した色濃度)が得られ、50質量%以下であると、画素のパターニングが良好になる点で有利である。
なお、本発明で着色組成物の全固形分とは、着色組成物全体から溶剤を除いた成分の総合計量のことである。
(顔料)
本発明の着色組成物には、特定染料と共に顔料を併用することもできる。
顔料としては平均一次粒子径が10nm以上30nm以下の顔料が好ましい。上記態様であると、色相とコントラストに優れる着色組成物が得られる。
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができるが、信頼性の観点で有機顔料を用いることが好ましい。本発明において有機顔料として、例えば、特開2009−256572号公報の段落〔0093〕に記載の有機顔料が挙げられる。
また特に、
C.I.Pigment Red 146、177、224、242、254、255、264、
C.I.Pigment Yellow 138、139、150、180、185、
C.I.Pigment Orange 36、38、71、
C.I.Pigment Green 7、36、58、
C.I.Pigment Blue 15:6、80、
C.I.Pigment Violet 23
が色再現性の観点で好適であるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。これら有機顔料は、単独で、または、色純度を上げるため種々組合せて用いることもできる。
顔料を用いる場合、本発明の着色成物中における顔料の含有量は、該組成物の全固形分に対して、1〜55質量%であることが好ましく、5〜45質量%がより好ましい。顔料の含有量が前記範囲内であると、優れた色特性を確保するのに有効である。
<(B)ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物=特定化合物>
本発明の着色組成物は、特定染料と共に、(B)ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物(特定化合物)を含む。
本発明の着色組成物に含まれるヒンダードフェノール化合物は、下記一般式(i)又は一般式(ii)で表されるものが好ましい。
一般式(i)中、Rは第二級又は第三級アルキル基を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又はアルコキシカルボニルアルキル基を表す。
一般式(ii)中、Rは第二級又は第三級アルキル基を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表し、R10は、エステル、エーテル、もしくはアミド結合を有していてもよい炭化水素基、又は硫黄原子を表し、pは2〜4の整数を表す。
なお、前記一般式(i)、および(ii)におけるアルキル基及びアリール基は、更にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換カルバモイル基、置換スルファモイル基、置換アミノ基、置換オキシカルボニル基、置換オキシスルホニル基、アルキルチオ基、アリールスルホニル基等の置換基を有していてもよい。
前記一般式(i)において、Rは、炭素数3〜18の第二級又は第三級アルキル基であることが好ましい。Rの好ましい具体例としては、iso−プロピル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基、t−オクチル基、t−デシル基、t−ドデシル基等である。
一般式(i)中のR、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜18のアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、直鎖アルキル基であっても第二級、及び第三級アルキル基のような分枝鎖アルキル基であってもよい。
、R、及びRの好ましい具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、及び前記のRの好ましい具体例として列挙したもの等を挙げることができる。
一般式(i)中のRは、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又は炭素数3〜24のアルコキシカルボニルアルキル基であることが好ましい。
の好ましい具体例としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、2−オクタデシルオキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルメチル基、フェノキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
一般式(ii)において、Rは、炭素数3〜18の第二級又は第三級アルキル基であることが好ましい。
の好ましい具体例としては、iso−プロピル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基、t−オクチル基、t−デシル基、t−ドデシル基等である。
一般式(ii)中のR、R、及びRは、水素原子、又は炭素数1〜18のアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、直鎖アルキル基であっても第二級及び第三級アルキル基のような分枝鎖アルキル基であってもよい。
、R、及びRの好ましい具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、及び前記のRの好ましい具体例として列挙したもの等を挙げることができる。
一般式(ii)中のR10は、エステル、エーテルもしくはアミド結合を有していてもよい、全炭素数1〜30の炭化水素基、又は硫黄原子であることが好ましい。
10で表される炭化水素基に含まれるエステル、エーテルもしくはアミド結合の数は、一般式(ii)におけるpの値と同じか又はそれ以上の数であることが好ましく、R10で表される炭化水素基には炭素環、複素環、側鎖が含まれていてもよい。
次に、前記一般式(i)又は一般式(ii)で表されるヒンダードフェノール化合物の具体例を示すが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
本発明の着色組成物に用いられるヒンダードフェノール化合物としては、一分子内に少なくとも3個のフェノール性水酸基を有するものが好ましい。また、分子内にトリアジン環又はイソシアヌル環を有するものも好ましい。
上述のヒンダードフェノール化合物のうち、Rが第二級又は第三級アルキル基でない化合物を、セミヒンダードフェノール化合物と称するが、セミヒンダードフェノール化合物の中ではRがメチル基の化合物が好適な態様である。
セミヒンダードフェノール化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
2−メチル−6−tert−ブチルフェノール、2−メチル−6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4,6−ジメチルフェノール)等が挙げられる。なお、これら具体例の例示は本発明を制限するものではない。
また、ヒンダードフェノール化合物は市販品を用いてもよく、例えば、チバ・ジャパン(株)製の商品名「Irganox」E 201等; 住友化学(株)製の商品名「スミライザー」GA−80等;が挙げられる。
次にヒンダードアミン化合物について説明する。
本発明の着色組成物に用いるヒンダードアミン化合物は、ヒンダードアミン(Hindered Amine)構造を有する部位をその分子内に持つ化合物であり、例えば特開昭61−91257号公報等に記載のものが挙げられ、その代表的な化合物は、ピペリジンの2位及び6位の炭素上の全ての水素がメチル基で置換された構造を有する2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの誘導体である。具体的には、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシエチル)−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
本発明の着色組成物に用いられるヒンダードアミン化合物としては、非水溶性のものが好ましく、また、分子量1000以上、特に2000以上であるものが好ましい。また、ヒンダードアミン系化合物の窒素原子に連結する基が何れも水素原子でないものが好ましい。
更に、本発明に用いるヒンダードアミン化合物としては、下記一般式(iii)で表され
るものが好ましい。
以下に、本発明で用いられる前記ヒンダードアミン化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらのヒンダードアミン化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、構造中にラジカル重合性不飽和結合を有するものは、或いは、高分子化合物中に、2位及び6位の炭素上の全ての水素がメチル基で置換されたピペリジン構造を有するものは、合成樹脂骨格中に組み込まれるので、長期的に効果が持続し好ましい。
なお、ヒンダードアミン構造を有し、耐候性または光安定性を改良する添加剤として市販されているヒンダードアミン系化合物も、本発明には好適に使用できる。
このような化合物としては、例えば、下記に示すヒンダードアミン化合物が挙げられる。
旭電化(株)製の商品名「アデカスタブ」LA−52,LA−57,LA−62,LA−63P,LA−67,LA−68,LA−68LD,LA−77,LA−82,LA−87,AO−60等;
チバ・ジャパン(株)製の商品名「TINUVIN」111FD,123,144,292,622LD,765,770,770DF,770FL等、及び商品名「CHIMASSORB」119FL,944LD,944FD,622LD,2020FDL等;
住友化学(株)製の商品名「Sumisorb/Antigene」577,577(F)等、及び吉冨製薬(株)製の商品名「トミソープ」77等。
本発明の着色組成物には、特定化合物を2種以上含んでもよく、この場合ヒンダードフェノール化合物から異なる構造の2種以上でもよいし、ヒンダードアミン化合物から異なる構造の2種以上でもよい。またヒンダードフェノール化合物から1種以上と、ヒンダードアミン化合物から1種以上を併用してもよい。
本発明の着色組成物中に含まれる特定化合物の総含有量は、着色組成物の全固形分に対して、質量基準で0.02〜8質量%であることが好ましく、0.3質量%〜7質量%であることがより好ましく、0.9質量%〜6質量%であることがさらに好ましく、2.0質量%〜4.0質量%であることが最も好ましい。
この範囲とすることによって、色相や輝度を維持しつつ、高いコントラストが得られるカラーフィルタ用着色組成物を提供することができる。
本発明の着色組成物には必要によって、重合性化合物、アルカリ可溶性バインダー、光重合開始剤、増感剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、有機溶剤、界面活性剤、密着改良剤、架橋剤、現像促進剤、およびその他の添加剤を含有することができる。
以下に、これらの成分を説明する。
(重合性化合物)
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物としては、例えば少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物であり、公知の組成物を構成する成分から選択して用いることができ、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0020]に記載の成分や、特開2006−64921号公報の段落番号[0027]〜[0053]に記載の成分を挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン付加の重合性化合物も好適であり、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートのカルボン酸付加体混合物などが、並びに、市販品としては、NKエステル A−TMMT、NKエステル A−TMM−3、NKオリゴUA−32P、NKオリゴUA−7200(以上、新中村化学工業(株)製)、アロニックス M−305、アロニックス M−306、アロニックス M−309、アロニックス M−450、アロニックス M−402、TO−1382、TO−2349(以上、東亞合成(株)製)、V#802(大阪有機化学工業(株)製)を好ましい例として挙げることができる。
これらの重合性化合物は単独で、或いは2種以上の併用で用いることができる。
着色組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量(2種以上の場合は総含有量)としては、10質量%〜80質量%が好ましく、15質量%〜75質量%がより好ましく、20質量%〜60質量%が特に好ましい。
(アルカリ可溶性バインダー)
アルカリ可溶性バインダーは、アルカリ可溶性を有すること以外は、特に限定はなく、好ましくは、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選択することができる。
アルカリ可溶性バインダーとしては、線状有機高分子重合体であり、且つ、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
上述したものの他、アルカリ可溶性バインダーとしては、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。また、線状有機高分子重合体は、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよい。この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級若しくは3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のブチル(メタ)アクリレート、又は、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。その他、親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸基、燐酸エステル基、4級アンモニウム塩基、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸基及びその塩由来の基、モルホリノエチル基等を含んでなるモノマー等も有用である。
また、アルカリ可溶性バインダーは、架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、例えば、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer.Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。また、硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
これら各種アルカリ可溶性バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体や、前記のPhotomer6173、KSレジスト−106、サイクロマーPシリーズ等が好ましい。
アルカリ可溶性バインダーは、現像性、液粘度等の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×10の重合体が好ましく、2000〜1×10の重合体がより好ましく、5000〜5×10の重合体が特に好ましい。単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
(光重合開始剤)
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、前記重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に制限はなく、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
光重合開始剤は、露光光により感光し、重合性化合物の重合を開始、促進する化合物である。波長300nm以上の活性光線に感応し、重合性化合物の重合を開始、促進する化合物が好ましい。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光重合開始剤についても、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
具体的には例えば、オキシムエステル化合物、有機ハロゲン化化合物、オキサジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、感度の点から、オキシムエステル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましい。
オキシムエステル化合物としては、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、国際公開第2005/080337号、国際公開第2006/018973号明細書、特開2007−210991号公報、特開2007−231000号公報、特開2007−269779号公報、特開2009−191061号公報、国際公開第2009/131189号明細書に記載の化合物を使用できる。
具体的な例としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロピル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンなどが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
また、本発明においては、感度、経時安定性、後加熱時の着色の観点から、オキシムエステル化合物として、下記一般式(E)で表される化合物も好適である。
前記一般式(E)中、R22及びX22は、各々独立に、1価の置換基を表し、A22は、2価の有機基を表し、Arは、アリール基を表す。nは、1〜5の整数である。
有機ハロゲン化化合物の例としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc.Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、露光波長に吸収を持たない開始剤を用いる場合には、増感剤を使用することが好ましい。
光重合開始剤の総含有量は、着色組成物中の全固形分に対して、0.5質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜20質量%であることがより好ましく、5質量%〜18質量%が最も好ましい。この範囲内であると、露光時の感度が高く、また色特性も良好である。
(増感剤)
本発明の着色組成物には増感剤を加えることもできる。本発明に用いる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J.V.Crivello,Adv.in Polymer Sci,62,1(1984)〕に開示しているものが挙げられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、ベンゾフェノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファキノン、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。増感剤は、光重合開始剤に対し、50〜200質量%の割合で添加することが好ましい。
(連鎖移動剤)
本発明の着色組成物には連鎖移動剤を加えることもできる。本発明に用いる連鎖移動剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどの複素環を有するメルカプト化合物、及び、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタンなどの脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。
連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤の添加量は、本発明の着色組成物の全固形分に対して、0.01〜15質量%の範囲であることが、感度ばらつきを低減するという観点から好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
(重合禁止剤)
本発明の着色組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。
重合禁止剤とは、光や熱により着色組成物中に発生したラジカル等の重合開始種に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始種を失活させ、重合が意図せず開始されることを抑制する役割をはたす物質である。特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載された重合禁止剤などを用いることができる。
これらの中でも、重合禁止剤としてはp−メトキシフェノールが好ましく挙げられる。
本発明の着色組成物における重合禁止剤の含有量は、重合性化合物の全質量に対して、0.0001〜5質量%が好ましく、0.001〜5質量%がより好ましく、0.001〜1質量%が特に好ましい。
(有機溶剤)
本発明の着色組成物は、有機溶剤を含有することができる。
有機溶剤は、並存する各成分の溶解性や着色組成物としたときの塗布性を満足できるものであれば、基本的には特に制限はなく、特に、固形分の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキルエステル類(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(具体的には、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等が挙げられる。))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。
また、エーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの有機溶剤は、前述の各成分の溶解性、及びアルカリ可溶性バインダーを含む場合はその溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
有機溶剤の着色組成物中における含有量としては、着色組成物中の全固形分濃度が10質量%〜80質量%になる量が好ましく、15質量%〜60質量%になる量がより好ましい。
(界面活性剤)
本発明の着色組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。具体的には、特開2009−098616号公報の段落0058に記載のノニオン系界面活性剤が挙げられ、中でもフッ素系界面活性剤が好ましい。
本発明に用いることができるこの他の界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)などが挙げられる。
また、界面活性剤として、下記式(W)で表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフランを溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
(式(W)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す重量百分率であり、pは10重量%以上80重量%以下の数値を表し、qは20重量%以上90重量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。)
前記Lは、下記式(W−2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(W−2)におけるRは、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。
式(W)におけるpとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これら界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を使用することができる。
本発明の着色組成物における界面活性剤の添加量は、着色組成物の全固形分中0.01〜2.0質量%が好ましく、0.02〜1.0質量%が特に好ましい。この範囲であると、塗布性及び硬化膜の均一性が良好となる。
(密着改良剤)
本発明の着色組成物は、密着改良剤を含有してもよい。
密着改良剤は、支持体となる無機物、例えば、ガラス、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等と着色組成物層の硬化膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
シランカップリング剤としては、特開2009−98616号公報の段落0048に記載のシランカップリング剤が好ましく、中でもγ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましい。これらは1種単独又は2種以上を併用できる。
本発明の着色組成物における密着改良剤の含有量は、着色組成物の全固形分量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましい。
(架橋剤)
本発明の着色組成物に補足的に架橋剤を用い、着色組成物を硬化させてなる着色硬化膜の硬度をより高めることもできる。
架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
架橋剤の具体例などの詳細については、特開2004−295116号公報の段落〔0134〕〜〔0147〕の記載を参照することができる。
(現像促進剤)
着色組成物層を露光した場合の非露光領域のアルカリ溶解性を促進し、着色組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、現像促進剤を添加することもできる。現像促進剤は好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸化合物、上述のヒンダードフェノール化合物とは構造が異なり、分子量1000以下の低分子量フェノール化合物である。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等が挙げられる。
(その他の添加物)
本発明の着色組成物には、さらに必要に応じて、各種添加物、例えば、充填剤、上記以外の高分子化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を配合することができる。これらの添加物としては、特開2004−295116号公報の段落〔0155〕〜〔0156〕に記載のものを挙げることができる。
本発明の着色組成物においては、特開2004−295116号公報の段落〔0078〕に記載の光安定剤、同公報の段落〔0081〕に記載の熱重合防止剤を含有することができる。
(着色組成物の調製方法)
本発明の着色組成物は、前述の各成分と必要に応じて任意成分とを混合することで調製される。
なお、着色組成物の調製に際しては、着色組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解・分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して着色組成物として調製してもよい。
上記のようにして調製された着色組成物は、好ましくは、孔径0.01μm〜3.0μm程度のフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することができる。
本発明の着色組成物は、色相及びコントラストに優れた着色硬化膜を形成することができるため、液晶表示装置、有機EL表示装置等の表示装置や、固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタなどの着色画素形成用として、また、印刷インキ、インクジェットインキ、及び塗料などの作製用途として好適に用いることができる。特に、液晶表示装置用の着色画素形成用途に好適である。
(カラーフィルタ及びその製造方法)
本発明のカラーフィルタは、基板と、該基板上に本発明の着色組成物からなる着色領域と、を設けて構成されたものである。基板上の着色領域は、カラーフィルタの各画素をなす例えば赤(R)、緑(G)、青(B)等の着色膜で構成されている。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、既述の着色組成物を支持体上に付与して着色層(着色組成物層)を形成する着色層形成工程(A)と、工程(A)にて形成された着色層に対してパターン様の露光をして潜像を形成する露光工程(B)と、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する現像工程(C)と、を有する。また、本発明のカラーフィルタの製造方法では、特に、工程(B)で形成された着色パターンに対して紫外線を照射する工程を設けてもよく、工程(C)で得られた着色パターンに対して加熱処理を行なう工程(D)を更に設けた態様が好ましい。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について、より具体的に説明する。
−工程(A)−
本発明のカラーフィルタの製造方法では、まず、支持体上に、既述の本発明の着色組成物を回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布、インクジェット等の塗布方法により付与して着色層を形成し、その後、該着色層を加熱(プリベーク)又は真空乾燥などで乾燥させる。
支持体としては、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等に用いられるソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、シリコン基板、樹脂基板などが挙げられる。また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
プリベークの条件としては、ホットプレートやオーブンを用いて、70℃〜130℃で、0.5分間〜15分間程度加熱する条件が挙げられる。
また、着色組成物により形成される着色層の厚みは、目的に応じて適宜選択される。液晶表示装置、有機EL表示装置等用カラーフィルタにおいては、0.2μm〜5.0μmの範囲が好ましく、1.0μm〜4.0μmの範囲が更に好ましい。また、固体撮像素子用カラーフィルタにおいては、0.2μm〜5.0μmの範囲が好ましく、0.3μm〜2.5μmの範囲が更に好ましい。なお、着色層の厚みは、乾燥後の膜厚である。
−工程(B)−
続いて、本発明のカラーフィルタの製造方法では、支持体上に形成された着色層に対して、パターン様の露光が行なわれる。露光に適用し得る光もしくは放射線としては、g線、h線、i線、各種レーザー光が好ましく、特にi線が好ましい。照射光にi線を用いる場合、5mJ/cm〜500mJ/cmの露光量で照射することが好ましい。
また、その他の露光光源としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、各種レーザー光源、等が使用できる。
〜レーザー光源を用いた露光工程〜
レーザー光源を用いた露光方式では照射光は、波長が300nm〜410nmの範囲である波長の範囲の紫外光レーザーが好ましく、さらに好ましくは300nm〜360nmの範囲の波長である。具体的には、特に出力が大きく、比較的安価な固体レーザーのNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)や、エキシマレーザーのXeCl(308nm)、XeF(353nm)を好適に用いることができる。パターン露光量としては、生産性の観点から、1mJ/cm〜100mJ/cmの範囲が好ましく、1mJ/cm〜50mJ/cmの範囲がより好ましい。
露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto(ブイテクノロジー株式会社製)やEGIS(ブイテクノロジー株式会社製)やDF2200G(大日本スクリーン株式会社製などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
−工程(C)−
続いて、露光後の着色層に対して、現像液にて現像が行なわれる。これにより、着色パターンを形成することができる。現像液は、着色層の未硬化部を溶解し、硬化部を溶解しないものであれば、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性水溶液を用いることができる。現像液がアルカリ性水溶液である場合、アルカリ濃度が好ましくはpH10〜13となるように調整するのがよい。前記アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性水溶液が挙げられる。
現像時間は、30秒〜300秒が好ましく、更に好ましくは30秒〜120秒である。現像温度は、20℃〜40℃が好ましく、更に好ましくは23℃である。
現像は、パドル方式、シャワー方式、スプレー方式等で行なうことができる。
また、アルカリ性水溶液を用いて現像した後は、水で洗浄することが好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、特に、着色組成物を用いて形成された着色パターン(画素)に対して、紫外線照射による後露光もしくは残渣除去を行なうこともできる。
−工程(D)−
現像後の着色パターンに対して、あるいは上記のような紫外線照射が行なわれた着色パターンに対して、さらに加熱処理を行なうことが好ましい。形成された着色パターンを加熱処理(いわゆるポストベーク処理)することにより、着色パターンを更に硬化させることができる。この加熱処理は、例えば、ホットプレート、各種ヒーター、オーブンなどにより行なうことができる。
加熱処理の際の温度としては、100℃〜300℃であることが好ましく、更に好ましくは、150℃〜250℃である。また、加熱時間は、10分〜120分程度が好ましい。
このようにして得られた着色パターンは、カラーフィルタにおける画素を構成する。複数の色相の画素を有するカラーフィルタの作製においては、上記の工程(A)、工程(B)、工程(C)、および工程(D)を所望の色数に合わせて繰り返せばよい。
なお、単色の着色層の形成、露光、現像が終了する毎に(1色毎に)、前記工程(D)を行なってもよいし、所望の色数の全ての着色層の形成、露光、現像が終了した後に、一括して前記工程(D)を行なってもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)は、本発明の着色組成物を用いていることから、色相及びコントラストに優れている。液晶表示装置、有機EL表示装置等に用いた場合、良好な色相を達成しながら、分光特性及びコントラストに優れた画像の表示が可能になる。
また、固体撮像素子に適用した場合には、色ムラのない解像力の高い画像が得られる。
<液晶表示装置、有機EL表示装置等の表示装置>
本発明の液晶表示装置、有機EL表示装置等の表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを備えたものである。液晶表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。また、本発明のカラーフィルタは、COA(Color−filter On Array)方式にも供することが可能である。
本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に、赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えたものである。本発明のカラーフィルタは、色ムラが小さく、良好な色分解性を有するものであり、このカラーフィルタを備えた固体撮像素子は優れた色再現性を得ることが可能となる。
固体撮像素子の構成としては、本発明のカラーフィルタを備え、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、次のような構成が挙げられる。
即ち、支持体上に、固体撮像素子(CCD、CMOS等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、その上に、本発明のカラーフィルタを設け、次いで、マイクロレンズを積層する構成である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
−染料化合物−
(A−1)染料:下記構造で表される化合物(溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度は16%であった。)
(A−2)染料:前記一般式(I−3)で表されるジピロメテン金属錯体化合物の例示化合物IV−A(溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度は6%であった。)
(A−3)染料:下記構造で表される化合物(溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度は4%であった。)
(A−4)染料:下記構造で表される化合物(溶剤シクロヘキサノンに対する溶解度は3%であった。)
(A−5)染料:下記構造(4)で表される化合物(溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルに対する溶解度は2%であった。)
(A−6)染料:下記構造(5)で表される化合物(溶剤シクロヘキサノンに対する溶解度は4%であった。)
(A−7)染料:下記構造で表される化合物(溶剤シクロヘキサノンに対する溶解度は3%であった。)
(A−8)染料:下記構造で表される化合物(溶剤シクロヘキサノンに対する溶解度は3%であった。)
(A−9)染料:下記構造で表される化合物(溶剤シクロヘキサノンに対する溶解度は5%であった。)
(A−10)染料:下記構造で表される化合物(溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度は5%であった。)
(A−11)染料:下記構造で表される化合物(溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度は5%であった。)
(A−12)染料:下記構造で表される化合物(溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度は5%であった。)
(A−13)染料:下記構造で表される化合物(溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度は5%であった。)
ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミン
(B−1) アデカスタブ AO−60
(B−2) スミライザー GA−80
(B−3) Irganox E 201
(B−4) アデカスタブ LA−68
(B−5) 前記ヒンダードフェノール化合物の具体例(50)の化合物
(B−6) 下記構造の化合物
(B−7) アデカスタブ LA−52
比較化合物 (リン系酸化防止剤)
(B−8) イルガフォス168:亜りん酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)

(B−6)
(C−1)C.I.ピグメントグリーン58を14部と、アクリル系顔料分散剤3.4部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート82.6部と混合し、ビーズミルを用いて、顔料を充分に分散させて得られた顔料分散液。
(C−2)C.I.ピグメントブルー15:6を12.8部とアクリル系顔料分散剤 7.2部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80.0部と混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させて得られた顔料分散液。
(C−3)C.I.ピグメントブルー15:6を9.9部とアクリル系顔料分散剤 6.9部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート83.2部と混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させて得られた顔料分散液。
(D−1)光重合性化合物:カヤラドDPHA(日本化薬(株)製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(D−2)光重合性化合物:東亜合成(株)製、アロニックス TO−2349
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのカルボン酸付加体混合物
(E−1)バインダー樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(70/30[モル比]、重量平均分子量:30000、固形分40.0%)
(E−2)バインダー樹脂:(シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸/グリシジルメタクリレートとメタクリル酸の付加物(30/30/40[モル比]、重量平均分子量:28000、固形分45%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)
(E−3)バインダー樹脂:(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(70/30[モル比]、重量平均分子量26800)
(F−1)光重合開始剤:2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン
(F−2)光重合開始剤:2−(アセトキシイミノ)−4−(4−クロロフェニルチオ)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−ブタノン
(F−3)光重合開始剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(G−1)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(G−2)溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル
(H−1)界面活性剤:メガファックF781−F(DIC(株)製)
(H−2)界面活性剤:メガファックF554(DIC(株)製)
(実施例1)
−着色組成物1の調製−
下記組成の各成分を混合して、着色組成物1を調製した。
<組成>
・染料:前記(A−1)・・・4.7部
・重合性化合物:前記(D−1)・・・103.4部
・アルカリ可溶性バインダー:前記(E−1)・・・212.2部(固形分換算値:84.9部)
・光重合開始剤1:前記(F−1)・・・21.2部
・光重合開始剤2:前記(F−3)・・・3.5部
・有機溶剤1:前記(G−1)・・・71.9部
・有機溶剤2:前記(G−2)・・・3.6部
・界面活性剤:前記(H−1)・・・0.06部
・ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミン:前記(B−1)・・・2.28部
−着色層を有する基板の作製−
ガラス(#1737;コーニング社製)基板上に、上記で得た着色組成物1をスピンコート法で塗布した後、80℃、2分間で揮発成分を揮発させて着色層1を形成した。冷却後、この着色層1にi線〔波長365nm〕を照射して露光した。i線の光源には超高圧水銀ランプを用い、平行光としてから照射した。照射光量は50mJ/cmとした。次いで、230℃で20分間のポストベークを行ない、膜厚2μmの着色層を有する基板を得た。
(実施例2〜18、比較例1〜10)
実施例1において、表1のように染料の種類、および、ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミンの種類を変更した以外は、実施例1と同様にして、各着色組成物を調製した。得られた各着色組成物を用いて実施例1の着色層を有する基板の作製と同様にして、実施例2〜18、および比較例1〜10の着色層を有する基板を得た。
表1で「−」は添加しなかったことを示す。
(実施例19)
下記組成の各成分を混合して、着色組成物19を調製した。
<組成>
・染料1:前記(A−2)・・・4.7部
・染料2:前記(A−1)・・・2.3部
・重合性化合物:前記(D−1)・・・103.4部
・アルカリ可溶性バインダー:前記(E−1)・・・212.2部(固形分換算値:84.9部)
・光重合開始剤1:前記(F−1)・・・21.2部
・光重合開始剤2:前記(F−3)・・・3.5部
・有機溶剤:前記(G−1)・・・71.9部
・有機溶剤:前記(G−2)・・・3.6部
・界面活性剤:前記(H−1)・・・0.06部
・ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミン:前記(B−1)・・・2.28部
着色層を有する基板の作製は得られた着色組成物を用いて、実施例1と同様に行い、実施例19の着色層を有する基板を得た。
(実施例20、比較例11〜12)
実施例19において、表2のように染料1および染料2の種類、および、ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミンの種類を変更した以外は、実施例19と同様にして、各着色組成物を調製した。得られた各着色組成物を用いて実施例19の着色層を有する基板の作製と同様にして、実施例20、および比較例11〜12の着色層を有する基板を得た。
表2で「−」は添加しなかったことを示す。
(実施例21)
下記組成の各成分を混合して、着色組成物21を調製した。
<組成>
・染料1:前記(A−2)・・・4.7部
・染料2:前記(A−1)・・・2.3部
・顔料分散液:前記(C−2)・・・42.1部
・重合性化合物:前記(D−1)・・・103.4部
・アルカリ可溶性バインダー:前記(E−1)・・・212.2部(固形分換算値:84.9部)
・光重合開始剤1:前記(F−1)・・・21.2部
・光重合開始剤2:前記(F−3)・・・3.5部
・有機溶剤1:前記(G−1)・・・71.9部
・有機溶剤2:前記(G−2)・・・3.6部
・界面活性剤:前記(H−1)・・・0.06部
・ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミン:前記(B−1)・・・2.28部
着色層を有する基板の作製は得られた着色組成物を用いて、実施例1と同様に行い、実施例21の着色層を有する基板を得た。
(実施例22〜25、比較例13〜15)
実施例21において、表3のように染料1および染料2の種類、顔料分散液の種類、および、ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミンの種類と量を変更した以外は、実施例17と同様にして、各着色組成物を調製した。得られた各着色組成物を用いて実施例21の着色層を有する基板の作製と同様にして、実施例22〜25、および比較例13〜15の着色層を有する基板を得た。
表3で「−」は添加しなかったことを示す。
(実施例26)
下記組成を混合して、着色組成物22を調製した。
<組成>
・染料:前記(A−7)・・・4.1部
・顔料分散液:前記(C−1)・・・22.1部
・重合性化合物:前記(D−1)・・・103.4部
・アルカリ可溶性バインダー:前記(E−1)・・・212.2部(固形分換算値:84.9部)
・光重合開始剤1:前記(F−1)・・・21.2部
・光重合開始剤2:前記(F−3)・・・3.5部
・有機溶剤1:前記(G−1)・・・71.9部
・有機溶剤2:前記(G−2)・・・3.6部
・界面活性剤:前記(H−1)・・・0.06部
・ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミン:前記(B−1)・・・2.28部
着色層を有する基板の作製は得られた着色組成物を用いて、実施例1と同様に行い、実施例22の着色層を有する基板を得た
(実施例27、比較例16〜17)
実施例26において、表4のように染料の種類、および、ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミンの種類を変更した以外は、実施例26と同様にして、各着色組成物を調製した。得られた各着色組成物を用いて実施例26の着色層を有する基板の作製と同様にして、実施例27、および比較例16〜17の着色層を有する基板を得た。
表4で「−」は添加しなかったことを示す。
(実施例28)
下記の各成分を混合、溶解し、着色組成物を調製し、実施例1と同様にして着色層を形成すると共に、評価を行なった。評価結果は表5に示す。
・有機溶剤:前記(G−1)・・・31.6部
・アルカリ可溶性バインダー:前記(E−2)・・・1.3部
・アルカリ可溶性バインダー:前記(E−3)・・・3.4部
・重合性化合物:前記(D−1)・・・4.2部
・重合性化合物:前記(D−2)・・・1.4部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール・・・0.003部
・光重合開始剤:前記(F−1)・・・0.39部
・光重合開始剤:前記(F−2)・・・0.11部
・光重合開始剤:前記(F−3)・・・0.27部
・密着改良剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン・・・0.16部
・フッ素系界面活性剤:前記(H−2)0.2%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液・・・5.36部
・顔料分散液:前記(C−3)・・・22.0部
・染料溶液1:下記に記載・・・4.7部
・染料溶液2:下記に記載・・・25.1部
・ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミン:前記(B−1)・・・0.05部
なお、染料溶液1は下記の各成分を混合、溶解し、染料溶液を作成した。
・有機溶剤:前記(G−1)・・・4.23部
・染料1:前記(A−1)・・・0.47部
また、染料溶液2は下記の各成分を混合、溶解し、染料溶液を作成した。
・有機溶剤:前記(G−1)・・・23.94部
・染料2:前記(A−2)・・・0.04部
・染料3:前記(A−10)・・・1.22部
(実施例29〜33、比較例18〜20)
実施例28において、表5のように染料1および染料2の種類、および、ヒンダードフェノールまたはヒンダードアミンの種類を変更した以外は、実施例28と同様にして、各着色組成物を調製した。得られた各着色組成物を用いて実施例28の着色層を有する基板の作製と同様にして、実施例29〜33、および比較例18〜20の着色層を有する基板を得た。
表5で「−」は添加しなかったことを示す。
(コントラスト・輝度の評価)
上記で得られた各着色層を有する基板について、下記の方法により評価した。評価結果を、表1〜表5に示す。
得られた各着色層を有する基板を2枚の偏光フィルムの間に挟み、2枚の偏光フィルムの偏光軸が平行な場合、及び垂直な場合の輝度の値を色彩輝度計(トプコン(株)製、型番:BM−5A)を使用して測定し、2枚の偏光フィルムの偏光軸が平行な場合の輝度を垂直な場合の輝度で除して、得られた値をコントラストとして求めた。コントラストが高いほど、液晶表示装置用のカラーフィルタとして良好な性能を示す。
輝度は、オリンパス(株)製の顕微分光測定装置OSP−SP200を用いて測定し、Y値により評価した。Y値が高いほど、液晶表示装置用のカラーフィルタとして良好な性能を示す。
前記表1〜表5に示すように、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれるいずれか1種の溶剤に1質量%以上溶解する染料と、ヒンダードフェノール化合物、またはヒンダードアミン化合物を用いた実施例では、ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物を用いていない比較例よりも輝度(Y値)、およびコントラストを向上させることができた。
なお、上記の実施例では、ヒンダードフェノール化合物、またはヒンダードアミン化合物としてB−1〜B−7を用いた場合を中心に説明したが、B−1〜B−7以外のヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物を用いた場合にも同様の効果を得ることができる。

Claims (10)

  1. (A)プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびシクロヘキサノンからなる群から選ばれるいずれか1種の溶剤に1質量%以上溶解する染料と、(B)ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、を含有するカラーフィルタ用着色組成物。
  2. 前記(B)ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物の前記着色組成物中の全固形分に対する総含有量が、0.02〜8.00質量%の範囲である請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 前記(A)染料が、下記一般式(I)で表される構造が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン金属錯体化合物、および下記一般式(II)〜一般式(X)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ着色組成物。

    一般式(I)において、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。

    一般式(II)において、Aは、5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾリジンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシド、及び3−ジシアノメチン−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシドからなる群より選ばれる化合物由来の酸性核を表す。L、L、及びLはメチンを表す。R33及びR34は、各々独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、又は水素原子を表し、R35は、水素原子、メトキシ基、塩素原子、メチル基、又はニトロ基を表す。n1は、0又は1を表す。但し、分子中にカルボキシル基、スルホンアミド基、及びスルファモイル基から選ばれる少なくとも1つを有する。

    一般式(III)において、R41は、ヘテロ環基を表し、R42は、水素原子又は置換
    基を表す。R43、R44、R45、R46、R47、及びR48は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。R43とR44、R45とR46、およびR47とR48は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。

    一般式(IV)において、R21、R22、R23、R24、R25、及びR26は、各々独立に、水素原子又は一価の置換基を表し、R22とR23とは互いに結合して5〜7員の複素環を形成していてもよい。Aは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又は複素環基を表す。n2は、0、1、2、又は3を表し、n2が2以上のとき、複数存在するR25及びR26はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。

    一般式(V)において、R61、R62、R63、及びR64は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は−SONH−R66を表し、R65は水素原子、アルキル基、アリール基、−SOH、又は−SONH−R66を表す。R66は、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアルキルカルボニルオキシ基を表す。n3は、0又は1以上の整数を表すが、n3が0のときには、R61〜R65の少なくとも1つは置換基として−SONH−R66を有するアリール基を表す。

    一般式(VI)において、R71は、炭素数2〜20のアルキル基、アルキル鎖の炭素数が2〜12のシクロヘキシルアルキル基、アルキル鎖の炭素数が1〜4のアルキルシクロヘキシル基、炭素数2〜12のアルコキシル基で置換された炭素数2〜12のアルキル基、L71−CO−O−L72−で表されるアルキルカルボキシルアルキル基、L73−O−CO−L74−で表されるアルキルオキシカルボニルアルキル基、炭素数1〜20のアルキル基で置換されたフェニル基、又はフェニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基を表す。L71は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L72は、炭素数2〜12のアルキレン基を表し、L73は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L74は、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。R72、R73、R74、及びR75は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシル基、又はハロゲン原子を表す。

    一般式(VII)において、Z及びZは、各々独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す
    。R81、R82、R83、及びR84は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基が置換した炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換した炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜8のチオアルコキシ基が置換した炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基を表す。R85、R86、R87、R88、R89、R51、R52、及びR53は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、又はN−置換スルファモイル基を表し、R85〜R89、及びR51〜R53の少なくとも1つはN−置換スルファモイル基を表す。

    一般式(VIII)において、R91、R92、及びR93は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はスルホン酸基を表し、Aは、下記(a)〜(d)で表されるいずれかの基を表す。n4は、1又は2の整数を表す。R94、R95、及びR96は、各々独立に、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、又は−SON(R97)(R98)を表し、R97及びR98は各々独立に水素原子、アルキル基、又はフェニル基を表す。R91〜R96の少なくとも1つはスルホン酸基を表す。式(a)〜(d)中、*は結合位置を表す。


    一般式(IX)において、R97及びR98は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表すが、R97とR98とが同時に水素原子を表すことはない。n5は、1〜4の整数を表し、n5が2〜4の整数である場合、複数のNR9798は同一でも異なっていてもよい。

    一般式(X)中、B、及びBは、各々独立に、アリール基又はヘテロ環基を表す。
  4. 前記(A)染料が、前記一般式(I)で表される構造が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン金属錯体化合物、並びに前記一般式(V)、一般式(IX)、および一般式(X)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 前記(B)ヒンダードフェノール化合物、およびヒンダードアミン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物が、下記一般式(i)、一般式(ii)、または一般式(iii)で表されるいずれか1種の化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。

    一般式(i)中、Rは第二級又は第三級アルキル基を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又はアルコキシカルボニルアルキル基を表す。
    一般式(ii)中、Rは第二級又は第三級アルキル基を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表し、R10は、エステル、エーテル、もしくはアミド結合を有していてもよい炭化水素基、又は硫黄原子を表し、pは2〜4の整数を表す。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて作製したカラーフィルタ。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を支持体上に付与して着色層を形成する着色層形成工程と、前記着色層に対してパターン様の露光をして潜像を形成する露光工程と、前記潜像が形成された着色層を現像してパターンを形成する現像工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
  8. 請求項6に記載のカラーフィルタを具備する液晶表示装置。
  9. 請求項6に記載のカラーフィルタを具備する有機EL表示装置。
  10. 請求項6に記載のカラーフィルタを具備する固体撮像素子。
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