JP2012093696A - カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、アントラキノン化合物、並びに液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、アントラキノン化合物、並びに液晶表示装置 Download PDF

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一真 両角
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壮二 石坂
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成一 鈴木
Junichi Ito
純一 伊藤
Kazumi Arai
一巳 新居
Kazunari Yagi
一成 八木
Yoshihiko Fujie
賀彦 藤江
Tomohiro Kodama
知啓 児玉
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Abstract

【課題】染料を用いてコントラストの高い着色画像の形成が可能なカラーフィルタ用着色組成物を提供する。
【解決手段】一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物などの染料化合物からなる群より選択される化合物と、アントラキノン化合物とを含有するカラーフィルタ用着色組成物である〔一般式(I)中、R〜R:水素原子、置換基、R:水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基〕。前記アントラキノン化合物は、一般式(IX)で表される化合物が好ましい〔一般式(IX)中、R11a、R12a:水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基(R11a及びR12aは同時に水素原子を表さない)、n11=1〜4(n11=2〜4のとき、複数のNR11a12aは同一でも異なっていてもよい)〕。

【選択図】なし

Description

本発明は、染料を着色剤として含むカラーフィルタ用着色組成物、並びにカラーフィルタ及びその製造方法、アントラキノン化合物、並びに液晶表示装置に関する。
液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタを作製する方法の1つとして、顔料分散法が広く利用されている。顔料分散法としては、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用い、フォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法がある。この方法は、顔料を含有するために光や熱に対して安定であると共に、フォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が充分に確保され、カラーディスプレー用カラーフィルタのなどの作製に好適な方法とされている。
カラーフィルタの作製に用いられる着色剤としては、顔料だけでなく、染料などの顔料以外の色素化合物も広く検討されている。そのうち、染料としては、ピロメテン系染料、ピリミジンアゾ系染料、ピラゾールアゾ系染料、キサンテン系染料など、多種多様な色素母体を持つ化合物が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
着色剤として染料を使用すると、染料自体の色純度やその色相の鮮やかさにより、画像表示させたときの表示画像の色相や輝度を高めることができる点で有用とされている。
また、染料として特定のアントラキノン化合物を用いると、コントラスト等に優れたカラーフィルタが得られることが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2008−292970号公報 特開2007−039478号公報 特許第3387541号 特開2001−108815号公報
本発明は、上記従来の技術に鑑みなされたものである。すなわち、本発明は、染料を使用することで色相や輝度を高めつつ、高いコントラストが得られるカラーフィルタ用着色組成物、色相が良好でコントラストの高い画像の表示が可能なカラーフィルタ及びその製造方法並びに液晶表示装置、並びに色相の良好なアントラキノン化合物を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、鋭意検討を行なった結果、アントラキノン化合物と特定の染料化合物とを用いて画像形成すると、従来よりも更に大幅にコントラストを高めることができることを見出し、本発明を完成した。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 下記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物及び下記一般式(II)〜一般式(VIII)のいずれかで表される染料化合物からなる群より選択される少なくとも一種と、アントラキノン化合物(アントラセン−9,10−ジオン骨格を有する化合物)と、を含有するカラーフィルタ用着色組成物である。
前記一般式(I)において、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
前記一般式(II)において、Aは、5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾリジンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシド、及び3−ジシアノメチン−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシドからなる群より選ばれる化合物由来の酸性核を表す。L、L、及びLはメチンを表す。R33及びR34は、各々独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、又は水素原子を表し、R35は、水素原子、メトキシ基、塩素原子、メチル基、又はニトロ基を表す。nは、0又は1を表す。但し、A及びR33〜R35の少なくとも1つに結合する置換基として、分子中にカルボキシル基、スルホンアミド基、及びスルファモイル基から選ばれる少なくとも1つを有する。
前記一般式(III)において、R41は、ヘテロ環基を表し、R42は、水素原子又は
置換基を表す。R43、R44、R45、R46、R47、及びR48は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。R43とR44、R45とR46、R47とR48は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。
前記一般式(IV)において、Ra1、Ra2、Ra3、Rb1、Rb2、及びRb3は、各々独立に、水素原子又は一価の置換基を表し、Ra2とRa3とは互いに結合して5〜7員の複素環を形成していてもよい。Aは、置換もしくは無置換の脂肪族基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換の複素環基を表す。nは、0、1、2、又は3を表し、nが2以上のとき、複数存在するRb2及びRb3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(V)において、R61、R62、R63、及びR64は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、アリール基、又は−SONH−Rを表し、R65は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、アリール基、−SOH、又は−SONH−Rを表す。Rは、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアルキルカルボニルオキシ基を表す。nは、0又は1以上の整数を表すが、nが0のときには、R61〜R65の少なくとも1つは置換基として−SONH−Rを有するアリール基を表す。
前記一般式(VI)において、R71は、炭素数2〜20のアルキル基、アルキル鎖の炭素数が2〜12のシクロヘキシルアルキル基、アルキル鎖の炭素数が1〜4のアルキルシクロヘキシル基、炭素数2〜12のアルコキシル基で置換された炭素数2〜12のアルキル基、L71−CO−O−L72−で表されるアルキルカルボキシルアルキル基、L73−O−CO−L74−で表されるアルキルオキシカルボニルアルキル基、炭素数1〜20のアルキル基で置換されたフェニル基、又はフェニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基を表す。L71は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L72は、炭素数2〜12のアルキレン基を表し、L73は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L74は、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。R72、R73、R74、及びR75は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシル基、又はハロゲン原子を表す。
前記一般式(VII)において、Z及びZは、各々独立に、酸素原子又は硫黄原子を
表す。R81、R82、R83、及びR84は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、ヒドロキシ基が置換した炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシル基が置換した炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のチオアルコキシル基が置換した炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基を表す。R85、R86,R87、R88、R89、R110a、R111a、及びR112aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜10のハロゲン化飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシル基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、又はN−置換スルファモイル基を表し、R85〜R89及びR110a〜R112aの少なくとも1つはN−置換スルファモイル基を表す。
前記一般式(VIII)において、R91、R92、及びR93は、水素原子、ハロゲン原子、又はスルホン酸基を表し、Aは、下記(a)〜(d)のいずれかを表す。lは、1又は2の整数を表す。R94、R95、及びR96は、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、又は−SON(R97)(R98)を表し、R97及びR98は各々独立に水素原子、炭素数1〜8の低級アルキル基、又はフェニル基を表す。R91〜R96の少なくとも1つはスルホン酸基を表す。
<2> 前記アントラキノン化合物が、下記一般式(IX)で表される化合物である前記<1>に記載のカラーフィルタ用着色組成物である。
前記一般式(IX)において、R11a及びR12aは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表すが、R11aとR12aとが同時に水素原子を表すことはない。n11は、1〜4の整数を表し、n11が2〜4の整数である場合、複数のNR11a12aは同一でも異なっていてもよい。
<3> 前記一般式(IX)で表される化合物は、下記一般式(X)で表されるジアミノアントラキノン化合物である前記<2>に記載のカラーフィルタ用着色組成物である。
前記一般式(X)において、R21a及びR22aは、各々独立に、アルキル基、又はアリール基を表す。
<4> 前記一般式(X)で表される化合物は、下記一般式(XI)で表されるジアミノアントラキノン化合物である前記<3>に記載のカラーフィルタ用着色組成物である。
前記一般式(XI)において、R31a、R32a、R33a、及びR34aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。R35a及びR36aは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホ基もしくはその塩、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基、又はフェノキシスルホニル基を表す。n31及びn32は、各々独立に0〜2の整数を表し、n31、n32が2の場合、複数のR35a、R36aは同一でも異なっていてもよい。
<5> 前記一般式(XI)で表される化合物は、下記一般式(XII)又は下記一般式(XIII)で表されるジアミノアントラキノン化合物より選択される化合物である前記<4>
に記載のカラーフィルタ用着色組成物である。
前記一般式(XII)において、R41a、R42a、R43a、及びR44aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。R45a、R46a、R47a、及びR48aは、各々独立に、アルキル基、スルホ基もしくはその塩、又はアミノスルホニル基を表す。R45a及びR47aのいずれか一方と、R46a及びR48aのいずれか一方とは、スルホ基もしくはその塩、又はアミノスルホニル基を表す。
前記一般式(XIII)において、R51a、R52a、R53a、及びR54aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。R55a及びR56aは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表し、R57a及びR58aは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。L51a及びL52aは、各々独立に二価の連結基を表し、L53a及びL54aは、各々独立に、酸素原子又は−NH−基を表す。
<6> 更に、重合性化合物と光重合開始剤とを含む前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ用着色組成物である。
<7> 前記アントラキノン化合物の総含有量が、前記染料化合物の総量の50質量%以下である前記<1>〜前記<6>のいずれか1に記載のカラーフィルタ用着色組成物である。
<8> 基板と、該基板上に前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された着色領域とを有するカラーフィルタである。
<9> 前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載の着色組成物を支持体上に塗布し、着色層を形成する工程と、形成された前記着色層をパターン状に露光し、現像して着色領域を形成する工程と、を有するカラーフィルタの製造方法である。
<10> 前記<8>に記載のカラーフィルタ、又は前記<9>に記載のカラーフィルタの製造方法で作製されたカラーフィルタを備えた液晶表示装置である。
<11> 下記一般式(XIV)で表されるアントラキノン化合物である。
前記一般式(XIV)において、RX1は、メチル基又はエチル基を表し、RX2及びRX3は、各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基を表す。X4は、0又は1を表す。
本発明によれば、染料を使用することで色相や輝度を高めつつ、高いコントラストが得られるカラーフィルタ用着色組成物を提供することができる。また、
本発明によれば、色相が良好でコントラストの高い画像の表示が可能なカラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置を提供することができる。さらに、
本発明によれば、色相が良好なアントラキノン化合物を提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物について詳細に説明すると共に、これを用いた本発明のカラーフィルタ及びその製造方法並びに液晶表示装置、並びに新規なアントラキノン化合物についても詳細に説明する。
<カラーフィルタ用着色組成物>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、以下に示す一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物、及び以下に示す一般式(II)〜一般式(VIII)のいずれかで表される染料化合物からなる群より選択される化合物と、アントラキノン化合物と、を少なくとも用いて構成されたものであり、好ましくは、更に重合性化合物、光重合開始剤を用いて感光性に構成される。
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、必要に応じて、更に、アルカリ可溶性樹脂等のバインダー、有機溶剤など、並びに各種添加剤を用いて構成することができる。
本発明は、染料化合物とともにアントラキノン化合物を存在させることで、驚くべきことに、所望の色相を損なうことなく、色相が良好でコントラストの高い着色画像の形成が可能になる。これにより、例えば液晶表示装置により画像表示させた際には、色相低下を防いで画像の色合い、輝度を高く維持しながら、色彩や色の濃淡の明瞭な画像表示を行なうことができる。
以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。なお、以下において、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を単に「本発明の着色組成物」又は「着色組成物」と称することがある。
なお、本明細書中において、「〜」は、その下限の値以上その上限の値以下の範囲を表す。
(アントラキノン化合物)
本発明の着色組成物は、アントラキノン化合物の少なくとも一種を含有する。このアントラキノン化合物の含有により、理由は定かではないが、コントラストを効果的に高めることができる。
本発明におけるアントラキノン化合物は、400〜700nmに吸収極大を有する化合物であり、本発明において好ましくは、500〜700nmに吸収極大を有し、特に好ましくは550〜700nmに吸収極大を有するアントラキノン化合物である。このような吸収極大を有するアントラキノン化合物であれば、特に構造上限定されるものではなく、コントラスト向上効果に優れる。
本発明におけるアントラキノン化合物の中でも、好ましくは下記一般式(IX)で表されるジアミノアントラキノン化合物である。
このジアミノアントラキノン化合物のうち、吸収特性の観点から、下記一般式(X)で表される化合物がより好ましく、また熱安定性の観点から、以下に示す一般式(XI)で表される化合物がより好ましく、更には、吸収特性と熱安定性の両立の観点からは、以下に示す一般式(XII)又は一般式(XIII)で表される化合物が特に好ましい。
まず、下記一般式(IX)で表されるアミノアントラキノン化合物について説明する。
前記一般式(IX)において、R11a及びR12aは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表すが、R11aとR12aとが同時に水素原子を表すことはない。
11a、R12aで表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
11a、R12aで表されるアリール基として好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル、o−メチルフェニル、p−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジエチルフェニルビフェニル、2,6−ジブロモフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。
11a、R12aで表されるヘテロ環基として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含む。ヘテロ環基としては、例えば、イミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ナフトチアゾリル、ベンズオキサゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。
また、R11a、R12aで表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基は、更に置換基を有してもよい。
置換基を有する場合の置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10のアミノ基であり、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基が含まれる。具体的な例としては、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、芳香族ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12の芳香族へテロ環オキシ基であり、例えば、ピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアシル基であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、
芳香族ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12の芳香族ヘテロ環チオ基であり、例えば、ピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基であり、ヘテロ原子としては例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子がふくまれる。具体的な例としては、例えば、イミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は、更に置換されてもよい。
前記一般式(IX)において、n11は、1〜4の整数を表し、n11が2〜4の整数である場合、複数のNR11a12aは同一でも異なっていてもよい。
次に、一般式(X)で表されるジアミノアントラキノン化合物について説明する。
前記一般式(X)において、R21a及びR22aは、各々独立に、アルキル基、又はアリール基を表す。
21a、R22aで表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
21a、R22aで表されるアリール基として好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル、o−メチルフェニル、p−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジエチルフェニルビフェニル、2,6−ジブロモフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。
また、前記R21a、R22aで表されるアルキル基、アリール基は、更に置換基を有してもよく、置換基の例としては、前記一般式(IX)中のR11a、R12aで表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基の置換基として既述した例が挙げられる。中でも、該置換基の例としては、好ましくは、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、スルホニル基、ウレイド基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、スルホ基、カルボキシル基などである。これらの詳細及び好ましい態様については、既述の例の通りである。
次に、一般式(XI)で表されるジアミノアントラキノン化合物について説明する。
前記一般式(XI)において、R31a、R32a、R33a、及びR34aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
31a、R32a、R33a、R34aで表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜2のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
31a、R32a、R33a、R34aで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記一般式(XI)において、R35a及びR36aは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホ基もしくはその塩、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基、又はフェノキシスルホニル基を表す。
35a、R36aで表されるアルキル基は、前記R31a、R32a、R33a、R34aで表されるアルキル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
35a、R36aで表されるアルコキシ基は、好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。
35a、R36aで表されるアリールオキシ基は、好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。
35a、R36aで表されるスルホ基及びその塩は、スルホン酸基及びスルホン酸塩に由来の基が好ましい。スルホン酸塩は、4級アンモニウム塩又はアミンの塩が好ましく、炭素数4〜30(好ましくは10〜30、より好ましくは15〜30)のスルホン酸塩が特に好ましい。
35a、R36aで表されるアミノスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜15のアミノスルホニル基であり、具体例として、エチルアミノスルホニル基、プロピルアミノスルホニル基、イソプロピルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、イソブチルアミノスルホニル基、sec−ブチルアミノスルホニル基、ペンチルアミノスルホニル基、イソペンチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、2−エチルヘキシルアミノスルホニル基、デシルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基などが挙げられ、またジアルキルアミノスルホニル基として、ジメチルアミノスルホニル基、ジエチルアミノスルホニル基、ジプロピルアミノスルホニル基、ジイソプロピルアミノスルホニル基、ジブチルアミノスルホニル基、ジsec−ブチルアミノスルホニル基、ジsec−プロピルアミノスルホニル基、ジヘキシルアミノスルホニル基、メチルエチルアミノスルホニル基、メチルブチルアミノスルホニル基、エチルブチルアミノスルホニル基、フェニルメチルアミノスルホニル基などが挙げられる。このうち、特にアルキル部位の炭素数が4〜15のジアルキルアミノスルホニル基が好ましい。
35a、R36aで表されるアルコキシスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜15、特に好ましくは4〜15のアルコキシスルホニル基であり、具体例として、ブチルスルホニル基、ヘキサンスルホニル基、デシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基などが挙げられる。
35a、R36aで表されるフェノキシスルホニル基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜15のフェノキシスルホニル基であり、具体例として、フェノキシスルホニル基、トリルスルホニル基などが挙げられる。
35a、R36aは、さらに置換基を有してもよく、該置換基の例としては、前記一般式(IX)中のR11a、R12aで表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基の置換基として既述した例が挙げられる。
前記一般式(XI)において、n31、n32は、0〜2の整数を表し、n31、n32が2の場合、複数のR35a、R36aは同一でも異なっていてもよい。
上記の中でも、下記一般式(XII)、下記一般式(XIII)、又は下記一般式(XIV)で表されるジアミノアントラキノン化合物より選択される化合物が好ましい。
[一般式(XII)で表されるジアミノアントラキノン化合物]
前記一般式(XII)において、R41a、R42a、R43a、及びR44aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、前記一般式(XI)中のR31a、R32a、R33a、R34aにおけるアルキル基、ハロゲン原子と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(XII)中のR45a、R46a、R47a、及びR48aは、各々独立に、アルキル基、スルホ基もしくはその塩、又はアミノスルホニル基を表す。R45a及びR47aのいずれか一方と、R46a及びR48aのいずれか一方とは、スルホ基もしくはその塩、又はアミノスルホニル基を表す。R45a、R46a、R47a、及びR48aは、前記一般式(XI)中のR35a、R36aで表されるアルキル基、スルホ基もしくはその塩、アミノスルホニル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
[一般式(XIII)で表されるジアミノアントラキノン化合物]
前記一般式(XIII)において、R51a、R52a、R53a、及びR54aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、一般式(XI)中のR31a、R32a、R33a、R34aにおけるアルキル基、ハロゲン原子と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(XIII)中、R55a及びR56aは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表し、該アルキル基は前記一般式(XI)中のR31a、R32a、R33a、R34aにおけるアルキル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、R57a及びR58aは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表し、該アルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
前記一般式(XIII)中、L51a及びL52aは、各々独立に二価の連結基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、−O−、−S−、−NR−、−SO−、−CO−、又はこれらの複数を組み合わせてなる二価の連結基が好ましい。L51a、L52aとしてより好ましくは、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のフェニレン基、スルホニルアミノ基、又はこれらの複数を組み合わせてなる二価の連結基であり、特に好ましくは、炭素数1〜10のアルキレン基、スルホニルアミノ基、又はこれらの複数を組み合わせてなる二価の連結基である。
前記炭素数1〜10のアルキレン基又はこれと−O−等とを組み合わせてなる二価の連結基としては、無置換でも置換基を有してもよく、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、エチレンアミノスルホニル基、プロピレンアミノスルホニル基、ブチレンアミノスルホニル基、ペンチレンアミノスルホニル基、1−メチルエチレンスルホニル基等が挙げられる。中でも、炭素数2〜10のアルキレンアミノスルホニル基(例:エチレンアミノスルホニル基、プロピレンアミノスルホニル基、ブチレンアミノスルホニル基、ペンチレンアミノスルホニル基)が好ましい。
前記炭素数6〜20のアリーレン基又はこれと−O−等とを組み合わせてなる二価の連結基としては、無置換でも置換基を有してもよく、例えば、フェニレン、ビフェニレン、フェニレンアミノスルホニル基等が挙げられ、中でも、炭素数6〜12のアリーレンアミノスルホニル基(例:フェニレンアミノスルホニル基など)が好ましい。
また、−NR−のRは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
前記一般式(XIII)中、L53a及びL54aは、各々独立に、酸素原子、又は−NH−基を表す。
[一般式(XIV)で表されるアントラキノン化合物]
前記一般式(XIV)において、RX1は、メチル基又はエチル基を表し、好ましくはエチル基である。
X2は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、オクチル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは1〜2のアルキル基である。
また、RX3は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、オクチル基等が挙げられる。好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは1〜4のアルキル基である。
また、X4は、0又は1を表し、好ましくは1である。
前記一般式(XIV)で表されるアントラキノン化合物は、ベンゼン環に置換した2つのSONH基に各々、−(CHX4CH(RX2)RX3で表される分岐構造を有しており、画像形成したときに、より高いY値とコントラストを実現することができる。
次に、アントラキノン化合物の合成方法について説明する。
アントラキノン化合物は、例えば、下記スキームに示すようにして合成することができる。まず、スルホンアミドが置換していないアントラキノン化合物(A)から、スルホン酸クロリド体(B)を合成した後、アミン化合物(例えばR'−NH(R':アルキル基などの置換基)等)にてアミド化を行ない、スルホンアミド体(C)を得る。
ここで、前記スルホン酸クロリド体(B)の製造方法について説明する。
スルホンアミドが置換していないアントラキノン化合物に対して、クロロスルホン酸を用いてクロロスルホニル化を行なうことで得ることができる。また、別法としては、硫酸もしくは発煙硫酸を用いてスルホン化した後に、クロロ化剤(塩化チオニル、オキサリルクロリド、オキシ塩化リン等)を用いて塩素化することで、目的物を得ることができる。
また、前記スルホンアミド体(C)の製造方法について説明する。
アミド化は、目的とする化合物構造に対応するアミン化合物(例えばR'−NH)と前記スルホン酸クロリド体(B)とを反応させることにより合成される。
合成に際して使用できる溶媒としては、アミド溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−tert−ブチルエーテル等)、アセトニトリル、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン、アセトン)、炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等)、水などが挙げられる。これらの溶媒は組み合わせて用いてもよい。また、使用するアミン化合物を溶媒を兼ねて用いてもよい。塩基を共存させることも好ましい。
前記アミン化合物としては、トリアルキルアミン(トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等)、ピリジン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等を挙げることができる。また、前記塩基としては、炭酸ソーダ、炭酸カリ、重炭酸ソーダ、重炭酸カリ、酢酸カリ、酢酸ソーダ、水酸化ソーダ、水酸化カリ等が挙げられる。精製は、必要に応じて行なえる。精製方法としては、カラムクロマトグラフィー、再結晶、晶析等が挙げられる。
上記のうち、本発明において好ましいアントラキノン化合物は、前記一般式(XII)、前記一般式(XIII)、又は一般式(XIV)で表されるジアミノアントラキノン化合物より選択される化合物であり、更には下記の場合が好ましい。すなわち、
前記一般式(XII)においては、R41a、R42a、R43a、及びR44aがメチル基、エチル基、もしくは臭素原子であって、R45a、R46aが炭素数2〜15のアミノスルホニル基であり、R47a、R48aがメチル基である場合が好ましく、
また、前記一般式(XIII)においては、R51a、R52a、R53a、及びR54aがメチル基、エチル基、もしくは臭素原子であって、R55a及びR56aが水素原子もしくはメチル基であり、R57a及びR58aが水素原子、メチル基であって、L51a及びL52aが炭素数1〜10のアルキレンアミノスルホニル基、炭素数7〜12のアラルキレンアミノスルホニル基、又は炭素数2〜10のアルキレンオキシ基であり、L53a及びL54aが酸素原子である場合が好ましい。
更に、前記一般式(XIV)においては、RX1がメチル基又はエチル基であって、RX2が炭素数1〜4のアルキル基であって、RX3が1〜4のアルキル基であって、X4が1である場合が特に好ましい。
上記の各々の場合において、下記の染料化合物のうち、一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物と組み合わせて用いた場合が、本発明の効果がより効果的に奏される点で好ましい。
以下、本発明におけるアントラキノン化合物の具体例を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
前記アントラキノン化合物の染料化合物の総量に対する比率は、50質量%以下であるのが好ましく、2質量%〜50質量%の範囲とするのがより好ましく、10質量%〜50質量%の範囲とするのがより好ましい。アントラキノン化合物の比率が50質量%以下であると、堅牢性を維持しながら、着色画像の色相が良好でコントラストをより効果的に高めることができる。
(染料)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、以下に示す一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物、及び以下に示す一般式(II)〜一般式(VIII)のいずれかで表される染料化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する。これら染料とアントラキノン化合物を組み合わせると、特にコントラスト改良効果が大きい。
前記染料のうち、一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物を好適に用いることができる。この化合物は、色相及び耐熱性に優れる点で好ましい。
前記一般式(I)において、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
一般式(I)においてR〜Rで表される置換基は、以下に示されるような1価の基(以下、列記した一価の基の群を「置換基R」と総称する場合がある。)が挙げられる。
すなわち、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ヘキシルジメチルシリル基)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、また、シクロアルキルオキシ基であれば、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、また、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基であれば、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基)、
アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアシル基で、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テトラデカノイル基、シクロヘキサノイル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−オクチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−メチルN−フェニルカルバモイル基、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、テトラデシルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ基)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基で、例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N−フェニルウレイド基)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ヘキサデカンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ基)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ基、3−ピラゾリルアゾ基)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−フェニルテトラゾリルチオ基)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ヘキサデシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基)を表す。
上述した1価の基が更に置換可能な基である場合には、上述した各基のいずれかによって更に置換されていてもよい。なお、2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I)において、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々独立に、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。なお、形成される環としては、飽和環、又は不飽和環がある。この5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環が挙げられる。
なお、形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
また、一般式(I)において、Rがハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基である場合、これらの好ましい範囲は、前述のR〜Rとしてのハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基の好ましい範囲と同様である。
一般式(I)において、前記R及びRとしては、上記の中でも、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基が好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基がより好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基が更に好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基が特に好ましい。
一般式(I)において、前記R及びRとしては、上記の中でも、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が更に好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基が特に好ましい。
一般式(I)において、前記R及びRとしては、上記の中でも、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基が好ましく、更に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基である。
一般式(I)において、R及びRがアルキル基を表す場合の、該アルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基
、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、ベンジル基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜12の分岐鎖、又は環状の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、イソプロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロ
ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、更に好ましくは、炭素数1〜12の2級又は3級の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、イソプロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
一般式(I)において、R及びRがアリール基を表す場合の、該アリール基としては、好ましくは、置換又は無置換のフェニル基、置換又は無置換のナフチル基が挙げられ、より好ましくは置換又は無置換のフェニル基である。
及びRがヘテロ環基を表す場合の、該ヘテロ環基としては、好ましくは、置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の3−ピリジル基、置換又は無置換の2−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の2−ベンゾチアゾリル基、置換又は無置換の1−イミダゾリル基、置換又は無置換の1−ピラゾリル基、置換又は無置換のベンゾトリアゾール−1−イル基が挙げられ、より好ましくは置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の1−ピリジル基が挙げられる。
次に、ジピロメテン系金属錯体化合物を形成する金属原子又は金属化合物について説明する。
金属又は金属化合物としては、錯体を形成可能な金属原子又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe等の他に、AlCl、InCl、FeCl、TiCl、SnCl、SiCl、GeClなどの金属塩化物、TiO、VO等の金属酸化物、Si(OH)等の金属水酸化物も含まれる。
これらの中でも、錯体の安定性、分光特性、耐熱、耐光性、及び製造適性等の観点から、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、又はVOが好ましく、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、又はVOが更に好ましく、Fe、Zn、Cu、Co、又はVO(V=O)が最も好ましい。これらの中でも、特にZnが好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物において、好ましい態様を以下に示す。すなわち、
一般式(I)において、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アニリノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、Rが、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、又はVOで表される態様が挙げられる。
ジピロメテン系金属錯体化合物のより好ましい態様を以下に示す。すなわち、
前記一般式(I)において、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R及びRが、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、Rが、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、又はVOで表される態様が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体において特に好ましい態様を以下に示す。
すなわち、一般式(I)中、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R及びRが、各々独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、Rが、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Cu、Co、又はVO(特にZn)で表される態様が挙げられる。
特に、堅牢性に優れる点から、一般式(I)中のR及びRがそれぞれフェニル基であることが好ましい。その理由は、(1)R及びRがそれぞれフェニル基であることで化合物の分光が長波長化し、例えばフタロシアニン系顔料などと併用した際にその分光と重なり(550nm付近)が大きくなり、エネルギー移動がし易くなるため、(2)立体的に嵩高い置換基の存在によりこの化合物自身の堅牢性が高まるため、と考えられる。
また、溶剤溶解性に優れる点から、一般式(I)中のR及び/又はRは、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基であることが好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物のうち、下記一般式(Ia)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体が好適である。
前記一般式(Ia)において、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、前記一般式(I)におけるR、R、R、R、及びRとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、前記一般式(I)におけるRとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。また、錯体を構成する金属原子又は金属化合物も、前記一般式(I)における場合と同様であり、好ましい態様も同様である。
本発明におけるジピロメテン系金属錯体化合物は、下記一般式(I−1)で表される化合物が、金属原子又は金属化合物に配位した錯体が好ましい。
前記一般式(I−1)において、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表し、Xは、Maに結合可能な基を表し、Xは、Maの電荷を中和するために必要な基を表す。なお、XとXとは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。
一般式(I−1)中のR〜Rは、一般式(I)中のR〜Rと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−1)中のMaは、金属原子又は金属化合物を表し、前記「一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体」における金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(I−1)中のRは、一般式(I)中のRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−1)におけるXは、Maに結合可能な基であればいずれであってもよく、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール)等、更に「金属キレート」[1]坂口武一・上野景平著(1995年 南江堂)、同[2](1996年)、同[3](1997年)等、に記載の化合物に由来する基が挙げられる。中でも、製造の点で、水、カルボン酸化合物、アルコール類が好ましく、水、カルボン酸化合物がより好ましい。
一般式(I−1)に置けるXは、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、例えば、ハロゲン原子、水酸基、カルボン酸基、燐酸基、スルホン酸基等が挙げられ、中でも、製造の点で、ハロゲン原子、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基が好ましく、水酸基、カルボン酸基がより好ましい。
一般式(I−1)におけるXとXとは互いに結合してMaと共に5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、飽和環であっても不飽和環であってもよい。また、5員、6員、及び7員の環は、炭素原子及び水素原子のみで構成されていてもよい、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる原子を少なくとも1個有するヘテロ環であってもよい。
更に、本発明におけるジピロメテン系金属錯体化合物は、下記一般式(I−2)又は一般式(I−3)で表される化合物が、金属原子又は金属化合物に配位した錯体が好ましい。
前記一般式(I−2)において、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、及びR13は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。
一般式(I−2)中のR〜Rは、一般式(I)中のR〜Rと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−2)中のR〜R13で表される置換基は、一般式(I)で表される化合物のR〜Rで表される置換基と同義であり、その好ましい態様も同様である。一般式(I−2)で表される化合物のR〜R13で表される置換基が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−2)中のRは、一般式(I)中のRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−2)中のR14は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R14の好ましい範囲は、前記Rの好ましい範囲と同様である。R14が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−2)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、前記「一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体」における金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(I−2)中のRとR、RとR10、R11とR12、R12とR13は、各々独立に、互いに結合して5員、6員、又は7員の飽和環、或いは不飽和環を形成していてもよい。形成される飽和環、又は不飽和環としては、RとR、RとR、RとR、及びRとRで形成される飽和環、又は不飽和環と同義であり、好ましい例も同様である。
前記一般式(I−3)において、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。Maは、金属原子又は金属化合物を表す。Xは、NR(Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Xは、NRa(Raは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表す。Yは、NRc(Rcは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、窒素原子、又は炭素原子を表し、Yは、窒素原子、又は炭素原子を表す。Xは、Maと結合可能な基を表し、aは0、1、又は2を表す。RとYとは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、RとYとは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。
一般式(I−3)中のR〜R、及びRは、一般式(I)中のR〜R、及びRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(I−3)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、前記「一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位した錯体」における金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(I−3)中、R及びRは、各々独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは1〜18のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルキルアミノ基で、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、t−ブチルアミノ基、t−オクチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基)、アリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリールアミノ基で、例えば、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−エチル−N−フェニルアミノ基)、又はヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環アミノ基で、例えば、2−アミノピロール基、3−アミノピラゾール基、2−アミノピリジン基、3−アミノピリジン基)を表す。
一般式(I−3)中、R及びR表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−3)中、Xは、NR、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Xは、NRa、酸素原子、又は硫黄原子を表し、RとRaはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは2〜18のアシル基で、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−エチルヘキシル基、ベンゾイル基、シクロヘキサノイル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜18のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは6〜18のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基)を表す。
前記RとRaのアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基は、更に、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−3)中、Yは、NRc、窒素原子、又は炭素原子を表し、Yは、窒素原子、又は炭素原子を表し、Rcは、前記XにおけるRと同義である。
一般式(I−3)中、RとYとが互いに結合して、R、Y、及び炭素原子と共に5員環(例えば、シクロペンタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン)、6員環(例えば、シクロヘキサン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ペンタメチレンスルフィド、ジチアン、ベンゼン、ピペリジン、ピペラジン、ピリダジン、キノリン、キナゾリン)、又は7員環(例えば、シクロヘプタン、ヘキサメチレンイミン)を形成してもよい。
一般式(I−3)中、RとYとが互いに結合して、R、Y、及び炭素原子と共に5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、前記のRとY及び炭素原子で形成される環中の1個の結合が二重結合に変化した環が挙げられる。
一般式(I−3)中、RとY、及びRとYが結合して形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な環である場合には、前記置換基Rのいずれかで説明した基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I−3)中、XはMaと結合可能な基を表し、前記一般式(I−1)におけるXと同様な基が挙げられる。
aは0、1、又は2を表す。
一般式(I−3)で表される化合物の好ましい態様を以下に示す。
即ち、R〜R、R、及びMaは、それぞれ、一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体の好ましい態様であり、XはNR(Rは水素原子、アルキル基)、窒素原子、又は酸素原子であり、XはNRa(Raは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基)、又は酸素原子であり、YはNRc(Rcは水素原子、又はアルキル基)、窒素原子、又は炭素原子であり、Yは窒素原子、又は炭素原子であり、Xは酸素原子を介して結合する基であり、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、RとYとが互いに結合して5員又は6員環を形成し、RとYとが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
一般式(I−3)で表される化合物のより好ましい態様を以下に示す。
即ち、R〜R、R、Maはそれぞれ、一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体の好ましい態様であり、X及びXは、酸素原子であり、YはNHであり、Yは窒素原子であり、Xは酸素原子を介して結合する基であり、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、RとYとが互いに結合して5員又は6員環を形成し、RとYとが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
本発明におけるジピロメテン系金属錯体化合物のモル吸光係数は、膜厚の観点から高い方が好ましい。また、最大吸収波長λmaxは、色純度向上の観点から、520nm〜580nmが好ましく、530nm〜570nmが更に好ましい。なお、最大吸収波長及びモル吸光係数は、分光光度計UV−2400PC(島津製作所社製)により測定されるものである。
本発明におけるジピロメテン系金属錯体化合物の融点は、溶解性の観点から高すぎないことが好ましい。
以下、前記一般式(I−1)、(I−2)及び(Ia)等で表されるジピロメテン系金属錯体化合物の具体例(例示化合物Ia−3〜Ia−16、Ia−18〜Ia−83、IIa−1〜IIa−8、IIa−10〜IIa−20、I−1〜I−36、II−1〜II−11、及びII−A)を示す。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
次に、前記一般式(I−3)で表されるジピロメテン金属錯体化合物の具体例(例示化合物III−1〜III−103、III−A〜III−C、及びIV−A)を示す。但し、本発明においては、これらの限定されるものではない。
前記一般式(I)で表される化合物から得られるジピロメテン金属錯体化合物は、米国特許第4,774,339号明細書、同−5,433,896号明細書、特開2001−240761号公報、同2002−155052号公報、特許第3614586号明細書、Aust. J. Chem, 1965, 11, 1835-1845、J. H. Boger et al, Heteroatom Chemistry, Vol.1, No.5, 389(1990)等に記載の方法で合成することができる。
具体的な合成方法については、特開2008−292970号公報の段落番号[0131]〜[0157]の記載を参照することができる。
次に、一般式(II)について説明する。
前記一般式(II)において、Aは、5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾリジンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシド、及び3−ジシアノメチン−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシドからなる群より選ばれる化合物由来の酸性核を表す。これらのうち、Aは、好ましくは5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、オキサゾリジンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリドンに由来の酸性核から選ばれる。
、L、及びLは、メチンを表す。
33及びR34は、各々独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、又は水素原子を表し、R35は、水素原子、メトキシ基、塩素原子、メチル基、又はニトロ基を表す。中でも、R33、R34は、水素原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、シアノエチル、メトキシエチル、ベンジル、カルボキシベンジルなど)、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、p−ジメチルアミノフェニル、p−ジエチルアミノ−o−メチルフェニル、2,4,6−トリメチル、p−カルボキシフェニル、p−エトキシカルボニルフェニル、p−メタンスルホニルアミノフェニルなど)などが好ましい。
nは、0又は1を表す。
但し、A及びR33〜R35の少なくとも1つに結合する置換基として、分子中にカルボキシル基、スルホンアミド基、及びスルファモイル基から選ばれる少なくとも1つを有する。また、これらの基は分子中のアリール基に結合しているのが好ましい。より好ましくはカルボキシル基である。
前記一般式(II)のうち、下記一般式(IIa)で表される化合物が好ましい。

前記一般式(IIa)中、R33〜R35、L〜L、及びnは、一般式(II)における場合と同義であり、好ましい態様も同様である。
31は、炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、2−クロロエチル、メトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、トリフルオロメチルなど)、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、トリル、メトキシフェニル、クロロフェニル、ナフチル、カルボキシフェニルなど)、炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、メトキシエトキシなど)、炭素数2〜5の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−メトキシエトキシカルボニル、ブトキシカルボニルなど)、炭素数7〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル、メトキシフェノキシカルボニル、クロロフェノキシカルボニル、メチルフェノキシカルボニルなど)、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、メトキシフェノキシなど)、炭素数2〜5のアシル基(例えばアシル、プロピオニル、、ブタノイルなど)、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数2〜10のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなど)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイドなど)、アミノ基(例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、メトキシフェニルアミノなど)等が好ましい。
32は、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、p−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、o−カルボキシフェニル、クロロフェニル、メトキシフェニル、メチルフェニル、など)、炭素数7〜12の置換もしくは無置換のアラルキル基(例えばベンジル、2−カルボキシベンジルなど)等が好ましい。
以下、前記一般式(II)で表される化合物の具体例を列挙する。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
次に、一般式(III)について説明する。
前記一般式(III)において、R41は、ヘテロ環基を表し、R42は、水素原子又は
置換基を表す。R43、R44、R45、R46、R47、及びR48は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。R43とR44、R45とR46、R47とR48は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。
41は、好ましくは炭素数1〜36のヘテロ環基であり、更に好ましくは炭素数2〜24のへテロ環基である。例えば、ピロリル基、フリル基、チオフェニル基、ベンゾピロリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ピラゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、フェナンスリジニル基、フタラジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、プリニル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基が好ましく、中でも、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基が更に好ましい。また、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す場合が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す場合が更に好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルスルホニル基である場合が最も好ましい。
一般式(III)においてより好ましくは、R41は3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル
基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基、R42は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アリール基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニルスルホニルオキシ基、アルキニルスルホニルオキシ基、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
更に好ましくは、R41は3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリニル基、4−キノリニル基、1−イソキノリニル基、3−イソキノリニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基、R42は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シアノ基、アシルオキシ基、アルキルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
最も好ましくは、一般式(III)において、R41は3−ピラゾリル基、4−ピラゾリ
ル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、3−トリアゾリル基、5−トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−チアジアゾリル基、5−チアジアゾリル基、R42は水素原子、アルキル基、シアノ基、R43、R44、R45、R46、R47及びR48は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表される色素が挙げられる。
前記一般式(III)で表されるピリミジンアゾ化合物の詳細については、特開2007
−39478号公報の記載を参照することができる。また、前記一般式(III)で表され
るピリミジンアゾ化合物の具体例については、特開2007−39478号公報の段落[0028]〜[0048]に記載の例示化合物(1)〜(74)と同様の化合物を挙げることができる。
次に、一般式(IV)について説明する。
前記一般式(IV)において、Ra1、Ra2、Ra3、Rb1、Rb2、及びRb3は、各々独立に、水素原子又は一価の置換基を表し、Ra2とRa3とは互いに結合して5〜7員の複素環を形成していてもよい。Aは、置換もしくは無置換の脂肪族基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換の複素環基を表す。nは、0、1、2、又は3を表し、nが2以上のとき、複数存在するRb2及びRb3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
a1、Ra2、Ra3、Rb1、Rb2又はRb3で表される「一価の置換基」は、置換可能な基であればよく、例えば、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジ脂肪族オキシフォスフィニル基、ジアリールオキシフォスフィニル基等を挙げることができる。これらの置換基は、他の一価の置換基で更に置換されていてもよい。
上記のうち、Ra1、Ra2、Ra3、Rb1、Rb2、Rb3としては、本発明の効果の点から、水素原子、脂肪族基、アリール基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基を表す場合が好ましく、水素原子、脂肪族基、アリール基、脂肪族オキシ基を表す場合がより好ましい。また、Ra2とRa3とは互いに結合して5員ないし7員の環構造を形成していてもよい。
さらに好ましくは、Ra1としては、炭素数1〜12のアルキル基が好適であり、例えば、メチル基、エチル基、(i)プロピル基、(t)ブチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基は特に好ましい。Ra2としては、脂肪族基、アリール基が好ましく、Ra3としては、水素原子、脂肪族基が好ましく、水素原子がより好ましく、Ra2とRa3とが互いに結合して環構造を形成している場合が特に好ましい。環構造を形成している場合の環構造は、5員ないし7員の環が好ましく、中でも5員環がより好ましい。
また、Rb1、Rb2、Rb3としては、水素原子、脂肪族基が好ましく、特に好ましくは、水素原子である。
b1、Rb2、又はRb3で表される脂肪族基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、下記のAで表される無置換又は置換基を有する脂肪族基と同義であり、好ましい態様も同様である。
nは、堅牢性の観点から、好ましくは0、1、又は2であり、より好ましくは0又は1
であり、最も好ましくは0である。
前記一般式(IV)中のAが置換基を有する場合、その置換基としては、既述のRa1〜Ra3及びRb1〜Rb3で表される「一価の置換基」の項で列挙した置換基と同様の基を挙げることができる。好ましくは、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基等である。
で表される無置換の脂肪族基としては、例えば、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数2〜20のアルキニル基などが好適に挙げられる。中でも、総炭素数1〜15のアルキル基が好ましく、総炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。
で表される置換基を有する脂肪族基としては、例えば、総炭素数2〜20の置換アルキル基、総炭素数3〜20の置換アルケニル基、総炭素数7〜20の置換アラルキル基などが好適に挙げられる。中でも、総炭素数2〜15の置換アルキル基が好ましく、総炭素数2〜10の置換アルキル基が特に好ましい。
で表されるアリール基は、縮環していてもよく、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ジメチルアミノ基等が挙げられる。中でも、総炭素数6〜30のアリール基が好ましく、総炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、総炭素数6〜15のアリール基が更に好ましく、6〜12のアリール基が特に好適である。
で表される複素環基は、縮環していてもよく、5〜7員環の総炭素数2〜30の置換もしくは無置換の複素環基が好ましい。その中でも、前記複素環基としては、シアニン色素、オキソノール色素の技術分野で酸性核と呼ばれている複素環が好ましい。酸性核については、James編、The Theory of the Photographic Process(第4版、マクミラン社、1977年、第198頁)に記載されている。具体的には、各々置換されてもいてもよいピラゾ
ール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2−又は4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソローダニン、ローダニン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ〔3,2−a〕ピリミジン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(例えばメルドラム酸など)、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリン−2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ〔1,5−b〕キナゾロン、ピラゾロピリドン、5員又は6員の炭素環(例えば、ヘキサン−1,3−ジオン、ペンタン−1,3−ジオン、インダン−1,3−ジオン)などの核が挙げられ、好ましくは、ピラゾール−5−オン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオンである。更に、銀塩写真の技術分野で、カラーカプラーといわれる化合物の残基が好ましい。例えば、ピラゾロン類、1H−イミダゾ〔1,2−b〕ピラゾール類、1H−ピラゾロ〔5,1−C〕〔1,2,4〕トリアゾール類、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類等が挙げられる。中でも、Aとしては、5員ないし7員の総炭素数2〜20の複素環基がより好ましい。
上記の中でも、Aは下記(A−1)〜(A−14)で表される基であるのが好ましい。
前記(A−1)〜(A−14)中、R〜R49は、水素原子又は置換基を表す。ここでの置換基は、既述の「一価の置換基」の項で挙げた基であって、置換可能な基であればよく、好ましい置換基は、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基である。
〜R14、R15〜R17、R42〜R47における隣接する2つの基、及びR19とR20、R21とR22、R23とR24、R29とR30、R31とR32、及びR35とR36は、可能な限り互いに結合して5員環〜7員環の炭化水素環、複素環を形成してもよい。
また、(A−9)中のQ、(A−11)中のQ、及び(A−14)中のQは、各々独立に、5員環〜7員環を形成するに必要な非金属原子群を表す。
の具体例としては、特開2008−179067号公報の段落番号[0028]〜[0032]に記載の具体例A1−1〜A14−25を挙げることができる。
上記のうち、本発明の効果の点から、Aが(A−10)、(A−11)、(A−14)を表す場合が好ましく、(A−11)を表す場合が特に好ましい。
前記一般式(IV)において、Ra1が結合するピラゾリン環を基本構造とする基の具体例(B10−1〜B10−8、B11−1〜B11−19)を以下に示す。但し、本発明は、下記具体例に限定されるものではない。下記において、*は、前記一般式(IV)中の炭素原子との結合手を示す。

前記一般式(IV)において、Ra1が炭素数1〜4のアルキル基であって、Ra2とRa3とが互いに結合して5〜7員環を形成し、Rb1が水素原子であって、Rb2が水素原子であって、Rb3が水素原子であって、Aが(A−10)、(A−11)、又は(A−14)であって、nが0又は1である場合が更に好ましく、Aが(A−11)であってnが0である場合が特に好ましい。
前記一般式(IV)で表される色素の骨格は、メチン基を中心にした対称骨格構造もしくは非対称骨格構造のいずれであってもよいが、Aで表されるアゾール環がRa1の結合するアゾール環と同一アゾール骨格構造であることが堅牢性の点で好ましい。
前記一般式(IV)で表される化合物のうち、下記一般式(IVa)で表される化合物が好
ましい。
前記一般式(IVa)において、Ra1、Ra4、Rb1、Rb2及びRb3は、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を表し、Aは、置換もしくは無置換の脂肪族基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換の複素環基を表す。また、nは、0、1、2又は3を表し、nが2以上のときには、複数存在するRb2及びRb3は、各々同一でも異なっていてもよい。一般式(IV)中のRa1、Rb1、Rb2、Rb3、A、及びnは、既述の一般式(IVa)におけるRa1、Rb1、Rb2、Rb3、A、
及びnと同義であり、好ましい態様も同様である。
前記一般式(IVa)中、Ra4は、水素原子又は一価の置換基を表す。Ra4で表され
る一価の置換基は、置換可能な基であればよく、既述のRa1〜Ra3及びRb1〜Rb3で表される「一価の置換基」の項で列挙した置換基と同様の基を挙げることができる。この置換基は、無置換でも、さらに既述の一般式(IV)におけるRa1〜Ra3等で表される「一価の置換基」の項に列挙した置換基で置換されていてもよい。好ましくは、脂肪族基、アリール基、又はヘテロ環基であり、より好ましくは、アルキル基又はアリール基である。
前記Ra4で表される脂肪族基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、アルキル基、アルケニル基などが含まれる。無置換又は置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜25のアルキル基が好ましく、例えば、(i)プロピル基、2−メチル−2−アセチルアミノエチル基、2−プロパノイルアミノプロピル基等が挙げられる。中でも、炭素数2〜25のアルキル基が好ましく、炭素数2〜20のアルキル基が特に好ましい。
前記Ra4で表されるアリール基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜20のアリール基であり、例えば、4−ブタノイルアミノフェニル基、4−ブタンスルホンアミドフェニル基、4−ニトロフェニル基等が好適に挙げられる。
前記Ra4で表されるヘテロ環基としては、無置換でも置換基を有していてもよく、例えば、5−ピリミジル基等が挙げられる。
前記一般式(IVa)で表される化合物の中でも、特に、Ra1が炭素数1〜8のアルキル基であって、Ra4がアルキル基又はアリール基であって、Rb1が水素原子であって、Rb2が水素原子であって、Rb3が水素原子であって、nが0又は1である態様が好ましく、Ra1が炭素数1〜4のアルキル基であって、Ra4が炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であって、Rb1、Rb2、及びRb3が水素原子であって、nが0又は1である態様が更に好ましい。更には、堅牢性の向上効果の点で、一般式(IV)で表される色素において、Aで表されるアゾール環がRa1の結合するアゾール環と同一アゾール骨格構造であることが特に好ましい。
前記一般式(IV)で表される化合物の詳細については、特開2008−179067号公報の記載を参照することができる。また、前記一般式(IV)で表される化合物の具体例については、特開2008−179067号公報の段落[0054]〜[0059]に記載の例示化合物と同様の化合物を挙げることができる。
次に、一般式(V)について説明する。
前記一般式(V)において、R61、R62、R63、及びR64は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は−SONH−Rを表し、R65は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、−SOH、又は−SONH−Rを表す。Rは、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアルキルカルボニルオキシ基を表す。nは、0又は1以上の整数を表すが、nが0のときには、R61〜R65の少なくとも1つは置換基として−SONH−Rを有するアリール基を表す。
好ましいRとしては、炭素数1以上、特に炭素数が3以上30以下のアルキル基、全炭素数が3以上30以下のアルコキシアルキル基、シクロヘキシル基、アルキル部分の炭素数が1以上20以下であるシクロヘキシルアルキル基などが挙げられ、これらの基は適当な置換基で置換されていてもよい。
中でも、R61及びR62の少なくとも1つ又はR63及びR64の少なくとも1つは、炭素数1〜4のアルキル基又は1個もしくは2個の置換基で置換されていてもよいアリール基である場合が好ましい。さらにまた、R61及びR62の少なくとも1つが炭素数1〜4のアルキル基又は1個もしくは2個の置換基で置換されていてもよいアリール基であり、R63及びR64の少なくとも1つが炭素数1〜4のアルキル基又は1個もしくは2個の置換基で置換されていてもよいアリール基である場合も好ましい。いずれの場合においても、R61〜R64のうち、アルキル基又はアリール基であるもの以外は、水素原子であることが好ましい。アリール基の置換基としては、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、水酸基、−SO3H、−SO2NH−C65などが挙げられる。
前記一般式(V)で表される化合物の詳細については、特許第3387541号の記載を参照することができる。また、前記一般式(V)で表される化合物の具体例については、特許第3387541号の段落[0010]〜[0020]に記載の具体例と同様の化合物を挙げることができる。
次に、一般式(VI)について説明する。
前記一般式(VI)において、R71は、炭素数2〜20のアルキル基、アルキル鎖の炭素数が2〜12のシクロヘキシルアルキル基、アルキル鎖の炭素数が1〜4のアルキルシクロヘキシル基、炭素数2〜12のアルコキシル基で置換された炭素数2〜12のアルキル基、L71−CO−O−L72−で表されるアルキルカルボキシルアルキル基、L73−O−CO−L74−で表されるアルキルオキシカルボニルアルキル基、炭素数1〜20のアルキル基で置換されたフェニル基、又はフェニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基を表す。L71は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L72は、炭素数2〜12のアルキレン基を表し、L73は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L74は、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。R72、R73、R74、及びR75は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシル基、又はハロゲン原子を表す。
炭素数2〜20のアルキル基としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、2−エチルヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−メチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基及び1,1,3,3−テトラメチルブチル基などが挙げられる。
アルキル鎖の炭素数が2〜12のシクロヘキシルアルキル基としては、シクロヘキシルエチル基、3−シクロヘキシルプロピル基及び8−シクロヘキシルオクチル基などが挙げられる。
アルキル鎖の炭素数が1〜4のアルキルシクロヘキシル基としては、2−エチルシクロヘキシル基、2−プロピルシクロヘキシル基及び2−(n−ブチル)シクロヘキシル基などが挙げられる。
炭素数2〜12のアルコキシル基で置換された炭素数2〜12のアルキル基としては、3−エトキシ−n−プロピル基、プロポキシプロピル基、4−プロポキシ−n−ブチル基、3−メチル−n−ヘキシルオキシエチル基及び3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基などが挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基で置換されたフェニル基としては、o−イソプロピルフェニル基などが挙げられる。
フェニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基としては、DL−1−フェニルエチル基、ベンジル基及び3−フェニル−n−ブチル基などが挙げられる。
71及びL73における炭素数2〜12のアルキル基としては、エチル基、プロピル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、2−エチルヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−メチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基及び1,1,3,3−テトラメチルブチル基などが挙げられる。
72及びL74における炭素数2〜12のアルキレン基としては、ジメチレン基及びヘキサメチレン基などが挙げられる。
72〜R75としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、カルボキシル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などが挙げられ、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フッ素原子、又は塩素原子である。
前記一般式(VI)で表される化合物の具体例として、下記化合物などが挙げられる。
次に、一般式(VII)について説明する。
前記一般式(VII)において、Z及びZは、各々独立に、酸素原子又は硫黄原子を
表す。R81、R82、R83、及びR84は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、ヒドロキシ基が置換した炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシル基が置換した炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のチオアルコキシル基が置換した炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基を表す。R85、R86,R87、R88、R89、R110a、R111a、及びR112aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜10のハロゲン化飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシル基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、又はN−置換スルファモイル基を表し、R85〜R89及びR110a〜R112aの少なくとも1つは、N−置換スルファモイル基を表す。
81〜R84の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。
飽和脂肪族炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。その炭素数は、通常は1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。飽和脂肪族炭化水素基には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルアルキル基などのシクロアルキル基、等が含まれる。また、飽和脂肪族炭化水素基には、ヒドロキシル基、炭素数1〜8(好ましくは炭素数1〜4)アルコキシル基、又は炭素数1〜8(好ましくは炭素数1〜4)チオアルコキシル基などの置換基が置換していてもよい。この置換飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヒドロキシエチル基(2−ヒドロキシエチル基など)、エトキシエチル基(2−エトキシエチル基など)、エチルヘキシルオキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)、メチルチオプロピル基(3−メチルチオプロピル基など)などが挙げられる。
81〜R84のアリール基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシル基、カルボキシル基、スルホ基又はエステル基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、通常は6〜20であり、好ましくは6〜10である。これらアリール基としては、例えば、フェニル基、2−、3−、4−メチルフェニル基、2−,3−,4−メトキシフェニル基、2−,3−,4−スルホフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基(4−(COOC)Ph基など)などの置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
81〜R84のアラルキル基(アリールアルキル基)のアルキル部分は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、通常は7〜20、好ましくは7〜10である。このアラルキルとしては、ベンジル基などのフェニルアルキル基が代表的である。
81〜R84のアシル基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシル基などの置換基が結合していてもよい。アシル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて数えられ、その数は、通常は2〜10、好ましくは6〜10である。前記アシル基は、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)などである。
色濃度を高めるには、R81〜R84の少なくとも一つ(好ましくは全部)に、炭素数が5以下(好ましくは3以下)の基(例えば、メチル基、エチル基など)か、水素原子を選択することが好ましい。
また、有機溶剤に対する溶解性(油溶性)を高める観点から、R81〜R84の少なくとも1つ(好ましくは全部)に、炭素数が6以上の基を選択するのが望ましく、特に置換又は未置換アリール基(好ましくはフェニル基)が望ましい。
85〜R89及びR110a〜R112aは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(好ましくはフッ素、塩素又は臭素原子)、炭素数1〜10飽和脂肪族炭化水素基(この炭素数1〜10飽和脂肪族炭化水素基にハロゲン原子が結合したものを含む)、炭素数1〜8アルコキシル基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基又はN−置換スルファモイル基を表し、R〜R12の少なくとも1つは、N−置換スルファモイル基である。
85〜R89及びR110a〜R112aで表される飽和脂肪族炭化水素基は、R81〜R84の場合と同様に、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、その炭素数は、通常は1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6である。R85〜R89及びR110a〜R112aの飽和脂肪族炭化水素基の具体例は、R81〜R84の場合と同じである。R85〜R89及びR110a〜R112aの飽和脂肪族炭化水素基は、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよい。ハロゲン化飽和脂肪族炭化水素基の具体例としては、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
85〜R89及びR110a〜R112aで表されるアルコキシル基の炭素数は、通常は1〜8、好ましくは1〜4である。このアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、及びtert−ブトキシ基などが挙げられる。
85〜R89及びR110a〜R112aで表されるN−置換スルファモイル基は、例えば、N−一置換スルファモイル基であり、式−SONHR113a基で表すことができる。この式中、R113aは、炭素数1〜10飽和脂肪族炭化水素基(この炭素数1〜10飽和脂肪族炭化水素基に炭素数1〜8アルコキシル基が結合したものを含む)、炭素数が6〜20のアリール基、炭素数が7〜20のアラルキル基、又は炭素数が2〜10のアシル基である。
113aで表される飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。飽和脂肪族炭化水素基の炭素数は、通常は1〜10、好ましくは6〜10である。R113aの飽和脂肪族炭化水素基には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルヘキシル基(1−メチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、シクロヘキシルアルキル基などが含まれる。R113aの飽和脂肪族炭化水素基は、前述した通り、炭素数1〜8(好ましくは炭素数1〜4)アルコキシル基などの置換基で置換されていてもよい。この置換飽和脂肪族炭化水素基としては、プロポキシプロピル基(3−(イソプロポキシ)プロピル基など)などが例示できる。
113aで表されるアリール基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基又はヒドロキシル基などの置換基を有していてもよい。前記アリール基の炭素数は、通常、6〜20、好ましくは6〜10である。これらアリール基としては、例えば、フェニル基、ヒドロキシフェニル基(4−ヒドロキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4−トリフルオロメチルフェニル基など)などの置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
113aで表されるアラルキル基のアルキル部分は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、通常は7〜20、好ましくは7〜10である。このアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などのフェニルアルキル基が代表的である。
113aで表されるアシル基は、無置換であってもよく、飽和脂肪族炭化水素基、アルコキシル基などの置換基が結合していてもよい。アシル基の炭素数は、通常、2〜10、好ましくは6〜10である。前記アシル基は、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)などである。
前記R85〜R89及びR110a〜R112aは、色濃度、油溶性、耐光性などを高める観点から、R85〜R89及びR110a〜R112aの1つがN−置換スルファモイル基である場合が好ましい。また、油溶性をさらに高める点で、N−置換スルファモイル基に加えて、R85〜R89及びR110a〜R112aの1つ又は2つ以上が例えばトリフルオロメチル基であることが好ましい。
また、R85〜R88の1つとR89及びR110a〜R112aの1つとがN−置換スルファモイル基であり、残りが水素原子であるジスルホンアミドと、R85〜R88の1つがN−置換スルファモイル基であり、R89及びR110a〜R112aの1つがスルホ基であり、残りが水素原子であるモノスルホンアミドとの組み合わせが好ましい。
次に、一般式(VIII)について説明する。
前記一般式(VIII)において、R91、R92、及びR93は、水素原子、ハロゲン原子、又はスルホン酸基を表し、Aは、下記(a)〜(d)のいずれかを表す。lは、1又は2の整数を表す。R94、R95、及びR96は、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、又は−SON(R97)(R98)を表し、R97及びR98は各々独立に水素原子、炭素数1〜8の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基など)、又はフェニル基を表す。R91〜R96の少なくとも1つはスルホン酸基を表す。
前記一般式(VIII)で表される化合物の詳細については、特公平7−113687号公報の記載を参照することができる。また、前記一般式(VIII)で表される化合物の具体例については、特公平7−113687号公報の第(4)頁〜第(5)頁に記載の構造式(1)〜
(9)で表される染料を挙げることができる。
上記の染料化合物のうち、既述のアントラキノン化合物とともに用いることで、着色画像の色相が良好でより高いコントラストが得られる観点から、ピロメテン系、ピラゾールアゾ系、メチン系、キサンテン系、ピラゾロンアゾ系、ピリドンアゾ系、バルビツールアゾ系の染料が好ましい。
本発明の着色組成物では、染料を1種単独で含有してもよいし、二種以上の染料を併用してもよい。
染料の着色組成物中における含有量としては、着色組成物の全固形分に対して、1〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。染料の含有量は、10質量%以上であると、良好な色濃度(例えば液晶表示するのに適した色濃度)が得られ、50質量%以下であると、画素のパターニングが良好になる点で有利である。
(重合性化合物)
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を挙げることができる。
具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は、当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの(共)重合体などの化学的形態のいずれであってもよい。
モノマー及びその(共)重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの(共)重合体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの(共)重合体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等が挙げられる。
また、メタクリル酸エステルとして、例えば、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
更に、イタコン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が、また、クロトン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が、イソクロトン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が、また、マレイン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載の、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で表される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R’)OH …(A)
〔一般式(A)中、R及びR’は、それぞれ独立にH又はCHを表す。〕
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、着色組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、着色硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。また、着色組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料)、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
着色組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量(2種以上の場合は総含有量)としては、特に限定はなく、本発明の効果をより効果的に得る観点から、10質量%〜80質量%が好ましく、15質量%〜75質量%がより好ましく、20質量%〜60質量%が特に好ましい。
(光重合開始剤)
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、前記重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に制限はなく、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム系化合物、等が挙げられる。光重合開始剤の具体例については、特開2004−295116号公報の段落〔0070〕〜〔0077〕に記載のものが挙げられる。中でも、重合反応が迅速である点等から、オキシム系化合物が好ましい。
前記オキシム系化合物(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう)としては、特に限定はなく、例えば、特開2000−80068号公報、WO02/100903A1、特開2001−233842号公報等に記載のオキシム系化合物が挙げられる。
具体的な例としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロピル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンなどが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
また、本発明においては、感度、径時安定性、後加熱時の着色の観点から、オキシム系化合物として、下記一般式(1)で表される化合物がより好ましい。
前記一般式(1)中、R及びXは、各々独立に、1価の置換基を表し、Aは、2価の有機基を表し、Arは、アリール基を表す。nは、1〜5の整数である。
Rとしては、高感度化の点から、アシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
Arとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。置換フェニル基の場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基が好ましい。
Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基が好ましい。
また、一般式(1)におけるnは1〜2の整数が好ましい。
また、本発明の着色組成物には、上記の光重合開始剤のほかに、特開2004−295116号公報の段落〔0079〕に記載の他の公知の光重合開始剤を使用してもよい。
光重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
光重合開始剤の着色組成物の全固形分中における含有量(2種以上の場合は総含有量)は、本発明の効果をより効果的に得る観点から、3質量%〜20質量%が好ましく、4質量%〜19質量%がより好ましく、5質量%〜18質量%が特に好ましい。
(有機溶剤)
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の有機溶剤を含有することができる。
有機溶剤は、並存する各成分の溶解性や着色組成物としたときの塗布性を満足できるものであれば、基本的には特に制限はなく、特に、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキルエステル類(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(具体的には、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等が挙げられる。))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(具体的には、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(具体的には、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(具体的には、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等が挙げられる。)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。
また、エーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの有機溶剤は、前述の各成分の溶解性、及びアルカリ可溶性バインダーを含む場合はその溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
有機溶剤の着色組成物中における含有量としては、組成物中の全固形分濃度が10質量%〜80質量%になる量が好ましく、15質量%〜60質量%になる量がより好ましい。
(他の成分)
本発明の着色組成物は、上述の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、アルカリ可溶性バインダー、架橋剤などの他の成分を含んでいてもよい。
−アルカリ可溶性バインダー−
アルカリ可溶性バインダーは、アルカリ可溶性を有すること以外は、特に限定はなく、好ましくは、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選択することができる。
アルカリ可溶性バインダーとしては、線状有機高分子重合体であり、且つ、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
上述したものの他、本発明におけるアルカリ可溶性バインダーとしては、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。また、線状有機高分子重合体は、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよい。この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級若しくは3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のブチル(メタ)アクリレート、又は、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。その他、親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸基、燐酸エステル基、4級アンモニウム塩基、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸基及びその塩由来の基、モルホリノエチル基等を含んでなるモノマー等も有用である。
また、アルカリ可溶性バインダーは、架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、例えば、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。また、硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
これら各種アルカリ可溶性バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体や、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
アルカリ可溶性バインダーは、現像性、液粘度等の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×10の重合体が好ましく、2000〜1×10の重合体がより好ましく、5000〜5×10の重合体が特に好ましい。
−架橋剤−
本発明の着色組成物に補足的に架橋剤を用い、着色組成物を硬化させてなる着色硬化膜の硬度をより高めることもできる。
架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
架橋剤の具体例などの詳細については、特開2004−295116号公報の段落〔0134〕〜〔0147〕の記載を参照することができる。
−その他の添加物−
着色組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば、充填剤、上記以外の高分子化合物、ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加物としては、特開2004−295116号公報の段落〔0155〕〜〔0156〕に記載のものを挙げることができる。
本発明の着色組成物においては、特開2004−295116号公報の段落〔0078〕に記載の増感剤や光安定剤、同公報の段落〔0081〕に記載の熱重合防止剤を含有することができる。
また、非露光領域のアルカリ溶解性を促進し、着色組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、該組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことが好ましい。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
〜着色組成物の調製方法〜
本発明の着色組成物は、前述の各成分と必要に応じて任意成分とを混合することで調製される。
なお、着色組成物の調製に際しては、着色組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解・分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
上記のようにして調製された着色組成物は、好ましくは、孔径0.01μm〜3.0μm、より好ましくは孔径0.05μm〜0.5μm程度のフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することができる。
本発明の着色組成物は、色相及びコントラストに優れた着色硬化膜を形成することができるため、液晶表示装置(LCD)や固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタなどの着色画素形成用として、また、印刷インキ、インクジェットインキ、及び塗料などの作製用途として好適に用いることができる。特に、液晶表示装置用の着色画素形成用途に好適である。
<カラーフィルタ及びその製造方法>
本発明のカラーフィルタは、基板と、該基板上に染料化合物(即ち、前記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物、及び前記一般式(II)〜一般式(VIII)のいずれかで表される染料化合物からなる群より選択される化合物)とアントラキノン化合物とを含む着色領域と、を設けて構成されたものである。基板上の着色領域は、カラーフィルタの各画素をなす例えば赤(R)、緑(G)、青(B)等の着色膜で構成されている。本発明のカラーフィルタは、所定の染料化合物とアントラキノン化合物とを含ませて形成されるので、画像の色相及びコントラストに優れており、特に液晶表示装置用として好適である。
本発明のカラーフィルタは、染料化合物とアントラキノン化合物を含有して硬化された着色領域(着色パターン)を形成できる方法であれば、いずれの方法で形成されてもよい。好ましくは、本発明の着色組成物を用いて作製される。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、支持体上に既述の着色組成物を塗布し、着色層(着色組成物層ともいう。)を形成する工程(A)と、工程(A)にて形成された着色組成物層を(好ましくはマスクを介して)パターン状に露光し、現像して着色領域(着色パターン)を形成する工程(B)とを設けて構成されている。また、本発明のカラーフィルタの製造方法では、特に、工程(B)で形成された着色パターンに対して紫外線を照射する工程(C)と、工程(C)で紫外線が照射された着色パターンに対して加熱処理を行なう工程(D)とを更に設けた態様が好ましい。
また、特開2009−116078号公報に記載の転写法、特開2009−134263号公報に記載のインクジェット法などの方法により、カラーフィルタを製造することもできる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について、より具体的に説明する。
−工程(A)−
本発明のカラーフィルタの製造方法では、まず、支持体上に、既述の本発明の着色組成物を回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して、着色組成物層を形成し、その後、必要に応じて、予備硬化(プリベーク)を行ない、該着色組成物層を乾燥させる。
支持体としては、例えば、液晶表示装置等に用いられるソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、シリコン基板、樹脂基板などが挙げられる。また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
本発明の着色組成物を、直接又は他の層を介して基板に回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布、インクジェット等の塗布方法により塗布して、着色組成物の塗布膜を形成することができる。
プリベークの条件としては、ホットプレートやオーブンを用いて、70℃〜130℃で、0.5分間〜15分間程度加熱する条件が挙げられる。
また、着色組成物により形成される着色組成物層の厚みは、目的に応じて適宜選択される。液晶表示装置用カラーフィルタにおいては、0.2μm〜5.0μmの範囲が好ましく、1.0μm〜4.0μmの範囲が更に好ましく、1.5μm〜3.5μmの範囲が最も好ましい。また、固体撮像素子用カラーフィルタにおいては、0.2μm〜5.0μmの範囲が好ましく、0.3μm〜2.5μmの範囲が更に好ましく、0.3μm〜1.5μmの範囲が最も好ましい。
なお、着色組成物層の厚みは、プリベーク後の膜厚である。
−工程(B)−
続いて、本発明のカラーフィルタの製造方法では、支持体上に形成された着色組成物層に対して、例えばフォトマスクを介して露光が行なわれる。露光に適用し得る光もしくは放射線としては、g線、h線、i線、KrF光、ArF光が好ましく、特にi線が好ましい。照射光にi線を用いる場合、100mJ/cm〜10000mJ/cmの露光量で照射することが好ましい。
また、その他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視及び紫外の各種レーザー光源、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
〜レーザー光源を用いた露光工程〜
レーザー光源を用いた露光方式では、光源として紫外光レーザーを用いる。
照射光は、波長が300nm〜380nmの範囲である波長の範囲の紫外光レーザーが好ましく、さらに好ましくは300nm〜360nmの範囲の波長である紫外光レーザーがレジストの感光波長に合致しているという点で好ましい。具体的には、特に出力が大きく、比較的安価な固体レーザーのNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)や、エキシマレーザーのXeCl(308nm)、XeF(353nm)を好適に用いることができる。
被露光物(パターン)の露光量としては、1mJ/cm〜100mJ/cmの範囲であり、1mJ/cm〜50mJ/cmの範囲がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto(ブイテクノロジー株式会社製)やEGIS(ブイテクノロジー株式会社製)やDF2200G(大日本スクリーン株式会社製などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
上記のようにして露光された着色組成物層は加熱することができる。
また、露光は、着色組成物層中の色材の酸化褪色を抑制するために、チャンバー内に窒素ガスを流しながら行なうことができる。
続いて、露光後の着色組成物層に対して、現像液にて現像が行なわれる。これにより、ネガ型もしくはポジ型の着色パターン(レジストパターン)を形成することができる。
現像液は、着色組成物層の未硬化部(未露光部)を溶解し、硬化部(露光部)を溶解しないものであれば、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性水溶液を用いることができる。現像液がアルカリ性水溶液である場合、アルカリ濃度が好ましくはpH11〜13、更に好ましくはpH11.5〜12.5となるように調整するのがよい。前記アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザ
ビシクロ-[5,4,0]-7-ウンデセン等のアルカリ性水溶液が挙げられる。
現像時間は、30秒〜300秒が好ましく、更に好ましくは30秒〜120秒である。現像温度は、20℃〜40℃が好ましく、更に好ましくは23℃である。
現像は、パドル方式、シャワー方式、スプレー方式等で行なうことができる。
また、アルカリ性水溶液を用いて現像した後は、水で洗浄することが好ましい。
その後、本発明のカラーフィルタの製造方法では、必要に応じて、現像により形成された着色パターンに対し後加熱及び/又は後露光を行ない、着色パターンの硬化を促進させることもできる。
−工程(C)−
本発明のカラーフィルタの製造方法では、特に、着色組成物を用いて形成された着色パターン(画素)に対して、紫外線照射による後露光を行なうこともできる。
−工程(D)−
上記のような紫外線照射による後露光が行なわれた着色パターンに対して、さらに加熱処理を行なうことが好ましい。形成された着色パターンを加熱処理(いわゆるポストベーク処理)することにより、着色パターンを更に硬化させることができる。この加熱処理は、例えば、ホットプレート、各種ヒーター、オーブンなどにより行なうことができる。
加熱処理の際の温度としては、100℃〜300℃であることが好ましく、更に好ましくは、150℃〜250℃である。また、加熱時間は、10分〜120分程度が好ましい。
このようにして得られた着色パターンは、カラーフィルタにおける画素を構成する。複数の色相の画素を有するカラーフィルタの作製においては、上記の工程(A)、工程(B)、及び必要に応じて工程(C)や工程(D)を所望の色数に合わせて繰り返せばよい。
なお、単色の着色組成物層の形成、露光、現像が終了する毎に(1色毎に)、前記工程(C)及び/又は工程(D)を行なってもよいし、所望の色数の全ての着色組成物層の形成、露光、現像が終了した後に、一括して前記工程(C)及び/又は工程(D)を行なってもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)は、本発明の着色組成物を用いていることから、色相及びコントラストに優れている。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子や固体撮像素子に用いることが可能であり、特に液晶表示装置の用途に好適である。液晶表示装置に用いた場合、染料を着色剤として用い、良好な色相を達成しながら、分光特性及びコントラストに優れた画像の表示が可能になる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを備えたものである。
液晶表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。
また、本発明のカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)
方式にも供することが可能である。
本発明のカラーフィルタを液晶表示素子に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に、赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
−染料化合物−
(A−1)染料:前記一般式(I−3)で表されるジピロメテン金属錯体化合物の例示化合物III−90
(A−2)染料:前記一般式(I−3)で表されるジピロメテン金属錯体化合物の例示化合物IV−A
(A−3)染料:前記一般式(II)で表される化合物の具体例46
(A−4)染料:下記構造式(4)で表される化合物
(A−5)染料:下記構造式(5)で表される化合物
(A−6)染料:下記構造式(6)で表される化合物
(A−7)染料:下記構造式(7)で表される化合物
(A−8)染料:下記構造式(8)で表される化合物
(A−9)染料:下記構造式(9)で表される化合物
−アントラキノン化合物−
(A−10)染料:下記構造式(10)で表されるアントラキノン化合物
(A−11)染料:下記構造式(11)で表されるアントラキノン化合物
(A−12)染料:下記構造式(12)で表されるアントラキノン化合物
(A−13)染料:下記構造式(13)で表されるアントラキノン化合物
(A−14)染料:下記構造式(14)で表されるアントラキノン化合物
(A−15)染料:下記構造式(15)で表されるアントラキノン化合物
(A−16)染料:下記構造式(16)で表されるアントラキノン化合物
(A−17)染料:下記構造式(17)で表されるジピロメテン金属錯体化合物
(A−18)染料:下記構造式(18)で表されるジピロメテン金属錯体化合物
(A−19)染料:下記構造式(19)で表されるジピロメテン金属錯体化合物
(A−20)染料:下記構造式(20)で表されるジピロメテン金属錯体化合物

(A−21)染料:下記構造式(21)で表されるジピロメテン金属錯体化合物
(A−22)染料:下記構造式(22)で表されるジピロメテン金属錯体化合物
(A−23)染料:下記構造式(23)で表されるアントラキノン化合物
(A−24)染料:下記構造式(24)で表されるアントラキノン化合物
(A−25)染料:下記構造式(25)で表されるアントラキノン化合物
(B−1)C.I.ピグメントグリーン58を14部と、アクリル系顔料分散剤3.4部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート82.6部と混合し、ビーズミルを用いて、顔料を充分に分散させて得られた顔料分散液。
(B−2)C.I.ピグメントブルー15:6を12.8部とアクリル系顔料分散剤 7.2部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80.0部と混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させて得られた顔料分散液。
(C−1)光重合性化合物:カヤラドDPHA(日本化薬(株)製;ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物)
(D−1)バインダー樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(固形分40.0質量%)
(D−2)バインダー樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/グリシジルメタクリレートとメタクリル酸の付加物(30/33/37[モル比]、固形分45.0質量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)
(E−1)光重合開始剤:2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン
(E−2)光重合開始剤:2−(アセトキシイミノ)−4−(4−クロロフェニルチオ)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−ブタノン
(E−3)光重合開始剤:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
(E−4)光重合開始剤:2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1−オキサ−3,4−ジアゾール
(E−5)光重合開始剤:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体
(F−1)光重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(F−2)光重合開始助剤:2−メルカプトベンゾチアゾール
(F−3)光重合開始助剤:4−オキサゾリジノン,3−シクロヘキシル−2−(シクロヘキシルイミノ)−5[[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メチレン]、<特開2009-262523号公報に記載の化合物(D45)>
(F−4)光重合開始助剤:2−メルカプト−5−(2’−エチル)ヘキサノイルアミノベンズイミダゾロン
(F−5)高温分解型ラジカル発生剤:2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(ノフマーBC−90、日本油脂社製)
(F−6)添加剤;2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(EHPE−3150、ダイセル化学工業製)
(G−1)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(G−2)溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル
(H−1)界面活性剤:メガファックF781−F(大日本インキ化学工業(株)製)
〜染料化合物の合成例〜
前記化合物(13)の合成方法を以下に示す。
<化合物(13B)の合成>
500mLフラスコにクロロスルホン酸140mLを加え、40℃に加温した。ここに、攪拌しながら、化合物(13A)〔ランクセス社製、CERES Blue RR−J〕30gを少量ずつ加えた。添加後、反応液を70℃で1時間攪拌し、その後室温まで冷却した。別のビーカーに食塩100g、水500mL、砕氷1.5kgを混ぜ合わせたものを用意し、ここへ反応液を注意深く滴下した。滴下後、得られた懸濁液を30分間攪拌し、ろ過することで化合物(13B)のwet結晶158gを得た。
<化合物(13)の合成>
500mLフラスコに2−エチルヘキシルアミン14.7g、トリエチルアミン26g、トルエン200mLを加えた。ここに化合物(13B)のwet結晶100gを攪拌しながら少量添加した。添加後、1時間攪拌し、ここに酢酸エチル500mLを添加した。得られた溶液に脱水剤として硫酸ナトリウムを加えてろ過し、得られた溶液を濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物(13)を21g得た。
得られた化合物(13)のH NMR(300MHz,in CDCl):δ(ppm)=11.89(2H,s),8.44(2H,dd),7.80(2H,dd),7.14(2H,s),6.44(2H,d),4.30−4.50(2H,m),3.23−3.42(2H,m),2.64−2.97(12H,m),2.30−2.64(4H,m),1.00−1.46(30H,m),0.68−0.92(12H,m)
下記の化合物についても、前記化合物(13)と同様の手法を用いて合成した。
前記化合物(14)のH NMR(300MHz,in CDCl):δ(ppm)=11.88(2H,s),8.44(2H,dd),7.80(2H,dd),7.12(2H,s),6.41(2H,dd),4.23−4.31(2H,m),3.20−3.40(4H,m),2.33−2.89(12H,m),0.97−1.55(22H,m),0.60−0.89(6H,m)
前記化合物(24)のH NMR(300MHz,in CDCl):δ(ppm)=12.14(0.5H,s),11.74(1H,s),11.60(0.5H,s),8.38−8.45(2H,m),7.79−7.84(2H,m),7.25−7.23(0.5H,m),7.11−7.18(1.5H,m),6.98−7.02(0.5H,m),6.44−6.52(1.5H,m),4.37−4.42(2H,m),2.76−2.91(4H,m),2.70(6H,t),2.52−2.64(6H,m),2.10−2.26(6H,m),1.06−1.42(18H,m),0.73−0.92(12H,m)
前記化合物(25)のH NMR(300MHz,in CDCl):δ(ppm)=12.13(0.5H,s),11.75(1H,s),11.59(0.5H,s),8.35−8.47(2H,m),7.77−7.90(2H,m),7.25−7.23(0.5H,m),7.08−7.20(1.5H,m),6.95−7.02(0.5H,d),6.43−6.49(1.5H,m),4.25−4.40(2H,m),3.20−3.35(2H,m),2.71(6H,t),2.58(6H,t),2.10−2.28(6H,m),1.35−1.50(4H,m),1.00−1.12(6H,m),0.76−0.90(6H,m)
(実施例1)
−着色組成物1の調製−
下記組成中の成分を混合して、着色組成物1を調製した。
<組成>
・前記(A−1) ・・・4.7質量部
・前記(A−12) ・・・2.3質量部
・前記(B−2) ・・・42.1質量部
・前記(C−1) ・・・103.4質量部
・前記(D−1) ・・・212.2質量部(固形分換算値:84.9質量部)
・前記(E−1) ・・・21.2質量部
・前記(F−1) ・・・3.5質量部
・前記(G−1) ・・・71.9質量部
・前記(G−2) ・・・3.6質量部
・前記(H−1) ・・・0.06質量部
−塗布膜の形成−
次に、ガラス(#1737;コーニング社製)上に、上記で得た着色組成物1をスピンコート法で塗布した後、100℃、3分間で揮発成分を揮発させて着色組成物膜1を形成した。冷却後、この着色組成物膜1にi線〔波長365nm〕を照射して露光した。i線の光源には超高圧水銀ランプを用い、平行光としてから照射した。照射光量は500mJ/cmとした。次いで、180℃で20分間のポストベークを行ない、膜厚2μmの青色組成物膜1を得た。オリンパス(株)製の顕微分光測定装置OSP−SP200を用い、C光源での色度を測定すると、x=0.15 y=0.09であった。
(実施例2)
実施例1において、(A−1)を(A−2)に変更し、(A−2)と(B−2)の比率をx=0.15 y=0.09となるよう調整した以外は、実施例1と同様にして、青色組成物膜2を得た。
(実施例3)
実施例1において、(A−1)を(A−6)に変更し、(A−6)と(B−2)の比率をx=0.15 y=0.09となるよう調整した以外は、実施例1と同様にして、青色組成物膜3を得た。
(実施例4)
実施例1において、(A−12)を(A−10)に変更した以外は、実施例1と同様にして、青色組成物膜4を得た。
(実施例5)
実施例1において、(A−1)を(A−2)に、(A−12)を(A−11)に変更し、(A−2)と(B−2)の比率をx=0.15 y=0.09となるよう調整した以外は、実施例1と同様にして、青色組成物膜5を得た。
(実施例6)
実施例1において、(A−1)を(A−6)に、(A−12)を(A−11)に変更し、(A−6)と(B−2)の比率をx=0.15 y=0.09となるよう調整した以外は、実施例1と同様にして、青色組成物膜6を得た。
(実施例7)
実施例2の(A−12)の添加量を2.3質量部から5.0質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜7を得た。
(実施例8)
実施例2の(A−12)を(A−13)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜8を得た。
(実施例9)
実施例2の(A−12)を(A−14)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜9を得た。
(実施例10)
実施例2の(A−12)を(A−15)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜10を得た。
(実施例11)
実施例2の(A−12)を(A−16)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜11を得た。
(実施例12)
実施例2の(A−2)を(A−17)に変更し、(A−12)を(A−14)に変更し、(E−1)を(E−2)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜12を得た。
(実施例13)
実施例2の(A−2)を(A−18)に変更し、(A−12)を(A−13)に変更し、(E−1)を(E−2)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜13を得た。
(実施例14)
実施例2の(A−2)を(A−19)に変更し、(A−12)を(A−15)に変更し、(E−1)を(E−2)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜14を得た。
(実施例15)
実施例2の(A−2)を(A−20)に変更し、(A−12)を(A−16)に変更し、(E−1)を(E−2)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜15を得た。
(実施例16)
実施例2の(A−2)を(A−21)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜16を得た。
(比較例1)
実施例2の(A−12)の添加をなくした以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜Aを得た。
(比較例2)
実施例14の(A−15)の添加をなくした以外は、実施例14と同様にして、青色組成物膜Bを得た。
(実施例17)
〔着色組成物17の調製〕
下記組成中の成分を混合して、着色組成物17を調製した。
<組成>
・前記(A−3) ・・・4.1質量部
・前記(A−12) ・・・1.7質量部
・前記(B−1) ・・・22.3質量部
・前記(C−1) ・・・103.4質量部
・前記(D−1) ・・・212.2質量部(固形分換算値:84.9質量部)
・前記(E−2) ・・・21.2質量部
・前記(F−1) ・・・3.5質量部
・前記(G−1) ・・・71.9質量部
・前記(G−2) ・・・3.6質量部
・前記(H−1) ・・・0.06質量部
塗布膜の形成を実施例1と同様に行ない、着色組成物膜17を得た。オリンパス(株)製の顕微分光測定装置OSP−SP200を用い、C光源での色度を測定したところ、x=0.30 y=0.57であった。
(実施例18)
実施例17の(A−3)を(A−4)に変更し、(A−4)と(B−1)の比率をx=0.30 y=0.57となるよう調整した以外は、実施例17と同様にして、緑色組成物膜18を得た。
(実施例19)
実施例17の(A−3)を(A−5)に変更し、(A−5)と(B−1)の比率をx=0.30 y=0.57となるよう調整した以外は、実施例17と同様にして、緑色組成物膜17を得た。
(実施例20)
実施例17の(A−3)を(A−7)に、(A−12)を(A−10)変更した以外は、実施例17と同様にして、緑色組成物膜20を得た。
(実施例21)
実施例17の(A−3)を(A−8)に変更するとともに(A−12)を(A−11)に変更し、(A−8)と(B−1)の比率をx=0.30 y=0.57となるよう調整した以外は、実施例17と同様にして、緑色組成物膜21を得た。
(実施例22)
実施例17の(A−3)を(A−9)に変更し、(A−9)と(B−1)の比率をx=0.30 y=0.57となるよう調整した以外は、実施例17と同様にして、緑色組成物膜22を得た。
(比較例3)
実施例18の(A−12)の添加をなくした以外は、実施例18と同様にして、緑色組成物膜Cを得た。
(比較例4)
実施例20の(A−10)の添加をなくした以外は、実施例20と同様にして、緑色組成物膜Dを得た。
(コントラスト・輝度の評価)
上記で得られた組成物膜の各々について、下記の方法により評価した。評価結果を下記の表1〜表2に示す。
得られた組成物膜を2枚の偏光フィルムの間に挟み、2枚の偏光フィルムの偏光軸が平行な場合、及び垂直な場合の輝度の値を色彩輝度計(トプコン(株)製、型番:BM−5A)を使用して測定し、2枚の偏光フィルムの偏光軸が平行な場合の輝度を垂直な場合の輝度で除して、得られた値をコントラストとして求めた。コントラストが高いほど、液晶ディスプレイ用カラーフィルタとして良好な性能を示す。
輝度は、オリンパス(株)製の顕微分光測定装置OSP−SP200を用いて測定し、Y値により評価した。Y値が高いほど、液晶ディスプレイ用カラーフィルタとして良好な性能を示す。
前記表1〜表2に示すように、染料化合物とともにアントラキノン化合物を用いた実施例では、Y値を維持しながら、コントラストを大幅に向上させることができた。
(実施例23)
実施例8の(E−1)を(E−3)に変更した以外は、実施例8と同様にして、青色組成物膜23を得た。また、上記の方法によりコントラスト及び輝度を測定した。
(実施例24)
実施例8の(E−1)を(E−4)に変更した以外は、実施例8と同様にして、青色組成物膜24を得た。また、上記の方法によりコントラス及び輝度を測定した。
(実施例25)
実施例8の(E−1)21.2質量部、(F−1)3.5質量部を、(E−1)19.7質量部、(E−5)1.5質量部、(F−2)2.0質量部、(F−3)1.5質量部に変更した以外は、実施例8と同様にして、青色組成物膜25を得た。また、上記の方法によりコントラスト及び輝度を測定した。
(実施例26)
実施例8の(E−1)21.2質量部、(F−1)3.5質量部を、(E−1)18.0質量部、(E−5)1.3質量部、(F−1)1.4質量部、(F−4)4.0質量部に変更した以外は、実施例8と同様にして、青色組成物膜26を得た。また、上記の方法によりコントラスト及び輝度を測定した。
(実施例27)
実施例26の(A−2)を(A−2)と(A−22)の98:2(質量比)混合物に変更し、(A−2)と(B−2)の比率をx=0.15 y=0.09となるよう調整し、さらに(C−1)103.4質量部を、(C−1)101.3質量部、(F−5)2.1質量部に変更し、(D−1)212.2質量部を(D−2)188.7質量部、(F−6)23.5質量部に変更した以外は、実施例26と同様にして、青色組成物膜27を得た。また、上記の方法によりコントラスト及び輝度を測定した。
また、実施例8、23〜27で得られた青色組成物を青色組成物8、23〜27とし、この青色組成物を用いて、実施例1の塗布膜の形成と同様にしてスピンコート法で塗布、揮発成分を揮発させた後、露光時の照射光量を60mJ/cm、プロキシミティ・ギャップを200μmとし、ストライプ状のパターニングマスクを介して露光し、0.045%水酸化カリウム系現像液(商品名;CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を純水で100倍に希釈した現像液)で現像することにより、光学顕微鏡で観察しても現像残渣が観察されない良好な画素パターンが得られた。
次いで、230℃で30分間のポストベークを行なった後に、画素断面をSEM観察した結果、垂直から順テーパーの画素形状が観察された。
(実施例28)
[青色感光性転写材料の作製]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、実施例8で得た前記着色組成物8を塗布、乾燥させた。このようにして、仮支持体の上に乾燥膜厚が15.1μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.3μmの感光性の青色着色層とを設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。このようにして、仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)と青色着色層とが一体となった転写材料を作製した。これを、青色感光性転写材料8とした。
(熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1)
・メタノール ・・・11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・6.36部
・メチルエチルケトン ・・・52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、ガラス転移温度(Tg)≒70℃) ・・・5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合比(モル比)=63/37、平均分子量=1万、Tg≒100℃) ・・・13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) ・・・9.1部
・フッ素系ポリマー ・・・0.54部
(C13CHCHOCOCH=CHを40部と、H(OCH(CH)CHOCOCH=CHを55部と、H(OCHCHOCOCH=CHを5部との共重合体、平均分子量:3万、メチルエチルケトン30質量%溶液、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:メガファックF780F)
(中間層用塗布液:処方P1)
・PVA−205 ・・・32.2部
(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度:550)
・ポリビニルピロリドン ・・・14.9部
(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)
・蒸留水 ・・・524部
・メタノール ・・・429部
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワーにより洗浄した。その後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。このガラス基板を基板予備加熱装置にて100℃で2分間、加熱した。得られたシランカップリング処理ガラス基板に、上記の製法で作製された青色感光性転写材料8から保護フィルムを除去し、除去後に露出した青色着色層の表面と前記シランカップリング処理ガラス基板の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネーター(株式会社日立インダストリイズ製、Lamic II型)を用いて
、100℃で2分間加熱した前記ガラス基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。続いて、PET仮支持体を、熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、PET仮支持体を除去した。PET仮支持体を剥離した後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、ガラス基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該青色着色層の間の距離を200μmに設定し、露光量40mJ/cmでパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1部と純水11部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で20秒間、フラットノズル圧力0.1MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
その後、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム系現像液(商品名:T−CD1(富士フイルム(株)製)を純水で5倍(T−CD1を1部と純水4部の割合で混合)に希釈した液)を用いて30℃でシャワー圧を0.1MPaに設定して、30秒現像し、純水で洗浄した。
引き続き、界面活性剤含有洗浄液(商品名:T−SD3(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.1MPaにてシャワーで吹きかけ、更にやわらかいナイロン毛を有する回転ブラシにより、形成されたパターン像を擦って残渣除去を行なった。さらに、超高圧洗浄ノズルにて8.5MPaの圧力で超純水を噴射して残渣除去を行ない、所望の青色画素パターンを得た。
触針式膜厚計(P−10;Tencor Instrument製)で測定した青色画
素パターンの膜厚は、2.24μmであった。
次いで、大気下にて露光量2000mJ/cmにてポスト露光を行ない、さらに240℃で50分間、ポストベーク処理を行なって、青色の着色画素が形成された基板を得た。この着色画素を光学顕微鏡で観察したところ、現像残渣が観察されない良好な画素パターンであることが認められた。
(実施例29)
実施例28において、露光量40mJ/cmでのパターン露光に代え、露光量100mJ/cmの全面露光を行なった以外は、実施例28と同様にして、青色の着色膜を形成した。
なお、上記の実施例では、アントラキノン化合物としてA−10〜A−16を用いた場合を中心に説明したが、本願発明では構造中にアントラセン−9,10−ジオン構造を有していることが重要であり、A−10〜A−16以外の既述の他のアントラキノン化合物を用いた場合にも同様の効果が得られる。
(実施例30)
実施例2の(A−12)を(A−23)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜30を得た。
(実施例31)
実施例2の(A−12)を(A−24)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜31を得た。
(実施例32)
実施例2の(A−12)を(A−25)に変更した以外は、実施例2と同様にして、青色組成物膜32を得た。
前記表5に示すように、染料化合物とともにアントラキノン化合物を用いた実施例30〜32では、高いY値(11.0以上)を維持しながら、コントラストをより向上させることができた。また、SONH基に結合するアルキル部位が分岐構造を有するアントラキノン化合物を用いた場合(実施例8、9、31、32)の方が、SONH基に結合するアルキル部位が直鎖構造であるアントラキノン化合物を用いた場合(実施例10、11、30)に比べて、より高いY値、コントラストを示した。

Claims (11)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物が金属原子又は金属化合物に配位したジピロメテン系金属錯体化合物及び下記一般式(II)〜一般式(VIII)のいずれかで表される染料化合物からなる群より選択される化合物と、
    アントラキノン化合物と、
    を含有するカラーフィルタ用着色組成物。


    〔一般式(I)中、R、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。〕


    〔一般式(II)中、Aは、5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾリジンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシド、及び3−ジシアノメチン−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシドからなる群より選ばれる化合物由来の酸性核を表す。L、L、及びLはメチンを表す。R33及びR34は、各々独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、又は水素原子を表し、R35は、水素原子、メトキシ基、塩素原子、メチル基、又はニトロ基を表す。nは、0又は1を表す。但し、A及びR33〜R35の少なくとも1つに結合する置換基として、分子中にカルボキシル基、スルホンアミド基、及びスルファモイル基から選ばれる少なくとも1つを有する。〕


    〔一般式(III)中、R41は、ヘテロ環基を表し、R42は、水素原子又は置換基を表す。R43、R44、R45、R46、R47、及びR48は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。R43とR44、R45とR46、R47とR48は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。〕


    〔一般式(IV)中、Ra1、Ra2、Ra3、Rb1、Rb2、及びRb3は、各々独立に、水素原子又は一価の置換基を表し、Ra2とRa3とは互いに結合して5〜7員の複素環を形成していてもよい。Aは、脂肪族基、アリール基、又は複素環基を表す。nは、0、1、2、又は3を表し、nが2以上のとき、複数存在するRb2及びRb3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕


    〔一般式(V)中、R61、R62、R63、及びR64は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又は−SONH−Rを表し、R65は水素原子、アルキル基、アリール基、−SOH、又は−SONH−Rを表す。Rは、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアルキルカルボニルオキシ基を表す。nは、0又は1以上の整数を表すが、nが0のときには、R61〜R65の少なくとも1つは置換基として−SONH−Rを有するアリール基を表す。〕


    〔一般式(VI)中、R71は、炭素数2〜20のアルキル基、アルキル鎖の炭素数が2〜12のシクロヘキシルアルキル基、アルキル鎖の炭素数が1〜4のアルキルシクロヘキシル基、炭素数2〜12のアルコキシル基で置換された炭素数2〜12のアルキル基、L71−CO−O−L72−で表されるアルキルカルボキシルアルキル基、L73−O−CO−L74−で表されるアルキルオキシカルボニルアルキル基、炭素数1〜20のアルキル基で置換されたフェニル基、又はフェニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基を表す。L71は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L72は、炭素数2〜12のアルキレン基を表し、L73は、炭素数2〜12のアルキル基を表し、L74は、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。R72、R73、R74、及びR75は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシル基、又はハロゲン原子を表す。〕

    〔一般式(VII)中、Z及びZは、各々独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。R
    81、R82、R83、及びR84は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、ヒドロキシ基が置換した炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシル基が置換した炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のチオアルコキシル基が置換した炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基を表す。R85、R86,R87、R88、R89、R110a、R111a、及びR112aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜10のハロゲン化飽和脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシル基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、又はN−置換スルファモイル基を表し、R85〜R89及びR110a〜R112aの少なくとも1つはN−置換スルファモイル基を表す。〕


    〔一般式(VIII)中、R91、R92、及びR93は、水素原子、ハロゲン原子、又はスルホン酸基を表し、Aは、下記(a)〜(d)のいずれかを表す。lは、1又は2の整数を表す。R94、R95、及びR96は、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、スルホン酸基、又は−SON(R97)(R98)を表し、R97及びR98は各々独立に水素原子、炭素数1〜8の低級アルキル基、又はフェニル基を表す。R91〜R96の少なくとも1つはスルホン酸基を表す。〕
  2. 前記アントラキノン化合物が、下記一般式(IX)で表される化合物である請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。


    〔一般式(IX)中、R11a及びR12aは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表すが、R11aとR12aとが同時に水素原子を表すことはない。n11は、1〜4の整数を表し、n11が2〜4である場合、複数のNR11a12aは同一でも異なっていてもよい。〕
  3. 前記一般式(IX)で表される化合物は、下記一般式(X)で表されるジアミノアントラキノン化合物である請求項2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。


    〔一般式(X)中、R21a及びR22aは、各々独立に、アルキル基、又はアリール基を表す。〕
  4. 前記一般式(X)で表される化合物は、下記一般式(XI)で表されるジアミノアントラキノン化合物である請求項3に記載のカラーフィルタ用着色組成物。


    〔一般式(XI)中、R31a、R32a、R33a、及びR34aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。R35a及びR36aは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホ基もしくはその塩、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基、又はフェノキシスルホニル基を表す。n31及びn32は、各々独立に0〜2の整数を表し、n31、n32が2の場合、複数のR35a、R36aは同一でも異なっていてもよい。〕
  5. 前記一般式(XI)で表される化合物は、下記一般式(XII)又は下記一般式(XIII)で
    表されるジアミノアントラキノン化合物より選択される化合物である請求項4に記載のカラーフィルタ用着色組成物。


    〔一般式(XII)中、R41a、R42a、R43a、及びR44aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。R45a、R46a、R47a、及びR48aは、各々独立に、アルキル基、スルホ基もしくはその塩、又はアミノスルホニル基を表す。R45a及びR47aのいずれか一方と、R46a及びR48aのいずれか一方とは、スルホ基もしくはその塩、又はアミノスルホニル基を表す。〕


    〔一般式(XIII)中、R51a、R52a、R53a、及びR54aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。R55a及びR56aは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表し、R57a及びR58aは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。L51a及びL52aは、各々独立に二価の連結基を表し、L53a及びL54aは、各々独立に、酸素原子又は−NH−基を表す。〕
  6. 更に、重合性化合物と光重合開始剤とを含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. 前記アントラキノン化合物の総含有量が、前記染料化合物の総量の50質量%以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. 基板と、該基板上に請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成された着色領域とを有するカラーフィルタ。
  9. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物を支持体上に塗布し、着色層を形成する工程と、
    形成された前記着色層をパターン状に露光し、現像して着色領域を形成する工程と、
    を有するカラーフィルタの製造方法。
  10. 請求項8に記載のカラーフィルタ、又は請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法で作製されたカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
  11. 下記一般式(XIV)で表されるアントラキノン化合物。


    〔RX1は、メチル基又はエチル基を表し、RX2及びRX3は、各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基を表す。X4は、0又は1を表す。〕
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