JPH09291238A - カラーフィルタ用青色インク組成物及びそれを用いるカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ用青色インク組成物及びそれを用いるカラーフィルタの製造方法

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JPH09291238A
JPH09291238A JP12937496A JP12937496A JPH09291238A JP H09291238 A JPH09291238 A JP H09291238A JP 12937496 A JP12937496 A JP 12937496A JP 12937496 A JP12937496 A JP 12937496A JP H09291238 A JPH09291238 A JP H09291238A
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JP12937496A
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Daisaku Matsunaga
代作 松永
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明基板上に高染色性の感光性樹脂薄膜を形成
し、該薄膜層にインクジェット法により染料液を選択的
に噴射して所望の着色パターンを形成後湿式処理してカ
ラーフィルタを得るのに適した、染着性が極めて高く安
定性の優れたカラーフィルタ用青色インク組成物の開
発。 【解決手段】アミド系有機溶剤水溶液中に1,4−ジア
ミノアントラキノン系アニオン性青色染料が溶解してい
ることを特徴とするカラーフィルタ用青色インク組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示デバイ
ス、色分解デバイス、及びセンサ−等に用いられる光学
特性の優れたカラ−フィルタの作製に用いるカラ−フィ
ルタ用インク組成物、それを用いてインクジェット方式
で作製するカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示素子や固体撮像素子
をカラー化するために、赤・緑・青、或は黄・マゼンタ
・シアンの3原色カラーフィルタを組み合わせる方法が
とられている。これらカラーフィルタを形成する方法と
しては幾つかあるが、最も基本的な方法はいわゆる染色
法である。染色法によるカラ−フィルタの製法は、基体
となるガラスやシリコンウエハなどの表面にストライブ
状あるいはモザイク状等(パタ−ンという)の薄膜状の
透明なカチオン性基を有する合成樹脂の皮膜またはゼラ
チン、カゼイン、グル−等の蛋白質系天然高分子物質の
皮膜を設けて被着色皮膜とし、これを染料を用いて染色
(着色)することを基本原理としている。染色法カラ−
フィルタの具体的な製造プロセスとしては次の3つの方
式が知られている。
【0003】(1)着色すべき皮膜を基体表面に設けた
後、マスクを介して露光、現像して得られるパタ−ンを
染色して着色層を形成する。次いで非着色性の保護コ−
ト皮膜を全面に設け、この上に上記同様な操作により第
2の着色すべき皮膜を設ける。以下、必要によって着色
層を逐次積層形成させる。
【0004】(2)着色すべき皮膜を基体表面に設けた
後、マスクを介して露光、現像して得られるパタ−ンを
染色して着色層を形成した後、タンニン酸などで染料の
固着兼防染処理を施す。同様な操作により第2の着色す
べき皮膜を設ける。以下必要によって着色層を同一基体
表面上に形成させる。
【0005】(3)着色すべき皮膜(被着色皮膜)を基
体表面に設ける。その上にポジレジストの層を設けた
後、マスクを介して露光、現像してパタ−ン状に露出し
た被着色皮膜を染色し、次いでポジレジスト層を剥離し
て着色部を形成する。ポジレジスト層を設ける以降の操
作を繰り返し、同一被着色皮膜を複数の色に所望のパタ
−ン状に染め分ける。
【0006】上記のようなプロセスで製造されるカラ−
フィルタは、特殊なものを除き通常原色系3原色である
R(赤)、G(緑)、B(青)または補色系3原色であ
るY(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、(Mは省
略されることもある)に着色された着色層を有してい
る。カラ−フィルタに要求される最も重要な特性は光学
特性であり、各着色層の分光特性が最終製品の価値を大
きく支配することになる。
【0007】また、カラ−フィルタを装着した液晶表示
装置を製造する工程で遭遇する熱処理、例えば、透明電
極層を設けるためのスパッタリング工程に対して、また
最終製品として使用時に加えられる光に対して高度の耐
性を有し、所定の光学特性が損なわれることがあっては
ならない。また当然のことながら適用される染料は水に
対して良好な溶解性(溶解の速度と溶解度)を有し、酸
性の染色浴中で長期間安定でなくてはならない。
【0008】更に、固着処理を必要とする工程を伴う場
合には固着処理効果の優れることが要求される。ところ
で、ゼラチン、カゼイン、グル−等の蛋白質系高分子物
質はカチオン性基を有しているので、水溶性のアニオン
性染料によって染色(着色)される。またこれらに代え
て光硬化型の合成樹脂基材を用いる場合には、樹脂成分
中にカチオン性基を保持せしめることにより、蛋白質系
天然高分子物質と同様に水溶性のアニオン性染料で染色
されるようになる。
【0009】上記の様に染色法は極めて微細なカラーパ
ターンを自由に形成できるという特徴を有しているが、
染色する色の数に応じた回数のフォトリソグラフィー工
程、染色工程、洗浄・固着工程等の製造工程が多く複雑
であり、製造中のゴミ付着等による歩留まり低下をおこ
す危険も多い。又、着色濃度は染色樹脂膜の膜厚にほぼ
比例するため膜厚の変動が色むらとなって製品の品質を
低下させる。染色の順序によっては他の色の汚染・脱離
等による色むらがおこる場合もある。さらに、液晶表示
素子メーカーからは、カラーフィルタ製造の工程数を減
らし歩留まりを向上させてより安価に作る方法が強く要
望されている。
【0010】最近、本発明者らは、透明基板上にアニオ
ン性染料に対する染色性が非常に高い感光性樹脂薄膜を
形成し、エネルギー線を照射して該薄膜を硬化させ、該
硬化膜層にインクジェット法により染料液を所定位置に
噴射して濃度や精度の高い所望の着色パターンを形成す
るカラーフィルタの製造方法を特開平7−77607に
開示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明基板上
に高染色性の感光性樹脂薄膜を形成し、該薄膜層にイン
クジェット法により染料液を選択的に噴射して所望の着
色パターンを形成後湿式処理してカラーフィルタを得る
のに適した、染着性が極めて高く安定性の優れたカラー
フィルタ用青色インク組成物とそれを用いたカラーフィ
ルタの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる問
題を解決するために種々検討した結果、本発明を完成し
た。即ち、本発明は、(1)アミド系有機溶剤水溶液中
に1,4−ジアミノアントラキノン系アニオン性青色染
料が溶解していいることを特徴とするカラーフィルタ用
青色インク組成物、(2)アミド系有機溶剤が活性水素
を有しない化合物である(1)のカラーフィルタ用青色
インク組成物、(3)活性水素を有しない化合物がN−
メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メ
チル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿
素である(2)のカラーフィルタ用青色インク組成物、
(4)活性水素を有しない化合物がN−メチルピロリド
ンである(2)のカラーフィルタ用青色インク組成物、
【0013】(5)アミド系有機溶剤の含有量が5−3
0重量%である(1)ないし(4)のカラーフィルタ用
青色インク組成物、(6)インク組成物中にアミド系有
機溶剤以外の有機溶剤を実質的に含まない(1)ないし
(5)のいずれか一項のカラーフィルタ用青色インク組
成物、(7)インク組成物中の1,4−ジアミノアント
ラキノン系アニオン性青色染料の濃度が1〜10%であ
る(1)ないし(6)のカラーフィルタ用青色インク組
成物、(8)1,4−ジアミノアントラキノン系アニオ
ン性青色染料が1,4−ビス(フェニルアミノ)アント
ラキノン系アニオン性青色染料である(1)ないし
(7)のカラーフィルタ用青色インク組成物、(9)
1,4−ビス(フェニルアミノ)アントラキノン系アニ
オン性青色染料が一般式(1)
【0014】
【化2】
【0015】(式(1)中、R1 ,R2 及びR3 は、独
立に炭素数1−5のアルキル基、炭素数1−5のアルコ
キシ基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、エト
キシエチル基、ハロゲン基、スルホン酸基を表し、R4
は水素原子叉はスルホン酸基を表す。)で示される化合
物である(8)のカラーフィルタ用青色インク組成物、
(10)アニオン性染料可染性ポリマーの架橋体層を有
する透明基板上にインクジェット法により、(1)ない
し(9)のカラーフィルタ用青色インク組成物を所定位
置に噴射して所望の着色パターンを形成し、乾燥後、水
処理することを特徴とするカラーフィルタの製造方法、
(11)アニオン性染料可染性ポリマーが3級アミノ基
を有する樹脂である(10)のカラーフィルタの製造方
法、(12)透明基板上に形成されたアニオン性染料可
染性ポリマーの架橋体層が、液晶表示素子の画素の形状
に対応する形にパターン化されている(10)または
(11)のカラーフィルタの製造方法、(13)透明基
板上に形成されたアニオン性染料可染性ポリマーの架橋
体層が、液晶表示素子の画素の形状に対応する形にパタ
ーン化され、かつパターンの間にブラックマトリックス
が形成されている(10)または(11)のカラーフィ
ルタの製造方法、(14)水処理が30〜100℃、p
H3〜7の温水での処理である(10)ないし(13)
のカラーフィルタの製造方法、に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルタ用青色イ
ンク組成物はアミド系有機溶剤水溶液中に1,4−ジア
ミノアントラキノン系アニオン性青色染料が溶解してい
るものである。アミド系有機溶剤としては、例えばN−
メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メ
チル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿
素等の活性水素を有しない化合物が染着性の点から好ま
しく、特にN−メチルピロリドンが好ましい。インク組
成物中の上記アミド系有機溶剤の含有量は、好ましくは
3〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%であ
る。又、水の含有量は、好ましくは96.5〜40重量
%、より好ましくは92〜60重量%である。
【0017】本発明で使用する1,4−ジアミノアント
ラキノン系アニオン性青色染料としては、例えば1,4
−ビス(フェニルアミノ)アントラキノン系アニオン性
青色染料があげられる。1,4−ビス(フェニルアミ
ノ)アントラキノン系アニオン性青色染料としては、例
えば一般式(1)で示されるアニオン性青色染料があげ
られる。一般式(1)において、R1 ,R2 及びR
3 は、独立に炭素数1−5のアルキル基、炭素数1−5
のアルコキシ基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル
基、エトキシエチル基、ハロゲン原子又はスルホン酸基
であり、R4 は水素原子又はスルホン酸基である。炭素
数1−5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
n−アミル基、イソアミル基、sec−アミル基、t−
アミル基等があげられる。炭素数1−5のアルコキシ基
としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポ
キシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペン
チルオキシ基等があげられる。ハロゲン原子としては、
例えばフッソ原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子があ
げられる。
【0018】R1 ,R2 ,R3 として好ましいものは、
例えばR1 が炭素数1−5のアルキル基であり、R2
炭素数1−5のアルキル基、スルホン酸基、ヒドロキシ
(C1 −C5 )アルキル基、ハロゲン原子、(C1 −C
5 )アルコキシ(C1 −C5)アルキル基であり、R3
が炭素数1−5のアルキル基、ハロゲン原子である。R
4 は、R2 がスルホン酸基でない場合はスルホン酸基で
ある。R2 がスルホン酸基である場合は、R4 は水素原
子叉はスルホン酸基である。
【0019】R1 、R2 、R3 、R4 の好ましい組み合
わせの化合物としては、例えばR1、R2 、R3 が炭素
数1−5のアルキル基であり、R4 がスルホン酸基であ
る化合物、或いはR1 、R2 が炭素数1−5のアルキル
基であり、R3 がハロゲン原子であり、R4 がスルホン
酸基である化合物、或いはR1 、R3 が炭素数1−5の
アルキル基であり、R2 がスルホン酸基であり、R4
水素原子である化合物、或いはR1 、R3 が炭素数1−
5のアルキル基であり、R2 がヒドロキシ(C1
5 )アルキル基であり、R4 がスルホン酸基である化
合物、或いはR1 が炭素数1−5のアルキル基であり、
2 、R3 がハロゲン原子であり、R4 がスルホン酸基
である化合物、或いはR1 が炭素数1−5のアルキル基
であり、R2が(C1 −C5 )アルコキシ(C1
5 )アルキル基であり、R3 がハロゲン原子であり、
4 がスルホン酸基である化合物等があげられる。これ
らの化合物のうちR1 とR3 が異なる基であるときは、
4 の置換位置は3位又は5位の化合物であり、又、R
4 の置換位置が3位の化合物と5位の化合物の混合物で
あってもよい。
【0020】R1 、R2 、R3 、R4 の好ましい組み合
わせの化合物の具体例としては、例えばR1 、R2 、R
3 がメチル基、R4 がスルホン酸ナトリウム基である化
合物、或いはR1 がメチル基、R2 がブチル基、R3
ブロム基、R4 がスルホン酸ナトリウム基である化合
物、或いはR1 、R3 がメチル基、R2 がスルホン酸リ
チウム基、R4 が水素原子である化合物、或いはR1
2 がエチル基、R3 が塩素原子、R4 がスルホン酸ナ
トリウム基である化合物、或いはR1 、R3 がエチル
基、R2 がヒドロキシエチル基、R4 がスルホン酸ナト
リウム基である化合物、或いはR1 、R3 がエチル基、
2 がメチル基、R4 がスルホン酸ナトリウム基である
化合物、或いはR1 、R3 がエチル基、R2 がイソプロ
ピル基、R4がスルホン酸リチウム基である化合物、或
いはR1 がメチル基、R2 、R3 がブロム基、R4 がス
ルホン酸ナトリウム基である化合物、或いはR1 がメチ
ル基、R2 がメトキシエチル基、R3 がブロム基、R4
がスルホン酸ナトリウム基である化合物、或いはR1
3 がメチル基、R2 がn−アミル基、R4 がスルホン
酸リチウム基である化合物等があげられる。これらの化
合物のうちR1 とR3 が異なる基であるときは、R4
置換位置は3位又は5位の化合物であり、又、R4 の置
換位置が3位の化合物と5位の化合物の混合物であって
もよい。
【0021】上記一般式(1)で示されるアニオン性青
色染料としては、例えば下記の化合物No.1〜化合物
No.10等の化合物が挙げられる。アニオン性青色染
料は、例えば上記一般式(1)で示される染料を単独或
いは混合して調製される。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】本発明のカラーフィルタ用インク組成物中
の染料濃度は0.5〜20重量%が良く、特に好ましい
のは3〜10重量%である。アニオン性染料は一般に塩
化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩がこれらの色
素合成時に混入してくる。更には一般の水中に含有され
るカルシウムイオン、マグネシウムイオン等も微量なが
ら混入してくる。これらの無機成分は色素の溶解度及び
貯蔵安定性を著しく悪くするばかりでなく、プリンター
ヘッドの腐食・摩耗の原因ともなるので、出来るだけ除
去することが望ましいが、実際上は規格を設定して管理
しなければならない。その含有量は、アニオン性緑色染
料に対し少なくとも1重量%以下にする必要があるが、
好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重
量%以下である。又、本発明のカラーフィルタ用インク
組成物中には、染着性の点からアルコール系溶剤等のア
ミド系有機溶剤以外の有機溶剤、特に活性水素を有しな
いアミド系有機溶剤以外の有機溶剤を実質的に含まない
ことが好ましい。ここで実質的に含まないとは染着性が
落ちる程度の量のアミド系有機溶剤以外の有機溶剤、特
に活性水素を有しないアミド系有機溶剤以外の有機溶剤
を含まないことである。
【0028】本発明のカラーフィルタ用インク組成物を
製造するには、例えば次のようにすればよい。即ち、
1,4−ジアミノアントラキノン系アニオン性青色染料
をアミド系有機溶剤水溶液に溶解し、限外濾過法、逆浸
透法、イオン交換法等の方法により無機塩類を除去した
後、希釈または濃縮により所望の染料濃度とすることに
より本発明のカラーフィルタ用インク組成物が得られ
る。本発明のインク組成物は0.5〜20重量%の染料
分を含有することができ、実際上は2〜10重量%が好
ましい。なお、染料濃度を調製した後、ゴミ・異物・そ
の他不純物を除去するためにセルロース系の濾過助剤を
使って液濾過をし、次にメンブランフィルター(例えば
孔径1μm)で精密濾過をし、更に孔径0.45μm以
下のメンブランフィルターで精密濾過をするのが好まし
い。
【0029】前述したように調製された本発明のインク
組成物は、種々の特性の中でも特に安定性、長期保存性
に優れ、吐出オリフィスを目詰まりさせない等の点で特
徴がある。尚、インク組成物の安定剤(ポリアクリル酸
ソーダ、例えば日本化薬(株)製のカヤキレーターC―
1000等)や防菌・防カビ剤(例えば武田薬品(株)
製のデルトップ等)を添加する場合は、精密濾過をする
前の段階で添加するとよい。
【0030】本発明のカラーフィルタの製造方法を実施
するには、例えば次のようにすればよい。即ち、アニオ
ン性染料可染性ポリマーの架橋体層を有する透明基板上
にインクジェット法により、上記のカラーフィルタ用イ
ンク組成物を所定位置に噴射して所望の着色パターンを
形成し、乾燥後、水処理すればよい。インクジェット法
による染色(着色)は、1色毎でも多色同時でも良い。
染色後に70〜180℃のホットプレート又はオーブン
で3〜15分間加熱乾燥処理を行う。その後所定の場所
以外に付着したインクを除去する為と染色薄膜上にプリ
ントされた染料を十分に発色させるため水処理をする。
水処理は、固着処理剤含有水を利用する固着処理と固着
処理剤を含有しない温水を使用する温水処理があげられ
る。温水処理は30〜100℃、より好ましくは60〜
80℃でpH3〜7の温水を使用する。この温水のpH
調整のためには有機酸、特に酢酸、プロピオン酸、蓚
酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸等の低級カ
ルボン酸が好ましく使用される。但し、固着処理ではな
いので、この温水にはタンニンと吐酒石等の固着処理剤
は含まれない。水処理方法としては、ディッピング或い
はシャワー処理があげられるが、処理の簡便さから湯
洗、即ち染色物を温水で洗浄することが好ましい。本発
明のインク組成物はこの様な洗浄処理をしても染料の脱
着が非常に少なく、染料の溶出を防止するための固着処
理を必要としない事が特徴であり、本発明のカラーフィ
ルタの製造方法を有利にしている。尚、タンニン酸と吐
酒石水溶液中で固着処理を行ってもなんら支障はない。
さらに、必要に応じカラーフィルタ層を保護する目的
で、透明な保護層を染色薄膜上全面にコーティングす
る。
【0031】本発明で使用するアニオン性染料可染性ポ
リマーの架橋体層を有する透明基板は次のようにして製
造される。即ち、アニオン性染料可染性ポリマー及び感
光性化合物を必須成分とするアニオン性染料可染性感光
性樹脂をメチルセロソルブアセテート等の溶剤に溶解
し、スピンコート法等の方法により該感光性樹脂液を透
明基板にコートし、乾燥後露光して該感光性樹脂を硬化
させて感光性樹脂薄膜(アニオン性染料可染性ポリマー
の架橋体層)を得る。感光性樹脂薄膜の膜厚は0.2〜
5μmが好ましく、特に0.5〜1.5μmが好まし
い。感光性樹脂薄膜は所定のパターンをマスクを介して
露光しても良いし、パターンを設けず全面露光して硬化
させても良い。パターンを設ける場合は、パターンの間
隙にブラックマトリックスとして隔壁を作っても良い。
染色薄膜は、マスクを介し露光して所定パターンを形成
していても良いし、全面露光してパターンなしでも良
い。
【0032】本発明に用いられる基板としては、無色透
明な板であれば特に制限はなく、例えばガラス、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエ
ーテルスルホン等の板があげられる。その厚さは0.5
〜1.5mm程度がよい。
【0033】本発明に用いられるアニオン性染料可染性
ポリマーの架橋体はアニオン性染料可染性ポリマー及び
感光性化合物を必須成分とするアニオン性染料可染性感
光性樹脂を硬化させたものである。アニオン性染料可染
性ポリマーは、アニオン性染料可染性モノマー、アニオ
ン性染料可染性モノマー以外の親水性モノマー(以下単
に「親水性モノマー」という)を必須成分とする。この
アニオン性染料可染性ポリマーは従来公知の溶液重合法
を用いる事により作成できる。
【0034】ここでアニオン性染料可染性モノマーは、
例えば3級窒素又は4級窒素をその分子中に有するモノ
マーで、そのポリマーにアニオン性染料の染着能を付与
する性質を有するものである。具体的には、例えば
(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、
(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、
(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレート、
(N,N−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、3
−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、
3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルメタクリレー
ト等の(N,N−ジ(C1 〜C4 )アルキルアミノ)
(C1 〜C4 )アルキル(メタ)アクリレート、3−
(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド、
3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルメタクリルア
ミド等の(N,N−ジ(C1 〜C4 )アルキルアミノ)
(C1 〜C4 )アルキル(メタ)アクリルアミド、
(N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、4−
ビニルピリジン、ジアリールアミン、2−ヒドロキシ−
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチ
ルアンモニウムクロライドが挙げられるが、安定性等の
点から(メタ)アクリルアミド系のモノマーが好まし
く、特にアニオン性染料の染着性を考慮すると、3級窒
素を有するモノマー、例えば3−(N,N−ジメチルア
ミノ)プロピルアクリルアミド、3−(N,N−ジメチ
ルアミノ)プロピルメタクリルアミド等の3級窒素を有
する(メタ)アクリルアミド系のモノマーが最も好まし
い。これらのアニオン性染料可染性モノマーは単独で、
又は2種以上混合して使用される。
【0035】又、親水性モノマーとしては、例えばヒド
ロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリ
レート等のヒドロキシ(C1 〜C4 )アルキル(メタ)
アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジ
メチルアミノアクリルアミド、メチルアミノアクリルア
ミド等の1つ叉は2つの(C1 〜C4 )アルキル基が結
合してもよい(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリド
ン等が挙げられる。これらの親水性モノマーは単独で、
又は2種以上混合して使用される。
【0036】これらのアニオン性染料可染性モノマーと
親水性モノマーの配合割合は、アニオン性染料可染性モ
ノマー25〜85重量%、好ましくは30〜80重量
%、親水性モノマー15〜75重量%、好ましくは20
〜70重量%が好ましい。
【0037】感光性化合物としては、例えばジアジドカ
ルコン、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジ
スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’
−ジスルホン酸ナトリウム、4,4’−ジアジドスチル
ベン−2,2’−ジスルホン酸(ビス(メトキシエチ
ル))アミド、4,4’−ジアジドスチルベン−2,
2’−ジスルホン酸(ビス(エトキシエチル))アミド
等の4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスル
ホン酸(モノ叉はビス((C1 〜C4 )アルコキシ(C
1 〜C4 )アルキル))アミド等のアジド化合物、従来
公知の官能基を2つ以上有するアクリル化合物等が挙げ
られる。これらの感光性化合物は単独で、叉は2種以上
混合して使用される。感光性化合物としてアジド化合物
を使用する場合は、アニオン性染料可染性ポリマーに対
して2〜15重量%程度用いるのが好ましく、特に3〜
8重量%程度用いるのが好ましい。
【0038】尚、上記アニオン性染料可染性モノマーと
親水性モノマー以外の、(メタ)アクリロイル基を有す
る化合物をアニオン性染料可染性ポリマー100重量部
に対して0.1〜10重量部、特に0.5〜6重量部程
度添加すると、硬化速度が上昇して好ましい。(メタ)
アクリロイル基を有する化合物としては、例えばスピロ
グリコールジアクリレート〔3,9−ビス(2−アクリ
ロイルオキシ−1,1−ジメチル)2,4,8,10−
テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン〕シクロヘキ
サンジメチロールジアクリレート、エチレングリコール
ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ノボラック系エポ
キシアクリレート、ビスフェノールA系エポキシアクリ
レート、アルキレングリコールジエポキシアクリレー
ト、グリシジルエステルアクリレート、ポリエステル系
ジアクリレート、ビスフェノールA系ジアクリレート、
ウレタン系ジアクリレート、メチレンビスアクリルアミ
ド、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリ
レート、プロピレングリコールジメタクリレート、プチ
レングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタ
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙
げられる。
【0039】感光性化合物として、従来公知の官能基を
2つ以上有するアクリル化合物を使用する場合は、アニ
オン性染料可染性ポリマーに対して10〜40重量%程
度用いるのが好ましく、特に15〜35重量%程度用い
るのが好ましい。この場合、光増感剤を併用してもよ
い。
【0040】アニオン性染料可染性モノマーと親水性モ
ノマーの共重合物からなるアニオン性染料可染性ポリマ
ーの光硬化物の強度が不十分な場合、該ポリマーを構成
するモノマーとして疎水性モノマーを併用するとその強
度を上げる事ができる。疎水性モノマーとしては、例え
ばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル
アクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキ
ルエステル、スチレン、p−メチルスチレン等が挙げら
れる。アニオン性染料可染性モノマー、親水性モノマ
ー、疎水性モノマーの配合割合は、アニオン性染料可染
性モノマー20〜70重量%、好ましくは25〜60重
量%、親水性モノマー10〜60重量%、好ましくは2
0〜50重量%、疎水性モノマー10〜50重量%、好
ましくは20〜40重量%である事が好ましい。又、こ
のようにして作成されたアニオン性染料可染性ポリマー
の分子量は、好ましくは5,000〜200,000、
更に好ましくは10,000〜100,000程度がよ
い。
【0041】以上の組成より成る感光性樹脂組成物は、
通常有機溶剤等により希釈されて使用される。有機溶剤
として例えば、メチルセロソルブ、エチルロセソルブ、
トソプロピルセロソルブ、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、メ
チルエチルケトン、メトキシイソプロピルグリコール等
が挙げられるが、塗布性等の点から、イソプロピルセロ
ソルブやジエチレングリコールジメチルエーテルが好ま
しい。これらは単独で、又は2種以上混合して使用され
る。この感光性樹脂液中に占める有機溶剤の割合はこれ
らの樹脂液中に占める組成によって異なるので一概に規
定できないが、樹脂液を基板表面に塗布可能な粘度とな
るようにすることが好ましい。尚、感光性化合物として
アジド化合物を使用する場合は、その分解や副反応を避
けるため、感光性樹脂液中の水分含量は1重量%以下が
好ましい。
【0042】感光性樹脂組成物の具体例としては、特開
昭62−194203に開示されている感光性樹脂組成
物が好ましい。感光性樹脂液としては、例えばCFR6
33DHP、CFR633L1(いずれも日本化薬
(株)製)等が挙げられる。アニオン性染料可染性ポリ
マーは3級アミノ基を有する樹脂が染着性や耐熱性の点
で好ましい。
【0043】
【実施例】以下、参考例、実施例により本発明を更に具
体的に説明する。 参考例 アニオン性染料可染性感光性樹脂液の調製 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド 38部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15部 ジメチルアミノアクリルアミド 10部 ビニルピロリドン 7部 メチルメタクリレート 8部 メチルアクリレート 22部 上記処方のモノマーを公知の溶液重合法にて重合し、多
量のイソプロピルエーテル中に投入しポリマー分を沈澱
させた後このポリマー(平均分子量90,000)を取
り出し水分含有量1重量%以下になるまで乾燥を行う。
この乾燥ポリマー100部に4,4’−ジアジドカルコ
ン2部、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジ
スルホン酸(ビス(エトキシエチル))アミド6部、シ
ランカプラーKBM603(信越化学工業(株))2
部、イソプロピルセロソルブ450部、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル450部を混合溶解させて、水
分含有量1重量%以下の感光性樹脂液を得る。
【0044】実施例1 アニオン性染料可染性モノマー、親水性モノマー及び疎
水性モノマーを共重合して得られるアニオン性染料可染
性ポリマー及びアジド化合物を溶媒に溶解させたアニオ
ン性染料可染性感光性樹脂液であるCFR633DHP
(日本化薬(株)製)100部とシランカップリング剤
KBM603(信越化学工業(株)製)0.05部を混
合する。これをスピンコート法によりガラス基板上にコ
ートし、110℃で3分間乾燥後、ベルトコンベア式U
V照射機を通して、露光量150mJ/cm2 で全面露
光して硬化させる。こうして形成した被染色薄膜を有す
るガラス基板を、光学処法により精確に位置決めを行っ
てインクジェットプリンターにセットする。
【0045】次いで、No.1の化合物 5部、N−メ
チルピロリドン 20部、水 75部からなる混合物を
加熱溶解し、0.2μmのメンブランフィルタを通して
本発明の青色インクを調製する。別に、下記No.11
の緑色色素化合物 5部、N−メチルピロリドン 20
部、水 75部からなる混合物を加熱溶解し、0.2μ
mのメンブランフィルタを通して緑色インクを調製す
る。更に、下記No.12の赤色色素化合物 5部、N
−メチルピロリドン 20部、水 75部からなる混合
物を加熱溶解し、0.2μmのメンブランフィルタを通
して赤色インクを調製する。
【0046】
【化8】
【0047】上記の青色インクをインクジェットで噴射
して、該被染色薄膜の青色に着色すべき部分に付着させ
る。次に、この染色薄膜に、上記の緑色インクをインク
ジェットで噴射して、該染色薄膜の緑色に着色すべき部
分に付着させる。最後に、この染色薄膜に、上記の赤色
インクをインクジェットで噴射して、該染色薄膜の赤色
に着色すべき部分に付着させる。これを150℃に加熱
したホットプレート上で10分間加熱乾燥する。次にプ
リントしたガラス基板を70℃、pH7の温水で5分間
シャワー洗浄処理した後、130℃で10分間乾燥して
約150μmのほぼ円形のパターンを有するR・G・B
三色のカラーフィルタを得た。
【0048】実施例2 アニオン性染料可染性モノマー、親水性モノマー及び疎
水性モノマーを共重合させて得られるアニオン性染料可
染性ポリマー、アジド化合物及びアニオン性染料可染性
モノマーと親水性モノマー以外の、(メタ)アクリロイ
ル基を有する化合物を溶媒に溶解させたアニオン性染料
可染性感光性樹脂液であるCFR633L1(日本化薬
(株)製)100部とシランカップリング剤KBM60
3(信越化学工業(株)製)0.05部を混合する。こ
れをスピンコート法により顔料分散レジスト製のブラッ
クストライプを有するガラス基板上にコートし、110
℃で3分間乾燥後ガラス面から全面露光して硬化させ
る。続いて2%テトラメチルハイドロオキサイド水溶液
に浸漬して現像し、水洗後、150℃で20分間乾燥し
て、基板上にブラックストライプを有する高染色性樹脂
膜を得る。このガラス基板を精確に位置決めを行ってイ
ンクジェットプリンターにセットする。
【0049】次いで、No.2の化合物 5部、N−メ
チルピロリドン 20部、水 75部からなる混合物を
加熱溶解し、0.2μmのメンブランフィルタを通して
本発明の青色インクを調製する。別に、上記No.11
の緑色色素化合物 5部、N−メチルピロリドン 20
部、水 75部からなる混合物を加熱溶解し、0.2μ
mのメンブランフィルタを通して緑色インクを調製す
る。更に、上記No.12の赤色色素化合物 5部、N
−メチルピロリドン 20部、水 75部からなる混合
物を加熱溶解し、0.2μmのメンブランフィルタを通
して赤色インクを調製する。
【0050】上記の青色インクをインクジェットプリン
ターで上記のガラス基板に噴射して、該被染色薄膜の青
色に着色すべき部分に付着させる。次に、この染色薄膜
に、上記の緑色インクをインクジェットプリンターで噴
射して、該染色薄膜の緑色に着色すべき部分に付着させ
る。最後に、この染色薄膜に、上記の赤色インクをイン
クジェットプリンターで噴射して、該染色薄膜の赤色に
着色すべき部分に付着させる。これを150℃に加熱し
たホットプレート上で10分間加熱乾燥する。次に酢酸
0.2%を含む70℃、pH3の温水で5分間シャワー
洗浄処理を行い、水洗し130℃で10分間乾燥してR
・G・B三色のストライプ状カラーフィルタを得た。
【0051】実施例3 CFR633L1(日本化薬(株)製)100部とシラ
ンカップリング剤KBM603(信越化学工業(株)
製)0.05部を混合する。これをガラス基板上にスピ
ンナーで1.5μmの膜厚となるように回転塗布し、9
0℃で20分間乾燥後マスクを用いて露光し現像して線
幅20μm、線間隔120μmのストライプパターンを
形成する。こうして得られたストライプパターンを有す
る基板を精確に位置決めしてインクジェットプリンター
にセットする。
【0052】次いで、PC BLACK 181P(日
本化薬(株)製、カラーフィルタ用色素)6部、N−メ
チルピロリドン 20部、水 74部からなる混合物を
加熱溶解し、0.2μmのメンブランフィルタを通して
黒色インクを調製する。この黒色インクをインクジェッ
トプリンターで噴射してストライプパターンを黒色に染
色する。これを150℃で10分間乾燥し次いで水1リ
ットルにタンニン3g、吐酒石1g、酢酸3gを含む溶
液中に浸漬し固着処理を行い乾燥する。続いてこのブラ
ックストライプを有する基板上にCFR633L1を塗
布し、実施例2と同様な操作を行いカラーフィルタを得
る。
【0053】
【発明の効果】本発明のインク組成物は染料の溶解度が
高く、経時安定性に優れインクジェットプリンターヘッ
ドの目詰まりを起こす事がない。このインク組成物は、
本発明で使用する高染色性感光性樹脂薄膜に対して染料
の親和性を高め色の滲みを非常に少なくする作用を有し
ている。従って、精度の高い着色パターンを得ることが
できる。特に本発明のインク組成物と、アニオン染料可
染性ポリマーとして3級アミノ基を有する樹脂を組み合
わせると、固着処理をすることなく温水処理だけで濃度
の高いカラーフィルタが得られる。本発明によれば、従
来の染色のようなパターンニング及び染色固着処理を各
3回行う必要がなく、工程は著しく簡素化される。又、
従来のような現像工程・染色工程でのゴミ付着による歩
留まり低下も非常に少なくなる。また、インクジェット
法による染料液の噴射位置の制御は容易であり、精度も
十分ユーザーニーズに答えられるものである。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミド系有機溶剤水溶液中に1,4−ジア
    ミノアントラキノン系アニオン性青色染料が溶解してい
    ることを特徴とするカラーフィルタ用青色インク組成
    物。
  2. 【請求項2】アミド系有機溶剤が活性水素を有しない化
    合物である請求項1のカラーフィルタ用青色インク組成
    物。
  3. 【請求項3】活性水素を有しない化合物がN−メチルピ
    ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
    メチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
    N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチル−ε−
    カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
    ノン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素である請
    求項2のカラーフィルタ用青色インク組成物。
  4. 【請求項4】活性水素を有しない化合物がN−メチルピ
    ロリドンである請求項2のカラーフィルタ用青色インク
    組成物。
  5. 【請求項5】アミド系有機溶剤の含有量が5−30重量
    %である請求項1ないし4のいずれか一項のカラーフィ
    ルタ用青色インク組成物。
  6. 【請求項6】インク組成物中にアミド系有機溶剤以外の
    有機溶剤を実質的に含まない請求項1ないし5のいずれ
    か一項のカラーフィルタ用青色インク組成物。
  7. 【請求項7】インク組成物中の1,4−ジアミノアント
    ラキノン系アニオン性青色染料の濃度が1〜10%であ
    る請求項1ないし6のいずれか一項のカラーフィルタ用
    青色インク組成物。
  8. 【請求項8】1,4−ジアミノアントラキノン系アニオ
    ン性青色染料が1,4−ビス(フェニルアミノ)アント
    ラキノン系アニオン性青色染料である請求項1ないし7
    のいずれか一項のカラーフィルタ用青色インク組成物。
  9. 【請求項9】1,4−ビス(フェニルアミノ)アントラ
    キノン系アニオン性青色染料が一般式(1) 【化1】 (式(1)中、R1 ,R2 及びR3 は、独立に炭素数1
    −5のアルキル基、炭素数1−5のアルコキシ基、ヒド
    ロキシエチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル
    基、ハロゲン基、スルホン酸基を表し、R4 は水素原子
    叉はスルホン酸基を表す。)で示される化合物である請
    求項8のカラーフィルタ用青色インク組成物。
  10. 【請求項10】アニオン性染料可染性ポリマーの架橋体
    層を有する透明基板上にインクジェット法により、請求
    項1ないし9のいずれか一項のカラーフィルタ用青色イ
    ンク組成物を所定位置に噴射して所望の着色パターンを
    形成し、乾燥後、水処理することを特徴とするカラーフ
    ィルタの製造方法。
  11. 【請求項11】アニオン性染料可染性ポリマーが3級ア
    ミノ基を有する樹脂である請求項10のカラーフィルタ
    の製造方法。
  12. 【請求項12】透明基板上に形成されたアニオン性染料
    可染性ポリマーの架橋体層が、液晶表示素子の画素の形
    状に対応する形にパターン化されている請求項10また
    は11のカラーフィルタの製造方法。
  13. 【請求項13】透明基板上に形成されたアニオン性染料
    可染性ポリマーの架橋体層が、液晶表示素子の画素の形
    状に対応する形にパターン化され、かつパターンの間に
    ブラックマトリックスが形成されている請求項10また
    は11のカラーフィルタの製造方法。
  14. 【請求項14】水処理が30〜100℃、pH3〜7の
    温水での処理である請求項10ないし13のいずれか一
    項のカラーフィルタの製造方法。
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