JP3026856B2 - アンスラキノン化合物を用いたカラ−フィルタ− - Google Patents

アンスラキノン化合物を用いたカラ−フィルタ−

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JP3026856B2
JP3026856B2 JP17572991A JP17572991A JP3026856B2 JP 3026856 B2 JP3026856 B2 JP 3026856B2 JP 17572991 A JP17572991 A JP 17572991A JP 17572991 A JP17572991 A JP 17572991A JP 3026856 B2 JP3026856 B2 JP 3026856B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンスラキノン化合物
を用いたカラ−フィルタ−に関する。更に詳しくは水溶
性のアンスラキノン化合物を用いた液晶表示デバイス、
色分解デバイス及びセンサ−等に適した光学特性の優れ
たカラ−フィルタ−に関する。
【0002】
【従来の技術】染色法によるカラ−フィルタ−の製法
は、基体となるガラスやシリコンウエハなどの表面にス
トライブ状あるいはモザイク状等(パタ−ンという)の
薄膜状の透明なカチオン性基を有する合成樹脂の皮膜ま
たはゼラチン、カゼイン、グル−等の蛋白質系天然高分
子物質の皮膜を設けて被着色皮膜とし、これを染料を用
いて染色(着色)することを基本原理としている。カラ
−フィルタ−の具体的な製造プロセスとしては次の3つ
の方式が知られている。
【0003】(1)着色すべき皮膜を基体表面に設けた
後、マスクを介して露光、現像して得られるパタ−ンを
染色して着色層を形成する。次いで非着色性の保護コ−
ト皮膜を全面に設け、この上に上記同様な操作により第
2の着色すべき皮膜を設ける。以下、必要により着色層
を逐次積層形成させる。 (2)着色すべき皮膜を基体表面に設けた後、マスクを
介して露光、現像して得られるパタ−ンを染色して着色
層を形成した後、タンニン酸などで染料の固着兼防染処
理を施す。同様な操作により第2の着色すべき皮膜を設
ける。以下必要により着色層を同一基体表面上に形成す
る。 (3)着色すべき皮膜(被着色皮膜)を基体表面に設け
る。その上にポジレジストの層を設けた後、マスクを介
して露光、現像してパタ−ン状に露出した被着色皮膜を
染色し、次いでポジレジスト層を剥離して着色部を形成
する。ポジレジスト層を設ける以降の操作を繰り返し、
同一被着色皮膜を複数の色に所望のパタ−ン状に染め分
ける。
【0004】上記のようなプロセスで製造されるカラ−
フィルタ−は、通常原色系3原色であるR(赤)、G
(緑)、B(青)または補色系3原色であるY(黄)、
M(マゼンタ)、C(シアン)、(Mは省略されること
もある)に着色された着色層を有している。カラ−フィ
ルタ−に要求される特に重要な特性は光学特性であり、
各着色層の分光特性が最終製品の価値を大きく支配する
ことになる。また、カラ−フィルタ−を装着した液晶表
示装置を製造する工程で曝される熱処理(例えば、透明
電極層を設けるためのスパッタリング工程)に対して、
また最終製品として使用時に加えられる光に対して高度
の耐性を有し、所定の光学特性が損なわれることがあっ
てはならない。また当然のことながら適用される染料は
水に対して良好な溶解性を有し、酸性の染色浴中で長期
間安定でなくてはならない。
【0005】更に、固着処理を必要とする工程を伴う場
合には固着処理効果の優れることが要求される。ところ
で、ゼラチン、カゼイン、グル−等の蛋白質系高分子物
質はカチオン性基を有しているので、通常水溶性のアニ
オン性染料により染色(着色)される。またそれらに代
えて光硬化型の合成樹脂基材を用いる場合には、樹脂成
分中にカチオン性基を保持せしめることにより、蛋白質
系天然高分子物質と同様に水溶性のアニオン性染料で染
色されるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】所望される光学特性を
得るために数多くの水溶性のアニオン性染料が、単独で
あるいはそれらの組み合わせで検討されてきた。しかし
ながら原色系の青色については、特に光硬化型のカチオ
ン性基を有する合成樹脂を被着色基材として用いる場合
には、所望する色特性と熱及び光に対して充分な耐性を
有し、且つ固着性能に優れる染料の選定が特に困難で、
現状ではこれらを満足し得る染料を見いだすことは困難
である。所望される青色染料に求められる分光特性は、
600nm近辺における透過率が1%以下になる様に染
色した着色皮膜の50%透過率を与える波長が、480
−500nmにあり440−460nmの領域での透過
率が出来るだけ大きいということである。このような光
学特性を満たす為には従来からカラ−インデックス
(C.I.)・アシッド・ブル−83またはカラ−イン
デックス・アシッド・ブル−90で代表されるトリフェ
ニルメタン系の染料が用いられている。これらの染料の
分光透過率曲線はシャ−プで色が鮮明であり被着色基材
がゼラチン、カゼインあるいはグリュ−のような天然蛋
白質やポリイミド系合成樹脂である場合は、着色皮膜の
色特性および光や熱に対する耐性が不充分であるが使用
出来ないことはない。しかしながら被着色基材が光硬化
性のカチオン基を有する合成樹脂、特に主鎖ポリマ−が
アクリル酸およびその誘導体から構成されている場合に
は着色皮膜の熱及び光に対する耐性が著しく不良で実用
に供し得ない。
【0007】耐熱性及び/叉は耐光性に比較的優れる青
色染料としてアンスラキノン構造が知られているが、必
要とされる光学特性を満たす染料は少なく、光学特性を
満たすものでも前述の光硬化性アクリル系合成樹脂に適
用した場合には、耐熱性及び/叉は耐光性が著しく劣
る。例えば下記式のアンスラキノン化合物
【0008】
【化10】
【0009】を用いた着色皮膜は光に暴露することによ
り、短時間で著しく赤く変色し実用に供す事が出来な
い。かくして光及び熱に対する耐性と色特性を兼備した
青色着色皮膜を載置したカラ−フィルタ−の開発が望ま
れている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな光学特性と耐久性を兼備したカラ−フィルタ−を見
い出すべく鋭意努力した結果、特定のアンスラキノン化
合物で染色(着色)されたカラ−フィルタ−が前記した
ような色特性と優れた信頼性(熱・光に対する耐性)を
有していることを見いだし本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、パタ−ン状に着色された皮膜を基体上
に載置したカラ−フィルタ−において、少なくとも一つ
のパタ−ンが下記式(1)で示される水溶性アンスラキ
ノン化合物叉はそれらの混合物によって染色(着色)さ
れていることを特徴とするカラ−フィルタ−を提供す
る。本発明は被着色基材がアクリル系の光硬化性合成樹
脂の場合に特に有用であるが、これに限定されるもので
なく天然基材の場合にも適用できることは勿論である。
更に、前述した製造プロセス(2)の固着防染処理を伴
う製造時に問題となる固着浴への着色層からの染料の溶
出がなく固着防染能力が優れている。
【0011】
【化11】
【0012】〔式(1)において、mは1−3の整数
を、nは1叉は2の整数をそれぞれ表す。又Xはn=1
の場合、
【0013】
【化12】
【0014】(R1 は、水素,スルホン酸基,カルボキ
シル基,ハロゲン,ニトロ基,メチル基叉は水酸基を表
し、pは1−4の整数をそれぞれ表す。)
【0015】
【化13】
【0016】(R1 は、前記と同じ意味を表す。qは1
−6の整数を表す。)
【0017】
【化14】
【0018】(R1 は、前記と同じ意味を表す。lは1
−6の整数を表す。)
【0019】
【化15】
【0020】を表し、n=2の場合、
【0021】
【化16】
【0022】(R2 は、水素,スルホン酸基叉はカルボ
キシル基を表す。)
【0023】
【化17】
【0024】(Yは、O,SO2 ,S,CH2 又はNH
を表し、R2 は、前記と同じ意味を表す。)
【0025】
【化18】
【0026】
【化19】
【0027】を表し、MはH,Na,K,Li,N
4 ,NH3CH2 CH2 OH,NH2 (CH2 CH2
OH)2 叉はNH(CH2 CH2 OH)3 を表す。〕
【0028】本発明のアンスラキノン化合物を用いたカ
ラ−フィルタ−を詳細に説明する。まず本発明のカラ−
フィルタ−の一例について図を用いて説明する。図1
(a)−(h)はガラス板(基体)上に異なる色の着色
層を積層させた積層方式によるカラ−フィルタ−の製法
を示す図である。図1において1はガラス板、2はスピ
ンコ−トして設けた光硬化性樹脂等の薄膜、2’は2を
マスクを介して光硬化させた着色すべき皮膜、2”は着
色層、3は不染性保護膜、4はフォトマスク、5は第2
の着色層、6は不染性保護膜をそれぞれ示す。ガラス板
1上にゼラチン、カゼイン、グル−等の蛋白質系天然高
分子物質と重クロム酸アンモニウム等の重クロム酸塩と
の混合物またはカチオン性基を有する光硬化性合成樹脂
組成物をスピンコ−ト法、ロ−ラ−コ−ト法等の方法に
よって塗布して、厚さ0.2−2ミクロンの光硬化性薄
膜2を設ける(図1(b))。次に該薄膜上に所定のパ
タ−ンを有するフォトマスク4を介して紫外光を照射し
露光部を硬化させる。(図1(c))
【0029】次に水等で現像し未露光部を除去し、所定
のパタ−ンの被着色層2’を形成し(図1(d))、第
1の色を得るための所定の光学特性を有する染料を用い
て染色して第1の着色層2’を形成する(図1
(e))。次に不染性の保護膜3を全面に設ける(図1
(f))。次に保護膜3の上に前述と同様にして着色す
べき層を得るための光硬化性の塗布層を設け、マスクを
介して露光、現像して所定のパタ−ンの着色すべき層を
形成させ、第2の色を得るための所定の光学特性を有す
る染料を用いて染色して第2の着色層5を形成する(図
1(g))。次に不染性の保護膜6を全面に設ける(図
1(h))。この操作を繰り返し、第3の色の着色層、
更には第4の色の着色層を形成する事もできる。
【0030】個体撮像素子あるいはカラ−センサ−用の
直載型色分解カラ−フィルタ−においては、基体となる
光検知部等が設けられているシリコンウエハ−上に平坦
化層を設け、その上に前述と同じ操作で着色層を形成す
ることができ、平坦化層には不染性保護膜と同じものを
用いることが出来る。本発明においては、原色系のB
(青)の着色層を得るための染料として、前記式(1)
で示される水溶性アンスラキノン化合物叉はそれらの混
合物を使用することを必須とするものであり、青色の着
色層の色特性が優れ、カラ−フィルタ−を組み込んだデ
バイスの製造工程で印加される熱に対する耐性及び最終
製品に要求される光耐性が良好な為、表示用カラ−フィ
ルタ−として色バランスのとれたカラ−画像を得る事が
出来、また色分解用カラ−フィルタ−として忠実な色再
現性を得る事が出来る。
【0031】本発明における着色すべき皮膜としてのゼ
ラチン、カゼイン、グル−等の蛋白質系天然高分子物質
について説明する。ゼラチンはコラ−ゲンを水と煮沸し
て非可逆的に水溶性に変えた動物性蛋白質で、動物の
骨、皮膚、腱等を原料とし、水と煮沸して抽出される。
またカゼインは乳汁の主成分をなす燐蛋白である。これ
らの天然蛋白質の水溶液に重クロム酸アンモニウム等の
重クロム酸塩を添加し、スピンコ−ト法、ロ−ラ−コ−
ト法等でガラス等の基体上に均一に塗布した後紫外線を
照射すると塗布層が硬化し、水不溶性の皮膜が形成され
る。また、本発明に用いられる被着色材料としてのカチ
オン性基を有する合成樹脂の例としては側鎖に光反応可
能な不飽和基と第4級アンモニウム塩基とを有するポリ
マ−と光重合開始剤及び溶剤より成る樹脂組成物、ある
いはカルコン、ケイ皮酸、アジド、スチルバゾ−ル基、
エポキシ基等の光架橋基を予めポリマ−中に導入したカ
チオン性基含有ポリマ−を水または有機溶媒に溶解させ
た樹脂組成物あるいは含窒素モノマ−を必須構成成分の
一つとして重合して得たポリマ−に光架橋剤、例えばジ
アゾ化合物、アジドあるいはジアジド化合物を添加し有
機溶媒で希釈した樹脂組成物等が挙げられる。この様な
光反応性樹脂組成物を基体表面に塗布し紫外線等の活性
光線の照射によって硬化し皮膜を得る。
【0032】式(1)で示されるアンスラキノン化合物
を用いて前記の皮膜を染色(着色)するには例えば浸漬
法叉は印捺法が用いられ、特に水溶液を用いた浸漬染色
法が好都合である。この場合は通常0.1−30gより
好ましくは1−10gの式(1)のアンスラキノン化合
物を水1リットルに溶解した温度10−100℃の染浴
中に前記の皮膜を設けた基体を通常10秒以上60分程
度浸漬した後取り出し水洗して乾燥する。こうして得ら
れた青色に着色された皮膜は、カラ−フィルタ−として
好ましい光学特性を示すのみならず、耐熱性、耐光性に
優れている。不染性保護膜を設ける方法としてはネガ型
のフォトレジスト例えばアクリル系あるいはポリビニ−
ルアルコ−ルポリマ−にジアゾ化合物等の光架橋剤を添
加して得た樹脂組成物あるいはカルコン、ケイ皮酸等の
光架橋基を予めアクリル系又はポリビニ−ルアルコ−ル
系ポリマ−に導入した樹脂組成物等を水または有機溶媒
に溶解し、スピンコ−ト法によって塗布し紫外線を照射
して硬化させる方法等が採用される。
【0033】本発明において染色すべき皮膜を設ける基
体としてはガラス、プラスチックシ−トの他シリコンウ
エハ等が必要に応じてシランカップリング剤等により前
処理するか叉は平坦化層を設けた上で使用に供される。
【0034】本発明のカラ−フィルタ−で使用される式
(1)で示される化合物は、例えば特公昭60−582
60に記載された方法に準じて製造する事ができる。即
ち、遊離酸の形で式(11)
【0035】
【化20】
【0036】で表されるアンスラキノン化合物と式(1
2),(13),(14),(15),(16),(1
7),(18)及び式(19)
【0037】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【0038】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【0039】(式(12)乃至式(19)において
1 ,R2 ,m,p,q,l及びYは、前記と同じ意味
を表す。)で表される末端にヒドロキシアルキル基を持
つ化合物とを反応させることによって式(1)の新規ア
ンスラキノン化合物が得られる。この反応は通常酸性媒
質中好ましくは濃硫酸中で、10〜50℃、5〜30時
間というような反応条件で行われる。
【0040】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例中、部は特に限定しない限り重量部を表す。
【0041】実施例1 光学ガラス(光の透過性にすぐれた高純度ガラス板)上
にCFR−633(日本化薬(株)製、アクリル系アニ
オン染料可染性感光性樹脂組成物)をスピンコ−ト法に
よりコ−トし、80℃で30分乾燥後パタ−ンを有する
マスクを介して面照度8mw/cm2 でUV照射を5秒
間行い、エマルゲン913(花王(株)製 、ポリオキ
シエチレンノニルフェノ−ルエ−テル型非イオン界面活
性剤)を水1000部に対して2部含有する60℃の現
像液にて撹拌下、5分間現像を行うと、照射部のみ可染
膜を有するガラス基板が得られた。このガラス板を更に
160℃、30分間ポストベ−クした後の膜厚は0.5
ミクロンであった。次に式(20)の化合物を、0.2
%になるよう水に溶解した染浴中に、上記のガラス板を
浸し、60℃で10分間染色を行うと青色のパタ−ンに
染色された。青色着色部の分光透過率曲線を測定したと
ころ、600nm前後での透過率は1%以下で、透過率
50%を示す波長は492nmであった。紫外線カット
フィルタ−(HOYA(株)製L−40)を介してスタ
ンダ−ドフェ−ドメ−タ−(スガ試験機製FAL−3H
型)にて、80時間曝光した時の青色着色部の最大吸収
波長における光学密度(−logT)の低下率は2%で
殆ど退色はしていなかった。又250℃、6時間の耐熱
性試験においても、青色着色部の光学密度の低下率は3
%で殆ど退色は認められなかった。
【0042】本実施例で用いた化合物の構造と合成例を
以下に示す。
【0043】
【化29】
【0044】式(11)で表される化合物2.2部を、
95%濃硫酸30部中に溶解し撹拌下にN−ヒドロキシ
メチルフタルイミド1.0部を30℃以下で徐じょに添
加し、25−30℃の温度で24時間反応する。反応物
を氷水300部中にあけ、生成した沈澱物を濾別する。
その後、濾別した沈澱物を水100部中に懸濁させ、1
0%水酸化ナトリウム水溶液によりpH値を7.0−
8.0に調整して完溶させ 、塩化ナトリウムにて塩析
する。得られた結晶を濾別し、60℃で乾燥して式(2
0)の化合物3.0部を得た。
【0045】比較例 染料をC.I.アッシド・ブル−62に代えた他は実施
例1と同じ方法によって作成した着色ガラス板の青色着
色部の分光透過率曲線は、実施例1で得た曲線と近似し
ていたが、実施例1に示した耐光試験を行ったところ著
しく赤変し、もはや青色とはいえない色に変色してしま
った。
【0046】実施例2−22 実施例1に記載の合成法に従い、式(11)の化合物と
種々のN−メチロ−ル化合物とを縮合して下記の構造式
で表される化合物を合成した。
【0047】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【0048】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【0049】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【0050】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【0051】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【0052】実施例1と同様の操作により得られたパタ
−ン状に樹脂を載置したガラス板を、式(21)−(4
1)の化合物の0.25%水溶液中で50℃で、15分
間染色を行い青色のパタ−ン状に着色されたガラス板を
得た。この着色ガラス板を用い耐光,耐熱試験を実施し
たところ何れも殆ど退色はしていなかった。表1、表2
には着色皮膜の色相、透過極大波長λmax(nm)及
び耐熱、耐光試験後の透過光保持率を示した。尚、透過
光保持率は次の式で定義される試験前後での透過極大波
長における透過率の変化として測定した。
【0053】
【0054】 表1 化合物の物性及び耐光,耐熱性試験結果 実施例 化合物 着色皮膜の 透過極大波長 耐光試験後の 耐熱試験後の 色相 透過光保持率 透過光保持率 (nm) (%) (%) 2 化合物(21) 青 638 97 96 3 化合物(22) 青 632 96 95 4 化合物(23) 青 634 97 97 5 化合物(24) 青 635 95 96 6 化合物(25) 青 630 95 97 7 化合物(26) 青 634 97 96 8 化合物(27) 青 635 96 98 9 化合物(28) 青 630 97 97 10 化合物(29) 青 628 96 96
【0055】 表2 化合物物性及び耐光,耐熱性試験結果 実施例 化合物 着色皮膜の 透過極大波長 耐光試験後の 耐熱試験後の 色相 透過光保持率 透過光保持率 (nm) (%) (%) 11 化合物(30) 青 636 97 96 12 化合物(31) 青 630 96 97 13 化合物(32) 青 637 95 97 14 化合物(33) 青 630 95 95 15 化合物(34) 青 629 95 96 16 化合物(35) 青 635 96 97 17 化合物(36) 青 628 96 96 18 化合物(37) 青 630 96 96 19 化合物(38) 青 632 97 96 20 化合物(39) 青 630 96 95 21 化合物(40) 青 634 95 95 22 化合物(41) 青 633 96 96
【0056】実施例23 光学ガラス上にFCR−500(富士薬品工業(株)
製、ゼラチン水溶液)4部に対し重クロム酸アンモニウ
ムの8%水溶液1部を混合し脱泡した感光液をスピンコ
−ト法により膜厚1ミクロンになるように塗布し、80
℃で10分間プリベ−クした後、所定のパタ−ンを有す
るマスクを介してマスクアライメント装置MA−10型
(ミカサ(株)製)を用い300ミリジュ−ル/cm2
のエネルギ−量で露光後、40℃の温水中で現像した。
次いで120℃で10分間ポストベ−クしゼラチン膜を
硬化させた。次いで酢酸でpH5に調整した式(2
0),(22)の化合物を60:40の割合で混合した
混合物の0.2%水溶液中に60℃で5分間浸漬し水洗
した後、ハイタンニン酸(大日本製薬(株)製)0.3
%と酢酸0.2%とからなる浴に70℃で5分間浸漬、
水洗し、次いでニュ−パワロン(大日本製薬(株)製定
着剤)0.5%水溶液中に70℃で5分間浸漬し、水洗
後乾燥して第一の青色の着色層を設けた。
【0057】次に、前述と同様にして感光性ゼラチン層
を設け、露光、現像し、PHを酢酸で5に調整したC.
I.アシッド・レッド317の0.5%水溶液に60℃
で、10分間浸漬して染色後前述と同様に固着防染処理
を施し、第2の赤色の着色層を設けた。次に、前述と同
様にしてゼラチン層の別の部分をCFG−51P(日本
化薬(株)製、カラ−フィルタ−用染料)の0.5%水
溶液中で60℃で15分間染色後固着防染処理を施し、
第3の緑色着色層を設けた。なお3回の固着防染処理に
供されたタンニン酸浴及び定着浴への青色染料の溶出は
認められなかった。
【0058】得られたカラ−フィルタ−は、ブル−、レ
ッドとグリ−ンの3色から成り液晶カラ−テレビ用とし
て好適であった。ブル−の着色部の分光透過率曲線を測
定したところ、570−630nmの領域での透過率は
1%以下で、透過率50%を示す波長は492nmであ
った。またスタンダ−ドフェ−ドメ−タ−(スガ試験機
製FAL−3H型)にて100時間曝光した後の最大透
過波長450nmにおける透過率(T%)の低下率は2
%で殆ど退色していなかった。またオ−ブン中で220
℃で1時間熱処理し、放冷後最大透過率波長450nm
における透過率(T%)の低下率を測定したところ3.
4%で許容範囲内にあった。
【0059】
【発明の効果】特定の式で示される水溶性アンスラキノ
ン化合物叉はこれらの混合物を使用する事により、色特
性、耐光、耐熱性を兼備した青色着色皮膜を載置したカ
ラ−フィルタ−が製造出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラ−フィルタ−を製造するプロセスを示す概
略図
【記号の説明】図1において(a)は基体(ガラス板)
を、(b)は光硬化性薄膜の設けられたガラス板を、
(c)は光硬化性薄膜にフォトマスクを介して紫外光を
照射する工程を、(d)は被着色層の設けられたガラス
板を、(e)は被着色層を染色する工程を、(f)は着
色層に不染性の保護膜を設ける工程を、(g)は第2の
着色層を設ける工程を、(h)は第2の不染性の保護膜
を設ける工程をそれぞれ表す。また、図1(a)−
(h)において 1 は ガラス板 2 は 光硬化性薄膜 2’は 被着色皮膜 2”は 第1着色層 3 は 不染性保護膜 4 は フォトマスク 5 は 第2着色層 6 は 不染性保護膜 7 は 現像タンク 8 は 染色槽 9 は 照射ランプ をそれぞれ表す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/20 - 5/28 C09B 1/00 - 69/10 CA(STN) 150147−37−8 OR 149 888−92−6 OR 149888−91−5 OR 149 888−90−4 OR 149888−89−1 OR 149 888−88−0 OR 149888−87−9 OR 149 888−86−8 OR 43129−88−0)/RN

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で示される水溶性アンスラキ
    ノン化合物により染色されてなるカラーフィルター 【化1】 〔式(1)において、mは1−3の整数を、nは1叉は
    2の整数をそれぞれ表す。又Xはn=1の場合、 【化2】 (R1 は、水素,スルホン酸基,カルボキシル基,ハロ
    ゲン,ニトロ基,メチル基叉は水酸基を、pは1−4の
    整数をそれぞれ表す。) 【化3】 (R1 は、前記と同じ意味を表す。qは1−6の整数を
    表す。) 【化4】 (R1 は、前記と同じ意味を表す。lは1−6の整数を
    表す。) 【化5】 を表し、n=2の場合、 【化6】 (R2 は、水素,スルホン酸基叉はカルボキシル基を表
    す。) 【化7】 (Yは、O,SO2 ,S,CH2 叉はNHを表し、R2
    は、前記と同じ意味を表す。) 【化8】 【化9】 を表し、MはH,Na,K,Li,NH4 ,NH3CH2
    CH2OH,NH2(CH2CH2OH)2叉はNH(CH2
    CH2OH)3を表す。〕
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