JP2652064B2 - カラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、カラーフィルターに関する。更に詳しく
は、液晶表示デバイス、色分野デバイス及びセンサーに
用いられる光学特性のすぐれたカラーフィルターに関す
る。
従来の技術 染色法によるカラーフィルターの製法は、基体となる
ガラスやシリコンウエハなどの表面にストライプ状ある
いはモザイク状等(パターンという)の薄膜状の透明な
カチオン性基を有する合成樹脂の皮膜またはゼラチン、
カゼイン、グルー等の蛋白質系天然高分子物質の皮膜を
設けて被着色皮膜とし、これを染料を用いて染色(着
色)することを基本原理としている。カラーフィルター
の具体的な製造プロセスとしては次の3つの方式が知ら
れている。
(1) 着色すべき皮膜を基体表面に設けた後、マスク
を介して露光、現像して得られるパターンを染色して着
色層を形成する。次いで非着色性の保護コート皮膜を全
面に設け、この上に上記同様な操作により第2の着色す
べき皮膜を設ける。以下必要によって着色層を逐次積層
形成させる。
(2) 着色すべき皮膜を基体表面に設けた後、マスク
を介して露光、現像して得られるパターンを染色して着
色層を形成した後、タンニン酸などで染料の固着兼防染
処理を施す。同様な操作により第2の着色すべき皮膜を
設ける。以下必要によって着色層を同一基体表面上に形
成させる。
(3) 着色すべき皮膜(被着色皮膜)を基体表面に設
ける。その上にポジレジストの層を設けた後に、マスク
を介して露光、現像してパターン状に露光した被着色皮
膜を染色し、次いでポジレジスト層を剥離して着色部を
形成する。ポジレジスト層を設ける以降の操作を繰返
し、同一の被着色皮膜を複数の色に所望のパターン状に
染め分ける。
上記のようなプロセスで製造されるカラーフィルター
は、通常原色系3原色であるR(赤)、G(緑)、B
(青)または補色系3原色であるY(黄)M(マゼン
タ)、C(シアン)、(Mは省略されることもある)に
着色された着色層を有している。カラーフィルターに要
求される最も重要な特性は光学特性であり、各着色層の
分光特性が最終製品の価値を大きく支配することにな
る。
これに関連しカラーフィルターを装着した液晶表示装
置を製造する工程で必要とされる熱処理に対して、また
最終製品として使用時に加えられる光に対して高度の耐
性を有し、所定の光学特性が損われることがあってはな
らない。また当然のことながら適用される染料は水に対
して良好な溶解性と溶解度を有し、酸性の染色浴中で長
時間安定でなくてはならない。ところでゼラチン、カゼ
イン、グルー等の蛋白質系天然高分子物質はカチオン性
基を有しているので、水溶性のアニオン性の染料によっ
て染色(着色)される。またこれらに代えて光硬化型の
合成樹脂基材を用いる場合には、樹脂成分中にカチオン
性基を保持せしめることにより、蛋白質系天然高分子物
質と同様に水溶性のアニオン性染料で染色されるように
なる。
また、染料を用いるカラーフィルターの製法として、
上記とは別に光硬化性樹脂組成物の中に染料を予め溶解
した着色樹脂組成物の皮膜を基体表面に設けた後、前述
のフォトリソグラフィー技法を用いてパターン状の着色
層を基体上に設ける方式も採用出来る。
発明が解決しようとする課題 所望される光学特性と信頼性(主として熱および光に
対する優れた耐性)とを兼ね備えた染料を得るために、
数多くの水溶性のアニオン染料が検討されてきた。しか
しながら原色系の赤色染料の場合には、所望される光学
特性を単一の染料で満たすことは困難で、それを補正す
る黄色ないし橙色の染料を併用することが避けられな
い。この補正用の染料は併用される赤色染料との相容性
が優れ、赤色染料の特性を阻害せず、かつ同水準の信頼
性を有していなくてはならないが、これらを満し得る染
料が見出されていないというのが現状である。
赤色染料に求められる分光特性は染色した着色皮膜の
50%透過率を与える波長、λ=50%、を所定の波長
(一般には600±20nm)に合わせた時、620〜700nmでの
透過率が100%に近く、400〜540nmでの透過率ができる
だけ小さく、望ましくは1%以下ということであるが、
従来知られている赤色染料は凡て400〜540nmの領域にか
なり大きな透過率を示す部分であり、赤色以外の光を透
過し透過光が純粋な赤色でなくなってしまう。これを補
正するために併用される染料に要求される分光特性は、
600nm以上の波長領域では吸収を有さず、即ち透過率が1
00%に近く、400〜520nmの領域全域に亘って透過率が1
%以下にあり、赤色を不純な色にしている青色系の透過
光を完全に遮断することにある。このようの補正の目的
の為には従来C.I.アシッドオレンジ56に属する染料が用
いられているが、この染料は光に対する耐性が劣り、経
時的に補正能力を失って了うという欠点がある。
このような情況から、赤色染料の補正用として分光特
性が優れ、かつ耐光性、耐熱性も優れ赤色染料との相容
性、水に対する溶解性、固着防染性にも優れるカラーフ
ィルター用の染料の開発が望まれている。
課題を解決するための手段 本発明者らは前記したような光学特性と優れた信頼性
(耐光性、耐熱性)を有するカラーフィルターを見出す
べく鋭意努力した結果、特定の含金属アゾ化合物が水に
対する溶解性も優れそれにより染色(着色)したカラー
フィルターが前記したような光学特性を満たし、信頼性
も優れていることを見出し本発明に至ったものである。
即ち、本発明はパターン状に着色された皮膜を基体上に
載置したカラーフィルターにおいて少なくとも一つのパ
ターンが下記式(1)で示される非対称2:1クロム錯塩
染料で着色されていることを特徴とするカラーフィルタ
ーを提供する。
(式(1)中、R1,R2,R3及びR4は相互に独立しHまたは
Clを、又MはH,Li,K,Na,NH4モノエタノールアンモニウ
ム、ジエタノールアンモニウム又はトリエタノールアン
モニウムを意味する。) 式(1)の染料はクロム錯塩染料製造における公知の
方法によって作られる。即ち、例えば、構成々分の一つ
であるスルホン酸基を含むアゾ染料をクロム化剤で処理
して1:1クロム錯塩に変え、この錯塩をもう一つの成分
であるアゾメチン染料と反応させて非対称2:1クロム錯
塩染料を得る。クロム化剤としては、三価のクロム塩
(酢酸クロム、クロムサリチル酸、塩化クロム他1を、
使用する事ができる。
次いで、必要により酸性化処理、イオン交換処理を施
して、金属を除いた後、苛性ソーダ、水酸化リチウム苛
性カリ、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン又はトリエタノールアミンで処理する事によ
って式(1)の2:1クロム錯塩染料が得られる。
次に本発明のカラーフィルターの一例について図を用
いて説明する。第1図(a)〜(h)はガラス板(基
体)上に異なる色の着色層を固着防染処理を利用して設
ける固着方式によるカラーフィルターの製法を示す概念
図である。
ガラス板1上にゼラチン、カゼイン、グルー等の蛋白
質系天然高分子物質と重クロム酸アンモニウム等の重ク
ロム酸塩との混合物またはカチオン性基を有する光硬化
性合成樹脂組成物をスピンコーティング、ローラーコー
ティング等の方法によって塗布して、厚さ0.2〜2μの
光硬化性薄膜2を設ける(第1図(b))。
次に該薄膜上に所定のパターンを有するフォトマスク
4を介して紫外光9を照射し、露光部を硬化させる。
(第1図(c))。
次に水等で現像し未露光部を除去し所定のパターンの
被着色層2′を形成し(第1図(d))、第1の色を得
るための所定の光学特性を有する染料を用いて染色して
第1の着色層2″を形成する(第1図(e))。
次にタンニン酸−吐酒石等の固着防染剤の水溶液中で
処理して防染薄膜3(第1図(f)を設ける。
次に前述と同様にして着色すべき層を得るための光硬
化性の塗布層を設け、マスクを介して露光、現像して所
定のパターンの着色すべき層を形成させ、第2の色を得
るため所定の光学特性を有する染料を用いて染色して第
2の着色層5を形成する。(第1図(g))。
次いで着色層5の上に防染層を設け次の着色層を設
け、このようにして第3の色の着色層、更には第4の色
の着色層を形成することもできる。
固体撮像素子用の直載型色分解カラーフィルターにお
いては、基体となる光検知部等が設けられているシリコ
ンウエハ上に平坦化層を設けその上に前述と同じ操作で
着色層を形成することができ、平坦化層には不染性保護
膜と同じものを用いることが出来る。
着色層としては原色系のR(赤)、G(緑)、B
(青)の場合もあるし、補色系のY(黄)、M(マゼン
タ)、C(シアン)の場合もありうる。
本発明においては、式(1)の化合物を単独で用いる
ことも出来るがより好ましい用い方は原色系のR(赤)
の着色層を得るための補正用染料として用いる。この染
料を赤色染料と併用することにより赤色の着色層の分光
透過特性と耐光性、耐熱性などの耐性が良好となるた
め、色分解用カラーフィルターとして忠実な色再現性を
得ることができ、また色表示用カラーフィルターとして
色バランスがとれ、耐久性の優れたカラー画像を得るこ
とができる。
本発明における着色すべき皮膜としてのゼラチン、カ
ゼイン、グルー等の蛋白質系天然高分子物質について説
明する。ゼラチンはコラーゲンを水と煮沸して非可逆的
に水溶性に変えた動物性蛋白質で、動物の骨、皮膚、腱
等を原料とし、水と煮沸して抽出される。またカゼイン
は乳汁の主成分をなす燐蛋白である。これらの天然蛋白
質の水溶液に重クロム酸アンモニウム等の重クロム酸塩
を添加し、スピンコーティング、ローラーコーティング
法等でガラス等の基材上に均一に塗布した後紫外線を照
射すると塗布層が硬化し、水不溶性の皮膜が形成され
る。
また、本発明に用いられる被着色材料としてのカチオ
ン性基を有する合成樹脂の例としては次のものがあげら
れる。
即ち、アニオン性染料可染性ポリマー、1分子中に光
反応可能な不飽和基を2ケ以上有する化合物及びジアジ
ド感光性化合物と、場合により有機溶剤から成る光反応
樹脂組成物を用いて基材表面に塗布した後、紫外線等の
活性光線を照射し反応させて皮膜を形成させたもの等で
ある。この場合アニオン性染料可染性ポリマーは、例え
ば(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、(N,N
−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート等の含窒素モ
ノマーと、ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルア
ミノアクリルアミド等の親水性モノマーと、メチルアク
リレート、ブチルメタクリレート等の疎水性モノマーを
重合させて得られる。又1分子中に光反応可能な不飽和
基を2ケ以上有する化合物としては、例えばエチレング
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールアクリ
レート等が挙げられる。又、ジアジド感光性化合物とし
ては、例えば4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ピス
(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン等が挙げら
れる。樹脂組成物の希釈に使用される有機溶剤として
は、例えばメチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ト
ルエン等が単独で、あるいは混合系で用いられる。
このような光反応性樹脂組成物を基材表面に塗布し紫
外線等の活性光線の照射によって硬化し皮膜を得る。
光硬化性のアニオン性染料可染性合成樹脂の例として
は上の例に限定されることはなく、側鎖に光反応可能な
不飽和基と第4級アンモニウム塩基とを有するポリマー
を主成分とし光重合開始剤及び溶剤より成る光反応性樹
脂組成物、あるいはカルコン、ケイ皮酸、アジド、スチ
ルバゾール基等の光架橋基を予めポリマー中に導入した
カチオン性基含有ポリマーを水または有機溶媒に溶解さ
せた樹脂組成物でもよい。
式(1)で示される非対称2:1クロム錯塩染料を用い
て前記の皮膜を染色(着色)するには例えば浸漬法又は
印捺法が用いられ殊に水溶性を用いた浸漬染色法が好都
合である。この場合は通常0.1〜30gより好ましくは1〜
10gの式(1)の非対称2:1クロム錯塩染料を通常赤色ア
ニオン性染料と共に水1に溶解した10〜100℃の染浴
中に前記の皮膜を設けた基材を通常10秒以上60分程度浸
漬した後取出して水洗して乾燥する。こうして得られた
赤色に着色された皮膜は、カラーフィルターとして好ま
しい光学特性を示す。なお式(1)の化合物と赤色アニ
オン性染料との混合比は10:90ないし80:20が望ましい。
着色層に防染薄膜を設ける方法の一例としてはタンニ
ン酸の酸性水溶液中に50〜80℃で5〜30分間浸漬後、吐
酒石の水溶液中に50〜80℃で5〜30分間浸漬し着色層の
表面にタンニン酸−吐酒石から成る染料の固着と防染を
兼備した薄膜を形成させる。式(1)の化合物を単独で
用いる場合も併用する場合と同様にして染色が行われ
る。
本発明において染色すべき皮膜を設ける基体としては
ガラス、プラスチックスシートの他シリコンウエハ等が
必要に応じてシランカップリング剤等により前処理する
か又は平坦化層を設けた上で使用に供される。
実施例 実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
実施例1. 光学ガラス(光の透過性にすぐれた高純度ガラス板)
上にFCR−500(富士薬品工業(株)製、ゼラチン水溶
液)4部に対し重クロム酸アンモニウムの8%水溶液1
部を混合し脱泡した感光液をスピンコート法により膜厚
1μになるように塗布し80℃で10分間プリペークした
後、マスクアライメント装置MA−10型(ミカサ(株)
製)を用い300ミリジュール/cm2のエネルギー量で露光
後40℃の温水中で現像した。次いで120℃で10分間ポス
トベークしゼラチン膜を硬化させた。
次いでpHを酢酸で4に調整した後記の式(2)の化合
物の0.4%水溶液中に70℃で10分間浸漬して染色し着色
層を得た。この着色層の分光透過率曲線を測定したとこ
ろ、400〜520nmの領域における透過率は3%以下、透過
率50%を示す波長、λ=50%は580nm、600nm以上の長
波長領域における透過率は90%以上あり、赤色染料の補
正用染料としては申し分のない分光特性を有していた。
紫外線カットフィルター(HOYA株式会社製、L−40)
を介してスタンダードフェードメーター(スガ試験機
製、FAL−3H型)に、80時間曝光した時の黄色着色部の
最大吸収波長500nmにおける光学密度(−logT)の低下
率は1%で殆んど退色はしていなかった。
比較例 着色するために使用する染料をC.I.アシッドオレンジ
56に代えた他は実施例1と同じ方法によって得た着色層
の分光透過率曲線は、実施例1で得た曲線と酷似してい
た。しかし実施例1と同じ耐光試験を行ったところ、着
色部の最大吸収波長410nmにおける光学密度(−logT)
の低下率は32%で著るしく退色していた。
実施例2. ジメチルアミノプロピルアクリルアミド 31部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 14部 ビニルピロリドン 15部 メチルメタクリレート 15部 メチルアクリレート 13部 ジメチルアミノアクリルアミド 10部 ジオキサン 200部 a,a′−アゾビス(イソブチロニトリル) 1部 上記処方の液体を窒素雰囲気中80℃、5時間重合反応
を行わせたのち、この重合溶液を多量のイソプロピルエ
ーテル中に投入しポリマー分を沈澱させたのちこのポリ
マーを取出し乾燥を行う。この乾燥ポリマー15部に4,
4′−ジアジドカルコン0.63部、スピログリコールジア
クリレート0.57部、エチルセロソルブ88部、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル27部、シランカップリング
剤KBM603(信越化学工業(株))0.6部を混合溶解させ
た溶液を可染性感光性樹脂液とした。
次にこれをスピンコート法によりガラス板にコート
し、80℃、30分乾燥後解像度テスト用パターンを有する
マスクを介して面照度8mw/cm2のUV照射を5秒間行い、
エマルゲン913(花王石鹸(株)製、ポリオキシエチレ
ンノニルフェノールエーテル型非イオン界面活性剤)を
水1000部に対して2部含有する60℃の現像液にて撹拌下
5分間現像を行うと照射部のみ可染膜を有するガラス基
板が得られた。このガラス板を更に160℃、30分間ポス
トベークした。
このガラス板をC.I.アシッドレッド114と式(3)の
化合物との7:3混合物の0.7%水溶液を酢酸でpHを4に調
整した染色浴中に70℃で10分間浸漬して染色しパターン
状の赤色の着色層を得た。この着色層の分光透過率曲線
を測定したところ、透過率50%を示す波長、λ=50
%、は600nmでC.I.アシッドレッド114単独で得られる波
長と同一であり、式(3)の化合物を併用しない場合に
は420〜460nmの領域で透過率が10%以上あり混色の原因
となっているが、この欠点が完全に解消されており400
〜540nmの広波長領域において透過率が1%以下であ
り、原色系のR(赤)として理想的な分光透過率曲線を
示した。
実施例1と同じ耐光試験を行ったところ、400〜700nm
の全波長領域において透過率の変化が2%以内にあり、
殆んど退色はしていなかった。
実施例3. 光学ガラス上にFCR−500(富士薬品工業(株)製ゼラ
チン水溶液)4部に対し重クロム酸アンモニウムの8%
水溶液1部を混合し脱泡した感光液をスピンコート法に
より膜厚1μになるように塗布し、80℃で10分間プリペ
ークした後、所定のパターンを有するマスクを介してマ
スクアライメント装置MA−10型(ミカサ(株)製)を用
い300ミリジュール/cm2のエネルギー量で露光後、40℃
の温水中で現像した。次いで120℃で10分間ポストベー
クしゼラチン膜を硬化させた。
次いで酢酸でpH5に調整した式(4)の化合物とC.I.
アシッドレッド249を4:6の割合で混合した混合物の0.8
%水溶液中に70℃で10分間浸漬し水洗した後、ハイタン
ニン酸(大日本製薬(株)製)0.3%と酢酸0.2%とから
成る浴に70℃で5分間浸漬、水洗し、次いでニューパワ
ロン(大日本製薬(株)製、定着剤)0.5%水溶液中に7
0℃で5分間浸漬、水洗後乾燥して第一の赤色の着色層
設けた。
次に、前述と同様にして感光性ゼラチン層を設け、露
光、現像し、pHを酢酸で5に調整したPCブルー43(日本
化薬(株)製、カラーフィルター用青色染料)の0.5%
水溶液に60℃で10分間浸漬して染色後、前述と同様に固
着防染処理を施し第2の青色の着色層を設けた。
次に、前述と同様にしてゼラチン層の別の部分をCFG
−51P(日本化薬(株)製、カラーフィルター用緑色染
料)の0.5%水溶液中で60℃で15分間染色後、固着防染
処理を施し、第3の緑色着色層を設けた。
得られたカラーフィルターは、ブルー、レッドとグリ
ーンの3色から成り液晶カラーテレビ用として好適であ
った。赤色の着色部の分光透過率曲線は、透過率50%を
示す波長、λ=50%、は595nmで、C.I.アシッドレッ
ド249単独で得られる波長と同一であり、式(3)の化
合物を併用しない場合には400〜480nmの領域で透過率が
10%以上あり混色の原因となっているが、この欠点が完
全に解消されており400〜540nmの広波長領域において透
過率が1%以下にあり、原色系のR(赤)として望まし
い分光特性を示していた。
発明の効果 液晶表示デバイス、色分解デバイス、センサー等に用
いて、殊に赤色染料との組合せにより原色系のR(赤
色)として優れた分光特性と信頼性(特に耐熱性と耐光
性)を示すカラーフィルターが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のカラーフィルターを製造する行程の概
略図である。 第1図において、1はガラス板、2はスピンコート法で
設けた光硬化性樹脂等の薄膜、2′はマスクを介して光
硬化させた着色すべき皮膜、2″は着色層、3は固着防
染処理により設けた防染薄膜、4はフォトマスク、5は
第2の着色層をそれぞれ示す。 第1図(a)〜(h)において 1……ガラス板 2……光硬化性薄膜 2′……被着色皮膜 2″……第1着色層 3……防染薄膜 4……フォトマスク 5……第2着色層 6……防染薄膜 7……現像タンク 8……染色槽 9……照射ランプ をそれぞれ表す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パターン状に着色された皮膜を基体上に載
    置したカラーフィルターにおいて少なくとも一つのパタ
    ーンが下記式(1)で示される非対称2:1クロム錯塩染
    料で着色されていることを特徴とするカラーフィルタ
    ー。 (式(1)中、R1,R2,R3及びR4は相互に独立にHまたは
    Clを、又MはH,Li,K,Na,NH4,モノエタノールアンモニウ
    ム、ジエタノールアンモニウム又はトリエタノールアン
    モニウムを意味する。)
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