JP5908824B2 - 着色組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、画像表示装置、固体撮像素子、並びに、新規化合物及びその互変異性体 - Google Patents

着色組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、画像表示装置、固体撮像素子、並びに、新規化合物及びその互変異性体 Download PDF

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Description

本発明は、着色組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、画像表示装置、固体撮像素子、並びに、新規化合物及びその互変異性体に関する。
従来、カラーフィルタは、有機顔料や無機顔料を分散させた顔料分散組成物と、多官能モノマー、重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂、及び必要に応じその他の成分とを含有することにより着色組成物とし、これを用いてフォトリソグラフィ法、インクジェット法などによって着色パターンを形成することで製造されている。
近年、カラーフィルタは、液晶表示装置(LCD)用途においてモニターのみならずテレビ(TV)へと用途が拡大する傾向にある。この用途拡大の傾向に伴い、カラーフィルタには、色度、コントラストなどにおいて高度の色特性が要求されるに至っている。また、イメージセンサ(固体撮像素子)用途のカラーフィルタにおいても、同様に色ムラの低減、色分解能の向上など色特性の更なる向上が求められるようになっている。
ところが、従来の顔料分散系では、顔料の粗大粒子による散乱の発生、分散安定性不良による粘度上昇等の問題が起きやすく、コントラスト、輝度をさらに向上させることは困難であることが多い。
そこで、従来から着色材としては、顔料だけでなく、染料を用いることが検討されている(例えば、特許文献1参照)。着色剤として染料を使用すると、染料自体の色純度やその色相の鮮やかさにより、画像表示させたときの表示画像の色相や輝度を高めることができ、かつ粗大粒子がなくなるためコントラストや色ムラを向上させられる点で有用とされている。
染料に求められる性能は、良好な分光吸収を有することをはじめ、有機溶剤に対する高い溶解性や高い堅牢性(耐熱性、耐光性など)が挙げられる。また、染料を着色組成物として用いる際には、着色組成物の使用用途や形態に応じて、さらに必要とされる特性が増える。そのため、用途に応じて、染料の種類を変え使いこなすことが求められる。
例えば、カラーフィルタを作製するための着色組成物に染料を使用した場合、従来の顔料を使用した場合と比較して、堅牢性の低下が生じやすい。さらに、パターンを形成するために現像する際、現像速度が遅いためにパターン形成性が不良となることがあり、改良が求められている。
染料の例としては、ジピロメテン系染料、ピリミジンアゾ系染料、ピラゾールアゾ系染料、キサンテン系染料など、多種多様な色素母体を持つ化合物が知られている(例えば、特許文献2〜4参照)。
さらに、種々の置換基を導入して、堅牢性と有機溶剤への溶解性とを向上させ、シャープな吸収スペクトルを有するジピロメテン系染料も提案されている(特許文献5参照。)が、更なる色純度の向上と、さらに高い堅牢性、及び有機溶剤へのさらに高い溶解性が求められている。
特開平6−75375号公報 特開2008−292970号公報 特開2007−039478号公報 特許第3387541号 特開2012−140586号公報
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、有機溶剤への溶解性が高く、色純度が高く、薄層で高い吸光係数が得られ、堅牢性(特に耐熱性及び耐光性)にも優れ、現像性に優れパターン形成性の良好な着色組成物を提供することを課題とする。
本発明の別の課題は、該着色組成物を用いて、色純度が良好で堅牢性に優れたカラーフィルタ及びその製造方法を提供し、得られたカラーフィルタを備えることで、表示画像の彩色が鮮やかな画像表示装置、及び高精細で色再現性の良好な固体撮像素子を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、色純度に優れ、高い吸光係数を有し、堅牢性(特に耐熱性及び耐光性)に優れたジピロメテン系金属錯体化合物である新規化合物及びその互変異性体を提供することを課題とする。
上記した課題は下記の手段で達成される。
<1> 下記一般式()で表される化合物及びその互変異性体から選択される少なくとも1種を含む着色組成物。
〔一般式()中、R 及びR は、各々独立に、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、イミド基、又はカルバモイルスルホニル基を表す。 及びR 10 は、各々独立に、アルコキシ基で置換されていてもよいアルキル基、又は、アリール基を表す。MaはFe、Zn、Cu、Co又はV=Oを表し、Xは水酸基、ハロゲン原子、水酸基で置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、イミド基又はスルホン酸基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。〕
<2>記一般式(2)で表される化合物及びその互変異性体から選択される少なくとも1種を含む着色組成物。
〔一般式(2)中、R 及びR は、各々独立に、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。 及びR 10 は、各々独立に、アルコキシ基で置換されていてもよいアルキル基、又は、アリール基を表す。MaはFe、Zn、Cu、Co又はV=Oを表し、Xは水酸基、ハロゲン原子、水酸基で置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、イミド基又はスルホン酸基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、又は、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表す。〕
<3> さらに、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む<1>または2>に記載の着色組成物。
> さらに、顔料及びアントラキノン化合物から選ばれる少なくとも1種を含む<1>〜<>のいずれか1項に記載の着色組成物。
> 前記アントラキノン化合物が、下記一般式(II)で表される化合物である<>に記載の着色組成物。
〔一般式(II)中、R11a及びR12aは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。但し、R11aとR12aとが同時に水素原子を表すことはない。n11は1〜4の整数を表す。〕
> <1>〜<>のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタ。
> <1>〜<>のいずれか1項に記載の着色組成物を支持体上に付与し、着色層を形成する工程と、形成された前記着色層をパターン状に露光し、現像して着色領域を形成する工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
> <>に記載のカラーフィルタを備えた画像表示装置。
> <>に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
10> 下記一般式(2)で表される化合物及びその互変異性体。
〔一般式(2)中、R 及びR は、各々独立に、シアノ基、又は、アルキル基で置換されていてもよいシクロアルキルオキシカルボニル基を表す。 及びR 10 は、各々独立に、アルコキシ基で置換されていてもよいアルキル基、又は、フェニル基を表す。MaはZnを表し、Xはハロゲン原子、水酸基で置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ基、又は、フタル酸イミド基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、又は、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表す。〕
本発明によれば、有機溶剤への溶解性が高く、色純度が高く、薄層で高い吸光係数が得られ、堅牢性(特に耐熱性及び耐光性)にも優れ、現像性に優れパターン形成性の良好な着色組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、該着色組成物を用いて、色純度が良好で堅牢性に優れたカラーフィルタ及びその製造方法を提供し、得られたカラーフィルタを備えることで、表示画像の彩色が鮮やかな画像表示装置、及び高精細で色再現性の良好な固体撮像素子を提供することができる。
さらに、本発明は、色純度に優れ、高い吸光係数を有し、堅牢性(特に耐熱性及び耐光性)に優れたジピロメテン系金属錯体化合物である新規化合物及びその互変異性体を提供することができる。
以下、本発明の着色組成物、これを用いたカラーフィルタ及びその製造方法、画像表示装置及び固体撮像素子、並びに、ジピロメテン系金属錯体化合物である新規化合物及びその互変異性体について詳細に説明する。
本発明の着色組成物、並びに、新規ジピロメテン系金属錯体化合物及びその互変異性体は、従来公知の染料を用いたカラーレジストで達成できなかった課題が解決されるため、固体撮像素子や画像表示装置(例えば、液晶表示装置や有機EL表示装置など)に用いられるカラーフィルタに特に有用である。
以下に記載する本発明の構成要素の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるものであるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本発明の着色組成物において、全固形分とは、着色組成物の全組成から有機溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書においては、例えば、「アルキル基」は「直鎖、分岐及び環状」のアルキル基を示す。また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルの双方、又は、いずれかを表す。
また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本明細書における単量体は、オリゴマー及びポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。
本明細書において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、オリゴマーであっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基を言う。
本発明の着色組成物において、各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明において「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味する。
<一般式(1)で表されるジピロメテン系金属錯体化合物及びその互変異性体>
本発明の着色組成物は、一般式(1)で表されるジピロメテン系金属錯体化合物及びその互変異性体(以下、適宜「特定金属錯体化合物」と称する。)から選択された少なくとも1種を含有するものであり、好ましくは、更に、重合性化合物及び光重合開始剤を含有して感光性に構成される。
また、本発明の着色組成物は、更に、アルカリ可溶性樹脂等のバインダー、有機溶剤を含有することが好ましく、必要に応じて、各種添加剤を含有してもよい。
本発明における特定金属錯体化合物は、ジピロメテン系金属錯体化合物の中で、ジピリン3,7位のフェニル環メタ位に特定の置換基を含有する。ジピリン3、7位のフェニル環メタ位に置換基を有すると、ピロメテン平面からはみ出した形でメタ位の置換基は位置することになり、平面性にひずみが生じるものと推測される。さらに対称性も崩れ、分子としての会合力が弱まるものと考えられ、高い有機溶剤溶解性が発現されるとともに、優れた現像性をも有していることがわかった。また、さらに、作用機構は明確ではないが、これら平面性がくずれたジピロメテン系金属錯体化合物は、着色組成物(液)を保存しているときに、染料の会合を抑制しているものと考えられ、染料の析出を防止すると共に、顔料の凝集をも抑制することもあり、着色組成物(液)の経時安定性向上にも繋がっているものと考えられる。
以下、一般式(1)で表される化合物及びその互変異性体について説明する。特定金属錯体化合物は新規化合物であり、本発明の着色組成物は、下記一般式(1)で表される化合物及びその互変異性体(特定金属錯体化合物)を少なくとも1種含有する。
〔一般式(1)中、R〜Rは、各々独立に、1価の置換基を表す。Maは金属又は金属化合物を表し、XはMaと結合可能な基を表し、n1及びn2は、各々独立に、0〜4の整数を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。〕
一般式(1)中、R〜Rが表す1価の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基であり、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ヘキシルジメチルシリル基などが挙げられる。)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ、ドデシルオキシ基、シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基などが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基であり、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基などが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基であり、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基であり、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。)、アルコキシアルキルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシアルキルオキシ基であり、例えば、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、ブトキシ−1−メチルエトキシ基、シクロアルコキシアルキルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシエトキシ基など)などが挙げられる。)、
アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基であり、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基などが挙げられる。)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基であり、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基などが挙げられる。)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基であり、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基などが挙げられる。)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基であり、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基などが挙げられる。)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基であり、例えば、フェニルスルホニルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアシル基であり、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テトラデカノイル基、シクロヘキサノイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェノキシカルボニル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基であり、例えば、カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−オクチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−アセチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−メチルN−フェニルカルバモイル基、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基であり、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、テトラデシルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などが挙げられる。)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基であり、例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基などが挙げられる。)、
ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基であり、例えば、4−ピリジルアミノ基などが挙げられる。)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基であり、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基であり、例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N−フェニルウレイド基などが挙げられる。)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基であり、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基であり、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ基などが挙げられる。)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基であり、例えば、フェニルアゾ基、3−ピラゾリルアゾ基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基であり、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−フェニルテトラゾリルチオ基などが挙げられる。)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルフィニル基であり、例えば、ドデカンスルフィニル基などが挙げられる。)、
アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基であり、例えば、フェニルスルフィニル基などが挙げられる。)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ヘキサデシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基などが挙げられる。)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基であり、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基などが挙げられる。)、カルバモイルスルホニル基、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基などが挙げられる。)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基であり、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基などが挙げられる。)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基であり、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基などが挙げられる。)等が挙げられる。
一般式(1)中のR〜Rで表される1価の置換基が、更に置換可能な基である場合には、該R〜Rで表される1価の置換基は、R〜Rで説明した置換基を更に有していてもよい。R〜Rで表される1価の置換基が、2個以上の1価の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)において、前記R及びRとしては、上記の中でも、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、イミド基、又はカルバモイルスルホニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、シアノ基、イミド基、又はカルバモイルスルホニル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、イミド基、又はカルバモイルスルホニル基が更に好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又はカルバモイル基が特に好ましい。
一般式(1)において、前記R、R、R及びRとしては、上記の中でも、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基が好ましく、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基がより好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基が特に好ましい。
一般式(1)中、R及びRは、各々独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、1,1-ジメチルプロピル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−アダマンチル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、3−ブテン−1−イル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基であり、例えば、フェニル、ナフチル、トリル基などが挙げられる。)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−1−イル基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ドデシルオキシ、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは1〜18のアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルキルアミノ基であり、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ヘキシルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ、t−オクチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジプロピルアミノ、N,N−ジブチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ基などが挙げられる。)、アリールアミノ(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリールアミノ基であり、例えば、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、N,N−ジフェニルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノ基などが挙げられる。)、又はヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環アミノ基であり、例えば、2−アミノピロール、3−アミノピラゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン基などが挙げられる。)を表す。
一般式(1)中、R又はRで表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基が、更に置換可能な基である場合には、R又はRは、前記R〜Rで説明した1価の置換基で置換されていてもよく、2個以上の1価の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)中のMaは、金属又は金属化合物を表す。
Maは、錯体を形成可能な金属原子又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。
Maで表される金属としては、例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe、B等が挙げられる。
Maで表される金属化合物としては、AlCl、InCl、FeCl、TiCl、SnCl、SiCl、GeCl等の金属塩化物、TiO、V=O等の金属酸化物、Si(OH)等の金属水酸化物が挙げられる。
これらの中でも、錯体の安定性、分光特性、耐熱、耐光性、及び製造適性等の観点から、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、B、又はVOが好ましく、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、B、又はVOが更に好ましく、Fe、Zn、Cu、Co、Cu、又はVO(V=O)が最も好ましい。これらの中でも、Maとしては、特にZnが好ましい。
一般式(1)におけるXは、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、水酸基、脂肪族イミド(例えば、コハク酸イミド、マレイミド、グルタルイミド、ジアセトアミドなどが挙げられ、好ましくはコハク酸イミド、マレイミドが挙げられる)由来の一価の基、芳香族イミド基又は複素環イミド(例えば、フタルイミド、ナフタルイミド、4−ブロモフタルイミド、4−メチルフタルイミド、4−ニトロフタルイミド、ナフタレンカルボキシイミド、テトラブロモフタルイミドなどが挙げられ、好ましくはフタルイミド、4−ブロモフタルイミド、4−メチルフタルイミドが挙げられる)由来の一価の基、芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸、2−メトキシ安息香酸、3−メトキシ安息香酸、4−メトキシ安息香酸、4−クロロ安息香酸、2−ナフトエ酸、サリチル酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、4−ヘプチルオキシ安息香酸、4−t−ブチル安息香酸などが挙げられ、好ましくは安息香酸、4−メトキシ安息香酸、サリチル酸などが挙げられる)由来の一価の基、脂肪族カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、エタン酸、プロパン酸、乳酸、ピバリン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、2−ヘキサデシルオクタデカン酸、2−ヘキシルデカン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸などが挙げられ、好ましくは酢酸、メタクリル酸、乳酸、ピバリン酸、2−エチルヘキサン酸、ステアリル酸などが挙げられる)由来の一価の基、脂肪族スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられ、好ましくはメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる)由来の1価の基、ジチオカルバミン酸(例えば、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸が挙げられる。)由来の一価の基、スルホンアミド(例えば、ベンゼンスルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、4−メトキシベンゼンスルホンアミド、4−メチルベンゼンスルホンアミド、2−メチルベンゼンスルホンアミド、メタンスルホンアミドが挙げられ、好ましくはベンゼンスルホンアミド、メタンスルホンアミドが挙げられる。)由来の一価の基、ヒドロキサム酸(例えば、アセトヒドロキサム酸、オクタノヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸が挙げられる)由来の一価の基、含窒素環化合物(ヒダントイン、1−ベンジル−5−エトキシヒダントイン、1−アリルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン、5,5−ジメチル−2,4−オキサゾリジンジオン、バルビツール酸、イミダゾール、ピラゾール、4,5−ジシアノイミダゾール、4,5−ジメチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸ジエチルなどが挙げられ、好ましくは1−ベンジル−5−エトキシヒダントイン、5,5−ジメチル−2,4−オキサゾリジンジオン、4,5−ジシアノイミダゾール、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸ジエチルが挙げられる)由来の一価の基である。
中でも、製造の点で、水酸基、ハロゲン原子、脂肪族カルボン酸基、芳香族カルボン酸基、脂肪族イミド基、芳香族イミド基、スルホン酸基、含窒素環化合物が好ましく、水酸基、脂肪族カルボン酸基、芳香族イミド基、含窒素環化合物がより好ましい。
n1及びn2は、各々独立に、0〜4の整数を表す。中でも0または1であることが好ましい。
一般式(1)で表される特定金属錯体化合物は、下記一般式(2)で表されるジピロメテン系金属錯体化合物又はその互変異性体であることが好ましい。
〔一般式(2)中、R、R、R、及びR10は、各々独立に、1価の置換基を表す。Maは金属又は金属化合物を表し、XはMaと結合可能な基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。〕
一般式(2)におけるR、R、R、R、Ma及びXはそれぞれ、一般式(1)におけるR、R、R、R、Ma及びXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2)において、前記R及びR10が表す1価の置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、又はアシル基であり、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基が好ましく、アルキル基、アリール基がより好ましい。
一般式(2)におけるR及びR10が表すアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、及びアシル基としてはそれぞれ、−OR及び−OR10が一般式(1)におけるR及びRの説明で述べたアルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、及びアシルオキシ基として挙げたものとそれぞれ同様である。
一般式(2)において、R、R、R、R、R、R10、Ma及びXの好ましい組み合わせとしては、R及びRが、各々独立に、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、イミド基、又はカルバモイルスルホニル基であり、R及びRが、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基であり、R及びR10が、各々独立に、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基であり、MaがFe、Zn、Cu、Co、Cu、又はVO(V=O)であり、Xが水酸基、ハロゲン原子、脂肪族カルボン酸基、芳香族カルボン酸基、脂肪族イミド基、芳香族イミド基、スルホン酸基、含窒素環化合物である態様が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物、及び一般式(2)で表される化合物は、互変異性体であってもよい。本発明において互変異性体とは、分子内の1個の水素原子が移動することにより形成し得る構造の化合物であればいずれでもよい。例えば、一般式(1)で表される化合物の例を示すと、下記の一般式(a)から一般式(f)の構造等であってもよい。
特定金属錯体化合物のモル吸光係数は、該化合物を含む着色組成物により着色膜を形成した際における膜厚の薄膜化の観点から、できるだけ高いほうが好ましい。
また、特定金属錯体化合物最大吸収波長λmaxは、色純度向上の観点から、530nm〜590nmが好ましく、540nm〜580nmが更に好ましい。
なお、最大吸収波長及びモル吸光係数は、分光光度計UV−1800PC(島津製作所社製)により測定されるものである。
以下に、特定金属錯体化合物の例示化合物を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。なお、下記の例示化合物におけるR101、R102、R103、X101、及びMaはそれぞれ、下記一般式(3)におけるR101、R102、R103、X101、及びMaを表す。
また、*は結合の位置を表す。Meはメチル基、Etはエチル基、t−Buはtert−ブチル基、Acはアセチル基を表す。
特定金属錯体化合物は、米国特許第4,774,339号明細書、米国特許5,433,896号明細書、特開2001−240761号公報、同2002−155052号公報、特開2008−0076044号公報、特許第3614586号公報、Aust.J.Chem,1965,11,1835−1845、J.H.Boger et al,Heteroatom Chemistry,Vol.1,No.5,389(1990)、等に記載の方法で合成することができる。
本発明の着色組成物では、特定金属錯体化合物を1種単独で含有してもよいし、二種以上併用してもよい。
特定金属錯体化合物の着色組成物中における含有量としては、分子量及びその吸光係数によって異なるが、着色組成物の全固形分に対して、0.1質量%〜70質量%が好ましく、1質量%〜50質量%がより好ましい。特定金属錯体化合物の含有量が、この範囲内であると、より良好な色濃度(例えば液晶表示するのに適した色濃度)が得られ、且つ、画素のパターニングがより良好になる点で有利である。
本発明の着色組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、特定金属錯体化合物以外に、その他の構造を有する染料や顔料を併用してもよい。
(特定金属錯体化合物とは異なるその他の構造を有する染料)
本発明の着色組成物には、特定金属錯体化合物とは異なるその他の構造を有する染料を用いることができる。その他の構造を有する染料としては特に制限はなく、公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報、特開平6−230210号公報等に記載の色素が挙げられる。
その他の構造を有する染料の化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、スクアリリウム系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系等の染料が挙げられる。中でも、アントラキノン系、キサンテン系、又はスクアリリウム系の染料が色相の点で好ましく、アントラキノン系染料が特に好ましい。
本発明の着色組成物は、特定金属錯体化合物に、顔料及びアントラキノン化合物(アントラキノン系染料)から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
顔料及びアントラキノン化合物から選ばれる少なくとも1種を含むことにより、色相に優れ、堅牢性がさらに向上する。顔料及びアントラキノン化合物をそれぞれ1種以上を含んでいてもよい。
<アントラキノン化合物>
特に、アントラキノン化合物を含有することにより、本発明の着色組成物をさらに耐光性に優れたものとすることができる。また、得られたカラーフィルタのコントラストを効果的に高めることもできる。
特定金属錯体化合物とアントラキノン化合物とを併用することにより、耐光性がさらに優れたものとなるが、これは特定金属錯体化合物とアントラキノン化合物との間にエネルギー移動が起こることによるものと考えられる。
本発明におけるアントラキノン化合物は、400nm〜700nmに吸収極大を有する化合物であり、本発明において好ましくは、500nm〜700nmに吸収極大を有し、特に好ましくは550nm〜700nmに吸収極大を有するアントラキノン化合物である。このような吸収極大を有するアントラキノン化合物であれば、特に構造上限定されるものではなく、コントラスト向上効果に優れる。
本発明におけるアントラキノン化合物の中でも、好ましくはジアミノアントラキノン化合物である下記一般式(II)で表される化合物である。
一般式(II)で表される化合物のうちでも、吸収特性の観点から、下記一般式(III)で表される化合物がより好ましく、また熱安定性の観点から、下記一般式(IV)で表される化合物がより好ましく、更には、吸収特性と熱安定性の両立の観点からは、下記一般式(V)又は下記一般式(VI)で表される化合物が特に好ましい。
まず、下記一般式(II)で表される化合物について説明する。
〔一般式(II)において、R11a及びR12aは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。但し、R11aとR12aとが同時に水素原子を表すことはない。n11は1〜4の整数を表す。〕
11a、R12aで表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
11a、R12aで表されるアリール基として好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、o−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニルビフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基などが挙げられる。
11a、R12aで表されるヘテロ環基として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含む。ヘテロ環基としては、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ナフトチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。
また、R11a、R12aで表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基は、更に置換基を有してもよい。
置換基を有する場合の置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基などが挙げられる。)、
アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10のアミノ基であり、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基が含まれる。具体的な例としては、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、芳香族ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12の芳香族へテロ環オキシ基であり、例えば、ピリジルオキシ基、ピラジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、キノリルオキシ基などが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアシル基であり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、
芳香族ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12の芳香族ヘテロ環チオ基であり、例えば、ピリジルチオ基、2−ベンズイミゾリルチオ基、2−ベンズオキサゾリルチオ基、2−ベンズチアゾリルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、ウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる。)、
ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基であり、ヘテロ原子としては例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子がふくまれる。具体的な例としては、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は、更に置換されてもよい。
前記一般式(II)において、n11は、1〜4の整数を表し、n11が2〜4の整数である場合、複数のNR11a12aは同一でも異なっていてもよい。
次に、一般式(III)で表される化合物について説明する。
〔一般式(III)中、R21a及びR22aは、各々独立に、アルキル基、又はアリール基を表す。〕
21a、R22aで表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシルなど基が挙げられる。
21a、R22aで表されるアリール基として好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、o−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニルビフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基などが挙げられる。
また、前記R21a、R22aで表されるアルキル基、アリール基は、更に置換基を有してもよく、置換基の例としては、前記一般式(II)中のR11a、R12aで表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基の置換基として既述した例が挙げられる。中でも、該置換基の例としては、好ましくは、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、スルホニル基、ウレイド基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、スルホ基、カルボキシル基などである。これらの詳細及び好ましい態様については、既述の例の通りである。
次に、一般式(IV)で表される化合物について説明する。
前記一般式(IV)において、R31a、R32a、R33a、及びR34aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
31a、R32a、R33a、R34aで表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜2のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
31a、R32a、R33a、R34aで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記一般式(XI)において、R35a及びR36aは、各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホ基もしくはその塩、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基、又はフェノキシスルホニル基を表す。
35a、R36aで表されるアルキル基は、前記R31a、R32a、R33a、R34aで表されるアルキル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
35a、R36aで表されるアルコキシ基は、好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。
35a、R36aで表されるアリールオキシ基は、好ましくは、炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。
35a、R36aで表されるスルホ基及びその塩は、スルホン酸基及びスルホン酸塩に由来の基が好ましい。スルホン酸塩は、4級アンモニウム塩又はアミンの塩が好ましく、炭素数4〜30(好ましくは10〜30、より好ましくは15〜30)のスルホン酸塩が特に好ましい。
35a、R36aで表されるアミノスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜15のアミノスルホニル基であり、具体例として、エチルアミノスルホニル基、プロピルアミノスルホニル基、イソプロピルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、イソブチルアミノスルホニル基、sec−ブチルアミノスルホニル基、ペンチルアミノスルホニル基、イソペンチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、2−エチルヘキシルアミノスルホニル基、デシルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基などが挙げられ、またジアルキルアミノスルホニル基として、ジメチルアミノスルホニル基、ジエチルアミノスルホニル基、ジプロピルアミノスルホニル基、ジイソプロピルアミノスルホニル基、ジブチルアミノスルホニル基、ジsec−ブチルアミノスルホニル基、ジsec−プロピルアミノスルホニル基、ジヘキシルアミノスルホニル基、メチルエチルアミノスルホニル基、メチルブチルアミノスルホニル基、エチルブチルアミノスルホニル基、フェニルメチルアミノスルホニル基などが挙げられる。このうち、特にアルキル部位の炭素数が4〜15のジアルキルアミノスルホニル基が好ましい。
35a、R36aで表されるアルコキシスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数2〜15、特に好ましくは炭素数4〜15のアルコキシスルホニル基であり、具体例として、ブチルスルホニル基、ヘキサンスルホニル基、デシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基などが挙げられる。
35a、R36aで表されるフェノキシスルホニル基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜15のフェノキシスルホニル基であり、具体例として、フェノキシスルホニル基、トリルスルホニル基などが挙げられる。
35a、R36aは、さらに置換基を有してもよく、該置換基の例としては、前記一般式(IX)中のR11a、R12aで表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基の置換基として既述した例が挙げられる。
前記一般式(XI)において、n31、n32は、0〜2の整数を表し、n31、n32が2の場合、複数のR35a、R36aは同一でも異なっていてもよい。
上記のジアミノアントラキノン化合物中でも、下記一般式(V)又は下記一般式(VIII)で表される化合物より選択される化合物が好ましい。
(一般式(V)で表される化合物)
一般式(V)において、R41a、R42a、R43a、及びR44aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、前記一般式(IV)中のR31a、R32a、R33a、R34aにおけるアルキル基、ハロゲン原子とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(V)中のR45a、R46a、R47a、及びR48aは、各々独立に、アルキル基、スルホ基もしくはその塩、又はアミノスルホニル基を表す。R45a及びR47aのいずれか一方と、R46a及びR48aのいずれか一方とは、スルホ基もしくはその塩、又はアミノスルホニル基を表す。R45a、R46a、R47a、及びR48aは、前記一般式(IV)中のR35a、R36aで表されるアルキル基、スルホ基もしくはその塩、アミノスルホニル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
(一般式(VI)で表される化合物)
一般式(VI)において、R51a、R52a、R53a、及びR54aは、各々独立に、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、一般式(IV)中のR31a、R32a、R33a、R34aにおけるアルキル基、ハロゲン原子と同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(VI)中、R55a及びR56aは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表し、該アルキル基は前記一般式(IV)中のR31a、R32a、R33a、R34aにおけるアルキル基と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、R57a及びR58aは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表し、該アルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
一般式(VI)中、L51a及びL52aは、各々独立に2価の連結基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、−O−、−S−、−NR−、−SO−、−CO−、又はこれらの複数を組み合わせてなる2価の連結基が好ましい。L51a、L52aとしてより好ましくは、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のフェニレン基、スルホニルアミノ基、又はこれらの複数を組み合わせてなる2価の連結基であり、特に好ましくは、炭素数1〜10のアルキレン基、スルホニルアミノ基、又はこれらの複数を組み合わせてなる2価の連結基である。
一般式(VI)中、L51a又はL52aで表される炭素数1〜10のアルキレン基又はこれと−O−等とを組み合わせてなる2価の連結基としては、無置換でも置換基を有してもよく、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、エチレンアミノスルホニル基、プロピレンアミノスルホニル基、ブチレンアミノスルホニル基、ペンチレンアミノスルホニル基、1−メチルエチレンスルホニル基等が挙げられる。中でも、炭素数2〜10のアルキレンアミノスルホニル基(例:エチレンアミノスルホニル基、プロピレンアミノスルホニル基、ブチレンアミノスルホニル基、ペンチレンアミノスルホニル基)が好ましい。
一般式(VI)中、L51a又はL52aで表される炭素数6〜20のアリーレン基又はこれと−O−等とを組み合わせてなる2価の連結基としては、無置換でも置換基を有してもよく、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、フェニレンアミノスルホニル基等が挙げられ、中でも、炭素数6〜12のアリーレンアミノスルホニル基(例:フェニレンアミノスルホニル基など)が好ましい。
また、一般式(VI)中、L51a又はL52aで表される−NR−におけるRは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
前記一般式(VI)中、L53a及びL54aは、各々独立に、酸素原子、又は−NH−基を表す。
上記のうち、本発明において好ましいアントラキノン化合物は、一般式(V)又は一般式(VI)で表されるジアミノアントラキノン化合物より選択される化合物であり、更には下記の場合が特に好ましい。
すなわち、一般式(V)においては、R41a、R42a、R43a、及びR44aがメチル基、エチル基、もしくは臭素原子であって、R45a、R46aが炭素数2〜15のアミノスルホニル基であり、R47a、R48aがメチル基である場合が好ましく、
また、一般式(VI)においては、R51a、R52a、R53a、及びR54aがメチル基、エチル基、もしくは臭素原子であって、R55a及びR56aが水素原子もしくはメチル基であり、R57a及びR58aが水素原子、メチル基であって、L51a及びL52aが炭素数1〜10のアルキレンアミノスルホニル基、炭素数7〜12のアラルキレンアミノスルホニル基、又は炭素数2〜10のアルキレンオキシ基であり、L53a及びL54aが酸素原子である場合が好ましい。
以下、本発明におけるアントラキノン化合物の具体例を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
前記アントラキノン化合物の特定金属錯体化合物を含む全染料化合物の総量に対する比率は、50質量%以下であるのが好ましく、2質量%〜50質量%の範囲とするのがより好ましく、10質量%〜50質量%の範囲とするのがより好ましい。アントラキノン化合物の比率が50質量%以下であると、堅牢性を維持しながら、着色画像の色相が良好でコントラストをより効果的に高めることができる。
本発明の着色組成物は、特定金属錯体化合物以外の染料を1種単独含有してもよいし、2種以上の特定金属錯体化合物以外の染料を併用してもよい。
本発明の着色組成物中における特定金属錯体化合物を含む全染料の含有量としては、着色組成物の全固形分に対して0.1質量%〜70質量%が好ましく、1質量%〜50質量%がより好ましい。染料の含有量は、この範囲内であると、良好な色濃度(例えば液晶表示するのに適した色濃度)が得られ、且つ、画素のパターニングが良好になる点で有利である。
(顔料)
本発明の着色組成物は、着色剤として、特定金属錯体化合物に顔料を併用することも好ましい。
顔料としては平均一次粒子径が10nm以上30nm以下の顔料が好ましい。上記態様であると、さらに、色相とコントラストに優れ、堅牢性にも優れる着色組成物が得られる。
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができるが、信頼性の観点で有機顔料を用いることが好ましい。本発明において有機顔料として、例えば、特開2009−256572号公報の段落0093に記載の有機顔料が挙げられる。
また特に、
C.I.Pigment Red 177、209、224、242、254、255、264、
C.I.Pigment Yellow 138、139、150、180、185、
C.I.Pigment Orange 36、38、71、
C.I.Pigment Green 7、36、58、
C.I.Pigment Blue 15:6、15:3、60、
C.I.Pigment Violet 23
が色再現性の観点で好適であるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。これら有機顔料は、単独で、または、色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。
顔料を用いる場合、本発明の着色組成物中における含有量は、該組成物の全固形分に対して、1質量%〜55質量%であることが好ましく、5質量%〜45質量%がより好ましい。顔料の含有量が前記範囲内であると、優れた色特性を確保するのに有効である。
−顔料分散剤−
本発明の着色組成物は、特定金属錯体化合物と共に、顔料を含む場合、顔料分散剤を含有することができる。
本発明に用いうる顔料分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等の界面活性剤、及び、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子としては、例えば、特開平3−112992号公報、特表2003−533455号公報等に記載の末端にリン酸基を有する高分子、特開2002−273191号公報等に記載の末端にスルホン酸基を有する高分子、特開平9−77994号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有する高分子などが挙げられる。また、特開2007−277514号公報に記載の高分子末端に2個以上の顔料表面へのアンカー部位(酸基、塩基性基、有機色素の部分骨格やヘテロ環等)を導入した高分子も分散安定性に優れ好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子としては、例えば、ポリエステル系分散剤等が挙げられ、具体的には、特開昭54−37082号公報、特表平8−507960号公報、特開2009−258668号公報等に記載のポリ(低級アルキレンイミン)とポリエステルの反応生成物、特開平9−169821号公報等に記載のポリアリルアミンとポリエステルの反応生成物、特開平10−339949号公報、特開2004−37986号公報等に記載のマクロモノマーと、窒素原子モノマーとの共重合体、特開2003−238837号公報、特開2008−9426号公報、特開2008−81732号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有するグラフト型高分子、特開2010−106268号公報等に記載のマクロモノマーと酸基含有モノマーの共重合体等が挙げられる。特に、特開2009−203462号公報に記載の塩基性基と酸性基を有する両性分散樹脂は、顔料分散物の分散性、分散安定性、及び顔料分散物を用いた着色組成物が示す現像性の観点から特に好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子をラジカル重合で製造する際に用いるマクロモノマーとしては、公知のマクロモノマーを用いることができ、東亜合成(株)製のマクロモノマーAA−6(末端基がメタクリロイル基であるポリメタクリル酸メチル)、AS−6(末端基がメタクリロイル基であるポリスチレン)、AN−6S(末端基がメタクリロイル基であるスチレンとアクリロニトリルの共重合体)、AB−6(末端基がメタクリロイル基であるポリアクリル酸ブチル)、ダイセル化学工業(株)製のプラクセルFM5(メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン5モル当量付加品)、FA10L(アクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン10モル当量付加品)、及び特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマー等が挙げられる。これらの中でも、特に柔軟性且つ親溶剤性に優れるポリエステル系マクロモノマーが、顔料分散物の分散性、分散安定性、及び顔料分散物を用いた着色組成物が示す現像性の観点から特に好ましく、更に、特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマーで表されるポリエステル系マクロモノマーが最も好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するブロック型高分子としては、特開2003−49110号公報、特開2009−52010号公報等に記載のブロック型高分子が好ましい。
本発明に用いうる顔料分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、楠木化成株式会社製「DA−7301」、BYKChemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050〜4010〜4165(ポリウレタン系)、EFKA4330〜4340(ブロック共重合体)、4400〜4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822、PB880、PB881」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、日本ルーブリゾール(株)製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」、川研ファインケミカル(株)製 ヒノアクトT−8000E等、信越化学工業(株)製、オルガノシロキサンポリマーKP341、裕商(株)製「W001:カチオン系界面活性剤」、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、「W004、W005、W017」等のアニオン系界面活性剤、森下産業(株)製「EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450」、サンノプコ(株)製「ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100」等の高分子分散剤、(株)ADEKA製「アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123」、及び三洋化成(株)製「イオネット(商品名)S−20」等が挙げられる。
これらの顔料分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。また、本発明の顔料分散剤は、前記顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子と伴に、アルカリ可溶性樹脂と併用して用いても良い。アルカリ可溶性樹脂としては、(メタ)アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を変性した樹脂が挙げられるが、特に(メタ)アクリル酸共重合体が好ましい。また、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマー共重合体、特開2004−300204号公報に記載のエーテルダイマー共重合体、特開平7−319161号公報に記載の重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂も好ましい。
着色組成物における顔料分散剤の含有量としては、顔料100質量部に対して、1〜80質量部であることが好ましく、5質量部〜70質量部がより好ましく、10質量部〜60質量部であることが更に好ましい。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料100質量部に対して、5質量部〜100質量部の範囲が好ましく、10質量部〜80質量部の範囲であることがより好ましい。
また、顔料誘導体を併用する場合、顔料誘導体の使用量としては、顔料100質量部に対し、質量換算で1質量部〜30質量部の範囲にあることが好ましく、3質量部〜20質量部の範囲にあることがより好ましく、5質量部〜15質量部の範囲にあることが特に好ましい。
<他の成分>
本発明の着色組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、以下に説明する他の成分を含んでいてもよい。
(重合性化合物)
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物としては、例えば少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物であり、公知の組成物を構成する成分から選択して用いることができ、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0020]に記載の成分や、特開2006−64921号公報の段落番号[0027]〜[0053]に記載の成分を挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物も好適であり、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートアルキレンオキサイド変性体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートアルキレンオキサイド変性体などが、並びに、市販品としては、NKエステル A−TMMT、NKエステル A−TMM−3、NKオリゴUA−32P、NKオリゴUA−7200(以上、新中村化学工業(株)製)、アロニックス M−305、アロニックス M−306、アロニックス M−309、アロニックス M−450、アロニックス M−402、TO−1382(以上、東亞合成(株)製)、V#802(大阪有機化学工業(株)製)、カヤラド D-330、カヤラド D-320、カヤラド D-310、カヤラド DPHA(以上、日本化薬(株)製)等を好ましい例として挙げることができる。
これらの重合性化合物は単独で、或いは2種以上の併用で用いることができる。
着色組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量(2種以上の場合は総含有量)としては、10質量%〜80質量%が好ましく、15質量%〜75質量%がより好ましく、20質量%〜60質量%が特に好ましい。
(アルカリ可溶性バインダー)
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性バインダーを含有することが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーは、アルカリ可溶性を有すること以外は、特に限定はなく、好ましくは、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選択することができる。
アルカリ可溶性バインダーとしては、線状有機高分子重合体であり、且つ、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
上述したものの他、本発明におけるアルカリ可溶性バインダーとしては、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。また、線状有機高分子重合体は、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよい。この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級若しくは3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のブチル(メタ)アクリレート、又は、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。その他、親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸基、燐酸エステル基、4級アンモニウム塩基、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸基及びその塩由来の基、モルホリノエチル基等を含んでなるモノマー等も有用である。
また、アルカリ可溶性バインダーは、架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、例えば、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、市販品のダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製);Photomer 6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd,製);ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製);サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製);Ebecryl3800(ダイセルサイテック(株)製)等が挙げられる。また、硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
これら各種アルカリ可溶性バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体や、市販品のダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
アルカリ可溶性バインダーは、現像性、液粘度等の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×10の重合体が好ましく、2000〜1×10の重合体がより好ましく、5000〜5×10の重合体が特に好ましい。単独でもちいることも2種以上を併用することもできる。
アルカリ可溶性バインダーの着色組成物中の含有量としては、着色組成物の全固形分に対して、1〜80質量%が好ましく、5〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%が更に好ましい。
(光重合開始剤)
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤は、前記重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に制限はなく、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
光重合開始剤は、露光光により感光し、重合性化合物の重合を開始、促進する化合物である。波長300nm以上の活性光線に感応し、重合性化合物の重合を開始、促進する化合物が好ましい。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光重合開始剤についても、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
具体的には例えば、オキシムエステル化合物、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体等が挙げられる。 これらの中でも、感度の点から、オキシムエステル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましい。
オキシムエステル化合物としては、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、国際公開第2005/080337号パンフレット、国際公開第2006/018973号パンフレット、特開2007−210991号公報、特開2007−231000号公報、特開2007−269779号公報、特開2009−191061号公報、国際公開第2009/131189号パンフレットに記載の化合物を使用できる。
具体的な例としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロピル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン、2−(アセトキシイミノ)−4−(4−クロロフェニルチオ)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−ブタノンなどが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
また、本発明においては、感度、時安定性、後加熱時の着色の観点から、オキシム系化合物として、下記一般式(E1)で表される化合物も好適である。
前記一般式(E1)中、R及びXは、各々独立に、1価の置換基を表し、Aは、2価の有機基を表し、Arは、アリール基を表す。nは、0〜5の整数である。
一般式(E1)中、Rとしては、高感度化の点から、アシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
一般式(E1)中、Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
一般式(E1)中、Arとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。置換フェニル基の場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基が好ましい。
一般式(E1)中、Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基が好ましい。
一般式(E1)におけるnは1〜2の整数が好ましい。
有機ハロゲン化化合物の例としては、具体的には、若林等、「Bull Chem. Soc. Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、露光波長に吸収を持たない開始剤を用いる場合には、増感剤を使用する必要がある。
光重合開始剤の総含有量は、着色組成物中の全固形分に対して、0.5質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜20質量%であることがより好ましく、5質量%〜18質量%が最も好ましい。この範囲内であると、露光時の感度が高く、また色特性も良好である。
(増感剤)
本発明の着色組成物には増感剤を加えることもできる。本発明に用いうる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J.V.Crivello,Adv.in Polymer Sci,62,1(1984)〕に開示しているものが挙げられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、ベンゾフェノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファキノン、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。増感剤は、光重合開始剤に対し、50質量%〜200質量%の割合で添加することが好ましい。
(連鎖移動剤)
本発明の着色組成物には連鎖移動剤を加えることもできる。
本発明に用いうる連鎖移動剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどの複素環を有するメルカプト化合物、及び、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタンなどの脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。
連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤の添加量は、本発明の着色組成物の全固形分に対して、0.01質量%〜15質量%範囲であることが、感度ばらつきを低減するという観点から好ましく、0.1質量%〜10質量%がより好ましく、0.5質量%〜5質量%が特に好ましい。
(重合禁止剤)
本発明の着色組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。
重合禁止剤とは、光や熱により着色感光性樹脂組成物中に発生したラジカル等の重合開始種に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始種を失活させ、重合が意図せず開始されることを抑制する役割をはたす物質である。特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載された重合禁止剤などを用いることができる。
これらの中でも、重合禁止剤としてはp−メトキシフェノールが好ましく挙げられる。
本発明の着色組成物における重合禁止剤の含有量は、重合性化合物の全質量に対して、0.0001質量%〜5質量%が好ましく、0.001質量%〜5質量%がより好ましく、0.001質量%〜1質量%が特に好ましい。
(有機溶剤)
本発明の着色組成物は、有機溶剤を含有することができる。
有機溶剤は、並存する各成分の溶解性や着色組成物としたときの塗布性を満足できるものであれば、基本的には特に制限はなく、特に、固形分の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキルエステル類(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(具体的には、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等が挙げられる。))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。
また、エーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの有機溶剤は、前述の各成分の溶解性、及びアルカリ可溶性バインダーを含む場合はその溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
有機溶剤の着色組成物中における含有量としては、組成物中の全固形分濃度が5質量%〜80質量%になる量が好ましく、5質量%〜60質量%になる量がより好ましく、10質量%〜60質量%になる量が特に好ましい。
(界面活性剤)
本発明の着色感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。具体的には、特開2009−098616号公報の段落0058に記載のノニオン系界面活性剤が挙げられ、中でもフッ素系界面活性剤が好ましい。
本発明に用いることができるこの他の界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(以上、DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(以上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(以上、三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)などが挙げられる。
また、界面活性剤として、下記一般式(S1)で表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフランを溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
一般式(S1)中、R1及びR3はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R4は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す重量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。)
前記Lは、下記式(S2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(S2)におけるR5は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これら界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明の着色組成物における界面活性剤の添加量は、固形分中0.01質量%〜2.0質量%が好ましく、0.02質量%〜1.0質量%が特に好ましい。この範囲であると、塗布性及び硬化膜の均一性が良好となる。
(密着改良剤)
本発明の着色組成物は、密着改良剤を含有してもよい。
密着改良剤は、基材となる無機物、例えば、ガラス、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等と硬化膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
シランカップリング剤としては、特開2009−98616号公報の段落0048に記載のシランカップリング剤が好ましく、中でもγ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましい。これらは1種単独又は2種以上を併用できる。
本発明の着色組成物における密着改良剤の含有量は、全固形分量に対して、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.2質量%〜5質量%がより好ましい。
(架橋剤)
本発明の着色組成物に補足的に架橋剤を用い、着色組成物を硬化させてなる着色硬化膜の硬度をより高めることもできる。
架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
架橋剤の具体例などの詳細については、特開2004−295116号公報の段落〔0134〕〜〔0147〕の記載を参照することができる。
(現像促進剤)
非露光領域のアルカリ溶解性を促進し、着色組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、現像促進剤を添加することもできる。現像促進剤は好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸化合物、分子量1000以下の低分子量フェノール化合物である。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等が挙げられる。
(その他の添加物)
本発明の着色組成物には、必要に応じて、その他の各種添加物、例えば、充填剤、上記以外の高分子化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加物としては、特開2004−295116号公報の段落〔0155〕〜〔0156〕に記載のものを挙げることができる。
本発明の着色組成物においては、特開2004−295116号公報の段落〔0078〕に記載の光安定剤、同公報の段落〔0081〕に記載の熱重合防止剤を含有することができる。
<着色組成物の調製>
本発明の着色組成物の調製態様については特に制限されないが、例えば、特定金属錯体化合物、重合性化合物、光重合開始剤、有機溶剤など前述の各成分と、さらに必要に応じてその他の任意成分とを混合することで調製することができる。
なお、着色組成物の調製に際しては、着色組成物に含有される各成分を一括配合してもよいし、各成分を有機溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に有機溶剤に溶解・分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時など)にこれらを混合して着色組成物として調製してもよい。
なお、本発明の着色組成物の調製に際しては、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、各成分を混合した後、フィルタにより濾過することが好ましい。フィルタは、従来、ろ過用途等に用いられているものが特に限定されることなく用いられる。具体的には、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これらフィルタ素材の中でも、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、ポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)が好ましい。
フィルタの孔径は、0.01μm〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01μm〜2.5μm程度、さらに好ましくは0.01μm〜2.0μm程度である。この範囲とすることにより、後工程において均一な着色組成物の調製を阻害する、微細な異物が確実に除去され、均一及び平滑な着色組成物の形成が可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタを用いたフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。また、上述した範囲内で異なる孔径のフィルタを組み合わせて、第1のフィルタを複数のフィルタからなるものとして、第1回目のフィルタリングとしてもよい。ここでいう孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
また、例えば、第1のフィルタでのフィルタリングは、顔料分散物のみにたいして行い、該顔料分散物に他の成分を混合して着色組成物とした後に、第2のフィルタリングを行ってもよい。
本発明の着色組成物は、固体撮像素子用のカラーフィルタ、画像表示装置用のカラーフィルタ、印刷用インク、インクジェット用インク等の各種の用途に適用することができる。
特に、本発明の着色組成物を硬化させて得られた着色硬化膜は、色純度が高く、薄層で高い吸光係数が得られ、堅牢性(特に耐熱性及び耐光性)に優れたものであることから、画像表示装置用のカラーフィルタ、及び、固体撮像素子用のカラーフィルタにおける着色画素の形成に有用である。また、該着色硬化膜を液晶表示装置に適用した場合には、電圧を印可した際において優れた電圧保持率を得ることができる。
≪カラーフィルタ及びその製造方法≫
本発明のカラーフィルタは、任意の支持体上に、本発明の着色組成物により形成された着色領域(着色硬化膜)を設けて構成されたものである。
支持体上の着色領域は、カラーフィルタの各画素をなす、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)等の着色膜で構成されている。
本発明のカラーフィルタは、特定金属錯体化合物を含有して硬化されたパターン状の着色領域(着色硬化膜)を形成できる方法であれば、いずれの方法で形成されてもよい。本発明のカラーフィルタは、好ましくは本発明のカラーフィルタの製造方法を用いて作製される。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、支持体上に本発明の着色組成物を付与し、着色層(着色組成物層)を形成する工程(以下、工程(A)とも称する。)と、形成された着色組成物層を(好ましくはマスクを介して)パターン状に露光し、現像してパターン状の着色領域(着色硬化膜)を形成する工程(以下、工程(B)とも称する。)とを有する。
これらの工程を複数回経ることで、各色(3色或いは4色)の画素からなる着色パターンが形成され、カラーフィルタを得ることができる。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法では、特に、工程(B)で形成されたパターン状の着色領域に対して紫外線を照射する工程(以下、工程(C)とも称する。)を設けてもよく、また、パターン状に形成された着色領域に対して加熱処理を行なう工程(以下、工程(D)とも称する。)を更に設けた態様が好ましい。
このような方法により、液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質で、かつ低コストに作製することができる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について、より具体的に説明する。
−工程(A)−
本発明のカラーフィルタの製造方法では、まず、支持体上に直接又は他の層を介して、既述の本発明の着色組成物を所望の方法により付与して、着色組成物からなる塗布膜(着色組成物層)を形成し、その後、必要に応じて、予備硬化(プリベーク)を行ない、該着色組成物層を乾燥させる。
支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコーン基板や、プラスチック基板等が挙げられる。また、これらの支持体上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層が設けられたりしていてもよい。また、支持体上には必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
また、プラスチック基板は、その表面に、ガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
このほか、支持体として、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)を用い、この駆動用基板上にも、本発明の着色組成物を用いてなる着色パターンを形成し、カラーフィルタを作製することができる。
TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面に、窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板を用いることができる。
本発明の着色組成物を支持体上に付与する方法としては、回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布、インクジェット等の塗布方法が挙げられる。
工程(A)において、本発明の着色組成物を支持体上に付与する方法としては、特に限定されるものではないが、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法等のスリットノズルを用いる方法(以下、スリットノズル塗布法という)が好ましい。
スリットノズル塗布法において、スリット・アンド・スピン塗布法とスピンレス塗布法は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えば、スピンレス塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色組成物の吐出量は、通常、500マイクロリットル/秒〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800マイクロリットル/秒〜1500マイクロリットル/秒であり、また、塗工速度は、通常、50mm/秒〜300mm/秒、好ましくは100mm/秒〜200mm/秒である。
また、工程(A)で用いられる着色組成物の固形分としては、通常、10質量%〜20質量%、好ましくは13質量%〜18質量%である。
工程(A)において、通常は、着色組成物層の形成後にプリベーク処理を施すことが好ましい。必要によっては、プリベーク前に真空処理を施すこともできる。真空乾燥の条件は、真空度が、通常、13.33Pa(0.1torr)〜133.32Pa(1.0torr)、好ましくは26.66Pa(0.2torr)〜66.66Pa(0.5torr)程度である。
また、プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50℃〜140℃の温度範囲で、好ましくは70℃〜110℃程度であり、10秒〜300秒の条件にて行うことができる。なお、プリベーク処理には、高周波処理などを併用してもよい。高周波処理は単独でも使用可能である。
プリベークの条件としては、ホットプレートやオーブンを用いて、70℃〜130℃で、0.5分間〜15分間程度加熱する条件が挙げられる。
また、着色組成物により形成される着色組成物層の厚みは、目的に応じて適宜選択される。液晶表示装置用カラーフィルタにおいては、0.2μm〜5.0μmの範囲が好ましく、1.0μm〜4.0μmの範囲が更に好ましく、1.5μm〜3.5μmの範囲が最も好ましい。また、固体撮像素子用カラーフィルタにおいては、0.2μm〜5.0μmの範囲が好ましく、0.3μm〜2.5μmの範囲が更に好ましく、0.3μm〜1.5μmの範囲が最も好ましい。
なお、着色組成物層の厚みは、プリベーク後の膜厚である。
−工程(B)−
続いて、本発明のカラーフィルタの製造方法では、支持体上に前述のようにして形成された着色組成物からなる塗布膜(着色組成物層)に対し、例えばフォトマスクを介して露光が行なわれる。露光に適用し得る光もしくは放射線としては、g線、h線、i線、j線、KrF光、ArF光が好ましく、特にi線が好ましい。照射光にi線を用いる場合、100mJ/cm〜10000mJ/cmの露光量で照射することが好ましい。
また、その他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視及び紫外の各種レーザー光源、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
〜レーザー光源を用いた露光工程〜
レーザー光源を用いた露光方式では、光源として紫外光レーザーを用いることが好ましい。
照射光は、波長が300nm〜380nmの範囲である波長の範囲の紫外光レーザーが好ましく、さらに好ましくは300nm〜360nmの範囲の波長である紫外光レーザーがレジストの感光波長に合致しているという点で好ましい。具体的には、特に出力が大きく、比較的安価な固体レーザーのNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)や、エキシマレーザーのXeCl(308nm)、XeF(353nm)を好適に用いることができる。
被露光物(パターン)の露光量としては、1mJ/cm〜100mJ/cmの範囲であり、1mJ/cm〜50mJ/cmの範囲がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto(ブイテクノロジー株式会社製)やEGIS(ブイテクノロジー株式会社製)やDF2200G(大日本スクリーン(株)製)などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する際には、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機により、主として、h線、i線を使用した露光が好ましく用いられる。また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、ステッパー露光機にて、主として、i線を使用することが好ましい。なお、TFT方式液晶駆動用基板を用いてカラーフィルタを製造する際には、用いられるフォトマスクは、画素(着色パターン)を形成するためのパターンの他、スルーホール或いはコの字型の窪みを形成するためのパターンが設けられているものが使用される。
上記のようにして露光された着色組成物層は加熱することができる。
また、露光は、着色組成物層中の色材の酸化褪色を抑制するために、チャンバー内に窒素ガスを流しながら行なうことができる。
続いて、露光後の着色組成物層に対して、現像液にて現像が行なわれる。これにより、ネガ型を形成することができる。現像工程では、露光後の塗布膜の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化部のみを支持体上に残存させる。
現像液は、未硬化部における着色組成物の塗布膜(着色組成物層)を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。例えば、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性水溶液を用いることができる。
現像に用いられる有機溶剤としては、本発明の着色組成物を調製する際に使用できる既述の有機溶剤が挙げられる。
前記アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-[5,4,0]-7-ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。現像液がアルカリ性水溶液である場合、アルカリ濃度は、好ましくはpH11〜13、更に好ましくはpH11.5〜12.5となるように調整するのがよい。
アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像温度としては、通常は20℃〜30℃であり、現像時間としては20秒〜90秒である。
現像は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像ムラを防ぐこともできる。また、基板を傾斜させて現像することもできる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する場合にはパドル現像も用いられる。
現像処理後は、余剰の現像液を洗浄除去するリンス処理を経て、乾燥を施した後、硬化を完全なものとするために、加熱処理(ポストベーク)が施される。
リンス工処理は、通常は純水で行なうが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄初期は使用済の純水を使用したり、また、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりする方法を用いてもよい。
リンス処理後、水切り、乾燥をした後には通常、約200℃〜250℃の加熱処理を行なわれる。この加熱処理(ポストベーク)は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行なうことができる。
以上の各工程を、所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行うことにより、複数色の着色された硬化膜(着色パターン)が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
−工程(C)−
本発明のカラーフィルタの製造方法では、特に、着色組成物を用いて形成されたパターン状の着色領域(着色画素)に対して、紫外線照射による後露光を行なうこともできる。
−工程(D)−
パターン状に形成された着色領域に対して、さらに加熱処理を行なうことが好ましい。形成された着色領域を加熱処理(いわゆるポストベーク処理)することにより、着色領域を更に硬化させることができる。この加熱処理は、例えば、ホットプレート、各種ヒーター、オーブンなどにより行なうことができる。
加熱処理の際の温度としては、100℃〜300℃であることが好ましく、更に好ましくは、150℃〜250℃である。また、加熱時間は、10分〜120分程度が好ましい。
このようにして得られたパターン状の着色領域は、カラーフィルタにおける画素を構成する。複数の色相の画素を有するカラーフィルタの作製においては、上記の工程(A)、工程(B)、及び必要に応じて工程(C)や工程(D)を所望の色数に合わせて繰り返せばよい。
なお、単色の着色組成物層の形成、露光、現像が終了する毎に(1色毎に)、前記工程(C)及び/又は工程(D)を行なってもよいし、所望の色数の全ての着色組成物層の形成、露光、現像が終了した後に、一括して前記工程(C)及び/又は工程(D)を行なってもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)は、本発明の着色組成物を用いていることから、画像表示したときの彩色が鮮やかでコントラストが高く、堅牢性(特に耐熱性及び耐光性)、電圧保持率に優れる。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置や固体撮像素子に用いることが可能であり、特に液晶表示装置の用途に好適である。液晶表示装置に用いた場合、特定金属錯体化合物を着色剤として用い、良好な色相を達成しながら、分光特性及びコントラストに優れた画像の表示が可能となり、更には、電圧保持率にも優れたものとなる。
≪画像表示装置≫
本発明の画像表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを備える。
画像表示装置としては、液晶表示装置、有機EL表示装置などが挙げられ、本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置に特に好適に用いられる。
本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合、分光特性及び耐光性に優れた金属錯体化合物を着色剤として含有しながらも、電圧を印可した際における電圧保持率が低下することなく、また、比抵抗の低下に伴う液晶分子の配向不良が少なく、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れる。
このため、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明におけるカラーフィルタは、カラーTFT方式の液晶表示装置に用いてもよい。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。
また、本発明におけるカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、前述のような通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率及び剥離液耐性が必要とされることがある。本発明のカラーフィルタにおいては、色相に優れた特定金属錯体化合物を用いることから、色純度、光透過性などが良好で着色パターン(画素)の色合いに優れるので、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
本発明におけるカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、本発明におけるカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなど様々な部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については、例えば、「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シー
エムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ペ
ージ(八木隆明)などに記載されている。
本発明におけるカラーフィルタを液晶表示装置に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に、赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
≪固体撮像素子≫
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明のカラーフィルタを備える。
本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明のカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明のカラーフィルタを有する構成である。
更に、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ。)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。但し、実施例11、12及び21は参考例である。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[特定金属錯体化合物の合成]
−例示化合物Q−4の合成−
下記反応スキームAに従って、特定金属錯体化合物の具体例として前掲した例示化合物Q−4を合成した。
−中間体1の合成−
3−ヒドロキシアセトフェノン68.1g(0.5mol)、1−ブロモブタン75.4g(0.55mol)、炭酸カリウム82.9g(0.6mol)、ヨウ化カリウム8.3g(0.05mol)にNメチルピロリドン200mlを加え、120℃で5時間加熱攪拌した。反応終了後、水、酢酸エチルを加えて抽出し、酢酸エチル層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行うことで、中間体1を87.6g(収率91%)得た。
−中間体2の合成−
中間体1 38.5g(0.2mol)に酢酸エチル240mlを加えて溶解させた後、ピリジニウムトリブロミド70.4g(0.22mol)を添加し、室温で5時間攪拌した。反応終了後、水を加えて抽出し、酢酸エチル層を濃縮することで、中間体2を54.2g(収率100%)得た。
−中間体3の合成−
フタルイミドカリウム 44.5g(0.24mol)にN−メチルピロリドン65mlを加え、室温で攪拌を行い、それに対して中間体2 54.23g(0.2mol)をゆっくりと滴下したのち、室温で5時間攪拌した。反応終了後、反応液を250mlの水中に攪拌しながら注ぎ、結晶を析出させた。この結晶をろ過して、水洗い、メタノール洗い、アセトニトリル洗いを行うことで、中間体3を61.6g(収率91%)得た。
−中間体4の合成−
シアノ酢酸46.8g(0.55mol)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキサノール113g(0.5mol)にトルエン320mlを加え、室温で攪拌を行い、それに対して、ピリジン43.5g(0.55mol)を滴下した。続いて、無水酢酸112.3g(1.1mol)を滴下し、60℃で15時間加熱攪拌した。反応終了後、反応液を、95gの炭酸水素ナトリウム、750mlの水からなる水溶液中に攪拌しながらゆっくりと注いだ。続いて、250mlの酢酸エチルを加えて抽出し、この酢酸エチル層を濃縮した後、残留物に400mlのメタノールを加え、60℃で加熱溶解させた後、0℃まで冷却して結晶を析出させた。この結晶をろ過し、水洗い、メタノール洗いを行うことで、中間体4を135g(収率92%)得た。
−中間体5の合成−
中間体3 14.7g(0.05mol)、中間体4 16.9g(0.05mol)、20%水酸化ナトリウム水溶液20g、ブタノール30mlを加え、120℃で3時間加熱攪拌した。反応終了後、水を30ml加え、0℃に冷却して結晶を析出させた。この結晶をろ過し、水洗い、メタノール洗いを行うことで、中間体5を17.1g(収率71%)得た。
−中間体6の合成−
中間体5 7.2g(0.015mol)、オルトギ酸トリエチル 1.3g(0.009mol)にトルエン12mlを加え、50℃で攪拌した。この反応液に対し。メタンスルホン酸0.72g(0.0075mol)を滴下して加え、120℃で24時間加熱攪拌した。反応終了後、水とトルエンを加え抽出し、トルエン層を濃縮することで、中間体6を7.7g(収率95%)得た。
−中間体7の合成−
2,4−ジメチル安息香酸3.6g(24mmol)にトルエン8ml、ジメチルホルムアミド0.18g(2.4mmol)を加え、室温で攪拌した。この溶液に対して塩化チオニル2.9g(24mmol)を滴下し、50℃で1時間攪拌することで反応液Aを得た。続いて、25%水酸化ナトリウム水溶液25.9g(0.16mol)中に、トルエン15ml及び中間体6を6.4g(6mmol)加え、10℃で攪拌した。この溶液に対して、先に調製した反応液Aを滴下しながら加え、室温7時間攪拌した。反応終了後、水層を除いた後、反応液を5%の水酸化ナトリウム水溶液50mlで3回洗浄し、続いて15%の酢酸水溶液50gで1回洗浄した。続いて、酢酸エチル層を濃縮し、残留物にメタノールを100ml加え、0℃まで冷却して結晶を析出させた。この結晶をろ過し、メタノール洗い、アセトニトリル洗いを行うことで、中間体7を5.1g(収率68%)得た。
−例示化合物Q−4の合成−
テトラヒドロフラン10mlに中間体7を4.3g(3.5mmol)加え、室温下で攪拌し、続いて酢酸亜鉛2水和物を0.92g(4.2mmol)加え、2時間攪拌した。続いて、その液中にメタノール40mlを加え、さらに0℃で2時間攪拌し結晶を析出させた。この結晶をろ過し、メタノールで洗いをおこなうことで、例示化合物Q−4を3.9g(収率82%)得た。
なお、H−NMR(CDCl)の詳細は、δ:11.58(s、2H)、7.65(d、2H)、7.28〜7.12(m、6H)、6.80〜6.63(m、6H)、6.41(s、1H)、5.86(s、2H)、3.90〜3.86(m、4H)、2.69(s、6H)、2.38(s、6H)、1.97(s、3H)、1.76〜1.74(m、4H)、1.51〜1.49(m、4H)、1.25〜1.15(m、6H)、1.01〜0.97(m、10H)、0.83(s、18H)、0.77(s、18H)、0.66(d、6H)、0.55〜0.43(m、2H)、0.32〜0.20(m、2H)であった。
また、得られた化合物について、クロロホルム溶液中のモル吸光係数(ε)を分光光度計UV−1800PC((株)島津製作所製)を用いて測定し、さらに最大吸収波長(λmax)での吸光度(Abs)を1.0に規格化して450nmの吸光度を評価した。
例示化合物Q−4の最大吸収波長λmaxは563nmであり、モル吸光係数(ε)は129000であった。なお、最大吸収波長λmax、及びモル吸光係数(ε)の結果は、下記表1に示す。
[他の特定金属錯体化合物の合成]
例示化合物Q−4の合成における反応スキームAと類似の方法により、下記表1に示す各例示化合物(特定金属錯体化合物)を合成するとともに、例示化合物Q−4と同様の方法で構造の同定、並びに最大吸収波長λmax及びモル吸光係数(ε)の測定を行なった。
測定結果は、例示化合物Q−4の結果とともに下記表1に示す。
なお、溶解性の評価は下記の方法で行った。
−溶剤溶解性の評価−
得られた例示化合物について、以下に示す溶剤溶解性の評価を行なった。評価方法及び判定基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
<評価方法及び判定基準>
評価対象の化合物を、3質量%の濃度となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に溶解させたサンプル溶液を、室温で30分間攪拌した。攪拌後のサンプル溶液中における不溶物の有無を目視で観察し、不溶物が観察されなかった場合を「A」判定とした。
3質量%濃度のサンプル溶液に不溶物が観察された場合、0.5質量%濃度のサンプル溶液を、3質量%の濃度のサンプル溶液と同様にして調製し、溶液中における不溶物の有無を目視で観察した。不溶物が観察されなかった場合を「B」判定とし、不溶物が観察された場合を「C」判定とした。
表1に示される結果より、本発明の特定金属錯体化合物は、モル吸光係数(ε)が高く、且つ、450nmの吸光度が低く、色分離に優れ、また溶剤溶解性に優れており、カラーフィルタに適した化合物であることが分かった。
[着色組成物及びカラーフィルタの調製]
上記にて合成した各特定金属錯体化合物を用いて各着色組成物を調製し、各着色組成物を用いてカラーフィルタを得た。
まず、各着色組成物の調製に用いる各成分を以下に示す。
(S−1)C.I.ピグメント・ブルー15:6を12.8部とアクリル系顔料分散剤 7.2部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80.0部と混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させて得られた顔料分散液
(T−1)重合性化合物:カヤラドDPHA(日本化薬(株)製)
(U−1)アルカリ可溶性バインダー:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(75/25[質量比]共重合体、重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40.0%)
(V−1)光重合開始剤:2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン
(V−2)光重合開始剤:2−(アセトキシイミノ)−4−(4−クロロフェニルチオ)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−ブタノン
(W−1)光重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(X−1)有機溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(X−2)有機溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル
(Y−1)界面活性剤:メガファックF781−F(DIC(株)製)
〔実施例1〕
−B1.着色組成物(塗布液)の調製−
下記組成1に記載の各成分を混合して、着色組成物1を調製した。
<組成1>
・特定金属錯体化合物:例示化合物Q−1 ・・・・・6.9部
(ジピロメテン系金属錯体化合物)
・顔料分散液:(S−1) ・・・・43.0部
・重合性化合物:(T−1) ・・・103.4部
・アルカリ可溶性バインダー:(U−1) ・・・212.2部
(固形分換算値:84.9部)
・光重合開始剤:(V−1) ・・・・21.2部
・増感剤:(W−1) ・・・・・3.5部
・有機溶剤:(X−1) ・・・・71.9部
・有機溶剤:(X−2) ・・・・・3.6部
・界面活性剤:(Y−1) ・・・・0.06部
−B2.着色組成物によるカラーフィルタの作製及び評価−
前記B1.で得られた着色組成物1を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるx値が0.150となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、解像度評価用の10μm〜100μmのマスク孔幅を有するフォトマスクを介して高圧水銀灯により200mJ/cmにて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ用のパターン状の着色膜を形成し、カラーフィルタ1を作製した。
−評価−
上記で得られたカラーフィルタ1について下記の評価を行なった。評価結果は、下記表2に示す。
<1.耐熱性>
カラーフィルタ1に対し、耐熱テストとして、ホットプレートにより240℃で20分加熱した後、色度計MCPD−1000(大塚電子製)にて、耐熱テスト前後の色差のΔEab値を測定して、下記基準に従って評価した。ΔEab値の小さい方が、耐熱性が良好であることを示す。
(判定基準)
5:ΔEab値<3
4:3≦ΔEab値<5
3:5≦ΔEab値<10
2:10≦ΔEab値<20
1:20≦ΔEab値
<2.耐光性>
カラーフィルタ1に対し、耐光テストとして、キセノンランプを5万luxで20時間照射(100万lux・h相当)した後、耐光テスト前後の色差のΔEab値を測定した。ΔEab値の小さい方が、耐光性が良好であることを示す。
(判定基準)
5:ΔEab値<3
4:3≦ΔEab値<5
3:5≦ΔEab値<10
2:10≦ΔEab値<20
1:20≦ΔEab値
<3.輝度>
カラーフィルタ1の輝度を、オリンパス(株)製の顕微分光測定装置OSP−SP200を用いて測定し、輝度(Y値)により評価した。Y値が高いほど、液晶画像表示装置用カラーフィルタとして良好な性能を示す。
<4.保存安定性>
着色組成物(液)を5℃で、2〜4週間静置し、上記B2と同様の手法で着色膜を作製した。着色膜の面状を目視で観察し、下記のように評価した。
(判定基準)
A:4週間静置した着色組成物を用いても、着色膜上に粒状物が認められない。
B:2週間静置したものでは粒状物は認められないが、4週間静置した着色組成物を用いた着色膜には粒状物が少し認められる。
C:2週間静置した着色組成物でも、着色膜上に粒状物が認められる。
保存安定性が低い着色組成物は、静置保存では経時で顔料もしくは染料が析出し、粒状物の原因となると推定される。
<5.現像性>
ガラス(EAGLE XG;コーニング社製)上に、上記で調製した着色組成物を着色膜の膜厚は2.5μm(乾燥後)になるようにスピンコート法で塗布し、揮発成分を乾燥させた後、100℃で80秒間加熱することにより、着色膜を形成した。
上記で得られた着色膜を冷却後、パターニングされたフォトマスクを介して、i線(波長365nm)を照射し、硬化させた。i線の光源には超高圧水銀ランプを用い、このとき、照射光量を40mJ/cmとした。次いで25℃下、0.05%KOH水溶液で現像処理を行い、パターンが見え始める秒数を記録した。パターンが見え始める秒数が20秒以内である場合、優れた現像性を有していると判断される。
(判定基準)
A:20秒以内にパターンが見え始める
B:20秒を超え30秒以内にパターンが見え始める
C:30秒を経過してもパターンが見えない。
〔実施例2〜22〕
実施例1において、着色組成物1の調製に用いた例示化合物Q−1を、表2に示す各化合物(いずれも特定金属錯体化合物の例示化合物として前掲した化合物)にそれぞれ置き換え、色度が合うように例示化合物と顔料分散液(S−1)との比率を調節して着色組成物を調製した。着色組成物2〜22を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ2〜22を作製した。
着色組成物2〜22、及びカラーフィルタ2〜22を用いて実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例23〕
下記組成2に記載の各成分を混合して着色組成物23を調製し、着色組成物1に代えて着色組成物23を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ23を得た。
<組成2>
・特定金属錯体化合物:例示化合物Q−4 ・・・・・6.9部
・顔料分散液:(S−1) ・・・・43.0部
・重合性化合物:(T−1) ・・・103.4部
・アルカリ可溶性バインダー:(U−1) ・・・212.2部
(固形分換算値:84.9部)
・光重合開始剤:(V−2) ・・・・21.2部
・増感剤:(W−1) ・・・・・3.5部
・有機溶剤:(X−1) ・・・・71.9部
・有機溶剤:(X−2) ・・・・・3.6部
・界面活性剤:(Y−1) ・・・・0.06部
〔実施例24〜26〕
着色組成物23の調製に用いた例示化合物Q−4を、表2に示す各化合物(いずれも特定金属錯体化合物の例示化合物として前掲した化合物)にそれぞれ置き換え、色度が合うように例示化合物と顔料分散液(S−1)との比率を調節して着色組成物24〜26を調製したこと以外は、実施例23と同様にして、カラーフィルタ24〜26を得た。
着色組成物24〜26、及びカラーフィルタ24〜26を用いて実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例27)
下記組成3に記載の各成分を混合して着色組成物27を調製し、着色組成物1に代えて着色組成物27を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ27を得た。
着色組成物27、及びカラーフィルタ27を用いて実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
<組成3>
・特定金属錯体化合物:例示化合物Q−4 ・・・・・4.7部
・顔料分散液:(S−1) ・・・・42.1部
・下記化合物(5) ・・・・・2.3部
・重合性化合物:(T−1) ・・・103.4部
・アルカリ可溶性バインダー:(U−1) ・・・212.2部
(固形分換算値:84.9部)
・光重合開始剤(V−2) ・・・・21.2部
・増感剤:(W−1) ・・・・・3.5部
・有機溶剤:(X−1) ・・・・71.9部
・有機溶剤:(X−2) ・・・・・3.6部
・界面活性剤:(Y−1) ・・・・0.06部
〔実施例28〕
実施例27の着色組成物27の調製において、例示化合物Q−4を例示化合物Q−10に代えて、着色組成物28を調製したこと以外は、実施例27と同様にして、カラーフィルタ28を得た。
着色組成物28、及びカラーフィルタ28を用いて実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
〔比較例1〜7〕
実施例1の着色組成物1の調製において、例示化合物Q−1を表2に示す各比較化合物にそれぞれ置き換え、色度が合うように比較化合物と顔料分散液(S−1)との比率を変更して、比較着色組成物C1〜C5を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタC1〜C5を得た。
着色組成物C1〜C5、及びカラーフィルタC1〜C5を用いて実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
なお、表2に示される比較化合物1、2、3の詳細は、以下の通りである。
また、例示化合物Q−1等の特定金属錯体化合物と同様にして、溶剤溶解性を評価したところ、比較化合物1〜3の溶剤溶解性は、いずれも「C」判定であった。
〔比較例6〕
実施例23の着色組成物23の調製において、例示化合物Q−4をC.I.Acid Violet 17に変更して、着色組成物C6を調製したこと以外は、実施例23と同様にして、カラーフィルタC6を得た。
着色組成物C6、及びカラーフィルタC6を用いて実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
〔比較例7〕
実施例27の着色組成物27の調製において、例示化合物Q−4をC.I.Acid Violet 49に変更して、着色組成物C7を調製したこと以外は、実施例27と同様にして、カラーフィルタC7を得た。
着色組成物C7、及びカラーフィルタC7を用いて実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
表2に示すように、本発明における特定金属錯体化合物を用いた各実施例のカラーフィルタは、従来公知の化合物を用いた比較例1〜2、6〜7のカラーフィルタと比較して、耐光性に優れ、非常に高い輝度(Y値)を有し色純度が高く、且つ保存安定性、及び現像性に優れていた。さらに、本発明における特定金属錯体化合物を用いた各実施例は、従来公知のジピロメテン系金属錯体化合物を用いた比較例3、4、5と比較して、保存安定性及び現像性に優れていることが明らかとなった。
以上の結果より、本発明における特定金属錯体化合物を含む着色組成物を用いて作製したカラーフィルタは、耐熱性及び耐光性に優れ、良好な色相を持ち、かつ、得られた着色層は粒状物がなく面状が良好で、また、現像性に優れた性能を兼ね備えたものであることから、本発明における特定金属錯体化合物は、汎用性の高い染料といえる。

Claims (10)

  1. 下記一般式()で表される化合物及びその互変異性体から選択される少なくとも1種を含む着色組成物。

    〔一般式()中、R 及びR は、各々独立に、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、イミド基、又はカルバモイルスルホニル基を表す。 及びR 10 は、各々独立に、アルコキシ基で置換されていてもよいアルキル基、又は、アリール基を表す。MaはFe、Zn、Cu、Co又はV=Oを表し、Xは水酸基、ハロゲン原子、水酸基で置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、イミド基又はスルホン酸基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。〕
  2. 記一般式(2)で表される化合物及びその互変異性体から選択される少なくとも1種を含む着色組成物。

    〔一般式(2)中、R 及びR は、各々独立に、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。 及びR 10 は、各々独立に、アルコキシ基で置換されていてもよいアルキル基、又は、アリール基を表す。MaはFe、Zn、Cu、Co又はV=Oを表し、Xは水酸基、ハロゲン原子、水酸基で置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、イミド基又はスルホン酸基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、又は、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表す。〕
  3. さらに、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む請求項1または請求項2に記載の着色組成物。
  4. さらに、顔料及びアントラキノン化合物から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の着色組成物。
  5. 前記アントラキノン化合物が、下記一般式(II)で表される化合物である請求項に記載の着色組成物。

    〔一般式(II)中、R11a及びR12aは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。但し、R11aとR12aとが同時に水素原子を表すことはない。n11は1〜4の整数を表す。〕
  6. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタ。
  7. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の着色組成物を支持体上に付与し、着色層を形成する工程と、形成された前記着色層をパターン状に露光し、現像して着色領域を形成する工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
  8. 請求項に記載のカラーフィルタを備えた画像表示装置。
  9. 請求項に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
  10. 下記一般式(2)で表される化合物及びその互変異性体。

    〔一般式(2)中、R 及びR は、各々独立に、シアノ基、又は、アルキル基で置換されていてもよいシクロアルキルオキシカルボニル基を表す。 及びR 10 は、各々独立に、アルコキシ基で置換されていてもよいアルキル基、又は、フェニル基を表す。MaはZnを表し、Xはハロゲン原子、水酸基で置換されていてもよいアルキルカルボニルオキシ基、又は、フタル酸イミド基を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基、又は、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を表す。〕
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