JP2010237384A - カラーフィルタ、その製造方法、有機elディスプレイ及び液晶ディスプレイ - Google Patents

カラーフィルタ、その製造方法、有機elディスプレイ及び液晶ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体を備えた有機ELディスプレイの長寿命化を実現できる、透過率が高く色純度に優れた表示を可能にするカラーフィルタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】透明基材1と、透明基材1上に所定のパターンで設けられた赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3Bとを有し、各着色層の開口部表面12の断面視形状について、その断面視形状が左右対称な開口部表面12Aを有する着色層が、赤色着色層3R及び緑色着色層3Gの一方であり、その断面視形状が一定方向に傾斜する開口部表面12Bを有するものであって該傾斜の高い部分が前記左右対称な着色層に隣接する着色層が、赤色着色層3R及び緑色着色層3Gの他方であり、その断面視形状が前記一定方向に傾斜する着色層の傾斜角度よりも小さい角度で傾斜している着色層が、青色着色層3Bであるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルタ、その製造方法、有機ELディスプレイ及び液晶ディスプレイに関する。
近年、次世代型のディスプレイとして、エレクトロルミネッセンス(以下EL)素子で構成されたELディスプレイが期待されている。EL素子には無機EL素子と有機EL素子とがあり、いずれのEL素子も自己発光性であるために視認性が高く、また完全固体素子であるために耐衝撃性に優れるとともに取り扱いが容易であるという利点がある。このため、グラフィックディスプレイの画素やテレビ画像表示装置の画素、あるいは面光源等としての研究開発及び実用化が進められている。
有機EL素子は、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層とトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層、又は、発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層、又は、正孔注入層と発光層と電子注入層、のいずれかの積層形態を2つの電極(発光面側の電極は透明電極になる。)間に介在させてなる構造体である。こうした有機EL素子は、発光層に注入された電子と正孔とが再結合するときに生じる発光を利用するものである。このため、有機EL素子は、発光層の厚さを薄くすることにより、例えば4.5Vという低電圧での駆動が可能で応答も速いといった利点や、輝度が注入電流に比例するために高輝度のEL素子を得ることができるといった利点等を有している。また、発光層とする蛍光性の有機固体の種類を変えることにより、青、緑、黄、赤の可視域すべての色で発光が得られている。有機EL素子は、このような利点、特に低電圧での駆動が可能であるという利点を有していることから、現在、実用化のための研究が進められている。そして、携帯電話の表示部分等、製作上での難易度が比較的低い小型のディスプレイでは、一部実用化がなされている。
有機EL素子におけるカラー表示の方式としては、(1)青色、赤色、緑色等の各色の発光材料を成膜する3色塗り分け方式、(2)青色発光する発光層と、青→緑及び青→赤にそれぞれ色変換する色変換層(CCM層)とを組合せて3色を発色させるCCM方式、(3)白色発光する発光層と、青色、赤色、緑色等のカラーフィルタとを組み合わせる方式、等が挙げられる。このうち、発光効率の点からは、(1)の3色塗り分け方式が最も有力であり、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等に実用化されている。
これらの有機EL素子においては、電極が金属系材料からなることから、周囲が明るい環境での使用を想定した場合、外光反射により表示コントラストが著しく低下するといった問題があった。そのため、A.有機EL素子のマンサイド側に円偏光板を貼付する、B.カラーフィルタを適用する、C.無彩色もしくは無彩色に近い色目で着色する(所謂ティント処理を施す)、といった種々の対策がとられている。ここで、Aの円偏光板を貼付する場合は、原理的に外光反射が完全に(外光の入射角度にもよるが)抑えられるものの、有機EL素子からの発光もその半分以上が円偏光板により吸収され、必ずしも効率が良いとは言えないものであった。一方、Bのカラーフィルタを適用した場合は、円偏光板を用いた場合に比較して外光反射の抑止効果が劣るものの、有機EL素子からの発光色の色目調整が可能となるといった優れた効果を発揮する。有機EL素子の発光自体による色純度向上には限界があることから、こうした色目調整機能は非常に有効と言える。特に3色塗りわけ方式の有機EL素子とカラーフィルタとの組み合わせは、発光効率、色純度、外光反射防止のバランスの点から最も優れており、実際に商品化もされている。
現在、有機EL素子においては、長寿命化が大きな課題となっている。有機EL素子では、有機物である発光体に電流を流して発光させ、さらにその電流値を高めることにより高輝度化が可能となる。そのため、高輝度で発光させようとした場合や輝度を一定に保つ必要が生じた場合のように、電流値を高くしなければならない事態が生じた場合には、発光体自身の劣化が避けられず、素子の寿命が縮まることになる。したがって、光が発光体から出射された後は、周辺部材による光吸収をなるべく低く抑えることが電流値を抑制し、ひいては長寿命化につながる。このことからも、有機EL素子から発光した光の多くを吸収する円偏光板を用いるものよりも、上記の3色塗り分け方式の有機EL素子とカラーフィルタとを組み合わせるものの方が好ましい。
3色塗り分け方式の有機EL素子とカラーフィルタとを組み合わせた有機ELディスプレイにおいて、有機EL素子を構成する青色発光体は、緑色発光体や赤色発光体に比較して寿命が短く、その青色発光体の寿命がディプレイ全体の寿命を左右している。そのため、特に青色での発光を減衰しないようなパネルを構成することは、有機ELディスプレイ自体の長寿命化に直接つながる。
こうしたパネル構成の観点から、特に3色塗りわけ方式の有機EL素子とカラーフィルタとの組み合わせを見た場合、上記した青色光を可能な限り減衰しないようにしたカラーフィルタを用いることができれば、緑色発光体や赤色発光体に比べて寿命が短いとされる青色発光体の使用可能期間を長くすることができ、長寿命化を実現できる。そのため、青色発光体に対応したカラーフィルタの青色着色層の透過率を高くすることが望ましいと言える。
ところで、カラーフィルタは、大きく別けて、着色層を構成する色材に染料を用いたタイプと顔料を用いたタイプの2種類がある。現在では、耐光性と耐熱性に優れる顔料分散型のカラーフィルタが一般的である。顔料自体は元々は光透過性ではないため、光透過性を付与するために分散剤の存在下で顔料粒子を100nm前後に微細化して用いられる。こうした顔料を用いた顔料分散型のカラーフィルタは、液晶ディスプレイのカラー化で広く使用されていることもあり、現在までに非常に多くの色調が開発されており、選択の自由度が確保できている。前述の市販された3色塗りわけ方式の有機EL素子でも、工業生産的な観点から、この顔料分散型のカラーフィルタが好ましく適用されている。しかしながら、青色着色層については、現在使用可能な顔料系で最も透過率に優れる顔料を適用しても、十分な透過率が確保できているとは言えないものであった。
一方、色材として染料を用いたカラーフィルタは、その染料が分子レベルでバインダーに溶解するため、顔料を用いたカラーフィルタに比べて着色層の透過率を高くすることができる。しかし、染料は、耐光性と耐熱性の点では顔料よりも信頼性が劣るといった問題があった。特に液晶ディスプレイ用途を考えると、液晶配向膜としてのポリイミド膜を230℃以上の高温で焼成する必要があるため、一般的に180℃程度で分解が始まる染料は適用することができなかった。ところが、有機ELディスプレイの製造工程においては、当然ながら高温を必要とする液晶配向膜を形成するプロセスが不要なため、カラーフィルタに対する耐熱性の要求は、時間にもよるが最高でも150℃程度に緩和される。そのため、従来の液晶ディスプレイ向けのカラーフィルタでは適用が難しかった染料系の着色材料が使用可能となっている。下記特許文献1は、CCM方式の有機ELディスプレイにおいて、カラーフィルタを構成する青色着色層の色材として、フタロシアニン系の染料を用いた例が提案されている。
特開2000−309726号公報
カラーフィルタを構成する各着色層は、色材を含有するレジスト材料を基材上に塗布した後にパターニングする工程によって形成されるが、パターニングされた後の着色層は、その後に例えば170℃〜240℃程度の温度で加熱処理(「熱キュア」ともいう。)される。こうした熱キュアは、耐熱性のよい顔料色素に対してはあまり影響を及ぼさないが、耐熱性に劣る染料色素に対しては劣化させ易く、例えば染料色素を用いたことによる青色着色層の優れた透過率を低下させてしまうという問題がある。また、染料色素をレーキ化して構成したレーキ顔料も耐熱性に劣るものとなり、劣化して透過率が低下し易い。
そのため、せっかく染料色素やレーキ顔料を用いて透過性に優れた青色着色層を形成しても、その青色着色層が、赤色着色層や緑色着色層等の他の着色層を形成する際の熱キュアの影響を受けて透過率が低下してしまえば、青色発光の輝度を一定にさせるために有機EL素子を構成する青色発光体の電流値を上げることになる。その結果、青色発光体の寿命が低下し易く、長寿命化を実現できない。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたものであって、その目的は、色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体を備えた有機ELディスプレイの長寿命化を実現できる、透過率が高く色純度に優れた表示を可能にするカラーフィルタ及びその製造方法を提供することにある。また、そのカラーフィルタを備えた有機ELディスプレイを提供することにある。
上記課題を解決する本発明のカラーフィルタは、透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた赤色着色層、緑色着色層及び染料色素又はレーキ顔料を含有する青色着色層とを有し、
各着色層の開口部表面の断面視形状について、断面視形状が左右対称な開口部表面を有する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の一方であり、断面視形状が一定方向に傾斜する開口部表面を有するものであって該傾斜の高い部分が前記左右対称な着色層に隣接する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の他方であり、断面視形状が前記一定方向に傾斜する着色層の傾斜角度よりも小さい角度で傾斜している着色層が、青色着色層である、ことを特徴とする。
この発明の構造形態は、カラーフィルタの生産時において、所定パターンからなる各着色層を、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層の順、又は、緑色着色層、赤色着色層、青色着色層の順で形成した場合、すなわち、耐熱性のよい顔料色素を含む赤色着色層と緑色着色層を予め形成し、耐熱性に劣る染料色素又はレーキ顔料を含む青色着色層の形成を最後に行った場合に好ましく得ることができる形態である。したがって、上記構造形態を備えた本発明のカラーフィルタは、青色着色層に対する熱履歴が極力抑えられており、その結果、青色着色層に含まれる染料色素又はレーキ顔料の劣化が極力抑制された状態で形成されているので、透過率に優れたカラーフィルタを提供することができる。なお、染料色素とレーキ顔料については後述する。
こうして得られたカラーフィルタを色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて有機ELディスプレイを構成すれば、有機EL発光体が備える青色発光層の電流値を高くしなくても十分な輝度が得られるので、青色発光層の寿命を延ばすことができ、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持することができる。
上記課題を解決するための本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明基材上に所定のパターンからなる赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、前記各着色層は、それぞれの着色層形成用塗布液を前記透明基材に塗布した後にパターニングして順次形成され、前記各着色層用塗布液のうち前記青色着色層を形成するための着色層用塗布液は染料色素又はレーキ顔料を含有し、該青色着色層を最後に形成することを特徴とする。
この発明によれば、各着色層はそれぞれの着色層形成用塗布液を透明基材に塗布した後にパターニングして順次形成され、各着色層用塗布液のうち、赤色着色層と前記緑色着色層を形成するための着色層用塗布液は顔料色素を含有し、青色着色層を形成するための着色層用塗布液は染料色素又はレーキ顔料を含有し、その青色着色層を最後に形成するように構成したので、耐熱性に劣る染料色素又はレーキ顔料を含む青色着色層は、熱履歴が極力抑えられている。その結果、この製造方法によれば、青色着色層に含まれる染料色素又はレーキ顔料の劣化が極力抑制された状態のカラーフィルタを得ることができるので、透過率に優れたカラーフィルタを提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の有機ELディスプレイは、透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた赤色着色層、緑色着色層及び染料色素又はレーキ顔料を含有する青色着色層とを有し、各着色層の開口部表面の断面視形状について、断面視形状が左右対称な開口部表面を有する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の一方であり、断面視形状が一定方向に傾斜する開口部表面を有するものであって該傾斜の高い部分が前記左右対称な着色層に隣接する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の他方であり、断面視形状が前記一定方向に傾斜する着色層の傾斜角度よりも小さい角度で傾斜している着色層が、青色着色層である、カラーフィルタと、
赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を有する有機EL発光体と、を貼り合わせてなり、
前記有機EL発光体が3色塗り分け方式で作製されたものであることを特徴とする。
この発明によれば、透過性のよい青色着色層を備えた上記本発明のカラーフィルタを、色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて構成したので、有機EL発光体が備える青色発光層の電流値を高くしなくても十分な輝度が得られる。その結果、青色発光層の寿命を延ばすことができるので、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持することができ、長寿命化を実現できる。
上記課題を解決するための本発明の液晶ディスプレイは、透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた赤色着色層、緑色着色層及び染料色素又はレーキ顔料を含有する青色着色層とを有し、各着色層の開口部表面の断面視形状について、断面視形状が左右対称な開口部表面を有する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の一方であり、断面視形状が一定方向に傾斜する開口部表面を有するものであって該傾斜の高い部分が前記左右対称な着色層に隣接する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の他方であり、断面視形状が前記一定方向に傾斜する着色層の傾斜角度よりも小さい角度で傾斜している着色層が、青色着色層である、カラーフィルタを有することを特徴とする。
この発明によれば、透過性がよく寿命の長い青色着色層を備えた上記本発明のカラーフィルタを有するので、液晶ディスプレイの長寿命化を実現できる。
本発明のカラーフィルタによれば、その構造形態は青色着色層が最後に形成されたものであることを示すので、青色着色層に対する熱履歴が極力抑えられ、結果として青色着色層に含まれる染料色素又はレーキ顔料の劣化が極力抑制された状態で形成されている。その結果、透過率に優れたカラーフィルタを提供することができる。
こうして得られたカラーフィルタを色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて本発明の有機ELディスプレイを構成すれば、有機EL発光体が備える青色発光層の電流値を高くしなくても十分な輝度が得られるので、青色発光層の寿命を延ばすことができ、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持することができる。その結果、有機ELディスプレイの長寿命化を実現できる。また、同様に、得られたカラーフィルタを液晶ディスプレイの構成要素として用いれば、液晶ディスプレイの安定した色調を長期間保持することができ、その結果、液晶ディスプレイの長寿命化を実現できる。
本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、耐熱性に劣る染料色素又はレーキ顔料を含む青色着色層は、熱キュアに基づく熱履歴が極力抑えられているので、青色着色層に含まれる染料色素又はレーキ顔料の劣化が極力抑制された状態のカラーフィルタを製造することができる。その結果、透過率に優れたカラーフィルタを製造することができる。
本発明のカラーフィルタの一例を示す模式的な断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明のカラーフィルタの各着色層の開口部表面の粗さプロファイルを示す模式的なグラフである。 図1に示カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の有機ELディスプレイの一例を示す模式的な断面図である。 本発明の有機ELディスプレイの他の一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明のカラーフィルタ、その製造方法、有機ELディスプレイ及び液晶ディスプレイの実施の形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定解釈されるものではない。
[カラーフィルタ及びその製造方法]
(カラーフィルタ)
図1は本発明のカラーフィルタの一例を示す模式的な断面図であり、図2は本発明のカラーフィルタの他の一例を示す模式的な断面図である。また、図3は、本発明のカラーフィルタの各着色層の開口部表面の粗さプロファイルを示す模式的なグラフである。本発明のカラーフィルタ10A,10B(総称する場合は符号10で表す。)は、図1〜図3に示すように、透明基材1と、透明基材1上に所定のパターンで設けられた赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3B(各着色層を総称する場合は符号3で表す。)とを有するカラーフィルタである。
このカラーフィルタ10では、赤色着色層3R及び緑色着色層3Gは顔料色素を含有し、青色着色層3Bは染料色素又はレーキ顔料を含有する。そして、各着色層3の開口部11の表面12(開口部表面12という。)の断面視形状は3つの態様に分けられ、その各態様は以下のように、3種の着色層それぞれを表している。すなわち、(1)断面視形状が左右対称な開口部表面12Aを有する着色層(第1着色層という。)が、赤色着色層3R及び緑色着色層3Gの一方であり、(2)断面視形状が一定方向に傾斜する開口部表面12Bを有する着色層であって、その傾斜の高い部分が前記左右対称な第1着色層に隣接する着色層(第2着色層という。)が、赤色着色層3R及び緑色着色層3Gの他方であり、(3)断面視形状が前記一定方向に傾斜する第2着色層の傾斜角度θ1よりも小さい角度θ2で傾斜している開口部表面12Cを有する着色層(第3着色層という。)が、青色着色層である、ように構成されている。
この構造形態において、「着色層の開口部」とは、図1の符号11で示される部分であり、カラーフィルタ10を平面視した場合に、各着色層3の画素を画定するブラックマトリックス層2以外の部分であって、例えば有機EL発光層又は液晶層からの光を観察者に透過させることができる部分を意味する。また、「開口部の表面」とは、着色層3の表面(透明基板1の反対側の表面)のことであり、本願では、開口部表面12A〜12Cで表すことがある。また、「表面の断面視形状」とは、着色層3の表面を断面から視た場合の形状であり、例えば後述する実施例で示す触針式の表面粗さ測定装置で測定したときの粗さプロファイルで表されたものである。
第1着色層の「断面視形状が左右対称」とは、例えば後述の実施例で示す触針式の表面粗さ測定装置で開口部表面12を測定したときの形状(粗さプロファイル)が、図3に示すように、開口部の中心で左右対称になっていることを意味する。本発明においては、開口部表面12の断面視形状が左右対称の第1着色層は、赤色着色層3R又は緑色着色層3Gである。左右対称の形態は、ブラックマトリックス層2が形成された透明基板1上に、最初に第1着色層が形成されるためである。また、この断面視形状は、図1〜図3に示すように、中央部が曲線状に凹んだ形態からなっているが、その理由は、開口部の両側にブラックマトリックス層2が存在しているためである。左右対称性は、厳密に一致していてもよいし、概ね一致するものであってもよく、第2着色層や第3着色層の断面視形状と比較すれば、いずれが第1着色層であるかは、左右対称性をみれば容易に判断できる。
第2着色層の「断面視形状が一定方向に傾斜する」とは、例えば後述の実施例で示す触針式の表面粗さ測定装置で開口部表面12を測定したときの形状(粗さプロファイル)が、図3に示すように、全体として一定方向に傾斜していることを意味する。このときの傾斜は、開口部表面12Bの全ての領域において傾斜していてもよいが、全体として傾斜していると認められるものであれば、その一部が平坦であっても凹んでいても他の方向に傾斜する部分があってもよい。なお、その一部とは、開口部表面12Bの全長のうち20%程度以下であり、したがって、全体として傾斜している部分は80%以上とする。本発明においては、開口部表面12の断面視形状が一定方向に傾斜する第2着色層は、赤色着色層3R及び緑色着色層3Gのうち、第1着色層で形成されたもの以外の着色層(赤色着色層3R又は緑色着色層3G)である。
第2着色層の「その傾斜の高い部分が前記左右対称な第1着色層に隣接する」とは、一定方向に傾斜した第2着色層の断面視形状の高い側の部分が第1着色層側、すなわち「第1着色層に隣接する側」であることを意味する。ここで「高い」とは、透明基板1の着色層形成面からの高さで比較した場合の高低である。傾斜の高い部分が第1着色層に隣接する理由は、ブラックマトリックス層2が形成された透明基板1上には既に第1着色層が形成されているため、2番目に形成される第2着色層の第1着色層に隣接する側が高くなる。なお、この第2着色層において、一定方向に傾斜している場合のその傾斜角度θ1は、少なくとも後述する第3着色層の傾斜角度θ2よりも大きければよい。具体的には例えば、図3における縦軸長さと横軸長さ(共に単位はμm)の比を1:250としたときの傾斜角度θ1で、7°以上20°以下程度である。このときの傾斜角度θ1は、「全体として傾斜している部分(例えば上記80%以上の部分)」の大凡の接線を引き、その接線と、透明基板1の着色層形成面に平行な基準線との角度で表す。
第3着色層の「断面視形状が前記一定方向に傾斜する着色層(第2着色層)の傾斜角度θ1よりも小さい角度θ2で傾斜する」とは、例えば後述の実施例で示す触針式の表面粗さ測定装置で開口部表面12を測定したときの形状(粗さプロファイル)が、図3に示すように、θ2<θ1であることを意味する。このときの傾斜も上記第2着色層の場合と同様、開口部表面12Cの全ての領域において傾斜していてもよいが、全体として傾斜していると認められるものであれば、その一部が平坦であっても凹んでいても他の方向に傾斜する部分があってもよい。なお、その一部とは、開口部表面12Cの全長のうち20%程度以下であり、したがって、全体として傾斜している部分は80%以上とする。本発明においては、開口部表面12の断面視形状が角度θ2で傾斜する第3着色層は、青色着色層3Bである。
この第3着色層では、開口部表面12Cは一定方向に傾斜し、その傾斜の高い側の部分が前記左右対称な第1着色層に隣接するように形成されている。第3着色層の傾斜は、第2着色層の開口部表面12Bが傾斜する方向とは逆の方向に高くなっている。ここでの「高い」も上記第2着色層の場合と同様、透明基板1の着色層形成面からの高さで比較した場合の高低である。傾斜の高い側の部分が第1着色層に隣接する理由は、本願出願時点での確立したメカニズムは分からないが、事実として第1着色層と第2着色層との間に最後に形成されたことに由来すると考えられる。なお、この第3着色層において、一定方向に傾斜している場合のその傾斜角度θ2は、上記第2着色層の傾斜角度θ1よりも小さい。具体的には例えば、図3における縦軸長さと横軸長さ(共に単位はμm)の比を1:250としたときの傾斜角度θ2で1°以上7°未満程度である。このときの傾斜角度θ2は、「全体として傾斜している部分(例えば上記80%以上の部分)」の大凡の接線を引き、その接線と、透明基板1の着色層形成面に平行な基準線との角度で表す。
以上説明した本発明に係るカラーフィルタ10の構造形態は、カラーフィルタ10の生産時において、所定パターンからなる各着色層3を、赤色着色層3R、緑色着色層3G、青色着色層3Bの順、又は、緑色着色層3G、赤色着色層3R、青色着色層3Bの順で形成した場合、すなわち、耐熱性のよい顔料色素を含む赤色着色層3Rと緑色着色層3Gを予め形成し、耐熱性に劣る染料色素又はレーキ顔料を含む青色着色層3Bの形成を最後に行った場合に好ましく得ることができる形態である。
青色着色層3Bを最後に形成するということは、後述の図4に示す製造方法で説明するように、耐熱性に劣る染料色素又はレーキ顔料を用いた青色着色層3Bに対して、赤色着色層3Rや緑色着色層3G等の他の着色層を形成する際の熱キュア時の熱負荷を与えないということであり、その結果、青色着色層3Bには、青色着色層自身の熱キュア時の熱負荷が加わるのみである。そのため、熱負荷を最小限に抑えることができるので、青色着色層3Bに含まれる染料色素又はレーキ顔料の劣化を極力抑制することができ、青色着色層3Bの透過率の低下を防ぐことができる。
なお、図1に示す形態のカラーフィルタ10Aは、ブラックマトリックス層2上において各着色層3が互いに重なり合って設けられている場合の例であり、図1の例で最初に形成する第1着色層(赤色着色層3R)の両側には、第2着色層と第3着色層が乗り上げるように形成され、第2着色層の第3着色層側には、第3着色層が乗り上げるように形成されている。一方、図2に示す形態のカラーフィルタ10Bは、ブラックマトリックス層2上で各着色層3が互いに重なり合わない場合の例であり、ブラックマトリックス層2上には各色が互いに重なり合うことなく、単独でブラックマトリクス層2に乗り上げる態様で形成されている。
図3に示す粗さプロファイルは、触針式の表面粗さ測定装置で測定した測定結果の模式的なプロファイルであるが、実際のものとほぼ同じである。この粗さプロファイルは、上記3つの形態の開口部表面12の断面視形状をよく表している。
本発明のカラーフィルタ10を色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体と組み合わせて有機ELディスプレイを構成すれば、有機EL発光体が備える青色発光層の電流値を高くしなくても十分な輝度が得られるので、青色発光層の寿命を延ばすことができ、有機ELディスプレイの安定した色調を長期間保持することができる。
(各構成要素)
次に、カラーフィルタの各構成要素について説明する。
透明基材1は、後述の図5及び図6からもわかるように、有機ELディスプレイ50を構成した場合には通常は光出射側に配置されるので、光透過性のよい透明基材が用いられる。例えば、ガラス、石英、又は各種の樹脂等からなる光透過性のよい材料からなる透明基材が用いられる。透明基材1の大きさや厚さ等は特に限定されるものではなく、カラーフィルタ10が組み合わされる有機EL発光体20の仕様や透明基材上に積層する各層の材質等により適宜決めることができる。
透明基材1上には、必要に応じて紫外線透過防止層(図5及び図6の符号5を参照)等を設けることが好ましい。例えば、その紫外線透過防止層は、紫外線を吸収等して紫外線を着色層3側に透過させないようにするための層であり、透明基材1の片面又は両面に必要に応じて設けられる。特に、青色着色層3Bに含まれる染料色素又はレーキ顔料の紫外線劣化を抑制することができるので好ましく設けられる。この紫外線透過防止層を設けることにより、染料色素又はレーキ顔料を含む青色着色層3Bの透過率が一定になり、色調が一定した状態に青色着色層3Bを維持することができるので、例えば図5及び図6に示す有機EL発光体20が有する発光層の輝度が時間とともに低下する場合であっても、その使用可能期間を可能な限り引き延ばすことができる。特に、発光寿命のより長寿命化が盛んに検討されている青色発光層23Bにおいては効果的である。
紫外線透過防止層としては、紫外線カットフィルムであるアートン(ノルボルネン系樹脂、JSRの登録商標)や、UVガード(富士フィルムの登録商標)、KC4UX2M(TACフィルム、コニカミノルタ社製)等を好ましく用いることができる。
ブラックマトリクス層2は、カラーフィルタ10においては通常設けられる格子状の遮光層である。このブラックマトリクス層2は、図1及び図2に示すように、所定の格子状パターンで形成され、通常、黒色顔料とバインダー樹脂と溶剤とを含有したフォトレジストや印刷用インキ、あるいはクロムなどの金属を用いて構成される。黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック等を挙げることができ、バインダー樹脂としては、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体等を挙げることができ、溶剤としては、後述の着色層のものと同様のものを用いることができる。ブラックマトリクス層2の形成方法としては、フォトリソグラフィ、各種のパターン印刷方法、各種のめっき方法等で形成することができる。
着色層3は、図1及び図2に示すように、透明基材1上の、主にブラックマトリクス層2が形成されていない開口部に、所定のパターンで設けられている。
本発明のカラーフィルタ10において、青色着色層3Bが熱履歴(熱キュア)に弱い染料色素又はレーキ顔料を含有し、青色着色層3B以外の赤色着色層3R及び緑色着色層3G等は熱履歴(熱キュア)に強い顔料色素を含有していることが好ましいが、染料色素又はレーキ顔料を含有していてもよい。ここで、青色着色層3Bが染料色素又はレーキ顔料を含有するのが好ましい理由は、このカラーフィルタと組み合わせて用いられる有機EL発光体において、発光寿命が赤色発光層や緑色発光層に比べて比較的短いとされる青色発光層の寿命を高めるため、その青色発光層に加える電流値はあまり大きくしない方がよく、そのため、熱履歴には弱いが高い透過率を示す染料色素又はレーキ顔料を用いて青色着色層3Bを形成することが好ましいからである。一方、青色着色層3B以外の着色層が顔料色素を含有するのが好ましい理由は、顔料色素は信頼性やコストメリットが確立されており、染料又はレーキ顔料に比較して透過率が劣るものの、図5に示す3色塗り分け方式の有機EL発光体のように、青色着色層3B以外の着色層に対応する赤色発光層や緑色発光層は電流値を増して発光輝度をアップしても長寿命を実現できるからである。
青色着色層3Bに含まれる青色染料としては、トリアリールメタン系染料、メチン系染料、アントラキノン系染料、アゾ系染料、トリフェニルメタン系染料等を挙げることができ、中でも、後述の実施例に示すように、トリアリールメタン系染料やメチン系染料を好ましく用いることができる。
同様にして、染料のレーキ化により構成したレーキ顔料も好適に用いることができる。ここでレーキ化とは、染料の溶液(一般には水溶液)に金属塩を加えて染料の金属塩を構成し、不溶性の微粒子を構成する手法を指す。レーキ化には、酸性染料、媒染染料、すなわちスルホン酸基、カルボン酸基、又は金属に配位しうる基を有する天然染料、アゾ染料、トリフェニルメタン染料を適用することができ、その場合の沈殿剤は金属塩が用いられる。同様にして塩基性染料も適用でき、この場合は沈殿剤としてリンタングステン、リンモリブデン、又はリンタングステンモリブデン等のヘテロポリ酸が用いられる。レーキ化により、染料の比較的に高い透過率と大きく損なうことなく、耐熱性、耐光性などの信頼性を向上させることができる。
本発明においては、トリアリールメタン系染料のレーキ顔料が好適に適用できる。一例として、Fanal Blue D6340(BASF)、Irgalite Blue TNC(チバガイギー)、Seikalight Blue C-718(大日精化)、Reflex Blue A5H-3G(BASF)、Reflex Blue A5H-3G(HOE)、Alkali Blue NB D6255D(HOE)等が挙げられる。
なお、染料色素又はレーキ顔料は、顔料色素に比べて紫外線によって透過率が低下し易い傾向がある。そのため、青色着色層3Bの透過率を維持するために、着色層形成用材料に、例えば一重項クエンチャーを配合してもよい。使用可能なクエンチャーとしては、ジアルキルホスフェート、ジアルキルカルバネート又はベンゼンジチオールあるいはその類似ジチオール等の金属錯体を好ましく挙げることができ、また、その金属錯体を構成する金属としては、ニッケル、銅又はコバルト等を挙げることができる。青色着色層3B内に一重項クエンチャーが含まれることにより、仮に活性酸素が青色着色層3Bにアタックした場合であっても、活性酸素を一重項クエンチャーが捕獲することができるので、活性酸素が染料色素又はレーキ顔料を劣化させて青色着色層3Bの透過率が低下するのを抑制することができる。なお、この一重項クエンチャーは顔料色素を用いた赤色着色層3Rと緑色着色層3Gに配合しても構わない。
同様に、青色着色層3Bの透過率を維持するために、青色着色層形成用材料に、酸化防止剤を添加してもよい。使用可能な酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(エーピーアイコーポレーション社製:ヨシノックスBHT)、4,4’−ブチリデンビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)(エーピーアイコーポレーション社製:ヨシノックスBB)、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(エーピーアイコーポレーション社製:ヨシノックス2246G)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール(エーピーアイコーポレーション社製:ヨシノックス425)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール(エーピーアイコーポレーション社製:250)、1,1,3−トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)ブタン(エーピーアイコーポレーション社製:ヨシノックス930)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(エーピーアイコーポレーション社製:トミノックスSS)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(エーピーアイコーポレーション社製:トミノックスTT)、トリエチレングリコールビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート](エーピーアイコーポレーション社製:トミノックス917)、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(エーピーアイコーポレーション社製:ヨシノックス314)等のフェノール系酸化防止剤、或いは、ジラウリルチオジプロピオネート(エーピーアイコーポレーション社製:DLTP)、ジステアリルチオジプロピオネート(エーピーアイコーポレーション社製:DSTP)、ジミリスチルチオジプロピオネート(エーピーアイコーポレーション社製:DMTP)、ジトリデシルチオジプロピオネート(エーピーアイコーポレーション社製:DTTP)等の硫黄系酸化防止剤、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(川口化学工業社製:Antage 3C)、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(川口化学工業社製:Antage 6C)、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(川口化学工業社製:Antage AW)等のアミン系酸化防止剤、或いは、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(チバジャパン社製:IRGANOX 1330)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバジャパン社製:IRGANOX 1010)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製:Sumilizer GM)、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート(住友化学社製:Sumilizer GS)、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(チバジャパン社製:IRGANOX 1098)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバジャパン社製:IRGANOX 259)、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(住友化学社製:Sumilizer GA−80)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(チバジャパン社製:IRGANOX 3114)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバジャパン社製:IRGANOX 1135)、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(住友化学社製:Sumilizer WX−R)、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン(住友化学社製:Sumilizer GP)等のヒンダートフェノール系酸化防止剤を挙げることができる。この酸化防止剤は顔料色素を用いた赤色着色層3Rと緑色着色層3Gに配合しても構わない。
ところで、カラーフィルタには全ての着色層が顔料色素で構成された顔料分散型のものと、全ての着色層が染料色素で構成された染料含有型のものがあるが、液晶ディスプレイに適用されるカラーフィルタにおいては、耐光性及び耐熱性に優れる顔料分散型のものが一般的に用いられている。その理由は、液晶ディスプレイでは、液晶配向膜としてのポリイミド膜を230℃以上の高温で焼成する必要があるため、一般的に180℃程度で分解が始まる染料を用いたカラーフィルタに液晶配向膜としてのポリイミド膜を形成する場合には使用することができないためである。しかし、本発明においては、液晶配向膜を形成する必要がなく、さらにカラーフィルタに加わる温度もせいぜい150℃程度であるので、顔料に比べて耐熱性が劣るとされる染料を用いることが可能である。しかも、染料色素は、分子レベルでバインダー樹脂に溶解できるので顔料色素に比べて透過率を高くすることができるという利点がある。こうしたことから、従来の液晶ディスプレイ向けカラーフィルタでは適用が難しかった染料系の着色材料を好ましく使用することができる。
バインダー樹脂としては、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体等を挙げることができる。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン等のケトン類、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、g−ブチロラクトン等のエステル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。単一種の溶媒を使用しただけでは、レジスト組成物の溶解性が不充分である場合や、レジストを塗布する際における塗布の相手方となる素材(基材を構成する素材)が侵される虞がある場合等には、2種以上の溶媒を混合使用することにより、これらの不都合を回避することができる。
また、必要に応じて配合される界面活性剤としては、フッソ系界面活性剤や、ノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
赤色着色層3Rを構成する顔料色素は特に限定されず、各種のものを用いることができる。例えば、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料を挙げることができる。また、緑色着色層3Gを構成する顔料色素も特に限定されず、各種のものを用いることができる。例えば、フタロシアニン系顔料を挙げることができる。一方、赤色着色層3Rと緑色着色層3Gは染料色素又はレーキ顔料を用いたものであってもよく、その場合の赤色染料色素の代表的なものとしては、アントラキノン系染料、ペリノン系染料、アゾ系染料の単体及びそれらの混合物、さらに前記赤色染料にキノリン系黄色染料、メチン系黄色染料、アゾ系黄色染料を添加した混合物を挙げることができる。また、緑色染料色素の代表的なものとしては、アントラキノン系染料が挙げられ、必要に応じて前記同様、キノリン系黄色染料、メチン系黄色染料、アゾ系黄色染料を混合したものを挙げることができる。これら赤色着色層3Rと緑色着色層3G等の着色層を構成する他の成分であるバインダー樹脂、分散剤(顔料色素の場合)、溶剤、界面活性剤、光重合開始剤等についても、上記青色着色層3Bと同様のもの、又は従来公知のものを配合することができる。
なお、赤色着色層3Rと緑色着色層3Gを構成する顔料色素は、染料色素又はレーキ顔料に比べ、例えば紫外線や活性酸素等に対して安定であり、また取り扱いも容易でコストも安いので、カラーフィルタ乃至このカラーフィルタを備えた有機ELディスプレイの製造コストの点で好ましい。
所定のパターンからなる着色層3は、各着色層に対応する染料色素又はレーキ顔料又は顔料色素とバインダー樹脂と溶剤とを含有したフォトレジストや印刷用インキを着色層用材料として用い、例えば後述する図4に例示する工程順で形成することができる。着色層3の形成方法としては、図4に示すように、着色層形成用塗布液であるレジストを全面に塗布した後、所定のマスクパターンで露光、現像するフォトリソグラフィで形成することが好ましい。
着色層上には、透明保護層(図5及び図6の符号4を参照)が設けられていることが好ましい。特にその透明保護層が活性酸素等のように、染料色素又はレーキ顔料や顔料色素(特には染料色素又はレーキ顔料)を退色させる等の悪影響を及ぼすものから保護する機能を有する場合には、少なくとも青色着色層3Bを覆うように設けられていることが好ましく、全ての着色層3を覆うように設けられていることが特に好ましい。こうした透明保護層の形成材料としては、透明樹脂、樹脂フィルム、透明無機材料等を挙げることができる。
透明樹脂を塗布形成してなる透明保護層の形成材料としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール変性、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、エポキシ等の透明樹脂が挙げられる。特に好ましいものとしては、アクリル樹脂を挙げることができる。透明保護層は、こうした透明樹脂塗布液をスピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜することができる。その透明樹脂が紫外線硬化型樹脂である場合は、塗布後に紫外線を照射し、さらにその後に必要に応じて熱硬化させて成膜することができ、また、その透明樹脂が熱硬化型樹脂である場合は、塗布後に熱硬化させて成膜することができる。なお、透明樹脂が紫外線硬化型樹脂で、かつ紫外線吸収剤を添加する必要がある場合、該紫外線硬化型樹脂の感光波長と該紫外線吸収剤の吸収波長をずらすことが好ましい。
透明フィルムからなる透明保護層としては、例えば粘着剤付の酸素バリアフィルムを挙げることができる。具体的には、UV Guard(太平洋マテリアル株式会社)、ゼオノア(日本ゼオン株式会社)、1501UH(リンテック株式会社)等を挙げることができる。これらは、片面に粘着剤が設けられた酸素バリアフィルムであり、粘着剤側を着色層3に貼り合わせて設けられる。
また、透明無機材料からなる透明保護層であってもよいが、この場合には、カラーフィルタの透過率を低下させないように注意して採用する必要がある。透明無機材料としては、例えば、多孔質の、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、カーボン、マイカ、クレイ、カオリン、炭酸カルシウム等が挙げられる。こうした透明保護層は、PVD法やCVD法等の成膜手段で成膜することができる。また、これらの透明無機材料を配合した樹脂フィルムを用いて透明保護層を構成してもよい。
この透明保護層が染料色素又はレーキ顔料を含有する青色着色層3Bを覆う(好ましくは着色層全体を覆う)ことにより、可視光による活性酸素の発生に基づいた劣化等を抑制することができる。この「可視光による活性酸素の発生に基づいた劣化」とは、外光として入射した可視光がカラーフィルタ10や有機ELディスプレイ内部の材料に作用して活性酸素が生じ、その活性酸素が青色着色層3Bに含まれる染料色素又はレーキ顔料を酸化させ、その染料色素又はレーキ顔料の酸化により染料色素又はレーキ顔料の色調が劣化して青色着色層3Bの褪色が生じることである。
透明保護層には、必要に応じて、上記着色層3に含有させたのと同様の一重項クエンチャーを含有させてもよい。クエンチャーとしては、ジアルキルホスフェート、ジアルキルカルバネート又はベンゼンジチオールあるいはその類似ジチオール等の金属錯体を好ましく挙げることができ、また、その金属錯体を構成する金属としては、ニッケル、銅又はコバルト等を挙げることができる。透明保護層内に一重項クエンチャーが含まれることにより、仮に活性酸素が透明保護層にアタックした場合であっても、活性酸素を一重項クエンチャーが捕獲することができるので、活性酸素が透明保護層を構成する樹脂材料を劣化するのを抑制することができ、長期間安定した透過率を維持することができる。
また、透明保護層には、必要に応じて、紫外線吸収剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系の紫外線吸収剤等を挙げることができる。透明保護層内に紫外線吸収剤が含まれることにより、仮に紫外線が透明保護層に入射した場合であっても、その紫外線が透明保護層を構成する樹脂材料を劣化するのを抑制することができ、長期間安定した透過率を維持することができる。
なお、透明保護層は、着色層3上に平坦化膜(図示しない)を設け、その平坦化膜上に設けたものであってもよい。平坦化膜は、着色層3と透明保護層との間に設けてもよいし、透明保護層上に設けてもよい。平坦化膜の形成方法としては、例えば、重合可能な樹脂材料を着色層3の表面に塗布した後に硬化して形成できる。平坦化膜の形成材料としては、重合反応を起こすとともに架橋反応を起こすことが可能な有機物を好ましく用いることができる。具体的には、不飽和二重結合基を有する(メタ)アクリレート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、ウレタン基含有化合物等を挙げることができる。
透明保護層の積層にあたって、透明保護層用インキに含有される溶剤により、下地となるカラーフィルタから好ましくない色素の溶出(特に染料色素の溶出)が発生する場合、上述の透明保護層用インキを別途準備したフィルムに一旦塗工、溶剤を除去した後にカラーフィルタにラミネートする手法が有効である。この場合、カラーフィルタに透明保護層が接触する際に溶剤が除去された状態となるため、色素の溶出を効果的に抑えることができる。ラミネート後に保護層を硬化させフィルムを剥離することにより、カラーフィルタ上に透明保護層を積層できる。
(カラーフィルタの製造方法)
図4は、図1に示カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。本発明のカラーフィルタ10A,10Bの製造方法は、図4に示すように、透明基材1上に所定のパターンからなる少なくとも赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3Bを形成する方法である。各着色層は、それぞれの着色層形成用塗布液を透明基材1に塗布した後にパターニングして順次形成される。そして、各着色層用塗布液のうち、青色着色層3Bを形成するための着色層用塗布液は、染料色素又はレーキ顔料を含有し、その青色着色層3Bを最後に形成するようにする。なお、赤色着色層3Rと緑色着色層3Gを形成するための着色層用塗布液は顔料色素を含有していてもよいし、染料色素を含有するものであってもよい。この図4の工程で製造されるカラーフィルタ10Aは、図1に示すような隣接する着色パターン同士が重なっている例である。
具体的には、先ず、透明基材1上に所定パターンのブラックマトリクス層2を形成した後、図4(A)に示すように、その全面に赤色着色層形成用塗布液を塗布して全ベタの赤色着色層3Rを形成する。次に、図4(B)に示すように、所定パターンのマスクを用いて露光、現像して、所定パターンの赤色着色層3Rを形成する。次に、図4(C)に示すように、その全面に緑色着色層形成用塗布液を塗布して全ベタの緑色着色層3Gを形成する。次に、図4(D)に示すように、所定パターンのマスクを用いて露光、現像して、所定パターンの緑色着色層3Gを形成する。次に、図4(E)に示すように、その全面に青色着色層形成用塗布液を塗布して全ベタの青色着色層3Bを形成する。次に、図4(F)に示すように、所定パターンのマスクを用いて露光、現像して、所定パターンの青色着色層3Bを形成する。なお、図4において、赤色着色層3Rの形成と緑色着色層3Gの形成順は逆であってもよい。
こうして製造されたカラーフィルタ10の各着色層の形成順は、上述した図1〜図3に示すように、その断面観察ないし表面計測を行うことによって確認することができる。すなわち、断面観察ないし表面計測で確認されたカラーフィルタ10の断面視形状において、その断面視形状が左右対称な開口部表面12Aを有する場合には、その着色層(第1着色層)は赤色着色層3R及び緑色着色層3Gの一方であり、その断面視形状が一定方向に傾斜する開口部表面12Bを有し且つその傾斜の高い部分が前記左右対称な第1着色層に隣接する場合には、その着色層(第2着色層)は赤色着色層3R及び緑色着色層3Gの他方であり、その断面視形状が前記一定方向に傾斜する第2着色層の傾斜角度θ1よりも小さい角度θ2で傾斜している開口部表面12Cを有する場合には、その着色層(第3着色層)は青色着色層であることを表している。
本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、耐熱性に劣る染料色素又はレーキ顔料を含有する青色着色層3Bを最後に形成するようにしたので、その青色着色層3Bは、熱キュアに基づく熱履歴が極力抑えられている。その結果、青色着色層3Bに含まれる染料色素又はレーキ顔料の劣化が極力抑制された状態のカラーフィルタ10を製造できるので、透過率に優れたカラーフィルタ10を提供することができる。
[有機ELディスプレイ]
図5及び図6は、本発明の有機ELディスプレイの例を示す模式的な断面図である。図5に示す本発明の有機ELディスプレイ50Aは、赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3Bを有する本発明のカラーフィルタ10と、赤色発光層23R、緑色発光層23G及び青色発光層23Bを有した3色塗り分け方式の有機EL発光体20Aとを貼り合わせてなるものである。この有機ELディスプレイ50Aは、特に青色光41Bの透過性がよい青色着色層3Bを有する上記本発明のカラーフィルタ10を、色純度に優れる3色塗り分け方式の有機EL発光体20と組み合わせて構成している。こうした有機ELディスプレイ50Aは、有機EL発光体20Aが備える青色発光層23Bの電流値を高くしなくても十分な輝度が得られるので、青色発光層23Bの寿命を延ばすことができ、有機ELディスプレイ50Aの安定した色調を長期間保持することができる。
一方、図6に示す本発明の有機ELディスプレイ50Bは、色変換層を備えたCCM方式のものであって、染料色素又はレーキ顔料を含む青色着色層3Bを有するとともに、青/赤色変換層3R’及び青/緑色変換層3G’を備えるカラーフィルタ10と、それらの各層に対応する青色発光層23Bを有した有機EL発光体20Bとを貼り合わせてなるものである。すなわち、青色発光する青色発光層23BをR(赤)G(緑)B(青)の各透過光の発光領域に形成した有機EL発光体20Bと、その有機EL発光体20Bからの青色光41Bを所定色に変換する色変換層(CCM層)を有するカラーフィルタ10とを組み合わせてなるものである。この有機ELディスプレイ50Bは、カラーフィルタが上記本発明の特徴を有したものであれば、特に青色光41Bの透過性がよい青色着色層3Bを有するCCM方式のカラーフィルタ10を、青色発光層23Bを備えた有機EL発光体20Bと組み合わせて構成したので、安定した色調を長期間保持でき、長寿命化を実現できる。
有機ELディスプレイ50を構成するカラーフィルタ10は上記したとおりであるので、以下ではカラーフィルタ10についての説明は省略し、有機EL発光体20と接着層30について説明する。
(有機EL発光体)
図5に示す有機EL発光体20Aは、少なくとも赤色発光層23R、緑色発光層23G及び青色発光層23Bが隔壁24に仕切られてなる3色塗り分け方式の有機EL発光体である。一方、図6に示す有機EL発光体20Bは、カラーフィルタ10が有する青色着色層3B、青/赤色変換層3R’及び青/緑色変換層3G’に対応するそれぞれの位置に、青色発光層23Bが隔壁24に仕切られてなる有機EL発光体である。いずれも有機EL発光体20A,20Bも、基材21上に、電極22、発光層23、電極25、保護膜26の順で各層が積層されている。
基材21の種類、大きさ、厚さ等は特に限定されるものではなく、有機EL発光体の用途や基材上に積層する各層の材質等により適宜決めることができる。例えば、Al等の金属、ガラス、石英、又は各種の樹脂等の材料からなるものを用いることができる。なお、発光層23で発光した光はカラーフィルタ10の側から出射するので、この基材21は、必ずしも透明又は半透明になる材料を用いる必要はなく、不透明材料を用いてもよい。
電極22は、陽極又は陰極のいずれかであるが、一般的には陽極として基材21上に設けられ、その電極22上には正孔注入層や正孔輸送層が設けられる。形成材料としては、金、銀、クロム等の金属、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化インジウム、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、SnO、ZnO等の透明導電膜、ポリアニリン、ポリアセチレン等の導電性酸化物等を挙げることができる。また、ITOと銀とITOとの積層構造からなる反射型電極とすることもできる。
発光層23としては、図5においては赤色発光層23R、緑色発光層23G、青色発光層23Bがそれぞれ所定の位置に設けられ、図6においては青色発光層23Bがそれぞれの位置に設けられている。各色の発光層形成用の材料としては従来公知の材料をそれぞれ用いることができる。具体的には、発光層は、電極22が陽極である場合には、電極22側から、正孔注入層と発光層とからなる積層体、又は、正孔注入層と発光層と電子注入層とからなる積層体、又は、発光層と電子注入層とからなる積層体、のいずれかの積層体で構成される。正孔注入層と発光層との間には正孔輸送層が設けられていてもよいし、発光層と電子注入層との間には電子輸送層が設けられていてもよい。また、各注入層や発光層が正孔輸送性材料や電子輸送性材料を含んでいてもよい。
正孔注入層の形成材料としては、例えば色素系材料、金属錯体系材料又は高分子系材料等、正孔注入層用材料として通常使用されるものを用いることができる。また、正孔輸送層の形成材料としては、フタロシアニン、ナフタロシアニン等、正孔輸送層用材料として通常使用されるものを用いることができる。
各色の発光層は、ホスト材料とゲスト材料とを含有する発光層形成材料で形成された層であり、そのホスト材料とゲスト材料は従来公知のものを使用することができ、また、それらの配合割合は使用する材料によっても任意に選択される。各色の発光層形成材料の一例を挙げれば、赤色発光層用としては、ホスト材料として4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を用いると共にゲスト材料としてトリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)錯体(Ir(piq))を挙げることができ、緑色発光層用としては、ホスト材料として4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を用いると共にゲスト材料としてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)錯体(Ir(ppy))を挙げることができ、青色発光層用としては、ホスト材料として9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)を用いると共にゲスト材料として1−tert−ブチル−ペリレン(TBP)を挙げることができる。
なお、発光層形成材料はこれら以外であってもよく、例えば、ホスト材料としては、アントラセン誘導体、アリールアミン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、スピロ化合物等を例示でき、ゲスト材料としては、ペリレン誘導体、ピレン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、FIrPic等のイリジウム錯体等を例示できる。
電子輸送層の形成材料としては、例えば金属錯体系材料、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等、電子輸送層として一般的に用いられている材料を挙げることができる。また、電子注入層の形成材料としては、発光層の発光材料に例示した材料の他、アルミニウム、フッ化リチウム等、電子注入層として一般的に用いられている材料を挙げることができる。
電極25は、上記電極22の対極をなすものであり、陰極又は陽極のいずれかであるが、一般的には陰極として設けられる。電極25は光取り出し側にあるので、形成材料としては、ITO(インジウム錫オキサイド)、酸化インジウム、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、SnO、ZnO等の透明導電材料や、MgAg等からなる半透明金属が好ましく用いられる。
隔壁24は、酸化ケイ素等の無機材料やレジスト等の有機材料で形成することができ、電極22がパターン形成された後で各色の発光層を形成する前に所定のパターンで形成される。隔壁24よって各色の発光層の形成領域が区分けされた後は、例えば各色の発光層形成用塗布液等を塗布することにより各色の発光層が形成される。その後、全体を覆うように電極25が形成され、その後に例えば各発光層に対してガスバリア性を有するSiON等の保護膜26が形成される。なお、電極22,25は、アクティブマトリクス方式で形成されてもよいし、単純マトリックス方式で形成されていてもよい。
(接着層)
有機ELディスプレイ50は、図5及び図6に示すように、上記有機EL発光体20と上記カラーフィルタ10とが接着層30によって貼り合わされている。こうした接着層30の形成材料としては、紫外線硬化型樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。
(色度)
本発明の係るカラーフィルタ10と、有機EL発光体20とを組み合せてなる有機ELディスプレイ50は、その青色透過光が、NTSC規格やEBU規格の色再現領域を満たすように構成でき、しかもその寿命を向上させることができるので好ましく用いることができる。具体的には、NTSC規格については、CIE色度図上の(0.140,0.080)、(0.136,0.040)、(0.118,0.070)の3つの色度座標を結ぶ領域内にあるように構成でき、一方、EBU規格については、CIE色度図上の(0.150,0.060)、(0.143,0.031)、(0.130,0.049)の3つの色度座標を結ぶ領域内にあるように構成できる。なお、青色透過光が上記領域内に入るためには、カラーフィルタ10を構成する色材が、NTSC規格ではメチン系染料色素が好ましく用いられ、EBU規格ではトリアリールメタン系染料色素、トリアリールメタン系レーキ顔料等が好ましく用いられる。
ここで、NTSC規格とEBU規格について説明する。テレビ放送の規格としては、NTSC規格(National Television Standards Committee:アメリカテレビジョン標準化委員会が定めた地上波アナログカラーテレビ放送の規格)が共通規格として広く用いられている。一方、EBU規格(European Broadcasting Union:欧州及び北アフリカの放送局からなるヨーロッパ放送連合が定めた技術規格)も広く用いられている。ディスプレイの性能は、このNTSC規格やEBU規格を満たす色再現領域を有するかどうかが一つの評価項目となっている。具体的な評価方法としては、CIE(Commission Internationale de l Eclairage:国際照明委員会)色度図上でNTSC規格又はEBU規格が構成する三角形の面積に対する、評価対象のディスプレイが構成する色再現領域の三角形の面積比によって表される。すなわち、[評価対象のディスプレイが構成する色再現領域の三角形の面積]/[NTSC規格又はEBU規格が構成する三角形の面積]×100(%)で表される。この比率は、所謂「NTSC比」又は「EBU比」とよばれ、ディスプレイの性能を示す数値として広く認識されている。なお、各RGBの各色の色度そのものについては、NTSC規格やEBU規格の色度に対して不問とされており、NTSC比又はEBU比で100%以上が達成できたとしても、NTSC規格内又はEBU規格内の全ての色調を再現できるわけではない。
本発明の有機ELディスプレイ50では、青色発光する有機EL発光体20と本発明に係るカラーフィルタ10とを組み合わせたので、特に青色透過光がCIE色度図上の上記領域内にあるように構成できる。しかも、本発明に係るカラーフィルタ10は、青色着色層の劣化が極力抑制されて透過率に優れているので、その青色着色層を透過した青色透過光はNTSC規格内又はEBU規格内の色再現領域を長期間確保することができる、特に青色透過光の色再現領域に優れた有機ELディスプレイを構成することができる。
[液晶ディスプレイ]
上述した有機ELディスプレイと同様に、液晶ディスプレイを構成することも可能である。液晶ディスプレイは、赤色着色層3R、緑色着色層3G及び青色着色層3Bを有する本発明のカラーフィルタ10を有している。本発明に係るカラーフィルタ10については上記したものと同様であるのでここではその説明を省略する。
液晶ディスプレイとしては、光源部と液晶パネル部とで構成された従来公知の各種のタイプのものを用いることができる。光源部は、一般的な、インバータとランプと導光板とで構成されたバックライト型のものを用いることができるが、フロントライト型のものであってもよい。また、液晶パネル部は、例えば、バックライト部側から、偏光板、アレイ基板、液晶層、カラーフィルタ基板、偏光板の順で構成されたものを用いることができるが、それ以外の構成からなるものであってもよい。
本発明の液晶ディスプレイによれば、透過性がよく寿命の長い青色着色層を備えた上記本発明のカラーフィルタを液晶ディスプレイの構成要素として有するので、液晶ディスプレイの安定した色調を長期間保持することができ、その結果、液晶ディスプレイの長寿命化を実現できる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
[実施例1]
<カラーフィルタの作製>
最初に、カラーフィルタを作製した。透明基材1としてガラス基板(コーニング社製、1737材)を準備し、洗浄処理を施した後のガラス基板上に、先ず、厚さが1.2μmで、平面視で縦横が格子状のパターンとなるようにブラックマトリクス層2を形成した。このブラックマトリクス層2は、下記のブラックマトリクス層用フォトレジストをスピンコート法で塗布し、90℃・3分間の条件でプリベーク(予備焼成)し、所定のパターンに形成されたマスクを用いて露光(100mJ/cm)し、続いて0.05%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、230℃・30分間ポストベーク(焼成)することによって形成した。
(ブラックマトリクス層用フォトレジスト)
・黒顔料(大日精化工業(株)製、TMブラック#9550)…14.0重量部
・分散剤(ビックケミー(株)製、Disperbyk111)…1.2重量部
・ポリマー(昭和高分子(株)製、VR60)…2.8重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…3.5重量部
・添加剤(綜研化学(株)製、L−20)…0.7重量部
・開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)…1.6重量部
・開始剤1(4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン)…0.3重量部
・開始剤2(2,4−ジエチルチオキサントン)…0.1重量部
・溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテル)…75.8重量部
・上記の黒顔料、分散剤及び溶剤からなる分散液組成物にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、上記のポリマー、モノマー、添加剤、開始剤1〜3及び溶剤からなるクリアレジスト組成物とを混合し、顔料分散型のブラックマトリクス層用フォトレジストを調整した。なお、分散機としては、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いた(以下の各色パターン形成用フォトレジストにおいて同じ。)。
次に、着色層3を形成した。この着色層3は、下記赤色、緑色、青色の各色パターン形成用のフォトレジストを調整した後、先ず、赤色パターン形成用の顔料分散型フォトレジストをブラックマトリクス層2が形成された透明基材1上にスピンコート法で塗布し、80℃・5分間の条件でプリベーク(予備焼成)し、赤色の色パターンに応じた所定の着色パターン用フォトマスクを用いて、紫外線露光(300mJ/cm)した。次いで、0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、220℃・30分間ポストベーク(熱キュア)し、ブラックマトリクス層2の形成パターンに対して所定の位置に、膜厚1.1μmの赤色着色層3Rを短冊状パターンで形成した。
引き続き、緑色パターン形成用の顔料分散型フォトレジストを用いて同様の手法を繰り返し、所定のパターンで形成されたブラックマトリクス層2及び赤色着色層3Rの形成パターンに対して所定の位置に、膜厚1.1μmの緑色着色層3Gを短冊状パターンで形成した。このときのポストベーク(熱キュア)も220℃・30分間の条件で行った。さらに引き続き、青色パターン形成用の染料フォトレジストを用い且つポストベーク条件を150℃・30分間に変更した以外は、上記赤色着色層3R及び緑色着色層3Gと同様な手法により、膜厚1.1μmの青色着色層3Bを短冊状パターンで形成した。
(赤色パターン形成用の顔料分散型フォトレジスト)
・赤顔料(C.I.PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製、クロモフタールDPP Red BP))…4.8重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))…1.2重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…3.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である
・上記の赤顔料、黄顔料、分散剤及び溶剤からなる分散液組成物にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、上記のポリマー、モノマー、添加剤、開始剤1,2及び溶剤からなるクリアレジスト組成物とを混合し、顔料分散型の赤色パターン形成用のフォトレジストを調整した。
(緑色パターン形成用の顔料分散型フォトレジスト)
・緑顔料(C.I.PG7(大日精化製、セイカファストグリーン5316P))…3.7重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))…2.3重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…3.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である
・上記の緑顔料、黄顔料、分散剤及び溶剤からなる分散液組成物にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、上記のポリマー、モノマー、添加剤、開始剤1,2及び溶剤からなるクリアレジスト組成物とを混合し、顔料分散型の緑色パターン形成用のフォトレジストを調整した。
(青色パターン形成用の染料フォトレジスト)
・青染料(BASF社製のトリアリールメタン系色素、Basonyl Blue 636)…3.6重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤1(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤2(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・酸化防止剤6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン(住友化学社製、Sumilizer GP)…0.8重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
・上記の各材料を混合し溶解して青色層用の染料型フォトレジストを調整した。
次に、赤、緑、青の各着色層3とブラックマトリクス層2が形成された透明基材1の、各着色層3上に、透明保護層4を設けた。この透明保護層4としては、紫外線硬化型樹脂であるフォトレジスト(JSR社製、商品名:JNPC80)を用い、フィルム基材上にバーコーターを用いて塗工、減圧乾燥により溶剤を除去し、引き続きカラーフィルタ表面にラミネートした。さらに、フィルム側から紫外線を照射して硬化させ、フィルムを剥離した後に150℃で30分間焼成してカラーフィルタ上に透明保護層を厚さ2.0μmとなるように成膜した。この透明保護膜4は、着色層3に対して酸素を遮断するという保護作用を有している。
次に、透明基材1の各着色層3側とは反対側の面に、紫外線透過防止層5を設けた。この紫外線透過防止層5は、TACフィルムであるTF80UL(富士フィルム社製、厚さ80μm)を用い、透明基材1の表面に貼り合わせた。なお、ここでは、紫外線透過防止層5を有機ELパネルに貼り合わせる前にカラーフィルタに貼り合わせているが、この紫外線透過防止層5は、有機ELパネルとカラーフィルタとを貼り合わせた後に設けてもよい。こうして、カラーフィルタを作製した。
<有機EL発光体の作製>
次に、有機EL発光体を作製した。基材21として、スイッチング素子としてのTFTを有する厚さ1.7mmの無アルカリガラス基板を準備した。その無アルカリガラス基板の上に、ITO(20nm)/Ag(100nm)/ITO(20nm)の積層構造からなる厚さ140nmの反射型陽極22を所定のパターンで形成した。次いで、ポジレジストからなる隔壁24を各発光層23の区分けのために形成し、引き続き、所定パターンからなる各色の発光層23(23R,23G,23B)を順に形成した後、さらに、MgAgからなる厚さ10nmの半透明な陰極25と、SiONからなる厚さ100nmの保護膜26とをその順番にベタ製膜して積層し、3色塗り分けタイプの発光層23を備えた有機EL発光体を作製した。
各色の発光層は以下のように作製した。先ず、各色共通層として、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)(α−NPD)とMoOの共蒸着薄膜(MoOの体積濃度:20%)からなる厚さ40nmの正孔注入層と、α−NPDからなる厚さ20nmの正孔輸送層とを隔壁24,24間に製膜した。その後、赤色発光層用のホスト材料として4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を用いると共にゲスト材料としてトリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)錯体(Ir(piq))を用い、厚さ40nmの赤色発光層23Rを所定パターンで形成し、次いで、緑色発光層用のホスト材料として4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を用いると共にゲスト材料としてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)錯体(Ir(ppy))を用い、厚さ40nmの緑色発光層23Gを所定のパターンで形成し、次いで、青色発光層用のホスト材料として9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)を用いると共にゲスト材料として1−tert−ブチル−ペリレン(TBP)を用い、厚さ40nmの青色発光層23Bを所定のパターンで形成して各発光層を形成した。次いで、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)からなる厚さ20nmの電子輸送層、及びLiFからなる厚さ0.5nmの電子注入層、をその順番にパターン形成して各色の発光層23(23R,23G,23B)を形成した。
<有機ELディスプレイの作製>
得られたカラーフィルタと、得られた有機EL発光体とを接着剤(商品名:NT−01UV、日東電工社製)を介して貼り合わせ、実施例1の有機ELディスプレイ50を構成した。
[実施例2]
実施例1の有機ELディスプレイにおいて、カラーフィルタを作製する際に、青色パターン形成用の染料フォトレジストの代わりに下記の青色パターン用レーキ顔料分散型フォトレジストを用いた他は、実施例1と同じ条件で実施例2のカラーフィルタを作製した。さらに、実施例1と同様に、得られたカラーフィルタを用いて実施例2の有機ELディスプレイを作製した。
(青色パターン用レーキ顔料分散型フォトレジスト)
・青レーキ顔料(Fanal Blue D6340(BASF社製)…6.0重量部
・顔料誘導体(ゼネカ(株)製、ソルスパース12000)…0.6重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…2.4重量部
・モノマー(サートマー(株)製、SR399)…4.0重量部
・ポリマー1…5.0重量部
・開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア907)…1.4重量部
・開始剤(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)…0.6重量部
・酸化防止剤6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン(住友化学社製、Sumilizer GP)…0.9重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…80.0重量部
・上記ポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
[実施例3]
実施例2の有機ELディスプレイにおいて、青色パターン用レーキ顔料分散型フォトレジストに用いられる色材を以下の青色レーキ顔料に変更した他は、実施例2と同じ条件で実施例3のカラーフィルタを作製した。さらに、実施例2と同様に、得られたカラーフィルタを用いて実施例3の有機ELディスプレイを作製した。
・青レーキ顔料(Reflex Blue A5H−R(クラリアント社製)…6.0重量部
[比較例1]
実施例1の有機ELディスプレイにおいて、カラーフィルタを作製する際に、青色着色層3Bを最初に形成し、次いで赤色着色層3R、最後に緑色着色層3Gを形成した他は、ポストベーク条件等も実施例1と同じにして、比較例1の有機ELディスプレイを作製した。
[比較例2]
実施例1の有機ELディスプレイにおいて、カラーフィルタを作製する際に、青色着色層3Bを2番目に形成し、最後に緑色着色層3Gを形成した他は、ポストべーク条件等も実施例1と同じにして、比較例2の有機ELディスプレイを作製した。
[比較例3]
実施例2の有機ELディスプレイにおいて、カラーフィルタを作製する際に、青色着色層3Bを最初に形成し、次いで赤色着色層3R、最後に緑色着色層3Gを形成した他は、ポストベーク条件等も実施例2と同じにして、比較例3の有機ELディスプレイを作製した。
[比較例4]
実施例2の有機ELディスプレイにおいて、カラーフィルタを作製する際に、青色着色層3Bを2番目に形成し、最後に緑色着色層3Gを形成した他は、ポストべーク条件等も実施例2と同じにして、比較例4の有機ELディスプレイを作製した。
[比較例5]
実施例3の有機ELディスプレイにおいて、カラーフィルタを作製する際に、青色着色層3Bを最初に形成し、次いで赤色着色層3R、最後に緑色着色層3Gを形成した他は、ポストベーク条件等も実施例3と同じにして、比較例5の有機ELディスプレイを作製した。
[比較例6]
実施例3の有機ELディスプレイにおいて、カラーフィルタを作製する際に、青色着色層3Bを2番目に形成し、最後に緑色着色層3Gを形成した他は、ポストべーク条件等も実施例3と同じにして、比較例6の有機ELディスプレイを作製した。
[評価試験]
(表面の断面視形状)
実施例1,2及び比較例1〜4で得られたカラーフィルタについて、各色の表面の断面視形状を評価した。その評価は、触針式表面粗さ測定装置(小坂研究所社製、型番:ET4000L−S)で測定して得られた粗さプロファイルで行った。なお、傾斜角度θ1、θ2は、図3に示すように、縦軸長さと横軸長さ(共に単位はμm)の比を1:250としてグラフに表したときの角度で評価した。
実施例1において、赤色着色層の断面視形状は、左右対称な開口部表面を有していた。また、緑色着色層の断面視形状は、一定方向に傾斜(傾斜角度:θ1)する開口部表面を有し且つその傾斜の高い部分が左右対称な赤色着色層に隣接していた。また、青色着色層の断面視形状は、一定方向に傾斜する緑色着色層の傾斜角度θ1よりも小さい角度θ2で傾斜していた。このとき、緑色着色層の傾斜角度θ1は7°であり、青色着色層の傾斜角度θ2は2°であった。
実施例2においても実施例1と同様の傾向を示し、また、緑色着色層の傾斜角度θ1は19°であり、青色着色層の傾斜角度θ2は6°であった。
さらに実施例3においても実施例1、2と同様の傾向を示し、また、緑色着色層の傾斜角度θ1は14°であり、青色着色層の傾斜角度θ2は4°であった。
(色度)
実施例1〜3及び比較例1〜6の有機ELディスプレイの色度を測定した。色度は、ΔE94色差色(CIE 1994)で評価し、その色度は、トプコン社製の分光放射計(型名:SR−2)を用いて有機ELディスプレイの発光スペクトルを測定し、その分光放射計内の計算ソフトで計算して求めた。また、分光スペクトルは、オリンパス社製の顕微分光測色機(型名:OSP−SP200)を用いて測定した。表1は、実施例1〜3及び比較例1〜6で得られたカラーフィルタの各色(表1中、R,G,Bで表している。)のCIE色度(2度視野)と、青色着色層(B)については、有機ELディスプレイを構成したもの(表1中、「OLED−B」で表している。)のCIE色度(2度視野)の測定結果である。
Figure 2010237384
また、表1の有機ELディスプレイについて比較すると、実施例1の有機ELディスプレイは、その青色光の色度が(0.138,0.073)となり、NTSC規格を完全に実現できる青色色度の領域に入っていた。一方、比較例1、2の有機ELディスプレイでは、その青色光の色度がそれぞれ(0.155,0.117)、(0.143,0.087)となり、NTSC規格を完全に実現できる青色色度領域から外れていた。これらの結果から、着色層をパターニングした後のポストべーク条件が、青色着色層3Bを構成する染料色素又はレーキ顔料を劣化させていることが確認できた。
また、実施例2の有機ELディスプレイは、その青色光の色度が(0.145,0.047)となり、EBU規格を完全実現できる青色色度の領域に入っていた。一方、比較例3、4の有機ELディスプレイでは、その青色光の色度がそれぞれ(0.143,0.060)、(0.144,0.050)となり、EBU規格を完全実現できる青色色度の領域から外れていた。
さらに実施例3の有機ELディスプレイは、その青色光の色度が(0.148,0.058)となり、(EBU)規格を完全実現できる青色色度の領域に入っていた。一方、比較例5、6の有機ELディスプレイでは、その青色光の色度がそれぞれ(0.149,0.069)、(0.150,0.064)となり、EBU規格を完全実現できる青色色度の領域から外れていた。
1 透明基材
2 ブラックマトリクス層
3 着色層
3R 赤色着色層
3G 緑色着色層
3B 青色着色層
3R’ 青/赤色変換層
3G’ 青/緑色変換層
4 透明保護層
5 紫外線透過防止層
10,10A,10B カラーフィルタ
11 開口部
12,12A,12B,12C 開口部表面
20,20A,20B 有機EL発光体
21 基材
22 電極
23 発光層
23R 赤色発光層
23G 緑色発光層
23B 青色発光層
24 隔壁
25 電極
26 保護膜
30 接着層
41R 赤色光
41G 緑色光
41B 青色光
42R 透過赤色光
42G 透過緑色光
42B 透過青色光
50A,50B 有機ELディスプレイ
θ1 第2着色層の傾斜角度
θ2 第3着色層の傾斜角度

Claims (4)

  1. 透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた赤色着色層、緑色着色層及び染料色素又はレーキ顔料を含有する青色着色層とを有し、
    各着色層の開口部表面の断面視形状について、
    断面視形状が左右対称な開口部表面を有する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の一方であり、
    断面視形状が一定方向に傾斜する開口部表面を有するものであって該傾斜の高い部分が前記左右対称な着色層に隣接する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の他方であり、
    断面視形状が前記一定方向に傾斜する着色層の傾斜角度よりも小さい角度で傾斜している着色層が、青色着色層である、ことを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 透明基材上に所定のパターンからなる赤色着色層、緑色着色層及び青色着色層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、
    前記各着色層は、それぞれの着色層形成用塗布液を前記透明基材に塗布した後にパターニングして順次形成され、
    前記各着色層用塗布液のうち前記青色着色層を形成するための着色層用塗布液は染料色素又はレーキ顔料を含有し、該青色着色層を最後に形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  3. 透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた赤色着色層、緑色着色層及び染料色素又はレーキ顔料を含有する青色着色層とを有し、各着色層の開口部表面の断面視形状について、断面視形状が左右対称な開口部表面を有する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の一方であり、断面視形状が一定方向に傾斜する開口部表面を有するものであって該傾斜の高い部分が前記左右対称な着色層に隣接する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の他方であり、断面視形状が前記一定方向に傾斜する着色層の傾斜角度よりも小さい角度で傾斜している着色層が、青色着色層である、カラーフィルタと、
    赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を有する有機EL発光体と、を貼り合わせてなり、
    前記有機EL発光体が3色塗り分け方式で作製されたものであることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  4. 透明基材と、該透明基材上に所定のパターンで設けられた赤色着色層、緑色着色層及び染料色素又はレーキ顔料を含有する青色着色層とを有し、各着色層の開口部表面の断面視形状について、断面視形状が左右対称な開口部表面を有する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の一方であり、断面視形状が一定方向に傾斜する開口部表面を有するものであって該傾斜の高い部分が前記左右対称な着色層に隣接する着色層が、前記赤色着色層及び前記緑色着色層の他方であり、断面視形状が前記一定方向に傾斜する着色層の傾斜角度よりも小さい角度で傾斜している着色層が、青色着色層である、カラーフィルタを有することを特徴とする液晶ディスプレイ。
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