JP5260372B2 - 道路用標示体および押圧装置 - Google Patents
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Description
本件は、これとは別の方法によって柱状の本体部とベース部とを着脱自在に形成した道路用標示体を提案するものである。
また、破損したポールを新たなポールに取り替える場合には、ベースとポールとを貫通している複数のネジの全てを緩めてベースからポールを取り外してから、新たなポールをベースに挿入して複数のネジを再度ねじ込むという作業を必要とするものであり、多少手間がかかるものであった。
すなわち本発明に係る道路用標示体は、柱形状に形成された本体部と、該本体部と別体に形成されたベース部とを備えた道路用標示体であって、
前記本体部の下端には本体係合部が形成され、
前記ベース部の上面には前記本体部の外周側面の形状に窪んだ凹部が形成され、
該凹部には前記本体係合部と係合可能な本体係止部が設けられ、
前記凹部の側壁には、前記本体部の下端部が側方から出入自在に挿入可能な挿入口と、該挿入口を塞ぐ蓋部とが備えられ、
該蓋部には前記凹部の側壁に設けた蓋係止部に係合可能な蓋係合部が設けられ、前記挿入口に着脱自在に取り付け可能に形成されており、
前記ベース部の挿入口から挿入された前記本体部の本体係合部が前記本体係止部に係合されるとともに、
前記挿入口が前記蓋部によって塞がれて、前記本体部と前記ベース部とが固定されていることを特徴としている。
また同様に、前記本体部を前記ベース部の下方から挿入させるように挿入口を形成させる場合と比較したときには、ベース部から本体部を着脱させるときにベース部をあらかじめ設置面から取り外す必要がなく、ベース部を設置面に固定させたまま本体部を着脱して交換などを行うことができるので、着脱の際の作業が容易なものにできる。
容易なものとすることができ好ましい。
図面において、1は道路用標示体の本体部であり、Bはベース部である。
本発明に係る道路用標示体は、ベース部Bの上端面に設けた凹部に本体部1の下端を挿入し固定して構成されている。
最初に図2〜図3によって本体部1について説明する。
本体部1は、円筒形の中空柱状体に形成された柱部2の上端と下端を塞ぐようにそれぞれキャップ部3と本体台部4とが固定されて形成されている。柱部2の外側面には入射光に対して平行に出射光を反射する再帰反射性を有する反射シート21が被着されている。
本体部1は車両などに踏み倒された後に元の状態に復元する可撓性を有するように、柱部2を熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成しているが、これに限らず、軟質ポリオレフィン、エラストマーなどを好適に用いることができる。
キャップ部3の上端には、空気抜き孔31がその上面から下面に貫通させて形成されている。空気抜き孔31を設けることで、本体部1が車両等に踏みつけられて潰れる際に、中空柱状体の柱部2の中空部22内部の空気が空気抜き孔31から排出されるので、本体部1が内部の空気の圧力の上昇によって破裂することが防止される。
外周側面42は柱部2の内周側面23に対応した形状に形成されている。この本体台部4を柱部2の中に入れ、柱部2の下端が本体係合部43の上面に当接するまで挿入させ、外周側面42と柱部2の内周側面23とを融着させて、柱部2と本体台部4とを固定している。柱部2と本体台部4との固定は融着に限らず、接着剤等によって行ってもよい。
本体台部4の材質には、軟質な合成樹脂を好適に用いることができ、軟質ポリオレフィン、エラストマー、熱可塑性ポリウレタン樹脂などを用いることができ、本実施形態では熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いて形成している。
補強筒25は、柱部2の内径より若干小さい外径を有する円筒状に成形されており、本体台部4と同心円形状に形成されている。
補強筒25の材質は、成型の容易さおよび車両等の踏みつけに対する復元性、耐久性等を考慮すると、熱可塑性ポリウレタンや軟質ポリオレフィン、エラストマーなどが好適である。
補強筒25は、補強筒挿入溝45に挿入され融着されて固定されている。
柱部2とともに補強筒25を本体台部4に固定させることで、本体部1の上を車両が通過するなどして柱部2が折れ曲がる場合に、柱部2の根本部分にかかる応力を補強筒25に分散させて、耐久性を向上させることができる。
本体凹部44は、補強筒挿入溝45の内側に形成されており、その底面までの深さが補強筒挿入溝45と同程度の深さとなるような大きさに形成されている。
上記のように本体凹部44を形成することで、本体台部4を側方から押圧したときに、本体凹部44が潰れて補強筒25と柱部2とが径方向内側へたわみ、押圧した箇所がやや縮径するように変形するよう構成できる。
本実施形態では、本体凹部44を設けて、本体部1の下端が押圧により変形するように形成させているが、柱部2および本体台部4の材質の選定などによって、本体凹部44を設けなくとも本体部1の下端が押圧による変形できれば、本体凹部44を設けなくともよい。
ベース部Bは扁平な円錐台形状に形成されており、その上面の中央には凹部51が設けられている。
凹部51の内周側面は、前記本体部1の柱部2の外周側面と略同じ大きさの円周形状に形成されている。
また凹部51の内周側面の下端には、側方へ溝状に窪む本体係止部53が全周に亘って形成されている。
本体係止部53は、前記本体台部4の本体係合部43に対応した形状に形成されており、本体係止部53の内部に本体係合部43を収納させ、凹部51の内部に本体部1の下端を収納させて、ベース部Bと本体部1とを固定可能に形成させている。
ベース部Bの材質としては硬質な合成樹脂を好適に用いることができる。一例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ASA樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂などを用いることができ、本実施形態では耐候性の良いASA樹脂を用いて形成している。
具体的には、ベース台部5には、凹部51の側壁の一部を正面方向に水平に切り欠き、挿入口52が形成されている。蓋部6は切り欠かれた前記凹部51の側壁とそこに形成された本体係止部53とを構成する形状に形成されており、蓋部6をベース台部5に固定させて前記挿入口52を塞ぐように構成されている。
ベース台部5の挿入口52は、本体部1の下端をベース台部5の正面方向から挿入させて、凹部51と本体係止部53の内部に収納可能に形成されている。
ベース台部5には、凹部51の底面からベース部台5の下面に至るように貫通するボルト装着穴55が設けられている。
ボルト装着穴55は円形のベース台部5の下面の中央に円形の断面形状に形成されており、六角ボルトを用いたアンカーボルト8の雄ねじ部82が挿通可能な大きさに形成されている。ボルト装着穴55の上端縁は横方向に拡幅するように設けられた拡幅部56が形成されており、拡幅部56は平面視において凹部51の底面が六角形に窪むように設けられている。拡幅部56の内周形状はアンカーボルト8の六角柱形状をした六角頭部81の外周形状よりも若干大きく形成され、拡幅部56の底面から凹部51の底面までの大きさも、六角頭部81の上面から下面までの大きさよりも若干大きく形成されている。
このボルト装着穴55にアンカーボルト8の雄ねじ部82を挿通させ、このアンカーボルト8の六角頭部81を拡幅部56の内部に収納して、アンカーボルト8をベース部5に取り付けている。
上記のようにアンカーボルト8をベース部5に取り付けているので、合成樹脂製のベース部5からアンカーボルト8を容易に取り外して分別することが可能となっている。
貫通穴57は、その断面が長方形の形状に形成されており、平面視においてそれぞれ挿入口52の端から等距離で、かつベース台部5の中心を通る直線上にそれぞれ配されるように形成されている。
また、貫通穴57は正面視および側面視において、凹部51の内周側面における開口部分が本体係止部53の上方に隣接するように形成されている。
このため、挿入口52に本体部1を挿通させるときには、柱部2と本体台部4を側方から押圧し、押圧した箇所を縮径するように変形させて、挿入口52を挿通させる。
これは、本体台部4の下端部分に形成した本体係合部43の部分は、本体台部4の下面の存在により、前記のように側方から押圧しても縮径するように変形しないので、本体係合部43が挿入口52を挿通できるように相対する本体係止部53の間の間隔を形成させたものである。
蓋部6は、前記のように、切り欠かれたベース台部の凹部51の側壁とそこに形成された本体係止部53とを補完する形状に形成されており、平面視において、略Uの字の円弧形状に形成されている。
蓋部6の円弧の外側の側壁に当たる外周側面65は、蓋部6がベース台部5に取り付けられたときにベース部Bの外周側面の一部を構成するように形成されている。
蓋部6の円弧の内側の側面にあたる内周側面61は、蓋部6がベース台部5に取り付けられたときに凹部51の内周側面の一部を構成するように形成されている。
また、内周側面61の下端には、内周側面61から下面に至るように切り欠かれた段部63が形成されており、蓋部6がベース台部5に取り付けられたときに段部63が本体係止部53を構成するように形成されている。
延設部67は、蓋部6の円弧の端部において、その下面が段部63に接するように形成されている。
また、2個形成された延設部67は、側面視において水平で、平面視においてそれぞれが平行となる方向へ向けて形成されており、各延設部67の間の隙間の大きさは本体部1の柱部2の外径より大きく形成されている。
また、各延設部67の横幅は、本体台部4の本体係合部43の突出の大きさより小さく形成されており、延設部67の上下の厚みは、ベース台部5の貫通穴57の断面の上下の大きさより若干小さく形成されている。
突出部69は、延設部67の先端から突出が開始され、根本方向に至るほど側方へ突出し、突出部69の終端で突出が終わり延設部67へ戻るように形成されており、延設方向へ向くくさび形状に形成されている。
詳細には、上記の突出部69の終端において、突出部69の終端から延設部67に至る突出部69の側面が、延設部67の延設方向と直角に設けられるように形成されている。
また、突出部69は、2個形成された各延設部67において、突出方向がそれぞれ反対方向へ向くように形成されている。
また、突出部69は、突出部分が貫通穴57の内部に収納可能な形状に形成されている。
延設部67と突出部69とを上記のように形成することで、蓋部6の延設部67の先端を、ベース台部5の挿入口52に入れて蓋係合部挿通路59に挿通させれば、蓋部6の端部が挿入口52の端に当接されたときに、突出部69の突出部分が貫通穴57の内部に収納される。
治具7は、長方形の断面形状を有する細長い金属棒から形成された同一形状の2個の治具部材71を軸72によって固定して形成しており、治具部材71は半円形の円弧部73とその一方の端部から延設された柄74を有している。
円弧部73の片方の端部は、円弧部73の径方向外側へ伸びるように延設されて、柄74が形成されている。
円弧部73の中央部分には、その径方向内側へ伸びるように棒状の押圧部75が形成されている。
押圧部75の断面形状は、前記のベース台部5の貫通穴57に挿通可能な大きさに形成しており、押圧部75の長さは貫通穴57の長さより長く形成している。
柄74とは反対側の円弧部73の端部においては、その厚みを半分に形成しており、その厚さ方向へ軸72を挿通可能に形成している。
それぞれの押圧部75を相対させて上記の治具部材71を2個配置し、軸72によって固定して治具7を形成している。
治具部材71は、軸72において緩嵌されており、2個の治具部材71が互いに開閉されるように作動可能に固定されている。
図10は、図9の治具7を開いた状態を示す図である。
図11はベース部Bの貫通穴57に治具7の押圧部75を挿入させている状況を示す図である。
また本実施形態の道路用標示体は、ベース台部5の下面から突出させたアンカーボルト8の雄ねじ部82を、路面に埋設設置させたアンカーナットに螺結させて、設置するように形成されているが、設置方法はこれに限るものではなく、ベース台部5の下面の平坦に形成して、接着剤を用いてベース部Bを路面に接着固定させてもよい。
2 柱部
21 反射シート
22 中空部
23 内周側面
25 補強筒
3 キャップ部
31 空気抜き孔
4 本体台部
42 外周側面
43 本体係合部
44 本体凹部
45 補強筒挿入溝
5 ベース部
51 凹部
52 挿入口
53 本体係止部
55 ボルト装着穴
56 拡幅部
57 貫通穴
58 蓋係止部
59 蓋係合部挿通路
6 蓋部
61 内周側面
63 段部
65 外周側面
67 延設部
68 蓋係合部
69 突出部
7 治具
71 治具部材
72 軸
73 円弧部
74 柄
75 押圧部
8 アンカーボルト
81 雄ねじ部
82 六角頭部
B ベース部
Claims (3)
- 柱形状に形成された本体部と、該本体部と別体に形成されたベース部とを備えた道路用標示体であって、
前記本体部の下端には本体係合部が形成され、
前記ベース部の上面には前記本体部の外周側面の形状に窪んだ凹部が形成され、
該凹部には前記本体係合部と係合可能な本体係止部が設けられ、
前記凹部の側壁には、前記本体部の下端部が側方から出入自在に挿入可能な挿入口と、該挿入口を塞ぐ蓋部とが備えられ、
該蓋部には前記凹部の側壁に設けた蓋係止部に係合可能な蓋係合部が設けられ、前記挿入口に着脱自在に取り付け可能に形成されており、
前記ベース部の挿入口から挿入された前記本体部の本体係合部が前記本体係止部に係合されるとともに、
前記挿入口が前記蓋部によって塞がれて、前記本体部と前記ベース部とが固定されていることを特徴とする道路用標示体。 - 前記蓋係合部が、該蓋係合部への押圧により変位して、前記蓋係合部と前記蓋係止部との係合が解除されるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の道路用標示体。
- 請求項2に記載の道路用標示体に用いられる、前記蓋係合部を押圧することにより該蓋係合部の変位によって前記蓋係合部と前記蓋係止部との係合を解除する押圧装置であって、
棒状の押圧部を備え、
前記ベース部の外側面から前記蓋係止部に至るように形成された貫通穴に前記押圧部を挿入して、
前記蓋係止部に係合された前記蓋係合部を押圧するようになされたことを特徴とする押圧装置。
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