以下、本発明に係る内照式標示体の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。
内照式標示体は、図1に示すように、可撓性を有する中空状の柱体1と、路面などの地面Gに設置可能で、柱体1を立設するためのベース部2と、ベース部2に対して柱体1を固定するための差込部材22と、ベース部2の内部に設けられ、柱体1の内部を照射可能な発光ユニット3とを備える。尚、図1(a)の正面図を基準に、上下方向、左右方向を規定し、図面表裏方向を前後方向と規定する。
柱体1は、図2に示すように、柱状のポール部10と、該ポール部10の下端側に設けられる台部4とを備える。
ポール部10は、中空状の柱状体をなしており、可撓性を有する。このポール部10は、上部に位置する標示部11と、中間部に位置する中間部12と、下部に位置する基部13とを備えており、標示部11と中間部12と基部13とが連設されて一体的に構成されている。また、ポール部10の肉厚は略一定に構成されている。
具体的には、ポール部10は、下方に円筒形状に形成された基部13が設けられて前記台部4に取り付けられており、上方に扁平な外形に形成された標示部11が設けられている。そして前記標示部11と前記基部13との間には、上方から下方に至る程、上方の扁平形状から下方に至るほど円筒形状となる中間部12が形成されている。
標示部11は、中空状の柱状をなす扁平柱状部11aと、扁平柱状部11aの外面に設けられる標示手段11bとを備えている。
扁平柱状部11aは、扁平円形状(楕円形状)の断面に形成されており、左右の幅の大きさが前後の厚みよりも大きな扁平円に形成されている。また、扁平柱状部11aは、下端が中間部12に連設され、上端が閉塞されている。扁平柱状部11aの上端(閉塞端)には、シートS1が貼着されている。扁平柱状部11aの上部(上端近傍)には、貫通穴11cが穿設されている(図1(b)参照)。
シートS1は、帯状に形成されており、光の再帰反射性を備えて構成される。即ち、シートS1は、夜間の視認性を向上させるように、再帰反射性を有する反射部である。シートS1は、帯状の一方の縁がポール部10の前面側に貼着され、ポール部10の上端から後方へ折り返されて、他方の縁がポール部10の後面側に貼着されるように取り付けられている。
貫通穴11cは、丸孔であり、扁平柱状部11aの内部の中空部分と外部とを連通させている。この貫通穴11cは、ポール部10の左右両側にそれぞれ1つずつ形成され、各貫通穴11cにより、ポール部10の内側の中空部分が外側へ通じるようになされている。
標示手段11bは、文字や数字、記号、図形などの標示を施す手段である。具体的には、標示手段11bは、ペンキ、ニス、インク又はこれらが施されたシートなどである。本実施形態では、標示手段11bは、文字や数字、記号、図形などの標示が表面に施され、裏面が貼付(接着)可能なシートS2で構成される。このシートS2の裏面は、扁平柱状部11aの前面側に貼着して設けられている。尚、シートS2は、扁平柱状部11aの後面側や側面側にも設けることができる。また、シートS2は、光の再帰反射性を有するシート(反射部)として構成することもできる。また、標示手段11bは、ペンキ、ニス、インクなどで構成され、塗装や印刷などの方法によって、扁平柱状部11aに直に標示を設けることもできる。
中間部12は、断面が楕円形状の筒状をなしており、前面及び後面の断面形状は、下方から上方に至るほど曲率半径が大きくなるように形成されている。換言すれば、中間部12は、上端が中空状の扁平な柱形状をなし、下端が円筒形状をなすように、上端と下端とを連結する部分である。この中間部12の上端は、標示部11(扁平柱状部11a)に連設され、中間部12の下端は、基部13に連設されている。基部13は、断面略円形状の筒状をなしている。
本実施形態のポール部10は、熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成されているが、これに限らず車両などに踏み倒された後に元の状態に復元する可撓性を備えるように形成可能な材料を好適に用いることができる。例えば、ブタジエンスチレンゴム、ネオプレン、ブタジエンアクリロニトリルゴム、クロロプレン重合体、ブチルゴム、エチレンプロピレンターポリマー、ポリイソブチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、シリコン樹脂、スチレン−ブタジエン系やポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系等のエラストマーなどの各種合成ゴムや合成樹脂等を用いることができ、また押出成形又は射出成形その他成形が可能なものを好適に用いることができる。尚、本実施形態のポール部10は、下部に円筒形状の基部13を備え、その上方に板形状の外形に変化する中間部12と、扁平な外形の標示部11とを備えた形状に設けられているが、本実施形態の柱体1のこれらの形状は1本の筒状のパイプ体を熱プレス加工して形成させている。
また、本実施形態のポール部10は、その上下方向において全体の60%程度の大きさに標示部11を設けている。この大きさは適宜調整できる。但し、標示部11が小さすぎると設けた標示が認識し難くなされるので、ポール部10の上下方向において全体の10%以上の大きさに標示部11に形成させるのが好ましく、50%以上の大きさに形成させるのがより好ましい。
また、本実施形態のポール部10は、その上下方向において全体の20%程度の大きさに基部13を設けている。この大きさは適宜調整できる。但し、基部13が小さすぎると、柱体1が外力を受けて折り曲がるような変形をするときに、中間部12や標示部11で折り曲がり耐久性が低下する恐れがあるので、ポール部10の上下方向において全体の5%以上の大きさに基部13を形成させるのが好ましく、10%以上の大きさに形成させるのがより好ましい。
また、本実施形態のポール部10は、標示部11の前後方向の厚みの大きさを、円筒形状の基部13の外径の50%程度の大きさに設けている。この大きさは適宜調整できる。但し、標示部11の前後の厚みが小さすぎると、変形に対する復元力が低下して、標示部11で折れ曲がるような変形が起こったときに、元の形状へ復元できない恐れがある。このため、標示部11の前後方向の厚みの大きさを基部13の外径の10%以上に形成するのが好ましい。また、標示部11の前後方向の大きさが小さすぎると、標示部11の左右の幅の大きさが小さくなされて、標示部11に標示を大きく形成できない。このため、標示部11の前後方向の厚みの大きさを基部13の外径の70%以下に形成するのが好ましい。
台部4は、図3及び図4に示すように、略円筒形状をなして構成される。台部4は、円筒状の台部本体41と、台部本体41の外周に設けられる凸状の係合部42a,42bと、台部本体41の外周に設けられる蓋部43とを備える。
台部本体41は、筒状の周壁部41aと、周壁部41aの径内方向に設けられる環状部41bと、周壁部41aの中央に設けられる光が通過する通光部41cとを備える。
周壁部41aは、断面略円形状の筒体であり、その肉厚は略一定に構成されている。また、環状部41bは、図3及び図4(b),(c)に示すように、円板状をなしており、詳細には、中央部に孔を有するリング形状をなしている。この環状部41bは、同心円状に形成される環状溝D1,D2を備えている。具体的には、環状部41bは、ドーナツ形状の円板を有する。また、環状部41bは、円板の内周縁から周方向に沿って上方に凸設され、筒状をなす内周壁部と、円板の内周縁と外周縁との中間部から周方向に沿って上方に凸設され、筒状をなす中間壁部とを有する。かかる環状部41bでは、円板の底面(下端面)が周壁部41aの下端から所定長だけ上方に位置するように、円板の外周縁側が周壁部41aの内周に沿って連設されている(図4(b),(c)参照)。
ここで、環状部41bには、同心円状に形成される2つの環状溝D1,D2であって、内径及び外径が大径の環状溝D1と、小径の環状溝D2とが形成されている。具体的には、環状溝D1は、円板と中間壁部と周壁部41aとによって画定される凹状部である。この環状溝D1は、ポール部10の基部13の下端側が挿入されるように構成されている。環状溝D2は、円板と内周壁部と中間壁部とによって画定される凹状部である。この環状溝D2は、ポール部10の基部13の下端側を補強する筒状の補強筒が挿入可能に構成されている。
通光部41cは、孔部であり、上記のように環状部41bの中央部に穿設された孔で構成される。具体的には、通光部41cは、周壁部41aの中心軸線に沿って形成される、径が略一定の丸孔である。尚、通光部41cは、窓部で構成することもできる。具体的には、通光部41cは、丸孔からなる孔部と、該孔部を開閉する開閉体(蓋体)とを備えて構成することもできる。
係合部42a,42bは、略矩形の板形状をなしており、台部4の下端に径外方向へ突出して形成されている(図3参照)。本実施形態の係合部42a,42bは、周壁部41aの外周の周方向に沿って、略等間隔で3つ設けられている。
蓋部43は、ひさし状又は鉤爪状をなしており、台部4の上端に径外方向へ突出して形成されている。本実施形態の蓋部43は、周壁部41aに2つ形成されている。蓋部43の周方向の幅は、係合部42a,42bと略同一である。蓋部43の径外方向への突出の大きさは、係合部42a,42bより大きい。
蓋部43は、平面視において前記3つの係合部42a,42bのうち2つの係合部42bにそれぞれ近接して形成されている(図3、図4(a)参照)。具体的には、本実施形態の各蓋部43は、前記各係合部42bより、周壁部41aの周方向における左回り方向へずれた位置にそれぞれ形成されており、詳細には、前記蓋部43の右回り方向側の側端が、前記係合部42bの左回り方向側の側端の真上に位置するように形成されている。尚、3つの係合部42a,42bのうち残りの係合部42a付近には、蓋部43は形成されていない。
以上の構成からなる柱体1では、ポール部10の下端に台部4が固定されている。具体的には、ポール部10の下端が、台部4の環状溝D1に挿入され、融着されて固定されている。尚、環状溝D2には、ポール部10下端を補強するための補強筒を挿入し、融着固定することができる。この補強筒は、成形の容易さや車両等の踏みつけに対する復元性、耐久性のために、熱可塑性ポリウレタンや軟質ポリオレフィン、エラストマーなどで構成される。このような柱体1は、下端側がベース部2に立設されるようになっている。
ベース部2は、図1及び図5に示すように、平面視略矩形の筐体状をなす。具体的には、ベース部2は、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長く形成されており、高さが外周部から中央部に向かって逓増している。このベース部2は、窪み部2Aを有する筐体状の本体部20と、窪み部2Aに嵌合する凹部枠体21とを備える。
本体部20では、前部と中央部と後部とが内部で仕切られている。図5(b)に示すように、前部と中央部とを仕切る前部壁2Bには、上部にネジ取付孔a、下部に導線孔bがそれぞれ設けられている。後部と中央部とを仕切る後部壁2Cには、下方に導線孔cが設けられている。このように仕切りがなされた本体部20の前部の内部と後部の内部とには、太陽電池などの電源部2Dが収納されている。本体部20の中央部には、窪み部2Aが設けられている。この窪み部2Aは、断面形状が略円形をなし、本体部20の中央部の上面から下端近傍に亘って凹設されている。かかる窪み部2Aには、環状の凹部枠体21が嵌合(内嵌)されている。
凹部枠体21は、図6及び図7に示すように、筒状体の壁部を有してなる。具体的には、凹部枠体21は、柱体1の下端の台部4に対応する形状をなしており、台部4を係脱自在に挿入可能に形成されている。凹部枠体21の肉厚は、台部4が備える蓋部43の径外方向の突出の大きさと略同一または若干大きくなるように構成されている。凹部枠体21の内周側面の下端には、台部4の下端を支持可能な段部21aが周方向に沿って形成されている。この段部21aは、環状をなしており、内周側面の下端から径内方向に突出して設けられている。また、凹部枠体21の内周側面の下端よりも上部には、挿入された台部4の外側面を支持可能な支持面23が形成されている。
具体的には、支持面23は、凹部枠体21(筒状体)の壁部の内側面である。この支持面23には、凹部枠体21の上端から下方へ向けて上下方向の溝形状に形成され、上端開口Kをなす第一凹部23aが設けられており、この第一凹部23aは支持面23の周方向へそれぞれ等間隔に3つ形成されている。各第一凹部23aは、その溝幅の大きさが台部4の係合部42a,42bの横方向の大きさに対応して形成され、その溝の窪みの大きさが、前記係合部42a,42bの突出の大きさに対応して形成されている。具体的には、各第一凹部23aは前記係合部42a,42bを上下方向に挿通可能な大きさに設けられており、台部4を凹部枠体21へ挿入させたときに、台部4の下端に形成された各係合部42a,42bが前記各第一凹部23a内を通るように設けられている。第一凹部23aの径外方向の壁部上端部は、蓋部43の高さと略同一の高さで切り欠かれた第一切欠き部23Aを有する。また、3つの第一凹部23aのうち、2つの第一凹部23aの左周り方向の壁部上端は、蓋部43の高さと幅と略同一の高さと幅で切り欠かれた第二切欠き部23Bを有する。残りの1つの第一凹部23aの上部には、ネジ孔dが穿設されている(図6(b)、図7のB1−B1線断面参照)。また、この残りの1つの第一凹部23aが形成される壁部下端の段部21aには、導線孔eが穿設されている。更に、この導線孔eの位置と対向する段部21aの位置にも、導線孔fが穿設されている(図7のB5−B5線断面参照)。
前記各第一凹部23aの下部側には、そこから周方向に伸びる溝形状の第二凹部23bがそれぞれ形成されている。各第二凹部23bは、平面視において各第一凹部23aから右周り方向へ伸びるように形成されており、図6に示すように、上下方向に伸びる第一凹部23aと、この下端から周方向へ伸びる第二凹部23bとが組み合わされてL字形状の溝部が支持面23に形成されるように設けられている。詳細には、第二凹部23bは、その溝の窪みの大きさが前記係合部42a,42bの突出の大きさと同じ、即ち前記第一凹部23aと同じに形成され、上下方向の溝幅の大きさが前記係合部42a,42bの上下方向の大きさに対応して形成され、その横方向の溝の大きさが前記係合部42a,42bの横方向の大きさに対応して形成されている。即ち、柱体1の台部4を凹部枠体21へ挿入させた後、柱体1(ポール部10)を平面視右回り方向へ回転させたときに、前記各係合部42a,42bが前記各第一凹部23a内から各第二凹部23b内へ進入して収納されるように、前記各第二凹部23bは形成されている。
以上のベース部2では、本体部20の窪み部2Aに凹部枠体21が収納されている(図5参照)。具体的には、本体部20の前部壁2Bのネジ取付孔a及び導線孔bに対して、凹部枠体21の第一凹部23aに形成されたネジ孔d及びその下方向に位置する導線孔eが対応し、本体部20の後部壁2Cの導線孔cに対して、凹部枠体21の導線孔fが対応するように、凹部枠体21は窪み部2Aに収納されて接着固定されている(図5(b)参照)。
ここで、本体部20の窪み部2Aに収納された状態の凹部枠体21の内側領域には、凹状の凹部2Eが形成されている。即ち、凹部2Eは、ベース部2の本体部20の下面20aと、凹部枠体21の支持面23(第一、第二凹部23a,23bの形成面を含む)とで画定される領域である(図5(b)参照)。この凹部2Eは、台部4の係合部42a,42bを係脱自在に挿入可能に構成されている。具体的には、凹部2Eの一部であって、凹部枠体21(筒状体)の壁部の支持面23に形成される第一凹部23aと第二凹部23bとを合わせたL字形状の溝部は、台部4の係合部42a,42bを係脱自在に挿入可能に構成されている。換言すれば、凹部2Eの内部であって、第一凹部23aと第二凹部23bとは、台部4の係合部42a,42bを係脱自在に挿入可能に構成されている。このような凹部2Eには、発光ユニット3が収脱可能(又は、取出し可能)に収納されるようになっている。
かかるベース部2は、その底面を路面に当接させて設置固定される。路面に設置固定させる方法として、ベース部2の底面に接着剤を塗布して路面へ接着固定させる方法を用いることができる。また、ベース部2の設置固定方法はこれに限るものではなく、ベース部2の底面から雄ねじ部分を下方に突出させてアンカーボルトを取り付け、路面に埋設固定させたアンカーナットに螺結させて固定させてもよいし、他の固定方法を用いてもよい。
尚、ベース部2には、台部4(係合部42a,42b)を凹部枠体21(第二凹部23b)に係合させた際に、第一凹部23a(第二切欠き部23Bを近傍に有さない第一凹部23a)に差込部材22が差し込まれるようになっている。
差込部材22は、図8に示すように、上下に長い略長方形状に形成されたピン本体22Aと、このピン本体22Aの前面22aの上端から前方へ突出する板形状の係止突部22Bとが形成されている。尚、係止突部22Bの横幅の大きさは、ピン本体22Aの横幅の大きさと同じ大きさに形成されている。ピン本体22Aは、上下方向の大きさ、横幅の大きさ、厚みの大きさがそれぞれベース部2の第一凹部23aの上下方向の溝の大きさ、溝幅の大きさ、溝の窪みの大きさに対応して形成されており、ピン本体22Aの前面22aが前記第一凹部23aの溝の底面に対応した曲面形状に形成されている。即ち、本実施形態のピン本体22Aは、第一凹部23a内の内部に収納可能な大きさに形成されている。また、ピン本体22Aの後面22bは、ベース部2の支持面23に対応する曲面形状に形成されており、ピン本体22Aが第一凹部23a内に収納されたときに、ピン本体22Aの後面22bが円形に窪む凹部枠体21内へ突出しないように設けられている。ピン本体22Aには、前面22aから後面22bへ貫通するネジ孔gが形成されており、ネジ孔gの内側には雌ねじが形成され、雄ねじを螺入可能に形成されている。かかる差込部材22は、第一凹部23aに差込可能に構成されており、本実施形態の差込部材22は、第二切欠き部23Bを近傍に有さない第一凹部23aであって、ベース部2の長手方向に形成される第一凹部23a(図5(a)参照)に対して差し込まれるように構成されている。
発光ユニット3は、柱体1の内部を照射するように構成されている。この発光ユニット3は、図9に示すように、凸型をなしている。具体的には、発光ユニット3は、光を照射する光源部31と、光源部31を保護するカバー体32と、光源部31を設置する基板33と、基板33を載置させる取付用台座34とを備えており、一体的に構成されている。
光源部31は、例えばLEDで構成され、一又は複数のLEDを用いることができる。本実施形態の光源部31は、3つのLEDで構成されている。尚、光源部31の数は、3つでなくとも、2つ以下又は4つ以上で構成することもできる。
カバー体32は、光源部31を覆うように構成される。本実施形態のカバー体32は、凸型をなしており、上面が閉塞し、下面が開口している。このカバー体32は、下部が中空状の四角柱部32aをなし、上部が小径の筒状部32bをなしている。下部の四角柱部32aの断面形状は、上部の筒状部32bの断面形状よりも大きい。下部の四角柱部32aの下端は開口しており、上部の筒状部32bの上端は閉口し(閉塞され)ている。下部の四角柱部32aの上端と上部の筒上部32bの下端とは、連結部32cで連結されている。かかるカバー体32は、光の透過度が高い素材で構成され、本実施形態では、透明性と耐衝撃性とが高いポリカーボネート樹脂で構成されており、略透明に構成されている。尚、カバー体32は、アクリル樹脂で構成することもできる。
基板33は、光源部31を固定して配線するための電子回路基板である。本実施形態の基板33は、略矩形の板状体をなしており、詳細にはプリント基板で構成され、その表面に樹脂コーティングがなされている。取付用台座34は、基板33を取付けて結線可能に構成される。本実施形態の取付用台座34は、略矩形の板状体をなしており、詳細にはアルミ板で構成される。このアルミ板は、強度が高くて重量が軽いという特性を有する。
以上の発光ユニット3は、取付用台座34に基板33が載せられ、基板33上面に光源部31が突設される。また、カバー体32は、光源部31と基板33とを覆うようにして、取付用台座34の周縁部に下端が立設されている。具体的には、カバー体32は、四角柱部32aが基板33の側面を密着又は離間して保護し、連結部32cが基板33上面の周縁部を密着又は離間して保護し、筒状部32bが基板33上面の中央部側と光源部31とを離間して保護するように、光源部31と基板33とを覆っている。このように、発光ユニット3は、一つのユニットとして一体的に構成されている。
以上の構成からなる内照式標示体では、図1及び図10に示すように、ベース部2は地面Gに設置され、発光ユニット3は、ベース部2の凹部2Eの内部に出し入れ自在に、内部下面20aに載置されて収納されている。尚、このとき、発光ユニット3がベース部2に対して着脱不能な状態となるように、発光ユニット3の取付用台座34の下面は、ベース部2の内部下面20aに対して取付具(例えば、接着剤、若しくはネジやボルト等)を用いて取付(接着)固定することもできる。発光ユニット3とベース部2の電源部2Dとは、ベース部2の導線孔b,cを挿通するリード線Lによって電気的に接続されている。また、台部4の係合部42a,42bは、ベース部2の凹部2Eの内部の第一凹部23aと第二凹部23bで凹部枠体21に係脱可能に係合している。ポール部10は、台部4に下端側が取付けられてベース部2に対して立設している。
ここで、発光ユニット3は、通光部41c(孔部)を介して、立設された柱体1の内部を照射するように、カバー体32の上端が通光部41c(孔部)の上端開口縁Eよりも下方に位置するように通光部41c(孔部)に納められている。具体的には、発光ユニット3の四角柱部32aより下側の部分であって基板33や取付用台座34を含む部分は、台部4の環状部41bよりも下方の周壁部41aと凹部枠体21の段部21aとによって形成される隙間(収納領域P)に収納されている。発光ユニット3の四角柱部32aより上側の部分であって筒状部32bや光源部31の一部を含む部分は、台部4の環状部41bの内側、即ち通光部41c(孔部)に収納されている。発光ユニット3のカバー体32の上面32Aは、環状部41bの内径側の壁部であって、内周を画定する壁部の上端縁Eよりも下方に位置している。
このような内照式標示体の組み立てについて説明する。まず、ベース部2の凹部2Eの内部に発光ユニット3を収納する。そして、凹部枠体21と台部4の係合部42a,42bとを係合させて、柱体1をベース部2に対して立設する。この柱体1を立設したベース部2を地面Gに設置する。
上記の係合では、図11に示すように、蓋部43が第二切欠き部23Bに対応するように、各係合部42a,42bを各第一凹部23aへそれぞれ挿入させて、台部4を凹部枠体21へ差し込んだ後(図11(b)参照)、柱体1を平面視の右回り方向へ回転させれば、各係合部42a,42bは各第二凹部23b内へ進入する(図11(c)参照)。詳細には、第二凹部23bの横方向の大きさは、係合部42a,42bの横方向の大きさに対応して形成されているので、前記各係合部42a,42bがその横方向の大きさ分だけ移動するように柱体1を回転させれば、前記各係合部42a,42bはそれぞれ第二凹部23b内に進入してその内側に収納される。このように各係合部42a,42bをそれぞれ第二凹部23b内に収納させることで、台部4が凹部枠体21から上方向へ抜けることがなくなり、柱体1がベース部2へ取り付けられる。また逆に、柱体1を平面視の左方向へ回転させれば、各係合部42a,42bが逆戻ってそれぞれ第一凹部23aへ進入するので、柱体1を上方向へ引き抜き、ベース部2(凹部枠体21)から取り外すことができる。
ここで、図11(b)に示すように、各係合部42a,42bを各第一凹部23aへそれぞれ挿入させて、前記柱体1の台部4を凹部枠体21へ差し込んだとき、各第一凹部23aの上端開口Kが露出された状態となる。このようにベース部2と台部4との間に開口Kが露出されると、当該開口Kには内照式標示体の使用過程で砂やゴミなどが侵入して、第一凹部23aや台部4の側面などを損傷させたり、ベース部2から柱体1を取り外す際の障害となる恐れがある。本実施形態の台部4には、2つの係合部42bに近接して、蓋部43がそれぞれ形成されている。各蓋部43は、前記各係合部42bの真上より平面視の左回り方向へずれた位置にそれぞれ形成されており、図11(b),(c)に示すように各係合部42bをそれぞれ第一凹部23aへ差し込んだ後、柱体1を平面視の右回り方向へ回転させれば、第二切欠き部23Bから第一切欠き部23Aに各蓋部43が移動して第一凹部23aの真上に位置するように設けられる。従って、各蓋部43は、横方向の大きさが前記係合部42a,42bと同じに形成され、外側方向への突出の大きさが前記係合部42a,42bより大きく形成されているため、前記係合部42a,42bに対応する横幅と窪みの大きさに形成された第一凹部23aの開口Kが、真上に位置する各蓋部43に覆われるようになされ、開口Kからの砂やゴミなどの侵入が抑制される。
一方、柱体1の台部4をベース部2(凹部枠体21)へ挿入させ、回転操作させたとき、係合部42bを挿入させた第一凹部23aの上端開口Kは、近接して設けられた蓋部43により塞がれるが、係合部42aを挿入させた第一凹部23aは、蓋部43が設けられていないため、開口Kが露出された状態となる。本実施形態では、この開口Kを塞いで、柱体1(台部4)の回転を係止するために、差込部材22が用いられる。即ち、図11(c)に示すように、この差込部材22を第一凹部23aへ上方から差し込むことで、前記係合部42aがこの差込部材22に係止されて、前記係合部42aが前記第一凹部23aへ逆戻るような柱体1の回転が防止され、ベース部2へ柱体1が安定的に取り付けられる。また、第一凹部23a内の内部に収納された差込部材22によって前記開口Kが塞がれるので、第一凹部23a内への砂やゴミなどの侵入が防止される。尚、差込部材22を第一凹部23aから取り外せば、柱体1を逆方向へ回転させることができる状態となり、係合部42a、42bをそれぞれ第二凹部23bから第一凹部23aへ進入させて、柱体1をベース部2から取り外すことができる。
差込部材22が第一凹部23aへ挿入されたときには、突出する係止突部22Bは、第一切欠き部23Aに嵌め込まれている(配置される)。また、差込部材22は、第一凹部23a内に収納されて取り付けられており、その後面22bが凹部枠体21内へ突出していない。尚、ベース部2に取り付けた差込部材22を取り外す際には、係止突部22Bとベース部2との間に工具などを差し入れて、差込部材22を上方へ容易に抜き取ることができる。
このように、差込部材22が第一凹部23aへ挿入された状態で、このベース部2(本体部20)の前部壁2Bのネジ取付孔aにビスTを挿通させて、凹部枠体21のネジ孔dと差込部材22のネジ孔gとに螺合させる。即ち、差込部材22をベース部2にビス止めする。従って、差込部材22が第一凹部23a内に収納されてビス止めされることで、柱体1の回転が規制されてベース部2(第一凹部23a)から抜けて外れることが防止され、柱体1(台部4)はベース部2(第一凹部23a)に安定的に取り付けられる。また、ビスTをネジ孔gから螺脱させてネジ孔dから取り外せば、差込部材22をベース部2から取り外して、柱体1をベース部2から取り外すことができる。
以上の内照式標示体にあっては、ポール部10の下端側は台部4を有しており、ポール部10の破損し易い下端側の肉厚を台部4によって増やしている。また、柱体1の台部4の係合部42a,42bは、凹部枠体21の第二凹部23bでベース部2に係脱可能に係合してベース部2に自在に係脱される。また、発光ユニット3は、一体的に構成されており、凹部2Eに収脱自在に収納される。この発光ユニット3は、通光部41c(孔部)を介して、立設された柱体1の内部を照射して、柱体1を内部から発光させる。また、柱体1が外力を受けて撓んだ際には、この撓んだ柱体1の倒れ込みは、孔部の上端開口縁Eを形成する台部4の部位(環状部41bの内径側の壁部)で遮られる。
以上のように、本実施形態に係る内照式標示体によれば、柱体1の下端側は台部4を有しているので、柱体1の破損し易い下端側の肉厚を台部4によって増やして強度を向上させることができる、即ち、柱体1の下端側を補強できる。従って、本内照式標示体では、耐久性を向上することができる。
また、本内照式標示体では、ベース部2は凹部2Eを有し、柱体1の台部4は凹部2Eの内部でベース部2に係脱可能に係合する係合部42a,42bを有しているので、台部4の係合部42a,42bをベース部2に自在に係脱させて柱体1をベース部2に容易に着脱することができる。また、本内照式標示体では、発光ユニット3は凹部2Eに収納されるように構成されているので、発光ユニット3を凹部2Eに対して収納或いは取出しすることで、発光ユニット3をベース部2に容易に着脱することができる。具体的には、本内照式標示体では、発光ユニット3は凹部2Eに収脱可能(又は、取出し可能)に収納されているので、発光ユニット3を凹部2Eに自在に収脱させて発光ユニット3をベース部2に容易に着脱することができる。尚、発光ユニット3を凹部2Eに収納した後は、発光ユニット3をベース部2に対して取付具を用いて着脱不能な状態に保持することが可能である。具体的には、凹部2Eに収納した発光ユニット3は、ベース部2に対して着脱不能な状態となるように、取付具を介して取付固定することが可能である。従って、本内照式標示体では、施工性を向上することができる。
更に、本内照式標示体にあっては、台部4は光が通過する通光部41cを有し、発光ユニット3は、前記通光部41cを介して、立設された柱体1の内部を照射するように構成されているので、発光ユニット3は、通光部41cを介して柱体1の内部を照射して、柱体1を内部から発光させることができる。従って、本内照式標示体では、柱体1を目立たせることができ、視認性を向上することができる。
また、本内照式標示体にあっては、通光部41cは台部4に形成された孔部であり、発光ユニット3の上端は、孔部の上端開口縁Eよりも下方に位置するように孔部に納められるので、柱体1が外力を受けて撓んだ際、倒れ込む柱体1を、孔部の上端開口縁Eを形成する台部4の部位で遮ることができ、孔部の上端開口縁Eよりも下方への柱体1の倒れ込みを防止することができる。従って、本内照式標示体では、発光ユニット3を確実に保護することができる。
また、ポール部10の上端にシートS2が設けられているので、ポール部10上端の前後に対向する筒壁の接着が剥がれにくくなされ、ポール部10上端の扁平形状がより強く保持することができる。
また、ポール部10の上端側には、貫通穴11cを設けられているので、ポール部10に車両などが接触して、ポール部10が折れ曲がるなどして変形したときに、変形したポール部10内部の空気が貫通穴11cを通り道として外部へ排出されるので、内部の空気の圧力増大によるポール部10の破裂などの損傷を防止できる。また、この貫通穴11cは、ポール部10の上端付近に形成されているので、ポール部10が根本付近の基部13で折れ曲がるように変形したときでも、内部の空気を効率的に外部へ排出できる。
また、標示手段11bは、中間部12又は基部13よりも曲率半径が大きく形成される扁平円部の前面に設けられているので、その標示内容をより認識しやすく標示させることができる。
また、標示部11の断面形状は、左右の幅が前後の厚みより大きくなされた扁平円形状に形成されている。従って、幅方向の中央部分が側部より膨らむような断面形状となるように、その前後の厚みが設けられることで、標示部11を扁平板形状に形成した場合と比較してその断面強度が増大し、自重や風を受ける等の要因による撓みなどの変形が標示部11に容易に生じにくくなされて、標示部11に設けた標示がよく視認できる。
また、標示部11は、幅方向の中央部分が側部より膨らむような断面形状にすることで、扁平板形状の断面と比較して折れ曲がりに対する強い復元力を備えるので、柱体1に車両などが接触して標示部11の部分で折れ曲がるような変形が生じた場合でも、元の形状に復帰しやすくできる。
また、差込部材22は、第一凹部23a内に収納されて取り付けられており、その後面22bが凹部枠体21内へ突出していない。このため、凹部枠体21に支持されて立設された柱体1へ車両などが衝突したときに、その衝撃が差込部材22やビスTへ集中することがなく、差込部材22やビスTの破損が抑制されて、柱体1がベース部2へ安定的に取り付けることができる。
また、ベース部2の第二凹部23bの上下方向の溝幅の大きさは、前記係合部42a,42bの上下方向の大きさに対応して形成されているので、各係合部42a,42bの上面が各第二凹部23bの上側面に当接されて第二凹部23b内に収納され、柱体1に車両が衝突するなどの衝撃が与えられたときでも、第二凹部23b内で係合部42a,42bのガタつきが抑制され、柱体1はベース部2に安定的に取り付けることができる。
尚、本発明に係る内照式標示体は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、発光ユニット3のカバー体32は、下部が中空状の四角柱部をなし、上部が小径の筒状部をなして構成される場合について説明したが、これに限らず、発光ユニット3のカバー体32は、図12(a),(b)に示すように、上端が閉塞される円筒状をなし、基板33の周部より立設させるように構成することができる。この場合、図12(c)に示すように、発光ユニット3は、カバー体32の上端32Aが通光部41c(孔部)の上端開口縁Eよりも下方に設けられ、基板33や取付用台座34が収納領域P(台部4の環状部41bよりも下方の周壁部41aと凹部枠体21の段部21aとによって形成される隙間)に収納されるように構成することができる。
更に、発光ユニット3は、図13(a),(b)に示すように、取付用台座34が平面視略円形状の平板状をなし、カバー体32が取付用台座34と略同径で上端が閉塞する円筒状をなすように構成することができる。この場合、図13(c)に示すように、発光ユニット3は、カバー体32の上端32Aが通光部41c(孔部)の上端開口縁Eよりも下方に設けられ、基板33や取付用台座34が通光部41c(孔部)の下方領域に配置(収納)されるように構成することができる。
また、本実施形態の柱体1は、標示部11の断面を扁平円形状に形成させているが、標示部11の断面形状はこの形状に限るものではなく、図14(a)に示すように、標示部11は、円筒状に形成したり、図14(b)に示すように、中空状の平板状であって、左右方向の幅が基部13の外径よりも大きい平板状に形成することができる。更に、標示部11は、幅方向の中央部分が側部より大きな厚みとなされた種々の断面形状に形成させることができる。
また、本実施形態のベース部2では、窪み部2Aと凹部枠体21とを別体で構成し、本体部20の窪み部2Aに凹部枠体21が収納されて、凹部枠体21の内側領域に凹部2Eが形成される場合について説明したが、これに限らず、ベース部2では、窪み部2Aと凹部枠体21とを一体で構成し、その一体で構成された凹部枠体21の内側領域に凹部2Eを形成することもできる。
また、本実施形態の通光部41cは、孔部で構成される場合について説明したが、これに限らず、通光部41cは、透光(通光)性を有する部材で構成することができる。例えば、通光部41cは、透明度の高い板状体で構成することができる。
また、本実施形態の差込部材22は、ベース部2の長手方向に形成される第一凹部23aに対して差し込まれるように構成される場合について説明したが、これに限らず、第二切欠き部23Bを近傍に有さない第一凹部23aがベース部2の短手(幅)方向に形成され、この第一凹部23aに対して、差込部材22が差し込まれるように構成することもできる。