JP2018071240A - 道路保安用器具 - Google Patents

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Shigetoshi Takada
重利 高田
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Abstract

【課題】柔軟に屈曲する屈曲性及び迅速に自己復元する復元性を有し、耐久性が優れた上、構造がシンプルであり、かつ、ドライバーへの視認性に優れた視線誘導標を提供すること。【解決手段】路面に設置される台座10と、前記台座に立設され交通標示部材が設けられた所定長さの交通標示柱20、50を備え、前記交通標示柱は、内部に中空孔を有する中空筒体21、22、51を備え、前記中空筒体は、顔料により着色された所定の透光性を有する熱可塑性エラストマーにより中空形態に一体成形されている。【選択図】図1

Description

本発明は、道路保安用器具に係り、さらに詳しくは、視線誘導施設に設置される視線誘導標やコーン形標識器具に関する。
一般道路や高速道路などには、センターライン、車線変更線、分離帯などに、交通の安全及び円滑化を図るために、視線誘導標、道路標識柱、車線分離標、及びラバーポールなどと称される資材、並びに、工事区間、通行禁止区間、駐車禁止区間等を表示するために設置されるコーン形標識器具、保安用標識器具、セーフティーコーン、ロードコーン、パイロンと称される資材(以下、これらを総称して施設資材ともいう。)が設置されている。これらの施設資材は、自然光の下で車輛ドライバーからの視認性が良好である必要があるので色彩が鮮やかである上、雨天、夜間などでは視界が悪くなるので、このような状況下でも車輌ドライバーが容易に認識できる視認性も要求される。また、車輌などが接触或いは衝突して損傷或いは折損などするので、それに耐える強靭性及び耐久性を要求されている。さらに経時変化に伴って劣化或いは故障などするので、簡単に補修ができる易メンテナンス性など、様々な仕様が要求されている。これらの要求に応えるべく、材料、顔料、形状、構造などを工夫した様々な施設資材が提案されている。
耐久性を工夫したものは、例えば下記特許文献1、2に紹介されている。特許文献1に記載の道路標識柱は、他物の接触或いは衝突によって曲り変形可能な中空ポール本体と、この中空ポール本体の下端部に内嵌可能な突出部分及び路面への接地環状部分を有するベースと、中空ポール本体に外嵌可能な内孔及びベースの接地環状部分に対向する環状部分を有するリングとを備え、中空ポール本体は、その下半部分の周壁に補強用リブが形成されたものとなっており、変形可能な中空ポール本体はウレタン樹脂で一体成形されている。この道路標識柱によれば、車輌などの他物が接触或いは衝突したときに、その上半部分の曲り変形により衝撃を吸収し、接触或いは衝突力の解除に伴い起立姿勢に弾性復元する。
特許文献2に記載の可倒式視線誘導標識柱は、ポールの壁が内層と外層とによって構成され、内層が顔料を混入された汎用ポリウレタン系熱可塑性エレストマー、外層が内層とは異なる種類の透明なポリウレタン系熱可塑性エレストマーからなっていると共に、外層の外表面に再帰反射シート、蛍光塗料などからなる反射標識体が設けられている。この可倒式視線誘導標識柱によれば、紫外線を反射することにより内層自体の黄変、顔料の褪色などを防いで、長期間にわたるポールの色調を変化させることがない上に、内層及び外層がいずれもポリウレタン系熱可塑性エレストマーからなるため、車両がポールに接触しても、ポールがスムーズに曲がるようになる。
また、視認性を向上したものは、例えば下記特許文献3〜6に紹介されている。特許文献3に記載の道路用表示部材は、内側に中空部を備えたパイプ形状の内層と、この内層の外側面を覆う外層とが設けられ、内層は着色顔料を含有しない透明性を有するポリエチレン樹脂によって形成され、外層は蛍光顔料を含有する透光性を有するポリエチレン樹脂で形成されている。この道路用表示部材は、透過する光によってその蛍光色が鮮やかに視認され、視認性を高めることができる。
特許文献4に記載の視線誘導標識柱は、ポリウレタンから構成されている白色のパイプ本体の外周に、透明無黄変ウレタン材料中に蓄光材を混入して成形されているアウターパイプを被覆してなる。この視線誘導標識柱によれば、夜間に蓄光材が発光すると、白色のパイプ本体は白色反射層として機能し、昼間においても白色のパイプ本体の反射により高い視認性を与えることができる。
特許文献5に記載の自発光式道路標示体は、支柱の上端部に太陽電池とコントローラと蓄電池とからなる太陽電池ユニットを取付けたものである。この自発光式道路標示体によれば、夜間や降雪時でも、必要な視認性を確保し、運転者の視線誘導が可能になる。
また特許文献6に記載の自発光式デリネータは、縦長円筒形の透明パイプ内に組み込まれた発光部と、この発光部の発光体を点灯させる太陽電池部とを備えたものである。このデリネータによれば、着雪状態でも必要な視認性を確保し、運転者の視線誘導が可能になる。
特開2010−168897号公報 特開平8−158320号公報 特開2012−132152号公報 特開2012−107388号公報 特開平6−108425号公報 特開2009−275424号公報
上記特許文献1に記載の道路標識柱は、周壁にリブを設けているので、周壁面が外部へ突出し、美観を損ないデザイン性に難があり、またリブ間に汚染物が付着し易く、クリーニングが困難である。また、上記特許文献2に記載の可倒式視線誘導標識柱は、ポールの壁が内層と外層とによって構成され、内層が顔料を混入された汎用ポリウレタン系熱可塑性エレストマー、外層が内層とは異なる種類の透明なポリウレタン系熱可塑性エレストマーからなっているため、特性が異なる2種類の材料が必要となり、また2層構造となるためコスト増となる。
また、上記特許文献3に記載の道路用標示部材は、視認性を高めるために内側と外層の2層構造とし、前記内層は着色顔料を含有しない透明性を有するポリエチレン樹脂によって形成され、前記外層は蛍光顔料を含有する透光性を有するポリエチレン樹脂で形成されているため、特性が異なる2種類の材料が必要となり、また2層構造となるためコスト増となる。一方、特許文献4に記載の視線誘導標識柱は、ポリウレタンから構成されている白色のパイプ本体の外周に、透明無黄変ウレタン材料中に蓄光材を混入して成形されているアウターパイプを被覆してなり、特性が異なる2種類の材料が必要となり、また2層構造となるためコスト増となる。また、特許文献5に記載の自発光式道路標示体は、支柱に鋼管が使用されるため、車両が衝突した際に車両に与える損傷が大きくなる恐れがある。さらに、特許文献6に記載の自発光式デリネータは、支柱の上端部に下部キャップを介して透明パイプを固定するものであり、車両の衝突に対する耐久性を考慮したものではない。
以上、上記特許文献に記載のものは、いずれも課題を抱えている。そこで、本発明の目的は、車輛ドライバーへの視認性に優れ、柔軟に屈曲する屈曲性及び迅速に自己復元する復元性を有し、耐久性が優れ、かつ、構造がシンプルである視線誘導標を提供することにある。
本発明の他の目的は、夜間など視界が悪い状況下でもドライバーへの視認性を高めた自発光型の視線誘導標を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、発光体を点灯・点滅させてドライバーへの視認性をさらに高めた自発光型の視線誘導標を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成できる。すなわち、本発明の第1の態様の道路保安用器具は、路面に設置される台座と、前記台座に立設され交通標示部材が設けられた所定長さの交通標示柱を備えた道路保安用器具において、前記交通標示柱は、内部に中空孔を有する中空筒体を備え、前記中空筒体は、顔料により着色された所定の透光性を有する熱可塑性エラストマーにより中空形態に一体成形されていることを特徴とする。
第2の態様の道路保安用器具は第1の態様の道路保安用器具において、前記透光性を有する熱可塑性エラストマーの光透過率が10%以上、90%以下の範囲であることを特徴とする。
第3の態様の道路保安用器具は第1又は第2の態様の道路保安用器具において、前記熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とする。
第4の態様の道路保安用器具は第1〜3のいずれかの態様の道路保安用器具において、前記中空筒体は、円筒形又は楕円筒形であることを特徴とする。
第5の態様の道路保安用器具は第1〜3のいずれかの態様の道路保安用器具において、前記中空筒体は、角柱形であることを特徴とする。
第6の態様の道路保安用器具は第1〜3のいずれかの態様の道路保安用器具において、前記中空筒体は、略円錐形又は略角錐形であることを特徴とする。
第7の態様の道路保安用器具は第1〜6のいずれかの態様の道路保安用器具において、前記中空筒体の外周には前記交通標示部材として反射体が設けられていることを特徴とする。
第8の態様の道路保安用器具は第1〜7のいずれかの態様の道路保安用器具において、前記中空筒体の内部には発光体が設けられていることを特徴とする。
第9の態様の道路保安用器具は第1〜8のいずれかの態様の道路保安用器具において、視線誘導標又はコーン形標識器具であることを特徴とする。
第1の態様の道路保安用器具によれば、中空筒体は、顔料により着色された所定の透光性を有する熱可塑性エラストマーにより中空形態に一体成形されていることにより発色性がよく、視認性が高く、道路保安用器具に車輌などが接触或いは衝突し、強い衝撃力が加わっても、熱可塑性エラストマーにより中空形態に一体成形された中空筒体が容易に屈曲するので、視線誘導標の折損乃至座屈を防止できると共に、応力解除後は迅速に復元する。また、中空筒体は熱可塑性エラストマーにより中空形態に一体成形されているので、構造は簡単であり、製造が容易で、低コストである。
第2の態様の道路保安用器具によれば、中空筒体の発色性を向上でき、より視認性を高めることができる。
第3の態様の視線誘導標によれば、中空筒体が、顔料により着色された所定の透光性を有する熱可塑性ポリウレタンにより中空形態に一体成形されていることにより発色性がよく、視認性が高く、かつ、柔軟に屈曲する屈曲性及び迅速に自己復元する復元性を有し、耐久性にも優れる。
第4の態様の視線誘導標によれば、単純な形状であるので、製造が容易となり、よりコストを低減できる。
第5の態様の視線誘導標によれば、中空筒体の形状の自由度を向上できると共に、中空内部に回路基板あるいは制御箱等の大型部材を挿入しやすくできる。
第6の態様の視線誘導標によれば、特にコーン形標識器具のコーン部の形状に適している。
第7の態様の視線誘導標によれば、夜間など視界が悪い状況下でもドライバーへの視認性を高めることができる。
第8の態様の視線誘導標によれば、夜間など視界が悪い状況下で発光体を点灯・点滅させてドライバーへの視認性をさらに高めることができる。
第9の態様の視線誘導標によれば、特に、視線誘導標又はコーン形標識器具に適用することができる。
本発明の実施形態1に係る視線誘導標の外観斜視図である。 図1の台座の断面図である。 本発明の実施形態2に係る視線誘導標の外観斜視図である。 図3の発光体制御箱の分解斜視図である。 本発明の実施形態3に係る視線誘導標の外観斜視図である。 本発明の実施形態4に係る視線誘導標の外観斜視図である。 図7Aは図6の視線誘導標を構成する中空角柱体の斜視図、図7Bは図7Aの根元部分の拡大斜視図である。 図8Aは図7AのVIIIA部分の拡大側面図、図8B〜図8Dは図8Aの隅角部のRを模試図示した側面図である。 本発明の実施形態5に係る視線誘導標の外観斜視図である。 図9の分解斜視図である。 図9の発光体制御箱の分解斜視図である。 視線誘導標の屈曲性評価実験の斜視図である。 図12の実験結果を示した評価図である。 本発明の実施形態6に係る視線誘導標の外観斜視図である。 本発明の実施形態7に係る視線誘導標の外観斜視図である。 図16Aは図15の正面図、図16Bは図15の上面図である。 本発明の実施形態8に係る視線誘導標の外観斜視図である。 図18Aは図17の正面図、図18Bは図17の上面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る道路保安用器具を説明する。但し、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための道路保安用器具を例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。なお、道路保安用器具の具体例として、実施形態1〜6では視線誘導施設に設置される視線誘導標について、実施形態7〜8では、コーン形標識器具について説明するが、本発明の道路保安用器具には、視線誘導標及びコーン形標識器具だけではなく、道路上に設置される標識器具である道路保安用器具についてあらゆる種類のものが包含される。なお、特許請求の範囲の「交通標示柱」という用語は、視線誘導柱20及びコーン部50を包含する。
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る視線誘導標1について、図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は本発明の実施形態1に係る視線誘導標の外観斜視図である。図2は道路面に設置した状態の台座を垂直方向で切断した断面図である。
本発明の実施形態1に係る視線誘導標1は、路面に設置される台座10と、この台座に立設され反射体などの交通標示体が装着された所定長さの視線誘導柱20とを備え、視線誘導柱20は、内部に所定大きさの中空孔を有する中空円柱体21からなる構成を有している。ここで、視線誘導柱20は、特許請求の範囲の「交通標示柱」に相当する。
まず、図2を参照して、視線誘導標1の台座を説明する。台座10は、路面2に設置される円形状で底面が平坦な設置面11と、この設置面と対向し設置面より小面積の円形状の頂部面12とを有し、所定高さの断面形状が台形状の台座本体からなり、合成樹脂成形体で形成されている。この台座本体は、熱可塑性樹脂で形成されている。この熱可塑性樹脂は特定のものに限定されるものでなく、既に公知のものでよい。具体的にはPET、PBT、ポリプロピレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などである。
この台座10は、頂部の中心部に、頂部面12から設置面11へ向けて貫通したボルトの挿通孔14と、この挿通孔14の外周囲に頂部面12から設置面11へ所定深さ凹ませて中空円柱体21の根元部分が差込み固定される環状凹み溝15とを有し、挿通孔14は、ボルト16の脚部16bが挿通される脚部挿通孔14aと、ボルト16の頭部16aが固定される凹み穴14bとで構成されている。また、対向する傾斜面13に、ボルト18が挿通される複数個の貫通孔19(図1参照)が形成されている。なお、この台座10は、この形状のものに限定されるものでなく、例えば、台座10の傾斜部を一部切除した形状にしたものでもよい。また、この台座10の高さHは例えば50mmである。
次に、図1を参照して、視線誘導柱20を説明する。視線誘導柱20は内部に中空孔を有し、頂部側に略円形の上面を有し、底部側は開口された有底円筒状で、所定の径及び肉厚を有するの中空円柱体21からなる。したがって、中空円柱体の高さ方向と垂直に切った断面は略円形である。本実施形態では中空円柱体の肉厚は、どこでも略同一であり、例えば2〜8mm程度、具体的には例えば3mmである。
中空円柱体21の側面の根元端部の近傍には、台座10に設けられた貫通孔19と対応する位置に、ボルト18(図10を参照。)を挿通するボルト挿通孔23a、23b(図7A、図10を参照。)が設けられている。なお、視線誘導標の高さHは例えば650mm、直径は例えば50〜120mm程度、具体的には例えば92mmである。また、高さHの別の例は800mmである。
また、図1では、中空円柱体21の頂部側は平面な略円形であるとしたが、平面ではなく上向きに凸となる曲面であってもよい。この場合において、頂部側の曲面と側面との間に所定のR(アール)が設けられ、頂部側から側面にかけて連続した曲面で構成されていてもよい。さらに、ここでは中空円柱体21の形状が円筒形である例を説明しているが、本発明では中空円柱体21の形状はこれに限らず、例えば、中空円柱体21の高さ方向と垂直に切った断面が楕円形のもの(この場合、頂部側の底面の形状も楕円形となる。)でもよく、円錐形、円錐台であってもよい。
中空円柱体21は、透光性を有する熱可塑性エラストマーを顔料で着色した材料で構成されている。この透光性を有する熱可塑性エラストマー(TPE)は、例えば、ポリエステル系TPE、ポリウレタン系TPE、ポリオレフィン系TPE、ポリスチレン系TPE、ポリアミド系TPE、アイオノマー系TPE、ジエン系TPE、ポリ塩化ビニル系TPE、ポリ塩化ビニル/ポリウレタンポリマーアロイTPE、熱可塑性樹脂とゴムとの混合物等などである。これらの熱可塑性エラストマーの中でも、成形の容易さ及び車輌の接触乃至衝突などに対する復元性、耐久性などを考慮すると、熱可塑性ポリウレタン、軟質ポリオレフィンが好ましい。本実施形態では、熱可塑性ポリウレタンを用いた例を説明する。
また、中空円柱体21を構成する透光性を有する熱可塑性エラストマーには、顔料を混入したものを使用する。顔料の色は、例えば橙色や緑色であり、また蛍光性の顔料を用いることもできる。この中空円柱体21は、射出成形により形成される。
次に、中空円柱体21の製造方法を説明する。まず、着色ペレットを製造する。着色ペレットは、透明性を有する熱可塑性ポリウレタンに所定量の顔料及び必要に応じて添加剤を混合して、製造される。着色ペレットにおける顔料の混合割合は、例えば0.05〜60.0質量%である。この時の顔料の混合割合は、光透過率、中空円柱体21の各部の寸等を考慮して適宜決定する。光透過率は、10%以上、90%以下の範囲で適宜決定される。そして、この着色ペレットを用いて射出成型することにより、中空円柱体21を製造する。この際の射出成型には、公知の手段を用いることができる。
なお、ここでは透明性を有する熱可塑性ポリウレタンに顔料等を混合して着色ペレットを製造し、その後、この着色ペレットを用いて射出成型することにより中空円柱体21を製造するようにしたが、本発明ではこれに限定されるものではなく、例えば、射出成型時に、顔料を含有しない透明性を有する熱可塑性ポリウレタンのペレットと顔料と必要に応じて添加剤とを混合したり、あるいは、予め高濃度の顔料を混合して製造しておいた着色ペレットと透明ペレットとを所定割合で混合したりする製造方法を用いてもよい。
また、本発明では、中空円柱体21の各部の寸等を考慮して顔料の混合割合を決定したが、これに限定されるものではなく、例えば、顔料の混合割合に応じて強度に問題がない範囲で中空円柱体21の肉厚を変更するようにしてもよい。
光透過率を適宜設定することで、自然光のもとでドライバーから観て視線誘導柱20は非常に鮮やかな色として視認され、視認性を向上することができる。透光性を有しない視線誘導標の場合には、視線誘導標の表面で反射した光の色だけがドライバーに視認される。これに対して、本実施形態では、中空円柱体21が適宜の透光性を有しているため、中空円柱体21の表面に加え、その肉厚にわたる領域での反射・拡散光がドライバーに視認されることに加え、ドライバーから観て反対側の面から入射した光がドライバーから観て正面側に出射することになるため、照度が大きく、顔料の色も鮮やかに視認される。
また、図1に示されるように、中空円柱体21の外周面には交通標示体として、中空円柱体21の高さ方向に間隔を置いて複数箇所(図1では4箇所)に、所定の幅を持った反射体41a〜41dを円周方向に設ける。この反射体41a〜41dは、例えば再帰反射体あるいはエレクトロルミネッセンス(EL)であり、シート状のものを貼付しても、塗料状のものを塗布しても、いずれでもかまわない。
反射体として例えば再帰反射体を設けると、雨天や夜間などで等見通しの悪いときにも、車輛のヘッドライトから出射された光が再帰反射体に当たり、入射方向に向かって反射されるため、ドライバーが視線誘導標を視認しやすくなる。さらに、成形体の表面に自浄性を発現させる合成樹脂塗料を塗布した被覆層を形成するのが好ましい。これにより、中空円柱体21の表面の汚染を抑制できる。
次に、図1、図2を参照して、視線誘導標の組立、路面への設置、車輛の接触時の動作について説明する。視線誘導標1の組立ては、まず、射出成型により成型した中空円柱体21の外周に、反射体41a〜41dを取り付ける。シート状の反射体の場合には貼付し、塗料状の反射体の場合には塗布する。
視線誘導標1の道路への設置は、まず、図2に示したように、路面2にアンカー17より大きい穴を掘って、この穴へ接着剤を流し込み、ベース底面が路面と接する状態にてアンカー17を埋め込む。この際、アンカー上面は路面2より飛び出しているため、アンカー固定用の接着剤はアンカー内部には流れ込まず、また、中空円柱体21への衝突等によって中空角柱体或いは台座が破壊してそれらを交換時も、アンカーはそのまま使用でき、交換が容易になる。このアンカー17に、台座10を固定する。この固定はボルト16を台座10の挿通孔14に螺合して行う。次いで、この台座10に視線誘導柱20を固定する。この固定は、台座10の貫通孔19、19及び中空円柱体21の側面の根元端部の近傍に設けられたボルト挿通孔23a、23b(図7A、図10を参照。)にボルト18を挿通して行う。
道路に設置したこれらの実施形態1の視線誘導標1に車輛などが接触乃至衝突すると、強い応力が掛かって視線誘導標は屈曲する。この際、視線誘導標の視線誘導柱20は、熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば熱可塑性ポリウレタンで構成されていて、ゴム弾性を有するため、屈曲し易く、折損乃至座屈を防止できる。そして、応力解除後は、自己復元力が働くので迅速に復元する。また、台座と視線誘導柱とが交換可能な固定手段で固定されているので、台座や視線誘導柱が破損したときに破損した部材を簡単に交換できて、経済的となり且つ保守が容易になる。
[実施形態2]
本発明の実施形態2に係る視線誘導標3について、図3、図4を参照して説明する。なお、図3は視線誘導標の斜視図であり、図4は視線誘導柱20の中空孔に挿入される発光体制御箱30の分解斜視図である。また、図3、4においては、図1、2と同一の名称の部材については、同一の符号を用い、その説明は省略する。
本発明の実施形態2に係る視線誘導標3は、図1、2を用いて説明した上記実施形態1に係る視線誘導標1と比較すると、視線誘導柱20の中空円柱体21の中空孔内に、発光体及び点灯回路などが搭載された回路基板32を収納した発光体制御箱30を挿入した点が相違している。
この視線誘導標3は、図3に示したように、路面に設置される台座10と、この台座に立設され反射体などの交通標示体が装着された所定長さの視線誘導柱20とを備え、視線誘導柱20は、内部に所定大きさの中空孔を有し、図4に示したように、この中空孔内に発光体及び点灯回路などが搭載された回路基板32を収納した発光体制御箱30が挿入され、中空孔の開口が太陽光パネル35を装着した蓋体34で塞がれ、頂部に透明材料からなる柱キャップ40が装着された構成を有している、自発光型の視線誘導標である。この実施形態2に係る視線誘導標3によれば、反射体により車輛のヘッドランプから出射された光をドライバーに向けて反射することに加え、さらに、本実施形態の視線標識表は、発光体を備えているため、雨天や夜間などで等見通しの悪いときにも、ドライバーによる視認性をさらに向上することができる。
次に、図3、図4を参照して、視線誘導柱20を説明する。なお、台座10の構造は、図2を用いて説明した実施形態1のものと同様であるので、その説明は省略する。視線誘導柱20は、内部に中空孔を有し、頂部側も底部側も開口となっている円筒状で、所定の径及び肉厚を有し、長さ方向と直交する断面が略円形状の中空円柱体21と、中空孔内に装着されて光を外部へ発する発光体及びこの発光体を点灯、点滅させる点灯回路が配設された回路基板32が収納された発光体制御箱30と、中空円柱体21の頂部の開口を塞ぐ透明材料からなる柱キャップ40とで構成されている。なお、視線誘導標3の高さHは、実施形態1と同じく、例えば650mmや800mmである。
中空円柱体21には、後記する一対の窓穴26aを設け、この窓穴26aを発光部とするが、従来技術の円筒状ポールの頂部に発光体を設けたものと比べて、発光面積が大きくなる。すなわち、窓穴26aを長さ方向に沿って縦長にして複数個の発光体32を縦列に間隔をあけて配設ができて、発光面積が大きくなる。
中空円柱体21は、実施形態1と同様に、透光性を有する熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば透光性を有する熱可塑性ポリウレタンを顔料で着色した材料で構成されている。中空円柱体21の製造方法も、実施形態1と同様であり、また、中空円柱体21の光透過率を適宜設定することで、自然光のもとでドライバーから観て視線誘導柱20は非常に鮮やかな色として視認されるという効果も、実施形態1と同様である。
また、図3に示されているように、実施形態1の場合と同様に、中空円柱体21の外周面には交通標示体として、中空円柱体21の高さ方向に間隔を置いて複数箇所(図3では3箇所)に、所定の幅を持った反射体41a、41b、41dを円周方向に設ける。さらに、成形体の表面に自浄性を発現させる合成樹脂塗料を塗布した被覆層を形成するのが好ましい。
中空円柱体21の側面の根元端部の近傍には、台座10に設けられた貫通孔19と対応する位置に、ボルト18(図10を参照。)を挿通するボルト挿通孔23a、23b(図7A、図10を参照。)が設けられている。中空円柱体21の側面の上部寄りには、一対の窓穴26a、26bが形成され、また、中空孔内に発光体制御箱30が挿入される。
一対の窓穴26a、26bは、中空円柱体21の側面を貫通し中空孔へ連通して形成されている。なお、一方の窓穴26bは、図3には記載されていないが、窓穴26aに対向する位置に形成されている。これらの窓穴26a、26bは同じ形状になっている。一方の窓穴26aは、中空円柱体21の側面の長さ方向に設けた長方形の額縁状窓枠26と、この窓枠内に設けた長方形の開口26とからなり、この開口26は内部の中空孔へ連通している。開口26が長方形になっているので複数個の発光体を縦列に配設できて、発光面積を拡大できる。
また、窓穴26aは、額縁状窓枠26を外周壁面から所定深さ窪ませ、開口26はこの深さの底部に形成されている。窓穴26aからは、発光体からの光が外部へ投光される。このとき複数個の発光体32は発光体制御箱30に収納され、外周壁面から引っ込んだ箇所にあるので、車輌などが直接発光体に直接当たる恐れがなく、防護される(図4参照)。さらに、中空円柱体21の頂部は柱キャップ40が装着され嵌め込み部となっている。
次に、図4を参照して、発光体制御箱を説明する。発光体制御箱30は、中空円柱体21の中空孔に挿入される大きさの光透過性材料からなる透明ケース31と、この透明ケース内に収納される回路基板32と、この回路基板上に配設した発光体32を囲む2個の発光体カバー枠33a、33bと、透明ケース31の上方の開口を塞ぎ太陽光パネル35が装着される蓋体34と、透明ケース31の外周囲を覆う光透過性フィルムからなるケースカバー36との組立体で構成されている。
これらの部材のうち、透明ケース31は、内部に回路基板32及び2個の発光体カバー枠33a、33bを挿入、固定できる大きさの空間スペース31aを有し、有底31bで、上方端が開口31cし、この開口の外周囲に外方へ突出した鍔部31dが設けられた円筒形状をした細長の箱状体からなり、光透過性材料からなる樹脂成形体で形成されている。この樹脂材は、ポリカーボネート、アクリル樹脂などである。この透明ケース31は、内部に回路基板32及び2個の発光体カバー枠33a、33bが収納された後に、中空角柱体21の中空孔へ挿入される。この挿入の際に、鍔部31dは中空孔の開口端に当接されて、透明ケース31が中空孔内に位置決め固定される。
回路基板32は、所定の幅長、長さ及び厚さの縦長矩形状をなし、透明ケース31内へ収納できる大きさの絶縁基板上に、複数個の発光体32及びこれらの発光体を点灯、点滅させる点灯回路が配設された構成となっている。複数個の発光体32はそれぞれ発光ダイオード(以下、LEDという。)からなり、これらは、例えば6個の所定の発光色、例えば、橙色を発光するLEDであって、絶縁基板の表裏面に、それぞれ所定の個数、例えば3個ずつ縦方向に所定の間隔をあけて配列されている。また、点灯回路は、複数の制御部品からなり、これらは回路基板32上にあって、LED32の周辺に配置されている。この点灯回路を構成する制御部品及びソフトウエアは、一般にモジュールとも称される。
なお、図4では6個のLEDを絶縁基板の表裏面に、3個ずつ縦方向に所定の間隔をあけて配列する例を示したが、本発明におけるLEDの配列はこれに限定されるものではなく、多様な配列を含むものであり、例えば20個のLEDを絶縁基板の表裏面に、10個ずつ、1列当たり5個のLEDを縦方向に所定の間隔をあけて配列した列を、横方向に所定の間隔をあけて2列配列したもの等も包含するものである。
次に、発光体制御箱を構成する発光体カバー枠、蓋体、ケースカバー及び発光体制御箱の組立を説明する。2個の発光体カバー枠33a、33bは、同じ形状を有し、回路基板32に配列された複数個の発光体の外側を囲む大きさの額縁状をした枠体からなり、合成樹脂成形体で形成されている。すなわち、この発光体カバー枠は複数個の発光体の外側を囲む大きさの開口と、この開口を形成し所定の幅長、高さの額縁とを有する枠体で形成されている。この枠体は、光を透過しない着色材で形成するのが好ましい。この発光体カバー枠33a、33bは、透明ケース31内にあって、発光体を外部衝撃から保護する緩衝材の働きをする。
蓋体34は、透明ケース31の上方の開口31cに嵌め込み固定される嵌入部と、この嵌入部の上方の円形面部とからなる有底円筒形であり、樹脂成形体で形成されている。こ円形面部の上部には、上部の形状と略同一の太陽光パネル35が装着される。この蓋体は、光を透過しない着色材で形成するのが好ましい。
ケースカバー36は、光透過性材料からなる樹脂フィルムを使用し、透明ケース31の外周囲を覆った構成となっている。このフィルムは公知のセルフクリーニングフィルムが好ましい。このフィルムをケースカバーに使用することによって、外周に付着した汚れを自己洗浄できると共に、透明ケース31及び内部備品の飛散を防止できる。
発光体制御箱30の組立ては、透明ケース31内に回路基板32を発光体カバー枠33a、33bを介在、すなわち、これらのカバー枠で回路基板32上のLED32を囲って挿入、固定する。次に、透明ケース31の開口31cを蓋体34で塞いで閉蓋し、この蓋体に太陽光パネル35を装着し、また、ケースの外周にケースカバー36を装着して、発光体制御箱30の組立てを終了する。この発光体制御箱30によれば、透明ケース31に複数個のLED32及び点灯回路を搭載した回路基板32が収納され、外周がケースカバー36で覆われるので、回路基板上のLED及び点灯回路を構成する制御部品が保護されて、視線誘導標3に車輌などが衝突した際に、故障乃至飛散することが抑制される。
以上、中空円柱体21の形状が円筒形である例を説明しているが、本発明では中空円柱体21の形状はこれに限らず、例えば、中空円柱体21の高さ方向と垂直に切った断面は楕円形でもよく、円錐形、円錐台であってもよい。
次に、視線誘導標3の組立及び路面への設置、及び車輛の接触時の動作について説明する。視線誘導標3の組立ては、まず、前記した方法で発光体制御箱30を組立てる。組立てた発光体制御箱30は中空円柱体21の中空孔に挿入、固定し、頂部に反射体41dを介在させて柱キャップ40を装着して視線誘導柱20の組立てを完了する。なお、図3に示すように中空円柱体21には予め反射体41a、41bを装着しておく。また、視線誘導標1の道路への設置及び車輛の接触時の動作については、実施形態1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
[実施形態3]
本発明の実施形態3に係る視線誘導標4について、図5を参照して説明する。なお、図5において、図1〜図4と同一の名称の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。本発明の実施形態3に係る視線誘導標4は、上記実施形態2に係る視線誘導標3と比べると、窓穴26aが設けられていない点で相違している。上記実施形態2と共通する部分の説明は省略する。
中空円柱体21は、透光性を有する熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば透光性を有する熱可塑性ポリウレタンを顔料で着色した材料で構成されているので、透光性を有すしている。中空円柱体21の製造方法は、実施形態1と同様であり、また、中空円柱体21の光透過率を適宜設定することで、自然光のもとでドライバーから観て視線誘導柱20は非常に鮮やかな色として視認されるという効果も、実施形態1と同様である。中空円柱体21の中空孔へ挿入されている透明ケース31内に設けられている複数個の発光体32から照射される光は、透光性を有する中空円柱体21の側壁を拡散されながら透過して、ドライバーに視認される。
実施形態3に係る視線誘導標4では、窓穴26aが設けられていないため、透明ケース31の外周囲を覆う光透過性フィルムからなるケースカバー36を設けることを省略することができ、また、内部備品の飛散をより確実に防止することができる。
図5に示すように、中空円柱体21において、発光体32が設けられている位置に対応する部位には、反射体41a、41b、41dは設けられていない。また、本発明における発光体32の配置及び個数は、図4に示したものに限定されるものではなく、多様な配列を含むものであり、例えば、絶縁基板として長尺のものを採用すれば、中空円柱体21の長さ方向の長い距離にわたり、より多数の発光体32を所定の間隔をあけて配列することができる。
[実施形態4]
本発明の実施形態4に係る視線誘導標5について、図6〜図8参照して説明する。なお、図6は本発明の実施形態4に係る視線誘導標の外観斜視図である。図7Aは図6の視線誘導標を構成する中空角柱体の斜視図、図7Bは図7Aの根元部分の拡大斜視図である。図8Aは図7AのVIIIA部分の拡大側面図、図8B〜図8Dは図8Aの隅角部のRを模試図示した側面図である。また、図6〜図8においては、図1〜図5と同じ名称の部材には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
本発明の実施形態4に係る視線誘導標5は、上記実施形態1に係る視線誘導標1と比較すると、視線誘導柱20が、角柱状の中空角柱体22から構成されている点で相違している。実施形態4に係る視線誘導標5は、図6に示したように、路面に設置される台座10と、この台座に立設され反射体などの交通標示体が装着された所定長さの視線誘導柱20とを備え、視線誘導柱20は、内部に所定大きさの中空孔を有している。以下、これら個々の構成を詳述する。なお、台座10については、上記実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
図6を参照して、視線誘導柱を説明する。視線誘導柱20は、内部に中空孔を有し、頂部側は上面により塞がれ、底部側は開放されており、所定の幅、長さ及び肉厚で長さ方向と直交する断面が略四角形状の中空角柱体22で構成されている。本実施形態では中空角柱体22の肉厚については、例えば2〜8mm程度であるが、詳しくは後述する。なお、視線誘導標5の高さHは、例えば650mmや800mmである。また、中空角柱体22の頂部側の上面は、平面でもよいし、上に凸となる曲面であってもよく、また、角部には所定のR(アール)を設けてもよい。
中空角柱体22は、図7に示したように、所定の幅、長さ及び肉厚で幅広な平板状の一対の対向する対向板壁22a、22bと、これらの対向板壁の側縁端を繋ぎ対向板壁より幅狭で外方へ若干湾曲した一対の対向する側板壁22c、22dと、これら対向板壁及び一対の側板壁で囲まれた中空孔22を有し、一対の対向板壁22a、22bと側板壁22c、22dとの4か所の繋ぎ目がそれぞれ角部22ac、22cb、22bd、22daとなった略四角形状の中空筒状体で形成されている。
この構成により、中空角柱体22の中空孔22は、長さ方向と直交する断面形状が略長方形乃至略楕円形状となるので、円筒状ポールと比べて中空孔内のスペースを効率よく有効に使用できるようになる。なお、各対向板壁22a、22bの幅長は、例えば92mm、各側板壁22c、22dの幅長は例えば60mmである。
対向する側板壁22c、22dは、それぞれ外部へ円弧状に湾曲し、また4か所の角部22ac、22cb、22bd、22daには所定のR(アール)が付けられている。これにより、車輌などが接触しても車輌などが傷つくことを防止できる。
中空角柱体22は、実施形態1の場合と同様に、透光性を有する熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば透光性を有する熱可塑性ポリウレタンを顔料で着色した材料で構成されている。中空円柱体21の製造方法も、実施形態1と同様であり、また、中空円柱体21の光透過率を適宜設定することで、自然光のもとでドライバーから観て視線誘導柱20は非常に鮮やかな色として視認されるという効果も、実施形態1と同様である。
また、中空角柱体22の外周面には、実施形態1の場合と同様に、交通標示体として中空角柱体22の高さ方向に間隔を置いて複数箇所(図6では4箇所)に、所定の幅を持った反射体41a〜41dを円周方向に設ける。さらに、成形体の表面には自浄性を発現させる合成樹脂塗料を塗布した被覆層を形成するのが好ましい。
図6に示すように、中空角柱体22の下端側の部分を便宜上、根本柱部22Aとして区分する。なお、根元柱部22Aの長さは例えば200mmである。中空角柱体22の根本柱部22Aの根元端部の近傍には、台座10に固定するためのボルト挿通孔23a、23bが形成されている(図7A、図10を参照)。
また、4か所の角部22ac、22cb、22bd、22daは、中空孔22内の四つのコーナー部分に、この部分を面取りし肉厚にした角壁(以下、肉厚角壁ともいう。)23ac、23cb、23bd、23daが形成されている(図7B参照)。これらの肉厚角壁23ac〜23daは、図7に示す幅長をd、傾斜面の高さをd、肉厚角壁厚をtとしたとき、dは例えば8.8mm、dは3mm、tは4.0mmである。これらの寸法から、各肉厚角壁23ac〜23daは、対向板壁或いは側板壁(3.0mm)と比較して1.0mm増え肉厚が4.0mm(t)になる。根元柱部22Aは、それぞれの角部を肉厚に形成したことにより、この根元柱部分が他の部分と比べて曲がり難くなる一方で、自己復元力が補強される。なお、ここでは対向板壁或いは側板壁の肉厚を3.0mm、肉厚角壁の肉厚を4.0mmとしたが、本発明ではこの厚みを例えば2mm〜8mm程度で適宜設定できる。
また、4か所の角部22ac、22cb、22bd、22daの各肉厚角壁23ac、23cb、23bd、23daには、図7Aに示したように、所定長さの長孔24a、24b、24c、24dが形成されている。2本の長孔24b、24cは図7に記載されていないが、対向板壁22aの角部の肉厚角壁23ac、23daの対面の、対向板壁22bの角部の肉厚各壁23cb、23bdに形成されていて、対向板壁22aで隠れている。これらの長孔24b、24cは同じ形状になっている。これらの長孔24a、24b、24c、24dは、幅狭で長い長さの矩形状の開口を持った孔で各肉厚角壁23ac、23cb、23bd、23daを貫通している。これらの長孔は、根元柱部22Aの最下端から所定長さ、例えば50mm離れた箇所から上方に向かって形成されている。これらの長孔24a〜24dによって、外部からの応力が軽減される一方で屈曲し易くなり、根元柱部22Aからの折損乃至座屈を防止できる。すなわち、これらの長孔24a〜24dは角部に掛かる最大応力の軽減を図って、屈曲が容易になり根元部分からの折損乃至座屈を防止できる。これらの長孔は応力軽減屈曲付与部となっている。
これらの長孔24a〜24dは、長孔の幅は例えば2.0mm、長孔の長さは例えば100mm或いは150mmである。なお、長孔は、その長さが長いと屈曲し易くなるが、一方で自己復元力が弱くなる。しかし、この自己復元力の低減は、角部を肉厚壁にすることにより補強される。
また、図8に示したように、長孔は、孔内の隅角部24、24、24、24に、所定のRを付すのが好ましい。なお、図8は図7VIIIA部分であり、図8Aでは符号24と24は省略されている。Rは、R1(半径1.0mm)、R2(半径2.0mm)及びR4(半径4.0mm)(図8B〜図8D参照)である。なお、Rの最大は、半径R10(半径10.0mm)まで可能である。このようなRを付すことによって、長孔部に掛かる応力を緩和できる。特に、長孔の長さを短くすると、根元部分の応力が増加する一方で、また、長孔部分に応力が集中するので、この対策として、Rは有効な作用を果たす。なお、この応力緩和については後記する。
この実施形態では、それぞれの長孔24a〜24dは、各肉厚角壁23ac〜23daに形成したが、幅広の各対向板壁22a、22bにあって、各肉厚角壁に沿って形成してもよい。すなわち、各長孔24a〜24dは、それぞれの肉厚角壁23ac〜23da或いは一対の対向板壁22a、22bに形成する。なお、これらの箇所を含めて長孔を形成した箇所を角部に設けたともいう。また、この実施形態では、根元柱部22Aの角部を肉厚角壁にして、復元力の補強をしたが、角部で所望の自己復元力が得られる場合は必ずしも肉厚にする必要はない。さらに、長孔は肉厚角壁を貫通させたが、貫通させることなく所定長さ及び深さの溝で形成してもよい。この溝の長さは長孔と略同じであり、その形状は凹み或いはU字、V字状である。
長孔に代えて溝にすると、以下の効果を奏する。すなわち、中空角柱体22の上方部が重くなる場合には、車輛などが接触乃至衝突し強い応力が掛かると、柱体は屈曲するが過度の応力によっては屈曲乃至折曲で元に復元しなくなる恐れがある。しかし、溝にすると、長孔より復元力が増大し上記の不都合が回避される。なお、この長孔及び溝は、所望の屈曲及び復元力を付与するものであるので、これらの長孔及び溝は上記のものに限定するものでなく他の同様の作用を奏する公知の手段、例えば複数の孔などにしてもよい。
以上、中空角柱体22は、長さ方向と直交する断面が略四角形状のもので説明したが、本発明は、これに限定されるものでなく、他の形状、すなわち、それ以上の多角形状の角柱を含むものである。なお、角柱は、国語辞書によれば、切り口が四角の柱、或いは平面上の多角形(底面)の周の各点からその平面上にない決まった長さの線分(母線)を引いたとき、それらの線分及び上下の底面で囲まれた多面体、となっているが、本明細書の角柱は、これらの角柱だけでなく、一対の対向壁面を幅広にし、他の側壁面が平坦乃至外へ湾曲などしたものも含んでいる。また、ここでは中空角柱体22は角柱として説明したが、本発明の中空角柱体22の形状は角柱だけではなく、例えば、角錐や角錐台等の他の形状も含むものである。
ここで、図6、図7を参照して、視線誘導標の組立及び路面への設置、及び車輛の接触時の動作について説明する。
視線誘導標1の中空角柱体22には予め反射体41a〜41bを装着して置く。視線誘導標1の道路への設置は、まず、路面2にアンカー17を埋め込み、このアンカー17に、台座10を固定するが、これは実施形態1の説明と同様であるので、詳細な説明は省略する。次いで、この台座10に視線誘導柱20を固定する。この固定は、台座10の貫通孔19、19及び中空角柱体22の側面の根元端部の近傍に設けられたボルト挿通孔23a、23bにボルト18を挿通(図10を参照。)して行う。
道路に設置したこれらの視線誘導標に車輛などが接触乃至衝突すると、強い応力が掛かって視線誘導標は屈曲する。この際、視線誘導標の視線誘導柱20は、熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば熱可塑性ポリウレタンで構成されていて、ゴム弾性を有するため、屈曲し易く、折損乃至座屈を防止できる。そして、応力解除後は、自己復元力が働くので迅速に復元する。
また、長孔24a〜24dによって、外部からの応力が軽減される一方で屈曲し易くなり、根元柱部22Aからの折損乃至座屈を防止できる。すなわち、これらの長孔24a〜24dは角部に掛かる最大応力の軽減を図って、屈曲が容易になり根元部分からの折損乃至座屈を防止できる。これらの長孔は応力軽減屈曲付与部となっている。さらに、これらの長孔の孔内の隅角部24、24、24、24に、所定のRを付すことによって、長孔部に掛かる応力を緩和できる。
また、台座と視線誘導柱とが交換可能な固定手段で固定されているので、台座や視線誘導柱が破損したときに破損した部材を簡単に交換できて、経済的となり且つ保守が容易になる。なお、屈曲性の評価については、後述の実施形態5の場合と同様であり、詳しくは後述する。
[実施形態5]
本発明の実施形態5に係る視線誘導標6について、図9〜図11を参照して説明する。なお、図9〜図11において、図1〜図8と同一の名称の部材については、同一の符号を用い、その説明は省略する。
実施形態5に係る視線誘導標6は、実施形態4に係る視線誘導標5と比較すると、視線誘導柱20の中空角柱体22の中空孔22内に発光体及び点灯回路などが搭載された回路基板32を収納した発光体制御箱30を挿入した点が相違している。
視線誘導標6は、図9、図10に示したように、路面に設置される台座10と、この台座に立設され反射体などの交通標示体が装着された所定長さの視線誘導柱20とを備え、視線誘導柱20は、内部に所定大きさの中空孔を有し、この中空孔内に発光体及び点灯回路などが搭載された回路基板32を収納した発光体制御箱30が挿入され、中空孔22の開口が太陽光パネル35を装着した蓋体34で塞がれ、頂部に透明材料からなる柱キャップ40が装着された構成を有している。以下、これら個々の構成を詳述する。
なお、台座の構成は、実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
まず、図9〜図11を参照して、視線誘導柱を説明する。なお、図9は視線誘導標の斜視図、図10は視線誘導標の分解斜視図、図11は発光体制御箱30の分解斜視図である。
視線誘導柱20は、図9、図10に示したように、頂部側及び底部側の両面が開口し、内部に中空孔21を有し、所定の幅、長さ及び肉厚で長さ方向と直交する断面が略四角形状の中空角柱体22と、中空孔21内に装着されて光を外部へ発する発光体及びこの発光体を点灯、点滅させる点灯回路が配設された回路基板32が収納された発光体制御箱30と、中空角柱体22の頂部の開口を塞ぐ透明材料からなる柱キャップ40とで構成されている。なお、視線誘導標6の高さHは、例えば650mmや800mmである。
実施形態5の中空角柱体22は、実施形態4で説明した中空角柱体22に窓穴26aを設けたものであるため、その余の構成についての説明は省略する。
中空角柱体22の中空孔21は、長さ方向と直交する断面形状が略長方形乃至略楕円形状となるので、円筒状ポールと比べて中空孔内のスペースを効率よく有効に使用できるようになる。また、一対の対向板壁21a、21bには、後記する一対の窓穴26aを設けるが、これらの対向板壁は各側板壁より幅広になっているので、従来技術の円筒状ポールの頂部に発光体を設けたものと比べて、発光面積が大きくなる。すなわち、窓穴26aを長さ方向に沿って縦長にして複数個の発光体32を縦列に間隔をあけて配設ができて、発光面積が大きくなる。
中空角柱体22は、実施形態1と同様に、透光性を有する熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば透光性を有する熱可塑性ポリウレタンを顔料で着色した材料で構成されている。中空角柱体22の製造方法も、実施形態1と同様であり、また、中空角柱体22の光透過率を適宜設定することで、自然光のもとでドライバーから観て視線誘導柱20は非常に鮮やかな色として視認されるという効果も、実施形態1と同様である。
また、図9に示されているように、実施形態1と同様に、中空円柱体21の外周面には交通標示体として、中空円柱体21の高さ方向に間隔を置いて複数箇所(図3では3箇所)に、所定の幅を持った反射体41a、41b、41dを円周方向に設ける。
さらに、成形体の表面に自浄性を発現させる合成樹脂塗料を塗布した被覆層を形成するのが好ましい。
中空角柱体22は、図9に示したように、台座10に固定される根元柱部22Aと、この根元柱部から上方へ所定長さ延設されて反射体41a、41b(図10参照)が装着される中間柱部22Bと、この中間柱部からさらに所定長さ延設された上方柱部22Cとに区分されている。なお、これらの区分は、説明を容易にするために分けたもので、実際の中空角柱体にはこのような目印はない。なお、中間柱部の区分は必須でなく、また、根元柱部22Aの長さは例えば200mm、中間柱部22Bの長さは150mm、上方柱部22Cの長さは190mmである。
本実施径形態のボルト挿通孔23a、23b、肉厚角壁22ac〜22da、長孔24a〜24dの構成は、実施形態4と同様であるので、詳細な説明は省略する。
中間柱部22Bは、図9、10に示したように、その外周囲の2か所に反射体41a、41bが所定の間隔をあけて装着されている。これらの反射体は、再帰反射体或いはエレクトロルミネッセンス(EL)などとなっている。さらに、成形体の表面に自浄性を発現させる合成樹脂塗料を塗布した被覆層を形成するのが好ましい。これにより、中空円柱体21の表面の汚染を抑制できる。
上方柱部22Cは、図9、図10に示したように、一対の対向板壁22a、22bにそれぞれ窓穴26a、26bが形成され、また、中空孔22内に発光体制御箱30が挿入される。
まず、一対の窓穴26a、26bは、対向する幅広の対向板壁22a、22bに、これらの対向板壁を貫通し中空孔22へ連通して形成されている。なお、一方の窓穴26bは図9、図10に記載されていないが、対向板壁22aの反対側の対向板壁22bに形成されて、対向板壁22aで隠れている。これらの窓穴26a、26bは同じ形状になっている。一方の窓穴26aは、図10に示したように、対向板壁22aの長さ方向に設けた長方形の額縁状窓枠26と、この窓枠内に設けた長方形の開口26とからなり、この開口26は内部の中空孔22へ連通している。開口26が長方形になっているので複数個の発光体を縦列に配設できて、発光面積を拡大できる。また、窓穴26aは、図9、図10に示したように、額縁状窓枠26を外周壁面から所定深さ窪ませ、開口26はこの深さの底部に形成されている。窓穴26aからは、発光体からの光が外部へ投光される。このとき複数個の発光体32は発光体制御箱30に収納され、外周壁面から引っ込んだ箇所にあるので、車輌などが直接発光体に直接当たる恐れがなく、防護される(図10、図11参照)。さらに、頂部は柱キャップ40が装着される嵌め込み部となっている。
本実施形態の発光体制御箱30の構成は、実施形態2の発光制御箱30と同様であり、本実施形態では角柱形であるのに対し、実施形態2では円柱形である点で形状は異なるものの、構成要素は同一であるので、発光体制御箱の構成及発光体制御箱の組立についての詳細な説明は省略する。
以上、中空角柱体22は、長さ方向と直交する断面が略四角形状のもので説明したが、本発明は、これに限定されるものでなく、他の形状、すなわち、それ以上の多角形状の角柱を含むものであり、かつ、角錐、角錐台等の他の形状も含む点は、実施形態4と同様である。
図9〜13を参照して、視線誘導標の組立及び路面への設置、及び屈曲性評価を説明する。
視線誘導標6の組立ては、まず、前記した方法(実施形態2と同様。)で発光体制御箱30を組立てる。組立てた発光体制御箱30は中空角柱体22の中空孔220に挿入、固定し、頂部に反射体41dを介在させて柱キャップ40を装着して視線誘導柱20の組立てを完了する。なお、中空角柱体22の中間柱部22Bには予め反射体41a、41bを装着して置く。
視線誘導標1の道路への設置は、まず、路面2にアンカー17を埋め込み、このアンカー17に、台座10を固定するが、これは実施形態1の説明と同様であるので、詳細な説明は省略する。次いで、この台座10に視線誘導柱20を固定する。この固定はボルト18を台座10の貫通孔19へ挿通して行う。
道路に設置したこれらの視線誘導標に車輛などが接触乃至衝突すると、強い応力が掛かって視線誘導標は屈曲する。この際、視線誘導標の視線誘導柱20は、熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば熱可塑性ポリウレタンで構成されていて、ゴム弾性を有するため、屈曲し易く、折損乃至座屈を防止できる。そして、応力解除後は、自己復元力が働くので迅速に復元する。また、長孔24a〜24dによって、外部からの応力が軽減される一方で屈曲し易くなり、根元柱部22Aからの折損乃至座屈を防止できるという効果は、実施形態4と同様である。
道路に設置したこれらの視線誘導標に、車輛などが接触乃至衝突し強い応力が掛かって屈曲する。このような場合に備えて、以下の屈曲性の評価を行った。
視線誘導標は、以下の寸法及び材料で作製し、屈曲性の評価を行った。
(寸法)
視線誘導標1の高さH1は650mm、台座10の高さH2は50mm、幅長W1は150mm、中空角柱体21の対向板壁21a、21bの横幅は92mm、側板壁の幅長は60mm、21A、21Bの対向板壁の肉厚は3mm、側板壁の肉厚は3mm、肉厚角壁の肉厚4mm、底端から頂部までの高さは560mm、底端から窓穴26aまでの高さは386mm、長孔の長さは100mm、中空角柱体21の材料はポリウレタン、孔内の上下端のRは、R0(半径0mm)、R1(半径1.0mm)、R4(半径4.0mm)である。
(評価方法)
視線誘導標1に図12の矢印方向から荷重を掛けて、根元柱部22Aに掛かる応力分布を評価した。
(評価結果)
その結果、図13に示したように、根元柱部22Aの根元端に近い箇所に掛かる最大主応力をL1及び孔内の下端屈曲箇所の掛かる最大主応力をL2とすると、根元端に近い箇所に最も大きな応力が掛かり、この最大主応力L1は、孔内に設けたRの大きさによって変移し、すなわち、R0が最も大きく、R1、R2及びR4に従って減少することが判明した。一方、最大主応力L2はR0、R1及びR2で略同じく、R4で若干減少している。なお、長孔150mmでも実験したところ、最大主応力L1は100mmに比べて、小さく、また、L2も100mmより小さくなっていた。
以上から、長孔長さを100mmにする場合、孔内の上下両端にRを設けると応力緩和効果が発揮されることが検証された。
[実施形態6]
図14を参照して、本発明の実施形態6に係る視線誘導標7を説明する。なお、図14は本発明の実施形態6に係る視線誘導標の斜視図であり、図1〜図13と共通する部材については同一の符号を付しており、その説明は省略する。本発明の実施形態6に係る視線誘導標は、実施形態5に係る視線誘導標と比較すると、窓穴26a、26bが設けられていない点で相違している。また、実施形態5と共通する部分の説明は省略する。
中空角柱体22は、透光性を有する熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば透光性を有する熱可塑性ポリウレタンを顔料で着色した材料で構成されているので、透光性を有している。中空角柱体22の製造方法は、実施形態1と同様であり、また、中空角柱体22の光透過率を適宜設定することで、自然光のもとでドライバーから観て視線誘導柱20は非常に鮮やかな色として視認されるという効果も、実施形態1と同様である。中空角柱体22の中空孔へ挿入されている透明ケース31内に設けられている複数個の発光体32から照射される光は、透光性を有する中空角柱体22の側壁を拡散されながら透過して、ドライバーに視認される。
実施形態6に係る視線誘導標4では、窓穴26aが設けられていないため、透明ケース31の外周囲を覆う光透過性フィルムからなるケースカバー36を設けることを省略することができ、また、内部備品の飛散をより確実に防止することができる。
図14に示すように、中空角柱体22において、発光体32が設けられている位置に対応する部位には、反射体41a、41b、41dは設けられていない。また、本発明における発光体32の配置及び個数は、図11に示したものに限定されるものではなく、多様な配列を含むものであり、例えば、絶縁基板として長尺のものを採用すれば、中空円柱体21の長さ方向の長い距離にわたり、より多数の発光体32を所定の間隔をあけて配列することができる。
[実施形態7]
本発明の実施形態7に係るコーン形標識器具8について、図15〜図16を参照して説明する。なお、図15は本発明の実施形態7に係るコーン形標識器具8の外観斜視図であり、図16Aは図15の正面図、図16Bは図15の上面図である。
本発明の実施形態7に係るコーン形標識器具8は、路面に設置される台座60と、この台座60に立設され反射体などの交通標示体が装着された所定長さのコーン部50とを備え、コーン部50は、内部に所定大きさの中空孔を有する中空円錐円体51からなる構成を有している。ここで、コーン部50は、特許請求の範囲の「交通標示柱」に相当する。
まず、コーン形標識器具8のコーン部50を説明する。コーン部50は内部に中空孔を有し、頂部側は所定のR(アール)が設けられ、底部側には開口を有し、高さ方向と垂直な断面が略円形であり、高さ方向と垂直に切った断面の直径が頂部側に近づくにつれて小さくなるような略円錐形状で、正面から見ると略三角形状(図16Aを参照。)であり、内部に所定大きさの中空孔を有し、底部側の開口が所定の径を有し、所定の高さ及び肉厚を有する中空円錐体51からなる。本実施形態では中空円錐体51の肉厚は、どこでも略同一であり、例えば2〜8mm程度、具体的には例えば3mmである。なお、本発明のコーン部50の形状は円錐形状に限定されるものではなく、錐形であって高さ方向と垂直な断面が楕円形のもの、多角形のものに加え、円柱形のもの、角柱形のもの、高さ方向に段差を有するもの、正面から見て曲面状のもの等も包含される。
中空円錐体51は、実施形態1と同様に、透光性を有する熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば透光性を有する熱可塑性ポリウレタンを顔料で着色した材料で構成されている。中空円錐体51の製造方法も、実施形態1と同様であり、また、中空円柱体21の光透過率を適宜設定することで、自然光のもとでドライバーから観て視線誘導柱20は非常に鮮やかな色として視認されるという効果も、実施形態1と同様である。なお、ここでは中空円錐体51の肉厚は、どこでも略同一であるとしたが、本発明ではこれに限定されず、例えば場所によって照度や色の見え方が異なる場合には、強度に問題がない範囲で中空円錐体51の肉厚を場所によって調整することも可能である。
中空円錐体51の外周面には交通標示体として、中空円錐体51の高さ方向に間隔を置いて複数箇所(図15、図16では3箇所)に、所定の幅を持った反射体52a〜53cを円周方向に設ける。この反射体53a〜53cは、例えば再帰反射体あるいはエレクトロルミネッセンス(EL)であり、シート状のものを貼付しても、塗料状のものを塗布しても、いずれでもかまわない。
反射体として例えば再帰反射体を設けると、雨天や夜間などで等見通しの悪いときにも、車輛のヘッドライトから出射された光が再帰反射体に当たり、入射方向に向かって反射されるため、ドライバーが視線誘導標を視認しやすくなる。さらに、中空円錐体51の表面に自浄性を発現させる合成樹脂塗料を塗布した被覆層を形成するのが好ましい。これにより、中空円柱体21の表面の汚染を抑制できる。
次に、コーン形標識器具8の台座60について説明する。台座60は、コーン部50の中空円錐体51の底部側の開口の周囲から外側へ鍔状に張り出しており、上方から見ると所定の面積を有する略正方形(図16Bを参照。)であり、コーン部50を射出成型する際に一体に成形される。台座60の上面は平面状であり、側面は底面側に近づくにつれて高さ方向と垂直な方向の外周長が大きくなるように形成されている。台座60の下面は略平面な設置面となっており、この設置面が路面に当接されることにより、台座60が路面に設置される。台座60の上面の外周長は、中空円錐体51の底部の外周長よりも十分に大きく、かつ、台座60の上面の外周長よりも台座の接地面の外周長の方が大きくなっていることにより、コーン形標識器具8は転倒しにくい構造となっている。また、台座60の高さは、強度を保つために所定の高さを有しており、台座60は中実としても、空間を有する所定のリブ構造(例えばハニカム構造)としてもよい。図15、図16では、台座の形状は略正方形としたが、本発明の台座の形状は略正方形に限定されるものではなく、多角形、円形、楕円形、その他の形状のものを包含している。また、ここでは台座60を中空円錐体51と一体に射出成型により形成したものとして説明したが、本発明はこれに限らず、台座60を中空円錐体51とは別体として形成して、この別体の台座60を中空円錐体51に接合することにより、コーン形標識器具8を形成するようにしてもよく、この際、台座60を中空円錐体51とは別の材料により形成してもよい。
また、図示されていないが、台座60設置面には、突起状のスパイク部材が複数設けられており、このスパイク部材によりコーン形標識器具8が路面と並行な方向へ移動することを阻止することができる。なお、台座60の路面への設置は、コーン形標識器具8の自重と、台座60設置面に設けられたスパイク部材による路面との摩擦抵抗を利用したものであり、実施形態1でアンカー部材に対してボルトにより台座10を固着したものとは異なり、人手により工具を使うことなく簡単に、任意の場所に設置したり、移動したり、撤収したりすることができる。また、コーン形標識器具8の転倒や移動を防止するために、上面視で台座60と同形状で、所定の厚み及び重さを有し、中心に中空円錐体51の底面部の外周形状に対応する内周形状の孔を有する錘部材を、前記孔に中空円錐体51を挿入して、台座60の上方から重ねるように設置してもよい。
コーン形標識器具8の寸法は、例えば高さHは700mm、台座60の幅Wは380mm、台座60の奥行きDは380mmであり、中空円錐体51の底部の直径Wは280mmである。また、高さH別の例としては、900mm、450mm等のものもあり、高さが450mmの場合には、台座の60の幅及び奥行きは例えば270mmである。
次に、コーン形標識器具8の路面への設置及び撤収、並びに、車輛の接触時の動作について説明する。まず、コーン形標識器具8の路面への設置について説明する。作業員がコーン形標識器具8を手で持って、設置場所の路面に、台座部60の設置面を当接させる向きに置くだけで、コーン形標識器具8の自重と、台座60設置面に設けられたスパイク部材による路面との摩擦抵抗を利用して設置される。必要に応じて上述の錘部材を台座60の上方に重ねて設置してもよい。
次に、コーン形標識器具8を撤収する時には、作業員はコーン形標識器具8を手で持って、持ち上げるだけで、コーン形標識器具8を撤収することができる。この時、コーン形標識器具8の中空円錐体51は中空となっているため、別のコーン形標識器具8の中空円錐体51の上に積み重ねてコンパクトに収納しておくことが可能である。コーン形標識器具8は、工具類を一切使用することなく、簡単に設置及び撤収をおこなうことができる。
道路に設置したこれらの実施形態7のコーン形標識器具8に車輛などが接触乃至衝突すると、強い応力が掛かってコーン部50は屈曲する。この際、コーン形標識器具8のコーン部50は、熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば熱可塑性ポリウレタンで構成されていて、ゴム弾性を有するため、屈曲し易く、折損乃至座屈を防止できる。そして、応力解除後は、自己復元力が働くので迅速に復元する。
[実施形態8]
本発明の実施形態8に係るコーン形標識器具9について、図17〜図18を参照して説明する。図15〜図16と同一の名称の部材については同一の符号を用い、その説明は省略する。なお、図17は本発明の実施形態8に係るコーン形標識器具9の外観斜視図であり、図18Aは図17の正面図、図18Bは図17の上面図である。
本発明の実施形態8に係るコーン形標識器具9は、実施形態7に係るコーン形標識器具8と対比すると、中空円錐体51の中空孔の上部側に、実施形態2で説明した発光体及び点灯回路などが搭載された回路基板32を収納した発光体制御箱30が挿入された点、及び、中空円錐体51の頂部に透明材料からなるキャップ54が装着された点で相違しており、その余の構成は実施形態7と同様であるため、実施形態7と同様の部分の説明は省略する。また、発光体制御箱30の構成は、実施形態2と同様であるので、詳細な説明は省略する。
コーン形標識器具8の中空円錐体51は、頂部が略円形の開口を有している。この開口から、中空円錐体51の中空孔の内部へ、実施形態2で説明した発光体及び点灯回路などが搭載された回路基板32を収納した発光体制御箱30が挿入され、この開口は透明材料からなるキャップ54で塞がれている。この挿入の際に、透明ケース31の鍔部31dは中空孔の開口端に当接されて、透明ケース31が中空孔内に位置決め固定される。キャップ54は、頂部側には所定のR(アール)が設けられ、底部側は中空円錐体51の頂部に設けられた開口に対応する形状を有している。
中空円錐体51は、実施形態1と同様に、透光性を有する熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば透光性を有する熱可塑性ポリウレタンを顔料で着色した材料で構成されている。中空円錐体51の製造方法も、実施形態1と同様であり、また、中空円柱体21の光透過率を適宜設定することで、自然光のもとでドライバーから観て視線誘導柱20は非常に鮮やかな色として視認されるという効果も、実施形態1と同様である。なお、ここでは中空円錐体51の肉厚は、どこでも略同一であるとしたが、本発明ではこれに限定されず、例えば場所によって照度や色の見え方が異なる場合には、強度に問題がない範囲で中空円錐体51の肉厚を場所によって調整することも可能である。また、コーン形標識器具8の台座60の構成は、実施形態7と同様である。
次に、コーン形標識器具9の組立、路面への設置及び撤収、及び車輛の接触時の動作について説明する。コーン形標識器具9の組立ては、まず、実施形態2で説明した方法で発光体制御箱30を組立てる。組立てた発光体制御箱30は中空円錐体51の中空孔に挿入、固定し、頂部に反射体53cを介在させてキャップ54を装着してコーン部50の組立てを完了する。なお、中空円錐体51には予め反射体53a、53bを装着しておく。また、コーン形標識器具9の道路への設置及び撤収、及び車輛の接触時の動作については、実施形態7と同様であるので、詳細な説明は省略する。
1、3、4、5、6、7 視線誘導標
8、9 コーン形標識器具
10 台座
19 貫通孔
20 視線誘導柱
21 中空円柱体
22 中空角柱体
22 中空孔
22A 根元柱部
22ac、22cb、22bd、22da 角部
22B 中間柱部
22C 上方柱部
23ac、23cb、23bd、23da 肉厚角壁
24a、24b、24c、24d 長孔(応力軽減屈曲付与部)
24、24、24、24 隅角部
30 発光体制御箱
31 透明ケース
32 発光体(LED)
32 回路基板
34 蓋体
35 太陽光パネル
36 ケースカバー
40 柱キャップ
41a、41b、41c、41d 反射体
50 コーン部
51 中空円錐体
53a、53b、53c 反射体
54 キャップ
60 台座

Claims (9)

  1. 路面に設置される台座と、前記台座に立設され交通標示部材が設けられた所定長さの交通標示柱を備えた道路保安用器具において、
    前記交通標示柱は、内部に中空孔を有する中空筒体を備え、
    前記中空筒体は、顔料により着色された所定の透光性を有する熱可塑性エラストマーにより中空形態に一体成形されていることを特徴とする道路保安用器具。
  2. 前記透光性を有する熱可塑性エラストマーの光透過率が10%以上、90%以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の道路保安用器具。
  3. 前記熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の道路保安用器具。
  4. 前記中空筒体は、円筒形又は楕円筒形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の道路保安用器具。
  5. 前記中空筒体は、角柱形であること特徴とする請求項1〜3のいずれかに道路保安用器具。
  6. 前記中空筒体は、略円錐形又は略角錐形であること特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の道路保安用器具。
  7. 前記中空筒体の外周には前記交通標示部材として反射体が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の道路保安用器具。
  8. 前記中空筒体の内部には発光体が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の道路保安用器具。
  9. 前記道路保安用器具は、視線誘導標又はコーン形標識器具であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の道路保安用器具。
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