JP5248019B2 - 半導体記憶装置、及びそのセンスアンプ回路 - Google Patents

半導体記憶装置、及びそのセンスアンプ回路 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、高速、高集積な半導体記憶装置および、論理回路と半導体記憶装置を集積した半導体装置の差動増幅動作の部分に関する。
半導体記憶装置の一つである、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory、以下DRAMと記す)は、我々が日常利用する様々な電子機器に数多く搭載されている。また、近年の機器の低消費電力化、高性能化のニーズに伴い、搭載されるDRAMも低電力化、高速化、大容量化といった高性能化が強く求められている。
高性能なDRAMを実現するための最も有効な手段の一つは、メモリセルの微細化である。微細化することで、メモリセルを小さくできる。その結果、メモリセルに接続されるワード線及びデータ線長が短くなる。すなわち、ワード線、データ線の寄生容量を低減できるので、低電圧動作が可能となり、低消費電力化が実現できる。また、メモリセルが小さくなるので、メモリの大容量化が可能となり、機器の高性能化が実現できる。このように、微細化はDRAMの高性能化に大きく寄与する。
しかしながら、65nm、45nmノードと微細化が進むにつれて、前述したような高性能化の効果だけではなく、様々な副作用があらわれる。その主な副作用は、微細化によって生じる素子特性のバラツキ増加である。ここで素子特性のバラツキとは、例えばトランジスタのしきい値電圧や、トランジスタから流れるリーク電流の大きさの分散値(平均値からのずれ)である。この素子バラツキは、DRAMの性能劣化の原因となるため、素子バラツキはできるだけ小さく抑えるのが望ましい。特にセンスアンプ回路のペアトランジスタのしきい値電圧差のバラツキは、微小な信号を増幅するセンス動作のノイズ源となり、読出しエラーの原因となる。すなわち、センスアンプのしきい値電圧バラツキは、チップの歩留まりに直接影響する。
微細化に伴いDRAMのデータ線ピッチは通常狭くなるため、センスアンプのレイアウトピッチも、データ線ピッチにあわせて狭くする必要がある。その結果、トランジスタのチャネル長は短く、チャネル幅は狭くなり、センスアンプを構成するトランジスタの製造誤差が大きくなってしまう。この製造誤差はペアトランジスタ間のしきい値電圧差のバラツキを増大させてしまう。一般的にこの問題は、センスアンプのオフセット問題と言われ、DRAMのアクセス速度tRCD(RAS TO CAS DELAY)に非常に大きな影響を及ぼす事項の一つである。また、センスアンプのオフセット問題は、非特許文献1に詳細に記載されており、オフセットを低減することは、DRAMの歩留まり向上に大きく寄与することが良く知られている。したがって、微細化による高性能化を実現するためには、プロセス改善による製造誤差低減のみならず、センスアンプオフセットを抑えるような回路対策を講じることが、今後非常に重要な技術となる。
このような課題の解決を試みた近年の例として、非特許文献2では、センスアンプのオフセットを相殺する技術が開示されている。この方法は、カレントミラー作動アンプを用い、データ線のプリチャージ電圧を補正することで、実質的にセンスアンプのオフセットを小さくすることができる。しかしながらこの方法は、センスアンプに追加する素子数が非常に多く、センスアンプの面積が大きくなり、チップサイズの増加を招く。さらに、駆動する制御信号も増えるため、タイミングマージンが増加し、速度の低下も懸念される。
また、非特許文献3では電荷転送型のセンスアンプが開示されている。この方法は、データ線に接続されるスイッチトランジスタを介して、センスアンプなどの周辺回路に蓄積された電荷をメモリセル側のデータ線に転送し、センスアンプに大きな電位差を発生させる手法である。そのため、センスアンプのオフセットが増加した場合でも、オフセット以上の電位差をセンスアンプに印加できるので、本質的にバラツキに強く低電圧動作に優れている。しかしながら、この手法も追加のプリチャージ回路や再書込み用のスイッチトランジスタなど、追加素子数が多く、チップサイズの増加を招くといった課題が残る。
また特許文献1では、既存のクロスカップルに二つのNMOSクロスカップルを追加したセンスアンプ回路が開示されている。追加されたNMOSクロスカップルのうち、片方のNMOSトランジスタのゲート側と、もう片方のNMOSトランジスタのドレイン側は、シェアードスイッチを介して接続される。これにより、高速なセンス動作を実現するとしている。この方式では再書込み時において、NMOSクロスカップルからシェアードスイッチのオン抵抗が実効的に見えなくなり、再書込み動作を高速化することができる。しかしながら、読出し時のセンス動作においては、既存クロスカップルのオフセットの影響を受ける。そのため、既存のクロスカップルのオフセットが大きい場合、読出しエラーを起こす可能性がある。
一方、特許文献2では、追加素子数が少なく、センスアンプオフセットを低減したセンスアンプ回路が開示されている。この方法は、高感度なプリアンプ機能をもつNMOSクロスカップルを追加することで、センスアンプオフセットの問題を解決している。また追加素子数も二つと少なく、面積オーバヘッドも小さい。
USP−6392303 B2 特開2005−293759号公報 Kiyoo Itoh、"VLSI Memory Chip Design"、Springer,2001、pp223−230 Sang Hoon Hong et al.、ISSCC 2002 Digest of Technical Papers、pp154−155 Jae−Yoon Simm et al.、2003 Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers, pp289−292
ところで、前記特許文献2のセンスアンプ回路について、本発明者が検討した結果、以下のような課題があることがわかった。
特許文献2では、ビット線に読み出された微小信号を、追加NMOSクロスカップルでプリアンプした後、既存のNMOSおよびPMOSクロスカップルでデータをラッチする。この時、ハイレベルにプルアップされたデータ線がドレイン側に接続されるNMOSトランジスタにおいて、そのドレイン側からコモンソース側に向けて、サブスレッショルドリーク電流が流れる。一般的なセンスアンプ回路に対して、特許文献2ではNMOSクロスカップルを一つ追加している。このためサブスレッショルドリーク電流が流れるパスが増えることになる。その結果、データラッチ時のチップ全体のオフリークが増加してしまうという問題がある。
そこで本発明の目的は、上記のような問題点を鑑み、1.センスアンプオフセットを低減したセンスアンプ回路を実現し、アクセス時間tRCDを高速化すること、2.センスアンプより流れるサブスレッショルドリークを低減し、チップの消費電流を低減することである。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
複数のメモリセルと複数のセンスアンプ回路からなる、半導体記憶装置において、前記センスアンプ回路は、少なくとも二つ以上のプルダウン回路を有する。また、前記プルダウン回路の一つを先に駆動する。先行駆動する前記プルダウン回路とデータ線は、NMOSトランジスタを介して接続する。読み出し信号量がデータ線に出力された後、前記NMOSトランジスタを駆動することで、前記プルダウン回路を駆動する。前記プルダウン回路によって、後段のプルダウン回路およびプルアップ回路のオフセット以上にデータ線を増幅した後、前記後段のプルダウン回路と、前記後段のプルアップ回路を駆動する。このとき、先行駆動する前記プルダウン回路においては、トランジスタのオフセットが小さくなるように、あらかじめトランジスタのチャネル長やチャネル幅を大きくしておくとよい。
さらに、前記センスアンプでデータをラッチしたのち、前記NMOSトランジスタを非活性化して、先行駆動する前記プルダウン回路を非活性化させる。これにより、先行駆動する前記プルダウン回路より流れるサブスレッショルドリーク電流を削減できる。なお前記センスアンプは、複数のプルアップ回路から構成されてもよい。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、高速アクセス時間又は低消費電流の実現が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、本実施の形態に示される各ブロックを構成するトランジスタは、特に制限されないが公知のCMOS(相補型MOSトランジスタ)等の集積回路技術によって、単結晶シリコンのような1個の半導体基板上に形成される。即ち、ウェルと素子分離領域と酸化膜が形成される工程の後、ゲート電極とソース・ドレイン領域を形成する第1と第2半導体領域とを形成する工程とを含む工程により形成される。
MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field
Effect Transistor)の回路記号はゲートに丸印をつけないものはN型MOSFET(NMOS)を表し、ゲートに丸印をつけたP型MOSFET(PMOS)と区別される。以下MOSFETを簡略化してMOSあるいはMOSトランジスタと呼ぶことにする。
なお、本発明は金属ゲートと半導体層の間に設けられた酸化膜を含む電界効果トランジスタだけに限定されるわけではなく絶縁膜を間に含むMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)等の一般的なFETを用いた回路に適用される。
以下図1により本発明の実施例である半導体記憶装置とそのセンスアンプ回路について説明する。
図1は、本発明の第一の実施例であるセンスアンプ回路SA0と、それに接続される複数のメモリセルMCを示す図である。センスアンプ回路SA0は、二つのプルダウン回路NDRV0、NDRV1、一つのプルアップ回路PDRV、カラムスイッチYSW、プリチャージ回路PCH、シェアードスイッチSHRから構成される。またそれぞれの記号は、プルダウン回路NDRV0とデータ線の接続を制御するスイッチトランジスタSWMOS、前記スイッチトランジスタSWMOSを駆動する制御信号SACTL、前期プルダウン回路NDRV0のソース線VSSA、前記プルダウン回路NDRV1を駆動するコモンソースドライバVSS_DRV、前記コモンソースドライバVSS_DRVを制御するコモンソース制御スイッチΦCSN、前記プルダウン回路NDRV1のコモンソース線CSN、前記プルアップ回路PDRVを駆動するコモンソースドライバVARY_DRV、前記コモンソースドライバVARY_DRVを制御するコモンソース制御スイッチΦCSP、前記プルアップ回路PDRVのコモンソース線CSP、シェアードスイッチ制御線SHRR、SHRL、カラムスイッチ制御線YS,ローカル入出力線LIOT、LIOB、プリチャージ電圧VDLR、プリチャージ回路制御線DLEQ、接地電圧VSS、データ線ハイレベル電圧VARY、センスアンプ回路SA1、SA2、センスアンプアレーSAA−R、SAA−L、サブワードドライバSWD、サブワードドライバアレーSWDA−U、SWDA−D、負電圧VKK−U、VKK−D、データ線DLT0、DLT1、DLB0、DLB1、サブワード線WL0、WL1、WL2、WL3、WL4、WL5、メモリセルMC、アクセストランジスタTN、セル容量CS、プレート電極PLT、厚膜NMOSトランジスタThick film NMOS、薄膜NMOSトランジスタThin film NMOSである。なお、コモンソース線のプリチャージ回路や、ローカル入出力線LIOT1、LIOB1等、一部の要素回路や配線は、図面が煩雑となるので省略した。
図1に示すように、本実施例における複数のプルダウン回路のうち、プルダウン回路NDRV0を構成するNMOSトランジスタは、プルダウン回路NDRV1を構成するNMOSトランジスタと比較すると、トランジスタのチャネル長が長く、チャネル幅が広い。トランジスタのチャネル長を長く、チャネル幅を広くする理由は、プルダウン回路NDRVのNMOSクロスカップルトランジスタのしきい値電圧差を低減するためである。すなわちプルダウン回路NDRV0のオフセットを低減するためである。プルダウン回路NDRV0のオフセットが小さいので、プルダウン回路NDRV0をプルダウン回路NDRV1及び、プルアップ回路PDRVよりも先行駆動すれば、データ線に出力された微小な読出し信号量を正しく増幅できる。なおプルダウン回路NDRV1を構成するNMOSトランジスタと、プルアップ回路PDRVを構成するPMOSトランジスタのチャネル長は短い、あるいはチャネル幅は広い方が望ましい。この理由は、プルダウン回路NDRV0を構成するNMOSトランジスタのチャネル長が長く、チャネル幅が広いので、データ線を接地レベルまで駆動する速度が遅くなる場合がある。このような場合、プルダウン回路NDRV1およびプルアップ回路PDRVを構成するトランジスタのチャネル長を短く、チャネル幅を広くしておけば、データ線を高速に接地レベルと所望のハイレベルに増幅できる。以上のように、トランジスタ定数(チャネル長やチャネル幅)を大きくし、オフセットを十分に低減したプルダウン回路NDRV0を追加して、プルダウン回路NDRV1やプルアップ回路PDRVよりも先行駆動すれば、読出し時にデータ線に出力された微小な読出し信号量を、プルダウン回路NDRV1およびプルアップ回路PDRVのオフセット電圧以上に増幅できる。即ち、微細化によってトランジスタのしきい値電圧バラツキが増大し、データ線を低電圧化しても、センス時の読出し信号量を正しく増幅できる。
なお、実施例1のセンスアンプ回路SA0は、従来のセンスアンプ回路と比較すると、追加回路は一対のNMOSクロスカップルと、そのNMOSクロスカップルとデータ線を接続するNMOSトランジスタ2つの、合計4つのNMOSトランジスタのみである。したがって、本実施例のセンスアンプ回路SA0の面積オーバヘッドは非常に小さく、チップサイズの増加を最小限に抑えることができる。また追加回路以外の部分は、従来のセンス回路と同じであるため、レイアウトや配線構成なども最小限の変更に抑えられる。なお、図1の実施例では、サブワード線に対してデータ線対が交差する折り返しデータ線型のアレー構成を示したが、勿論、本発明はこれに限定されない。例えば、所謂開放データ線型のアレー構成でもよい。またプルダウン回路NDRV0、NDRV1やプルアップ回路PDRVのしきい値電圧について特に言及していないが、例えば、ロウ系アドレスのデコーダXDECに利用される、一般的な薄膜トランジスタのしきい値電圧よりも低い、低しきい値電圧にしてもよいことは言うまでもない。低しきい値仕様の薄膜トランジスタを利用することで、プルダウン回路やプルアップ回路の駆動電流が向上するため、センス速度を高速化できる。このように本発案の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能であることは言うまでもない。
図2は、図1に実施のセンスアンプ回路SA0の動作波形である。まず、非選択側のアレーとセンスアンプ回路SA0を電気的に切り離すため、シェアードスイッチSHRRを昇圧電圧VPPから接地電圧VSSにネゲートする。ほぼ同時にプリチャージ回路制御線DLEQをネゲートし、センスアンプ回路SA0内のプリチャージ回路PCHを非活性化する。これにより、サブアレーで共有しているセンスアンプと、選択サブアレーのみが電気的に接続される。また、プリチャージ状態であったデータ線がフローティング状態となり、読出し可能になる。なおシェアードスイッチSHRRのネゲートやプリチャージ回路制御線DLEQの駆動方法は様々あるが、例えばロウアドレス信号RASやアドレス信号を利用すればよい。次に、サブワード線WL1がアサートされると、サブワード線WL1に接続されているメモリセルから、保持されている信号がデータ線に出力される。例えば、図1のメモリセルMCに保持されているLレベルの信号が、データ線に出力される。出力された読出し信号量は、プルダウン回路NDRV0のそれぞれのゲートに入力される。その後、スイッチトランジスタSWMOSを、プルダウン回路NDRV1およびプルアップ回路PDRVよりも先行駆動する。スイッチトランジスタSWMOSを先行的に活性化すると、プルダウン回路NDRV0とデータ線が電気的に接続されるため、データ線に出力された微小な読出し信号量の増幅が開始される。
図1で説明したように、プルダウン回路NDRV0のオフセットは非常に小さい。このため、データ線に読み出された微小な読出し信号量を正しく増幅できる。即ち、Lレベルの読出し信号量が出力された、データ線DLT0を選択的にVSS側に駆動できる。またプルダウン回路NDRV1及びプルアップ回路PDRVはまだ非活性化状態であるため、プルダウン回路NDRV1とプルアップ回路PDRVのオフセットが大きくても、センス動作に悪影響を及ぼす心配はない。また、スイッチトランジスタSWMOSを、プルダウン回路NDRV0の制御回路として利用しているので、プルダウン回路NDRV0のソース側は、接地レベルにできる。ソース側を接地レベルにすることは、ソース電位の強化に繋がる。プルダウン回路NDRV0のオフセットが充分に低減された上で、ソース電位が強化されれば、クロスカップルを流れる電流も増加するため、結果としてプルダウン回路NDRV0のセンス速度を高速化できるという利点がある。このように、読み出された微小な読出し信号量を、プルダウン回路NDRV0を先行駆動して、後に駆動するプルダウン回路NDRV1およびプルアップ回路PDRVのオフセット以上に増幅すれば、しきい値電圧バラツキが増大しても、安定した読出し動作が可能となる。
データ線対を所望の電圧差にまで増幅した後、コモンソース制御スイッチΦCSN、ΦCSPをアサートして、コモンソース線CSN、CSPをそれぞれVSS、VARYレベルに変化させる。これにより、データ線対はVSSレベルとVARYレベルに増幅され、センスアンプ回路SA0によりラッチされる。このとき、プルダウン回路NDRV0を構成するNMOSトランジスタのうち、VARYレベルにラッチされたデータ線DLB0が、ドレイン側に接続されているNMOSトランジスタにおいて、ソース側のVSSAに向かってサブスレッショルドリーク電流が流れてしまう。これを防ぐため、データ線対をVSS及びVARYレベルに増幅したのち、スイッチトランジスタSWMOSをネゲートする。スイッチトランジスタSWMOSをネゲートすることで、前述したサブスレッショルドリーク電流を削減できる。すなわち、センスアンプ回路SA0のサブスレッショルドリーク電流を低減し、チップの消費電流を削減できる。
データ線対を所望の電圧差にまでラッチし、スイッチトランジスタSWMOSを非活性化した後は、プルダウン回路NDRV1およびプルアップ回路PDRVでデータをラッチし、メモリセルMCに再書込み動作を実施する。再書込み動作によって、メモリセルMCに充分データが書き戻された後、サブワード線WL1をネゲートする。その後、コモンソース線CSN、CSPをプリチャージ電圧VDLRにプリチャージして、プリチャージ制御線DLEQをアサートし、データ線対をプリチャージ電位VDLRにプリチャージする。以上が実施例1のセンスアンプ回路SA0の動作である。
これまでに説明したように、オフセットを充分に低減したプルダウン回路NDRV0を追加することで、しきい値電圧バラツキが大きい場合や、低電圧化によって読み出し信号量が減少した場合においても、安定した読出し動作を実現できる。なお低電圧化動作が可能になることで、動作時のチップ消費電力を低減できる。また、従来のセンスアンプ回路では、データ線長を長くするとデータ線の寄生容量が増加してしまい、読出し信号量が減少し、読出し誤動作が発生してしまう恐れがある。しかし、本発案のセンスアンプ回路SA0を用いれば、データ線長を長くしても、オフセットを充分に低減したプルダウン回路NDRV0を先行駆動することで、読出し誤動作することがない。すなわち、安定した読出し動作とチップのセル占有率向上を両立できる。セル占有率が高くなるということは、チップ面積を小さくできることになり、低コストで良品チップを提供できる。また、データラッチ後に、スイッチトランジスタSWMOSを非活性化することで、プルダウン回路NDRV0を流れるサブスレッショルドリーク電流を削減できる。その結果、チップの消費電流を低減できる。
図3および図4は、図1の実施例であるセンスアンプ回路SA0を複数用いて構成した、センスアンプアレーSAA−Rの平面レイアウトである。破線部で囲まれた部分を示す記号の一部は、それぞれ図1のセンスアンプ回路SA0を構成する各回路に対応している。それ以外の、SACTLはスイッチトランジスタ制御線、YS0−YS2はカラムスイッチ制御線、LIO0T、LIO0B、LIO1T、LIO1Bはローカルデータ線を示している。なお、図4は、コンタクトV2と第2層の配線層M2の配線レイアウトの一例が示されている。また、図3、図4における記号の意味は、ゲート電極と第1層の配線層M1(データ線)を接続するゲートコンタクトFGCNT、拡散層LN、LP、ゲート電極FG、拡散層LN、LPと配線層M1を接続する拡散層コンタクトLCNT、第2層の配線層M2と第3層の配線層M3を接続するコンタクトV2である。また図3において、コモンソースドライバVSS_DRV、VARY_DRVは、コモンソース線CSN、CSPを駆動するために用いられ、例えば、複数のセンスアンプ回路SA0−SA7(図示せず)にそれぞれひとつずつ配置される、いわゆるセンスアンプドライバ分散配置方式のレイアウトの一例を示している。
図3では、一つのサブアレーSARY0に対し、複数のプルダウン回路NDRV0、プルダウン回路NDRV0をデータ線との電気的な接続を制御するスイッチトランジスタSWMOS、及び対として動作する複数のプルダウン回路NDRV1と、複数のプルアップ回路PDRVとの間に、複数のコモンソース線を駆動する回路VARY_DRV、VSS_DRVが分散配置されている。スイッチトランジスタSWMOSを制御するスイッチトランジスタ制御線SACTLと、駆動回路VARY_DRV、VSS_DRVを制御する制御スイッチΦCSN、ΦCSPは、プリチャージ電圧VDLRを供給する電源線と、ローカルデータ線LIO0T、LIO0B、LIO1T、LIO1Bと、コモンソース線CSN、CSPと、データ線電圧VARY、接地電圧VSS、VSSAを供給する電源線と、同方向に延在し、同じ配線層で形成される。またこれらの配線はワード線と同方向に形成される。カラムスイッチ駆動線YS0−YS2は、コンタクトV2を介してカラムスイッチYSWと接続され、第2層の配線層M2より上層の第3層の配線層M3に形成され、データ線と同じ方向に延在する。
センスアンプ回路SA0内のスイッチトランジスタSWMOSは、隣接するセンスアンプ回路のスイッチトランジスタSWMOSとゲート電極FGを介して接続されている。なお、スイッチトランジスタSWMOSのゲート電極FGは、サブワードドライバSWDとセンスアンプアレーSAAが直交する領域で、配線層M2と接続される。このようにすることで、スイッチトランジスタ制御線SACTL全体の配線抵抗を低減し、スイッチトランジスタSWMOSを高速に活性化できる。
以上のように、サブアレーSARY0に対応するセンスアンプアレーSAA−Rにおいて、駆動回路VSS_DRV、VARY_DRVを分散配置することで、高速にコモンソース線CSN、CSPを駆動することができ、またプルダウン回路NDRV1とプルアップ回路PDRVの間に配置することで、効率よくレイアウトを行うことが可能となる。なお、図面が煩雑になるため、配線層の一部は省略した。
また、図3、図4に示したように、図1に実施したセンスアンプ回路SA0の追加回路は、プルダウン回路NDRV0とスイッチトランジスタSWMOSだけである。したがって図3からわかるように、センスアンプ回路SA0の面積増加も少ない。また、レイアウトの対称性にも優れているため、データ線ノイズも小さいという利点もある。さらに、従来のプルダウン回路NDRV1と同様のレイアウトが可能であり、回路追加に伴う追加配線は、スイッチトランジスタ制御線SACTLとコモンソース線VSSAのみであるといった点から、本実施例のセンスアンプ回路のレイアウトが容易である。また、プルダウン回路NDRV0、NDRV1とプルアップ回路PDRV内のトランジスタのゲート電極形状は、リング型の形状で形成されている。なお、このリング型ゲート形状は、図3の右上の太い破線で囲む領域に示されている。このようにゲート電極をリング型にすることで、ゲート電極の製造誤差が低減され、よりセンスアンプ回路のオフセットを低減できる。
なお、図3においては、プルダウン回路NDRV0とNDRV1、プルアップ回路PDRVのゲート電極FGの形状をリング型で示したが、もちろん本発案がこれに限定されるものではない。コの字型や矩形のゲート電極FGなどさまざまな変形が可能である。また、コモンソースドライバVSS_DRVのチャネル幅を、図3に示したチャネル幅よりも狭くする、あるいはコモンソース制御スイッチΦCSNのセット時間を遅くするといった方法を適用して、図2に示されたコモンソース線CSNの駆動速度をより遅くして、センスアンプ回路SA0を動作させてもよい。すなわちプルダウン回路NDRV0駆動後に、プルダウン回路NDRV1を比較的遅い速度で駆動して、最後にプルアンプ回路PDRVを駆動する。このようにすることで、プルダウン回路NDRV0のオフセットが大きくなった場合においても、プルダウン回路NDRV1において、データ線DLT0を正確にVSS側に選択的に増幅できるという利点がある。以上のように、本発案の主旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能であることは言うまでもない。
図5は、図1におけるサブアレーSARYの平面レイアウトと、それに接続されるセンスアンプアレーSAA−R、SAA−Lを示した図である。アクセストランジスタTNは、サブワード線WL、拡散層ACTから構成され、セルキャパシタCSは、蓄積ノードSNとプレート電極PLTからなる。その他の記号は、拡散層ACTをその上部の配線やコンタクトに接続するためのセルコンタクトSNCNT、ビット線BLT、BLBと拡散層ACTを接続するビット線コンタクトBLCNT、ランディングパッドLPADである。ここで、ランディングパッドLPADは蓄積ノードSNと蓄積ノードコンタクトSNCNTを接続するコンタクトであり、セルキャパシタCSの位置を最適化することができるので、セルキャパシタCSの表面積を大きくすることができる。もちろん、セルキャパシタCSの容量が充分に確保できるのであれば、ランディングパッドLPADを利用しなくてもよい。その場合、プロセス工程を削減できるのでコストを低減できる。
また、図5のようにメモリセルMCのレイアウトは様々な変形が可能である。図5(a)は、所謂折り返し型データ線構造であり、拡散層ACTが単純な矩形であるため、微細化が容易であるという利点がある。また図5(b)は、擬似折り返し型データ線構造である。(a)との違いは、拡散層ACTがサブワード線WLに対して斜めにレイアウトされていることである。このため、実効的にチャネル幅が大きく取れるため、アクセストランジスタTNのオン電流を大きくとれるという利点がある。したがって、本実施のメモリセル構造と組み合わせるとで、より高速動作が可能な半導体記憶装置を実現できる。図5(c)、(d)は、開放型データ線構造である。折り返し型データ線構造に比べると、セル面積を低減できるという利点がある。図5(c)はデータ線ピッチが広いため、データ線寄生容量も低減できる。そのため、本実施のメモリセル構造と組み合わせることで、より高集積で、低電圧動作が可能な半導体記憶装置を実現できる。図5(d)は、(c)に比べさらにセル面積が小さくでき、本実施のメモリセルと組み合わせることでより高集積な半導体記憶装置が実現できる。
もちろん、本実施例のメモリセル構造に適用できるレイアウトは、これに限定されない。例えば、(d)の開放型データ線構造において、サブワード線WLに対して斜めにレイアウトされている拡散層ACTを、(a)のように直交するようにレイアウトしてもよい。その場合、形状が矩形であるため微細化が容易であるという利点がある。さらに、サブワード線WLAの、左右の隣接セルの拡散層ACTを共有し、サブワード線WLAに常にロウレベルのVSSを印加する事で、素子分離するなどの応用も可能である。この場合、データ線と平行な方向に、絶縁体からなる素子分離領域を形成する必要がないため、プロセス工程を削減でき、コストを低減できる。
以上のように、本実施のメモリセル構造は、その主旨を逸脱しない範囲で、様々な変更が可能であることは言うまでもない。
図6は、図5に示した複数のメモリセルMCとセンスアンプ回路SA0の断面図の一部を示した図である。図中の記号は、第2層の配線層M2、第3層の配線層M3、Pウェル基板PW、Nウェル基板NW、ディープNウェル基板DNWELLおよびP型基板PSUBである。なお、これらの形成方法は、一般的な半導体記憶装置、特に所謂汎用DRAMと同様なのでここでは説明の詳細は省略する。また、セルキャパシタCSの構造は、図に示される構造に限定されるものではない。例えばクラウン型のキャパシタをはじめとして、様々な変更が可能であることはいうまでもない。このように、本実施のセンスアンプ回路SA0は、NMOSトランジスタを四つと、コモンソース線VSSAの配線追加だけでよいため、実現が容易である。プルダウン回路NDRV0のNMOSトランジスタの拡散層は、メモリセル内のトランジスタとプルダウン回路NDRV1のNMOSトランジスタの拡散層と同じP型ウェルPW内に構成することが可能である。また、サブアレーSARY0の上部に追加配線を配置する必要もないので、配線ノイズも発生しない。したがって、メモリ動作に悪影響を及ぼすことがない。
図7は、本実施例の製造フローにより形成したメモリセルを用いて、DRAMチップを設計した時のブロック図を示している。図に示した記号は、アドレスバッファADDRESS BUFFER、カラムアドレスバッファCOLUMN ADDRESS BUFFER、カラムアドレスカウンタCOLUMN ADDRESS COUNTER、ロウアドレスバッファROW ADDRESS BUFFER、リフレッシュカウンタREFRESH COUNTER、バンクセレクトBANK SELECT、モードレジスタMODE RESISTER、ロウデコーダROW DEC、カラムデコーダCOLUMN DEC、メインセンスアンプSENCE AMP、メモリセルアレーMEMORY CELL ARRAY、データ入力バッファDin BUFFER、データ出力バッファDout BUFFER、データバッファDQS BUFFER、ディレイロックドループDLL、コントロールロジックCONTROL LOGIC、クロックCLK、/CLK、クロックイネーブル信号CKE、チップセレクト信号/CS、ロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WE、データライト信号DW、データストローブ信号DQS、データDQである。なお、これらの回路や信号の制御方法は、公知のSDRAM/DDR SDRAMなどと同様であるため、ここでは説明を省略する。本実施例のセンスアンプ回路を適用すれば、低消費電力・高速動作・高信頼性といった特徴を持つDRAMを実現できる。なお、ブロックの構成は、図7に特に限定されない。メモリセルアレーMEMORYCELL ARRAYの数を増やしても良いし、本実施例の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
実施例1では、コモンソースCSP線の駆動回路はコモンソースドライバVARY_DRV一つの場合について説明したが、コモンソースドライバは複数あってもよい。
図8は、本実施のセンスアンプ回路SA0において、コモンソース線CSPの駆動回路が、コモンソースドライバVOD_DRVとVARY_DRVから構成される場合を示している。図1と異なる点は、コモンソースドライバVOD_DRVが追加されている点と、コモンソースドライバVOD_DRVのソース電圧VODが、コモンソースドライバVARY_DRVのソース電圧VARYよりも高い電圧であるということである。なおコモンソースドライバVOD_DRVに係わる記号以外の、図中の記号の意味は、図1と同様であるのでここでは説明を省略する。またセンスアンプ回路SA0においては、その回路構成は図1と同様であり、図1において説明した効果と同等の効果が得られることは言うまでもない。
図9は、図8で示した実施例の動作波形の一例である。図2の動作波形と異なる点は、プルダウン回路NDRV0で読み出し信号量をプルダウン回路NDRV1およびプルアップ回路PDRVのオフセット電圧以上に増幅し、コモンソース制御スイッチΦCSNとΦCSP1をほぼ同時にアサートした後、コモンソース制御スイッチΦCSP1のネゲートと、コモンソース制御スイッチΦCSP0のアサートを同時に実行する点である。また
追加したコモンソースドライバVOD_DRVのソース電圧は、データ線ハイレベル電圧VARYよりも高いVOD電圧である点も異なる。その結果、センス初期において、コモンソース線CSPはデータ線ハイレベル電圧VARYよりも高い電圧であるVODレベルまで昇圧される。なお、データ線DLT、DLBもデータ線ハイレベル電圧VARY以上に昇圧されるため、データ線の過充電により消費電流が増加する場合がある。そこでデータ線が必要充分に振幅した後、コモンソース制御スイッチΦCSP1をネゲートし、ほぼ同時にコモンソース制御スイッチΦCSP0をアサートする。このように制御することで、データ線のハイレベル電圧を所望の電圧であるVARYにすることができる。また、データ線の過充電による消費電流増加を防ぐことができる。
図9のように制御することで得られる利点は以下の通りである。追加したコモンソースドライバVOD_DRVのソース電圧をVODレベルとして、VARYよりも高い電圧にすることで、プルアップ回路PDRVのソース電圧を高くすることができる。プルアップ回路PDRVのソースレベルを高くすれば、PMOSクロスカップルトランジスタの駆動電流を大きくすることができるので、データ線を接地レベル及び、データ線ハイレベル電圧VARYにラッチする速度を高速化できる。また、データ線電圧VARYが低電圧化し、読出し信号量が減少した場合でも、プルアップ回路PDRVの駆動電流が充分確保できるので、安定したラッチ動作が可能となる。すなわち低電圧センス動作が実現できるので、チップの消費電流を低減できるという利点がある。
なお、特に説明はしなかったが、スイッチトランジスタ制御スイッチSACTLのネゲートと、コモンソース制御スイッチΦCSP1のネゲートのタイミングは、ほぼ同時が望ましい。ネゲートするタイミングが同じであれば、タイミング制御回路の回路点数を低減することができるという利点がある。
実施例1および実施例2では、コモンソースドライバVOD_DRV、VARY_DRVを構成するPMOSトランジスタは、そのゲート絶縁膜が薄い(3nm程度)薄膜PMOSトランジスタの場合を示したが、前記コモンソースドライバVOD_DRV、VARY_DRVを構成するPMOSトランジスタの代わりに、そのゲート絶縁膜が厚い(6nm程度)、厚膜NMOSトランジスタを適用しても良い。
図10は、本発案のセンスアンプ回路SA0において、コモンソースドライバVOD_DRV、VARY_DRVに厚膜NMOSトランジスタを適用した場合を示している。図8との違いは、コモンソースドライバVOD_DRV、VARY_DRVを構成するトランジスタが厚膜NMOSトランジスタであるという点である。また厚膜NMOSトランジスタであることから、コモンソース制御スイッチΦCSP0、ΦCSP1をアサートするゲート電圧レベルが、昇圧電圧VPPとなる点も異なる。なお動作波形図は、センス時にコモンソース制御スイッチΦCSP1を接地電圧VSSから、昇圧電圧VPPにアサートする点と、コモンソース制御スイッチΦCSP0を接地電圧VSSから昇圧電圧VPPにアサートする点のみが、図9と異なる点であり、ここでは図を用いた説明を省略した。
また、本実施例は前述した実施例に限定されるものではない。例えば、コモンソースドライバVOD_DRVを構成するトランジスタは厚膜NMOSトランジスタであり、コモンソースドライバVARY_DRVを構成するトランジスタは薄膜PMOSトランジスタを用いてもよい。コモンソースドライバVARY_DRVに、薄膜PMOSトランジスタを用いれば、そのゲート電圧は外部供給電圧VDDと同等の電圧に低電圧化できる。すなわち、コモンソース制御スイッチΦCSP0の充放電電流が低減できるのでチップの消費電力を低減できる。なお、コモンソースドライバVARY_DRVを構成する薄膜PMOSトランジスタのしきい値電圧を低くした、低しきい値電圧仕様の薄膜PMOSを利用してもよいことは言うまでもない。この場合、コモンソースドライバVARY_DRVの駆動電流が大きくなるので、メモリセルへのHレベル電圧VARYの再書込み動作を高速化できる。また、図1の実施例における、コモンソースドライバVARY_DRVに厚膜NMOSトランジスタを適用してもよいことはいうまでもない。さらにコモンソースドライバVSS_DRVに厚膜NMOSトランジスタを適用してもよいことは言うまでもない。このように、本発案の主旨を逸脱しない範囲で様々な回路変更が可能である。
実施例1から実施例3においては、センスアンプSA0のオフリーク電流低減に着目した構成を示したが、アプリケーションによっては、データラッチ時のオフリーク低減が最優先事項でない場合がある。そのような場合は、以下に示す回路構成を用いてセンスアンプ回路SA0を構成してもよい。
実施例1から実施例3では、スイッチトランジスタSWMOSを利用して、センスアンプ回路SA0から流れるサブスレッショルドリーク電流を低減できる回路構成を示したが、スイッチトランジスタSWMOSを利用せず、プルダウン回路NDRV0のみを追加してセンスアンプSA0を構成してもよい。なおこの場合、追加するプルダウン回路NDRVのしきい値電圧は必要充分に低い、超低しきい値電圧SLVであることが望ましい。
図11は、従来のセンスアンプ回路に、プルダウン回路NDRV0を、プルダウン回路NDRV0のコモンソース線CSN0を駆動するコモンソースドライバVSSA_DRVを追加した例を示している。またプルダウン回路NDRV0を構成するNMOSトランジスタは、充分にしきい値電圧が低い、超低しきい値電圧SLV仕様の薄膜NMOSトランジスタである。図11からわかるように、本発案のセンスアンプ回路は、追加回路が非常に少なく、スイッチトランジスタSWMOSを利用する図1と比較すると、さらにチップサイズを低減できるという利点がある。また、プルダウン回路NDRV0に超低しきい値電圧SLVのNMOSトランジスタを適用するため、データ線ハイレベル電圧VARYを低電圧化した場合においても、プルダウン回路NDRVを構成するNMOSトランジスタの実効ゲート電圧VGSが充分に確保できる。そのため、データ線ハイレベル電圧VARYを低電圧化した場合でも、安定した読出し動作が可能となる。即ち、データ線の充放電電流を低減できるので、チップの消費電力を低減できる。
なお、超低しきい値電圧仕様のトランジスタを作成する手段としては、例えばしきい値電圧調整用の不純物濃度を薄くして、Si基板にイオン注入すればよい。またその他の手段としては、NMOSトランジスタの標準的なしきい値電圧調整用の不純物を、Si基板にイオン注入した後、PMOSトランジスタのしきい値電圧調整用の不純物を、Si基板にイオン注入するという手段もある。導電型の異なる不純物をSi基板にイオン注入することで、標準的なしきい値電圧から、より低いしきい値電圧に調整することが可能となる。この場合、超低しきい値電圧調整用に、新たにマスクを追加することがないので、コスト増加を抑えることができるという利点もある。さらに、不純物によるしきい値電圧設計ではなく、ゲート絶縁膜を薄くして、しきい値電圧を低く設定してもよい。このように、超低しきい値電圧仕様のトランジスタを作成する手段としては、様々な変更が可能であることは言うまでもない。
図12は、図11に示したセンスアンプ回路SA0の動作波形を示している。図2で示した実施例1のセンスアンプ回路SA0の駆動方法と異なる点は、センス時にアサートしたコモンソース制御スイッチΦCSN0を、プリチャージコマンド直前まで活性化しておく点である。
サブワード線SWLがアサートされ、データ線対DLT0、DLB0に読み出し信号量が出力された後、コモンソース制御スイッチΦCSN0をアサートして、プルダウン回路NDRV0を活性化する。これにより、微小な読出し信号量を、後に活性化するプルダウン回路NDRV1、プルアップ回路PDRVのオフセット電圧以上にプリアンプする。プルダウン回路NDRV0によって、充分にデータ線が増幅された後、コモンソース制御スイッチΦCSN1、ΦCSPをアサートして、プルダウン回路NDRV1とプルアップ回路PDRVをそれぞれ活性化する。このように制御することで、プルダウン回路NDRV1、プルアップ回路PDRVのオフセットが大きい場合でも、安定した読出し動作を実現し、誤動作を防ぐことができる。
図13は、図11に示したセンスアンプ回路SA0を複数用いて構成した、センスアンプアレーSAA−Rの平面レイアウトである。図3と異なる点は、スイッチトランジスタSWMOSがない点と、プルダウン回路NDRV0を駆動するコモンソースドライバVSSA_DRVが追加された点である。このように、本実施のセンスアンプ回路SA0では、スイッチトランジスタSWMOSが無いため、センスアンプのレイアウト面積を最小限に抑えられる。すなわち、チップ面積増加を最小限に抑えられる。また、追加プルダウン回路NDRV0の制御は、コモンソース制御スイッチΦCSN0を活性化、非活性化することで行う。コモンソース制御スイッチΦCSN0は、複数のセンスアンプ回路で共用できるので、比較的大きなレイアウトサイズを確保できる。大きなレイアウトサイズを確保できれば、コモンソースドライバVSSA_DRVの製造誤差も低減でき、コモンソース線CSN0をより接地レベルに駆動することができる。
一方、図1、及び図3のように、スイッチトランジスタSWMOSが、センスアンプ回路毎にある場合、そのレイアウトサイズが小さいため、スイッチトランジスタSWMOSの製造誤差が大きくなる場合がある。このような場合、スイッチトランジスタSWMOSの製造誤差による、しきい値電圧バラツキが、読出し信号量のノイズ源となる場合がある。このように、本実施例ではスイッチトランジスタSWMOSの変わりに、コモンソースドライバVSSA_DRVでプルダウン回路NDRV0を駆動するので、前述したようなノイズ源の発生も抑えられるという利点がある。また、プルダウン回路NDRV0のゲート電極形状は、リング型の形状で形成する。このようにすることで、ゲート電極の製造誤差が低減され、よりセンスアンプ回路のオフセットを低減できる。なお図13においては、プルダウン回路NDRV0とNDRV1、プルアップ回路PDRVのゲート電極FGの形状をリング型で示したが、もちろん本発案がこれに限定されるものではない。高感度なセンス動作が要求されるプルダウン回路NDRV0はリング型のゲート電極形状を適用し、プルダウン回路NDRV1とプルアップ回路PDRVは、コの字型や矩形のゲート電極形状を適用しても良い。例えば、矩形のゲート電極形状にすれば、リング型のゲート電極形状にするよりもセンスアンプレイアウト面積が小さくできる。したがって、チップサイズを低減できる利点がある。このように、本発案の主旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
実施例1から実施例4においては、サブワードドライバSWDのソース電圧に接地電圧VSSよりも低い、負電圧VKKを印加した例を示した。このような構成にすると、メモリセルトランジスタTNのワード線待機電圧を負電圧VKKにできる。メモリセルのゲート電圧が負電圧なので、待機時においては、実効的にしきい値電圧が高くなる。したがって、不純物をイオン注入して、メモリセルトランジスタTNのしきい値電圧を必要以上に高く設定しなくてもよい。この結果、ワード線選択時に昇圧電圧VPPがメモリセルのゲート電極に印加された場合、メモリセルトランジスタTNの実効ゲート電圧が大きくなり、メモリセルのオン電流が増加する。オン電流が増加すると、メモリセルからデータ線に読み出し信号量が出力されるまでの時間や、メモリセルへのハイレベル電圧VARYの書込み速度が高速化できる。また必要以上にしきい値電圧調整用の不純物をイオン注入する必要がないため、メモリセルトランジスタTNの拡散層における、所謂PN接合部やゲート−拡散層間の電界を緩和することができる。PN接合部や、ゲート−拡散層間の電界を緩和すると、そこで発生する所謂接合リークや、GIDL電流(GIDL:Gate Induced Drain Leakage Current)を低減できる。すなわち、DRAMのリテンション時間を伸ばし、待機時消費電力を低減できるとう利点がある。
しかし、チップの待機時消費電力低減よりも、チップの高速動作が優先されるアプリケーションにおいては、以下のような実施例を用いてセンスアンプSA0を構成しても良い。
図14は、サブワードドライバSWDのソース電位VSSSWDに接地レベルVSSを印加し、プルダウン回路NDRV0のコモンソース線VSSAと電気的に接続した場合の例を示している。図1では、サブワードドライバSWDのソース電位に、負電圧VKKを印加していたため、プルダウン回路NDRV0のコモンソース線VSSA(接地電圧VSS)と電気的に接続できない。この点が図1と図14の違いである。その他、記号や回路構成が同じ部分については、図1と駆動方法は同じであるため、ここでは動作波形による詳細な説明は省略する。
図15は、図14に示したセンスアンプ回路SA0を用いたバンクBANK内の電源配線構成の一例を示した図である。なお説明の簡略化のため、ロウデコーダROW DECやカラムデコーダCOLUMN DEC等の回路ブロックは省略した。また、説明の簡略化のため、供給電源VDD、周辺回路用電源VPERI、昇圧電圧VPP等のバンクBANK内の電源配線は省略した。
図15に示したバンクBANKは、複数のサブワードドライバSWD、センスアンプアレーSAA、サブアレーSARY、センスアンプアレーSAAとサブワードドライバSWDで挟まれた領域のインタセクション部ISから構成される。図15の例では、図面縦方向に配線層M2(例えば第一層アルミニウム1AL)でコモンソース線VSSA配線が配置されている。また、図面左右の方向に、配線層M3でコモンソース線VSSA配線(例えば第二層アルミニウム2AL)が配置されている。またサブワードドライバSWDのソース電位VSSSWD配線が、同じく配線層M3(例えば第二層アルミニウム2AL)で配置されている。配線層M3で配置されたコモンソース線VSSAは、センスアンプアレーSAA上で配線層M2のコモンソース線VSSAに接続され、配線層間コンタクトを経由し、最終的にはプルダウン回路NDRV0のコモンソース線VSSAに接続される。このように、電源配線がメッシュ上に配置されていると、コモンソース電位が強化され、センス速度が高速化できる利点がある。
図15の実施例では、配線層M2のコモンソース線VSSAと配線層M3のサブワードドライバSWDのソース電位VSSSWDを、インタセクション部IS上で配線層間コンタクトを介して電気的に接続する。このような構成にすることで、サブワードドライバSWDの寄生容量が、コモンソース線VSSAの平滑化容量として働く。すなわち、コモンソース線VSSAのソースレベルが強化でき、センス速度を従来と比較してさらに高速化できる。なお、サブワードドライバSWDのソース電位は負電圧VKKではなく、接地電圧のVSSSWDである。そのため、前述したとおりリテンション時間が短くなる可能性があるが、センス速度は高速化できるので、高速性能が重視されるプリケーションに好適である。一方図16に示した、バンクBANK内の従来電源配線構成では、サブワードドライバSWDのソース電位は負電圧VKKが印加されている。従って、インタセクション部IS上でコモンソース線VSSAとサブワードドライバSWDのソース電位VKKを接続できない。サブワードドライバSWDの寄生容量を、コモンソース線VSSAの平滑化容量として利用できないので、図15の実施例と比較するとセンス速度は遅くなってしまう場合がある。しかしサブワードドライバSWDのソース電位は負電圧のVKKが印加されている。したがって、センス速度の高速化、すなわち高速性能よりも、リテンション時間即ち待機時消費電力が優先されるアプリケーションに好適である。
なお、待機時消費電力が優先されるアプリケーションに、図15の実施例を適用してもよいことはいうまでもない。逆に高速性能が優先されるアプリケーションに、図16の実施例を適用してもよいことはいうまでもない。
図17は、図15の電源配線構成を適用した時のセンス動作波形(b)と、図16の電源配線構成を適用した時のセンス動作波形(a)である。図15では、プルダウン回路NDRV0のコモンソース線VSSAにサブワードドライバSWDの寄生容量を平滑化容量として利用するため、スイッチトランジスタ制御信号を活性化した際、コモンソース線VSSAの接地電位レベルからの浮きが抑制される。コモンソース線VSSAの浮きが抑制されるため、プルダウン回路NDRV0の実効的なゲート−ソース間電圧VGSが、充分に確保される。この結果、読出し信号量を増幅する駆動電流を大きくとることができる。すなわち、図で示したδtSA分だけ、センス速度が高速化できる。
以上図14から図17を用いて説明したが、本発案は説明した構成に限定されるものではない。センスアンプ回路SA0は、実施例1のセンスアンプ回路SA0で説明したが、実施例2から実施例4で説明したセンスアンプ回路SA0を用いて、図15で示したような、電源配線構成を採用しても良いことはいうまでもない。また、プルダウン回路NDRV1のソース電位VSS配線とコモンソース線VSSA、サブワードドライバSWDのソース電位VSSSWDをインタセクション部IS上で、電気的に接続してもよい。このようにすると、データ線DLT、DLBのいずれかを、接地電位まで増幅する速度がさらに高速化できる。このように、本発案の主旨を逸脱しない範囲で、様々な変更が可能である。
実施例1、実施例2、実施例3、及び実施例5においては、追加プルダウン回路NDRV0のしきい値電圧は、ロウデコーダROW DECやカラムデコーダCOLUMN DECで用いられている、通常の薄膜トランジスタのしきい値電圧と同等の値で構成する場合を示したが、プルダウン回路NDRV0のしきい値電圧を充分に低減した、超低しきい値電圧SLVを適用してもよい。
図18は、プルダウン回路NDRV0のしきい値電圧を、超低しきい値電圧SLVとした場合の、センスアンプ回路SA0を示している。図1との違いは、追加プルダウン回路NDRV0のしきい値電圧が超低しきい値電圧SLVであるという点である。図18のセンスアンプ回路の駆動方法やレイアウト方法は、図1の実施例と同様なので、ここでは簡略化のため説明を省略する。
図18のように、プルダウン回路NDRV0を超低しきい値電圧SLVとすることで、プルダウン回路NDRV0のNMOSトランジスタのゲート−ソース間電圧VGSが充分高く確保できる。ゲート−ソース間電圧VGSが高く確保できれば、メモリセルからデータ線に出力された読出し信号量を、プルダウン回路NDRV0で高速に増幅できる。また、プルダウン回路NDRV0のゲート−ソース間電圧VGSが充分高く確保されているので、データ線ハイレベル電圧VARYを低電圧化しても、プルダウン回路NDRV0で読出し信号量を正しく増幅できる。すなわち、データ線ハイレベル電圧VARYが低電圧化できるので、データ線充放電電流を削減でき、チップの消費電流を低減できる。
実施例6においては、プルダウン回路NDRV1、プルアップ回路PDRVのしきい値電圧は、周辺回路のロウデコーダROW DECやカラムデコーダCOLUMN DECで用いられている、通常の薄膜トランジスタのしきい値電圧と同等の値で構成する場合を示したが、プルダウン回路NDRV1、プルアップ回路PDRVのしきい値電圧を、通常の薄膜トランジスタのしきい値電圧よりも低い、低しきい値電圧LVで構成してもよい。
図19は、プルダウン回路NDRV1、プルアップ回路PDRVのしきい値電圧として、低しきい値電圧LVを適用した場合を示している。低しきい値電圧LVを適用する点以外の、駆動方法や平面レイアウト方法は、実施例6と同じであるので、ここでは説明を省略する。
図19のように、プルダウン回路NDRV1、プルアップ回路PDRVに低しきい値電圧LVを適用すると、プルダウン回路NDRV1、プルアップ回路PDRVの駆動電流を増加できる。駆動電流を増加できれば、プルダウン回路NDRV0で読み出し信号量を、プルダウン回路NDRV1およびプルアップ回路PDRVのオフセット電圧以上に増幅した後、データ線をデータ線ハイレベルVARY、接地電圧VSSにラッチする速度を高速化できる。すなわち、センス速度を高速化でき、チップの高性能化を実現できる。
図20は、図19に示したセンスアンプ回路の平面レイアウトの一例である。図3の平面レイアウトと異なる点は、プルダウン回路NDRV1とプルアップ回路PDRVのゲート電極形状が矩形であることである。ゲート電極形状を矩形にすると、ゲート電極形状をリング型にするときよりも、同じチャネル幅を確保しようとする場合において、プルダウン回路NDRV1、プルアップ回路PDRVのレイアウト面積(データ線方向の長さ)を低減できる。したがって、センスアンプ回路SA0のレイアウト面積が削減できるので、チップ面積が低減でき、低コスト化が図れるという利点がある。なお、ゲート電極形状を矩形にすると、一般的には製造誤差が大きくなり、オフセット電圧が大きくなる場合がある。しかし、そのような場合においても、本実施のセンスアンプ回路SA0は、プルダウン回路NDRV0で、読出し信号量を、プルダウン回路NDRV1、プルアップ回路PDRVのオフセット電圧以上に、充分に増幅できるので、読出しエラーが発生する恐れがないことは言うまでもない。
これまで説明した実施例においては、スイッチトランジスタSWMOSは、ロウデコーダROW DECやカラムデコーダCOLUMN DECで用いられている、通常の薄膜NMOSトランジスタを適用した場合について示したが、超低しきい値電圧SLVを用いてセンスアンプ回路SA0を構成してもよい。
図21は、スイッチトランジスタSWMOSのしきい値電圧を、超低しきい値電圧SLVとした場合のセンスアンプ回路を示している。図18と異なる点は、スイッチトランジスタSWMOSのしきい値電圧が、超低しきい値電圧SLVで構成されている点である。その他の駆動方法や、平面レイアウト図は、図18と同様なので、ここでは説明を省略する。
スイッチトランジスタSWMOSを超低しきい値電圧SLVとすることで、プルダウン回路NDRV0としきい値電圧調整用のマスクを共用できる。すなわち、図18に比べて、マスク枚数を1枚低減でき、チップの製造コストを低減できる。また、スイッチトランジスタSWMOSと、プルダウン回路NDRV0のしきい値電圧が同じなので、しきい値電圧調整用の不純物を、異なる不純物イオン濃度でSi基板に注入する必要がない。すなわち、スイッチトランジスタSWMOSをプルダウン回路NDRV0において、しきい値電圧を変えるために必要な、しきい値電圧調整用マスク間の距離を確保する必要がないので、図18、図19における、スイッチトランジスタSWMOSとプルダウン回路NDRV0のレイアウト面積よりも、小さいレイアウト面積でセンスアンプ回路SA0を構成できる。したがって、チップサイズをより低減できるという利点がある。なお、スイッチトランジスタSWMOSを、超低しきい値電圧SLVにするため、スイッチトランジスタSWMOSのサブスレッショルドリークが増加する場合がある。そのような場合は、スイッチトランジスタSWMOSの待機ゲート電圧を、例えば負電圧VKKにしておくとよい。このようにすることで、スイッチトランジスタSWMOSの待機時のしきい値電圧を高くすることができ、サブスレッショルドリーク電流を低減できる利点がある。
以上図1から図21を用いて説明したが、本発案はこれに限定されるものではない。例えば、図19のセンスアンプ回路SA0に、コモンソースドライバVOD_DRVを追加してもよい。このようにすれば、プルアップ回路PDRVの駆動電流を増加することができ、センス速度を高速化できる。また図面では説明しなかったが、データ線のデータをラッチした後、一度非活性化したスイッチトランジスタSWMOSを、カラムスイッチYSWと同じタイミングで再度活性化するように制御してもよい。このように制御することで、ローカル入出力線LIO、メイン入出力線MIOを接地電圧に駆動する駆動力を強化できる。センスアンプの駆動力が強化できれば、カラムサイクル間のサイクルtCKを高速化でき、外部チップとDRAM間のデータ転送レートを向上させることができる。
なお、このような制御方法は、一般的な論理回路の追加で簡単に実現できるので、ここでは図面を用いた説明を省略した。また図6では、メモリセルトランジスタは一般的な平面トランジスタを適用した場合を示したが、もちろんこれに限定されない。所謂3次元構造のメモリセルトランジスタを適用してDRAMチップを構成しても良い。このようにすると、リテンション時間の向上と、アクセス時間tRCDの高速化を両立できる、高性能なDRAMが提供できる。
以上のように本発案のセンスアンプ回路は、低電圧動作や高速動作、高集積化といった目的に応じて、様々な変更が可能である。
本発明の一実施例である半導体記憶装置のメモリアレー部及びセンスアンプ回路図である。 図1のセンスアンプ回路の動作波形の一例である。 図1のセンスアンプ回路の平面レイアウトの一例である。 図2に続く、センスアンプ回路の平面レイアウトの一例である。 図1に実施のメモリセルアレー部の平面レイアウトの一例である。 図1のセンスアンプ回路及びメモリセルアレーの要素断面図である。 本発明のセンスアンプ回路を適用して構成した、DRAMのブロック図の一例である。 本発明のセンスアンプ回路とオーバドライブ方式を併用した、第二の実施例である。 図8のセンスアンプ回路の動作波形の一例である。 本発明のセンスアンプ回路とオーバドライブ方式を併用する際に、コモンソースドライバとして厚膜素子を適用した、第三の実施例である。 本発明のセンスアンプ回路において、従来のセンスアンプ回路に、超低しきい値電圧仕様のNMOSトランジスタから構成されるプルダウン回路NDRV0を追加した、第四の実施例である。 図11のセンスアンプ回路の動作波形の一例である。 図11のセンスアンプ回路の平面レイアウトの一例である。 本発明のセンスアンプ回路において、サブワードドライバのソース電位と、プルダウン回路NDRV0のソース電位を、金属配線で電気的に接続する構成とした、第五の実施例である。 図14のセンスアンプ回路の電源配線構成を示す一例である。 サブワードドライバのソース電位と、プルダウン回路NDRV0のソース電位を、金属配線で接続しない場合の、電源配線構成を示す一例である。 図15及び図16の電源配線構成のセンスアンプ回路における、動作波形の一例である。 図1のセンスアンプ回路において、プルダウン回路NDRV0に超低しきい値電圧仕様のトランジスタを適用した、第六の実施例である。 図18のセンスアンプ回路において、プルダウン回路NDRV1及びプルアップ回路PDRVに、低しきい値電圧仕様のトランジスタを適用した、第七の実施例である。 図19に実施のセンスアンプ回路の平面レイアウトの一例である。 図1のセンスアンプ回路において、スイッチトランジスタ及びプルダウン回路NDRV0に、超低しきい値電圧仕様のトランジスタを適用した、第八の実施例である。
符号の説明
SA0,SA1,SA2…センスアンプ回路、SWMOS…スイッチトランジスタ、SACTL…スイッチトランジスタ制御スイッチ、NDRV0,NDRV1…プルダウン回路、PDRV…プルアップ回路、SAA−R,SAA−L…センスアンプアレー、SARY0…サブアレー、ΦCSN,ΦCSP…コモンソース制御スイッチ、VSSA,CSN,CSP…コモンソース線、VSS_DRV,VARY_DRV,VOD_DRV…コモンソースドライバ,WL,WL0,WL1,WL2,WL3,WL4,WL5,WLA…サブワード線、SHRR,SHRL…シェアードスイッチ、シェアードスイッチ制御線…SHRR,SHRL,YSW…カラムスイッチ、YS0…カラムスイッチ制御線、LIOT,LIOB,LIOT0,LIOB0,LIOT1,LIOB1…ローカルビット線、DLT0,DLT1,DLT2,DLB0,DLB1,DLB2…データ線、VDLR…プリチャージ電圧、DLEQ…プリチャージ回路制御信号、PCH…プリチャージ回路、VSS,VSS−U,VSS−D,VSSSWD…接地電圧、VARY…データ線ハイレベル電圧、VOD…オーバドライブ電圧、VPP…昇圧電圧、VKK,VKK−U,VKK−D…負電圧、SWD…サブワードドライバ、SWD−U,SWD−D…サブワードドライバアレー、TN…アクセストランジスタ、MAT0,MAT1,MAT2,MAT3,MAT15…マット、IS…インタセクション部、1AL…第一層アルミニウム配線、2AL…第二層アルミニウム配線、ACT…拡散層、SN…蓄積ノード、PLT…プレート電極、LPAD…ランディングパッド、MC…メモリセル、SNCNT…蓄積ノードコンタクト、DLCNT…データ線コンタクト、CCNT…セルコンタクト、FGCNT…ゲートコンタクト、LCNT…拡散層コンタクト、LN,LP…拡散層配線層、FG…ゲート電極およびゲート配線層、M1…第一層の金属配線層、M2…第二層の金属配線層、M3…第三層の金属配線層、V1,V2…コンタクト、PW…Pウェル基板、NW…Nウェル基板、DNWELL…ディープNウェル基板、PSUB…P型基板、VBB…基板電位、Thick film NMOS…厚膜NMOSトランジスタ、Thin film NMOS…薄膜NMOSトランジスタ、SLV…超低しきい値電圧、LV…低しきい値電圧、ADDRESS BUFFER…アドレスバッファ、COLUMN ADDRESS BUFFER…カラムアドレスバッファ、COLUMN ADDRESS COUNTER…カラムアドレスカウンタ、ROW ADDRESS BUFFER…ロウアドレスバッファ、REFRESH COUNTER…リフレッシュカウンタ、BANK SELECT…バンクセレクト、MODE RESISTER…モードレジスタ、ROW DEC…ロウデコーダ、COLUMN DEC…カラムデコーダ、SENCE AMP…メインセンスアンプ、MEMORY CELL ARRAY…メモリセルアレー、Din BUFFER…データ入力バッファ、Dout BUFFER…データ出力バッファ、DQS BUFFER…データバッファ、DLL…ディレイロックドループ、CONTROL LOGIC…コントロールロジック、CLK、/CLK…クロック、CKE…クロックイネーブル信号、/CS…チップセレクト信号、/RAS…ロウアドレスストローブ信号、/CAS…カラムアドレスストローブ信号、/WE…ライトイネーブル信号、DW…データライト信号、DQS…データストローブ信号、DQ…データ、BANK0…バンク。

Claims (19)

  1. 複数のワード線と、複数のデータ線と、前記複数のワード線と前記複数のデータ線の各々の交点に配置される複数のメモリセルを具備するメモリアレーと、
    前記複数のデータ線からなる複数のデータ線対の各々に接続されたセンスアンプ回路とを有し、
    前記センスアンプ回路は、一方のゲートと前記データ線対の他方が互いに接続された第1導電型の第1MISFET対と、一方のゲートと他方のドレインが互いに接続された前記第1導電型の第2MISFET対と、一方のゲートと他方のドレインが互いに接続された前記第1導電型と逆導電型の第2導電型の第3MISFET対とを各々具備し、
    前記第1MISFET対は、前記第1導電型を有する第1のトランジスタと前記第1導電型を有する第2のトランジスタからなるトランジスタ対を有し、
    前記第1のトランジスタのドレインは、前記第1導電型を有する第4MISFETのソースに接続され、
    前記第2のトランジスタのドレインは、前記第1導電型を有する第5MISFETのソースに接続され、
    前記第4及び前記第5MISFETのドレインは、前記データ線対にそれぞれ接続され、
    前記第2MISFET対及び前記第3MISFET対の夫々のゲート及びドレインは、前記複数のデータ線のうち対応する一つに接続され、
    前記第1MISFET対は、前記第2MISFET対と比較して、そのしきい値電圧のオフセットが小さくなるように構成され、
    前記複数のワード線のうち一つが活性化している間に、前記第4及び第5MISFETがオン状態となり、前記第1MISFET対及び前記第2MISFET対のソースには、第1電圧が供給され、前記第3MISEFT対には、前記第1電圧とは異なる第2電圧が供給され、
    前記第4MISFET及び前記第5MISFETを、オフ状態からオン状態に変化させることで、前記第2MISFET対及び、前記第3MISFET対よりも先に、前記第1MISFET対を駆動し、
    前記センスアンプ回路によるデータラッチが行われた後に前記第4及び第5MISFETをオフ状態とすることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1導電型は、N型であり、
    前記第1MISFET対は、前記第2MISFET対より長いチャネル長を有し、
    前記第1MISFET対のソースは第1ソース線と接続され、
    前記第2MISFET対のソースは第2ソース線と接続され、
    前記第3MISFET対のソースは第3ソース線と接続されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第2ソース線と前記第3ソース線は、それぞれ前記第1電圧と前記第2電圧の間の第3電圧から前記第1電圧、前記第3電圧から前記第2電圧に変化することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1電圧は、接地電圧であり、
    前記第1MISFET対の第1ソース線は、前記接地電圧に接続されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  5. 前記第4MISFETと前記第5MISFETとを含む回路と前記第2のMISFET対との間に、前記第1MISFET対が配置され、
    前記第1MISFET対と前記第3MISFET対との間に、前記第2MISFET対が配置することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  6. 前記第2MISFET対と前記第3MISFET対との間に、前記第2ソース線を前記第1電圧と前記第2電圧の間の第3電圧から前記第1電圧に駆動する第1回路と、前記第3ソース線を前記第3電圧から前記第2電圧に駆動する第2回路を配置することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  7. 前記第1MISFET対は、ゲート電極の形状がリング状のトランジスタで構成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  8. 前記第2MISFET対と、前記第3MISFET対のゲート電極形状が、矩形のトランジスタで構成されることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記センスアンプ回路は、メモリアレーに対向する2辺に沿って配置され、その一方に配置された複数の前記第2MISFET対のソースは、前記第2ソース線に共通接続され、
    複数の前記第3MISFET対のソースは、前記第3ソース線に共通接続されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  10. 前記第3ソース線を前記第1電圧と前記第2電圧の間の第3電圧から前記第2電圧より大きい前記第5電圧に駆動し、その後、前記第2電圧に駆動することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  11. 前記第1MISFET対のしきい値電圧は、前記第2MISFET対のしきい値電圧よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  12. 前記第2MISFET対のしきい値電圧は、周辺回路部の第1導電型のトランジスタのしきい値電圧より低く、
    前記第1MISFET対のしきい値電圧は、前記第2MISFET対のしきい値電圧よりも低いことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
  13. 複数の前記第4MISFETと前記第5MISFETを、オフ状態からオン状態に変化させ、前記第1MISFET対を駆動した後、
    前記第4MISFETと前記第5MISFETを、オン状態からオフ状態に変化させ、
    前記第1MISFET対を非活性化するタイミングと、前記第3ソース線を前記第5電圧に駆動した後、前記第2電圧に駆動するタイミングが同じであることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
  14. 前記複数のワード線を駆動するサブワードドライバのソース電圧は接地電圧であり、
    前記第1MISFET対の第1ソース線と、前記サブワードドライバのソース線が電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  15. 前記サブワード線のソース線と、前記第1MISFET対のソース線を、
    複数のセンスアンプ回路と複数のサブワードドライバ回路によって、周囲を囲まれた領域において電気的に接続することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
  16. 前記第1MISFET対のしきい値電圧は、前記第2MISFET対のしきい値電圧よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  17. 前記第2MISFET対のしきい値電圧は、周辺回路部の第1導電型のトランジスタのしきい値電圧より低く、
    前記第1MISFET対のしきい値電圧は、前記第2MISFET対のしきい値電圧よりも低いことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置。
  18. 前記第2MISFET対のしきい値電圧は、周辺回路部の第1導電型のトランジスタのしきい値電圧より低く、
    前記第1MISFET対のしきい値電圧は、前記第2MISFET対のしきい値電圧よりも低く、
    複数の前記第4MISFETと前記第5MISFETのしきい値電圧は、
    前記第1MISFET対のしきい値電圧と同じであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  19. ローカル入出力線と、
    前記ローカル入出力線と前記複数のデータ線との間にそのソース・ドレイン経路が設けられる複数の第6MISFETを有するカラムスイッチとを更に具備することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
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