JP5231315B2 - 精製(メタ)アクリル酸の製造方法 - Google Patents

精製(メタ)アクリル酸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、原料または水性(メタ)アクリル酸から(メタ)アクリル酸の共沸蒸留による精製に関する。
不飽和カルボン酸および不飽和ニトリルのようなモノマーは産業的に、様々な合成樹脂、コーティング物質、繊維、可塑剤、合成樹脂などを製造するための出発および中間物質として重要である。商業的には、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸およびメタクリル酸)および不飽和ニトリル(例えば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル)を製造する様々な方法があるが、概して、そのような方法の全ては、1種以上の炭化水素の触媒反応を経由して、所望のモノマーを含む純粋でない気体状物質を製造するという本質的に同じ方式で始まる。次いで、その所望のモノマーを純粋でない気体状物質から回収し、次いで、回収されるモノマー流れに存在する他の物質、副生成物および不純物の量を最小化するために、それをさらに精製することが必要である。
例えば、ある周知の商業的に成功しているアクリル酸の製造方法は、第1のプロセス段階でプロピレンがアクロレインにまず変換され、次いで第2のプロセス段階でアクロレインがアクリル酸に変換される2段階気相触媒酸化反応を伴う。得られる気体状物質流れはアクリル酸を含むが、水、未反応プロピレンおよびアクロレイン、並びにいくつかの副生成物、例えば、これらに限定されないが、次の化合物;ホルムアルデヒド、酢酸、プロピオン酸、ベンズアルデヒド、フルフラールおよびマレイン酸;の1種以上も含む。現在調査され開発されている他の公知のプロセスは、好適な触媒の存在下でのプロパンの単一段階気相触媒酸化であり、これはアクリル酸、水、炭素酸化物、未反応プロパン、プロピレン、アクロレインおよびいくつかの副生成物、例えば、これらに限定されないが、次の化合物;ホルムアルデヒド、酢酸、プロピオン酸、ベンズアルデヒド、フルフラールおよびマレイン酸;の1種以上を含む気体状物質流れも生じさせる。
それを製造する反応プロセスに関わらず、次いで、水性アクリル酸は最も典型的には、吸収塔内で未処理気体状生成物流れから回収され、その吸収塔内では冷却された吸収剤、例えば、水または有機化合物(例えばフェニルエーテル)がその気体状物質流れと直接接触し、同時に、その気体状物質流れからアクリル酸および水をはじめとする様々な成分を濃縮および吸収し、水性アクリル酸流れを生じさせる。この水性混合物は、典型的には、かなりの量の副生成物および不純物、例えば、アクロレイン、ホルムアルデヒドおよび水を含む。これは、少なくとも部分的には、直接接触吸収プロセスが、気体状(メタ)アクリル酸含有物質から、所望の(メタ)アクリル酸生成物だけではなく、(メタ)アクリル酸と共に副生成物および不純物も捕捉するからである。従って、結果的に生じる水性アクリル酸流れが一以上の精製工程にかけられるのが一般的である。アクリル酸について意図される用途は、多くの場合、その物質流れが精製されなければならない程度および他の物質がアクリル酸から除かれまたは分離されなければならない程度を決定するであろう。
水性アクリル酸流れにおける他の物質からの所望のアクリル酸生成物の精製または分離は、蒸留、抽出および/または結晶化をはじめとする1以上の周知かつ理解されている方法によって達成されうる。これら精製工程の最も一般的なものの一つは、水性アクリル酸流れから水を除去する共沸蒸留の使用である。共沸蒸留による水性アクリル酸流れの精製はアクリル酸製造の技術分野において周知である。長年にわたって、様々な共沸剤に基づいて様々な共沸蒸留方法が開発されており、例えば、米国特許第3,798,264号は共沸剤として酢酸イソブチル(IBAc)の使用を教示し、英国特許第2146636号は共沸剤としてメチルイソブチルケトン(MIBK)の使用を教示し、さらに米国特許第6,399,817号は共沸剤としてトルエンの使用を教示する。
さらなる精製方法、例えば、連続した複数の蒸留工程、または結晶化方法が、多くの場合、最終製品の品質要求を満たすために必要とされる。もちろん、それぞれの追加の精製工程は、追加の初期資本投資、並びにより高い操作コストを必要とする。
例えば、米国特許第6,482、981号に開示された方法は、物質流れと水との直接接触による(メタ)アクリル酸の吸収、続いて、共沸蒸留、次いで、得られる水性アクリル酸の結晶化により、さらなる不純物を除去し、それにより重合および他の固体の形成を最小化することを伴う。このような複雑な方法は、それ故に、構築および操作するのに経済的に魅力がない。
ポリマー形成の防止もアクリル酸の製造において非常に興味のある課題となっており、製造プロセス内の、例えば共沸蒸留工程内の様々な場所における使用のために多くの禁止剤が同定されてきた。莫大な量の先行技術は、1種以上の禁止剤が使用されることができ、そのような禁止剤には水可溶性またはアルコール可溶性の重合禁止剤が挙げられうることを教示する。重合禁止剤は、典型的には重量で、100ppm〜4,000ppmの範囲の量で使用される。特に良好なポリマー禁止の結果は、銅ベースの禁止剤、例えば、ジブチルジチオカルバミン酸銅(CB)、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、ナフテン酸銅および酢酸銅の1種以上を使用することにより達成されており、これらは共沸蒸留カラムに添加される。このような銅ベースの禁止剤がフェノール系禁止剤、例えばヒドロキノン(HQ)または4−メトキシフェノール(MEHQ)と共に使用される場合には、禁止はさらにより向上される。
水性アクリル酸流れにおけるある種の副生成物および不純物は、下流のプロセス、例えば、さらなる精製、貯蔵または他の物質(例えば、(メタ)アクリル酸のエステル)を生じさせる反応の操作および効率を妨げる場合があることに留意することが重要である。例えば、米国特許出願公開第2007/0167650号に説明されるように、アクリル酸流れにおける多量のホルムアルデヒドはある種の重合禁止剤(例えば、フェノチアジン(PTZ)、ヒドロキノン(HQ)、およびヒドロキノンのモノメチルエーテル(MeHQ))と悪い相互作用をして、結果として、アクリル酸生成物中に固体沈殿物の形成をもたらす。この反応は禁止剤分子がアクリル酸モノマーの重合を阻害する有効性も低減させる、というのは、その禁止剤の幾分かは固体沈殿物の形成に消費されるからである。さらに、これらの効果は、共沸蒸留カラム内で多くの場合使用されるような温度の上昇に伴って悪化する。よって、水性アクリル酸の下流での精製の前に、回収工程において、これらの不純物をできるだけ多く除去することが有利であろう。米国特許出願公開第2007/0167650号の開示は、このような不純物の除去に関する助言を提供していない。その代わりに、その出願は、沈殿物の形成を回避するためにプロセスにおける禁止剤の濃度を限定する、すなわち低減させることを提案するだけである。このような試みは、不十分なプロセス禁止という犠牲を払って低減された沈殿物形成を得ているので、明らかに信頼性のあるプロセス操作にそぐわない。
特に、銅ベースの禁止剤がプロセス装置、例えば、共沸蒸留カラムおよびその付随する装置(例えば、凝縮器、配管、ポンプ、リボイラー)の金属材料(metallurgy)に対して腐蝕性である傾向を有することが証明されてきた。この腐蝕効果は、プロセス液体内に溶解した銅が、より卑な金属、例えば鉄、アルミニウムまたは亜鉛のピット形成(pitting)を誘導するガルバニ電池腐蝕(galvanic corrosion cell)の形成に起因してきた。
銅ベースの禁止剤の腐蝕作用を最小化する様々な試みが先行技術において提案されている。特に、先行技術は、ジブチルジチオカルバミン酸銅(CB)禁止剤の腐蝕作用を軽減する方法を同定することに焦点を合わせてきた。例えば、米国特許第5,371,280号は、腐蝕を軽減するために、CB禁止剤と共にマンガンがプロセスに添加されうることを教示する。同様に、米国特許第5,856,568号は、CBの腐蝕作用を軽減するために、有機酸を含む様々な添加剤の使用を教示する。また、米国特許出願公開第2004/0011638号は腐蝕を軽減するために、CBと組み合わせた金属イオン封鎖剤の使用を教示する。しかし、これらの解決策のいずれも完全に満足いくものではない、というのは、腐蝕は完全に除去されなかったし、さらにこのような添加剤を購入することに伴う追加の費用のため、並びにこれら追加の「不純物」を生成物アクリル酸から除去する必要性もあるからである。
添加剤の上記使用の代替法は、共沸蒸留カラムおよびその付随する装置を構築する物質として、腐蝕に対して高度に耐性の金属を利用することである。防蝕工学の当業者は、電位列において銅よりも貴な金属(the Army Command Report RS−TR−67−11(1967)からの”Galvanic Series of Metals in Sea Water”を参照)はプロセス液体内で溶解された銅によりガルバニ腐蝕を受け得ないことを容易に認識するであろう。例えば、ジルコニウム、チタン、タンタルまたはモリブデンのような貴金属は、共沸蒸留カラムおよびその付随する装置を構築する物質として使用するのに良好な候補物質であろう。しかし、このような貴金属でプロセス装置を構築するのは非常に高価であり、産業界は、共沸蒸留カラムおよび付随する装置のための構築物質として、その腐蝕耐性についてよく知られている低コストの合金、例えば、モリブデンをさらに含むニッケル−クロム−鉄合金などを利用することを好むであろう。このような合金の2種類の周知例には、316Lステンレス鋼(2〜3質量%のモリブデンを含む、UNS S31603)および317L+ステンレス鋼(4〜5質量%のモリブデンを含む、UNS S31725)が挙げられる。
低コストに加えて、米国特許第6,441,228号には、3質量%を超えて約20質量%までのモリブデン含量のニッケル−クロム−鉄合金の使用が(メタ)アクリル酸製造装置におけるポリマー形成を妨げる追加の利点をもたらしうることも教示される。
残念なことに、これらの合金においては、モリブデンのような貴な元素の存在にもかかわらず、このような経済的な構築物質は共沸蒸留系内の腐蝕耐性に関して一貫して機能しなかった。さらに、米国特許第6,441,228号の教示にもかかわらず、合金の全質量に基づいて3質量%を超えて約20質量%までのモリブデン含量のニッケル−クロム−鉄合金が、共沸蒸留カラムおよびその付随する装置の構築物質として使用される場合に、有意なポリマー形成が依然として起こったことを発明者は見いだした。
水または有機吸収剤を用いた従来の吸収に対する代替法として、米国特許第6,646,161号は、(メタ)アクリル酸および高い割合の非凝縮性成分を含む加熱気体から、この加熱気体の「分別凝縮」により(メタ)アクリル酸を回収する方法を記載する。所望の水性アクリル酸生成物(95重量%を超えるアクリル酸を有する)は分別凝縮器の側部から出て、一方で、軽質成分(light end)(非凝縮成分)は頂部から出て、より重い不純物および副生成物は底部から凝縮液体流れとして出る。よって、米国特許第6,646,161号の方法は、水性アクリル酸生成物、および別々に取り扱われなければならない少なくとも2つの副生成物流れを生じさせる。場合によっては、廃水流れが分別凝縮器の側部から抜き出されることができ、水性アクリル酸側部流れのアクリル酸含有量をさらに増加させうるが、処理されなければならない第3の副生成物流れも生じさせうる。この方法に使用される分別凝縮器は様々な工学的問題(すなわち、25℃より大きく沸点が異なる複数の成分の分離)を解決し、加熱気体の冷却およびその高沸点画分の凝縮を同時に達成するために、「セクション」に分けられる。よって、この方法は、従来のプロセスにおける別々の工程で多くの場合達成される精留および吸収の組み合わせであると考えられうる。しかしながら、このようなプロセスから精製されたアクリル酸流れを得る利点は、複数の流れをプロセスに有させることの実質的な複雑さおよびこのような操作アプローチのために必要とされる追加のプロセス装置の初期資本コストにより上回られる。
米国特許第3,798,264号明細書 英国特許第2146636号明細書 米国特許第6,399,817号明細書 米国特許第6,482、981号明細書 米国特許出願公開第2007/0167650号明細書 米国特許第5,371,280号明細書 米国特許第5,856,568号明細書 米国特許出願公開第2004/0011638号明細書 米国特許第6,441,228号明細書 米国特許第6,646,161号明細書
the Army Command Report RS−TR−67−11(1967)からの"Galvanic Series of Metals in Sea Water"
産業界は、銅−ホルムアルデヒド相互作用の生成物である化合物による蒸留装置の腐蝕のような、下流のプロセス装置の腐蝕が低減される、水性アクリル酸を製造する方法を歓迎するであろう。本発明の方法は、銅ベースの重合禁止剤に由来し、流れ中に存在する銅と相互作用するホルムアルデヒドをより少ししか含まない水性(メタ)アクリル酸供給流れを下流の精製プロセスに供給することによりこれらの必要性に取り組む。
本発明は、溶解した銅の存在下での水性(メタ)アクリル酸の蒸留中の装置の腐蝕を最小化する方法を提供する。溶解した銅がホルムアルデヒドと相互作用してギ酸を形成し、これが蒸留装置および関連する装置に対して高度に腐蝕性であることが見いだされた。本方法は、a)水性アクリル酸供給流れの全重量を基準にして0.1重量%以下の量でホルムアルデヒドが存在する、アクリル酸、水およびホルムアルデヒドを含む水性アクリル酸供給流れを提供し;並びにb)溶解した銅の存在下での共沸蒸留により、水性アクリル酸供給流れを精製すること;を含む。アクリル酸を含む気体状物質流れは、プロピレンおよびプロパンからなる群から選択される少なくとも1種の炭化水素を触媒気相シェルアンドチューブ反応器で酸化することに由来しうる。溶解した銅は、少なくとも部分的には、共沸蒸留中の水性アクリル酸流れへの銅含有禁止剤の添加に由来することができ、その銅含有禁止剤は、ジブチルジチオカルバミン酸銅(CB)、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、ナフテン酸銅および酢酸銅からなる群から選択される1種以上の化合物を含むことができる。
さらに、水性アクリル酸を提供する工程は、1)少なくともアクリル酸、水、アクロレイン、ホルムアルデヒドを含む気体状物質流れを凝縮器に供給し;および2)凝縮器を操作して、凝縮されていない成分を含む気体状ベント流れと、アクリル酸を含む凝縮水性アクリル酸流れとを生じさせる;ことにより達成されうる。
別の実施形態においては、本方法は、精製工程b)を行う前に、水性アクリル酸流れをアクロレイン除去カラムにおいてストリッピングして、アクロレイン含量が低減された水性アクリル酸流れと、アクロレインを含む凝縮物流れとを得て、当該凝縮物流れが凝縮器に再循環されて供給され、アクロレイン含量が低減された水性アクリル酸流れが、共沸蒸留カラムに供給される水性アクリル酸供給流れであることをさらに含みうる。
図1は本発明の方法の配置図である。
後述の実施形態から、および、本発明の方法の配置図である付随する図面を参照して、本発明のより完全な理解が得られるであろう。
次の定義および意味は明確化のために提供され、以下使用される。
本明細書において使用される場合、用語「C−Cアルカン」はアルカン1分子あたり、2〜4の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルカンを意味し、例えば、エタン、プロパンおよびブタンであり、これらは典型的には常温および常圧(例えば、少なくとも10℃および1気圧)で気相である。同様に、用語「C−Cアルケン」はアルケン1分子当たり、2〜4の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケンを意味し、例えば、エテン、プロペンおよびブテンである。
範囲の端点は明確に限定されていると見なされ、かつその許容範囲内に、当業者の知識の範囲内の他の値、例えば、これらに限定されないが、本発明と関連するそれぞれの端点から有意性なく異なっている他の値(言い換えれば、端点は、それぞれの端点に対して「およその」、または「近い」、または「近接した」値を組み込むように解釈される)を組み込むものと認識される。ここで示される範囲および比率の境界は組み合わせ可能である。例えば、1〜20および5〜15の範囲が特定のパラメータについて示されている場合には、1〜5、1〜15、5〜20、または15〜20の範囲もそれにより意図され、含まれる。
本発明の方法は、(メタ)アクリル酸を含む気体状物質流れを、カラム内での気体状流れと凝縮物との間の接触および/または外部熱交換器での間接冷却もしくは直接冷却を用いる1以上の凝縮工程の組み合わせにかけることにより、従来のプロセスよりも低減された量の不純物および副生成物、特に、より少ないホルムアルデヒドである水性(メタ)アクリル酸生成物を生じさせる。冷却は、直接水ベース吸収方法においてなされるように水を添加する必要性を未然に除き、これは次に、気相から水性(メタ)アクリル酸に移るホルムアルデヒドの量を最小化する。さらに、所望のように、追加の水、副生成物および不純物を除去するために、共沸蒸留、非−共沸蒸留または結晶化のような精製工程が凝縮の後に行われることができる。よって、本発明は、下流での水性(メタ)アクリル酸の処理中の、例えば、水性(メタ)アクリル酸の(例えば、蒸留カラム中での、トレイ/充填剤上での、リボイラーおよび配管内での)精製プロセス、輸送および貯蔵中の固体(ポリマーおよび汚染物質)形成を低減させる方法を提供する。
図面を参照すると、本発明の方法の配置図が提供され、そこでは、水性(メタ)アクリル酸10は、それが共沸蒸留にかけられる精製装置、例えば、蒸留カラム12に供給される。蒸留カラム12に供給される水性(メタ)アクリル酸10は、水性(メタ)アクリル酸10の全重量を基準にして75重量%〜95重量%の(メタ)アクリル酸および0.1重量%以下のホルムアルデヒドを含む。例えば、限定されることなく、蒸留カラム12に供給される水性(メタ)アクリル酸10は、水性(メタ)アクリル酸物質流れ10の全重量を基準にして0.05重量%以下、またはさらには0.01重量%以下のホルムアルデヒドを含みうる。
水性(メタ)アクリル酸10は、さらなる副生成物および不純物、例えば、これらに限定されないが、未反応の反応物質および中間生成物、水、アクロレイン、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、他のアルデヒドおよび有機物をさらに含みうる。
水性(メタ)アクリル酸10は、それが蒸留カラム12に供給される前に、すでに1種以上の重合禁止剤を含むことができる。当該技術分野において周知なように、そのような禁止剤には水可溶性またはアルコール可溶性重合禁止剤を挙げることができ、典型的には重量で、100ppm〜4,000ppmの範囲の量で使用される。共沸蒸留工程内をはじめとするアクリル酸の製造に使用するのに好適な禁止剤の例としては、これらに限定されないが、ヒドロキノン(HQ);4−メトキシフェノール(MEHQ);4−エトキシフェノール;4−プロポキシフェノール;4−ブトキシフェノール;4−ヘプトキシフェノール;ヒドロキノンモノベンジルエーテル;1,2−ジヒドロキシベンゼン;2−メトキシフェノール;2,5−ジクロロヒドロキノン;2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン;2−アセチルヒドロキノン;ヒドロキノンモノベンゾアート;1,4−ジメルカプトベンゼン;1,2−ジメルカプトベンゼン;2,3,5−トリメチルヒドロキノン;4−アミノフェノール;2−アミノフェノール;2−N,N−ジメチルアミノフェノール;2−メルカプトフェノール;4−メルカプトフェノール;カテコールモノブチルエーテル;4−エチルアミノフェノール;2,3−ジヒドロキシアセトフェノン;ピロガロール−1,2−ジメチルエーテル;2−メチルチオフェノール;t−ブチルカテコール;ジ−tert−ブチルニトロキシド;ジ−tert−アミルニトロキシド;2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−ジメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−エタノールオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ;3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ;2,2,5,5−テトラメチル−1−オキサ−3−アザシクロペンチル−3−オキシ;2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリニル−1−オキシ−3−カルボン酸;2,2,3,3,5,5,6,6−オクタメチル−1,4−ジアザシクロヘキシル−1,4−ジオキシ;4−ニトロソフェノラートの塩;2−ニトロソフェノール;4−ニトロソフェノール;ジメチルジチオカルバミン酸銅;ジエチルジチオカルバミン酸銅;ジブチルジチオカルバミン酸銅(CB);サリチル酸銅;メチレンブルーおよびその塩;鉄;フェノチアジン(PTZ);3−オキソフェノチアジン;5−オキソフェノチアジン;フェノチアジンダイマー;1,4−ベンゼンジアミン;N−(1,4−ジメチルペンチル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン;N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン;N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンおよびその塩;一酸化窒素;ニトロソベンゼン;p−ベンゾキノン;ナフテン酸銅;酢酸銅;ジメチルジチオカルバミン酸マンガン;ジエチルジチオカルバミン酸マンガン;ジブチルジチオカルバミン酸マンガン;ナフテン酸マンガン;酢酸マンガン;マンガンアセチルアセトナート;酢酸コバルト;炭酸コバルト;酢酸コバルト;二酸化窒素;ニトロベンゼン;ニトロソブタン;N−ニトロソジフェニルアミン;ジフェニルフェニレンジアミン;ニトロソカルバゾール;1−ニトロソ−2−ナフトール;2,4−ジニトロベンゼン;トリフェニルホスフィン;トリエチルホスフィン;トリブチルホスフィン;トリフェニルホスファイト;トリエチルホスファイト;トリ−i−プロピルホスファイト;トリブチルホスファイト;トリシクロヘキシルホスファイト;重亜硫酸ナトリウム;ブチルメルカプタン;ドデシルメルカプタン;N,N−ジエチルヒドロキシルアミン;またはこれらの異性体;これらの2種以上の混合物;上記の1種以上と分子酸素との混合物;が挙げられる。禁止剤は単独で、または好適な希釈剤または担体、例えば、水、アルコールまたは(メタ)アクリル酸と組み合わせて使用されうる。
これらの禁止剤のなかで、銅ベースの禁止剤が、蒸留中に水性(メタ)アクリル酸における重合を妨げるために使用される場合、特に良好な結果をもたらしたことが見いだされた。例えば、ジブチルジチオカルバミン酸銅(CB);ジメチルジチオカルバミン酸銅;ジエチルジチオカルバミン酸銅;サリチル酸銅;ナフテン酸銅;および酢酸銅の1種以上が蒸留カラム12に添加されうる。例えば、銅ベースの禁止剤とフェノール系禁止剤、例えば、ヒドロキノン(HQ)または4−メトキシフェノール(MEHQ)との組み合わせが特に有利であることが知られている。しかし、銅ベースの禁止剤は、蒸留カラム12およびその付随する装置(例えば、凝縮器、配管、ポンプ、リボイラー(図には示されていない))のようなプロセス装置の金属材料(metallurgy)に対して腐蝕性である傾向を有することも知られている。
この種の腐蝕を軽減し、制御する試みは様々な成功に遭遇した。驚くべきことに、発明者は、溶解した銅の存在下での腐蝕に対する構築物質の性能に、今まで同定されていなかった別の要因が存在することを見いだした。理論に拘束されるのを望まないが、ホルムアルデヒドは銅ベースの禁止剤と相互作用して、アクリル酸製造方法の共沸蒸留カラム12内で形成し濃縮しうるギ酸を生じさせると考えられる。さらに、ギ酸はステンレス鋼などの物質の不動態化層を侵食し、損傷を与え、それらを銅誘導のピット形成(pitting)およびガルバニ侵食(galvanic attack)に対して感受性にする。
従来同定されていなかったこの腐蝕問題の根本原因を考慮して、本発明の方法は共沸蒸留カラム10およびその付随する装置内でのギ酸を最小化し、それにより、突然の重度の腐蝕、例えば、銅誘導のピット形成について懸念することなく、経済的な金属材料が共沸蒸留系の構築に利用されるのを可能にすることを提供する。本発明の方法はこのようなカラムが、316ステンレス鋼(UNS 31600)、316Lステンレス鋼(UNS S31603)、317ステンレス鋼(UNS S31700)、317L+ステンレス鋼(UNS S31725&S31726)、Al6XN(UNS N08367)、インコネル(Inconel)625(UNS N06625)、904L(UNS N08904)、デュプレックス(DUPLEX)2205(UNS S31803)、デュプレックス2507(UNS S32750)、デュプレックス2304(UNS S32304)、デュプレックスアロイ329(UNS S32900)、アロイ20CB−3(UNS N08020)、ハステロイ(HASTELLOY)C22(UNS N06022)、ハステロイC276(UNS N10276)、およびハステロイB2(UNS N10665)を含むリストから選択される1種以上の金属で構築されるのを可能にする。
図面に戻って参照すると、水性(メタ)アクリル酸10は、従来の内部装置(例えば、トレイ、バッフル、充填剤など)およびその付随する装置(例えば、凝縮器、配管、ポンプ、リボイラーなど)を含む蒸留カラム12に供給される。少なくとも1種の銅ベースの禁止剤を含む1種以上の禁止剤20も、直接的20に、またはカラム12に入る前の、精製される水性(メタ)アクリル酸10のような既存の供給流れへの添加により(図の流れ22を参照)間接的に、蒸留カラム12に供給される。禁止剤20、22は、当該技術分野で知られ、理解されているように、好適な場合には、水またはアルコールのような希釈剤または担体と混合されうる。場合によっては、酸素含有ガス28もカラムの下部に添加されうる。共沸蒸留を行うために、共沸剤、限定されるものではないが、例えばMIBKまたはトルエンが、蒸留カラム12に、直接的24にまたは間接的26に供給されうる。
90重量%〜99.8重量%の(メタ)アクリル酸を含む精製された水性(メタ)アクリル酸18は、蒸留カラム12の底部を出る。低沸点成分(例えば、副生成物および不純物)は「軽質成分(light ends)」30としてカラム12の頂部を出る。
水性(メタ)アクリル酸10のソースは、(メタ)アクリル酸含量が水性(メタ)アクリル酸10の全重量を基準にして、約60重量%〜95重量%であり、かつホルムアルデヒド含量が0.1重量%以下、例えば0.05重量%以下、あるいはさらには0.01重量%以下である限りは、重要ではない。例えば、限定されるものではないが、水性(メタ)アクリル酸10は、炭化水素がC−Cアルカンまたはアルケン(すなわち、それぞれ、エタン、プロパンもしくはブタン、またはエチレン、プロピレン、n−ブチレンまたはイソ−ブチレン)であった炭化水素酸化反応器(図示されていない)の気体状生成物流れ16から(メタ)アクリル酸生成物を分離する分離装置14、例えば、限定されないが、吸収装置、凝縮器またはストリッパー(それ自体は図示されていない)からの粗水性(メタ)アクリル酸生成物であってよい。
例えば、分離装置14が凝縮器である場合では、それは1以上の冷却工程を、直接冷却(例えば、熱交換器)または間接冷却(例えば、液体ポンプアラウンドループ(liquid pump around loop))で行うために使用されることができ、かつトレイ、充填剤などの内部構造物(図示せず)を備えた従来のカラム中で凝縮物とガス流れと接触させることも可能にする。さらに、凝縮器(分離装置14)は当業者に周知の様々な構造のもの、例えば、冷却が凝縮器の頂部のみで、または底部のみで、またはさらには複数の外部ループを有し凝縮カラムの全体にわたって起こるものであることができる。さらに、凝縮器または他の分離装置14は、任意の好適な物質、例えば、これに限定されないが、316ステンレス鋼(UNS 31600)、316Lステンレス鋼(UNS S31603)、317ステンレス鋼(UNS 31700)、317L+ステンレス鋼(UNS S31725&S31726)、Al6XN(UNS N08367)、インコネル625(UNS N06625)、904L(UNS N08904)、デュプレックス2205(UNS S31803)、デュプレックス2507(UNS S32750)、デュプレックス2304(UNS S32304)、デュプレックスアロイ329(UNS S32900)、アロイ20CB−3(UNS N08020)およびハステロイB2(UNS N10665)から製造されうる。典型的には、凝縮器カラムは、必要に応じ、当業者によって決定可能なように、内部構成物、例えば、分配器、バッフル、固体充填剤物質、トレイなどを含む。
上流の分離装置14により生じた水性(メタ)アクリル酸10は、水性(メタ)アクリル酸の全重量を基準にして、60重量%〜95重量%の(メタ)アクリル酸、および0.1重量%以下、例えば0.05重量%以下、またはさらには0.01重量%以下のホルムアルデヒドを有する。水性(メタ)アクリル酸10におけるこれらの低いホルムアルデヒド量は、下流のプロセス装置、例えば、共沸蒸留カラム12、並びにストリッパー、追加の蒸留カラムおよび晶析装置におけるポリマーおよび他の汚染固体(例えば、ホルムアルデヒドとフェノール系禁止剤との反応生成物)の形成を低減し、このことはより高い資産利用およびより低い操作コストをさらに生じさせる。非凝縮性物質の気体流れ32は凝縮器14の頂部から出る。
本発明のプロセスおよび方法は次の実施例によって明らかにされるであろう。
実施例1
精製アクリル酸の製造について英国特許第2146636号に記載されるタイプの方法において、商業的スケールのMIBKベースの共沸蒸留カラムが使用された。
具体的には、共沸蒸留カラムは141インチ(358cm)直径で、ダウンカマーを有しない多孔板トレイ50枚を備えていた。当該技術分野で一般的なように、設置および取り外しのための標準的なカラムマンウェイ(manway)を容易に通過するように充分狭い幅(約21インチ/53.34センチメートル)の16枚の個々の「パネル」またはストリップから、それぞれのトレイは構成された。製造コストを最小化するために、共沸蒸留カラムは317L+ステンレス鋼(トレイ1〜21)の下部セクションおよび316Lステンレス鋼(トレイ22〜50)の上部セクションを含むバイメタル型であった。
316Lステンレス鋼対317L+ステンレス鋼の比較性能データを得るために、標準的な腐蝕試験クーポンがカラム内側のトレイ23上に配置された。
重合を禁止するために、共沸蒸留カラムへの水性アクリル酸供給流れの送達の直前に、ヒドロキノン(HQ)およびジブチルジチオカルバミン酸銅(CB)禁止剤の混合物が水性アクリル酸供給流れに添加された。カラムの底部に酸素も添加された。さらに、カラムのトレイ50への還流流れの返送の前に、HQおよびCB禁止剤の混合物が還流流れに添加された。
カラムの底部での温度は約94℃(201°F)に維持され、カラムの頂部は約43℃(109°F)および約100mmHg(13,332Pa)の圧力で操作された。
カラムは、トレイ28上でカラムに供給される約65%のアクリル酸を含む水性アクリル酸供給流れを用いて長期間操作され、そしてそのカラムは精製底部生成物の全重量を基準にして93重量%のアクリル酸を含む精製底部生成物を生じさせた。
検査A(6ヶ月での操作)
試験のための腐蝕クーポンを取り出すために、カラムは短時間運転停止され、開放された。そのとき、トレイ14−21(317L+金属材料)およびトレイ22−24(316L金属材料)の表面仕上げが粗くなっていたことに気づき、かつこれらのトレイのための取り付け金具が腐蝕の目に見える証拠を示した。カラム内に配置された標準的な腐蝕試験クーポンの試験から、年あたりのミル(mils−per−year)(MPY)の標準腐蝕単位で報告される腐蝕速度は、
316L=3.5mpy
317L+=0.6mpy
であったと認められた。
検査B(27ヶ月での操作)
316Lセクションの検査のために、カラムが運転停止され、開放された。トレイ22−25(カラムの中央)が薄くなっており、腐蝕の進行を示していることが認められた。
検査C(48ヶ月での操作)
カラムの中央の検査のために、カラムが運転停止され、開放された。トレイ22−26の薄くなることが進行していることが認められ、そしてこれらのトレイのための取り付け金具のいくつかが、直ちに交換が必要なように充分に腐蝕されていた。さらに、トレイ24内のパネルのいくつかは顕著に腐蝕していたことが認められ、交換された。製造要求のために、カラムは素早く運転に戻されたが、カラムのより厳格な検査のための計画が開始された。
検査D(52ヶ月での操作)
完全な検査のために、カラムは運転停止され、開放された。かなりのポリマー蓄積(3−5インチ深さ)がトレイ1−10(317L+金属材料)上に認められた。
トレイ24内のさらなるパネル(以前に交換されなかった)が顕著に腐蝕していたことが認められ、交換された。カラムシェルの内側表面の重度のピット形成がカラムの中央で認められ、そしてトレイ20〜30の間のカラムシェルおよびトレイが、その劣化状態のために交換されるべきことが推奨された。
検査E(54ヶ月での操作)
検査のために、カラムは再び運転停止され、開放された。トレイ1−7およびトレイ19−21(全て317L+金属)上にかなりのポリマー蓄積が認められた。
カラムの中央での腐蝕の進行は明らかである。
検査F(62ヶ月での操作)
カラムは修理のために運転停止された。重度の損傷のため、その場での修理は不経済であると決定された;その代わりに、カラムの新たな17−トレイセクションが317L+ステンレス鋼から製造され、トレイ21−39の間のカラムセクションは切断されて除去され、新たな317L+SSセクションがその場所に溶接され、カラムを運転可能な状態に戻した。カラムを運転に戻す前に、カラムの下部(317L+)が検査された;トレイ15〜21のカラムシェル、トレイおよびトレイ金具が腐蝕侵食を受けており、継続したモニタリングを必要とすることが認められた。
検査G(67ヶ月での操作)
カラムは、トレイ1〜10(317L+金属材料)からポリマーを除去するために、短時間運転停止され、開放された。
検査H(77ヶ月での操作)
検査のために、カラムは再び運転停止され、開放された。トレイ5〜16(317L+金属材料)上にかなりのポリマー蓄積が認められた。カラムの中央部での性能をよくした金属材料にもかからわず、新たな317L+トレイ21〜30のエッチング型の腐蝕が検出された。
検査I(86ヶ月での操作)
カラムは完全な検査のために運転停止され、開放された。トレイ1−4上にかなりのポリマー蓄積が認められ、トレイ5−10(317L+金属材料)上に幾分少ない蓄積が認められた。カラムの中央でのカラムシェルの超音波厚み(UT)測定は0.032インチ/年(32mpy)の最大損失速度を示す。金属材料検査結果は次の通りであった:
トレイ28−50=腐蝕なし
トレイ22−27=有意な腐蝕;この領域の各トレイの4分の1(約4パネル)が、ハステロイC276で造られた新たなパネルと交換された;これらのトレイのための取り付け金具も目に見えて腐蝕していた。
トレイ20および21=極度の腐蝕;直径12インチまでの孔がこれらのトレイに形成されていた;この領域の各トレイの半分(約8パネル)が、ハステロイC276で造られた新たなパネルと交換された;これらのトレイのための取り付け金具は目に見えて腐蝕していた。
元のトレイ20−27がこの検査のちょうど24ヶ月前になされた修理中に全て新たな317L+トレイと交換されていたことを考えると、この検査中に発見された腐蝕は特に驚くべきことである。
トレイ16−19=中程度の金属損失;これらのトレイのための取り付け金具は目に見えて腐蝕していた。
トレイ13−15=トレイの劣化は検出されず;これらのトレイのための取り付け金具は間に見えて腐蝕していた。
トレイ1−12=腐蝕なし。
検査J(96ヶ月での操作)
完全な検査のためにカラムは運転停止され、開放された。トレイ1〜トレイ24の全てのトレイ(317L+およびいくつかはハステロイC276金属材料)上にポリマー蓄積が認められた。金属材料検査結果は次の通りであった:
トレイ41−50=腐蝕なし(全て316L金属材料)
トレイ38−40=トレイおよびカラムシェル上にエッチング(全て316L金属材料)
トレイ31−37=腐蝕の最小の痕跡(全て317L+金属材料)
トレイ29および30=トレイの底部表面上にエッチング(317L+金属材料)
トレイ14−28=トレイの317L+部分に対する重度のエッチングおよび中程度の金属損失/トレイ20−27におけるハステロイC276トレイパネルは腐蝕がなかった;最も大きなシェル損傷の領域を有する取り付け金具およびカラムシェル(317L+金属材料)の目に見える腐蝕は、トレイ16−20の間に位置していた。
トレイ1−13=検出される腐蝕なし(全て317L+金属材料)。
実施例2
この運転のための構築物の好適な物質を同定する試みにおいて、実際のプロセス条件下で腐蝕試験クーポンを使用して、追加の試験が行われた。
これらの試験において、2組の腐蝕試験クーポンが、実施例1の共沸蒸留カラム内のトレイ15上に逐次的に配置され、次いで取り出され、それぞれの物質の腐蝕速度を決定するために検査された。腐蝕試験クーポンの各組からの結果は以下に示され、ミル/年(MPY、すなわちミリインチ/年)の標準腐蝕単位で報告される腐蝕速度を有する。
Figure 0005231315
Figure 0005231315
上記実施例からの腐蝕した構成物の金属材料検査は、損傷した316Lステンレス鋼および317L+ステンレス鋼構成物のピット形成した表面での銅の存在を同定した。これは、それ自体驚くべきことであった、というのは316LSS合金と317L+合金の双方は銅よりも電気化学的に貴であり、よって、銅による、特に蒸留カラムの上部部分内の低い操作温度で、ガルバニ侵食に対して感受性でないと予想されるからである。しかし、この系の意義深い検討後、従来同定されていなかった複雑な腐蝕プロセスが見いだされ、すなわち、カラム金属材料の濃縮ギ酸侵食によって、この腐蝕プロセスが開始されることが見いだされた。プロセス内の少量のギ酸の存在でさえ予想されていなかったので、このことは特に驚くべきことであった。
理論に拘束されるものではないが、本発明者は現時点で、この複雑な腐蝕プロセスが次の工程を伴うものと理解する:
1)水性アクリル酸供給流れに存在するホルムアルデヒドが蒸留カラム内でギ酸に変換される;この変換は、蒸留カラムプロセス流体に溶解した銅により触媒される;
2)一旦形成されたら、ギ酸は蒸留カラムの上部に濃縮し、そこでギ酸がカラムの316Lおよび317L+ステンレス鋼構成物を侵食し、それにより、これらの構成物上の不動態化層に損傷を与える;
3)一旦不動態化層が損傷したら、プロセス流体中に溶解した銅と316L/317L+ステンレス鋼との間にガルバニ電池腐蝕が確立され、これらのステンレス鋼構成物の多大な銅誘導ピット形成を導く;
4)実施例の系の蒸留カラムにおいて除去された水の一部は吸収装置に再循環で戻されるので、ギ酸は吸収装置内に同様に蓄積し始め、水性アクリル酸供給流れ中での低レベルの定常状態濃度に徐々に到達する。
定常状態の水性アクリル酸供給流れについてのその後の分析は、ホルムアルデヒドおよびギ酸の双方の存在を次のように立証した:
Figure 0005231315
よって、使用される重合禁止剤がCBのような銅ベースの禁止剤を含む場合には、共沸蒸留カラムに入る水性(メタ)アクリル酸中のホルムアルデヒドの量を最小化することは、上述の種類の装置の腐蝕を低減し、最小化する。
実施例3−水性(メタ)アクリル酸源
以下のものは、本発明の方法と関連した使用に適する水性(メタ)アクリル酸の例であり、これは炭化水素(プロピレン)酸化反応器の気体状生成物流れの凝縮により生成される。次の記載は既知の装置仕様と既知の操作データに基づいてプロセス結果を予測することができるコンピュータモデルと、実際の商業プロセスデータとの組み合わせに基づく。発明者により使用されたコンピュータモデルは米国マサチューセッツ州バーリントンのアスペンテクノロジーから入手可能なアスペンプラス2004.1シミュレーションエンジン(Aspen plus 2004.1 Simulation Engine)として商業的に知られている。
装置の仕様および一般的な操作
装置は、102フィート3インチ(31.166メートル)長さである10フィート6インチ(3.200メートル)直径の頂部セクションと、4フィート4インチ(1.321メートル)長さの円錐移行セクションと、15フィート6インチ(4.724メートル)直径で30フィート4インチ(9.246メートル)長さの底部セクションとを備えた316Lステンレス鋼カラムである凝縮器からなる。凝縮器カラムの頂部には、カラムの頂部を出る気体を冷却するために31℃(88°F)冷却水を用いて33MM BTU/h(9.66MW)までの冷却を提供する11,832平方フィート(1099平方メートル)の管状交換器、すなわち頂部冷却器が備え付けられており、分離容器は、気体と液体とを分離し、ポンプによってカラムの頂部に戻すための凝縮物を集めるように設計される。カラムの底部セクションは、反応器出口ガスの冷却を行うために外部液体ポンプアラウンドループを有し、カラムの底部から液体を引き抜く、1100gpm(250m/h)ポンプ、31℃(88°F)の冷却塔水を用いて30MM BTU/h(8.78 MW)までの冷却を提供する2807平方フィート(261平方メートル)の316Lステンレス鋼管状熱交換器、および後述する充填床の上側で底部セクションへ戻るポンプアラウンド液体流れ(pump around liquid stream)の返送路(return)で構成される。
反応器出口ガスは、底部セクションの下部で凝縮器カラムに導入され、次いでV−グリッド気相分配器、続いて、316ステンレス鋼#4カスケードミニリングの10フィート(3.048メートル)深さの床に通される、なおこれら全ては大きな直径の底部セクションに含まれる。次いで、そのガスは移行セクションを経由してカラムを上って行き、連続して、316ステンレス鋼#3カスケードミニリングの23フィート(7.010メートル)深さの床の2つを通り、続いて、316ステンレス鋼Sulzer BX構造化充填剤の14フィート4インチ(4.369メートル)深さの床の2つを通る。頂部の床を出るガスはカラムの頂部を出て、次いで、頂部冷却器に配管される。冷却後、次いで、そのガス流れは、「排ガス」として系を出る前に液体凝縮物を除くために分離器を通り、一部分は反応器の供給物に再循環され、一方、残りは熱オキシダイザーに送られる。
分離器容器によって集められた凝縮物はカラムの頂部に供給され、316ステンレス鋼Nutter MTS−109液体分配器を用いて、頂部の床に分配される。液体が頂部セクション内のそれぞれの床を通った後で、その液体は316ステンレス鋼Nutter CFT−1206チムニートレイを用いて集められ、316ステンレス鋼 MTS−109液体分配器を用いて次の床に再分配される。頂部セクションを出る液体はポンプアラウンド循環ループからの液体に添加され、316ステンレス鋼Nutter HLT−538液体分配器を用いて底部の床に分配される。カラムの底部、すなわちサンプに液体が蓄積すると、レベル制御によってこの系からポンプを介して液体が抜き出される。凝縮器カラムの底部を出る液体は水性アクリル酸と称される。この水性アクリル酸は、さらなる精製のために下流のプロセスに送られることができ、または場合によっては、アクロレインの効果的な除去のための統合されたアクロレイン除去カラムに送られうる。
この実施例の実施形態においては、任意構成物である統合されたアクロレイン除去カラムが利用される。この統合されたアクロレイン除去カラムは、304ステンレス鋼#2カスケードミニリングの21フィート8インチ(6.604メートル)充填床を備えた4フィート9インチ(1.448メートル)直径の304Lステンレス鋼カラムであり、さらに411平方フィート(38.2平方メートル)の304Lステンレス鋼熱サイホンリボイラー、949平方フィート(88.2平方メートル)の304Lステンレス鋼メイン凝縮器、および293平方フィート(27.2平方メートル)の304Lステンレス鋼ベント凝縮器を備えている。凝縮器カラム底部物質は、約200mmHg(26,664Pa)絶対圧力で操作されるアクロレイン除去カラムの頂部に供給され、充填剤を通過し、次いでリボイラーによってカラムの底部で加熱され、その流れの約5〜10重量%を気化させる。リボイラーを出る気体は、ストリッピングをもたらすための充填床を通過し、次いでメインおよびベント凝縮器によって凝縮される。アクロレインを含む凝縮物が、ポンプアラウンド流れのための返送ラインに添加されて、凝縮器カラムの底部セクションに戻される。この方法で凝縮物を導入することにより、アクロレインを凝縮器カラム内で再度気化させることが可能になる。アクロレイン除去カラムの底部を出る液体は、アクロレイン含量が低減された水性アクリル酸と称され、さらなる精製のために下流プロセスに送られる。
実施例3A−実際のモデル化された操作および性能(中程度の水性強度)
上述の凝縮器装置に基づいて、本発明の凝縮器系の操作が次の反応器出口ガス組成を用いてシミュレートされた:
Figure 0005231315
反応器出口ガスは、253,641 lb/h(115,050kg/h)の質量流量、290℃(554°F)の温度および7.3psig(151,657Pa)の圧力で、凝縮器カラムの底部に入る。
このモデルは、凝縮器カラムの底部セクションでの充分な冷却を伴って稼働され、頂部冷却器による25.7MM BTU/h(7.53MW)の冷却、およびカラム頂部温度を68℃(154°F)に制御し、結果として80.7℃(177°F)の底部温度をもたらした。頂部冷却器の後で気−液分離器の頂部を出る排ガスは200,421 lb/h(90,910kg/h)で、1.5psig(111,667)の圧力で流れると計算され、そしてそのモデルは次の組成を予想する:
Figure 0005231315
ポリマー禁止の目的のために、カラムには、5重量%のヒドロキノン(HQ)禁止剤を含む脱イオン水400 lb/h(181kg/h)供給物が供給される。水性アクリル酸は、58,176 lb/h(26,388kg/h)の流量で、次の組成で凝縮器カラムの底部を出る:
Figure 0005231315
このシミュレーションについて、この実施例の水性アクリル酸流れは、次いで、アクロレイン除去カラムに供給され、そこではアクロレインはストリッピングされ、凝縮器カラムに再循環される。アクロレイン含量が低減された水性アクリル酸は、53,620 lb/h(24,322kg/h)の流量でアクロレイン除去カラムの底部から取り出され、次の組成を有するであろう:
Figure 0005231315
この実施例の条件下で、本発明の方法は水性アクリル酸中で、先行技術の吸収法よりも有意に低いホルムアルデヒド量をもたらすことは明らかであり、この利点は、水性アクリル酸がアクロレイン除去カラム中でストリッピングされる場合であっても維持される。
実施例3B−実際の操作および性能(高い水性強度)
上記凝縮器装置に基づいて、本発明の凝縮器系の操作が、比較例3Aにおいて使用されたのと同じ反応器出口ガス組成および質量流量(253,641 lb/h(115,050kg/h))で再度シミュレートされた。この実施例においては、反応器出口ガスは、290℃(554°F)の温度および7.3psig(151,657Pa)の圧力で凝縮器カラムの底部に導入される。
このモデルは、凝縮器カラムの底部セクションを冷却することなく稼働され、そして頂部冷却器は43.5MM BTU/h(12.7MW)を提供し、結果として60℃(140°F)の頂部冷却器出口温度および103℃(217°F)のカラム底部温度をもたらす用にシミュレートされる。頂部冷却器の後に気−液分離器の頂部を出る排ガスは211,611 lb/h(95,985kg/h)で、1.5psig(111,667Pa)の圧力で流れていると計算され、そしてそのモデルは次の組成を予想する:
Figure 0005231315
ポリマー禁止の目的のために、カラムには、5重量%のヒドロキノン(HQ)禁止剤を含む脱イオン水400 lb/h(181kg/h)供給物が供給される。水性アクリル酸は、46,856 lb/h(21,254kg/h)の流量で、次の組成で凝縮器カラムの底部を出る:
Figure 0005231315
このシミュレーションについて、この実施例の水性アクリル酸流れは、次いで、アクロレイン除去カラムに供給され、そこではアクロレインがストリッピングされ、凝縮器カラムに再循環される。アクロレイン含量が低減された水性アクリル酸はアクロレイン除去カラムの底部から42,430 lb/h(19,246kg/h)の流量で取り出され、次の組成を有するであろう:
Figure 0005231315
この実施例の条件下で、本発明の方法は、先行技術の吸収法よりも有意に低いホルムアルデヒド量を水性アクリル酸中にもたらすことは明らかであり、この利点は、水性アクリル酸がアクロレイン除去カラム中でストリッピングされる場合であっても維持される。
10 水性(メタ)アクリル酸
12 蒸留カラム
14 分離装置
18 精製水性(メタ)アクリル酸
20、22 禁止剤
24、26 共沸剤
28 酸素含有ガス
30 軽質成分
32 気体流れ

Claims (9)

  1. a)1)少なくともアクリル酸、水、アクロレイン、ホルムアルデヒドを含む気体状物質流れを凝縮器に供給し;および
    2)凝縮器を操作して、凝縮されていない成分を含む気体状ベント流れと、アクリル酸を含む凝縮水性アクリル酸供給流れとを生じさせ、当該水性アクリル酸流れが、当該水性アクリル酸供給流れの全重量に基づいて0.1重量%以下のホルムアルデヒドを含む;
    ことにより、アクリル酸、水およびホルムアルデヒドを含む水性アクリル酸供給流れを提供し;並びに
    b)溶解した銅の存在下での共沸蒸留により、水性アクリル酸供給流れを精製すること、ここで当該溶解した銅は、少なくとも部分的には、前記共沸蒸留中の水性アクリル酸流れへの銅含有禁止剤の添加に由来する;を含む、
    溶解した銅の存在下での水性(メタ)アクリル酸の蒸留中の装置の腐蝕を最小化する方法。
  2. 水性アクリル酸供給流れが0.05重量%以下のホルムアルデヒドを含む請求項1に記載の方法。
  3. 水性アクリル酸供給流れが0.01重量%以下のホルムアルデヒドを含む請求項1に記載の方法。
  4. 精製工程b)を行う前に、水性アクリル酸供給流れがアクロレイン除去カラム中でストリッピングされて、アクロレイン含量が低減された水性アクリル酸供給流れと、アクロレインを含む凝縮物流れとを得て、当該凝縮物流れが凝縮器に再循環されて供給され、アクロレイン含量が低減された水性アクリル酸供給流れが、共沸蒸留カラムに供給される水性アクリル酸供給流れである、請求項に記載の方法。
  5. アクリル酸を含む気体状物質流れを供給する前記工程a)1)が、プロピレンおよびプロパンからなる群から選択される少なくとも1種の炭化水素を触媒気相シェルアンドチューブ反応器で酸化して、前記気体状物質流れを生じさせることにより達成される、請求項に記載の方法。
  6. 含有禁止剤は、ジブチルジチオカルバミン酸銅(CB)、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、ナフテン酸銅および酢酸銅からなる群から選択される1種以上の化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 316SS、316LSS、317SS、317L+SS、Al6XN、インコネル625、904L、デュプレックス2205、デュプレックス2507、デュプレックス2304、デュプレックスアロイ329、アロイ20CB−3、ハステロイC22、ハステロイC276およびハステロイB2からなる群から選択されるステンレス鋼の1種以上から構築されるカラム中で共沸蒸留が行われる、請求項1に記載の方法。
  8. 水性アクリル酸流れが、水性アクリル酸流れの全重量を基準にして75重量%〜95重量%のアクリル酸を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 大気圧で−40℃以下の沸点を有する非凝縮性物質を気体状流れがさらに含む、請求項1に記載の方法。
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