JP4466190B2 - 易重合性化合物の取り扱い装置及び製造装置 - Google Patents

易重合性化合物の取り扱い装置及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、易重合性化合物の蒸留塔、或いは蒸発塔等の塔設備に適用される易重合性化合物の取り扱い装置及び製造装置に関するものであり、詳しくは塔頂ガス冷却器或いはベントガス冷却器を有した塔設備に適用される易重合性化合物の取り扱い装置及び製造装置に関する。
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の易重合性化合物の製造設備では、粗(メタ)アクリル酸や粗(メタ)アクリル酸エステルの蒸留塔、或いは高沸物を分解して(メタ)アクリル酸等を回収するための分解反応蒸留塔等の塔設備が用いられている。
このような塔設備にあっては、塔頂ガスの一部又は全部を塔頂ガス冷却器で冷却し液化して、還流液もしくは流出液としたり、また塔頂ガス冷却器で凝縮しなかった有価物を含むガス(ベントガス)をベントガス冷却器で冷却し、有価物を回収することがある。
従来、易重合性物質を取り扱うこれらの冷却器には、ガス状の易重合性物質が冷却管において凝縮し液化するときに、重合禁止剤を含まない無禁止剤溶液となることから、凝縮液における重合物の形成を抑制するため、重合禁止剤を含有する溶液を冷却管に噴霧し、凝縮液に重合禁止剤を含有させる技術が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。このような従来の重合禁止剤を含有する溶液を噴霧する噴霧器の設置に際し、前記重合禁止剤を含有する溶液を噴霧器に導入する配管には、流通される液量、配管重量等から、配管及び噴霧器の使用中の振れを抑制するためのサポータが設置される。
例えば、図5に示すように、易重合性化合物を含有するガスが上方から供給される従来の竪型固定管板式のコンデンサ50では、ガスの流路と冷媒の流路とを仕切る管板51の上方であって、噴霧器52から管板51の上面全体に重合禁止剤が噴霧されるように、噴霧器52に重合禁止剤を供給する重合禁止剤供給管53が、コンデンサ50の内部において下方からサポータ54によって支持されている。また、例えば図6に示すように、重合禁止剤供給管53がコンデンサ50の内部において上方からサポータ55によって支持されている。コンデンサ50に供給されたガスは、冷却管56で凝縮する。
凝縮液は重合禁止剤を含有していないことから重合物を形成し易いので、重合抑制の目的で、重合禁止剤供給管53を経由して噴霧器52より重合禁止剤含有液が管板51に対して噴霧される。これにより管板51上での重合物の発生が防止される。また重合禁止剤含有液は冷却管56の内部に流れ込み、冷却管56の内部で形成される凝縮液に重合禁止剤が供給される。
前述したように従来のコンデンサでは、サポータは、一般に冷却器の運搬、或いは解体清掃作業の障害とならないよう、冷却器内部に設置されているが、サポータで易重合性化合物が凝縮し、これにより重合物が発生することがある。
より詳しくは、サポータ54或いは55に接する重合禁止剤供給管53を流れる液の温度は、通常、コンデンサ50に供給される易重合性化合物含有ガスの温度より低く、このためサポータ54或いは55は冷却され、サポータ54或いは55では重合禁止剤を含まない状態の凝縮液が形成され、これにより重合物が発生することがある。
特開2000−344688号公報
本発明は、易重合性化合物の蒸気が供給される冷却器において、易重合性化合物の重合を簡易な構成によって防止し、この冷却器を備える長期にわたる、安定した連続操業を可能にする装置を提供することを目的とする。
上記の重合物の発生に対する対策として、本発明者らが鋭意検討した結果、(1)凝縮液が形成されない冷却器外に前記サポータを設置する。(2)前記サポータを外部に設置したときに強度が不足する場合は、内部に前記サポータを設置する必要があるが、内部に前記サポータを設置する場合は、前記サポータにも重合禁止剤を含有する溶液を噴霧する。ことで重合物の形成を回避できることを見出した。
即ち、本発明は、易重合性化合物の蒸気が内部に供給される易重合性化合物の取り扱い装置であって、前記取り扱い装置の内部において易重合性化合物が凝縮し得る凝縮部と、前記凝縮部に重合禁止剤を散布するための凝縮部用散布器と、前記凝縮部用散布器に重合禁止剤を供給する重合禁止剤供給管と、前記凝縮部用散布器を前記取り扱い装置の内部の所定の位置に支持するための支持手段とを有する易重合性化合物の取り扱い装置において、前記支持手段は、前記取り扱い装置の外部で前記重合禁止剤供給管を支持する手段であることを特徴とする易重合性化合物の取り扱い装置、及びこれを有する易重合性化合物の製造装置である。
本発明によると、コンデンサ及びベントコンデンサ等の易重合性化合物の取り扱い装置において、重合禁止剤の散布用に設けられる支持手段に起因する重合物の発生が抑制され、閉塞が防止される。そのため、このような易重合性化合物の取り扱い装置を備える蒸留塔設備等の易重合性化合物の製造装置を、長期にわたり連続して安定に運転することが可能となる。
また、本発明では、重合禁止剤を散布するための散布器が噴霧器であると、重合禁止剤を広範に、かつ無駄なく散布する上でより一層効果的である。
また、本発明は、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステル等の易重合性化合物の取り扱いや製造に用いると、より一層効果的である。
以下に、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明における易重合性化合物の取り扱い装置は、易重合性化合物の蒸気が内部に供給される易重合性化合物の取り扱い装置であって、取り扱い装置の内部において易重合性化合物が凝縮し得る凝縮部と、凝縮部に重合禁止剤を散布するための凝縮部用散布器と、凝縮部用散布器に重合禁止剤を供給する重合禁止剤供給管と、凝縮部用散布器を取り扱い装置の内部の所定の位置に支持するための支持手段とを有する易重合性化合物の取り扱い装置において、(1)前記支持手段が取り扱い装置の外部で前記重合禁止剤供給管を支持する、又は(2)前記支持手段が取り扱い装置の内部で前記重合禁止剤供給管を支持する手段であり、この支持手段に重合禁止剤を散布する支持手段用散布手段をさらに有する、易重合性化合物の取り扱い装置である。
本発明で用いられる易重合性化合物は、熱等の条件によって容易に重合反応を起こす化合物であり、このような化合物であれば特に限定されない。本発明の対象となる代表的な
易重合性化合物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステルの少なくとも一種が挙げられる。アクリル酸エステル類としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸メトキシエチル等が挙げられる。メタアクリル酸エステル類としても、これらと同様な化合物を挙げることができる。
前記取り扱い装置は、易重合性化合物の蒸気が内部に供給される装置であれば特に限定されない。取り扱い装置には、易重合性化合物の蒸気を一部含む物が供給されても良いし、易重合性化合物の蒸気そのものが供給されても良い。このような取り扱い装置としては、例えば冷却器、蒸留塔、槽、ポンプ、及び配管等が挙げられる。
前記凝縮部は、取り扱い装置の内部において、易重合性化合物の蒸気が冷却され得る部位であって、重合禁止剤が含まれない易重合性化合物の液体が存在し得る部位であれば特に限定されない。このような凝縮部としては、易重合性化合物の蒸気よりも低い温度になり、かつ易重合性化合物の凝縮液が滞留しやすい部位が挙げられ、例えば冷却器における管板や冷却管、蒸留塔における塔頂部やその周辺にあるトレイ、槽の鏡部、ポンプや配管に設けられるエルボ部やバルブ等が挙げられる。
本発明は、易重合性化合物の蒸気の凝縮によって、重合禁止剤を含有しない易重合性化合物の液体が生成しやすい取り扱い装置に適用すると、より一層効果的である。このような取り扱い装置としては、例えば冷媒が流れる冷媒流路と、易重合性化合物の蒸気を含むガスの流路とが、伝熱性の部材によって仕切られている公知の冷却器(熱交換器)が挙げられる。
前記凝縮部用散布器は、前記凝縮器に重合禁止剤を散布する機器であれば特に限定されない。このような凝縮器用散布器としては、例えば散水口等の散水器、及びスプレーノズル等の噴霧器等が挙げられる。本発明では、散布範囲が広いこと、及び重合禁止剤の過剰な散布を防止すること等の観点から、噴霧器が好ましくは用いられる。
前記重合禁止剤供給管は、凝縮部用散布器に重合禁止剤を供給する管であれば特に限定されない。このような重合禁止剤供給管は、取り扱い装置における環境や、重合禁止剤の供給量等の条件に応じて選択される公知の管を用いることができる。
なお、本発明で用いられる重合禁止剤は、前記易重合性化合物の重合物の発生を抑制するものであれば特に限定されない。このような重合禁止剤としては、例えばアクリル酸銅、ジチオカルバミン酸銅、フェノール化合物、フェノチアジン化合物等が挙げられる。ジチオカルバミン酸銅としては、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅、エチレンジチオカルバミン酸銅、テトラメチレンジチオカルバミン酸銅、ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ヘキサメチレンジチオカルバミン酸銅等の環状アルキレンジチオカルバミン酸銅、オキシジエチレンジチオカルバミン酸銅等の環状オキシジアルキレンジチオカルバミン酸銅等が挙げられる。フェノール化合物としては、ハイドロキノン、メトキノン、ピロガロール、カテコール、レゾルシン、フェノール、又はクレゾール等が挙げられる。フェノチアジン化合物としては、フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン等が挙げられる。
本発明で用いられる重合禁止剤は、易重合性化合物の種類等の条件に応じて選択される。前記重合禁止剤は、そのままで散布に用いられても良いし、取り扱い対象の易重合性化
合物や他の適当な溶剤等の、易重合性化合物の取り扱いに影響しない溶剤の溶液として散布に用いることもできる。散布される重合禁止剤には、上記以外の物質もプロセスによっては含まれる場合があるが、その種類や量は、易重合性化合物の取り扱いに影響しないことを条件として選択することができる。
前記支持手段は、前記取り扱い装置の内部の所定の位置に前記凝縮部用散布器を支持するように前記重合禁止剤供給管を支持する手段であれば特に限定されない。このような支持手段には、例えば、横木、腕木、釣木等の管を支持するための公知の手段を用いることができる。なお「前記取り扱い装置の内部の所定の位置」とは、前記凝縮部用散布器が重合禁止剤を前記凝縮部全体に散布することができる位置である。
前記支持手段用散布手段は、前記取り扱い装置の内部に設けられた前記支持手段全体に重合禁止剤を散布する手段であれば特に限定されない。このような支持手段用散布手段は、例えば前述した散布器や噴霧器、及びこれに重合禁止剤を供給する管によって構成することができる。
本発明は、前述した取り扱い装置を有する易重合性化合物の製造装置を提供する。この製造装置は、前述した取り扱い装置を有する以外は、易重合性化合物を製造することができる装置であれば特に限定されない。このような製造装置には、易重合性化合物の製造に通常用いられる装置を利用することができる。
易重合性化合物は、公知の製造方法によって製造することができる。アクリル酸及びアクリル酸エステルを例により具体的に説明すると、アクリル酸を製造する方法としては、例えば、次の(1)〜(3)等が挙げられる。
(1)プロパン、プロピレン及び/又はアクロレインを接触気相酸化してアクリル酸を製造する酸化工程、酸化工程で生成したアクリル酸含有ガスを水と接触させてアクリル酸をアクリル酸水溶液として捕集する捕集工程、この工程で得られたアクリル酸水溶液から適当な抽出溶剤を用いてアクリル酸を抽出する抽出工程、得られた抽出液からアクリル酸と溶剤とを分離する分離工程、分離されたアクリル酸を蒸留等によって精製する精製工程、これらの工程から回収されるアクリル酸ミカエル付加物、及び各工程で用いられた重合禁止剤を含む高沸液を原料として分解反応塔に供給して有価物を回収する回収工程、及び回収した有価物を捕集工程以降のいずれかの工程に供給する再利用工程を含む方法。
(2)プロパン、プロピレン及び/又はアクロレインを接触気相酸化してアクリル酸を製造する酸化工程、酸化工程で生成したアクリル酸含有ガスを水と接触させてアクリル酸をアクリル酸水溶液として捕集する捕集工程、この工程で得られたアクリル酸水溶液を共沸分離塔内で、共沸溶剤の存在下に蒸留して塔底から粗アクリル酸を取り出す共沸分離工程、取り出されたアクリル酸から酢酸を除去するための酢酸分離工程、高沸点不純物を除去するための精製工程、これらの工程から回収されるアクリル酸ミカエル付加物、及び各工程で用いられた重合禁止剤を含む高沸液を原料として分解反応塔に供給して有価物を回収する回収工程、及び回収した有価物を捕集工程以降のいずれかの工程に供給する再利用工程を含む方法。
(3)プロパン、プロピレン及び/又はアクロレインを接触気相酸化してアクリル酸を製造する酸化工程、酸化工程で生成したアクリル酸含有ガスを有機溶媒と接触させてアクリル酸をアクリル酸有機溶媒溶液として捕集し、水、酢酸等を同時に除去する捕集/分離工程、このアクリル酸有機溶媒溶液からアクリル酸を取り出す分離工程、これらの工程で用いられた重合禁止剤、有機溶媒、及びこれらの工程から回収されたアクリル酸ミカエル付加物を含む高沸液を原料として分解反応塔に供給して有価物を回収する回収工程、回収
した有価物を捕集工程以降のいずれかの工程に供給する再利用工程、及び回収された前記有機溶媒の一部又は全部を精製する溶媒精製工程を含む方法。
アクリル酸エステルを製造する方法は、例えば、アクリル酸とアルコールとを、有機酸或いはカチオン性イオン交換樹脂等を触媒として反応させるエステル化反応工程、及びこのエステル化反応で得られた粗アクリル酸エステル液を濃縮するための単位操作として抽出、蒸発、蒸留を行う濃縮工程、濃縮工程で得られた濃縮液中のアクリル酸エステルを精留塔で精製する精製工程、及び精製塔の塔底液に含まれるアクリル酸エステル類、β−アクリロキシプロピオン酸エステル類、β−アルコキシプロピオン酸エステル類、β−ヒドロキシプロピオン酸エステル類を主成分としたミカエル付加物、及び前述した工程で用いられた重合禁止剤を含む高沸液を分解反応塔に供給するか、或いはプロセス内に戻すことで有価物を回収する回収工程を含む。前記濃縮工程における各単位操作は、エステル化反応のアクリル酸とアルコールの原料比、エステル化反応に用いる触媒種、或いは原料、反応副生成物、アクリル酸エステル類それぞれの物性等により適宜選定される。
アルコール種によっては、各種工程のいずれかにおいてアクリル酸エステル製品の精製塔の塔底以外から得られるアクリル酸、アクリル酸2量体(以下、ダイマー)、アクリル酸3量体(以下、トリマー)、β−アルコキシプロピオン酸類、β−アルコキシプロピオン酸エステル類を主成分とし、製造工程で用いられた重合禁止剤を含んだ高沸液もある。このような高沸液からも、ミカエル付加物を含む高沸液として分解反応塔に供給することにより有価物を回収することができる。回収された有価物は、エステル化反応工程もしくは濃縮工程等の適当な工程に供給することができる。
上述のアクリル酸又はアクリル酸エステルのミカエル付加物とは、アクリル酸又はアクリル酸エステルの原料のミカエル縮合による生成物である。このようなミカエル付加物としては、例えばアクリル酸を製造する場合のミカエル付加物として、アクリル酸2量体(以下、ダイマー)、アクリル酸3量体(以下、トリマー)、アクリル酸4量体(以下、テトラマー)等が挙げられる。またアクリル酸エステルを製造する場合のミカエル付加物として、炭素数が2〜8のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル等の上述のアクリル酸エステルへのアクリル酸のミカエル付加物、具体的にはβ−アクリロキシプロピオン酸エステル、アルコールのミカエル付加物、具体的にはβ−アルコキシプロピオン酸エステル、ダイマー、トリマー、テトラマー、トリマーのエステル体、テトラマーのエステル体、β−ヒドロキシプロピオン酸、β−ヒドロキシプロピオン酸エステル類等が挙げられる。
本発明における製造装置には、例えば易重合性化合物の蒸留装置や蒸発装置等のような、易重合性化合物の製造に通常用いられる機器や装置等が用いられる。
前記蒸留装置は、化学品プラントで一般に使用される蒸留塔が用いられる。蒸留塔の塔内には、トレイ或いは充填物が設置される。具体的には、トレイとしては、ダウンカマーのある泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、スーパーフラックトレイ、マックスフラクストレイ等、ダウンカマーの無いデュアルトレイ等が挙げられる。
前記充填物としては、規則充填物として、スルザー・ブラザース(株)製のスルザーパック、住友重機械工業(株)製の住友スルザーパッキング、住友重機械工業(株)製のメラパック、グリッチ(株)製のジェムパック、モンツ(株)製のモンツパック、東京特殊金網(株)製のグッドロールパッキング、日本ガイシ(株)製のハニカムパック、ナガオカ(株)製のインパルスパッキング、三菱化学エンジニアリング(株)製のMCパック等が挙げられる。不規則充填物としては、ノートン(株)製のインタロックスサドル、日鉄化工機(株)製のテラレット、BASF(株)製のポールリング、マストランスファー(
株)製のカスケード・ミニ・リング、日揮(株)製のフレキシリング等が挙げられる。
本発明では、前記蒸留塔におけるトレイや充填物はこれらの種類に限定されることはなく、また一般に使用されるように、トレイ及び充填物は、一種類を、又は二種類以上の組み合わせを用いることができる。また易重合性化合物の製造では、蒸留塔で反応を行う場合もあり、この反応蒸留塔も本発明では蒸留塔に相当する。
前記蒸発装置も、化学品プラントで一般に使用される装置が用いられる。このような装置としては、例えば蒸発缶とリボイラとを備え、必要によっては蒸発したガスを凝縮するコンデンサ(冷却器)、凝縮液を貯蔵する槽、凝縮液を送出するポンプ、非凝縮ガスをもう一度冷却するベントガスコンデンサ等で構成されるものが挙げられる。本発明では前述した取り扱い装置を有するのであれば、蒸発装置について何ら制限はない。
前記蒸留装置や蒸発装置では、各蒸留塔に付属し、塔頂ガスを冷却する熱交換器である冷却器、及びベントガスを冷却する熱交換器である冷却器が用いられる。この冷却器は、一般には塔内に設置される場合と塔外に設置される場合に大別されるが、本発明では、塔外に設置されるものが通常は対象とされる。前記冷却器の型式としては特に限定されない。具体的には、竪型固定管板型、横型固定管板型、U字管型、二重管型、スパイラル型、角ブロック型、プレート型等が挙げられる。
本発明における取り扱い装置や製造装置、及びこれらの周辺機器の材料は、取り扱う易重合性化合物とその温度条件により選定されれば良く特に限定されない。前記取り扱い装置等の材料としては、例えば、易重合性物質として代表的な(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸エステル類の製造においては、ステンレススチール類が良く使用されるがこれに限定されない。このようなステンレススチールとしては、例えばSUS304、SUS304L、SUS316、SUS316L、SUS317、SUS317L、SUS327、或いはハステロイ類が挙げられる。前記材料には、耐食性等の観点からそれぞれの液物性に対応して選定すればよい。
なお、本発明において、前記重合禁止剤散布器から前記凝縮部に散布される重合禁止剤の量は、取り扱い装置への易重合性化合物の供給量、易重合性化合物の種類、及び凝縮部の大きさ等の種々の条件に応じて任意に決定することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態として、アクリル酸の蒸留装置について説明する。
<第一の実施の形態>
前記アクリル酸の蒸留装置は、図4に示すように、粗アクリル酸を蒸留するための塔本体(蒸留塔)1と、アクリル酸を含む蒸気を冷却して凝縮させるコンデンサ20と、コンデンサ20で凝縮された凝縮液を収容する還流槽21と、コンデンサ20で冷却されたガスをさらに冷却して有価物を回収するためのベントガスコンデンサ25と、これらの蒸留系を減圧させる真空設備26とを有する。
塔本体1の底部には、塔底液を抜き出す抜き出しノズル2が設けられている。抜き出しノズル2には、抜き出された塔底液の一部が供給される導入ノズル3と配管11とが接続されている。
導入ノズル3には、導入ノズル3からの塔底液を送るための配管4が接続され、配管4には、配管4からの塔底液を加熱するリボイラ5が接続され、リボイラ5には、加熱された塔底液を送るための配管6が接続され、配管6には、配管6からの塔底液を塔本体1に
供給するためのノズル7が接続されている。
配管11には、配管11からの塔底液を送るためのポンプ12が接続され、ポンプ12には、配管13が接続されている。
一方、塔本体1の塔頂部には、アクリル酸を含むガスを送るための配管19が接続され、配管19にはコンデンサ20が接続され、コンデンサ20には還流槽21が接続されている。還流槽21には、ベントガスコンデンサ25と、還流槽21に収容された凝縮液を送るためのポンプ22とが接続されている。ベントガスコンデンサ25には真空設備26が接続されている。
ポンプ22には、凝縮液の一部を塔本体1に戻すための配管23が接続されている。配管23からは、凝縮液の一部を精製アクリル酸として送るための配管24と、凝縮液の一部をコンデンサ20及びベントコンデンサ25に向けて送るための配管27とが分岐している。
配管27には、前記凝縮液の一部に重合禁止剤を供給するための重合禁止剤供給配管30が接続されている。さらに配管27は、重合禁止剤が供給された凝縮液をコンデンサ20に供給するための第一の重合禁止剤供給管28と、重合禁止剤が供給された凝縮液をベントガスコンデンサ25に供給するための第二の重合禁止剤供給管29とに分岐している。
コンデンサ20は、図1に示すように、ガスを管側に通し冷媒を胴側に通す竪型固定管板式の熱交換器であり、アクリル酸を含有するガスが上方から供給される室31と冷媒が供給される室32とを仕切る管板33と、室31に開口し、室32を上下に貫通する冷却管34とを有している。なお、図1では冷却管34は一本しか示されていないが、冷却管34は複数設けられているものとする。
室31には、コンデンサ20の外部から内部に第一の重合禁止剤供給管28が挿通し、第一の重合禁止剤供給管28の先端には噴霧器35が接続されている。第一の重合禁止剤供給管28は、コンデンサ20の外部において、サポータ36によって支持されており、これにより噴霧器35は、管板33の上面全体に重合禁止剤を噴霧できる位置に支持されている。なお、ベントコンデンサ25も、コンデンサ20と同様に構成されている。
粗アクリル酸は、塔本体1に導入されて蒸留される。塔底液の一部は、抜き出しノズル2、導入ノズル3、配管4、リボイラ5、配管6、ノズル7の順に循環して塔本体1に戻る。また、塔底液の他の一部は、抜き出しノズル2、配管11、ポンプ12、配管13を介して残渣として取り出される。塔頂からの留出分は、配管19、コンデンサ20を介して還流槽21に導入される。塔底温度は60〜120℃、特に70〜100℃が好ましく、塔頂圧力は1〜50kPa、特に2〜20kPaが好ましい。
還流槽21内のアクリル酸の一部は、ポンプ22、配管23を介して塔頂に戻される。またアクリル酸の一部は、配管27を介して送られ、重合禁止剤供給配管30から供給される重合禁止剤と混合し、第一の重合禁止剤供給管28、及び第二の重合禁止剤供給管29を介してコンデンサ20、及びベントコンデンサ25に設置された噴霧器35に供給される。
噴霧器35からは、アクリル酸と重合禁止剤との混合溶液が、管板33の上面全体に噴霧される。管板33は、室32の冷媒によって冷却されているので、室31に供給されたガスが管板33に接触するとガス中のアクリル酸が容易に凝縮し、管板33上には、重合
禁止剤を含まないアクリル酸の液が生成する。すなわち管板33の上面が凝縮部となっている。しかしながら、管板33には重合禁止剤を含有するアクリル酸が噴霧されているので、管板33上のアクリル酸の液には重合禁止剤が供給され、管板33上でのアクリル酸の重合物の発生が防止される。ベントコンデンサ25においても同様に管板33上でのアクリル酸等の易重合性化合物の重合物の発生が防止される。
また、重合禁止剤は、冷却管34の内部に流れ込み、冷却管34の内部で形成されるアクリル酸の凝縮液に重合禁止剤が供給される。これにより、冷却管34及び還流槽21でのアクリル酸の重合物の発生が防止され、冷却管34等の閉塞が防止される。
還流槽21からのアクリル酸の残部は、配管23から分岐した配管24を介して精製アクリル酸として取り出される。また、還流槽21内のガスは、ベントガスコンデンサ25で再度冷却され、凝縮したアクリル酸は還流槽21に戻り、ガス成分は真空設備26を経てベントガスとして取り出される。
本実施の形態では、サポータ36をコンデンサ20の外部に設けるという簡易な構成から、サポータ36をアクリル酸含有ガスに接触させることなく第一の重合禁止剤供給管28を支持し、噴霧器35を適切な位置に支持することが可能である。したがってサポータ36におけるアクリル酸の凝縮及び重合物の発生を防止することができ、さらにアクリル酸の製造装置を長期にわたって安定して連続操業することができる。
<第二の実施の形態>
本実施の形態におけるアクリル酸の製造装置は、図2に示すように、サポータ36に代えて第一の重合禁止剤供給管28をコンデンサ20の内部で上方から支持するサポータ37を用い、コンデンサ20の外部から室31に挿通する第三の重合禁止剤供給管38と、第三の重合禁止剤供給管38の先端に接続され、サポータ37全体に重合禁止剤を噴霧するための噴霧器39とをさらに設けた以外は、第一の実施の形態と同様に構成されている。噴霧器39は、第三の重合禁止剤供給管38によって、サポータ37全体に重合禁止剤を噴霧できる位置に支持されている。第三の重合禁止剤供給管38は、第一の重合禁止剤供給管28から分岐した管であっても良いし、重合禁止剤供給配管30の接続箇所よりも下流側の配管27から分岐した管であっても良いし、全く別系統から重合禁止剤を供給するための管であっても良い。
本実施の形態では、サポータ37に接触したアクリル酸含有ガスがサポータ37の表面で凝縮する場合がある。すなわち本実施の形態ではサポータ37の表面が凝縮部に含まれる。しかしながらサポータ37の表面には、重合禁止剤が噴霧されることから、サポータ37の表面でのアクリル酸の重合物の発生が防止される。
本実施の形態では、配管の振れ防止や強度等の諸問題から、コンデンサ20の外部で第一の重合禁止剤供給管28を支持することが困難な場合でも、第一の重合禁止剤供給管28を支持し、噴霧器35を適切な位置に支持し、かつコンデンサ20の内部でのアクリル酸の重合物の発生を防止することができる。
また、本実施の形態では、第三の重合禁止剤供給管38は、第一の重合禁止剤供給管28から分岐した管であると、コンデンサ20やベントコンデンサ25に重合禁止剤を簡易な構成で供給する上でより一層効果的である。
<第三の実施の形態>
本実施の形態におけるアクリル酸の製造装置は、図3に示すように、サポータ37に代えて第一の重合禁止剤供給管28をコンデンサ20の内部で上方から支持するサポータ4
0を用い、サポータ40全体に重合禁止剤が噴霧される位置に噴霧器39を第三の重合禁止剤供給管38によって支持する以外は、第二の実施の形態と同様に構成されている。本実施の形態によっても、第二の実施の形態と同じ効果が得られる。
なお、本発明において、支持手段であるサポータの設置位置は、通常実施される機械強度計算によって決定すればよいが、一般には塔本体1の径が1m未満の場合であればコンデンサ20の外部にサポータを設け、塔本体1の径が1m以上の場合であればコンデンサ20の内部にサポータを設ける場合が多い。
また、前述した実施の形態において、サポータには腕木構造のサポータを採用したが、本発明に用いられるサポータはこれに限定されない。サポータには、通常実施される機械強度計算の結果として得られる「形状」、「寸法」、「厚み」を採用すればよい。
以下に、本発明を具体的に説明するために、実施例及び比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
図4に示す蒸留装置において、内径1,100mm、長さ20,000mm、内部に多孔板(デュアルトレイ)21枚を設置したステンレス鋼SUS316製の蒸留塔の塔本体1を用いて粗アクリル酸の蒸留を行った。コンデンサ20は、径が890mmであり、長さが3,050mmであり、材質がSUS316Lである。ベントコンデンサ25は、径が480mmであり、長さが2,440mmであり、材質がSUS316Lである。コンデンサ20及びベントコンデンサ25は、共に冷却管内を凝縮液が流通する。
コンデンサ20及びベントコンデンサ25の内部には、それぞれ噴霧器35が設置されており、サポータは図1に示すように、設置されていない。
図4に示す蒸留装置において、粗アクリル酸として、アクリル酸98.5質量%、マレイン酸0.3質量%、アクリル酸ダイマー0.3質量%を含む混合物を塔本体1に90℃にて1,300kg/hで供給した。
不図示の重合防止剤含有液体タンクからは、アクリル酸にメトキノン8質量%、フェノチアジン1質量%を溶解した液を、塔本体1の塔頂に34kg/hで供給し、また塔本体1に供給される粗アクリルモノマー液に31kg/hで供給した。塔頂圧力2.8kPa、塔底圧力7.9kPa、塔頂温度53℃、塔底温度75℃で運転を実施することで、塔頂からは純度99.8質量%以上の高純度アクリル酸が得られた。
塔頂より得られた高純度アクリル酸の一部は、コンデンサ20、還流槽21、ポンプ22、及び配管27を介して、重合禁止剤供給管30からの重合禁止剤(メトキノン)を含有する液体と混合されることでメトキノン濃度が200質量ppmに調整されて、コンデンサ20へ1,020kg/h、ベントコンデンサ25へ995kg/hで供給された。
前述した条件にて6ヶ月間連続運転を行った後、運転を停止してコンデンサ20及び塔本体1を点検した。点検の結果、蓄積物は無く、また運転中にコンデンサ20の閉塞も無かった。
<比較例1>
図1に示すコンデンサ20及びベントコンデンサ25を、図5に示すコンデンサ50に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行った。
3ヶ月運転後、塔低液の温度が徐々に上昇し、還流槽21の圧力と塔本体1の塔頂圧力との差が大きくなり、リボイラ5へのスチームの供給が出来なくなってきた。
運転を停止し、内部を点検した結果、コンデンサ50の管板51上面にポップコーン状の重合物を確認した。
<実施例2>
図4に示す蒸留装置において、内径1,500mm、長さ14,700mm、内部にデュアルフロートレイ20枚を設置したステンレス鋼(SUS316)製の蒸留塔を用いて、粗アクリル酸エチルの蒸留を行った。コンデンサ20は径が1,020mmであり、長さが3,050mmであり、材質がSUS316Lである。ベントコンデンサ25は、径が303mmであり、長さが2,440mmであり、材質がSUS316Lである。コンデンサ20及びベントコンデンサ25は、共に冷却管内を凝縮液が流通する。
コンデンサ20及びベントコンデンサ25の内部には、それぞれ噴霧器35が設置されており、サポータが図1に示すように、設置されていない。
図4に示す蒸留装置において、粗アクリル酸エステルとして、アクリル酸エチル99.3質量%、酢酸エチル0.04質量%、プロピオン酸エチル0.04質量%、アクリル酸0.52質量%、ハイドロキノン0.1質量%を含む混合物を塔本体1に90℃にて4,500kg/hで供給した。
重合防止剤含有液体タンク(図示せず)より、アクリル酸エチルにメトキノン1.5質量%を溶解した液を、塔本体1の塔頂に30kg/hで供給した。塔頂圧力21.3kPa、塔底圧力26.7kPa、塔頂温度56℃、塔底温度71℃で運転を実施することで、塔頂からは純度99.9質量%以上の高純度アクリル酸エチルが得られた。
塔頂より得られた高純度アクリル酸エチルの一部は、コンデンサ20、還流槽21、ポンプ22、及び配管27を介して、重合禁止剤供給管30からの重合禁止剤を含有する液体11kg/hと混合され、コンデンサ20へ1,750kg/h、ベントコンデンサ25へ1,000kg/hで供給された。
前述した条件にて6ヶ月間連続運転を行った後、運転を停止してコンデンサ20及び塔本体1を点検した。点検の結果、蓄積物は無く、また運転中にコンデンサ20の閉塞も無かった。
<比較例2>
図1に示すコンデンサ20及びベントコンデンサ25を、図6に示すコンデンサ50に変更した以外は、実施例2と同様な操作を行った。
4ヶ月運転後、塔低液の温度が徐々に上昇し、還流槽21の圧力と塔本体1の塔頂圧力との差が大きくなり、リボイラ5へのスチームの供給が出来なくなってきた。
運転を停止し、内部を点検した結果、コンデンサ50の管板51上面に重合物を確認した。
本発明の一実施の形態のコンデンサの上部の縦断面図である。 本発明の他の実施の形態のコンデンサの上部の縦断面図である。 本発明の他の実施の形態のコンデンサの上部の縦断面図である。 本発明の製造装置の一例である蒸留装置の系統図である。 従来のコンデンサの一例の上部の縦断面図である。 従来のコンデンサの他の例の上部の縦断面図である。
符号の説明
1 塔本体(蒸留塔)
2 抜き出しノズル
3 導入ノズル
4、6、11、13、19、23、24、27 配管
5 リボイラ
7 ノズル
12、22 ポンプ
20、50 コンデンサ
21 還流槽
25 ベントガスコンデンサ
26 真空設備
28 第一の重合禁止剤供給管
29 第二の重合禁止剤供給管
30 重合禁止剤供給配管
31、32 室
33、51 管板
34、56 冷却管
35、39、52 噴霧器
36、37、40、54、55 サポータ
38 第三の重合禁止剤供給管
53 重合禁止剤供給管

Claims (9)

  1. 易重合性化合物の蒸気が内部に供給される易重合性化合物の取り扱い装置であって、
    前記取り扱い装置の内部において易重合性化合物が凝縮し得る凝縮部と、
    前記凝縮部に重合禁止剤を散布するための凝縮部用散布器と、
    前記凝縮部用散布器に重合禁止剤を供給する重合禁止剤供給管と、
    前記凝縮部用散布器を前記取り扱い装置の内部の所定の位置に支持するための支持手段とを有する易重合性化合物の取り扱い装置において、
    前記支持手段は、前記取り扱い装置の外部で前記重合禁止剤供給管を支持する手段であることを特徴とする易重合性化合物の取り扱い装置。
  2. 易重合性化合物の蒸気が内部に供給される易重合性化合物の取り扱い装置であって、
    前記取り扱い装置の内部において易重合性化合物が凝縮し得る凝縮部と、
    前記凝縮部に重合禁止剤を散布するための凝縮部用散布器と、
    前記凝縮部用散布器に重合禁止剤を供給する重合禁止剤供給管と、
    前記凝縮部用散布器を前記取り扱い装置の内部の所定の位置に支持するための支持手段とを有する易重合性化合物の取り扱い装置において、
    前記支持手段は、前記取り扱い装置の内部で前記重合禁止剤供給管を支持する手段であり、
    重合禁止剤を前記支持手段に散布する支持手段用散布手段をさらに有することを特徴とする易重合性化合物の取り扱い装置。
  3. 前記支持手段が、前記取り扱い装置の外部で前記重合禁止剤供給管を支持する手段をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の易重合性化合物の取り扱い装置。
  4. 前記取り扱い装置は冷却器であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の易重合性化合物の取り扱い装置。
  5. 前記散布器が噴霧器であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の易重合性化合物の取り扱い装置。
  6. 前記易重合性化合物が、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の易重合性化合物の取り扱い装置。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の易重合性化合物の取り扱い装置を有することを特徴とする易重合性化合物の製造装置。
  8. 易重合性化合物の蒸留装置又は蒸発装置であることを特徴とする請求項記載の易重合性化合物の製造装置。
  9. 前記易重合性化合物が、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項又はに記載の易重合性化合物の製造装置。
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