JP3832868B2 - アクリル酸の精製法 - Google Patents
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[発明の背景]
【産業上の利用分野】
本発明は、プロピレンおよび(または)アクロレインを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して得られるアクリル酸を精製する方法に関する。
【0002】
プロピレンおよび(または)アクロレインを、好ましくは水蒸気の存在下に分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して得た反応生成物は、通常、目的物であるアクリル酸の他に、酢酸、ギ酸、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、二酸化炭素、または一酸化炭素等の副反応生成物と、未反応プロピレン、およびアクロレインを含んでいる。本発明は、その反応生成物から、副反応生成物のうち特にアクリル酸から分離しにくい酢酸を効率よく分離して、アクリル酸を高純度に精製する方法を提供するものである。さらに詳しくは、本発明は、上記反応生成物を水で吸収させてアクリル酸水溶液とし、これを共沸蒸留塔に導入して精製するに際して、共沸剤を共沸蒸留塔の還流の他に、還流供給段より下の1箇所以上で追加供給して、効果的な共沸により副生成物を分離してアクリル酸を精製する方法を提供するものである。
【0003】
【従来の技術】
これまで、一般的にアクリル酸精製プロセスにおいて製品アクリル酸から酢酸を分離するのは、両化合物の物性上、非常に困難であり、一般的な分離方法では多大なコストを要すると考えられてきた。しかしながら、近年アクリル酸製品の品質として酢酸濃度の削減の重要性は高まってきている。例えば、アクリル酸の汎用的な用途として、それを重合させて高吸水性樹脂を得ることが考えられるが、アクリル酸中の酢酸は重合しないため、製品樹脂中にも酢酸単体として残り、吸水力の低下、臭い、等の問題を引き起こしやすく、原料アクリル酸からの酢酸の削減要求は大きい。
【0004】
また、アクリル酸と各種アルコールを反応させて製造するエステルにおいても、原料アクリル酸中の酢酸はアルコールと反応して酢酸エステルとなる。この酢酸エステルはアクリル酸エステルと容易に分離することができず、製品アクリル酸エステル中に混入する。
【0005】
アクリル酸を重合させて、いわゆるエマルジョンを製造する場合においても、酢酸エステルは重合しないため、「残存単量体」として種々のトラブルの要因となる。尚、一般的製品アクリル酸中の酢酸含量および製品アクリル酸エステル中の許容酢酸エステル含量は各々0.05重量%以下のため、原料アクリル酸中の許容酢酸含量は0.03重量%以下が要求される。
【0006】
このようなところから、アクリル酸の精製法、特に不純物としての酢酸の除去法、として、いくつかの方法が考えられてきた。例えば、特公昭63−10691号公報にはアクリル酸水溶液を酢酸と共沸混合物を形成する共沸剤と共に共沸蒸留に付してアクリル酸から酢酸を分離して精製する方法が記載されている(図2は、そのフローシートを示す)。しかしながら、この方法は、それなりの解決を与えたとはいえ、精製に単に共沸蒸留を行うというものであるので、共沸蒸留塔のみでは現実的に酢酸を実質的に完全に分離することは困難であると解される。その結果、塔底から酢酸がアクリル酸と共に抜き出されてしまうので、得られるアクリル酸は酢酸除去のための更なる処理が必要になるため、工程が複雑になり、またコストが高くなるなどの問題があると解される。
【0007】
一方、特開平5−246941号公報にも、アクリル酸水溶液に酢酸と共沸混合物を形成する共沸剤を添加して共沸蒸留することにより、アクリル酸を酢酸から分離して精製する方法が記載されている(図3は、そのフローシートを示す)。しかしながら、この方法も、それなりの解決を与えたとはいえ、ここで示されている共沸剤は親水性物質、例えばジエチルケトン、を使用しているので、塔頂から留出する共沸剤、水、および酢酸の混合物は、静置しても水相中に無視できない量の共沸剤が残存してしまい、その水相から共沸剤を回収する専用の共沸剤回収塔が必要であると解される。また、この公知発明はジエチルケトンのような親水性溶剤とトルエンのような疎水性溶剤の混合物を共沸剤として使用するところにひとつの特徴を有するものと解されるが、そのためその混合比率が運転中に経時的に変化し、その共沸液組成の監視、および運転中の補給方法などを考えると実プラントとして長期連続運転には不向きであると解される。
【0008】
この他にもいくつかの方法が知られているが、従来の方法では上記したいずれかの問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]
本発明は、粗アクリル酸水溶液を還流下に共沸蒸留に付して精製するに際し、非親水性共沸剤を還流としての他に当該段より下の少なくとも1箇所からさらに供給することにより低コストで高純度のアクリル酸が得られる、という発見に基づくものである。
【0010】
<要旨>
すなわち、本発明によるアクリル酸の精製法は、プロピレンおよび(または)アクロレインを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して得た生成ガスを、冷却および(または)水に吸収させて得られた粗アクリル酸水溶液、または該液中のアルデヒド類を予めストリッピングにより除去した粗アクリル酸水溶液であって、アクリル酸を20〜85重量%、酢酸を0.5〜6.5重量%及び水を10〜75重量%の範囲で含有するものから、共沸蒸留によって水及び酢酸を除去して精製されたアクリル酸を回収する方法であって、粗アクリル酸水溶液を共沸蒸留塔に供給し、酢酸と共沸混合物を形成する非親水性の共沸剤の存在下に蒸留して塔底から酢酸及び共沸剤を実質的に含有しない精製されたアクリル酸を回収し、塔頂から留出する酢酸、水及び共沸剤から成る蒸気は凝縮させ、凝縮液は酢酸水溶液と共沸剤とに分離し、酢酸水溶液は系外に抜出し、共沸剤は一部は塔に還流させ、残部は該還流の流入位置よりも下方で塔に供給し、かつ塔に還流させる共沸剤と還流の流入位置よりも下方で塔に供給する共沸剤の比率を1:1〜15:1とすること、を特徴とするものである。
【0011】
<効果>
本発明の方法によれば、粗アクリル酸水溶液を低コストで高純度に精製することができる。
【0012】
[発明の具体的説明]
<精製対象>
本発明によるアクリル酸の精製の対象になる粗アクリル酸水溶液は、プロピレンおよび(または)アクロレインを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して得た生成ガスを冷却および(または)水に吸収させて得られる粗アクリル酸水溶液、または該液中のアルデヒド類を予めストリッピングにより除去した粗アクリル酸水溶液、である。これらのアクリル酸水溶液は、不純物として酢酸を含むために本発明の精製法が効果的に作用する。
【0013】
プロピレンおよび(または)アクロレインの接触気相酸化は周知である。本発明は、当該接触気相酸化そのものに関するものではないので、プロピレンおよび(または)アクロレインの接触気相酸化の詳細については文献の援用が許容されるであろう。そのような文献には、例えば Hydrocarbon Processing 56 No.11,
123(1977) および、同58 No.11, 124(1979) がある。
【0014】
プロピレンおよび(または)アクロレインの接触気相酸化は水蒸気の存在下に実施されることが多く、また昇温下に行われるこの気相反応のガス状反応生成物をそこからアクリル酸を回収すべく処理するに当たって、当該ガス状反応生成物を冷却し、あるいはアクリル酸を吸収するために、そのガス状反応生成物を水で処理すなわちスクラッビングすることがふつうであるから、いずれにしても本発明で対象とする粗アクリル酸水溶液の形である。
【0015】
これらの粗アクリル酸水溶液は、いかなる濃度であっても本発明の方法により精製できるが、特にアクリル酸を20〜85重量%、酢酸を0.5〜6.5重量%、水を10〜75重量%の範囲で含有するものが好ましい。
【0016】
<共沸蒸留>
《概要》
本発明で上記のような粗アクリル酸を精製するために利用する共沸蒸留は、共沸剤を特定の複数箇所から供給するという点を除けば、慣用のもの、特に還流を実施するもの、と本質的には変わらない。
【0017】
すなわち、本発明の共沸蒸留は、まず、不純物としての酢酸を塔頂から留出させ、精製アクリル酸を塔底から回収するという基本構成のものである。従って、使用する共沸蒸留塔は、粗アクリル酸から酢酸を分離するための共沸分離塔ということができる。
【0018】
本発明で使用する共沸剤は、酢酸との他に水とも共沸するものが好ましいから(詳細後記)、共沸蒸留の塔頂留出物は実質的に酢酸、水および共沸剤からなることが典型的である。また、従って、このような共沸剤を使用すれば、塔底液としての精製アクリル酸は水および(または)共沸剤をも含まないものとして得ることができる。
【0019】
還流下で行う本発明の共沸蒸留は、この三成分から実質的になる塔頂留出物を当該組成のまま還流してもよいが、好ましい態様は実質的に共沸剤のみを回収して還流とすることである。すなわち、本発明で使用する共沸剤は非親水性であるから、塔頂留出物を静置すると実質的に共沸剤からなる相と実質的に酢酸および水からなる相とに成層するので、この共沸剤相を分離して、それを還流することもでき、またそれが本発明での好ましい態様でもある。
【0020】
本発明の一つの特徴が共沸剤の多段供給であることは前記したところであって、一つは還流として塔頂に供給し、他は還流を供給する段より下の段の少なくとも一つに、すなわち一段または数段にわたって、追加供給する。共沸剤の追加供給は、一段以上、好ましくは一段(従って、還流としての供給と共に二段)、で行うことが適当であり、また追加供給段は粗アクリル酸水溶液供給段付近、すなわち同一段かそれより下の段、が好ましい。追加供給共沸剤は、塔頂留出物として回収されたものであっても、新鮮なものであってもよい。
【0021】
還流としての共沸剤と追加供給共沸剤合計量との量比は、1:5〜30:1、好ましくは1:1〜15:1、であることがふつうである。
【0022】
共沸蒸留塔への共沸剤の総量は、これが水とも共沸するものであるときは、一般的に共沸蒸留塔に供給する原料である粗アクリル酸水溶液中の酢酸と共沸剤との共沸組成の量と水と共沸剤との共沸組成の量との総和以上、好ましくは酢酸との共沸組成の2.0〜10倍の量と水との共沸組成の1.0〜3.0倍の量との総和以上、である。
【0023】
還流としての共沸剤および追加供給共沸剤は共沸塔系外に於いて水洗などの処理を施して再供給することが当然ながら可能である。
【0024】
《共沸蒸留フローシート/装置》
本発明による還流下の共沸蒸留による粗アクリル酸の精製法の上記のような好ましい態様をフローシートで示せば図1の通りである。
【0025】
図1のフローシートの場合、ライン1よりプロピレン接触気相酸化反応ガスがアクリル酸捕集塔11に供給され、その塔底からライン2を経て流出する粗アクリル酸水溶液を共沸蒸留塔12に供給する。共沸蒸留塔12には、ライン2からの粗アクリル酸水溶液の他に、ライン4から共沸剤を還流として、またライン5から還流供給段より下の段、たとえば図1中では原料供給段、に分割共沸剤供給として、各々供給する。このように共沸剤を分割して供給することにより、共沸蒸留塔の特に原料供給段以下における気液中の共沸剤の占める割合が大きくなって、酢酸への共沸剤の共沸効果が向上する。
【0026】
共沸蒸留塔12の塔頂ライン3から出る、実質的に酢酸、共沸剤および水からなる混合物である塔頂留出液すなわち凝縮液は、水への溶解度の低い非親水性の共沸剤を用いるため、これを静置すると水相と共沸剤相とに二相分離するが、水相は実質的にアクリル酸捕集塔11からのアクリル酸水溶液中のすべての水と酢酸とからなっていて、ライン8より系外へ排出される。尚、その一部はライン7でアクリル酸捕集塔11に循環され、アクリル酸を捕集するための吸収液として使用される。
【0027】
一方、共沸剤相の一部はライン4で共沸蒸留塔12のリフラックスとして還流され、残りはライン5で共沸蒸留塔12のリフラックス段より下の段、図1中では原料供給段、であるライン2で供給される段に循環される。
【0028】
本発明で使用する共沸蒸留塔には特に制限はないが、好ましくは15〜60段、より好ましくは35〜50段、のものを用いるのがふつうである。
【0029】
尚、共沸塔の運転条件としては、好ましくは塔頂温度が35℃以上、塔底温度が100℃以下になるように塔頂圧力を設定する。また、当然ながらその運転に際して重合禁止剤および分子状酸素を含有するガスを供給しても何らかまわない。
【0030】
<共沸剤>
本発明での共沸蒸留は酢酸を共沸混合物として留出させることを基本目的とするものであるから、使用すべき共沸剤は酢酸と共沸するものでなければならないが、粗アクリル酸中にかなりの量で存在する水をも留去し得るよう、水とも共沸するものであることが好ましい。また、精製アクリル酸を塔底液として回収するところから、使用する共沸剤はアクリル酸とは実質的に共沸しないものであるべきである。特に水への溶解度が5重量%以下のものが好ましい。具体的には、トルエン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン、エチルベンゼン、イソブチルエーテル、シクロヘキセン、シクロヘキサンジエン、ブチルエチルケトン、プロピオン酸n−プロピル、酢酸イソブチルなどがある。好ましくは実質的に水に溶解しないもの、例えばトルエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど、がよい。
【0031】
【実施例】
実験例1
用いる共沸蒸留塔は塔頂圧力110mmHgとなるように調整した。原料としての粗アクリル酸水溶液は水を38.5重量%、酢酸を3.2重量%、および若干のアルデヒド、カルボン酸などを含むものを用いた。この水溶液はプロピレンの接触気相酸化反応によって得られた生成ガスを凝縮させたものである。
【0032】
上記原料を14.6kg/ 時で共沸蒸留塔に供給し、共沸剤としてトルエンを用いて共沸蒸留を行った。塔頂からの凝縮液のうちトルエン相は全量共沸蒸留塔に循環した。共沸剤の循環箇所、循環量は、還流として51.4kg/ 時、分割共沸剤供給として原料供給段に5.7kg/ 時の計57.1kg/ 時供給した。運転中の塔頂温度は約40℃、塔底温度は約100℃であった。このときの塔底液の成分は、アクリル酸が99.0重量%以上、酢酸が0.03重量%以下、トルエンが痕跡量であり、アクリル酸エステル用の原料酸として十分使用できるものであった。塔頂からの凝縮液を静置したあとの水相中のトルエン濃度は0.03重量%であった。
【0033】
実験例2
共沸蒸留塔への原料粗アクリル酸水溶液を14.6kg/ 時で供給し、共沸剤としてトルエンを用いて共沸蒸留を行った。共沸剤の循環箇所、循環量は、還流として51.4kg/ 時、分割供給剤供給として原料供給段に7.1kg/ 時の計58.5kg/ 時供給した。その結果、塔底液の成分はアクリル酸が99.0重量%以上、酢酸が0.01重量%以下、トルエンが痕跡量であり、この場合も原料アクリル酸水溶液から大幅に酢酸を分離除去することができた。塔頂からの凝縮液を静置したあとの水相中のトルエン濃度は0.01重量%であった。
【0034】
比較例1
実験例1の実験条件で、共沸蒸留塔へのトルエン循環を還流供給段のみに57.1kg/ 時(実験例1の2箇所への共沸剤循環量の総和)に変えただけで共沸蒸留を行った。塔底液の成分はアクリル酸が99.0重量%、酢酸が0.1重量%、トルエンが痕跡量であり、このままではアクリル酸エステル用の原料酸としては使用できないレベルの純度のアクリル酸しか得ることができなかった。その後、トルエン循環量を増加していき、塔底液中の純度の変化を観察していったが、実験例1の純度に達する前に、循環量を124kg/ 時としたところで共沸蒸留塔内がフラッディングに陥って運転不能となった。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、アクリル酸製造時に副成する酢酸を効率よく低コストで除去することができて高純度のアクリル酸が得られることは[発明の概要]の項において前記したところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアクリル酸の精製法を示すフローシート。
【図2】特公昭63−10691号公報に記載された方法を利用したアクリル酸の精製法を示すフローシート。
【図3】特開平5−246941号公報に記載された方法を利用したアクリル酸の精製法を示すフローシート。
【符号の説明】
1 ライン(プロピレン酸化反応ガス)
2 ライン(粗アクリル酸水溶液)
3 ライン(共沸蒸留塔オーバーヘッド)
4 ライン(共沸蒸留塔リフラックス)
5 ライン(分割共沸剤)
6 ライン(精製アクリル酸)
7 ライン(アクリル酸吸収用リサイクル廃水)
8 ライン(廃水)
9 ライン(アクリル酸リサイクル)
10 ライン(脱酢酸前粗アクリル酸)
11 アクリル酸捕集塔
12 共沸蒸留塔
13 静置漕
14 酢酸分離塔
15 共沸剤回収塔
Claims (7)
- プロピレンおよび(または)アクロレインを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して得た生成ガスを、冷却および(または)水に吸収させて得られた粗アクリル酸水溶液、または該液中のアルデヒド類を予めストリッピングにより除去した粗アクリル酸水溶液であって、アクリル酸を20〜85重量%、酢酸を0.5〜6.5重量%及び水を10〜75重量%の範囲で含有するものから、共沸蒸留によって水及び酢酸を除去して精製されたアクリル酸を回収する方法であって、粗アクリル酸水溶液を共沸蒸留塔に供給し、酢酸と共沸混合物を形成する非親水性の共沸剤の存在下に蒸留して塔底から酢酸及び共沸剤を実質的に含有しない精製されたアクリル酸を回収し、塔頂から留出する酢酸、水及び共沸剤から成る蒸気は凝縮させ、凝縮液は酢酸水溶液と共沸剤とに分離し、酢酸水溶液は系外に抜出し、共沸剤は一部は塔に還流させ、残部は該還流の流入位置よりも下方で塔に供給し、かつ塔に還流させる共沸剤と還流の流入位置よりも下方で塔に供給する共沸剤の比率を1:1〜15:1とすることを特徴とするアクリル酸の精製方法。
- 塔底から回収される精製されたアクリル酸中の酢酸濃度が0.03重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のアクリル酸の精製方法。
- 粗アクリル酸水溶液の供給段又はその下方の段に、還流の流入位置よりも下方に供給される共沸剤を供給することを特徴とする請求項1又は2記載のアクリル酸の精製方法。
- 共沸剤が下記の条件をすべて満足するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアクリル酸の精製方法。
(イ)酢酸の外に、水との共沸混合物をも形成するものであること、
(ロ)水への溶解性が5重量%以下であること、
(ハ)アクリル酸とは共沸混合物を形成しないものであること。 - 共沸蒸留塔に供給される共沸剤の総量が、共沸蒸留塔に供給される粗アクリル酸水溶液中の酢酸及び水がそれぞれ共沸剤と共沸組成を形成するに要する共沸剤の総和以上であることを特徴とする請求項4記載のアクリル酸の精製方法。
- 共沸剤がトルエン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンより成る群から選ばれたものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のアクリル酸の精製方法。
- 共沸蒸留塔が段数15〜60段のものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のアクリル酸の精製方法。
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