JP2008266159A - アクリル酸ブチルの精製方法 - Google Patents

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淳浩 安達
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Abstract

【課題】精製による酸分の発生が効率的に抑制されるアクリル酸ブチルの精製方法を提供する。
【解決手段】アクリル酸とブタノールとを酸触媒の存在下に反応させて得られたアクリル酸ブチルを、製品塔25を用いて精製して、精製されたアクリル酸ブチルを得る方法において、製品塔25に供給されるアクリル酸ブチル中のβ−ブトキシプロピオン酸ブチルの濃度を6質量%以下とする。
【選択図】なし

Description

本発明はアクリル酸ブチルの精製方法に関する。
なお本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。
従来より、コーティング剤や接着剤、更にコンタクトレンズ等の光学材料等を製造するためのモノマー成分として、(メタ)アクリル酸エステルは広く使用されている。これらのうち、アクリル酸エステルは主として、プロピレン又はプロパンを接触酸化することにより得られるアクリル酸を、エステル化することにより製造されており、また、メタクリル酸エステルは、アセトンシアンヒドリン法、新アセトンシアンヒドリン法、又はイソブテンやt−ブチルアルコールを原料とする接触酸化法により直接的に製造したり、これら方法で得られるメタクリル酸をエステル化したり、またこれらの方法から直接得られるメタクリル酸メチルをエステル交換することにより製造されている。中でも、酸触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸とアルコールとをエステル化反応させて製造する方法が一般に広く用いられている。
(メタ)アクリル酸エステルの精製においては、(メタ)アクリル酸エステルよりも蒸留されにくい高沸点の成分(高沸分)の存在が(メタ)アクリル酸エステルの製品中の不純物生成に影響を及ぼしていることは知られている。例えば、エステル化反応にて得られた含メタクリル酸エステル溶液から、アルコールを除去するために抽出工程を行い、次いで高沸分を蒸留で除去し、次いで(メタ)アクリル酸エステルよりも蒸留されやすい低沸点の成分(低沸分)を留去し、次いで精製塔でメタクリル酸エステルを蒸留して精製されたメタクリル酸エステルを得る、高純度メタクリル酸エステルの精製方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、このような工程を経ることにより、高沸分とアルコールとが反応してなるアルコール付加物の分解によるメタクリル酸エステルへの低級アルコールの混入を防止することができ、低級アルコールを実質的に含まないメタクリル酸エステルを得ることができることが知られている。
また、高沸分が除去された(メタ)アクリル酸エステルを得るための技術としては、例えば、反応液中の高沸分の影響による不純物の発生を抑制するため、エステル化反応にて得られた含(メタ)アクリル酸シクロヘキシル溶液から高沸分を蒸留で除去し、次いで低沸分を留去する高純度(メタ)アクリル酸シクロヘキシルの製造方法が挙げられる(例えば、特許文献2参照。)。しかしこの方法では、高沸分中の個々の化合物による副生物の生成への影響は十分には検討されていない。
ところで、(メタ)アクリル酸エステルの製品規格の一つに酸分(酸触媒の残りや未反応の(メタ)アクリル酸等の酸成分)濃度がある。酸分濃度が高いと、該(メタ)アクリル酸エステルを用いてポリマーを製造する際、あるいは得られたポリマー中に酸分が残留し、様々な悪影響を及ぼすため、好ましくないと考えられている。
酸分が低減された(メタ)アクリル酸エステルを得るための技術としては、例えば、エステル化反応にて得られた(メタ)アクリル酸エステル含有液から、酸分のうち、特に酸触媒を除去するために特定の錯体化合物の存在下で蒸留する(メタ)アクリル酸エステルの精製方法が挙げられる(例えば、特許文献3参照。)。しかし、この方法では、酸分として反応液中に含まれる(メタ)アクリル酸の濃度が低減されるか否かは定かでない。
特開2001−322968号公報 特開2002−226433号公報 特開2003−231664号公報
本発明は、精製による酸分の発生が効率的に抑制されるアクリル酸ブチルの精製方法を提供する。
従来、(メタ)アクリル酸エステル中の酸分が上昇する原因の一つには、エステル化反応の転化率が悪化して、未反応の原料酸分が製品に混入するためと考えられていた。ところが、本発明者らの検討によると、(メタ)アクリル酸エステル、具体的にはアクリル酸ブチルの精製工程において、製品塔中でアクリル酸ブチルが分解することにより、酸分の多くが生成していることが判明した。
これを解決するため、本発明者らが鋭意検討した結果、製品塔に供給する粗アクリル酸ブチル含有液の中の高沸点物質、中でも特にβ−ブトキシプロピオン酸ブチル(β−BPB)の濃度が製品塔での酸分濃度の上昇に大きな影響を及ぼすことを見出し、さらには、β−BPB濃度がある特定の値を超えると製品であるアクリル酸ブチル中の酸分濃度が急激に上昇することを見出した。そして本発明者らは、精製前の粗アクリル酸ブチル含有液のβ−BPBの濃度を低減することにより、精製時における製品塔の塔底温度の上昇によるアクリル酸ブチルの分解が防がれ、製品アクリル酸ブチル中の酸分を低減できることを見出した。
すなわち本発明は、アクリル酸とブタノールとを酸触媒の存在下に反応させて得られたアクリル酸ブチルを、アクリル酸ブチルを精製する過程において最後に用いられる蒸留塔である製品塔を用いて精製して、精製されたアクリル酸ブチルを得るアクリル酸ブチルの精製方法において、β−ブトキシプロピオン酸ブチルの濃度が6質量%以下であるアクリル酸ブチルを、前記製品塔を用いて精製することを特徴とするアクリル酸ブチルの精製方法を提供する。
また本発明は、前記製品塔を用いる精製が蒸留塔を用いる減圧蒸留であることを特徴とする前記のアクリル酸ブチルの精製方法を提供する。
さらに本発明は、前記反応によって得られた前記アクリル酸ブチル中のβ−ブトキシプロピオン酸ブチルの濃度が6質量%以下であることを特徴とする前記のアクリル酸ブチルの精製方法を提供する。
本発明によれば、酸触媒の存在下によるエステル化反応によって得られたアクリル酸ブチルの精製において、精製による酸分の発生を効率的に抑制することができる。
本発明は、蒸留塔を用いる減圧蒸留によって前記アクリル酸ブチルを精製する場合に、精製による酸分の発生を効率的に抑制する観点からより一層効果的である。
本発明は、β−BPBの含有量が6質量%以下であるアクリル酸ブチルが前記反応によって得られる場合に、精製による酸分の発生を効率的に抑制する観点からさらに一層効果的である。
本発明のアクリル酸ブチルの精製方法は、アクリル酸とブタノールとを酸触媒の存在下に反応させて得られたアクリル酸ブチルを、製品塔を用いて精製して、精製されたアクリル酸ブチルを得るアクリル酸ブチルの精製方法において、β−ブトキシプロピオン酸ブチルの濃度が6質量%以下であるアクリル酸ブチルを、前記製品塔を用いて精製することを特徴とする。
アクリル酸ブチルの反応原料であるアクリル酸には、工業的に用いられる純度(例えば99質量%以上)のものを用いることができる。周知の通り、アクリル酸を生成させる反応としては、プロピレンを酸化してアクリル酸を得るプロピレンの気相酸化法がある。このプロピレンの気相酸化法には、一段の酸化でプロピレンをアクリル酸まで直接酸化するプロセスと、プロピレンをアクロレインに酸化した後にアクロレインをアクリル酸にさらに酸化する二段酸化プロセスとがある。
二段酸化プロセスでは、プロピレンからアクロレインまでの酸化と次の段階におけるアクリル酸までの酸化とのそれぞれの条件が異なるため、それぞれを別の触媒が通常は用いられる。二段酸化プロセスには、各段のそれぞれの酸化を別の反応器で行うプロセスと、反応管に複数種の触媒を充填した一つの反応器で行うプロセスとがある。前記アクリル酸には、これらのような公知の方法で得られたアクリル酸を用いることができる。
本発明で精製されるアクリル酸ブチルは、アクリル酸とブタノールとを酸触媒の存在下でエステル化反応させて、対応するアクリル酸ブチルを製造する通常の方法、又はそれに準ずる方法によって得ることができる。
前記酸触媒には、アクリル酸とアルコールとのエステル化反応に通常使用される触媒を用いることができる。このような酸触媒としては、例えばp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、及びメタンスルホン酸等の有機酸や、硫酸、塩酸等の鉱酸や、カチオン性イオン交換樹脂のような強酸性イオン交換樹脂等の固体酸が挙げられる。好ましくは、p−トルエンスルホン酸である。
本発明において、アクリル酸ブチルは、β−BPBの濃度が、アクリル酸ブチルを含有する組成物中のアクリル酸ブチルに対して6質量%以下である状態で、製品塔を用いて精製される。製品塔に供給されるアクリル酸ブチル中のβ−BPBの濃度を6質量%以下に調整する方法については特に制限はない。アクリル酸ブチル中のβ−BPBの濃度は、アクリル酸ブチルの製品塔による精製の前に、反応で得られたアクリル酸ブチルからβ−BPBを除去する工程を行うことによって、6質量%以下にすることができる。このようなβ−BPBの除去工程としては、例えば反応で得られたアクリル酸ブチルからβ−BPBを高沸分として除去する蒸留工程が挙げられる。
また、精製前のアクリル酸ブチル中のβ−BPBの濃度は、アクリル酸ブチルを生成するためのエステル化反応において、β−BPBの生成を抑制することによって、6質量%以下に調整することができる。エステル化反応におけるβ−BPBの生成は、エステル化反応において、生成したアクリル酸ブチルの二重結合へのブタノールのさらなる反応が抑制される条件に反応を制御することによって、抑制することができる。このような反応条件の制御としては、例えば酸触媒の濃度を下げることが挙げられる。具体的には、ブタノールに対する酸触媒の濃度を0.1〜7程度にすることが挙げられる。
エステル化反応の条件の制御によってβ−BPBの生成を抑制すること、すなわちエステル化反応によって得られたアクリル酸ブチル中のβ−ブトキシプロピオン酸ブチルの濃度が6質量%以下であること、は、精製前にβ−BPBを除去する場合に比べて、アクリ
ル酸ブチルの製造設備における蒸留塔の本数、蒸留操作の回数、蒸留に必要な熱エネルギー、コスト、及び所要時間の増加を抑制して、酸分の濃度が低い高純度のアクリル酸ブチルを得ることができるため、好ましい。
さらに、精製前のアクリル酸ブチル中のβ−BPBの濃度は、高沸分が除去されたアクリル酸ブチルや高沸分の処理で再生品として得られたアクリル酸ブチルのような、β−BPBの濃度が低いアクリル酸ブチル組成物を精製前のアクリル酸ブチルに加えることによって、6質量%以下に調整することができる。
本発明において、アクリル酸ブチル中のβ−BPBの濃度は、例えば汎用の極性カラムを備えたガスクロマトグラフによって確認することができる。
本発明における製品塔を用いるアクリル酸ブチルの精製は、アクリル酸ブチルを精製する過程において最後に用いられる蒸留塔を用いる、製品となる精製されたアクリル酸ブチル(例えば純度が99質量%以上)が得られる操作である。このような最終製品としてのアクリル酸ブチルを得るために製品塔として蒸留塔を用いる操作としては、例えば減圧蒸留が挙げられる。
製品塔におけるβ−BPBの濃度の上昇が製品中の酸分の濃度を上昇させる一因としては、製品塔内におけるアクリル酸ブチル中のβ−BPBの濃度が所定の値以上であると、例えば製品塔の塔底温度が上昇すると、アクリル酸ブチルの分解が促進されることが挙げられ、その結果、アクリル酸ブチル中においてアクリル酸の濃度が上昇することが予想される。従って、本発明は、製品塔として蒸留塔を使用して減圧蒸留する場合に、その効果が顕著に現れるため好ましい。
本発明では、反応によって得られたアクリル酸ブチルを製品塔で精製する前に、さらなる工程を含んでいてもよい。このようなさらなる工程としては、例えば前記アクリル酸ブチル中に含まれる種々の成分を除去する工程が挙げられ、より具体的には、エステル化反応の原料、酸触媒及び副生物等の不純物とアクリル酸ブチルとを分離するための抽出工程や蒸留工程等が挙げられる。これらのさらなる工程は、常法に従って行うことができる。
例えば、エステル化反応によって得られた反応液から未反応のアクリル酸を分離する手段としては、蒸留手段、水及びアルカリ等の各種の抽出溶剤による抽出手段、蒸留手段と抽出手段との組み合わせ等の種々の手段を採用することができる。
また、本発明では、アクリル酸ブチルやアクリル酸等のアクリル酸由来の易重合性化合物の安定化の観点から、蒸留時等において重合防止剤を適宜用いることができる。このような重合防止剤としては、安定なラジカル物質を生成するか、又はラジカルと付加して安定なラジカルを生成する、若しくは生成しやすい物質や、分子状酸素、又は空気のような分子状酸素を含有するガスが挙げられる。
前記重合防止剤としては、より具体的には、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン(メトキノン)、ピロガロール、カテコール、レゾルシン等のフェノール化合物;第3ブチルニトロオキシド、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジル−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4,4’,4”−トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル)フォスファイト等のN−オキシル化合物;フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α,α’−ジメチルベンジル)フェノチアジン等のフェノチアジン化合物;塩化第2銅、酢酸銅、炭
酸銅、アクリル酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅等の銅系化合物;酢酸マンガン等のマンガン塩化合物;p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン類;N−ニトロソジフェニルアミン等のニトロソ化合物;尿素等の尿素類;チオ尿素等のチオ尿素類が挙げられる。これらの化合物は単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
特に、前記重合防止剤は、好ましいのは重合防止効果、蒸留塔の腐食の抑制、及び蒸留塔から出る廃液の処理のし易さの観点から、フェノチアジン化合物及び/又はN−オキシル化合物であることが好ましい。
前記重合防止剤は適当な溶媒に溶解して使用することができる。このような溶媒としては、重合防止剤を溶解できる一種又は二種以上の溶媒が挙げられ、例えば水、酢酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族化合物、ケトン化合物、アルコール等が挙げられる。重合防止剤は、蒸留塔の塔底液中、通常0.01〜1.5質量%の濃度で用いることができる。
本発明に用いられる蒸留塔としては、例えば多孔板塔、泡鐘塔、充填塔、これらの組み合わせ型(例えば、多孔板塔と充填塔との組み合わせ)等の通常の蒸留塔が挙げられる。前記蒸留塔において、溢流堰やダウンカマーの有無は区別されず、本発明においては前記蒸留塔として何れも使用できる。
蒸留塔に使用されるトレイとしては、ダウンカマーのある泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、スーパーフラックトレイ、マックスフラクストレイ、ダウンカマーのないデュアルフロートレイ等が挙げられる。
蒸留塔に使用される充填物としては、円柱状、円筒状、サドル型、球状、立方体状、角錐体状等の、従来から使用されている充填物が挙げられ、さらには、近年、高性能充填物として注目されている特殊形状を有する規則的又は不規則的充填物が挙げられる。
前記規則充填物としては、例えばスルザー・ブラザース(株)製のスルザーパック、住友重機械工業(株)製の住友スルザーパッキング、三井物産(株)製のテクノパック等のガーゼ型規則充填物、住友重機械工業(株)製のメラパック、三菱化学エンジニアリング(株)製のエムシーパック等のシート型規則充填物、コーク(株)製のフレキシグリッド等のグリッド型規則充填物等が挙げられる。また、前記規則充填物としては、例えばグリッチ(株)製のジェムパック、モンツ(株)製のモンツパック、東京特殊金網(株)製のグッドロールパッキング、日本ガイシ(株)製のハニカムパック、ナガオカ(株)製のインパルスパッキング等が挙げられる。
不規則充填物としては、BASF(株)製のラシヒリング、ポーリング、マストランスファー(株)製のカスケード・ミニ・リング、ノートン(株)製のIMTP、インタロックスサドル、日鉄化工機(株)製のテラレット、日揮(株)製のフレキシリング等が挙げられる。
上述の充填物は、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、従来使用されているトレイと組み合わせて使用してもよい。
本発明に用いられる上述の蒸留塔の操作条件は、蒸留原料の組成、回収率等により異なる。しかしながら、アクリル酸ブチルは易重合性化合物であるため、蒸留温度及び圧力は、それぞれ極力低温で低圧に設定することが好ましい。具体的には、例えば塔底温度は、通常60〜100℃、塔頂圧力は、通常1.33〜26.7kPaである。
本発明では、アクリル酸ブチル中の不純物の除去やアクリル酸ブチルの精製のために蒸留を行うことができるが、反応時や蒸留時におけるアクリル酸やアクリル酸ブチル等の易重合性化合物の好ましくない重合による損失を抑制するため、前述した重合防止剤を反応器や蒸留塔等に添加することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は二段酸化によりアクリル酸を生成し、更に該アクリル酸とアルコールとの反応によりアクリル酸エステルを生成する一連の工程の一例を示している。
プロピレン1、水蒸気2及び空気3は、モリブデン系触媒等が充填された第一反応器4に供給される。第一反応器4ではプロピレンがアクロレインに酸化され、次いで第二反応器5ではアクロレインがアクリル酸に酸化されてアクリル酸含有ガスとなる。このアクリル酸含有ガスは、塔底部から凝縮塔6に供給される。
凝縮塔6では、凝縮塔6の塔底部から供給されたアクリル酸含有ガスと、凝縮塔6の塔頂部から供給された、ガス中のアクリル酸を吸収する溶剤である水7とが接触し、これによってアクリル酸含有ガス中のアクリル酸が水に吸収され、アクリル酸水溶液が生成する。前記アクリル酸水溶液は凝縮塔6の塔底から排出され、抽出塔9に供給される。アクリル酸が吸収された残りのガスは凝縮塔6の塔頂からベント8として排出される。
抽出塔9では、塔頂部から供給された前記アクリル酸水溶液と、塔底部から供給された適当な抽出溶剤(例えばトルエン)とが接触し、これにより、アクリル酸水溶液中のアクリル酸は抽出溶剤に抽出され、アクリル酸抽出液が生成する。前記アクリル酸抽出液は抽出塔9の塔頂から排出され、蒸留塔である溶剤分離塔10に供給される。アクリル酸が抽出された残りの水は抽出塔9の塔底から排出され、溶剤回収塔11に供給される。
溶剤分離塔10では、減圧蒸留によって、前記アクリル酸抽出液中の抽出溶剤が塔頂から排出され、蒸留塔である酢酸分離塔13に供給される。抽出溶剤が除かれた後のアクリル酸含有液は塔底から排出される。一方で、溶剤回収塔11では、抽出溶剤が塔頂から排出され、水成分12が塔底から排出される。溶剤回収塔11の塔頂から排出された抽出溶剤は、溶剤分離塔10の塔頂から排出された抽出溶剤と合わせて、抽出塔9の塔底部から供給される抽出溶剤として再利用される。溶剤回収塔11の塔底から排出された水成分12は、製造プロセスにおいて再利用することができ、例えば凝縮塔6の塔頂部から供給される水7に再利用することができる。
酢酸分離塔13では、減圧蒸留によって、前記アクリル酸含有液中の酢酸が塔頂から排出され、酢酸が除かれた粗アクリル酸は塔底から排出され、精留塔15に供給される。
精留塔15では、減圧蒸留によって、アクリル酸精製物が塔頂から排出され、塔底からは副生物が排出される(16)。得られたアクリル酸精製物は、例えば一部は製品17としてそのまま又は他の製品の原料として用いられ、一部はアルコール(ブタノール)18と共にエステル反応塔19に塔底から供給される。
エステル反応塔19は、例えばカチオン性イオン交換樹脂等の固体酸が内部に充填されている塔であり、エステル反応塔19では、アクリル酸精製物とブタノールとが連続的に供給され、アクリル酸ブチルが生成し、また水が副生する。生成したアクリル酸ブチルと副生した水とを含有するアクリル酸ブチル生成物は、エステル反応塔19の塔頂から連続的に排出され、抽出塔20に供給される。
このエステル化反応は、例えばアクリル酸に対するブタノールの供給モル比が0.5〜2であり、反応温度が80〜100℃であり、反応圧力が25〜70kPaであり、反応時間(滞留時間)が1〜5時間である条件で行われる。特には、エステル化反応の条件が、酸触媒が1.5質量%であり、アクリル酸に対するブタノールの供給モル比が1.2であり、反応温度が100℃であり、反応圧力が35kPaであり、反応時間が6時間であると、得られるアクリル酸ブチル生成物中のβ−BPBの濃度を6質量%以下にすることができる。
抽出塔20では、塔底部から供給された前記アクリル酸ブチル生成物と、塔頂部から供給された、アクリル酸ブチル生成物から酸触媒又はそれから遊離した酸性の成分を抽出するのに適当な抽出溶剤(例えば水、アルカリ水溶液等)とが接触し、これにより、アクリル酸ブチル生成物から酸触媒と水とブタノールとが抽出溶剤に抽出される。これらが抽出された残りのアクリル酸ブチル含有物は抽出塔20の塔頂から排出され、蒸留塔である低沸分分離塔21に供給される。前記アクリル酸ブチル生成物から抽出された酸触媒、ブタノール及び水は抽出塔20の塔底から排出され、アルコール回収塔22に供給される。
低沸分分離塔21では、減圧蒸留によって、アクリル酸ブチル含有物中の低沸分23が塔頂から排出され、低沸分が除かれた粗アクリル酸ブチルが塔底から排出される。一方、アルコール回収塔22では、塔頂部から供給された液からブタノールが塔頂から排出され、前記エステル化反応の原料の一部としてエステル反応塔19に供給される。またブタノールが除かれた水性の液はアルコール回収塔22の塔底から排出され、一部は廃液24として廃棄され、一部は抽出塔20における抽出溶剤として抽出塔20に供給される。
本実施の形態では、エステル反応塔19から低沸分分離塔21によって得られるアクリル酸ブチルを含有する組成物(アクリル酸ブチル生成物、アクリル酸含有物及び粗アクリル酸ブチルの少なくともいずれか)中のβ−BPBの濃度を確認することが好ましい。前記組成物中のβ−BPBの濃度は、連続して供給される前記組成物中のβ−BPBの濃度を即時に測定することができる方法で確認してもよいし、又は断続的に採取された前記組成物の試料中のβ−BPBの濃度を測定することができる方法で確認してもよい。前記組成物中のβ−BPBの濃度の測定は、例えば汎用の極性カラムを備えたガスクロマトグラフによって行うことができる。
前記組成物中のβ−BPBの濃度が6質量%以下の前記粗アクリル酸ブチルは、蒸留塔である製品塔25に供給される。製品塔25では、減圧蒸留によって粗アクリル酸ブチルから高沸分である副生物が除かれ、副生物が除かれたアクリル酸ブチルは製品塔25の塔頂から排出され製品26となる。副生物27は製品塔25の塔底から排出される。
前記組成物中のβ−BPBの濃度が6質量%を上回る場合には、前記組成物からβ−BPBを除去する工程が行われる。このような工程は、例えば、図2に示すように、低沸分分離塔21及び製品塔25に代えて、前記組成物からβ−BPBを含む高沸分を除去するための高沸分分離塔28及び高沸分が除去された前記組成物から低沸分を除去する低沸分分離塔29を用いることによって行うことができる。
すなわち、高沸分分離塔28では、減圧蒸留によって、抽出塔20の塔頂から排出されたアクリル酸ブチル含有物からアクリル酸ブチル及び低沸分が高沸分分離塔28の塔頂から排出されて低沸分分離塔29に供給される。一方、アクリル酸ブチル含有物中のβ−BPBを含む高沸分30は塔底から排出される。低沸分分離塔29では、減圧蒸留によって低沸分31が塔頂から排出され、アクリル酸ブチルが塔底から製品32として排出される。この場合、低沸分分離塔29が製品塔となる。
このように低沸分に先立って高沸分を前記組成物から除去することは、蒸留時におけるβ−BPBによるアクリル酸ブチルの分解に起因する酸分の発生を抑制する観点から好ましい。また、抽出塔20から得られたアクリル酸ブチル含有物のような、前記組成物中の不純物を除去するための蒸留工程の前における前記組成物中のβ−BPBの濃度を確認することが、β−BPBの濃度の測定回数をより少なくする観点から好ましい。
また本発明は、図3に示すような一連の工程を経て行うこともできる。
図3のアクリル酸ブチルの製造プロセスにおいては、アクリル酸33、アルコール(ブタノール)34がそれぞれエステル化反応器35に供給される。供給されるアクリル酸及びアルコールには、本プロセスにおいて後述する回収アクリル酸及び回収アルコールも併用される。
エステル化反応器35には、p−トルエンスルホン酸や強酸性イオン交換樹脂等の触媒が酸触媒として充填されている。エステル化反応器35から取り出された、生成エステル、未反応アクリル酸、未反応アルコール及び生成水等からなるエステル化反応混合物は、蒸留塔であるアクリル酸分離塔36に供給される。
アクリル酸分離塔36に供給されたエステル化反応混合物は、減圧蒸留によって、アクリル酸酸ブチル、ブタノール、及び水が塔頂から排出され、アクリル酸がアクリル酸ブチルや副生物を含有する形態で缶出液として塔底から排出される。塔頂からの留出物には、重合防止剤供給ライン37から重合防止剤を含有する液体が供給される。重合防止剤が供給された留出物の一部は還流液としてアクリル酸分離塔36に循環され、留出物の残りは抽出塔38に供給される。
一方、塔底から排出された缶出液の一部は、回収アクリル酸としてエステル化反応器35へエステル化反応の原料として循環され、缶出液の残りは高沸分分解反応器39に供給され、加熱による熱処理等の分解のための処理によって分解する。分解により生じた有価物を含む分解生成物40はアクリル酸エステルやアクリル酸を用いる製造プロセスに循環される。分解生成物40が製造プロセス内において循環される場所は、製造プロセスの条件によって異なる。重合物等の高沸点不純物41は高沸分分解反応器39の塔底から系外へ排出される。
抽出塔38では、塔頂部から供給されるアルコール抽出のための抽出溶剤である水42と、塔底部から供給される前記留出物とが接触し、前記留出物中のアルコール及び水が抽出され、塔頂からアクリル酸ブチルが排出され、アルコールを含有する水が塔底から排出される。塔頂から排出された粗アクリル酸ブチルは、蒸留塔である低沸分分離塔43に供給され、塔底から排出されたアルコール含有水は蒸留塔であるアルコール回収塔44に供給される。
低沸分分離塔43に供給された粗アクリル酸ブチルは、減圧蒸留によって、低沸分が塔頂から排出され、アクリル酸ブチルが塔底から排出される。塔頂から排出された低沸分には、重合防止剤供給ライン45から重合防止剤を含有する液体が供給される。重合防止剤が供給された低沸分の一部は還流液として低沸分分離塔43に戻され、残りは系外に排出される(46)。排出された低沸分46は、アクリル酸エステルを用いる他の製造プロセスに再利用してもよい。
アルコール回収塔44では、減圧蒸留によって、塔頂からはブタノール47が排出され、水48が塔底から系外に排出される。塔頂から排出されたブタノール47は、前述した回収アルコールとして、エステル化反応器35に供給される。系外に排出された水48は、抽出塔38における抽出溶媒等、アクリル酸エステルの製造プロセスに再利用してもよ
い。低沸分46や水48が製造プロセス内において循環される場所は、製造プロセスの条件によって異なる。
低沸分分離塔43において低沸分が除去された粗アクリル酸ブチルは、蒸留塔である製品塔49へ供給され、減圧蒸留によって、高純度のアクリル酸ブチルが塔頂から排出される。塔頂から排出された高純度アクリル酸ブチルには、重合防止剤供給ライン50から重合防止剤を含有する液体が供給される。重合防止剤が供給された高純度アクリル酸ブチルの一部は還流液として製品塔49に戻され、残りの高純度アクリル酸ブチルは製品51として得られる。製品塔49の塔底液はアクリル酸を多く含むので、製品塔49の塔底から缶出液52として排出され、例えば回収アクリル酸として、製造プロセス内へ循環される。製造プロセス内において循環される場所は製造プロセスの条件によって異なる。
図3のプロセスでは、図1のプロセスと同様に、エステル化反応器35におけるエステル化反応の条件によって、アクリル酸ブチルの生成に伴うβ−BPBの副生を抑制し、又は、その後のアクリル酸分離塔36での減圧蒸留によってβ−BPBの濃度を製品塔49での精製の前に低減させることができる。したがって、図3のプロセスでは、エステル化反応器35で生成したエステル化反応混合物又はアクリル酸分離塔36の留出物においてβ−BPBの濃度を確認することが好ましく、アクリル酸分離塔36の留出物においてβ−BPBの濃度を確認することがより好ましい。
また図3のプロセスにおける重合防止剤の供給については、重合防止剤供給ライン37、45、50のいずれか一つのみから重合防止剤を供給してもよいし、又は複数のラインから供給してもよい。さらに重合防止剤を複数のラインから供給する場合には、これらの重合防止剤は同じであってもよいし、異なる重合防止剤であってもよい。
なお、近年では、上記のアクリル酸水溶液からのアクリル酸の回収を、抽出溶剤を用いて行う溶剤抽出法の代わりに、水と共沸溶剤を用いて蒸留し、共沸分離塔の塔頂からは水と共沸溶剤との共沸混合物を留出させ、塔底からアクリル酸を回収する共沸分離法も行われている。このような方法も、例えば抽出塔9及び溶剤分離塔を蒸留塔である共沸分離塔に適宜代えることによって、本発明において適用することができる。このように、β−BPBの濃度を6質量%以下に調整している工程以外の工程は、本発明では公知の工程と適宜置き換えることができる。
以下に本発明の実施例を示す。
本実施例では、15段のデュアルフロートレイを備えた蒸留塔を製品塔として用いた。製品塔には、製品塔内部を減圧させるための真空ポンプと、塔底から排出された缶出液の一部を加熱するためのリボイラと、塔頂から留出した蒸気を冷却するための凝縮器と、凝縮器で生じた凝縮液を収容する槽とが設けられている。これらは、製品塔の上から9段目に粗アクリル酸ブチルが供給され、リボイラで加熱された缶出液が製品塔の上から15段目の下に供給され、前記槽に収容された液の一部が還流液として所定の還流比で製品塔の上から1段目に供給されるように構成されている。
本実施例において、還流比とは、製品となる凝縮液の一部である留出液に対する、還流液として製品塔に戻される凝縮液の残りの一部との比であり、塔底温度とは製品塔の塔底液の温度である。また粗アクリル酸ブチル中のβ−ブトキシプロピオン酸ブチル(β−BPB)の含有量は(株)島津製作所製の汎用の極性カラムを備えたガスクロマトグラフを用いて求めた。さらに精製アクリル酸ブチル中の酸分は、水酸化ナトリウム水溶液にて滴定して得られた値をアクリル酸換算した濃度である。
[実施例1]
アクリル酸とブタノールとを、これらの総量に対して0.98質量%のp−トルエンスルホン酸の存在下で、エステル化反応して粗アクリル酸ブチルを得た。この反応におけるアクリル酸に対するブタノールの供給モル比は1.2とし、反応温度は100℃とし、反応圧力は35kPaとし、反応時間は6時間とした。得られた粗アクリル酸ブチルには4.0質量%のβ−BPBが存在していた。次いで、得られた粗アクリル酸ブチル中の酸分を除去するために、粗アクリル酸ブチルを抽出塔の塔底に供給し、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液を塔頂に供給して、粗アクリル酸ブチルと水酸化ナトリウム水溶液とを抽出塔内で向流接触させた。なお塔頂から得られるアクリル酸ブチルが中性となるように水酸化ナトリウム水溶液の量を決定した。得られた粗アクリル酸ブチル中(即ち、製品塔へのフィード液中)の酸分の濃度は0質量ppmであった。
この粗アクリル酸ブチルを製品塔に供給し、塔底液中の濃度が1.0質量%となるよう、重合禁止剤であるハイドロキノンを製品塔に供給し、減圧下(2kPa)のもと還流比1で蒸留し、塔頂からの留出液から製品である精製されたアクリル酸ブチルを得た。精製時における製品塔の塔底温度は92℃であった。また得られた製品中の酸分は4ppmであった。
[実施例2]
2.21質量%のp−トルエンスルホン酸の存在下でエステル化反応した以外は実施例1と同様に操作を行い、粗アクリル酸ブチルを得た。得られた粗アクリル酸ブチルには5.7質量%のβ−BPBが存在していた。また抽出塔での抽出処理(中和処理)を経て得られた粗アクリル酸ブチル中の酸分の濃度は0質量ppmであった。
この粗アクリル酸ブチルを製品塔に供給した以外は、実施例1と同様に操作を行い、製品である精製されたアクリル酸ブチルを得た。精製時における製品塔の塔底温度は117℃であった。また得られた製品中の酸分は12ppmであった。
[比較例]
2.85質量%のp−トルエンスルホン酸の存在下でエステル化反応した以外は実施例1と同様に操作を行い、粗アクリル酸ブチルを得た。得られた粗アクリル酸ブチルには6.5質量%のβ−BPBが存在していた。また抽出塔での抽出処理(中和処理)を経て得られた粗アクリル酸ブチル中の酸分の濃度は0質量ppmであった。
この粗アクリル酸ブチルを製品塔に供給した以外は、実施例1と同様に操作を行い、精製されたアクリル酸ブチルを得た。精製時における蒸留塔の塔底温度は135℃であった。また得られた精製アクリル酸ブチル中の酸分は56ppmであった。
実施例1、2及び比較例における、粗アクリル酸ブチル中のβ−BPBの濃度、抽出(中和)処理後の酸分の濃度、及び精製されたアクリル酸ブチル中のアクリル酸ブチルに対する酸分の濃度を表1に示す。
Figure 2008266159
表1から明らかなように、粗アクリル酸ブチル中のβ−BPBの濃度を低減させることによって、粗アクリル酸ブチルを製品塔において減圧蒸留により精製して得られる製品としてのアクリル酸ブチルにおける酸分の濃度が低減することがわかる。
製品塔で精製してアクリル酸ブチルを得るに当たり、β−BPBの濃度が6質量%以下のアクリル酸ブチルを製品塔で減圧蒸留によって精製することにより、酸分の濃度が50ppm以下のアクリル酸ブチルを得ることができる。
アクリル酸の生成からアクリル酸ブチルの精製までの工程の一例を示す図である。 図1の一部が他の構成に置き換えられた、上記工程の他の例を示す図である。 アクリル酸ブチルの生成から精製までの工程の他の例を示す図である。
符号の説明
1 プロピレン
2 水蒸気
3 空気
4 第一反応器
5 第二反応器
6 凝縮塔
7、42、48 水
8 ベント
9、20、38 抽出塔
10 溶剤分離塔
11 溶剤回収塔
12 水成分
13 酢酸分離塔
14 酢酸
15 精留塔
16、27 副生物
17 製品
18、34、47 アルコール(ブタノール)
19 エステル反応塔
21、29、43 低沸分分離塔
22、44 アルコール回収塔
23、31、46 低沸分
24 廃液
25、49 製品塔
26、32、51 製品
28 高沸分分離塔28
30 高沸分
33 アクリル酸33
35 エステル化反応器
36 アクリル酸分離塔
37、45、50 重合防止剤供給ライン
39 高沸分分解反応器
40 分解生成物
41 高沸点不純物
52 缶出液

Claims (3)

  1. アクリル酸とブタノールとを酸触媒の存在下に反応させて得られたアクリル酸ブチルを、アクリル酸ブチルを精製する過程において最後に用いられる蒸留塔である製品塔を用いて精製して、精製されたアクリル酸ブチルを得るアクリル酸ブチルの精製方法において、
    β−ブトキシプロピオン酸ブチルの濃度が6質量%以下であるアクリル酸ブチルを、前記製品塔を用いて精製することを特徴とするアクリル酸ブチルの精製方法。
  2. 前記製品塔を用いる精製が蒸留塔を用いる減圧蒸留であることを特徴とする請求項1記載のアクリル酸ブチルの精製方法。
  3. 前記反応によって得られた前記アクリル酸ブチル中のβ−ブトキシプロピオン酸ブチルの濃度が6質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のアクリル酸ブチルの精製方法。
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