JP2003176253A - (メタ)アクリル酸類の蒸留方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸類の蒸留方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】(メタ)アクリル酸類を蒸留塔で蒸留する
方法において、該蒸留塔内壁面を、予め、(メタ)アク
リル酸類の凝縮温度より高い温度に加熱し、該加熱され
た状態で蒸留塔の運転を開始することを特徴とする(メ
タ)アクリル酸類の蒸留方法。 【発明の効果】蒸留塔の運転開始の当初、蒸発したアク
リルモノマーが蒸留塔内壁面に接触して凝縮することが
ないので重合体を生成する心配がない。蒸留塔の運転開
始後は、粗アクリルモノマーは重合防止剤の存在下に蒸
留されるので同様に重合体の生成はない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリル酸、メタク
リル酸又はそれらのエステル(以下、(メタ)アクリル
酸類という)の蒸留方法に関する。詳しくは本発明はプ
ロピレン又はイソブチレンの接触気相酸化によって得ら
れるアクリル酸又はメタクリル酸(以下,(メタ)アク
リル酸という)、或いはそれらのエステルを蒸留によ
り、分離・濃縮・精製する際にしばしば発生するモノマ
ーの重合を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸類を分離・精製する
方法として蒸留法が一般的である。近年、蒸留の分離効
率の向上、処理量の増強等を目的に高性能充填物が開発
され、種々のプロセスにおける蒸留塔に採用され始め
た。ところが(メタ)アクリル酸類は極めて重合しやす
く、従来のトレイ型の蒸留塔においても、特に高性能充
填塔においても、蒸留塔内での重合物の生成は大きな問
題であった。従来より(メタ)アクリル酸類の重合物の
発生を防止する方法として、トレイ構造の改良(特開20
00-300903号公報)、特殊な重合防止剤の使用(特開平7-
53449号公報)などが提案されているが、未だ長期連続
運転は難しく、運転停止を伴う定期的な点検と修理が必
要であった。重合体は蒸留塔の運転初期から発生するこ
とが多く、一旦重合体が生成すると気液流に支障が生
じ、更に重合体の生成が加速される現象がよく見られ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、(メ
タ)アクリル酸類を分離・精製する際にしばしば発生す
るモノマーの重合を防止する方法を提供することにあ
る。特に蒸留操作を開始もしくは再開するに当たって、
蒸留塔内部を(メタ)アクリル酸類が重合しにくい雰囲
気を形成する手段を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意検討を行った結果、一旦重合物が生
成すると塔内が部分的に閉塞状態となり、気液の流動に
支障を来たし、更なる重合体の生成を促進する原因にな
ることを知得した。そして(メタ)アクリル酸類の蒸留
開始の時点において重合を防止することが極めて重要で
あり、蒸留塔内壁面の温度を特定の高い状態に保持する
ことにより前記目的が達成できることを見出し本発明を
完成した。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の要旨は、(メタ)アクリ
ル酸類を蒸留塔で蒸留する方法において、該蒸留塔内壁
面を、予め、(メタ)アクリル酸類の凝縮温度より高い
温度に加熱し、該加熱された状態で蒸留塔の運転を開始
することを特徴とする(メタ)アクリル酸類の蒸留方法
に存する。
【0006】更に具体的に本発明は、プロピレン又はイ
ソブチレンを気相接触酸化し、該酸化反応混合物を水吸
収して得られた(メタ)アクリル酸の水溶液を共沸剤の
存在下濃縮し、得られた(メタ)アクリル酸を蒸留塔で
精製して高純度の(メタ)アクリル酸を製造する方法に
おける該蒸留塔の運転停止及び運転開始を含む操作にお
いて、該蒸留塔内壁面を、予め、(メタ)アクリル酸の
凝縮温度より高い温度に加熱し、該加熱された状態で蒸
留塔の運転を開始することを特徴とする(メタ)アクリ
ル酸の蒸留方法に存する。更に具体的に本発明は、プロ
ピレン又はイソブチレンを気相接触酸化し、該酸化反応
混合物を水吸収して得られた(メタ)アクリル酸の水溶
液を共沸剤の存在下濃縮し、得られた(メタ)アクリル
酸をアルコールと反応させ、得られる反応物を蒸留塔で
精製して(メタ)アクリル酸のエステルを製造する方法
における該蒸留塔の運転停止及び運転開始を含む操作に
おいて、該蒸留塔内壁面を、予め、(メタ)アクリル酸
エステルの凝縮温度より高い温度に加熱し、該加熱され
た状態で蒸留塔の運転を開始することを特徴とする(メ
タ)アクリル酸エステルの蒸留方法に存する。
【0007】本発明において蒸留の対象となる混合物
は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらのエステル、
即ち(メタ)アクリル酸類である。これらはアクリルモ
ノマーと通称されることもある。例えば、プロピレン又
はイソブチレンをMo−Bi系複合酸化物触媒の存在
下、気相接触酸化し、アクロレイン又はメタクロレイン
を生成し、更にMo−V系複合酸化物触媒の存在下、気
相接触酸化して得られる(メタ)アクリル酸に適用され
る。この際、プロピレンを酸化して主としてアクロレイ
ンを生成する前段反応とアクロレインを酸化して主とし
てアクリル酸を生成する後段反応をそれぞれ別の反応器
で行う2段反応でも、一つの反応器に前段反応を行う触
媒と後段反応を行う触媒を同時に充填して反応を行う1
段反応でも構わない。更には、(メタ)アクリル酸を原
料としてそのエステルを製造する工程で得られる(メ
タ)アクリル酸のエステルがあげられる。アクリル酸エ
ステル類を例示すると、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸メトキシエチル等
があげられ、メタクリル酸エステル類についても同様の
化合物を例示することができる。
【0008】これらの方法で製造される未精製のアクリ
ルモノマーには、アクリルモノマーの2量体、3量体、
4量体、これらのエステル化物、無水マレイン酸、ベン
ズアルデヒド、β―ヒドロキシプロピオン酸、β―ヒド
ロキシプロピオン酸エステル類、β―アルコキシプロピ
オン酸、β―アルコキシプロピオン酸エステル類等の高
沸点不純物が含有され、蒸留塔に供給されるアクリルモ
ノマーの含有量としては、通常2重量%以上、好ましく
は5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上のもの
が本発明において用いられる。アクリルモノマーは低濃
度であるにもかかわらず、これら不純物、及び(あるい
は)水と共に形成される混合組成物は、蒸留処理を実施
する塔内の温度、圧力条件で極めて重合し易い。しかも
そのような重合現象は蒸留操作の初期に生じやすいもの
である。従って本発明の適応範囲は広く、アクリルモノ
マーが少量含まれるプロセス液の処理においても極めて
大きな効果を発揮する。すなわち本発明にいう(メタ)
アクリル酸類(アクリルモノマー)の蒸留とは、通常は
高純度アクリルモノマーを取得する工程(精製工程)で
あるが、これに限定されるものではなく、アクリルモノ
マーを含有する混合物からアクリルモノマーに富む成分
を回収する工程(分離・濃縮工程)にも適応されるので
ある。
【0009】次に、図面を用いて(メタ)アクリル酸類
を製造するプロセスを例示して説明する。図1は、プロ
ピレンを原料としてアクリル酸を製造するプロセスフロ
ー図の一例である。図中の記号は下記の通りである。 A:アクリル酸捕集塔 B:脱水塔 C:軽沸分離塔(酢酸分離塔) D:高沸分離塔(アクリル酸精製塔) E:高沸分解反応器
【0010】プロピレンおよび/またはアクロレインを
分子状酸素含有ガスを用いて接触気相酸化して得たアク
リル酸含有ガスは、ライン4を経てアクリル酸捕集塔A
に導入し、水と接触させアクリル酸水溶液を得る。次に
アクリル酸水溶液を脱水塔Bへ供給する。脱水塔では、
共沸剤を供給し、塔頂から水及び共沸剤からなる共沸混
合物を留出させ、塔底からは酢酸を含むアクリル酸を得
る。脱水塔の塔頂から留出した水および共沸剤からなる
共沸混合物は貯槽10に導入し、ここで主として共沸剤
からなる有機相と主として水からなる水相とに分離す
る。有機相は脱水塔Bに循環する。一方、水相はライン
7を経てアクリル酸捕集塔Aに循環させて、アクリル酸
含有ガスと接触させる捕集水として用いることにより有
効に活用することができる。必要に応じてライン8から
水を補給する。
【0011】脱水塔Bの塔底から、ライン11を経て抜
き出した粗アクリル酸は、残存する酢酸を除去するため
に軽沸分離塔(酢酸分離塔)Cに導入する。ここで塔頂
からライン12,13を経て酢酸を分離除去する。ライ
ン13の酢酸はアクリル酸を含むので、一部もしくは全
量がプロセスへ戻される場合がある。一方、塔底からラ
イン14を経て実質的に酢酸を含まないアクリル酸を得
る。このアクリル酸は相当に純度が高いのでそのままア
クリル酸エステルの製造原料として使用することができ
る。場合によりライン15を経て製品とする。更に高純
度のアクリル酸を得るためには、ライン16を経て高沸
分離塔(アクリル酸精製塔)Dに導入して高沸点物をラ
イン17より分離除去し、高純度アクリル酸をライン1
8,19を経て得ることが出来る。ライン17の高沸物
は高沸分解反応器Eに導かれ、一部はアクリル酸として
ライン20よりプロセスへ回収される。高沸物はライン
21より分離除去される。本プロセスにおいて、重合防
止剤はライン1〜3いずれか1つ、又は複数のラインか
ら供給される。
【0012】図2は、プロピレンを原料としてアクリル
酸を製造するプロセスフロー図の他の一例である。図1
における脱水塔Bと軽沸分離塔(酢酸分離塔)Cを1塔
の蒸留塔Fに纏めたプロセスであり、物質の流れは基本
的に図1と同じである。
【0013】図3は、プロピレンを原料としてアクリル
酸を製造するプロセスフロー図の他の一例である。図中
の記号は下記の通りである。 G:放散塔 D:高沸分離塔(アクリル酸精製塔) H:高沸除去塔 K:溶剤回収塔
【0014】プロピレンおよび/またはアクロレインを
分子状酸素含有ガスを用いて接触気相酸化して得たアク
リル酸含有ガスは、ライン4を経てアクリル酸捕集塔A
に導入し、溶剤と接触させアクリル酸含有溶液を得る。
次にアクリル酸含有溶液を放散塔Gへ供給する。放散塔
Gでは、ライン10よりガス(アクリル酸捕集塔Aの塔
頂より排出されるライン6のガス、或いは、ライン6の
ガス中の有機物を酸化して除去した後のガス等)を供給
し、塔頂から水及び酢酸を留出させ、塔底からは溶剤を
含むアクリル酸を得る。放散塔Gの塔頂から留出した水
および酢酸はアクリル酸捕集塔Aに導入し、水と酢酸は
最終的にアクリル酸捕集塔Aの塔頂より排出される。放
散塔Gの塔底からライン11を経て、高純度のアクリル
酸を得るために高沸分離塔(アクリル酸精製塔)Dに導
入して高沸点物をライン14より分離除去し、高純度ア
クリル酸をライン13を経て得ることが出来る。ライン
14の高沸物は具体的には無水マレイン酸、ベンズアル
デヒド等であり、高沸除去塔Hに導かれ、これら高沸点
物はライン16より排出される。塔底より溶剤はライン
17を経て溶剤回収塔Kに導かれる。回収された溶剤は
塔頂よりライン7を経てアクリル酸捕集塔Aに戻され
る。塔底よりライン18を経て更なる高沸物が分離除去
される。重合防止剤はライン1及び/又はライン2から
供給される。
【0015】図4は、アクリル酸エステルを製造するプ
ロセスフロー図の一例である。図中の記号と番号は下記
の通りである。 L:エステル化反応器 M:アクリル酸分離塔 N:高沸分解反応器 Q:アルコール抽出塔 P:アルコール回収塔 R:軽沸分離塔 S:エステル精製塔
【0016】ライン31からアクリル酸、ライン32か
らアルコール、ライン35から循環アクリル酸、ライン
48から循環アルコールを、それぞれエステル化反応器
Lに供給する。エステル化反応器Lには強酸性イオン交
換樹脂などの触媒が充填される。ライン33を経て、生
成エステル、未反応アクリル酸、未反応アルコール、及
び生成水からなるエステル化反応混合物を抜き出し、ア
クリル酸分離塔Mに供給する。アクリル酸分離塔Mから
ライン34を経て未反応アクリル酸の実質的全量を含む
塔底液を抜き出し、ライン35を経て循環液としてエス
テル化反応器Lへ供給する。該塔底液の一部はライン3
6を経て高沸分解反応器Nに供給し、分解され得られた
有価物はライン40を経てプロセスに循環される。循環
されるプロセス内の場所は、プロセス条件によって異な
る。重合物などの高沸点不純物はライン37を経て系外
へ除去する。また、アクリル酸分離塔Mの塔頂からは、
ライン38を経て生成エステル、未反応アルコール、及
び生成水が留出する。流出物の一部は還流液としてアク
リル酸分離塔Mに循環し、残りはライン39を経て抽出
塔Qに供給される。ライン41よりアルコール抽出の為
の水が供給され、ライン42を経て回収されたアルコー
ルを含む水はアルコール回収塔Pに供給される。回収さ
れたアルコールはライン48を経てエステル化反応器に
循環される。
【0017】ライン43より粗アクリル酸エステルは軽
沸分離塔Rへ供給される。ライン44よりアクリル酸エ
ステルを含む軽沸物は抜き出され、プロセス内へ循環さ
れる。循環されるプロセス内の場所は、プロセス条件に
よって異なる。軽沸物を除去された粗アクリル酸エステ
ルはライン45を経てアクリル酸エステル製品精製塔S
へ供給される。塔頂よりライン46を経て、高純度アク
リル酸エステルを得る。塔底から若干の高沸物を含む液
はライン47を経て抜き出され、プロセス内へ循環され
る。循環されるプロセス内の場所は、プロセス条件によ
って異なる。
【0018】図5は、粗アクリルモノマーの蒸留塔及び
その付帯設備の一例である。図中の番号は下記の通りで
ある。 51:蒸留塔 52:充填物層、或いは蒸留塔トレイ、或いは充填物、
蒸留塔トレイの併用 53:インヒビターエア供給ライン 54:塔頂ガス冷却用熱交換器 55:ベントガス冷却用熱交換器 56:環流槽 57:デストリビューター 58:リボイラー(加熱用熱交換器) 59:重合防止剤含有液体タンク 60:アクリルモノマー(原料)供給ライン 61:重合防止剤供給ライン 62:塔頂液抜出ライン 63:塔底液抜出ライン 64:ベントガス排出ライン 特にライン53及びライン61は、蒸留塔条件によって
蒸留の種々の部分に1カ所以上設置される。
【0019】本発明が適用される蒸留塔は、アクリルモ
ノマーが気液平衡に関与する蒸留装置の全てであり、分
離、濃縮、回収、精製などの操作を行うための装置を意
味している。例えば、図1に示される、脱水塔B、軽沸
分離塔(酢酸分離塔)C、高沸分離塔(アクリル酸精製
塔)Dが該当する。同様に、図3に示される放散塔G、
高沸分離塔(アクリル酸精製塔)D、高沸除去塔H、溶
剤回収塔Kや図4に示されるアクリル酸分離塔M、アル
コール回収塔P、軽沸分離塔R、エステル精製塔Sや図
5に示される蒸留塔51がこれらに該当する。
【0020】蒸留塔としては、多孔板塔、泡鐘塔、充填
塔、あるいはこれらの組合せ型(例えば、多孔板塔と充
填塔との組合せ。図5参照)などがあり、溢流堰やダウ
ンカマーの有無は区別されず、いずれも本発明で使用で
きる。具体的なトレイとして、泡鐘トレイ、多孔板トレ
イ、バブルトレイ、スーパーフラッシュトレイ、マック
スフラクストレイ、デュアルトレイ等があげられる。充
填物としては、円柱状、円筒状、サドル型、球状、立方
体状、角錐体状など従来から使用されているもののほ
か、近年高性能充填物として特殊形状を有する規則的又
は不規則的な充填物が市販されており、これらは本発明
に好ましく用いられる。
【0021】かかる市販品を例示すると、規則充填物と
して、例えば、スルーザーパッキング(スルザー・ブラ
ザーズ社製)、住友スルーザーパッキング(住友重機械
工業社製)、テクノパック(三井物産社)、エムシーパ
ック(三菱化学エンジニアリング社製)などのガーゼ型
規則充填物、メラパック(住友重機械工業社製)、テク
ノパック(三井物産社)、エムシーパック(三菱化学エ
ンジニアリング社製)などのシート型規則充填物、フレ
キシグリッド(コーク社製)などのグリッド型規則充填
物等があげられる。また、不規則充填物には、ラシヒリ
ング、ポーリング(BASF社製)、カスケードミニリ
ング(マストランスファー社製)、IMTP(ノートン
社製)、インタロックスサドル(ノートン社製)、テラ
レット(日鉄化工機社製)、フレキシリング(日揮社
製)等がある。
【0022】本発明において最も大きな特徴は、蒸留塔
の運転開始に先立ち、予め、該蒸留塔内壁面を、アクリ
ルモノマーの凝縮温度より高い温度に加熱しておくこと
にある。加熱の方法は特に限定されない。例えば、蒸留
塔本体を加熱可能なトレースで覆い、これに電気、スチ
ーム、温水などの熱源を供給する外部加熱方式が利用で
きる。また、加熱されたガス又は加熱された液体を蒸留
塔内に供給する内部加熱方式を利用することもできる。
加熱ガスは塔底又は原料供給段から供給することができ
る。加熱ガスとしては空気、窒素、二酸化炭素、アルゴ
ンなど、1種又は2種混合して用いられる。加熱液体の
場合は、蒸留塔頂からデストリビュータ(液分散器、液
分散ノズル)を経由して噴霧または流下させればよい。
加熱液体の流下と共に加熱ガスを塔底から上方に流すこ
ともできる。本発明を実施する前段工程として、プロピ
レン又はイソブチレンを気相接触酸化し、該酸化反応混
合物を水吸収して得られた(メタ)アクリル酸の水溶液
を共沸剤の存在下濃縮するプロセスが存在する場合は、
当該共沸剤を加熱媒体として用いることができる。特別
な不純物が混入しないので好適である。また、運転停止
前に取得した当該蒸留塔の塔底液も加熱媒体として好適
である。
【0023】蒸留塔内壁面の加熱温度は、(メタ)アク
リル酸類を含有する蒸留塔内ガスの定常運転条件におけ
る凝縮温度より高い温度であればよい。通常は該凝縮温
度より1〜60℃、好ましくは3〜60℃、更に好まし
くは3〜40℃高めに保持する。上記未満では局部的に
凝縮する恐れがあり、凝縮はポリマーの発生原因とな
る。一方余り高温ではアクリルモノマーの重合を誘発し
たり、熱源として経済的に有利ではない。ここにいう
「(メタ)アクリル酸類を含有する蒸留塔内ガスの定常
運転条件における凝縮温度より高い温度」とは、例え
ば、アクリル酸を塔頂成分として取得する蒸留塔にあっ
ては、アクリル酸を含有する蒸留塔内ガスの凝縮温度よ
り高い温度を意味し、同様にアクリル酸ブチルを塔頂成
分として取得する蒸留塔にあっては、アクリル酸ブチル
を含有する蒸留塔内ガスの凝縮温度より高い温度を意味
する。アクリルモノマーが2種以上混在する場合の加熱
温度は、凝縮温度が高い方の凝縮温度よりも高くするこ
とが必要である。実際の運転にあたり、蒸留の対象とな
る原液は純粋なアクリルモノマーではなく、各種の高沸
点不純物が含有されている場合が多いので、目的物の凝
縮温度は、高温側に移動する傾向にある。よって、上記
したように3〜60℃高めに保持することが好ましい。
加熱媒体を蒸留塔内に供給する内部加熱方式を利用する
場合は、蒸留塔内壁面、棚段(トレイ)、充填物など全
体として一様な温度に加熱することができるので、内壁
面の温度を計測し、その温度が前記凝縮温度以上になる
ように管理すればよい。しかしながら外部加熱方式で
は、加熱の態様、加熱時間等によっては、内壁面に比べ
て充填物の温度が低くなることがある。この場合は、充
填物の温度を前記凝縮温度よりも高く保持することが好
ましい。
【0024】本発明においては、蒸留塔内壁面を加熱し
た後、当該加熱された状態で蒸留塔の運転を開始するこ
とが重要である。蒸留塔の運転開始の態様としては、原
料(粗アクリルモノマー)をリボイラーに供給し、引き
続きリボイラーに熱源を供給すればよい。熱源の供給に
前後して、原料供給段から原料を供給し、徐々に供給量
を増加して定常状態に移行することができる。外部加熱
方式で蒸留操作を開始した場合、定常状態に移行後の蒸
留塔内壁面の加熱操作は特に制限されない。そのまま加
熱を継続してもよく、加熱を中止し、リボイラーからの
熱源供給のみに変更してもよい。
【0025】本発明の蒸留操作は、連続蒸留でもバッチ
蒸留でも適用可能である。蒸留の操作条件は、蒸留塔の
形式、充填物の形状、粗アクリルモノマーに含有される
不純物の種類や含有量などを勘案のうえ、適宜に決定さ
れるもので、特に限定されない。通常は、塔頂温度20
〜80℃、好ましくは40〜60℃、塔底温度60〜1
20℃、好ましくは65から110℃、塔頂圧力は0.
7〜106kPa程度で実施する。
【0026】粗アクリルモノマーは重合防止剤の存在下
に蒸留するのが好ましい。ここに、重合防止剤とは、安
定なラジカル物質、又はラジカルと付加して安定なラジ
カルを生成する、もしくは生成しやすい物質を総称する
ものである。場合によっては、目的に応じて、重合抑制
剤、重合禁止剤、重合停止剤、重合速度低下剤などと呼
称されることもあるが、本発明では重合防止剤と呼称す
る。
【0027】かかる重合防止剤を例示すると、ハイドロ
キノン、メトキシハイドロキノン(メトキノン)などの
フェノール化合物;第3ブチルニトロオキシド、2,2,6,
6-テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジル−1−オキ
シルなどのN−オキシル化合物;フェノチアジン、ビス
−(α−メチルベンジル)フェノチアジンなどのフェノ
チアジン化合物;炭酸銅、アクリル酸銅、酢酸銅、ジメ
チルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン
酸銅などの銅系化合物;酢酸マンガンなどのマンガン塩
化合物;p−フェニレンジアミンなどのフェニレンジア
ミン類;N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ
化合物;尿素などの尿素類;チオ尿素などのチオ尿素類
があげられる。これらの化合物は単独でも、あるいは2
種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0028】重合防止剤は原料となる粗アクリルモノマ
ーに混合して蒸留塔に供給してもよく、それぞれ別々に
塔に供給してもよく、また還流槽に供給し、蒸留塔頂か
らデストリビュータ(液分散器、液分散ノズル)を経由
して噴霧または流下させてもよい。重合防止剤は通常、
水又は有機溶媒の溶液もしくはスラリーとして使用され
る。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、ブチ
ルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、
酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタクリル酸などの
カルボン酸、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素、酢酸メチル、酢酸ブチル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチルなどが挙げられ、これらは混合物としても使
用できる。例えば、水・トルエン混合物、水・(メタ)
アクリル酸混合物、(メタ)アクリル酸の2量体、3量
体を含有する粗(メタ)アクリル酸((メタ)アクリル
酸蒸留塔の塔底液)が使用できる。また、これらの有機
溶媒は、前記加熱媒体としても使用可能である。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り下記の実施例に
限定されるものではない。
【0030】<実施例1>図5に示すような、内径11
00mm、長さ20000mm、内部にノートン社製不
規則充填物(IMTP)を14m充填したステンレス鋼
製(SUS316)の蒸留塔を用いて粗アクリル酸の蒸
留を行った。該蒸留塔外周部にはスチーム配管がトレー
スラインとして設置され、その上に保温材(ケイ酸カル
シウム)が施工されている。 蒸留に先立ち、120℃
のスチームをトレース配管に供給した。約3時間後、蒸
留塔の温度を測定すると、蒸留塔外壁面の温度は118
℃、蒸留塔内壁面の温度は110℃、塔内充填物の温度
は93℃を示した。次に、粗アクリルモノマーとして、
アクリル酸98.5重量%、マレイン酸0.3重量%、
アクリル酸ダイマー0.3重量%を含む混合物を90℃
で、1300kg/hrで供給した。また、重合防止剤
含有液体タンク59よりアクリル酸にメトキノン8重量
%、フェノチアジン1重量%を溶解した液をそれぞれ3
4kg/hrと31kg/hrで供給した。熱源を供給
し、塔内圧力などを調整し、約5時間後、塔頂圧力2.
9kPa、塔底圧力7.9kPa、塔頂温度53℃、塔
底温度75℃で安定運転に入り、塔頂からは純度99.
8重量%以上の高純度アクリル酸が得られたところで、
運転を中止し、塔内残留液を抜き出した後、内部を点検
した。塔内及び充填物の周囲には固形物(重合物)は見
当たらなかった。本実施例における塔頂圧力は2.9k
Paであるから、アクリル酸を含有したガスの塔頂での
凝縮温度は約53℃であり、蒸留開始に先立って予備加
熱した蒸留塔内壁面温度110℃は、凝縮温度より塔頂
では57℃高め、塔底では35℃高めであった。
【0031】<比較例1>実施例1において、蒸留開始
前の塔内加熱を省略した以外は実施例1と同様にして蒸
留を行った。蒸留開始時点において、蒸留塔外壁面、蒸
留塔内壁面、塔内充填物の温度はいずれも25℃であっ
た。運転開始から塔底圧力が上昇し、5時間目に塔底圧
力が12kPa、塔底温度が86℃になったため運転を
打ち切った。運転停止後塔内を観察したところ、原料供
給段より上の内壁面、および内壁面近傍の充填物内にア
クリル酸重合物の付着が認められた。
【0032】<実施例2>実施例1でノートン社製不規
則充填物(IMTP)を多孔板(デュアルトレイ)21
枚に変更した以外は実施例1と同様な操作を行った。す
なわち、該トレース配管に120℃のスチームを供給し
た。蒸留塔の温度を測定すると、蒸留塔外壁面の温度は
118℃、蒸留塔内壁面の温度は110℃、塔内多孔板
の温度は89℃を示した。次いで、粗アクリルモノマー
として実施例1と同様組成の混合液を蒸留塔へ供給しつ
つ、塔内の温度、圧力などを調節した。約4時間後、塔
頂圧力2.8kPa、塔底圧力9.1kPa、塔頂温度
53℃、塔底温度78℃で安定運転に入り、塔頂からは
純度99.8重量%以上の高純度アクリル酸が得られた
ところで、運転を中止し、塔内残留液を抜き出した後、
内部を点検した。塔内及び充填物の周囲には固形物(重
合物)は見当たらなかった。
【0033】<比較例2>実施例2において、蒸留開始
前の塔内加熱を省略した以外は実施例2と同様にして蒸
留を行った。蒸留開始時点において、蒸留塔外壁面及び
蒸留塔内壁面の温度はいずれも25℃であった。運転開
始から塔底圧力が上昇し、5時間目に塔底圧力が11k
Pa、塔底温度が84℃になったため運転を打ち切っ
た。運転停止後塔内を観察したところ、原料供給段より
上の内壁面、および多孔板の内壁面周辺にアクリル酸重
合物の付着が認められた。
【0034】<実施例3>図5に示すような、内径11
00mm、長さ26000mm、内部にノートン社製不
規則充填物(IMTP)を813m充填したステンレス
鋼(SUS304)製の蒸留塔を用いて粗アクリル酸エ
チルの蒸留を行った。該蒸留塔外周部には、スチーム配
管がトレースラインとして設置され、その上に保温材
(ケイ酸カルシウム)が施工されている。蒸留に先立
ち、120℃のスチームをトレース配管に供給した。約
3時間後、蒸留塔の温度を測定すると、蒸留塔外壁面の
温度は118℃、蒸留塔内壁面の温度は110℃、塔内
多孔板の温度は92℃を示した。次に粗アクリルモノマ
ーとして、アクリル酸エチル97.4重量%、水1.8
重量%、アクリル酸0.4重量%、エタノール0.4重
量%、酢酸エチル0.1重量%を含む混合物を6000
kg/hrで供給した。また、重合防止剤含有液体タン
ク59よりエタノールにハイドロキノン5重量%を溶解
した液を60kg/hrで供給した。熱源を供給し、塔
内圧力などを調整し、約6時間後、塔頂圧力62.7k
Pa、塔底圧力69.3kPa、塔頂温度76℃、塔底
温度84℃で安定運転に入り、塔底からは純度99.1
重量%以上の粗アクリル酸エチルが得られたところで運
転を中止し、塔内残留液を抜き出した後、内部を点検し
た。塔内および充填物の周囲には固形物(重合物)は見
あたらなかった。本実施例において、アクリル酸エチル
を含有したガスの塔頂での凝縮温度は76℃、塔底での
凝縮温度は84℃であり、蒸留開始に先だって予備加熱
した蒸留塔内壁面温度110℃は、凝縮温度より塔頂で
は34℃高め、塔底では26℃高めであった。
【0035】<比較例3>実施例3において、蒸留開始
前の塔内加熱を省略した以外は実施例3と同様にして蒸
留を行った。蒸留開始時点において、蒸留塔外壁面、蒸
留塔内壁面、塔内充填物の温度はいずれも25℃であっ
た。運転開始から塔底圧力が上昇し、6時間目には塔底
圧力が73kPa、塔底温度が89℃になったため、運
転を打ち切った。運転停止後塔内を観察したところ、原
料供給段より上の内壁面、および内壁面近傍の充填物内
にアクリル酸重合物とアクリル酸エチル重合物の付着が
認められた。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、(メタ)アクリル酸類
の蒸留において、蒸留塔の運転開始前に、該蒸留塔内壁
面を、予め、(メタ)アクリル酸類の凝縮温度より高い
温度に加熱し、該加熱された状態で蒸留塔の運転を開始
するので、蒸発したアクリルモノマーが蒸留塔内壁面に
凝縮することがなく、重合体生成の心配もない。蒸留塔
の運転開始後は、(メタ)アクリル酸類は重合防止剤の
存在下に蒸留されるので同様に重合体の生成はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロピレンを原料としてアクリル酸を製造する
プロセスフロー図の一例である。
【図2】プロピレンを原料としてアクリル酸を製造する
プロセスフロー図の他の一例である。
【図3】プロピレンを原料としてアクリル酸を製造する
プロセスフロー図の他の一例である。
【図4】アクリル酸エステルを製造するプロセスフロー
図の一例である。
【図5】粗アクリルモノマーの蒸留塔及びその付帯設備
の一例である。
【符号の説明】
A:アクリル酸捕集塔 B:脱水塔 C:軽沸分離塔(酢酸分離塔) D:高沸分離塔(アクリル酸精製塔) E:高沸分解反応器 F:脱水塔Bと軽沸分離塔(酢酸分離塔)Cを1塔にま
とめた蒸留塔 G:放散塔 H:高沸除去塔 K:溶剤回収塔 L:エステル化反応器 M:アクリル酸分離塔 N:高沸分解反応器 Q:アルコール抽出塔 P:アルコール回収塔 R:軽沸分離塔 S:エステル精製塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 57/05 C07C 57/05 (72)発明者 神野 公克 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4D076 AA07 AA16 AA22 BB03 DA02 EA12Y EA12Z EA49 FA04 FA12 GA03 HA11 JA02 JA03 4H006 AA02 AD11 AD18 BB31 BC51 BD82 BD84

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル酸、メタクリル酸又はそれらのエ
    ステルを蒸留塔で蒸留する方法において、該蒸留塔内壁
    面を、予め、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらのエ
    ステルの凝縮温度より高い温度に加熱し、該加熱された
    状態で蒸留塔の運転を開始することを特徴とするアクリ
    ル酸、メタクリル酸又はそれらのエステルの蒸留方法。
  2. 【請求項2】蒸留塔が充填塔、多孔板塔、又は充填塔と
    多孔板塔との結合塔であることを特徴とする請求項1記
    載の蒸留方法。
  3. 【請求項3】蒸留塔内壁面を、アクリル酸、メタクリル
    酸又はそれらのエステルの凝縮温度より1〜60℃高い
    温度に加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載
    の蒸留方法。
  4. 【請求項4】蒸留塔内壁面の加熱を、蒸留塔本体に設置
    された外部加熱装置を用いて行なうことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸留方法。
  5. 【請求項5】蒸留塔内壁面の加熱を、蒸留塔に加熱媒体
    を供給することにより行なうことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の蒸留方法。
  6. 【請求項6】アクリル酸、メタクリル酸又はそれらのエ
    ステルを重合防止剤と共に蒸留塔に供給することを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蒸留方法。
  7. 【請求項7】プロピレン又はイソブチレンを気相接触酸
    化し、該酸化反応混合物を水吸収して得られたアクリル
    酸又はメタクリル酸の水溶液を共沸剤の存在下濃縮し、
    得られたアクリル酸又はメタクリル酸を蒸留塔で精製し
    て高純度のアクリル酸又はメタクリル酸を製造する方法
    における該蒸留塔の運転停止及び運転開始を含む操作に
    おいて、該蒸留塔内壁面を、予め、アクリル酸又はメタ
    クリル酸の凝縮温度より高い温度に加熱し、該加熱され
    た状態で蒸留塔の運転を開始することを特徴とするアク
    リル酸又はメタクリル酸の蒸留方法。
  8. 【請求項8】プロピレン又はイソブチレンを気相接触酸
    化し、該酸化反応混合物を水吸収して得られたアクリル
    酸又はメタクリル酸の水溶液を共沸剤の存在下濃縮し、
    得られたアクリル酸又はメタクリル酸を蒸留塔で精製し
    た後にアルコールと反応させ、得られる反応物を蒸留塔
    で精製してアクリル酸又はメタクリル酸のエステルを製
    造する方法における該蒸留塔の運転停止及び運転開始を
    含む操作において、該蒸留塔内壁面を、予め、アクリル
    酸、メタクリル酸又はそれらのエステルの凝縮温度より
    高い温度に加熱し、該加熱された状態で蒸留塔の運転を
    開始することを特徴とするアクリル酸又はメタクリル酸
    のエステルの蒸留方法。
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