JP4455790B2 - (メタ)アクリル酸の製造方法 - Google Patents

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    • C07C51/44Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of the physical state, e.g. crystallisation by distillation
    • C07C51/46Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of the physical state, e.g. crystallisation by distillation by azeotropic distillation

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアクリル酸水溶液に含まれる副生物に起因するアクリル酸の重合及び、該副生物の析出を抑止する技術に関し、詳細にはアクリル酸製造プロセスから排出される排液をアクリル酸製造プロセスに循環させて再利用する際に、該廃液を逆浸透膜処理してから再利用することによって、アクリル酸蒸留工程での重合・析出を抑止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からアクリル酸は大規模なプラントで大量に生産されているが、その代表的な製造方法としては、以下の製造プロセスが知られている。まず、プロピレンおよび/またはアクロレイン(以下、「プロピレン等」と略記することがある。)を分子状酸素含有ガスと接触気相酸化させて反応ガスを生成させる工程、次いで該反応ガスを水などの捕集液と接触させてアクリル酸水溶液を得る工程、そして該アクリル酸水溶液を蒸留する工程を経てアクリル酸を精製している。
【0003】
尚、本発明者らが詳細に分析した結果、プロピレン等を接触気相酸化させて得られる反応ガスには、生成したアクリル酸に加えて例えば未反応状態で残存するアクロレインや、ホルムアルデヒド、グリオキサール、フルフラール、ベンズアルデヒド、蟻酸、酢酸、マレイン酸などの副生物が含まれていることが分かった。該反応液を捕集液と接触させて得られるアクリル酸水溶液中には、これら副生物が含まれている。したがってこのアクリル酸水溶液から目的物であるアクリル酸を製造するには、蒸留等によって水や副生物などの不純物をできるだけ取り除かなければならない。
【0004】
しかしながらアクリル酸と水、或いは酢酸は比揮発度が小さいため、単純な蒸留方法では分離が難しいことから、該アクリル酸水溶液に共沸溶剤を加えて蒸留し、酢酸−水−共沸溶剤の混合液として留出させることにより、アクリル酸との分離を図る共沸蒸留方法が採用されている。
【0005】
この様な蒸留に際しては、比較的沸点の高い酢酸等の不純物を除去するために蒸留温度を高くしなければならないが、蒸留温度を高くすると、アクリル酸自体が重合し易くなるという問題が生じる。したがってアクリル酸の重合を防止しつつ、蒸留工程を長期安定操業するために、種々の重合防止剤を蒸留工程に導入してアクリル酸の重合防止を図っている。
【0006】
例えば特開平9−95465号には、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミンまたはその塩と共に、銅塩化合物を蒸留塔に導入することで、アクリル酸の重合を防止する方法が開示されている。また特開平6−345681号公報には、N−オキシル化合物とフェノール化合物とフェノチアジン化合物の3成分の重合防止剤と分子状酸素を併用すことによって蒸留塔内でのアクリル酸の重合を防止する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、重合防止剤による重合防止効果は上記副生物に起因するアクリル酸の重合や副生物の析出等に対しては十分な抑制効果を有していない。
【0008】
特に近年、製造コスト削減を図るべく、プロピレン等を接触気相酸化させて得られる反応ガスと接触させる捕集液として、蒸留工程でアクリル酸を分離した後の排液が再利用されているが、該排液には上記した如く副生物が含まれている。そのため、操業期間が長くなり、再利用回数が増えるにつれて、アクリル酸水溶液中の副生物濃度が高くなる。この様なアクリル酸水溶液を蒸留すると、該副生物に起因してアクリル酸の重合が生じやすくなるが、重合防止剤を添加しても該重合を十分に抑止できない。また該副生物が濃縮されて反応物を生成したり、多量体を形成すると、これらが蒸留装置内に析出し、蒸留装置内の液相あるいは気層を偏在させて蒸留効率の低下原因になったり、蒸留装置内の重合防止剤を偏在させて重合防止効果の低下原因になったりするため、蒸留工程の長期安定操業が達成できなかった。
【0009】
本発明は上記した様な問題に鑑みてなされたものであって、その目的は蒸留時における副生物の悪影響を抑制し、より長期の連続運転を達成できるアクリル酸の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し得た本発明の方法とは、(メタ)アクリル酸含有液から蒸留によって(メタ)アクリル酸を分離するにあたり、含有するグリオキサール(その水和物も含む)濃度(グリオキサールとしての濃度)が0.03質量%以下である(メタ)アクリル酸含有液を蒸留することに要旨を有する(メタ)アクリル酸の製造方法である。
【0011】
また本発明はプロピレンおよび/またはアクロレインを用いて得られる生成物、あるいはイソブチレン、t−ブチルアルコールおよびメタクロレインから選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて得られる生成物に捕集液を接触させて(メタ)アクリル酸水溶液を得る工程と、(メタ)アクリル酸水溶液から(メタ)アクリル酸を蒸留した後の排液から捕集液を分離し、この捕集液を循環しようする循環ラインを含む(メタ)アクリル酸の製造方法において、(メタ)アクリル酸水溶液中のグリオキサール(その水和物も含む)の濃度を所定の濃度以下に低減すること、具体的には該循環ライン中の捕集液の一部または全部を逆浸透膜を用いて非透過液と透過液とに分離し、該透過液の全部または一部を前記捕集液として循環させ、前記(メタ)アクリル酸水溶液中のグリオキサール(その水和物も含む)濃度を0.03質量%以下とすることによって、(メタ)アクリル酸蒸留工程におけるグリオキサールに起因するアクリル酸の重合や、グリオキサールの析出を抑止することに要旨を有する(メタ)アクリル酸の製造方法である。本発明の方法を実施するにあたっては、共沸溶剤を用いて共沸蒸留することが推奨される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は上記の如く、(メタ)アクリル酸含有液から蒸留によって(メタ)アクリル酸を分離するにあたり、含有するグリオキサール(その水和物も含む)濃度が0.1質量%以下である(メタ)アクリル酸含有液を蒸留することに要旨を有する(メタ)アクリル酸の製造方法である。本発明を適用する(メタ)アクリル酸含有液の例としては、後述する(メタ)アクリル酸水溶液が好ましい例として推奨される。また本発明はプロピレンおよび/またはアクロレインを用いて得られる生成物に捕集液を接触させて(メタ)アクリル酸水溶液を得る工程と、(メタ)アクリル酸水溶液から(メタ)アクリル酸を分離した後の排液から捕集液を分離し、この捕集液を循環しようする循環ラインを含む(メタ)アクリル酸の製造方法において、該循環ライン中の捕集液の一部または全部を逆浸透膜を用いて非透過液と透過液とに分離し、該透過液の全部または一部を前記捕集液として循環させることに要旨を有するアクリル酸の製造方法である。この様に排液を逆浸透膜処理することによって透過液中のグリオキサールなどの副生物濃度を低減できるので、該透過液を捕集液として用いれば、グリオキサールなどの副生物に起因するアクリル酸の重合や、該副生物の析出等を効果的に抑止できる。
【0013】
以下、本発明の方法を図1に例示するアクリル酸の製造プロセスを用いて説明するが、本発明の方法は循環ライン中の捕集液の一部または全部を逆浸透膜を用いて処理する点に特徴を有しており、その他の製造プロセスは特に限定されない。したがって本発明の方法は下記の製造プロセスに限定される趣旨ではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で製造プロセスに適宜変更を加えることができる。
【0014】
プロピレンおよび/またはアクロレインを用いて得られる生成物をライン1から捕集塔2に導入する。生成物としては通常、プロピレンおよび/またはアクロレインを分子状酸素含有ガス等と任意の条件で接触気相酸化させて生成した反応ガスである。捕集塔2には後記する捕集液をライン3から導入し、該捕集塔内で、生成物と接触させて該生成物に含まれるアクリル酸を捕集する。捕集されたアクリル酸はアクリル酸水溶液としてライン4を介して次工程に送られる。またアクリル酸を捕集した後の残生成物はライン5を介して排出され、例えば上記接触気相酸化に循環させたり、或いは燃焼処理する等、任意の工程に送られる。本発明においては上記プロピレン等の接触気相酸化などプロピレン等から生成物を得る方法、条件、および生成物に捕集液を接触させて(メタ)アクリル酸水溶液を得る方法、条件については限定されない。
【0015】
尚、アクリル酸水溶液には上記した如く、アクリル酸の他、未反応状態で残存するアクロレインや、ホルムアルデヒド、グリオキサール、フルフラール、ベンズアルデヒド、蟻酸、酢酸、マレイン酸などの副生物が含まれている。
【0016】
得られたアクリル酸水溶液はライン4を介して共沸分離塔9に直接送液してもよいが、目的に応じて任意の工程を介在させてもよい。例えばアクリル酸水溶液中に残存するアクロレイン量を低減するために図1に示す様に放散塔6を介在させてもよい。放散塔6でアクロレイン除去処理されたアクリル酸水溶液はライン7を介して共沸分離塔9に導入される。尚、本発明では水と共沸する共沸溶剤を用いて脱水蒸留を行なう共沸分離塔を採用した例を説明するが、共沸分離塔に代えて任意の蒸留装置を採用して(メタ)アクリル酸水溶液から(メタ)アクリル酸を分離することができ、この際の蒸留方法,蒸留条件,蒸留操作回数,蒸留装置の組合せなどは目的に応じて適宜選択してもよい。
【0017】
本発明において共沸溶剤は水と共沸する性質を有するものであれば制限されないが、水及び酢酸と共沸する性質を有すると共に、アクリル酸とは共沸しない性質を有する共沸剤を用いることが望ましい。更に水に難溶性であれば後記する様に共沸溶剤を回収,再利用する際に排液(留出水相)との分離が容易になるので推奨される。共沸溶剤としてはトルエン、キシレン、ヘキサン、へプタン、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチルなどが例示される。また共沸溶剤は1種、或いは2種以上の混合物として用いてもよく、目的に応じて適宜組合せてもよい。ただし、これらの共沸溶剤の中でも、ヘプタンなどの炭素数7〜8の脂肪族炭化水素、トルエンなどの炭素数7〜8の芳香族炭化水素を使用することが推奨される。これらの共沸溶剤(炭素数7〜8の脂肪族炭化水素、或いは炭素数7〜8の芳香族炭化水素)を用いて蒸留すれば、共沸分離塔の塔内において、油相と水相の2液相に分離しやすいため、副生物が水相中に濃縮され易くなる。ここで炭素数7以上としたのは、7を下回ると水の共沸量が減少してしまい、共沸脱水蒸留に必要な熱量が多くなるからである。また炭素数8以下としたのは、8を超えると共沸溶剤の沸点が上昇してしまい、共沸溶剤を水と共に除去することが困難になり、塔底液中の残存量が多くなることがあるからである。
【0018】
尚、共沸溶剤の添加量については特に限定されず、十分な分離効果を得られる量を用いることが共沸蒸留効率向上の観点から望ましい。また本発明では後記する様に塔頂から留出した留出液中の共沸溶剤を再利用すべく、デカンターなどの貯槽12で共沸溶剤を分離し、ライン13を介して塔上部から供給しているが、共沸溶剤は任意の位置から供給して塔内でアクリル酸水溶液と共沸蒸留させればよく、供給位置は限定されない。勿論、図示しないラインを介して別途共沸溶剤を供給してもよい。また共沸分離塔9の運転条件は特に制限はなく、アクリル酸の製造プロセスにおいて採用され得る条件であればいずれも適用できる。
【0019】
本発明において(メタ)アクリル酸水溶液から(メタ)アクリル酸を分離するとは、例えばアクリル酸水溶液を共沸分離塔に導入して1回の蒸留操作により実質的に、酢酸、水、共沸溶剤を含まないアクリル酸を塔底から得る共沸分離工程を適用しても良く、また例えばアクリル酸水溶液を共沸分離塔に導入して水、共沸溶剤を除去した後に、該共沸分離塔の塔底液(アクリル酸)をライン10を介して図示しない酢酸分離塔等の任意の工程に導入して更に(メタ)アクリル酸を精製しても良いことを意味する。即ち、通常の(メタ)アクリル酸製造プロセスにおいて採用されうる(メタ)アクリル酸の分離精製工程を目的,条件等に応じて任意に組合せて用いることができることを意味する。
【0020】
図1に示す如く1回の蒸留操作によりアクリル酸を得る場合、共沸分離塔における還流比は、好ましくは1.1〜1.6、より好ましくは1.2〜1.5、更に好ましくは1.3〜1.5とすることが推奨される。還流比が1.1未満となると、塔頂からのアクリル酸の留出が多くなることがある。また還流比が1.6を超えると塔底での共沸溶剤の濃度が高くなることがある。また塔頂温度を好ましくは45〜55℃に制御することが望ましい。塔頂温度が45℃未満の場合、塔頂からの留出ガスを冷却するために新たな冷却設備が必要となり好ましくない。一方、塔頂温度が55℃を超えると塔頂からのアクリル酸の留出量が多くなることがある。また塔底温度は100〜110℃に制御することが好ましい。塔底温度が110℃を超えると塔底液中のアクリル酸の2量体が増加してアクリル酸の収率が低下することがある。尚、蒸留条件を制御して塔底液中の酢酸濃度が0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.03質量%以下とすることが推奨される。また図示しない任意の供給手段を介して各工程に重合防止剤を供給することが推奨される。
【0021】
重合防止剤としては(メタ)アクリル酸の重合防止効果を有するものであればよく、ハイドロキノン、メトキノン、フェノチアジン、ジブチルジチオカルバミン酸銅、酢酸マンガン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ニトロソフェノールなどの重合防止剤が例示される。もちろん重合防止剤は1種または数種を組合せた混合物を用いてもよく、重合防止剤の組成等は目的に応じて適宜決定すればよい。
【0022】
また重合防止剤の使用量は共沸分離操作条件に応じて適宜調整すればよく限定されないが、重合防止剤の供給総量を例えばアクリル酸の蒸発蒸気量に対して5〜2000ppmとすることが望ましい。5ppm未満の場合は共沸蒸留塔内における重合が十分に防止できなくなる。2000ppmを超える場合は経済的に不利であり、場合によっては製品アクリル酸が着色されるなどの問題が生じることがある。尚、アクリル酸の蒸発蒸気量とは、共沸分離塔のリボイラーなどの加熱手段(図示しない)から加えられた熱量に相当し、塔底から蒸発するモノマーの蒸気の総量を意味する。
【0023】
重合防止剤の投入方法は限定されず、例えば塔内に導入するアクリル酸水溶液や還流液など塔内に導入される液体に予め添加しておき、塔内に供給してもよく、或いは重合防止剤(尚、重合防止剤は粉体、液体または気体などいずれの状態であってもよい)を塔内に直接供給してもよい。例えば重合防止剤として分子状酸素を塔内に供給する場合、エアーバブリングなどを採用して塔底からに直接供給してもよいし、また重合防止剤を他の溶媒に溶解させて間接的に供給してもよい。特に分子状酸素を蒸留塔の塔底からガス状で送り込む方法は、エアーバブリングなどの供給手段が容易に設置できるので推奨される。また分子状酸素はアクリル酸の蒸発蒸気量に対して0.1〜1.0容量%程度導入することが優れた重合防止効果を得る上で望ましい。
【0024】
共沸分離塔9に導入したアクリル酸水溶液は共沸蒸留され、該水溶液中の水,副生物などの軽沸物は、共沸溶剤と共に塔頂から排液(以下、留出液ということがある。)として排出される。また該水溶液中のアクリル酸は塔底からライン10を介して缶出される。
【0025】
本発明において「排液(留出水相)から捕集液を分離」するとは、排液(留出水相)を任意の工程に付し、該工程において処理された排液(留出水相)の一部または全部を捕集液として用いる場合、或いは該工程を介さずに排液(留出水相)の一部または全部をそのまま捕集液として用いる場合も含む意味である。
【0026】
本発明では、塔頂から留出した排液(留出水相)と共沸溶剤の混合物をライン11を介して共沸溶剤分離用貯槽12に供給し、該混合物を油相(共沸溶剤)と水相(捕集液)とに分離し、該水相は循環ライン14を介して逆浸透膜処理工程15に導入しているが、該水相中に溶解して残存する共沸溶剤成分を蒸留により回収する共沸溶剤回収塔などの他の処理工程を更に介在させてもよく、また処理工程を介在させなくてもよい。更に逆浸透膜処理工程に導入する液は排液(留出水相)の全部であっても、その一部であってもよい。また図示しないエジェクターなどのアクリル酸製造プロセスに用いられる装置から排出される排液および/または処理液と、上記留出水相の全部または一部とを混合して逆浸透膜処理工程に導入してもよい。
【0027】
尚、共沸溶剤分離手段12にて分離された共沸溶剤は、ライン13を介して共沸分離塔9に再循環しているが、もちろん図示しない他の工程に導入してもよく、特に図示例に限定されない。また逆浸透膜処理工程において分離された非透過液と透過液のうち、透過液は捕集液としてライン3を介して捕集塔2に循環されるが、このとき循環される捕集液は透過液の一部または全部であってもよい。尚、図1では循環ライン3を介して捕集塔2に捕集液を循環させているが、本発明においては捕集塔に限らず、アクリル酸製造プロセスの任意の位置に循環するように構成することもできる。また循環ライン3中の捕集液に他の供給源から供給される捕集液等、任意の液体を任意の位置に接続されるライン17を介して供給してもよい。図1に示す如く、ライン17を介して図示しない他の供給源から液体を供給すれば、捕集塔3で必要とされる捕集液量を確保できると共に、捕集液中に残存する副生物の濃度を更に低減できるので好ましい。尚、非透過液はライン16を介して排出される。非透過液は任意の処理工程に付してもよく、非透過液の取扱いは特に限定されない。
【0028】
上記した如く本発明では、(メタ)アクリル酸製造プロセスから排出される排液を逆浸透膜処理することによって副生物に起因するアクリル酸の重合や、グリオキサールなどの副生物の析出等を防ぎ、(メタ)アクリル酸製造プロセスの長期安定操業を図ることができる。
【0029】
また本発明者らは排液に含まれる種々の副生物のうちでも、ホルムアルデヒドとグリオキサール、特にグリオキサールが濃縮されるとアクリル酸の重合が促進されやすく、また塔内にこれらの反応物や析出物が発生しやすいことを見出した。グリオキサールは塔内に水の濃縮するところがあると、2水和物になり容易に濃縮される。更にグリオキサール水和物が塔内で濃縮・加熱されて多量体になると塔内に析出し易くなり、容易に塔内が閉塞されてしまうことも見出した。アクリル酸水溶液中のグリオキサール(その水和物も含む)濃度が0.1質量%を超えると、上記の析出現象が顕著になるため、アクリル酸含有液中のグリオキサール(グリオキサール水和物を含む)の濃度(グリオキサールとしての濃度)は好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.03質量%以下、最も好ましくは0.015質量%以下にすることが望ましい。本発明において(メタ)アクリル酸含有液としては(メタ)アクリル酸水溶液が例示される。
【0030】
上記の(メタ)アクリル酸含有液を得る方法としては、プロピレンなどの原料中に含まれるエチレンなどの不純物の濃度を下げること、酸化反応条件を制御してグリオキサールの生成量を抑えること、化学的処理によってグリオキサールを変性させること、前記逆浸透膜処理を行なうことが挙げられる。これらの中でも逆浸透膜処理によって少なくとも処理後のグリオキサール(その水和物も含む、尚、以下単に「グリオキサール」と表記する。また濃度はグリオキサール(分子量58.04)としての濃度である。)の濃度を低減させることが好ましい。逆浸透膜処理はその他の方法に比べて(メタ)アクリル酸の製造プロセスの運転条件に与える影響が小さい、或いは影響がないからである。より好ましくはグリオキサールとホルムアルデヒド、更に好ましくはグリオキサール,ホルムアルデヒド,酢酸,蟻酸などの副生物を除去乃至濃度低減を図ることが望ましい。これら透過液中の副生物の濃度を低減すればする程、共沸分離塔9における重合防止効果,及び析出防止効果が高くなる。したがって逆浸透膜のグリオキサールに対する排除率は少なくとも30%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上、より更に好ましくは90%以上である。またより優れた副生物に起因する重合防止、及び析出防止を図る観点から、上記した様にグリオキサールとホルムアルデヒド、よりこのましくはグリオキサール,ホルムアルデヒド,酢酸,蟻酸などの副生物を逆浸透膜によって望ましくは各副生物を30%以上、より望ましくは50%以上排除することが望ましい。本発明で採用する「排除率」とは、以下の式より求められる値である。
【0031】
排除率(%)=(供給液中の溶質濃度−透過液中の溶質濃度)/供給液中の溶質濃度×100
逆浸透膜処理で用いる逆浸透膜の種類については特に限定されないが、架橋ポリアミド系,芳香族ポリアミド系などを含むポリアミド系,脂肪族アミン縮合物系,複素環ポリマー系,酢酸セルロース系,ポリエチレン系,ポリビニルアルコール系,ポリエーテル系などの逆浸透膜が例示されるが、これらの中でもグリオキサールに対して高い排除率(非透過液中のグリオキサール濃度が高くなる)を有する逆浸透膜を用いることが望ましく、特にグリオキサールに対して好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上の排除率を有する逆浸透膜を用いることが推奨される。この様な観点から薄膜層がポリアミド系或いはポリビニルアルコール系の高分子膜である逆浸透膜を用いることが望ましい。
【0032】
逆浸透膜の膜形態としては、非対称膜,複合膜などの各種膜形態を用いることができる。逆浸透膜の膜モジュールは限定されず、平膜型モジュール,中空糸型モジュール,スパイラル型モジュール,円筒型モジュール,プリーツ型モジュールなどが例示されるが、これらの中でもモジュールの膜面積が大きく、装置のコンパクト化に最適であり、また析出物などによる詰まりを起こし難いスパイラル型モジュールが望ましい。
【0033】
本発明では、通常、捕集液(留出水相)のpHが好ましくは2〜10、より好ましくは2〜7の範囲で逆浸透膜分離が行なわれ、捕集液にpH調整用の薬剤を添加した後、該捕集液を逆浸透膜分離に供してもよい。
【0034】
逆浸透膜に捕集液(留出水相)を導入する際の液圧力は、該捕集液中の溶質の総濃度にもよるが、通常は、圧力が小さすぎると透過液量が少なくなるため、ある程度の透過液量を確保するには逆浸透膜の膜面積を大きくしなければならず、結果として逆浸透膜処理装置が大型化するため好ましくない。したがって、好ましくは0.3MPa以上、より好ましくは1MPa以上とすることが推奨される。一方、圧力が大き過ぎると膜が破損する可能性があるため、好ましくは20MPa以下、より好ましくは10MPa以下とすることが望ましい。
【0035】
逆浸透膜の導入する捕集液(留出水相)の温度は通常好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、更に好ましくは25℃以上であって、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは35℃以下である。50℃を超える場合は捕集液中,透過液中,および/または非透過液中のアクリル酸が重合する場合があり好ましくない。また10℃未満の場合は透過液量が少なくなる場合や、これら液中に析出物が発生する場合があるので好ましくない。捕集液(留出水相)の上限温度は使用する膜の供給液許容温度(メーカー指定の最高使用温度)に制限される場合がある。
【0036】
また逆浸透膜処理に供給する捕集液(留出水相)量(尚、共沸溶剤分離処理等の処理工程を介した場合には、該処理後の液に対する割合である)については特に限定されないが、共沸蒸留塔からの留出水相の3割〜全量を逆浸透膜に導入するのが重合物および/または析出物の発生防止の観点から好ましく、より好ましくは5割〜全量、最も好ましいのは全量である。
【0037】
逆浸透膜処理工程にはバッチ式と連続式の処理方法がある。バッチ式においては通常、非透過液の全部を逆浸透膜に循環しながら透過液を透過させ、所定量の透過液が貯まった時点(1バッチ)で該透過液を捕集工程に循環する。この場合、バッチ単位で得られる非透過液(濃縮液)を系外に排出するが、この非透過液の液量が逆浸透膜に導入する捕集液(留出水相)(1バッチ分)に対して少なすぎる場合、非透過液中の溶質濃度が大幅に上昇し、操作圧力が上記の上限を超えることがあるので好ましくない。好ましい非透過液量は導入液に対して1/20以上、より好ましくは1/10以上であることが望ましい。また該比率が高すぎる場合は、大量の非透過液を廃水として処理しなければならず好ましくない。更にこの場合は透過液量が少なくなるので、捕集塔に必要な捕集液を確保するためにアクリル酸製造プロセスの系外から大量の追加捕集液(工業用純水など)を供給しなければならず好ましくない。よって該比率は1/2以下、より好ましくは1/3以下である。
【0038】
連続式においては通常、捕集液(留出水相)を逆浸透膜に導入し、且つ非透過液の一部を逆浸透膜に循環しながら、残りの非透過液(濃縮液)を逆浸透膜処理工程の系外に排出する運転が行なわれる。このため逆浸透膜処理工程の系外に排出する非透過液の液量が逆浸透膜に導入される捕集液(留出水相)に対して少なすぎる場合、非透過液中の溶質濃度が大幅に上昇し、操作圧力が上記の上限を超えることがあるので好ましくない。系外に排出する非透過液の液量は好ましくは導入液に対して1/20以上、より好ましくは1/10以上である。また連続式においてもバッチ式の場合と同様の理由により系外に排出する非透過液の液量は好ましくは導入液に対して1/2以下、より好ましくは1/3以下である。
【0039】
尚、本発明では特に図1中に送液ポンプや流量調節弁など圧力,流量調節手段については図示しないが、操作条件に応じて上記の圧力等が得られる様にこれらを設置し、流量,圧力等を制御することが望ましい。
【0040】
以上の様に本発明の方法は排液中に含まれる副生物を逆浸透膜処理によって除去し、得られる処理液をアクリル酸製造プロセスに再利用することによって、蒸留工程での該副生物に起因するアクリル酸の重合防止を図ると共に、該副生物の濃縮によって生じる析出物の出現を効果的に抑止することができる。
【0041】
以下、本発明の方法を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明の方法は以下の実施例に限定される趣旨ではない。
【0042】
【実施例】
実施例1
図1に示す様なアクリル酸製造プロセスに従って以下の実験を行なった。プロピレンと分子状酸素含有ガスとを図示しない接触気相反応器(反応器を上下のチャンバーに区切る中間管板を備えている)に供給して接触気相酸化して得られたアクリル酸含有ガスを、ライン1を介して捕集塔2に導入し、ライン3を介して捕集塔2に導入される捕集液と接触させてアクリル酸を水溶液中に捕集した。このアクリル酸水溶液には副生物としてアクロレイン、ホルムアルデヒド、フルフラール、グリオキサール,酢酸、蟻酸などが含まれていた。該アクリル酸水溶液をライン4を介して放散塔6に導入し、液中のアクロレインを放散させ、水30質量%、酢酸3.0質量%、グリオキサール0.009質量%を含むアクリル酸水溶液を得た。このアクリル酸水溶液をライン7を介して共沸分離塔9に送液した。尚、捕集塔2から排出された残ガス、及び放散塔6から排出されたアクロレインは夫々ライン5,ライン8を介して前記接触気相反応器に導入した。共沸分離塔9には、段数50段、段間隔147mmのステンレス製シーブトレーを備え、塔頂部に留出管および還流液供給管、中央部(20段)に原料液供給管および重合防止剤投入管、塔底部に塔底液抜き出し管および酸素投入管を備えた内径105mmの共沸分離塔を採用した。また共沸溶剤としてトルエンを用いてアクリル酸水溶液の蒸留を行なった。使用した重合防止剤の量は、アクリル酸蒸発蒸気量に対して、ジブチルジチオカルバミン酸銅10ppm、フェノチアジン100ppm、ハイドロキノン100ppm、酢酸マンガン10ppmであり、ジブチルジチオカルバミン酸銅およびフェノチアジンは塔頂より還流液に溶解した形で、その他の重合防止剤は中央部よりアクリル酸水溶液に溶解して塔内に供給した。またアクリル酸蒸発蒸気量に対して0.3容量%の分子状酸素を塔底部に供給した。尚、ここにいうアクリル酸蒸発蒸気量とは、共沸分離塔4の図示しないリボイラーから加えられた熱量に相当して塔底から蒸発するモノマーの蒸気の総量を意味する。
【0043】
定常運転時における運転状態は、共沸分離塔9の塔頂温度50℃、塔底温度105℃、塔頂圧力170hPa、還流比(単位時間あたりの還流液の全モル数/単位時間当りの留出液の全モル数)1.43、アクリル酸水溶液供給量8.5リットル/時であった。共沸蒸留塔9の塔頂より留出した該排液を貯槽12に導入して共沸溶剤(有機相)と捕集液(水相)とに分離した。尚、該捕集液は酢酸7.5質量%、アクリル酸1.8質量%、ホルムアルデヒド1.7質量%、蟻酸0.6質量%、アクロレイン0.02質量%、グリオキサール0.03質量%を含んでいた。一方、塔底から抜き出される液は、アクリル酸97.5質量%、酢酸0.03質量%、水0.02質量%、その他2.45質量%を含み、トルエンは検出限度(1ppm)以下であった。ライン14を介して捕集液(水相)を図示しない貯槽に貯めた後、逆浸透膜分離装置15(バッチ式)に導入し、導入した捕集液(水相)の4/5に相当する量の透過液を得ると共に、導入した捕集液(水相)の1/5に相当する量の非透過液を得た。尚、逆浸透膜としては日東電工製のNTR−759HRを用いた。該透過液は全量、アクリル酸含有ガスの吸収水(捕集液)として捕集塔2に循環させると共に、非透過液はライン16を介して系外に除去した。該透過液は酢酸4.3質量%、アクリル酸0.9質量%、ホルムアルデヒド1.0質量%、蟻酸0.3質量%、アクロレイン0.01質量%、グリオキサール0.001質量%を含んでいた。系外に排出した非透過液量に相当する工業用純水をライン17から該透過液に加えてライン3を介して捕集塔2に供給した。上記条件でアクリル酸製造を30日間連続行なったところ、常に安定した状態が得られ、運転停止後、共沸分離塔9内の点検を行なった結果、副生物の析出やアクリル酸の重合物も認められなかった。
【0044】
比較例1
実施例1において共沸脱水塔9から排出された排液を貯槽12に導入して共沸溶剤(有機相)と捕集液(水相)に分離した後、得られた捕集液のうち、4/5を逆浸透膜処理することなく捕集塔2に捕集液として循環すると共に、1/5の捕集液は廃水として系外に除去し、該廃水量に相当する工業用純水を循環用捕集液に加えた以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留を行なった。尚、得られたアクリル酸水溶液は水30質量%,酢酸3.0質量%,グリオキサール0.04質量%を含んでいた。この条件で共沸分離塔9の連続運転を行なったところ、稼動当初は実施例1と同様の製品アクリル酸の純度が確保できたが、稼動開始後25日目より塔底液中に重合物の存在が認められた。27日目に運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行なったところ、塔内に重合物,析出物の発生が認められた。
【0045】
比較例2
比較例1において捕集液(水相)の19/20を捕集塔2に捕集液として循環すると共に、1/20の捕集液は廃水として系外に除去し、該廃水量に相当する工業用純水を循環用捕集液に加えた以外は比較例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留を行なった。この条件で得られたアクリル酸水溶液は水30質量%,酢酸3.0質量%,グリオキサール0.07質量%を含んでいた。この条件で共沸分離塔9の連続運転を行なったところ、稼動当初は実施例1と同様の運転が可能であったが、稼動開始後12日目より塔底液中に重合物の存在が認められた。14日目に運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行なったところ、塔内に重合物、析出物の発生が認められた。
【0046】
比較例3
比較例1において捕集液(水相)の99/100を捕集塔2に捕集液として循環すると共に、1/100の捕集液は排水として系外に除去し、該排水量に相当する工業用純水を循環用捕集液に加えた以外は比較例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留を行なった。この条件で得られたアクリル酸水溶液は水30質量%、酢酸3.0質量%、グリオキサール0.12質量%を含んでいた。この条件で共沸蒸留塔9の連続運転を行なったところ、稼動当初は実施例1と同様の運転が可能であったが、稼動開始後7日目に塔内の圧力損失が生じ、安定稼動ができなくなった。直ちに運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行なったところ、塔内に重合物および大量の析出物の発生が認められた。
【0047】
実施例2
実施例1において逆浸透膜分離装置15から導入した捕集液(水相)の1/2に相当する量の透過液を得ると共に、導入した捕集液(水相)の1/2に相当する量の非透過液を得られる様にした以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。この条件で得られたアクリル酸水溶液は水30質量%、酢酸3.0質量%、グリオキサール0.009質量%を含んでいた。また透過液は酢酸3.8質量%、アクリル酸0.8質量%、ホルムアルデヒド0.9質量%、蟻酸0.3質量%、アクロレイン0.01質量%、グリオキサール0.001質量%を含んでいた。尚、非透過液量に相当する工業用純水を該透過液にライン17を介して供給した。上記条件で共沸分離塔9を30日間連続運転したところ、常に安定したアクリル酸濃度が得られると共に、操業状態も安定していた。また運転停止後、蒸留塔内の点検を行なった結果においても、重合物や析出物は全く認められなかった。尚、共沸蒸留塔9の塔頂より得られた捕集液(水相)は、酢酸7.1質量%、アクリル酸1.7質量%、ホルムアルデヒド1.7質量%、蟻酸0.5質量%、アクロレイン0.02質量%、グリオキサール0.03質量%を含んでいた。
【0048】
実施例3
実施例1において逆浸透膜として日東電工製のNTR−729HFを用い、逆浸透膜分離装置15から導入した捕集液(水相)の4/5に相当する量の透過液を得ると共に、導入した捕集液(水相)の1/5に相当する量の非透過液を得られる様にした以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。この条件で得られたアクリル酸水溶液は水30質量%、酢酸3.0質量%、グリオキサール0.016質量%を含んでいた。また透過液は酢酸7.1質量%、アクリル酸1.7質量%、ホルムアルデヒド1.6質量%、蟻酸0.5質量%、アクロレイン0.01質量%、グリオキサール0.02質量%を含んでいた。尚、非透過液量に相当する工業用純水を該透過液にライン17を介して捕集液に供給した。上記条件で共沸分離塔9を30日間連続運転したところ、安定した濃度のアクリル酸が塔底から得られ、また操業状態も安定していた。30日後運転を停止して、該塔内の点検を行なったが、重合物は全くなく、少量の析出物が認められただけであった。尚、共沸蒸留塔9の塔頂より得られた捕集液(水相)は、酢酸8.2質量%、アクリル酸2.2質量%、ホルムアルデヒド1.8質量%、蟻酸0.6質量%、アクロレイン0.02質量%、グリオキサール0.045質量%を含んでいた。
【0049】
実施例4
実施例3において逆浸透膜分離装置15から導入した捕集液(水相)の1/2に相当する量の透過液を得ると共に、導入した捕集液(水相)の1/2に相当する量の非透過液を得られる様にした以外は実施例3と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。この条件で得られたアクリル酸水溶液は水30質量%、酢酸3.0質量%、グリオキサール0.012質量%を含んでいた。また透過液は酢酸6.9質量%、アクリル酸1.6質量%、ホルムアルデヒド1.4質量%、蟻酸0.4質量%、アクロレイン0.01質量%、グリオキサール0.01質量%を含んでいた。尚、非透過液量に相当する工業用純水をライン17を介して該透過液に供給した。上記条件で共沸分離塔9を30日間連続運転したところ、安定した濃度のアクリル酸が塔底から得られ、また操業状態も安定していた。30日後運転を停止して、該塔内の点検を行なったが、重合物,析出物は全く認められなかった。尚、共沸蒸留塔9の塔頂より得られた捕集液(水相)は、酢酸7.9質量%、アクリル酸2.1質量%、ホルムアルデヒド1.8質量%、蟻酸0.6質量%、アクロレイン0.02質量%、グリオキサール0.035質量%を含んでいた。
【0050】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、本発明の方法を採用して、(メタ)アクリル酸製造プロセスからの排液を逆浸透膜処理して透過液を捕集液として用いれば、アクリル酸水溶液中の副生物濃度を効果的に低減できるので、蒸留工程における副生物に起因するアクリル酸の重合や、該副生物の析出等を防止できる。したがって、長期間安定して(メタ)アクリル酸製造プロセスを操業することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアクリル酸製造方法の一実施例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1.生成物導入ライン
2.捕集塔
3.循環ライン
4.捕集塔−放散塔接続ライン
5.捕集残ガスライン
6.放散塔
7.放散塔−蒸留塔接続ライン
8.被放散物返還ライン
9.共沸分離塔
10.塔底液(アクリル酸)ライン
11.留出液(排液)ライン
12.共沸溶剤分離手段
13.共沸溶剤循環ライン
14.循環ライン
15.逆浸透膜処理工程
16.非透過液排出ライン
17.追加捕集液供給ライン

Claims (2)

  1. プロピレンおよび/またはアクロレインを用いて得られる生成物、あるいはイソブチレン、t−ブチルアルコールおよびメタクロレインから選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて得られる生成物に捕集液を接触させて(メタ)アクリル酸水溶液を得る工程と、(メタ)アクリル酸水溶液から(メタ)アクリル酸を蒸留した後の排液から捕集液を分離し、この捕集液を循環する循環ラインを含む(メタ)アクリル酸の製造方法において、該循環ライン中の捕集液の一部または全部を逆浸透膜を用いて非透過液と透過液とに分離し、該透過液の全部または一部を前記捕集液として循環させ、前記(メタ)アクリル酸水溶液中のグリオキサール(その水和物も含む)濃度を0.03質量%以下とすることによって、(メタ)アクリル酸蒸留工程におけるグリオキサールに起因するアクリル酸の重合や、グリオキサールの析出を抑止することを特徴とする(メタ)アクリル酸の製造方法。
  2. (メタ)アクリル酸水溶液から(メタ)アクリル酸を分離するにあたり、共沸溶剤を用いて共沸蒸留を行なう請求項1に記載の製造方法。
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